JP2004268495A - 記録装置 - Google Patents

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JP2004268495A JP2003064800A JP2003064800A JP2004268495A JP 2004268495 A JP2004268495 A JP 2004268495A JP 2003064800 A JP2003064800 A JP 2003064800A JP 2003064800 A JP2003064800 A JP 2003064800A JP 2004268495 A JP2004268495 A JP 2004268495A
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Sanehiro Katsuta
修弘 勝田
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Abstract

【課題】生産性を確保しつつ高画質な画像を形成可能で、メンテナンス動作が比較的容易な構成で達成できる記録装置を提供する。
【解決手段】インクジェット記録装置10は用紙を吸着し搬送する搬送ベルト12と、インク滴を吐出して用紙に画像形成する記録ヘッド部16と、記録ヘッド部16のメンテナンスを行なうメンテナンス装置18とを備えている。搬送ベルト12上には記録ヘッド部16に対応した位置にキャップ手段13が凹部として設けられている。キャップ動作の際は搬送ベルト12のキャップ手段13が記録ヘッド部16の直下に位置し、メンテナンス装置18の接続部材23が搬送ベルト12の搬送内周面側からキャップ手段13を押上げ、キャップ手段13を記録ヘッド部16に当接させる。またキャップ手段13が単位記録ヘッド40に対向する位置にきたタイミングでノズル41からインク滴をキャップ手段13に向かって吐出してダミージェットを行う。これによって印字性能の初期化を行うことができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録手段から記録媒体へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置、およびそれらの機能を備えるファクシミリ,複写機,プリンタ複合機,ワークステーション等の出力機器として用いられる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフィスにおけるカラー文書の普及はめざましく、そのための様々な出力機器が提案されている。特に、小型化が可能で低価格なインクジェット方式が様々な出力機器に使用されている。
【0003】
インクジェット方式で用いられる記録ヘッドは、エネルギ発生手段と、エネルギ発生手段で発生したエネルギをインク吐出力に変換するエネルギ変換手段と、インク吐出力によってインク滴を吐出するインク吐出口と、インク吐出口に連通してインクを供給するインク供給路とから構成される。エネルギ発生手段としては、ピエゾ素子等の電気機械変換体を用いた手段や発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によってインクを加熱して気泡を発生させ、この気泡の生成によってインク滴を吐出させる手段等がある。
【0004】
電気熱変換素子を利用する記録ヘッドでは、電気熱変換素子が小型であるためインク吐出口を高密度で配置することが可能であるだけでなく、その製造技術として半導体集積回路製造技術を転用することが可能であるため、高精度のインク吐出口を多数備えた記録ヘッドを小型化することができ、低コストで製造可能になる。
【0005】
しかしながら、現在、主に普及しているのは記録紙を搬送しながら記録ヘッドを往復運動させて1ラインずつ印字を行うシリアルスキャンと呼ばれる印字方式である。この方式は小型・低コストであるが、用紙全体にわたって画像を形成するために記録ヘッドのスキャンが複数回必要となり、印字速度が遅いという欠点がある。印字速度を向上させるためにはスキャン回数を低減させる必要があり、記録ヘッドの長尺化が必須となる。これを極限まで推し進めたものが紙幅の記録ヘッドで行なう非走査の印字方式である。この印字方式は、記録紙の紙幅とほぼ同一の長さにわたって多数の吐出口を配列した紙幅対応の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置であり、固定された記録ヘッドに対して記録紙が移動することによって記録が行われる。
【0006】
このように、印字速度を向上させてオフィスユースに対応可能にするために、用紙幅対応の非走査型の記録ヘッドによって用紙を連続搬送しつつ印字するインクジェット記録装置が提案されている。(例えば、特許文献1、2。以下、従来例1、2という)
一方、インクジェット記録装置では、インク吐出性能を良好に維持するために、メンテナンス装置によって非印字時のインク滴の吐出(ダミージェット)やノズル面の清掃(ワイピング)、さらにはインクの乾燥防止(キャッピング)などが必要とされている。
【0007】
例えば、非印字状態が長時間継続すると、乾燥したインクが増粘してノズルが詰まったり、ノズル面に埃が付着する。この結果、インク滴が吐出不能(ドット抜け)になったりインク滴の吐出方向が変化して、印字品質が低下したり印字不能になるからである。
【0008】
そこで、一定期間印字を休止する場合には、インクジェット記録装置内において記録ヘッドを印字位置からメンテナンス位置に移動させ、記録ヘッドのノズル面に付着した埃などをワイパーで除去して、ノズル面をリフレッシュすることを行なう。
【0009】
また、インクの粘度変化や気泡の発生によってインク滴の吐出性能が変化することを防止するために、非印字時に記録ヘッドから受け部材にインク滴を吐出させることを行う。
【0010】
さらに、記録ヘッドのノズル面(ノズル)の乾燥を防止するために、キャップ部材が配設されている。キャップ部材は、ゴム部をノズル面に圧着させることにより、ノズル面(ノズル)を外部から気密にするものである。
【0011】
従来例1に係るインクジェット記録装置では記録紙の紙幅とほぼ同一の長さにわたる長尺の記録ヘッドを備え、記録ヘッドを回復するための装置が装置内に備わっている。そして、所定枚数の印字が終了すると一旦装置の印字を停止し、記録ヘッドあるいは回復装置が所定の場所に移動し、回復動作を行っている。
【0012】
従来例2に係るインクジェット記録装置では記録紙の紙幅とほぼ同一の長さにわたる長尺の記録ヘッドを備え、記録紙の搬送をベルトにて行い、ベルト表面に複数の貫通孔および、対向する記録紙の裏面側にインク受け部を備えている。そして、このベルト上の貫通孔とインク受け部に向けて、記録ヘッドからインク滴を吐出し、ダミージェットを行っている。
【0013】
また、記録ヘッド表面の清掃やキャッピングは記録ヘッドが清掃装置およびキャップ装置まで移動し行われる。
【0014】
【特許文献1】
特開平02−179754号公報(図1、第4〜第18頁)
【特許文献2】
特開平03−092358号公報(図1、第3〜第6頁)
【0015】
【発明が解決すべき課題】
しかし、従来例1記録ヘッドのダミージェット、清掃およびキャッピングを行う際に、記録ヘッドあるいは回復装置を一度、所定位置に移動させる必要があるため装置構成の複雑化や印字への復帰時間がかかるという不都合があった。
【0016】
また、従来例2の構成ではダミージェットは印字中に行うことは出来るが、記録ヘッドの清掃やキャッピングは記録ヘッドを所定の位置に移動させるため、実施例1と同様に装置構成の複雑化や印字への復帰時間がかかるという不都合があった。
【0017】
本発明は、上記不都合を解決するために、生産性を確保しつつ、高画質な画像を形成できる記録装置を提供することを目的とする。また、本発明は、メンテナンス動作が比較的容易な構成で達成できる記録装置を提供することを目的とする。
【0018】
【発明を解決する手段】
請求項1に記載の記録装置は、記録ヘッドと、記録ヘッドに対面した無端状用紙搬送手段とを備え、前記無端状用紙搬送手段に前記記録ヘッドのキャップ手段が一体的に設けられたことことを特徴とする。
【0019】
上記構成の発明では、用紙搬送ベルトにキャップ手段を一体化して設けたことで、キャップ装置を別体化して設けるよりも構造を簡略化できる。
【0020】
請求項2に記載の記録装置は、キャップ手段がインク吸収部材を備えたことを特徴とする。
【0021】
上記構成の発明では、キャップ手段が記録ヘッド直下に位置するタイミングでダミージェットを行なうことが可能であり、その際も搬送ベルトや周辺部分にインクが飛散することはない。また、記録ヘッドにキャップを行なう際にインク漏れ等が発生していても搬送ベルトや周辺部分にインクが飛散することはない。
【0022】
請求項3に記載の記録装置は、無端状用紙搬送手段は、静電吸着型ベルトであることを特徴とする。
【0023】
上記構成の発明では、物理的な押圧力ではなく静電吸着力で用紙を固定することにより用紙の保持精度が向上し、各色の画像ずれ発生を抑えることができる。
【0024】
請求項4に記載の記録装置は、記録ヘッドに対して、前記キャップ手段を相対的に接離させる接離手段を備えたことを特徴とする。
【0025】
上記構成の発明では、記録ヘッドを固定し、キャップ手段を移動して記録ヘッドに接離させる構造とすることで、記録ヘッドの可動機構を不要とし、構造を簡略化すると同時に記録ヘッドの位置精度を向上させることができる。
【0026】
請求項5に記載の記録装置は、無端状用紙搬送手段の搬送内周面に、前記キャップ手段からインクを回収するインク回収手段を設けたことを特徴とする。
【0027】
上記構成の発明では、搬送ベルトの内側にインク回収手段を設けたことで、キャップ手段に溜まったインクをインク回収手段で回収できる。これによりキャップ手段がインクで飽和状態となりインクが溢れる事態を防ぐことができる。
【0028】
請求項6に記載の記録装置は、インク回収手段と前記キャップ手段を連結させる連結手段を設けたことを特徴とする
上記構成の発明では、連結手段によりインク回収手段とキャップ手段を連結させることで負圧による吸引など、能動的かつ高速にキャップ手段からインクを回収することができる。
【0029】
請求項7に記載の記録装置は、記録ヘッドが、前記記録ヘッドのインク吐出面に対して移動可能な清掃部材を備えたことを特徴とする。
【0030】
上記構成の発明では、記録ヘッドを固定し、清掃部材を移動可能とすることで記録ヘッドの保持構造を簡略化できる。
【0031】
請求項8に記載の記録装置は、キャップ手段が前記無端状用紙搬送手段の外周面に形成された段差であることを特徴とする。
【0032】
上記構成の発明では、搬送ベルトの外周面つまり用紙を保持する面に段差としてキャップ手段を設けたことで、搬送ベルトの外形を突出部のない形状とすることができ、搬送機構を簡略化できる。
【0033】
請求項9に記載の記録装置は、キャップ手段は、前記無端状用紙搬送手段の搬送内周面へ突出する凸部を備え、前記無端状用紙搬送手段を駆動するロールには前記凸部が干渉しない小径部が設けられていることを特徴とする。
【0034】
上記構成の発明では、キャップ手段を形成する段差が搬送ベルトの裏側に突出して凸部となる場合、駆動ロールに小径部を設けて凸部と干渉しない構造としている。これによりキャップ手段の深さが搬送ベルトの厚みを超えても支障なく駆動することができるので、キャップ手段の深さを搬送ベルトの厚みによって規制されることがない。
【0035】
請求項10に記載の記録装置は、清掃手段は、前記無端状用紙搬送手段の外周面側で記録用紙搬送路よりも記録ヘッド側に載置されていることを特徴とする。
【0036】
上記構成の発明では、搬送ベルトよりもキャップ手段側に清掃部材を設ける必要がなくなるので、キャップ手段側の空間に余裕を持たせることができる。
【0037】
請求項11に記載の記録装置は、記録ヘッドが、記録用紙幅に渡る幅を備えていることを特徴とする。
【0038】
上記構成の発明では、記録ヘッドが用紙幅に渡る幅を備えているので、記録ヘッドを固定した状態で記録用紙幅一杯に印字可能となる。
【0039】
請求項12に記載の記録装置は、記録ヘッドは、記録用紙幅に渡って複数配列されていることを特徴とする。
【0040】
上記構成の発明では、記録ヘッドが記録用紙幅に渡って複数配列されているので、記録ヘッド単体が記録用紙幅よりも小さくても、例えば千鳥配置とすることで用紙幅全部をカバーできる。これにより小型の記録ヘッドでも大型の記録用紙幅大の記録ヘッドの代用とすることができる。
【0041】
請求項13に記載の記録装置は、記録ヘッドは、記録用紙搬送方向に記録色ごとに複数の記録ヘッドが配列されていることを特徴とする。
【0042】
上記構成の発明では、記録ヘッドを色数分配置することでカラープリンタとすることができる。
【0043】
請求項14に記載の記録装置は、各記録ヘッドごとに前記キャップ手段と前記清掃手段からなるメンテナンス装置を備えたことを特徴とする。
【0044】
上記構成の発明では、記録ヘッドごとにメンテナンス装置を備えたことで、記録ヘッドごとのメンテナンス頻度を変える、あるいは特定の色に関して任意にメンテナンスを行なうことなどが可能となる。
【0045】
請求項15に記載の記録装置は、キャップ手段は、前記記録ヘッドのインク吐出面から吐出されるインクを受けることを特徴とする。
【0046】
上記構成の発明では、キャップ手段が記録ヘッドの直下に位置する際にダミージェットを行なうことで、印字動作の行なわれないタイミングをダミージェットに利用できるため、記録装置の印字速度を損なうことなくダミージェット動作が行なえる。
【0047】
請求項16に記載の記録装置は、無端状用紙搬送手段は、静電吸着型ドラムであることを特徴とする。
【0048】
上記構成の発明では、無端状用紙搬送手段を静電吸着型ドラムとすることで用紙の位置精度に優れ、また耐久性に優れた用紙搬送手段とすることができる。
【0049】
請求項17に記載の記録装置は、静電吸着型ベルトは、半導電性、絶縁性の樹脂或いは金属から構成されることを特徴とする。
【0050】
上記構成の発明では、静電吸着型ベルトを半導電性、絶縁性の樹脂或いは金属で構成することで静電吸着性に優れ、かつ耐久性に優れた静電吸着型ベルトとすることができる。
【0051】
請求項18に記載の記録装置は、静電吸着型ドラムは、半導電性、絶縁性の樹脂或いは金属から構成されることを特徴とする。
【0052】
上記構成の発明では、静電吸着型ドラムを半導電性、絶縁性の樹脂或いは金属で構成することで静電吸着性に優れ、かつ耐久性に優れた静電吸着型ドラムとすることができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置が示されている。
【0054】
インクジェット記録装置10は用紙を吸着し搬送する搬送ベルト12と、用紙を搬送ベルト12に吸着させる吸着ロール14と、インク滴を吐出して用紙に画像形成する記録ヘッド部16と、記録ヘッド部16のメンテナンスを行なうメンテナンス装置18から基本的に構成される。
【0055】
搬送ベルト12は、後述のようにキャップ手段13が一体的に設けられており、各キャップ手段13の位置は記録ヘッドの位置と対応している。
【0056】
この搬送ベルト12に、静電気的な力と吸着ロール14のニップ圧により用紙を吸着させ、記録ヘッド部16へと用紙を搬送する。
【0057】
搬送された用紙は記録ヘッド部16とメンテナンス装置18の間をさらに搬送され、用紙が連続的に(停止することなく)搬送されながら記録ヘッド部16からインク滴が吐出され当該用紙に画像が形成される。一方、用紙の搬送が進み、搬送ベルト12のキャップ手段13が設けられた部分が記録ヘッド部16の直下に来ると、記録ヘッド部16はキャップ手段13に向けてダミージェットを噴射する。
【0058】
メンテナンス装置18では後述のように、このダミージェットによりキャップ手段13に噴射されたインクを負圧により回収する。
【0059】
画像形成後の用紙は搬送ベルト12から剥離され、記録装置10から排紙される。
【0060】
次に、記録ヘッド部16について説明する。
【0061】
図2には、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の記録ヘッド部16の構成が示されている。
【0062】
記録ヘッド部16は、図2に示すように、用紙搬送方向(矢印X方向。以下、搬送方向という場合がある)に対して直交する用紙幅方向(矢印Y方向。以下、幅方向という場合がある)に対して一定の間隔で配置された単位記録ヘッド40が6個配置された記録ヘッドアレイ42が用紙搬送方向に一定間隔で8個配設されることによって基本的に構成されている。
【0063】
単位記録ヘッド40は、図3に示すように、ノズル面40Aにインクを吐出するノズル41が一直線上に形成されたものであり、周知のサーマルインクジェット方式によりインク滴が吐出されるものである。本実施形態では、単位記録ヘッド40はノズル配列密度が800dpiで800ノズルであり、噴射周波数が7.56kHzで、顔料インクを使用するものである。
【0064】
このような単位記録ヘッド40がノズル配列方向が幅方向と一致するように6個の単位記録ヘッド40が取り付けられることによって記録ヘッドアレイ42A、42Bが形成されている。
【0065】
記録ヘッドアレイ42A、42Bは、図4に示すように、それぞれ6個の単位記録ヘッド40が一定間隔をおいて配設されたものであり、単位記録ヘッド40の配置を幅方向で半ピッチ(単位記録ヘッド40の長さの半分)分だけ相互にずらすことによって、記録ヘッドアレイ42A、42Bの単位記録ヘッド40のノズル列が幅方向においてオーバーラップするオーバーラップ領域OLを有するように配置されている。すなわち、一対の記録ヘッドアレイ42A、42Bは、用紙幅方向で間断なく印字領域で印字可能としてものである。すなわち、記録ヘッドアレイ対42A、42Bの単位記録ヘッド40のノズル41からインク滴を吐出することによって、用紙に対する一色分の印字を行なうものである。本実施形態では、この一対の記録ヘッドアレイ42A、42Bの組み合わせを記録ヘッド44と呼ぶものとする。
【0066】
印字領域とは、用紙の両端から印字しないマージンを引いた記録領域のうち最大のものが基本となるが、一般的には印字対象となる最大用紙幅PWよりも大きくとっている。本実施形態でも、用紙が搬送方向に対して所定角度傾斜して(スキューして)搬送されるおそれがあること、また縁無し印字の要請が高いことから最大用紙幅PWよりも大きめに印字領域を設定しているものである(図4参照)。本実施形態の記録ヘッド44では、印字領域が12インチとされており、最大用紙幅PWがA3短手幅(A4長手幅)の297mmである。
【0067】
記録ヘッド44は、搬送方向上流側からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に印字されてフルカラー印字可能な構成であり、必要な場合には該当する記録ヘッドの参照番号にY、M、C、Kの符号を付して(44Y、44M、44C、44Kとして)区別する(図2参照)。
【0068】
また、図2において、記録ヘッド44Y〜44Kの構成は同一なので、記録ヘッド44Yの構成要素についてのみ参照符号を付し、他の記録ヘッド44M〜44Kの構成要素に対する参照符号を付するのを省略している。
【0069】
次に、搬送ベルト12について説明する。
【0070】
図5には、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の搬送ベルト12の構成が示されている。
【0071】
搬送ベルト12は、図5(a)に斜視図で示すように、搬送ベルト12上に単位記録ヘッド40に対応した位置にキャップ手段13が凹部として設けられた構成となっている。キャップ手段13の凹部のサイズは単位記録ヘッド40が収まる大きさとなっており、長時間にわたって記録装置を使用しない時にはこのキャップ手段13が単位記録ヘッド40のノズル面40Aをキャップし、インクの乾燥による吐出不良や埃の付着などからノズル面40Aを保護する。
【0072】
キャップ手段13を設ける目的としては、上記のように非印字状態が長時間継続する場合、あるいは電源OFF時等に、ノズル面40Aが長時間大気に晒されるとインクの溶媒あるいは分散媒が蒸発し、残留成分がノズル41を塞ぎインクの吐出不良を引き起こす自体を防ぐためである。具体的には、非印字状態が長時間継続する場合、あるいは電源OFF時等に、後述するメンテナンス装置18の連結部材23によってキャップ手段13が上昇して凹部が記録ヘッド40のノズル面40Aに圧接する。この結果、ノズル面40Aの気密性が確保され、インクの増粘、乾燥が防止される構成である。
【0073】
搬送ベルト12の、A〜A´方向の断面図を図5(b)に示す。
【0074】
搬送ベルト12は図5(b)に示すように2層構造をしており、厚さ2ミリのウレタン材からなるベース層19上に厚さ400μmのEPDM+クロロプレンからなる表面層17が形成されている。搬送ベルト12は静電吸着ベルトであり、ここでは表面抵抗値が10^13Ω/□程度、体積抵抗値が10^12Ω・cm程度であることが望ましい。
【0075】
ベース層19の素材としては弾性を有する材料であれば、ウレタン材に限定されるものではない。
【0076】
また、表面層17の素材としてはシリコン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。そして、所定の電気的な抵抗を有し、強度的にも満足するのであれば、これに限定されるものではない。
【0077】
金属ベルトの場合はベース層がウレタン材1mm程度に表面層に厚さ0.5mm程度のSUS材を用いる。また、用紙をベルトに吸着させる方法は、(ここでは図示しない)表面が半導電性あるいは導電性のロールなどをベルトに押圧し、ベルトをフロート状態(グランドに落とさない)にして電圧を印加して行う。
【0078】
さらに、搬送ベルト12の幅はJIS規格A4長手幅に対応できる必要があるため、幅300mm、全長はA3(297×420mm)を余裕を持って搬送可能で、且つ用紙保持しない箇所にキャップ手段13を設けるため、2100mm程度とする。
【0079】
キャップ手段13は深さが1mm程度、キャップ手段13全体の厚みは2mm程度(搬送ベルト12と同程度)とする。凹部の大きさは単位記録ヘッド40のノズル面40Aがカバーできる大きさで、ここでは10×40mmとする。また、キャップ手段13の底には厚さ200μm程度のインク吸収材15が全体に設けられており、ダミージェットの際に吐出されたインクを吸収する。さらに、キャップ手段13内部に溜まったインクを後述のインク回収手段に送るための穴(1mm径程度)が設けられている。ここではキャップ手段13と搬送ベルト12を一体成型としている。
【0080】
また、上記のような搬送ベルトを用いる場合、一体成型で無く、ベルト表面にキャップ手段取り付け用の穴を設け、その後にキャップ手段を埋め込む構成でも構わない。
【0081】
そして、金属ベルトを用いる場合は金属ベルト表面にキャップ手段取り付け用の穴を設け、キャップ手段を埋め込む構成になる。
【0082】
キャップ手段13はゴム材から構成されるか、またはゴム材とプラスチック材から構成される。キャップ手段13の素材には、ゴム系の材料として生ゴム、イソプレン系ゴム、ブタジエン系ゴム、オレフィン系ゴム、エーテル系ゴム、ポリスルフィド系ゴム、ウレタン系ゴム、フッ素系ゴムなど各種天然ゴム、各種エラストマー(ゴム弾性体)や、これらゴム系材料のブレンドゴム、またはこれらゴム系材料と各種プラスチックとのブレンドゴムなど各種弾性部材が使用可能であり、これら材料の接着などによる組合せを用いてもよい。
【0083】
これらの材料の中でも耐熱性、耐候性、耐薬品性、耐磨耗性、加工性の点で水素化ニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリジメチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、フルオロシリコーンゴムなどが好ましい。
【0084】
またプラスチック材としてはPOM,PET,PBT,PPS,ナイロン66、アクリル、ベークライト等があるが、成形性、耐熱性、耐衝撃性等の点でPBTが好ましい。
【0085】
さらに、インク吸収材15の材料としては、ポリエステルフェルト繊維材料、また、アクリルニトリルフェルト繊維材料が好ましく、更には、ポリエステルフェルト繊維材料及びアクリルニトリルフェルト繊維材料が混合されたものも好ましい。使用繊維材料の繊維径、繊維長、配列方向等を適宜変えると、インク吸収体86のインク保持能力及びインク供給能力が細かく調整することが可能である。
【0086】
また、その他にポリアミド系繊維材料、ポリプロピレン繊維材料、ポリビニールアルコール系繊維材料、ポリ塩化ビニリデン系繊維材料、ポリウレタン系繊維材料などが挙げられる。
【0087】
インクの吸収性を考えると、ポリエステル系繊維材料がより好ましく、上記材料を混合した材料系を用いることも好適である。
【0088】
図5(c)には、第2形態に係るキャップ手段を設けた搬送ベルト21の断面図が示されている。
【0089】
搬送ベルト21は、表面層17およびベース層19については第1形態と共通である。キャップ手段13の素材はシリコンであり、凹部の大きさは第1形態と同様に10×40mmとする。また、キャップ手段13内部に溜まったインクを後述のインク回収手段に送るための穴(1mm径程度)が設けられている。
【0090】
第1形態との相違点としては、キャップ手段13の凹部の深さは3mm程度、全体の厚みは5mm程度とし、搬送ベルト21とは別に成形される。これを搬送ベルト21に開けた穴に圧入し、一体化した構成となっている。
【0091】
この場合、キャップ手段13の厚みが搬送ベルト21の厚みよりも大きいので、両者を一体化すると図5(c)のように搬送ベルト21の裏側すなわち搬送内周面にキャップ手段13が突出し、凸部13Aを形成する。
【0092】
次に、メンテナンス装置18の構成を図6を参照して説明する。
【0093】
メンテナンス装置18は、記録ヘッド部16と用紙搬送位置を挟んで対向配置されており、図6に示すように、記録ヘッド部16の各単位記録ヘッド40と対向する位置に連結部材23が配置されている。
【0094】
連結部材23は動作機構部24によって上下可動に支持されており、キャップ手段13の凹部に設けられた図示しない穴と、各キャップ手段13に対してそれぞれ1個づつ設けられた第1インク回収タンク27とをチューブ25で接続する構造となっている。
【0095】
ここで、1個の第1インク回収タンク27は1個のキャップ手段13だけを受け持つので、容量は4cc程度でよいものとする。各第1インク回収タンク27は第2バルブ28を経由して第2インク回収タンク28に接続される。第2インク回収タンク28は記録ヘッドアレイ42ごとに1個づつ設けられており、1個の容量は60cc程度のものとする。
【0096】
記録ヘッドアレイ42は1色につき2列存在するので4色で8個の第2インク回収タンクが設けられ、これらは第3インク回収タンク30に接続される。第3インク回収タンク30はフィルター33を介して真空ポンプ31に接続されており、真空ポンプ31を駆動することで第3インク回収タンク30から第1バルブ26までの配管内に負圧を発生させることができる。配管内部の圧力は第3インク回収タンク30に設けられた負圧測定器32にて検出、制御することができる。
【0097】
次に、ダミージェットの動作について説明する。
【0098】
複数の用紙に連続的に印字中に、所定枚数の印字が終了する度に、後続の用紙の先端が到達する前に、記録ヘッド44Y〜44Kを構成する全単位記録ヘッド40の全ノズルからキャップ手段13に向かってインク滴の吐出、いわゆるダミージェットが行なわれる。例えば、複数枚数の用紙連続印字時のダミージェット時におけるノズル面40Aとキャップ部材80の上面との距離を3mmに設定し、30頁(A4)毎に用紙間で全ノズルから1000ドロップ吐出する。
【0099】
この際、キャップ手段13には、凹部の底面にインク吸収部材15が配設されているため、吐出されたインクがキャップ手段13からあふれたり飛び散ったりすることはない。
【0100】
このように、単位記録ヘッド40の全ノズルからインク滴の吐出(ダミージェット)を行なうことによって、インク(特に水性インク、溶剤インク)の乾燥による吐出性能の変化を初期化することができる。また、インクがほとんど乾燥しない油性インク、ソリッドインクであっても、印字によってヘッド内部のインク流路等に付着した気泡の排除、あるいはノズル面40Aに付着したゴミの除去を行なうことができ、ノズルのインク滴の吐出性能を初期化することができる。
【0101】
本実施形態のように、連続して印字する(搬送されてくる)複数の用紙印字中に、記録ヘッド44を移動させることなくダミージェットを行なうことができるため、印字速度(生産性)の向上が達成される。また、ダミージェットによって記録ヘッド44の印字性能が一定に維持され、高画質な印字が可能になる。
【0102】
また、記録ヘッド44のノズル内に空気が残留していると、インクの吐出量が不安定となり記録画像の階調再現などに影響する。このため、ダミージェットに加えてノズル自体を吸引することで、インクの吐出量を安定させることができる。
【0103】
以下に具体的な動作を説明する。
【0104】
図6のように単位記録ヘッド40の直下に設けられた接続手段23は動作機構部24によって上下に移動し、キャップ手段13が単位記録ヘッド40と接続手段23の間に来たタイミングで(ダミージェットを行なった直後)搬送ベルト12の下側から密着する。動作機構部24はリンク、ラック&ピニオン、電磁アクチュエータ、油圧シリンダなど様々な駆動方法が適用できる。
【0105】
このとき接続手段23が搬送ベルト12を下から押上げ、キャップ手段13を単位記録ヘッド40のノズル面40Aをキャップする。次いで第1バルブ26を閉鎖し、真空ポンプ31を起動して第1バルブ26から真空ポンプ31までの流路に負圧を発生させる。ここで、第3インク回収タンク30に接続された負圧測定器32によって負圧を測定し、所定の圧力(望ましくは30〜100kpa、ここでは70kpa)になったら第2バルブ28を閉鎖し、真空ポンプ31を停止する。
【0106】
インク回収を行ないたい単位記録ヘッド40に当接しているキャップ手段13に続く連結部23への第1バルブ26を開放する。連結部23はチューブ25によって第1インク回収タンク27に接続されているので、負圧が連結部23を通じてキャップ手段13に伝達される。
【0107】
キャップ手段13には、前述の様に直径1mm程度の穴(図示せず)が設けられているので、当接しているノズル面40Aにも負圧が掛かり、ノズル内部の余分なインク及び空気を吸引し、ノズルをリフレッシュする。
【0108】
ここでリフレッシュする単位記録ヘッド40は1個でも複数でもよく、全部の単位記録ヘッド40についてリフレッシュを行なってもよい。
【0109】
吸引が終了したのち、動作機構部24によって連結部材23を下げ、ノズル面40Aに当接していたキャップ手段13を離間させる。第1バルブ26および第2バルブ28をすべて開放し、配管内部を大気圧に戻す。
【0110】
図7には、第2形態に掛かる搬送ベルトに対応した回転部材が示されている。
【0111】
図5(c)に示したような構造の搬送ベルト21を使用した場合、搬送内周面にキャップ手段13が突出し、キャップ手段13に対応した箇所に凸部13Aが形成されるので、そのまま駆動ロールなどで駆動することはできない。
【0112】
そこで駆動ロール、搬送ロールを図7(a)に示すような構成とし、搬送ベルト21を駆動可能とする。
【0113】
図7(a)のA〜A´の断面を図7(b)に示す。ロール50は両端に端部51を備え、その内側にある端部50よりも小径なベルト長架部55との間に段差52を形成している。
【0114】
段差52は搬送ベルト21を脱落しないように幅方向外側から支持するため、3mm程度の高さを備えている。ベルト長架部55は、搬送ベルト21の搬送内周面、幅方向両端部分にある凸部13Aの存在しない平坦な部分を支持し、搬送する。
【0115】
ベルト長架部55のさらに内側には小径部54が設けられ、搬送ベルト21の凸部13Aとの干渉を防いでいる。ベルト長架部55と小径部54の段差56は、凸部13Aの突出高さよりも高いため、凸部13Aと干渉せず、突出高さをクリアすることができる。これにより、キャップ手段13の厚みが搬送ベルト21よりも厚い場合、すなわち搬送ベルト21の搬送内周面に凸部13Aが突出する場合でも搬送可能となる。
【0116】
搬送ロール50の材質は芯金にSUS材、表面にEPDMゴムを厚さ1mm程度に塗布している。ベルト長架部55の搬送ベルト21との接触面53、および端部51にもゴム材を塗布している。
【0117】
次に記録ヘッドの清掃手段およびキャップ手段との関係について説明する。
【0118】
図8(a)に示すように、記録ヘッドアレイ42の単位記録ヘッド40の間には、各単位記録ヘッド40のノズル面40Aをクリーニングするためのワイピング部材60が配設されている。
【0119】
ワイピング部材60は、図8に示すように、図の矢印Aから見て略コの字型の形状をした保持部材62と、保持部材62の横木部分63に配設され搬送方向に延在するワイパー64と、保持部材62を支持するフレーム65から構成されている。フレーム65は用紙幅方向に延設され、図8(b)に示すように記録ヘッドアレイ42を支持している記録ヘッドフレーム45に、用紙幅方向すなわち単位記録ヘッド40のノズル面40Aの長手方向に移動可能に支持されている。
【0120】
ワイピング部材60は用紙搬送中、あるいは画像印字中はホームポジションにあり、その際のキャップ手段13の位置はノズル面40Aの下3mmとする。
【0121】
保持部材62はアルミやSUSなどの強度がある材料から構成される。ここでは横木部分63に厚さ1mmのSUS材、保持部材62は3mm厚とする。
【0122】
一方、ワイパー64は、所定の剛性を得るためにゴム硬度30〜80に形成され、幅10mm、厚さ0.8mm、長さ6mm、当接量は1.5mmとする。
【0123】
ワイパー64の材料としては生ゴム、イソプレン系ゴム、ブタジエン系ゴム、オレフィン系ゴム、エーテル系ゴム、ポリスルフィド系ゴム、ウレタン系ゴム、フッ素系ゴム、シリコーンゴムなど各種天然ゴム、各種エラストマー(ゴム弾性体)や、これらゴム系材料のブレンドゴム、またはこれらゴム系材料と各種プラスティックとのブレンドゴムなど、各種弾性部材が使用でき、これら材料の接着などによる組合せを用いても良い。
これら材料のなかでも耐熱性、耐候性、耐薬品性、耐磨耗性、加工性の点で、水素化ニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリジメチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム等が好ましい。
また、耐疲労性、耐成形性、ゴム特性などの点で、優れた熱可塑性エラストマーなども好ましい。
さらに、ワイパー64の表面を保護層で被覆して使用することもできる。保護層としては、撥液性と低摩擦係特性に優れるフッ素系樹脂が好ましい。また、各種プラスチック材料も適用可能である。
具体的な材料としてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の成形体を用いても良い。
さらに、これらの材料のフィルム材を積層して張り合わせたものを高精度に切断しても良い。このとき、貼着剤としては、アクリル系ポリマーやゴム系ポリマー等が適している。
【0124】
次にキャップ手段13とワイピング部材60の動作について説明する。
【0125】
ワイピング部材60は、図8(b)のように記録ヘッドフレーム45に設けたガイド溝46に沿ってフレーム65ごと用紙幅方向に移動可能に支持し、用紙幅方向に移動させることでノズル面40Aに対して接近離間(昇降)可能とする。あるいは図示しない昇降手段でノズル面40Aに対して接近離間(昇降)可能としてもよい。
【0126】
ワイピング部材60(横木部分63)は、ホームポジションでは搬送されてくる用紙と干渉しないように単位記録ヘッド40のノズル面40Aよりもある程度余裕を持って高い場所に位置しているが、ワイピング時には下降して単位記録ヘッド40を跨ぐ形で用紙幅方向に移動し、ワイピングを行なう構成とされている。
【0127】
図9に示すようにキャップ動作が行なわれるときは搬送ベルト12のキャップ手段13が単位記録ヘッド40の直下に位置し、メンテナンス装置18の接続部材23が搬送ベルト12の搬送内周面側(下側)からキャップ手段13を押上げ、(3mm)キャップ手段13を単位記録ヘッド40のノズル面40Aに当接させる。このとき、ノズル面40Aに対するキャップ手段13の当接力は300gfとする。キャップ手段13の下にスプリング機構を設け、弾性力で当接力を保持するようにしてもよい。
【0128】
このとき、ワイピング部材60は搬送ベルト12、キャップ手段13と干渉させないために図9のように上方へ退避させておく。
【0129】
次にキャップ動作が終了すると図10のようにワイピング部材60が駆動され、記録ヘッド40のノズル面40Aをワイパー64が清掃する。
【0130】
一旦、上方へ退避していたワイピング部材60はここで図8(b)のようにガイド溝46をトレースして、あるいは図示しない昇降手段によってワイパー64がノズル面40Aを当接量1.5mmでワイピングできる高さまで下降する。
【0131】
次いで矢印方向(用紙幅方向)にフレーム65ごと移動し、記録ヘッドアレイ42を構成する6個の単位記録ヘッド40のノズル面40Aをワイピングして清掃する。
【0132】
次に、本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。第1、第2実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。以下、第1、第2実施形態との異なる部分を中心にして説明する。
【0133】
本実施形態に係るインクジェット記録装置70は、図11に示すように、搬送系を静電吸着ドラム(以下、単にドラムという場合がある)72を使用している点が大きな特徴である。
【0134】
ドラム72は、外周面の用紙保持領域に半導電性あるいは絶縁性のシート状をした用紙保持部材78が配設されており、搬送方向上流側の図示しない帯電ロールによって帯電され、押圧ロール74によって用紙がドラム72上に圧接されることにより用紙保持部材78に静電吸着され、ドラム72の回転によってドラム72と共に回転搬送され、その後ドラム外周面すなわち用紙保持部材78から剥離される構成である。
【0135】
ドラム72の外周面において用紙保持領域の略反対側となる位置には、キャップ手段13が単位記録ヘッド40に対応する箇所に設けられており、メンテナンス(ダミージェット、ワイピング、バキューム)時に用いるものである。
【0136】
一方、ドラム72の外周面の回転方向に沿って、4色の記録ヘッド44Y〜44Kを構成する8個の記録ヘッドアレイ42YA〜42KBが配設されている。各記録ヘッドアレイ42の構成は、第1実施形態と同様である。
【0137】
ドラム72の外周に配設された用紙保持部材78は、半導電性の場合は表面抵抗値が10^10〜14Ω/□、体積抵抗値が10^9〜13Ω・cm、絶縁性の場合は10^14Ω/□、10^13Ω・cm以上の樹脂を用いる。また、金属の場合はSUS材等の材料を用いる。
【0138】
ここでは、用紙保持部材78は半導電性の樹脂素材を使用するものとする。
【0139】
以上のように構成されるインクジェット記録装置10の作用について説明する。
【0140】
画像形成を行う場合には、図示しない帯電ドラムによってドラム72の用紙保持部材72が帯電され、押圧ロール74によって外周面に押圧された用紙がドラム72の用紙保持部材78に静電吸着され、ドラム72と共に回転搬送される。
【0141】
ドラム72が回転し、(図11では反時計方向)用紙が記録ヘッドアレイ42の直下に搬送されると、用紙に対して各記録ヘッドアレイ42YA〜42KBを構成する単位記録ヘッド40のノズル41から形成される画像に対応した位置にインク滴が吐出され、各ヘッドアレイ42の並び順に従い、Y,M,C,Kの順でカラー画像形成が行われる。
【0142】
本実施例では用紙が搬送ベルトではなく、剛体であるドラム72の用紙保持領域に静電吸着されて搬送されるため、各単位記録ヘッド40のノズル面40Aに対する用紙の距離が一定に保たれ、高画質のカラー画像形成を行うことができる。
【0143】
一方、ダミージェットを行う場合には、ドラム72の用紙保持領域が通過後にキャップ手段13が単位記録ヘッド40に対向する位置にきたタイミングでノズル41からインク滴をキャップ手段13に向かって吐出する(ダミージェットを行う)。これによって印字性能の初期化を行うことができる。
【0144】
なお、バキュームあるいはワイピングを行う場合には、キャップ手段13が単位記録ヘッド40に対向する位置でドラム72の回転を停止させ、動作機構部24の駆動により連結部23をドラム72の内側からキャップ手段13に当接させ、第1、第2実施形態と同様にバキューム、ワイピングを行う。
【0145】
ところで、本願発明では、単位記録ヘッド40のインク滴の吐出方式は用紙に対して非接触で直接色材を転移させるタイプであればその方式は問わない。インクジェット方式が代表的であるが、公知の方式であればいずれの方式も適用可能である。また、インクジェット方式においてもサーマルインクジェット方式に限定されず、ピエゾ式インクジェット、連続流型インクジェット、静電吸引型インクジェット等でもよい。
【0146】
また、使用するインクも水性インク、油性インク、常温で固形のいわゆるソリッドインク、溶剤インク等いずれも適用可能である。インク中の色材も顔料・染料を問わない。
【0147】
【発明の効果】
本発明に係る記録装置では、メンテナンスを行なうために記録ヘッド等を移動させる必要がないため、生産性が高く、高画質な画像を形成可能であり、メンテナンス動作が比較的容易な構成で達成できる記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1形態に係る記録装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第1形態に係る記録ヘッド部の概略平面図である。
【図3】本発明の第1形態に係る単位記録ヘッドの平面図である。
【図4】本発明の第1形態に係る記録ヘッドアレイの構成説明図である。
【図5】本発明の第1形態に係る搬送ベルトの斜視図および第1、第2形態に係る断面図である。
【図6】本発明の第1形態に係るメンテナンス装置の要部側面図である。
【図7】本発明の第2形態に係る搬送ベルトおよび搬送ロールの斜視図および断面図である。
【図8】本発明の第1形態に係るワイピング部材の側面図および斜視図である。
【図9】本発明の第1形態に係るワイピング部材およびキャップ手段の動作説明図である。
【図10】本発明の第1形態に係るワイピング部材の動作説明図である。
【図11】本発明の第3形態に係る記録装置の断面図である。
【符号の説明】
10 インクジェット記録装置(記録装置)
12 搬送ベルト
13 キャップ手段
14 吸着ロール
16 記録ヘッド部
18 メンテナンス装置
20 最終インク回収手段
40 単位記録ヘッド
42 記録ヘッドアレイ
50 搬送ロール
60 ワイピング部材(清掃手段)
70 インクジェット記録装置(記録装置)
72 ドラム

Claims (18)

  1. 記録ヘッドと、記録ヘッドに対面した無端状用紙搬送手段とを備え、前記無端状用紙搬送手段に前記記録ヘッドのキャップ手段が一体的に設けられたことを特徴とする記録装置。
  2. 前記キャップ手段は、インク吸収部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記無端状用紙搬送手段は、静電吸着型ベルトであることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記記録ヘッドに対して、前記キャップ手段を相対的に接離させる接離手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  5. 前記無端状用紙搬送手段の搬送内周面に、前記キャップ手段からインクを回収するインク回収手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  6. 前記インク回収手段と前記キャップ手段を連結させる連結手段を設けたことを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記記録ヘッドのインク吐出面に対して移動可能な清掃部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  8. 前記キャップ手段が前記無端状用紙搬送手段の外周面に形成された段差であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  9. 前記キャップ手段は、前記無端状用紙搬送手段の搬送内周面へ突出する凸部を備え、前記無端状用紙搬送手段を駆動するロールには前記凸部が干渉しない小径部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  10. 前記清掃手段は、前記無端状用紙搬送手段の外周面側で記録用紙搬送路よりも記録ヘッド側に載置されていることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  11. 前記記録ヘッドは、記録用紙幅に渡る幅を備えていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  12. 前記記録ヘッドは、記録用紙幅に渡って複数配列されていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  13. 前記記録ヘッドは、記録用紙搬送方向に記録色ごとに複数の記録ヘッドが配列されていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  14. 各記録ヘッドごとに前記キャップ手段と前記清掃手段からなるメンテナンス装置を備えたことを特徴とする請求項12〜請求項13に記載の記録装置。
  15. 前記キャップ手段は、前記記録ヘッドのインク吐出面から吐出されるインクを受けることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  16. 前記無端状用紙搬送手段は、静電吸着型ドラムであることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  17. 前記静電吸着型ベルトは、半導電性、絶縁性の樹脂或いは金属から構成されることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  18. 前記静電吸着ドラムは、半導電性、絶縁性の樹脂或いは金属から構成されることを特徴とする請求項17に記載の記録装置。
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