JP2004269939A - スパッタ装置及びスパッタリング方法及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】2層以上の成膜を1つの処理チャンバーで行える効率の良いスパッタ装置及びスパッタリング方法及びこれを用いた半導体装置を提供する。
【解決手段】処理チャンバ10内上部のターゲット15は、異なる2種類のスパッタ材料が区分けされ配されている。バッキングプレート16の背後にはマグネット19を配備したカソード側モジュール18が装備されている。マグネット19及びアーム機構20、回転軸21は冷却ユニット23に納められ冷却水が循環する。マグネット19はアーム機構20の伸縮制御により、ターゲット15の第1ターゲット材151または第2ターゲット材152上方で作用すべく配置を変えることができる。モータ駆動部22は特に、マグネット19が第2ターゲット材152上方に位置合わせされた際に回転軸21を回転させる。これにより、マグネット19は第2ターゲット材152全域に作用する。
【選択図】 図1
【解決手段】処理チャンバ10内上部のターゲット15は、異なる2種類のスパッタ材料が区分けされ配されている。バッキングプレート16の背後にはマグネット19を配備したカソード側モジュール18が装備されている。マグネット19及びアーム機構20、回転軸21は冷却ユニット23に納められ冷却水が循環する。マグネット19はアーム機構20の伸縮制御により、ターゲット15の第1ターゲット材151または第2ターゲット材152上方で作用すべく配置を変えることができる。モータ駆動部22は特に、マグネット19が第2ターゲット材152上方に位置合わせされた際に回転軸21を回転させる。これにより、マグネット19は第2ターゲット材152全域に作用する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置製造に係り、特に処理チャンバに放電用ガスを導入しプラズマ化することによりイオン衝撃でターゲット原子をはじき出し、被処理基板に対し薄膜を形成するスパッタ装置及びスパッタリング方法及びこれを利用した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパッタ装置は、スパッタ現象を利用して半導体ウェハ、ガラス基板などのウェハに薄膜を形成する装置である。すなわち、真空中にArなど不活性原子の放電用ガスを導入し、電極に電圧を加えるとグロー放電が起こる。このとき、プラズマ中のArイオンが陰極のターゲットに衝突してターゲット原子をはじき出す(スパッタする)。スパッタされた原子が陽極側に置かれたウェハ上に沈着して薄膜を形成する。ターゲット材料を選ぶことであらゆる材料の成膜が可能である。
【0003】
図5は、従来のスパッタ装置の要部構成を示す概略図である。Arなどの放電用ガスが導入される真空の処理チャンバ51内にターゲット52が置かれている。ターゲット52に対向するように半導体ウェハが載置されるステージ53が配されている。スパッタ電源54によりターゲット52−チャンバ51間に負電圧が発生される。ステージ53にはRF(高周波)がバイアスされる。ターゲット52は支持部材、いわゆるバッキングプレート55に接合され、その背後に磁石(マグネット)が収容され冷却水が循環するマグネットユニット56が配備されている。
【0004】
上記構成において、負電圧が印加されるターゲット52から放出された2次電子は、マグネットによる磁界の影響でサイクロイド運動し、Arイオンを作り出す。Arイオンはターゲット52に衝突し、ターゲット原子をはじき出す(スパッタする)。スパッタされた原子はウェハWaf上に沈着して薄膜を形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のような処理チャンバ51が複数設けられるマルチチャンバータイプでは、2層以上の成膜が可能である。例えば2層の成膜を行う場合、第1のチャンバーにて1層目の成膜を達成し、第2のチャンバーにて2層目の成膜を達成する。
【0006】
しかし、上述のように異なる多層膜を作製する場合、最大でもチャンバー数を越える成膜を達成することはできない。また、都度チャンバー間を移動する際に関る時間消費や基板温度低下、不必要な層間膜の生成が懸念される。
【0007】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、2層以上の成膜を1つの処理チャンバーで行えるスパッタ装置及びスパッタリング方法及びこれを用いた半導体装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスパッタ装置は、
被処理基板を収容し真空中で少なくとも放電用ガス供給及び排気がなされる処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に設けられる少なくとも2つ以上のスパッタ材料が区分けされたターゲットと、
前記ターゲットの支持部材と、
前記支持部材を介して前記ターゲットに電圧を与え、前記放電用ガスの供給された前記処理チャンバ内にプラズマを発生させるスパッタ電源と、
前記支持部材の背後で前記ターゲットのスパッタ材料の区分けに従ってマグネットが移動制御される軌道を有するカソード側モジュールと、
を具備したことを特徴とする。
【0009】
上記本発明に係るスパッタ装置によれば、ターゲットは2つ以上のスパッタ材料が区分けされた形態で構成される。カソード側モジュールは、それぞれのスパッタ材料の背後にマグネットが移動制御されるように構成される。これにより、1つのチャンバーで2層以上の成膜構造が実現される。
【0010】
上記本発明に係るスパッタ装置は、前記ターゲットは中央領域に第1スパッタ材料、その周辺に第2スパッタ材料を有していることを特徴とする。領域に無駄がなくカソード側モジュールにおけるマグネットの移動制御がし易い。
【0011】
また、本発明に係るスパッタ装置は、上述のいずれかの特徴構成にさら次の特徴が従属される。スパッタ処理中に前記ターゲットのスパッタ材料の区分け及びマグネットの移動制御に従って対向するように前記被処理基板を移動制御する機構をさらに具備していることを特徴とする。基板側も移動制御させることにより、成膜の精度向上に寄与する。
【0012】
また、本発明に係るスパッタ装置は、上述のいずれかの特徴構成にさら次の特徴が従属される。前記ターゲットの支持部材は、前記スパッタ材料毎に放電領域が区分けされる寸法を有することを特徴とする。放電領域をスパッタ材料毎に区分けすることにより、成膜の精度向上に寄与する。
【0013】
また、本発明に係るスパッタ装置は、上述のいずれかの特徴構成にさら次の特徴が従属される。前記カソード側モジュールにおけるマグネットの移動制御はシリンダ駆動制御機構が含まれることを特徴とする。あるいは、ロボットアーム制御機構が含まれることを特徴とする。
【0014】
本発明に係るスパッタリング方法は、
処理チャンバ内に2つ以上のスパッタ材料が区分けされたターゲットを配備し、2層以上の異なる金属部材を有する成膜を連続的に1つのスパッタ装置で達成することを特徴とする。
上記本発明に係るスパッタリング方法によれば、都度チャンバー間を移動する際に関る時間消費や基板温度低下、不必要な層間膜の生成の懸念が解消される。
【0015】
上記本発明に係るスパッタリング方法において、前記金属部材として集積回路に用いられる配線層を形成することを特徴とする。配線層は多層構造が多く、特に有用である。
【0016】
本発明に係る半導体装置は、上述のいずれかの特徴を有するスパッタ装置またはスパッタリング方法を用いて形成されることを特徴とする。品質の良い半導体装置の実現、量産性の向上に寄与する。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施形態に係るスパッタ装置の要部構成を示す断面図である。図2は、図1中のターゲットの一例を示す平面図、図3は、図1中のマグネットの一例を示す平面図である。
スパッタ装置の処理チャンバ10は、内部に半導体ウェハ、ガラス基板などの被処理基板11を収容するステージ12を有する。ステージ12は、図示しないヒータ等温度調節機能が装備されている。ステージ12は、RF(高周波)バイアスされる構成であってもよい。処理チャンバ10は、少なくとも放電ガスの供給系13及び排気系14が繋がっている。
【0018】
処理チャンバ10内上部にターゲット(陰極)15が設けられる。ここでのターゲット15は、異なる2種類のスパッタ材料が区分けされ配されている。
図2にも示すように、ターゲット15は、例えば中央部に第1ターゲット材151、その周辺に第2ターゲット材152が配されている。
このようなターゲット15は、背後に支持部材、いわゆるバッキングプレート(冷却用銅板等)16が接合されている。また、スパッタ電源17は、バッキングプレート16を介してターゲット15に放電用の電圧を与える。
【0019】
バッキングプレート16の背後にはマグネット19を配備したカソード側モジュール18が装備されている。カソード側モジュール18は、例えば次のように構成されている。図3にも示すように、マグネット19は中央にN極表面が、周囲にS極表面が配置される。さらに、マグネット19はシリンダ駆動により伸縮制御されるアーム機構20に接続されている。回転軸21はモータ駆動部22に接続されている。これら、マグネット19及びアーム機構20、回転軸21は冷却ユニット23に納められ冷却水が循環する。
【0020】
カソード側モジュール18において、マグネット19はアーム機構20の伸縮制御により、ターゲット15の第1ターゲット材151または第2ターゲット材152上方で作用すべく配置を変えることができる。マグネット19の全体径Cは、第1ターゲット材151の径A、第2ターゲット材152の幅Bにほぼ等しいか若干小さいように構成することが望ましい。放電領域の区分けを確実にするためには好ましくはC<Aであり、C<Bである。第1ターゲット材151の径Aモータ駆動部22は特に、マグネット19が第2ターゲット材152上方に位置合わせされた際に回転軸21を回転させる。これにより、マグネット19は第2ターゲット材152全域に作用する。
【0021】
上記構成において、2層の金属層を形成する場合は次のようである。マグネット19を第1ターゲット材151上方で作用させるべくアーム機構20で移動制御する。次に、処理チャンバ10内に放電ガスを供給し、第1ターゲット材151と被処理基板11の電極間の電界に対して直交する磁界を印加し、マグネトロン放電によって第1ターゲット材151近傍に多量のイオンを作り蒸着速度を高める。これにより、被処理基板11において第1ターゲット材151の物質が成膜される。
【0022】
次に、処理チャンバ10内にあった放電ガスを十分に排気し、クリーンにするそして、マグネット19を第2ターゲット152上方で作用させるべくアーム機構20で移動制御し、モータ駆動部22により回転移動させる。次に、処理チャンバ10内に放電ガスを供給し、第2ターゲット152と被処理基板11の電極間の電界に対して直交する磁界を印加し、マグネトロン放電によって第2ターゲット152近傍に多量のイオンを作り蒸着速度を高める。これにより、被処理基板11において第1ターゲット材151の物質の膜上に第2ターゲット材152の物質が成膜される。
【0023】
上記構成によれば、処理チャンバ10のシングルチャンバにて2層の成膜が可能である。しかも、チャンバ移動せずに連続的に2層構造が成膜できるので、時間短縮に寄与し、基板温度低下や不必要な層間膜の生成の心配がない。これにより、高品質の成膜と生産効率の向上が期待できる。
【0024】
図4は、本発明の第2実施形態に係るスパッタ装置の要部構成を示す断面図である。前記第1実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明する。この実施形態は、前記第1実施形態に比べて、被処理基板11を収容するステージ42の機構が異なっている。また、マグネット19の配置制御は、シリンダ駆動に代わる他の一例としてロボットアーム駆動により伸縮制御されるアーム機構40を示している。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0025】
被処理基板11を収容するステージ42は、スパッタ処理中に第1、第2ターゲット材(151,152)の区分け及びマグネット19の移動制御に従って対向するように被処理基板11側も移動制御する機構を装備している。
【0026】
すなわち、ステージ42は、第1ターゲット材151と対向するチャンバ中央位置に固定される第1状態と、第2ターゲット材152と対向し、かつマグネット19の移動に応じて対向するように位置が移動する第2状態を有する。例えばロボットアーム43とモータ駆動部44が配備され、第1、第2状態を実現する。
【0027】
上記各実施形態の構成によれば、処理チャンバ10のシングルチャンバにて2層の成膜が可能である。例えば配線層を形成する場合、第1ターゲット材をTiとし、第2ターゲット材をAl合金とする。連続的に2層構造が成膜できるので、時間短縮に寄与し、基板温度低下や不必要な層間膜の生成の心配がない。これにより、高品質の成膜と生産効率の向上が期待できる。
【0028】
なお、ターゲット15の構成やマグネット19を含むカソード側モジュール18の機構は上記に限定されない。ターゲット15はさらに多種のターゲット材を区分けして構成してもよいし、それに応じてカソード側モジュール18の機構も変わる。マグネット19の配置構造も他の様々な構成が考えられる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、シングルチャンバにて2層以上の成膜が可能である。しかも、チャンバ移動せずに連続的に積層構造が成膜できるので、時間短縮に寄与し、基板温度低下や不必要な層間膜の生成の心配がない。これにより、高品質の成膜と生産効率の向上が期待できる。この結果、2層以上の成膜を1つの処理チャンバーで行える効率の良いスパッタ装置及びスパッタリング方法及びこれを用いた半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るスパッタ装置の要部構成を示す断面図。
【図2】図1中のターゲットの一例を示す平面図。
【図3】図1中のマグネットの一例を示す平面図。
【図4】第2実施形態に係るスパッタ装置の要部構成を示す断面図。
【図5】従来のスパッタ装置の要部構成を示す概略図。
【符号の説明】
10,51…処理チャンバ、11…被処理基板、12,42,53…ステージ、13…放電ガス供給系、14…排気系、15,52…ターゲット(陰極)、151…第1ターゲット材、152…第2ターゲット材、16,55…支持部材(バッキングプレート)、17,54…スパッタ電源、18…カソード側モジュール、19…マグネット、20,40…アーム機構、21…回転軸、22,44…モータ駆動部、23…冷却ユニット、43…ロボットアーム、56…マグネットユニット。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置製造に係り、特に処理チャンバに放電用ガスを導入しプラズマ化することによりイオン衝撃でターゲット原子をはじき出し、被処理基板に対し薄膜を形成するスパッタ装置及びスパッタリング方法及びこれを利用した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパッタ装置は、スパッタ現象を利用して半導体ウェハ、ガラス基板などのウェハに薄膜を形成する装置である。すなわち、真空中にArなど不活性原子の放電用ガスを導入し、電極に電圧を加えるとグロー放電が起こる。このとき、プラズマ中のArイオンが陰極のターゲットに衝突してターゲット原子をはじき出す(スパッタする)。スパッタされた原子が陽極側に置かれたウェハ上に沈着して薄膜を形成する。ターゲット材料を選ぶことであらゆる材料の成膜が可能である。
【0003】
図5は、従来のスパッタ装置の要部構成を示す概略図である。Arなどの放電用ガスが導入される真空の処理チャンバ51内にターゲット52が置かれている。ターゲット52に対向するように半導体ウェハが載置されるステージ53が配されている。スパッタ電源54によりターゲット52−チャンバ51間に負電圧が発生される。ステージ53にはRF(高周波)がバイアスされる。ターゲット52は支持部材、いわゆるバッキングプレート55に接合され、その背後に磁石(マグネット)が収容され冷却水が循環するマグネットユニット56が配備されている。
【0004】
上記構成において、負電圧が印加されるターゲット52から放出された2次電子は、マグネットによる磁界の影響でサイクロイド運動し、Arイオンを作り出す。Arイオンはターゲット52に衝突し、ターゲット原子をはじき出す(スパッタする)。スパッタされた原子はウェハWaf上に沈着して薄膜を形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のような処理チャンバ51が複数設けられるマルチチャンバータイプでは、2層以上の成膜が可能である。例えば2層の成膜を行う場合、第1のチャンバーにて1層目の成膜を達成し、第2のチャンバーにて2層目の成膜を達成する。
【0006】
しかし、上述のように異なる多層膜を作製する場合、最大でもチャンバー数を越える成膜を達成することはできない。また、都度チャンバー間を移動する際に関る時間消費や基板温度低下、不必要な層間膜の生成が懸念される。
【0007】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、2層以上の成膜を1つの処理チャンバーで行えるスパッタ装置及びスパッタリング方法及びこれを用いた半導体装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスパッタ装置は、
被処理基板を収容し真空中で少なくとも放電用ガス供給及び排気がなされる処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に設けられる少なくとも2つ以上のスパッタ材料が区分けされたターゲットと、
前記ターゲットの支持部材と、
前記支持部材を介して前記ターゲットに電圧を与え、前記放電用ガスの供給された前記処理チャンバ内にプラズマを発生させるスパッタ電源と、
前記支持部材の背後で前記ターゲットのスパッタ材料の区分けに従ってマグネットが移動制御される軌道を有するカソード側モジュールと、
を具備したことを特徴とする。
【0009】
上記本発明に係るスパッタ装置によれば、ターゲットは2つ以上のスパッタ材料が区分けされた形態で構成される。カソード側モジュールは、それぞれのスパッタ材料の背後にマグネットが移動制御されるように構成される。これにより、1つのチャンバーで2層以上の成膜構造が実現される。
【0010】
上記本発明に係るスパッタ装置は、前記ターゲットは中央領域に第1スパッタ材料、その周辺に第2スパッタ材料を有していることを特徴とする。領域に無駄がなくカソード側モジュールにおけるマグネットの移動制御がし易い。
【0011】
また、本発明に係るスパッタ装置は、上述のいずれかの特徴構成にさら次の特徴が従属される。スパッタ処理中に前記ターゲットのスパッタ材料の区分け及びマグネットの移動制御に従って対向するように前記被処理基板を移動制御する機構をさらに具備していることを特徴とする。基板側も移動制御させることにより、成膜の精度向上に寄与する。
【0012】
また、本発明に係るスパッタ装置は、上述のいずれかの特徴構成にさら次の特徴が従属される。前記ターゲットの支持部材は、前記スパッタ材料毎に放電領域が区分けされる寸法を有することを特徴とする。放電領域をスパッタ材料毎に区分けすることにより、成膜の精度向上に寄与する。
【0013】
また、本発明に係るスパッタ装置は、上述のいずれかの特徴構成にさら次の特徴が従属される。前記カソード側モジュールにおけるマグネットの移動制御はシリンダ駆動制御機構が含まれることを特徴とする。あるいは、ロボットアーム制御機構が含まれることを特徴とする。
【0014】
本発明に係るスパッタリング方法は、
処理チャンバ内に2つ以上のスパッタ材料が区分けされたターゲットを配備し、2層以上の異なる金属部材を有する成膜を連続的に1つのスパッタ装置で達成することを特徴とする。
上記本発明に係るスパッタリング方法によれば、都度チャンバー間を移動する際に関る時間消費や基板温度低下、不必要な層間膜の生成の懸念が解消される。
【0015】
上記本発明に係るスパッタリング方法において、前記金属部材として集積回路に用いられる配線層を形成することを特徴とする。配線層は多層構造が多く、特に有用である。
【0016】
本発明に係る半導体装置は、上述のいずれかの特徴を有するスパッタ装置またはスパッタリング方法を用いて形成されることを特徴とする。品質の良い半導体装置の実現、量産性の向上に寄与する。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施形態に係るスパッタ装置の要部構成を示す断面図である。図2は、図1中のターゲットの一例を示す平面図、図3は、図1中のマグネットの一例を示す平面図である。
スパッタ装置の処理チャンバ10は、内部に半導体ウェハ、ガラス基板などの被処理基板11を収容するステージ12を有する。ステージ12は、図示しないヒータ等温度調節機能が装備されている。ステージ12は、RF(高周波)バイアスされる構成であってもよい。処理チャンバ10は、少なくとも放電ガスの供給系13及び排気系14が繋がっている。
【0018】
処理チャンバ10内上部にターゲット(陰極)15が設けられる。ここでのターゲット15は、異なる2種類のスパッタ材料が区分けされ配されている。
図2にも示すように、ターゲット15は、例えば中央部に第1ターゲット材151、その周辺に第2ターゲット材152が配されている。
このようなターゲット15は、背後に支持部材、いわゆるバッキングプレート(冷却用銅板等)16が接合されている。また、スパッタ電源17は、バッキングプレート16を介してターゲット15に放電用の電圧を与える。
【0019】
バッキングプレート16の背後にはマグネット19を配備したカソード側モジュール18が装備されている。カソード側モジュール18は、例えば次のように構成されている。図3にも示すように、マグネット19は中央にN極表面が、周囲にS極表面が配置される。さらに、マグネット19はシリンダ駆動により伸縮制御されるアーム機構20に接続されている。回転軸21はモータ駆動部22に接続されている。これら、マグネット19及びアーム機構20、回転軸21は冷却ユニット23に納められ冷却水が循環する。
【0020】
カソード側モジュール18において、マグネット19はアーム機構20の伸縮制御により、ターゲット15の第1ターゲット材151または第2ターゲット材152上方で作用すべく配置を変えることができる。マグネット19の全体径Cは、第1ターゲット材151の径A、第2ターゲット材152の幅Bにほぼ等しいか若干小さいように構成することが望ましい。放電領域の区分けを確実にするためには好ましくはC<Aであり、C<Bである。第1ターゲット材151の径Aモータ駆動部22は特に、マグネット19が第2ターゲット材152上方に位置合わせされた際に回転軸21を回転させる。これにより、マグネット19は第2ターゲット材152全域に作用する。
【0021】
上記構成において、2層の金属層を形成する場合は次のようである。マグネット19を第1ターゲット材151上方で作用させるべくアーム機構20で移動制御する。次に、処理チャンバ10内に放電ガスを供給し、第1ターゲット材151と被処理基板11の電極間の電界に対して直交する磁界を印加し、マグネトロン放電によって第1ターゲット材151近傍に多量のイオンを作り蒸着速度を高める。これにより、被処理基板11において第1ターゲット材151の物質が成膜される。
【0022】
次に、処理チャンバ10内にあった放電ガスを十分に排気し、クリーンにするそして、マグネット19を第2ターゲット152上方で作用させるべくアーム機構20で移動制御し、モータ駆動部22により回転移動させる。次に、処理チャンバ10内に放電ガスを供給し、第2ターゲット152と被処理基板11の電極間の電界に対して直交する磁界を印加し、マグネトロン放電によって第2ターゲット152近傍に多量のイオンを作り蒸着速度を高める。これにより、被処理基板11において第1ターゲット材151の物質の膜上に第2ターゲット材152の物質が成膜される。
【0023】
上記構成によれば、処理チャンバ10のシングルチャンバにて2層の成膜が可能である。しかも、チャンバ移動せずに連続的に2層構造が成膜できるので、時間短縮に寄与し、基板温度低下や不必要な層間膜の生成の心配がない。これにより、高品質の成膜と生産効率の向上が期待できる。
【0024】
図4は、本発明の第2実施形態に係るスパッタ装置の要部構成を示す断面図である。前記第1実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明する。この実施形態は、前記第1実施形態に比べて、被処理基板11を収容するステージ42の機構が異なっている。また、マグネット19の配置制御は、シリンダ駆動に代わる他の一例としてロボットアーム駆動により伸縮制御されるアーム機構40を示している。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0025】
被処理基板11を収容するステージ42は、スパッタ処理中に第1、第2ターゲット材(151,152)の区分け及びマグネット19の移動制御に従って対向するように被処理基板11側も移動制御する機構を装備している。
【0026】
すなわち、ステージ42は、第1ターゲット材151と対向するチャンバ中央位置に固定される第1状態と、第2ターゲット材152と対向し、かつマグネット19の移動に応じて対向するように位置が移動する第2状態を有する。例えばロボットアーム43とモータ駆動部44が配備され、第1、第2状態を実現する。
【0027】
上記各実施形態の構成によれば、処理チャンバ10のシングルチャンバにて2層の成膜が可能である。例えば配線層を形成する場合、第1ターゲット材をTiとし、第2ターゲット材をAl合金とする。連続的に2層構造が成膜できるので、時間短縮に寄与し、基板温度低下や不必要な層間膜の生成の心配がない。これにより、高品質の成膜と生産効率の向上が期待できる。
【0028】
なお、ターゲット15の構成やマグネット19を含むカソード側モジュール18の機構は上記に限定されない。ターゲット15はさらに多種のターゲット材を区分けして構成してもよいし、それに応じてカソード側モジュール18の機構も変わる。マグネット19の配置構造も他の様々な構成が考えられる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、シングルチャンバにて2層以上の成膜が可能である。しかも、チャンバ移動せずに連続的に積層構造が成膜できるので、時間短縮に寄与し、基板温度低下や不必要な層間膜の生成の心配がない。これにより、高品質の成膜と生産効率の向上が期待できる。この結果、2層以上の成膜を1つの処理チャンバーで行える効率の良いスパッタ装置及びスパッタリング方法及びこれを用いた半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るスパッタ装置の要部構成を示す断面図。
【図2】図1中のターゲットの一例を示す平面図。
【図3】図1中のマグネットの一例を示す平面図。
【図4】第2実施形態に係るスパッタ装置の要部構成を示す断面図。
【図5】従来のスパッタ装置の要部構成を示す概略図。
【符号の説明】
10,51…処理チャンバ、11…被処理基板、12,42,53…ステージ、13…放電ガス供給系、14…排気系、15,52…ターゲット(陰極)、151…第1ターゲット材、152…第2ターゲット材、16,55…支持部材(バッキングプレート)、17,54…スパッタ電源、18…カソード側モジュール、19…マグネット、20,40…アーム機構、21…回転軸、22,44…モータ駆動部、23…冷却ユニット、43…ロボットアーム、56…マグネットユニット。
Claims (9)
- 被処理基板を収容し真空中で少なくとも放電用ガス供給及び排気がなされる処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に設けられる少なくとも2つ以上のスパッタ材料が区分けされたターゲットと、
前記ターゲットの支持部材と、
前記支持部材を介して前記ターゲットに電圧を与え、前記放電用ガスの供給された前記処理チャンバ内にプラズマを発生させるスパッタ電源と、
前記支持部材の背後で前記ターゲットのスパッタ材料の区分けに従ってマグネットが移動制御される軌道を有するカソード側モジュールと、
を具備したことを特徴とするスパッタ装置。 - 前記ターゲットは中央領域に第1スパッタ材料、その周辺に第2スパッタ材料を有していることを特徴とする請求項1記載のスパッタ装置。
- スパッタ処理中に前記ターゲットのスパッタ材料の区分け及びマグネットの移動制御に従って対向するように前記被処理基板を移動制御する機構をさらに具備していることを特徴とする請求項1または2記載のスパッタ装置。
- 前記ターゲットの支持部材は、前記スパッタ材料毎に放電領域が区分けされる寸法を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか一つに記載のスパッタ装置。
- 前記カソード側モジュールにおけるマグネットの移動制御はシリンダ駆動制御機構が含まれることを特徴とする請求項1〜4いずれか一つに記載のスパッタ装置。
- 前記カソード側モジュールにおけるマグネットの移動制御はロボットアーム制御機構が含まれることを特徴とする請求項1〜4いずれか一つに記載のスパッタ装置。
- 処理チャンバ内に2つ以上のスパッタ材料が区分けされたターゲットを配備し、2層以上の異なる金属部材を有する成膜を連続的に1つのスパッタ装置で達成することを特徴とするスパッタリング方法。
- 前記金属部材として集積回路に用いられる配線層を形成することを特徴とする請求項7記載のスパッタリング方法。
- 上記請求項1〜8いずれかに示すスパッタ装置またはスパッタリング方法を用いて形成されることを特徴とする半導体装置。
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---|---|---|---|
JP2003060249A JP2004269939A (ja) | 2003-03-06 | 2003-03-06 | スパッタ装置及びスパッタリング方法及び半導体装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7588669B2 (en) * | 2005-07-20 | 2009-09-15 | Ascentool, Inc. | Single-process-chamber deposition system |
WO2015003806A1 (de) * | 2013-07-09 | 2015-01-15 | Oerlikon Trading Ag, Trübbach | Target zur reaktiven sputter-abscheidung elektrisch-isolierender schichten |
CN104818460A (zh) * | 2014-10-28 | 2015-08-05 | 苏州求是真空电子有限公司 | 一种高效散热的旋转平面靶 |
TWI634224B (zh) * | 2017-05-10 | 2018-09-01 | 北京北方華創微電子裝備有限公司 | 用於矽通孔填充的磁控濺鍍腔室和半導體處理裝置 |
GB2588938A (en) * | 2019-11-15 | 2021-05-19 | Dyson Technology Ltd | Sputter deposition |
-
2003
- 2003-03-06 JP JP2003060249A patent/JP2004269939A/ja not_active Withdrawn
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