JP2004269562A - 熱伝導性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱伝導率が2.0W/m・K以上であり、粘度が10000〜80000mPa・sのスクリーン印刷可能で冷蔵保管が不必要である熱伝導性組成物を提供する。
【解決手段】シリコーンオイル100重量部に対して、300〜3000重量部の範囲の単結晶α−アルミナを含む熱伝導性組成物であって、前記単結晶α−アルミナは、(A)平均粒径2〜5μm:α−アルミナ総添加量の100〜70重量%、(B)平均粒径1.0〜2μm:α−アルミナ総添加量の0〜20重量%、(C)平均粒径0.6〜1.0μm:α−アルミナ総添加量の0〜20重量%、(D)平均粒径0.2〜0.6μm:α−アルミナ総添加量の0〜30重量%、(A)〜(D)の最大粒径は10μm以下であり、組成物の熱伝導率が2.0W/m・K以上である熱伝導性組成物。
【選択図】なし
【解決手段】シリコーンオイル100重量部に対して、300〜3000重量部の範囲の単結晶α−アルミナを含む熱伝導性組成物であって、前記単結晶α−アルミナは、(A)平均粒径2〜5μm:α−アルミナ総添加量の100〜70重量%、(B)平均粒径1.0〜2μm:α−アルミナ総添加量の0〜20重量%、(C)平均粒径0.6〜1.0μm:α−アルミナ総添加量の0〜20重量%、(D)平均粒径0.2〜0.6μm:α−アルミナ総添加量の0〜30重量%、(A)〜(D)の最大粒径は10μm以下であり、組成物の熱伝導率が2.0W/m・K以上である熱伝導性組成物。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱伝導性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子やCPUなどの発熱体は使用中に発熱し、その熱のため性能が低下したり熱暴走で電子部品が故障することがある。そのため発熱する電子部品には放熱器が取り付けられる。しかし、放熱器は金属であることが多いため半導体素子やCPUなどの電子部品との密着がよくなく、発熱を放熱器に効率よく伝えることができない。そのためゴム製の放熱シートなどを電子部品と放熱器の間に挟み、密着度を高める方法が多くとられている。最近では炭化水素系オイルあるいはシリコーンオイルに熱伝導性のあるフィラーを添加して熱伝導性を向上させたグリースやオイルコンパウンドが使われている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−169873号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、液状の状態を保持しつつ熱伝導率を向上させようとすると熱伝導率の高いフィラーを使う必要がある。アルミナより熱伝導率が高いフィラーとして代表的な例は窒化アルミニウムが挙げられる。しかし、窒化アルミニウムはシリコーンオイルに大量充填できない,耐水性がない,価格が高いなどの問題があり窒化アルミニウム添加のグリースやオイルコンパウンドは熱性能,保管性,価格の点などから使いにくいものであった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するため、熱伝導率が高く、かつスクリーン印刷可能である熱伝導性組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の熱伝導性組成物は、シリコーンオイル100重量部に対して、300〜3000重量部の範囲の単結晶α−アルミナを含む熱伝導性組成物であって、
前記単結晶α−アルミナは、
(A)平均粒径2〜5μm:α−アルミナ総添加量の100〜70重量%
(B)平均粒径1.0〜2μm:α−アルミナ総添加量の0〜20重量%
(C)平均粒径0.6〜1.0μm:α−アルミナ総添加量の0〜20重量%
(D)平均粒径0.2〜0.6μm:α−アルミナ総添加量の0〜30重量%
(A)〜(D)の最大粒径は10μm以下であり、
組成物の熱伝導率が2.0W/m・K以上であることを特徴とする熱伝導性組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の熱伝導性組成物はシリコーンオイル100重量部に対して単結晶α−アルミナの総添加量が300〜3000重量部からなりその単結晶α−アルミナが(A)平均粒径2〜5μm:α−アルミナ総添加量の100〜70%,(B)平均粒径1.0〜2μm:α−アルミナ総添加量の0〜20%,(C)平均粒径0.6〜1.0μm:α−アルミナ総添加量の0〜20%,(D)平均粒径0.2〜0.6μm: α−アルミナ総添加量の0〜30%かつ(A)〜(D)の最大粒径は10μm以下である。また、熱伝導率が2.0W/m・K以上である。その熱伝導性組成物は、粘度が10000〜80000mPa・sでスクリーン印刷可能である。さらに、冷蔵保管を不必要とすることもできる。
【0008】
本発明で使用されるシリコーンオイルは、ジメチルシリコーンオイル,メチルフェニルシリコーンオイル,アルキル変性シリコーンオイルなどがありどれを用いてもよい。シリコーンオイルの粘度は20〜500mPa・sが好ましくさらに80〜150mPa・sがより好ましい。
【0009】
添加するフィラーは単結晶のα−アルミナである。粒径は鱗片状,真球状,多面体のものがありどれを用いてもよい。粒度分布はシャープであることが望ましい。粒度分布がシャープであれば10μm以上のフィラーを篩いがけなどでカットする必要がないため非常に好ましい。添加するフィラーは一種類あるいは平均粒径が異なり粒度分布が同様なフィラーを二種類以上組みあわせることが好ましい。
【0010】
単結晶α−アルミナは表面処理してもよい。表面処理剤の代表例としてはシランカップリング剤などが挙げられるが公知のものを使用してよい。また、表面処理は先にフィラーに施すことが好ましいがインテグラル法で混練りの際に、適宜添加剤を添加して処理してもよい。添加剤の一例は増ちょう剤である。増ちょう剤の代表的な例として金属石鹸形及び非金属石鹸形があり、リチウム、カルシウム、ナトリウムなどの金属石鹸、及びベントナイト、シリカゲル、シリカ粉などの無機物、カーボンなどがあり適宜使用してよい。
【0011】
その他添加剤として、酸化防止剤,顔料,粘着付与剤なども必要に応じて使用してもよい。
【0012】
スクリーン印刷のため粘度は10000〜80000mPa・sであることが好ましい。むろん印刷は無溶剤であることが非常に好ましい。スクリーンの編み目の大きさは希望の塗布量によっても異なるが40〜120メッシュであることが好ましい。
【0013】
熱伝導性組成物の低分子(好ましくは4〜10量体)シロキサン含有量は、500ppm以下であることが好ましい。低分子シロキサンの除去方法は基油から低分子カットしておく方法とフィラー添加後に除去する方法があるがいずれの方法を用いてもよい。
【0014】
アルミナは大気中の水分に対して安定であるため本発明の熱伝導性組成物は室温で保管することができる。
【0015】
【実施例】
以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
【0016】
【実施例1】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社)に対して平均粒径2μmの単結晶α−アルミナ600重量部(商品名“AA−2”,住友化学工業株式会社),酸化鉄2重量部を添加し“プラネタリーミキサー”(井上製作所社混合機商品名)で100℃の熱を加えながら10分撹拌して熱伝導性組成物を得た。
【0017】
【実施例2】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)に対し、平均粒径2μmの単結晶α−アルミナ500重量部(商品名“AA−2”,住友化学工業株式会社),平均粒径0.4μm単結晶α−アルミナ100重量部(商品名“AA−04”,住友化学工業株式会社)酸化鉄2重量部を添加し、プラネタリーミキサーで100℃の熱を加えながら10分撹拌して熱伝導性組成物を得た。
【0018】
【実施例3】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)に対し、平均粒径2μmの単結晶α−アルミナ810重量部(商品名“AA−2”,住友化学工業株式会社),平均粒径0.4μm単結晶α−アルミナ90重量部(商品名“AA−04”,住友化学工業株式会社)酸化鉄2重量部を添加しプラネタリーミキサーで100℃の熱を加えながら10分撹拌して熱伝導性組成物を得た。
【0019】
【比較例1】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社)に対して平均粒径1.8μmのα−アルミナ600重量部(商品名“AL−45−1”,昭和電工株式会社),酸化鉄2重量部を添加しプラネタリーミキサーで100℃の熱を加えながら10分撹拌して熱伝導性組成物を得た。
【0020】
【比較例2】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社)に対して平均粒径1.8μmのα−アルミナ500重量部(商品名“AL−45−1”,昭和電工株式会社),平均粒径0.4μmのα−アルミナ100重量部(商品名“AL−160SG−1”,昭和電工株式会社),酸化鉄2重量部を添加しプラネタリーミキサーで100℃の熱を加えながら10分撹拌して熱伝導性組成物を得た。
【0021】
【比較例3】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社)に対して平均粒径1.8μmのα−アルミナ810重量部(商品名“AL−45−1”,昭和電工株式会社),平均粒径0.4μmのα−アルミナ90重量部(商品名“AL−160SG−1”,昭和電工株式会社),酸化鉄2重量部を添加しプラネタリーミキサーで100℃の熱を加えながら10分撹拌して熱伝導性組成物を得た。
【0022】
これらの熱伝導率と粘度,スクリーン印刷の塗布性能を以下に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
表1からもわかるとおり、単結晶α−アルミナを使用すると、熱伝導性は向上し、かつ粘度の低い熱伝導性組成物を得ることができた。また、粘度が低いためスクリーン印刷も容易にでき印刷表面の状態も良好であった。
【0025】
それに対して一般のα−アルミナを使用すると、シリコーンオイルに添加しにくく、それに伴い熱伝導率も向上しなかった。また、粘度は高くなりスクリーン印刷も困難であった。
【0026】
【実施例4】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)に対し平均粒径2μmの単結晶α−アルミナ650重量部(商品名“AA−2”,住友化学工業株式会社),平均粒径0.4μm単結晶α−アルミナ150重量部(商品名“AA−04”,住友化学工業株式会社)酸化鉄2重量部を添加しプラネタリーミキサーで100℃の熱を加えながら10分撹拌して熱伝導性組成物を得た。
【0027】
【比較例4】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社)に対して窒化アルミニウム650重量部(商品名“R10”,東洋アルミニウム株式会社),α−アルミナ150重量部(商品名“UA−5055”,昭和電工株式会社),酸化鉄2重量部を添加しプラネタリーミキサーで100℃の熱を加えながら10分撹拌しして熱伝導性組成物を得た。
【0028】
上記の二例の熱伝導率と粘度それに加えて耐湿試験(温度:60℃、相対湿度:95%RH)1000時間後の熱抵抗値を以下に示す。なお熱抵抗値測定方法は疑似CPU法でおこなった。試験サンプルはヒートシンクにスクリーン印刷で塗布して用意した。耐湿試験はその塗布したヒートシンクを剥き出しのまま暴露することでおこなった。塗布量は縦:31mm,横:31mmの広さに0.5g塗布した。
【0029】
【表2】
【0030】
表2から明らかなとおり、窒化アルミニウムを使用すると、熱伝導性組成物は水分によって劣化するため熱抵抗値が上昇傾向であることがわかる。
【0031】
それに対して単結晶α−アルミナを使用すると、高熱伝導性にもかかわらず劣化しない。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によればシリコーンオイル100重量部に対して単結晶α−アルミナの総添加量が300〜3000重量部からなりその単結晶α−アルミナが(A)平均粒径2〜5μm:α−アルミナ総添加量の100〜70%,(B)平均粒径1.0〜2μm:α−アルミナ総添加量の0〜20%,(C)平均粒径0.6〜1.0μm:α−アルミナ総添加量の0〜20%,(D)平均粒径0.2〜0.6μm: α−アルミナ総添加量の0〜30%かつ(A)〜(D)の最大粒径は10μm以下で構成すると熱伝導率が2.0W/m・K以上である熱伝導性組成物ができる。
【0033】
しかも、その熱伝導性組成物の粘度は、10000〜80000mPa・sでスクリーン印刷可能であり、冷蔵保管を不必要とすることもできる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱伝導性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子やCPUなどの発熱体は使用中に発熱し、その熱のため性能が低下したり熱暴走で電子部品が故障することがある。そのため発熱する電子部品には放熱器が取り付けられる。しかし、放熱器は金属であることが多いため半導体素子やCPUなどの電子部品との密着がよくなく、発熱を放熱器に効率よく伝えることができない。そのためゴム製の放熱シートなどを電子部品と放熱器の間に挟み、密着度を高める方法が多くとられている。最近では炭化水素系オイルあるいはシリコーンオイルに熱伝導性のあるフィラーを添加して熱伝導性を向上させたグリースやオイルコンパウンドが使われている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−169873号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、液状の状態を保持しつつ熱伝導率を向上させようとすると熱伝導率の高いフィラーを使う必要がある。アルミナより熱伝導率が高いフィラーとして代表的な例は窒化アルミニウムが挙げられる。しかし、窒化アルミニウムはシリコーンオイルに大量充填できない,耐水性がない,価格が高いなどの問題があり窒化アルミニウム添加のグリースやオイルコンパウンドは熱性能,保管性,価格の点などから使いにくいものであった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するため、熱伝導率が高く、かつスクリーン印刷可能である熱伝導性組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の熱伝導性組成物は、シリコーンオイル100重量部に対して、300〜3000重量部の範囲の単結晶α−アルミナを含む熱伝導性組成物であって、
前記単結晶α−アルミナは、
(A)平均粒径2〜5μm:α−アルミナ総添加量の100〜70重量%
(B)平均粒径1.0〜2μm:α−アルミナ総添加量の0〜20重量%
(C)平均粒径0.6〜1.0μm:α−アルミナ総添加量の0〜20重量%
(D)平均粒径0.2〜0.6μm:α−アルミナ総添加量の0〜30重量%
(A)〜(D)の最大粒径は10μm以下であり、
組成物の熱伝導率が2.0W/m・K以上であることを特徴とする熱伝導性組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の熱伝導性組成物はシリコーンオイル100重量部に対して単結晶α−アルミナの総添加量が300〜3000重量部からなりその単結晶α−アルミナが(A)平均粒径2〜5μm:α−アルミナ総添加量の100〜70%,(B)平均粒径1.0〜2μm:α−アルミナ総添加量の0〜20%,(C)平均粒径0.6〜1.0μm:α−アルミナ総添加量の0〜20%,(D)平均粒径0.2〜0.6μm: α−アルミナ総添加量の0〜30%かつ(A)〜(D)の最大粒径は10μm以下である。また、熱伝導率が2.0W/m・K以上である。その熱伝導性組成物は、粘度が10000〜80000mPa・sでスクリーン印刷可能である。さらに、冷蔵保管を不必要とすることもできる。
【0008】
本発明で使用されるシリコーンオイルは、ジメチルシリコーンオイル,メチルフェニルシリコーンオイル,アルキル変性シリコーンオイルなどがありどれを用いてもよい。シリコーンオイルの粘度は20〜500mPa・sが好ましくさらに80〜150mPa・sがより好ましい。
【0009】
添加するフィラーは単結晶のα−アルミナである。粒径は鱗片状,真球状,多面体のものがありどれを用いてもよい。粒度分布はシャープであることが望ましい。粒度分布がシャープであれば10μm以上のフィラーを篩いがけなどでカットする必要がないため非常に好ましい。添加するフィラーは一種類あるいは平均粒径が異なり粒度分布が同様なフィラーを二種類以上組みあわせることが好ましい。
【0010】
単結晶α−アルミナは表面処理してもよい。表面処理剤の代表例としてはシランカップリング剤などが挙げられるが公知のものを使用してよい。また、表面処理は先にフィラーに施すことが好ましいがインテグラル法で混練りの際に、適宜添加剤を添加して処理してもよい。添加剤の一例は増ちょう剤である。増ちょう剤の代表的な例として金属石鹸形及び非金属石鹸形があり、リチウム、カルシウム、ナトリウムなどの金属石鹸、及びベントナイト、シリカゲル、シリカ粉などの無機物、カーボンなどがあり適宜使用してよい。
【0011】
その他添加剤として、酸化防止剤,顔料,粘着付与剤なども必要に応じて使用してもよい。
【0012】
スクリーン印刷のため粘度は10000〜80000mPa・sであることが好ましい。むろん印刷は無溶剤であることが非常に好ましい。スクリーンの編み目の大きさは希望の塗布量によっても異なるが40〜120メッシュであることが好ましい。
【0013】
熱伝導性組成物の低分子(好ましくは4〜10量体)シロキサン含有量は、500ppm以下であることが好ましい。低分子シロキサンの除去方法は基油から低分子カットしておく方法とフィラー添加後に除去する方法があるがいずれの方法を用いてもよい。
【0014】
アルミナは大気中の水分に対して安定であるため本発明の熱伝導性組成物は室温で保管することができる。
【0015】
【実施例】
以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
【0016】
【実施例1】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社)に対して平均粒径2μmの単結晶α−アルミナ600重量部(商品名“AA−2”,住友化学工業株式会社),酸化鉄2重量部を添加し“プラネタリーミキサー”(井上製作所社混合機商品名)で100℃の熱を加えながら10分撹拌して熱伝導性組成物を得た。
【0017】
【実施例2】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)に対し、平均粒径2μmの単結晶α−アルミナ500重量部(商品名“AA−2”,住友化学工業株式会社),平均粒径0.4μm単結晶α−アルミナ100重量部(商品名“AA−04”,住友化学工業株式会社)酸化鉄2重量部を添加し、プラネタリーミキサーで100℃の熱を加えながら10分撹拌して熱伝導性組成物を得た。
【0018】
【実施例3】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)に対し、平均粒径2μmの単結晶α−アルミナ810重量部(商品名“AA−2”,住友化学工業株式会社),平均粒径0.4μm単結晶α−アルミナ90重量部(商品名“AA−04”,住友化学工業株式会社)酸化鉄2重量部を添加しプラネタリーミキサーで100℃の熱を加えながら10分撹拌して熱伝導性組成物を得た。
【0019】
【比較例1】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社)に対して平均粒径1.8μmのα−アルミナ600重量部(商品名“AL−45−1”,昭和電工株式会社),酸化鉄2重量部を添加しプラネタリーミキサーで100℃の熱を加えながら10分撹拌して熱伝導性組成物を得た。
【0020】
【比較例2】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社)に対して平均粒径1.8μmのα−アルミナ500重量部(商品名“AL−45−1”,昭和電工株式会社),平均粒径0.4μmのα−アルミナ100重量部(商品名“AL−160SG−1”,昭和電工株式会社),酸化鉄2重量部を添加しプラネタリーミキサーで100℃の熱を加えながら10分撹拌して熱伝導性組成物を得た。
【0021】
【比較例3】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社)に対して平均粒径1.8μmのα−アルミナ810重量部(商品名“AL−45−1”,昭和電工株式会社),平均粒径0.4μmのα−アルミナ90重量部(商品名“AL−160SG−1”,昭和電工株式会社),酸化鉄2重量部を添加しプラネタリーミキサーで100℃の熱を加えながら10分撹拌して熱伝導性組成物を得た。
【0022】
これらの熱伝導率と粘度,スクリーン印刷の塗布性能を以下に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
表1からもわかるとおり、単結晶α−アルミナを使用すると、熱伝導性は向上し、かつ粘度の低い熱伝導性組成物を得ることができた。また、粘度が低いためスクリーン印刷も容易にでき印刷表面の状態も良好であった。
【0025】
それに対して一般のα−アルミナを使用すると、シリコーンオイルに添加しにくく、それに伴い熱伝導率も向上しなかった。また、粘度は高くなりスクリーン印刷も困難であった。
【0026】
【実施例4】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)に対し平均粒径2μmの単結晶α−アルミナ650重量部(商品名“AA−2”,住友化学工業株式会社),平均粒径0.4μm単結晶α−アルミナ150重量部(商品名“AA−04”,住友化学工業株式会社)酸化鉄2重量部を添加しプラネタリーミキサーで100℃の熱を加えながら10分撹拌して熱伝導性組成物を得た。
【0027】
【比較例4】
シリコーンオイル100重量部(商品名“SH200CV”110cs,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社)に対して窒化アルミニウム650重量部(商品名“R10”,東洋アルミニウム株式会社),α−アルミナ150重量部(商品名“UA−5055”,昭和電工株式会社),酸化鉄2重量部を添加しプラネタリーミキサーで100℃の熱を加えながら10分撹拌しして熱伝導性組成物を得た。
【0028】
上記の二例の熱伝導率と粘度それに加えて耐湿試験(温度:60℃、相対湿度:95%RH)1000時間後の熱抵抗値を以下に示す。なお熱抵抗値測定方法は疑似CPU法でおこなった。試験サンプルはヒートシンクにスクリーン印刷で塗布して用意した。耐湿試験はその塗布したヒートシンクを剥き出しのまま暴露することでおこなった。塗布量は縦:31mm,横:31mmの広さに0.5g塗布した。
【0029】
【表2】
【0030】
表2から明らかなとおり、窒化アルミニウムを使用すると、熱伝導性組成物は水分によって劣化するため熱抵抗値が上昇傾向であることがわかる。
【0031】
それに対して単結晶α−アルミナを使用すると、高熱伝導性にもかかわらず劣化しない。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によればシリコーンオイル100重量部に対して単結晶α−アルミナの総添加量が300〜3000重量部からなりその単結晶α−アルミナが(A)平均粒径2〜5μm:α−アルミナ総添加量の100〜70%,(B)平均粒径1.0〜2μm:α−アルミナ総添加量の0〜20%,(C)平均粒径0.6〜1.0μm:α−アルミナ総添加量の0〜20%,(D)平均粒径0.2〜0.6μm: α−アルミナ総添加量の0〜30%かつ(A)〜(D)の最大粒径は10μm以下で構成すると熱伝導率が2.0W/m・K以上である熱伝導性組成物ができる。
【0033】
しかも、その熱伝導性組成物の粘度は、10000〜80000mPa・sでスクリーン印刷可能であり、冷蔵保管を不必要とすることもできる。
Claims (3)
- シリコーンオイル100重量部に対して、300〜3000重量部の範囲の単結晶α−アルミナを含む熱伝導性組成物であって、
前記単結晶α−アルミナは、
(A)平均粒径2〜5μm:α−アルミナ総添加量の100〜70重量%
(B)平均粒径1.0〜2μm:α−アルミナ総添加量の0〜20重量%
(C)平均粒径0.6〜1.0μm:α−アルミナ総添加量の0〜20重量%
(D)平均粒径0.2〜0.6μm:α−アルミナ総添加量の0〜30重量%
(A)〜(D)の最大粒径は10μm以下であり、
組成物の熱伝導率が2.0W/m・K以上であることを特徴とする熱伝導性組成物。 - 前記熱伝導性組成物の粘度が10000〜80000mPa・sであり、スクリーン印刷可能である請求項1に記載の熱伝導性組成物。
- 前記熱伝導性組成物は、冷蔵保管が必要ない請求項1又は2に記載の熱伝導性組成物。
Priority Applications (1)
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JP2021134273A (ja) * | 2020-02-26 | 2021-09-13 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シリコーン材料 |
-
2003
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