JP2004268410A - 印刷機の中間スリーブ及びそれを用いた印刷機 - Google Patents

印刷機の中間スリーブ及びそれを用いた印刷機 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷機に設けられた中心軸に装着されることで印刷機の版胴或いはブランケット胴として機能するスリーブであって、軽量で高強度であり、かつ高い耐熱性を備えた印刷機の中間スリーブを提供する。
【解決手段】中間スリーブ20の構成素材としてマイクロバルーン22と樹脂23との複合材料を構成素材として用い、中間スリーブの周方向に連続した領域を上記複合材料で形成する。中間スリーブは上記複合材料によって一体成型するか、或いは複数の層から構成して少なくとも一つの層を上記複合材料によって形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機に設けられた中心軸に装着されることで印刷機の版胴或いはブランケット胴として機能する中間スリーブの構造に関し、特に、書き換え可能な再生式刷版を備える版胴用スリーブとして好適な中間スリーブの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷機における中間スリーブの構造として、特許文献1に開示されたものが知られている。図7に示すように、この中間スリーブ103は、中心軸101に嵌挿される支持層105、支持層に続く圧縮性の中間層106、厚さ可変のブリッジ層108、中間層106とブリッジ層108との間にある境界層107、及びブリッジ層108を閉鎖するカバー層109とからなり、カバー層109の表面に刷版(或いはブランケット)104が取り付けられるようになっている。このような中間スリーブ103によれば、支持層105の内径が同じでブリッジ層108の厚さの異なるものを複数準備しておくことで、カットオフ長の変更にも対応することができる。
【0003】
この中間スリーブ103では、支持層105の部分における閉まり嵌めで中心軸101への固定が行われる。中間スリーブ103の中心軸101への着脱は、中心軸101の内部に設けられた圧力空気通路102から表面に圧縮空気を吹き出し、支持層105の径を膨らませた状態で行われる。支持層105が径方向に膨張することにより内部の中間層106も膨張するが、中間層106は外径を境界層107によって規制されているので、支持層105の膨張量は中間層106が圧縮されることによって吸収される。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−32240号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の中間スリーブ103には、次のような問題点がある。
まず、印刷中には、版胴やブランケット胴には大きな圧力(印圧)が加わる。この印圧はシリンダ間のニップ部から中間スリーブ103の軸心方向に作用するが、中間層106は圧縮性であるために、この印圧の作用方向に変形してしまう虞がある。中間層106の変形は中間スリーブ103の偏心を招き、ダブリや見当不良といった印刷障害を引き起こしてしまう。
【0006】
また、高速印刷を実施する場合には、版胴やブランケット胴の表面には大きな回転反力が発生する。この回転反力は、版胴とブランケットとの間やブランケットと紙との間に作用する抵抗力によるものであり、中間層106には周方向のせん断力として作用する。したがって、中間層106の剛性が足りないとせん断力によって中間層106に捻れが発生し、軸中心と中間スリーブ103表面との間に見当不良の原因となる回転ずれが起きてしまう。さらには、中間層106がせん断破壊してしまい、中間スリーブ103が破損してしまう虞もある。この現象は高速印刷を実施する場合のみならず、カットオフ長を大きくするために中間スリーブ103を外径の大きいものに交換した場合にも起こりうる現象である。
【0007】
また、特許文献1に記載の中間スリーブ103では、ブリッジ層108として多孔性のポリウレタン硬質フォームを用いている。これは、密度の小さいポリウレタン硬質フォームは軽量を用いることで中間スリーブ103の軽量化を図ったものであるが、ポリウレタン硬質フォームは密度の低下に応じて剛性も低くなるため、上述のように高い印圧が加わった場合には変形してしまう虞がある。逆に、高い印圧に耐えうるように密度を高くした場合には、軽量化という利点を得ることができなくなる。つまり、特許文献1に記載の中間スリーブ103の材質では軽量化と高強度化とが相反してしまい、両者を両立させることが難しい。
【0008】
また、今日では絵柄を書き換えることにより再使用可能な再生式刷版が実用化されており、中間スリーブは再生式刷版を再生処理する際の支持シリンダとしても用いることができる。再生処理の際には刷版には外部から熱が加えられ、その熱は刷版を介して中間スリーブにも伝達される。また、製版時の絵柄書き込み手段として赤外線レーザーを用いる場合にも、中間スリーブには熱が伝達される。特許文献1に記載の中間スリーブ103の材質では、熱伝導性及び熱容量が低いことに基づいてブリッジ層108の材質にポリウレタン硬質フォームを採用しているが、製版及び再生処理時の熱的処理の効率を高めてより低いエネルギーでの加熱を可能にし、かつ熱膨張による寸法変化をより確実に低減するためには、より断熱性の高い材質を選定することが望まれる。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたものであり、軽量かつ高強度であり、さらに高い耐熱性を備えた印刷機の中間スリーブを提供することを目的とする。
また、この中間スリーブの特徴を有効に活用することが可能な印刷機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の中間スリーブは、印刷機に設けられた中心軸に装着されることで印刷機の版胴或いはブランケット胴として機能するスリーブであって、構成素材としてマイクロバルーンと樹脂との複合材料が用いられていることを特徴としている。
【0011】
マイクロバルーンは低比重で耐圧縮性かつ耐熱性に優れているので、このようにマイクロバルーンと樹脂との複合材料を構成素材として用いることで、軽量かつ高強度で、高い耐熱性を備えた中間スリーブを実現することができる。マイクロバルーンの材質としては、エポキシ樹脂などの樹脂やソーダ石灰珪酸ガラス等のガラスやセラミックスを用いることができる。また、その大きさ(直径)は10〜200μmの範囲が好ましい。一方、マイクロバルーンとともに複合材料を形成する樹脂としては、あらゆるタイプの樹脂、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、或いはメラミン樹脂等を使用することができる。いずれを選択するかは、必要な特性や成型方法に応じて決めればよい。
【0012】
本発明では、中間スリーブの周方向に連続した領域を上記複合材料で形成する。したがって、中間スリーブは上記複合材料によって一体成型してもよく、或いは複数の層から構成して少なくとも一つの層を上記複合材料によって形成してもよい。上記複合材料中におけるマイクロバルーンの含有率は、比重、圧縮性及び断熱性を考慮すると50%以上であることが好ましい。後者の場合、表面或いは表面近傍の層を上記複合材料によって形成し、断熱層としてもよい。
【0013】
本発明の中間スリーブは、断熱性に優れていることから、再生式刷版を再生処理する際に刷版を支持する手段としても好適である。中間スリーブの表面に再生式刷版を備え、刷版の再生はそのまま中間スリーブに備えた状態で行う。なお、中間スリーブに再生式刷版を備える形態としては、中間スリーブの表面そのものを刷版としたり、継ぎ目のない円筒状の刷版を中間スリーブに装着したり、或いは平板状の刷版を中間スリーブに巻き付けて固定するといった形態があり、何れの形態も採用可能である。
【0014】
本発明の第1の印刷機は、このような中間スリーブが装着される中心軸を備えたものであり、中間スリーブは中心軸に装着されることで版胴或いはブランケット胴として機能する。そして、刷版交換或いはブランケット交換は、中間スリーブを中心軸から外して刷版或いはブランケットとともに交換することで行われる。上記のように中間スリーブは軽量であるので刷版交換或いはブランケット交換の際の交換作業が容易であり、同時に、強度に優れていて変形しにくいので高い印刷精度を得ることができる。
【0015】
また、本発明の中間スリーブは、着脱自在な外側スリーブと内側スリーブとからなる二重構造とすることも可能である。この場合、外側スリーブと内側スリーブのうち少なくとも一方を上記複合材料によって一体成型するか、或いは、外側スリーブと内側スリーブのうち少なくとも一方を複数の層から構成し、少なくとも一つの層を上記複合材料によって形成する。後者の場合、外側スリーブの表面或いは表面近傍の層を上記複合材料によって形成し、断熱層としてもよい。
【0016】
このような二重構造の中間スリーブも、再生式刷版を再生処理する際に刷版を支持する手段として好適であり、この場合であれば、外側スリーブが刷版を支持する手段として機能する。したがって、版交換の際には外側スリーブのみを交換すればよく、内側スリーブを含めた全体を交換するよりも軽いのでハンドリングが容易である。
【0017】
本発明の第2の印刷機は、以上のような中間スリーブを用い、バリアブルカットオフ印刷機として構成されたものである。中間スリーブが装着される中心軸を備え、中間スリーブを中心軸に装着して版胴或いはブランケット胴として機能させる。カットオフ長さの変更は、中間スリーブを外径の異なるものに交換することで行われる。上記のように中間スリーブは軽量であるのでカットオフ長の変更の際の交換作業が容易であり、同時に、強度に優れていて変形しにくいので高い印刷精度を得ることができる。
【0018】
本発明の第3の印刷機は、外側スリーブと内側スリーブとからなる二重構造の中間スリーブを用い、バリアブルカットオフ印刷機として構成されたものである。この印刷機においても中間スリーブが装着される中心軸を備え、中間スリーブを中心軸に装着して版胴或いはブランケット胴として機能させる。この印刷機では、カットオフ長さの変更は、中間スリーブを外径の異なるものに交換することで行われるが、刷版交換或いはブランケット交換は外側スリーブを刷版或いはブランケットとともに交換することで行われる。カットオフ長さの変更頻度に比較して刷版交換或いはブランケット交換の頻度のほうが高いので、このように二重構造の中間スリーブを用い、刷版交換或いはブランケット交換の際に外側スリーブのみを交換するように構成することで、内側スリーブを含めた全体を交換する場合に比較してオペレータの作業負担をより軽減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(A)第1実施形態
図2は本発明の第1実施形態にかかる印刷機(オフセット印刷機)の構成を示す模式図である。通常、印刷機には印刷色数に合せて複数の印刷ユニットが紙の走行方向に並べて配置されるが、ここでは、説明を簡単にするために一つの印刷ユニット1のみ示している。印刷ユニット1には、ブランケット胴2と版胴3とが配置されている。なお、印刷ユニット1内には、その他複数のインキローラやインキ供給装置等が装備されているが、それらは本発明の要旨とは無関係であるので、図示は省略している。
【0020】
ブランケット胴2は、中心軸4と中心軸4に嵌挿された中間スリーブ10とから構成され、中間スリーブ10の表面にブランケット11が装着されている。同様に、版胴3は、中心軸5と中心軸5に嵌挿された中間スリーブ20とから構成され、中間スリーブ20の表面に刷版21が装着されている。中間スリーブ20に装着される刷版21としては、絵柄を書き換え可能な再生式刷版でも通常の刷版(再生式でない刷版)でもよいが、本実施形態では、刷版21として絵柄を書き換え可能な再生式刷版が用いられている。ブランケット11の中間スリーブ10への装着形態としては、ブランケット11を継ぎ目のない筒状ブランケットとして中間スリーブ10の外周面に嵌挿すること、ブランケット11を有端の板状ブランケットとして中間スリーブ10の外周面に巻きつけ固定することが挙げられるが、何れの形態でもよい。刷版21の中間スリーブ20への装備の形態としては、刷版21を中間スリーブ20の外周面に一体形成すること、刷版21を継ぎ目のない筒状刷版として中間スリーブ20の外周面に嵌挿すること、刷版21を有端の板状刷版として中間スリーブ20の外周面に巻きつけ固定することが挙げられるが、何れの形態でもよい。
【0021】
中間スリーブ10,20はともに十分な厚みのある剛性の高い円筒状の物体であり、各中間スリーブ10,20の中心部に設けられた穴10a,20aを中心軸4,5に抜き差しすることで、中心軸4,5にたいして着脱できるようになっている。回転駆動力は各中心軸4,5に入力され、中間スリーブ10,20は中心軸4,5と一体になって回転する。中間スリーブ10,20の中心軸4,5への固定方法には限定はない。例えば、中心軸4,5の形状を中間スリーブ10,20が嵌挿される先端側の外径が後端側の外径よりもやや小さいテーパ状に形成し、中間スリーブ10,20を中心軸4,5の軸方向に押し込むことで、テーパ形状による楔効果により中間スリーブ10,20を中心軸4,5に固定する方法や、或いはボルト等の締結具を用いて中間スリーブ10,20を中心軸4,5に固定する方法等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0022】
本実施形態にかかる印刷機では、ブランケット11や刷版21の交換は、ブランケット11や刷版21を中間スリーブ10,20に装着した状態で、中間スリーブ10,20の交換と一体に行われる。また、絵柄の書き換えに伴う刷版21の再生処理は、刷版21を中間スリーブ20に装着したまま、図示しない印刷機上或いは印刷機外の再生製版装置で行われる。印刷機上の再生製版装置の場合には、刷版21の再生処理は中間スリーブ20が中心軸5に装着された状態で行われる。一方、印刷機外の再生製版装置の場合には、中間スリーブ20は中心軸5から外されて再生製版装置にセットされる。何れにしても、再生製版装置での刷版21の再生処理時、中間スリーブ20は刷版21を支持する支持シリンダとして機能する。
【0023】
各中間スリーブ10,20は、内径が同一であって外径の異なる複数種類のものが用意されている。これは、刷版21やブランケット11の周長(すなわち、カットオフ長さ)を変更することにより、所要長の印刷製品に対応できるようにしたものであり、中間スリーブ10,20の外径は所要のカットオフ長さに応じて設定されている。また、印刷ユニット1に設けられた2つの中心軸4,5は、装着される中間スリーブ10,20の外径に応じて、図2中に矢印で示すようにその軸間距離を可変に設定できるようになっている。このように、本実施形態にかかる印刷機は、中間スリーブ10,20を外径の異なるものに交換することでカットオフ長さを変更することができるバリアブルカットオフ印刷機として構成されている。
【0024】
図1は、本実施形態にかかる版胴3用の中間スリーブ20の構成を示す模式的な横断面図である。図示は省略するが、ブランケット胴2用の中間スリーブ10も以下に説明する版胴3用の中間スリーブ20の構成と同様の構成になっている。図1に示すように、中間スリーブ20は、マイクロバルーン22と樹脂23からなる複合素材によって一体成形されている。マイクロバルーン22は直径が10〜200μm程度の微小な中空球体であり、その材料としては、エポキシ樹脂などの樹脂と、ソーダ石灰珪酸ガラス等のガラスやセラミックスが用いられる。樹脂23としては、あらゆるタイプの樹脂、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、或いはメラミン樹脂等を使用することができる。いずれを選択するかは、必要な特性や成型方法に応じて決めればよい。また、必要に応じて(例えば樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合)、ジエチレントリアミン等の硬化剤を加えてもよい。
【0025】
複合素材中のマイクロバルーン22の含有率は50%以上に設定されており、このようにマイクロバルーン22を主素材とすることで、複合素材の特性はマイクロバルーン22の特性が支配的になっている。したがって、マイクロバルーン22は極めて比重が小さく、かつ、強度に優れているという特性を有していることから、本実施形態の中間スリーブ20のようにマイクロバルーン22と樹脂23との複合材料を構成素材として用いることで、中間スリーブ20自体も軽量化と高い耐圧縮性を同時に実現することができる。さらに、マイクロバルーン22は断熱性と耐熱性にも優れていることから、中間スリーブ20の温度上昇が小さくなり、耐熱性も単に樹脂のみから形成される場合に比較して格段に高い。したがって、上記のように刷版21を中間スリーブ20に装着した状態で再生処理を行う場合でも、中間スリーブ20の熱による寸法変化は極めて小さく、高い印刷精度を維持することができる。さらに、マイクロバルーン22がガラスやセラミックスのような無機素材で形成されている場合には、マイクロバルーン22の化学的な安定性が高いことから、中間スリーブ20には耐薬品性の向上も期待することができる。
【0026】
(B)第2実施形態
図3は、本発明の第2実施形態にかかる中間スリーブ30の構成を示す模式的な横断面図である。本実施形態の中間スリーブ30は、第1実施形態の各中間スリーブ10,20の代わりとして、ブランケット胴2用の中間スリーブとしても版胴3用の中間スリーブとしても用いることができる。なお、以下に説明するように本実施形態の中間スリーブ30は特に版胴3用の中間スリーブとして用いることの利点が大きいので、ここでは版胴3用の中間スリーブとしている。
【0027】
図3に示すように、中間スリーブ30は、ベーススリーブ34の表面にマイクロバルーン32と樹脂33からなる複合素材によって形成された表面層35が設けられたものである。表面層35は厚さが0.1〜5mmであり、マイクロバルーン32は、表面層35を形成する複合素材中の含有率において50%以上、或いは、表面層35の表面における被覆率(投射面積率)において50%以上に設定されている。マイクロバルーン32及び樹脂33の素材としては、第1実施形態と同様のものを用いることができる。また、ベーススリーブ34の材質としては、樹脂の他、金属、FRP、セラミックス等、軽量で高強度のものが好ましい。
【0028】
表面層35は、マイクロバルーン32を主素材とすることから、マイクロバルーン32の物理的及び化学的特性が支配的にあらわれている。したがって、表面層35は耐熱性が高く、刷版(再生式刷版)31を中間スリーブ30に装着した状態で再生処理を行う場合に、再生処理に伴い刷版31に供給する熱がベーススリーブ34に伝達されるのを防止する断熱層として機能する。したがって、仮にベーススリーブ34が熱膨張しやすい材質であったとしても、表面層35によって熱の伝達が抑えられることからその寸法変化は極めて小さく、高い印刷精度を維持することができる。また、耐薬品性の向上等、第1実施形態と同様の効果も得ることができる。
【0029】
なお、表面層35の形成方法としては、マイクロバルーン32を混入した樹脂33をベーススリーブ34に塗布して硬化させる方法や、ベーススリーブ34の表面に接着剤を塗布してマイクロバルーン32を接着した後、表面を樹脂33の膜で覆う方法などが挙げられる。後者の場合であれば、中間スリーブ30の表面の平滑性を良好にすることができる。また、前者の場合であっても、表面をさらに樹脂33の膜で覆うことで表面の平滑性を良好にすることができる。
【0030】
本実施形態の中間スリーブ30は表面層35に特徴があり、ベーススリーブ34の材質や特性には限定がない(ただし、好ましくは軽量で高強度の材質を選定する)。したがって、既存の中間スリーブをベーススリーブ34とし、その表面に本実施形態のような表面層35を形成することによっても、本実施形態の中間スリーブ30を形成することができる。
【0031】
(C)第3実施形態
図4は、本発明の第3実施形態にかかる中間スリーブ40の構成を示す模式的な横断面図である。本実施形態の中間スリーブ40は、第2実施形態の中間スリーブ30と同様、第1実施形態の各中間スリーブ10,20の代わりとして、ブランケット胴2用の中間スリーブとしても版胴3用の中間スリーブとしても用いることができる。
【0032】
図4に示すように、中間スリーブ40は、ベーススリーブ44と、中間層45と、外側ベーススリーブ46とからなる3層構造になっている。中間層45は、マイクロバルーン42と樹脂43からなる複合素材によって形成された層であり、マイクロバルーン42の含有率が50%以上に設定されている。マイクロバルーン42及び樹脂43の素材としては、第1実施形態と同様のものを用いることができる。また、ベーススリーブ44及び外側ベーススリーブ46の材質としては、金属、FRP、セラミックス等の高強度のものを用いることができる。
【0033】
本実施形態の中間スリーブ40のように、ベーススリーブ44と外側ベーススリーブ46との間に、マイクロバルーン42と樹脂43からなる複合素材によって形成された中間層45を形成することで、第1実施形態の中間スリーブ10,20と同様の効果を得ることができるだけでなく、両ベーススリーブ44,46を中間層45の成型時の外枠と中枠として兼用することができるので、寸法精度の向上も図ることができる。
【0034】
(D)第4実施形態
図5は、本発明の第4実施形態にかかる中間スリーブ50の構成を示す模式的な横断面図である。本実施形態の中間スリーブ50も、第2,第3実施形態の中間スリーブ30,40と同様、第1実施形態の各中間スリーブ10,20の代わりとして、ブランケット胴2用の中間スリーブとしても版胴3用の中間スリーブとしても用いることができる。
【0035】
図5に示すように、中間スリーブ50は、ベーススリーブ54、中間層55、外側ベーススリーブ56、及び表面層57からなる4層構造になっている。本実施形態は、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせたものであり、ベーススリーブ54、中間層55、及び外側ベーススリーブ56は、第3実施形態の中間スリーブ40にかかるベーススリーブ44、中間層45、外側ベーススリーブ46に相当し、表面層57は、第2実施形態の中間スリーブ30にかかる表面層35に相当している。すなわち、中間層55及び表面層57は、マイクロバルーン52と樹脂53からなる複合素材によって形成され、ベーススリーブ54及び外側ベーススリーブ56は、金属、FRP、セラミックス等によって形成されている。
【0036】
本実施形態の中間スリーブ50によれば、第3実施形態の中間スリーブ40と同様の効果を得ることができるだけでなく、外側ベーススリーブ46の表面に断熱性の表面層57が設けられているので、仮に外側ベーススリーブ46が熱膨張しやすい材質であったとしても、表面層57によって熱の伝達が抑えられることからその寸法変化は極めて小さく、高い印刷精度を維持することができる。
【0037】
(E)第5実施形態
図6は、本発明の第5実施形態にかかる中間スリーブ60の構成を示す模式的な分解斜視図である。本実施形態の中間スリーブ60も、第2〜第4実施形態の中間スリーブ30,40,50と同様、第1実施形態の各中間スリーブ10,20の代わりとして、ブランケット胴2用の中間スリーブとしても版胴3用の中間スリーブとしても用いることができる。
【0038】
図6に示すように、中間スリーブ60は、外側スリーブ70と内側スリーブ80とからなる二重構造になっている。印刷ユニットの中心軸4,5には、内側スリーブ80が取り付けられ、外側スリーブ70の表面にブランケットや刷版が装着される。外側スリーブ70と内側スリーブ80とは着脱自在であり、外側スリーブ70を軸方向にスライドさせることで、内側スリーブ80を残して外側スリーブ70のみを印刷ユニットから取り外すことができるようになっている。外側スリーブ70を内側スリーブ80に固定する際の固定手段としては、例えばボルト等の締結具を用いることができる。
【0039】
外側スリーブ70及び内側スリーブ80の構造としては第1〜第4実施形態にかかる中間スリーブ10,20,30,40,50の構造を適用することができる。すなわち、マイクロバルーンと樹脂からなる複合素材によって一体形成したものでもよく、マイクロバルーンと樹脂からなる複合素材によって形成された層を含む層構造でもよい。内側スリーブ80に関しては、第2〜第4実施形態にかかるベーススリーブ34,44,46,54,56のように金属、FRP、セラミックス等によって形成したものでもよい。
【0040】
本実施形態の中間スリーブ60は、バリアブルカットオフ印刷機の中間スリーブとして特に適した構造である。バリアブルカットオフ印刷機では、中間スリーブを交換する場合として、カットオフ長を変更する場合と、刷版やブランケットを交換する場合の2つの場合があるが、本実施形態のような二重構造の中間スリーブ60であれば、前者の場合には中間スリーブ60全体を交換し、後者の場合には内側スリーブ80を残して外側スリーブ70のみを交換するといった運用が可能である。カットオフ長の変更はそれほど頻繁に行われるものではないのに対し、刷版等の交換は印刷毎に行われるので、オペレータにとっては刷版等の交換に伴う中間スリーブ60の交換の作業負担が比較的大きいが、外側スリーブ70のみの交換ですめば、オペレータの作業負担は極めて軽減されることになる。
【0041】
上記のように中間スリーブ60を運用するのであれば、外側スリーブ70は版或いはブランケットの取り付け用とし、内側スリーブ80は厚さ調整用とすることができる。すなわち、カットオフ長を変更するためには、厚さの異なる複数種類の中間スリーブ60を用意することになるが、外側スリーブ70はカットオフ長によらずその厚さ(外径−内径)を略一定或いは強度が確保できる程度にしておき、内側スリーブ80の厚さを調整することによってカットオフ長の変更に対応するようにする。このように外側スリーブ70と内側スリーブ80の役割を分けることで、外径が拡大し中間スリーブ60全体の重量が増加する場合でも、交換頻度の高い外側スリーブ70の重量増は抑えることができる。
【0042】
(F)その他
以上、本発明の実施形態をいくつか説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、中間スリーブを第2〜第4実施形態のような層構造とする場合、少なくとも一つの層がマイクロバルーンと樹脂とからなる複合材料で形成されていれば、層の数には限定はない。また、上記複合材料からなる層が複数ある場合、層によってマイクロバルーンの含有率を変えたりマイクロバルーンや樹脂の材質を変えたりしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、マイクロバルーンは低比重で耐圧縮性かつ耐熱性に優れているので、マイクロバルーンと樹脂との複合材料を構成素材として用いることで、軽量かつ高強度で、高い断熱性と耐熱性を備えた中間スリーブを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる中間スリーブの印刷機の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる中間スリーブの構成を示す模式的な横断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態にかかる中間スリーブの構成を示す模式的な横断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態にかかる中間スリーブの構成を示す模式的な横断面図である。
【図5】本発明の第4実施形態にかかる中間スリーブの構成を示す模式的な横断面図である。
【図6】本発明の第5実施形態にかかる中間スリーブの構成を示す模式的な分解斜視図である。
【図7】従来の中間スリーブの構成を示す模式的な横断面図である。
【符号の説明】
1 印刷ユニット
2 ブランケット胴
3 版胴
4,5 中心軸
10,20,30,40,50,60 中間スリーブ
11 ブランケット
21 刷版
22,32,42,52 マイクロバルーン
23,33,43,53 樹脂
34,44,54 ベーススリーブ
35,57 表面層
45,55 中間層
46,56 外側ベーススリーブ
70 外側スリーブ
80 内側スリーブ

Claims (13)

  1. 印刷機に設けられた中心軸に装着されることで上記印刷機の版胴或いはブランケット胴として機能するスリーブであって、構成素材としてマイクロバルーンと樹脂との複合材料が用いられていることを特徴とする、中間スリーブ。
  2. 上記複合材料によって一体成型されていることを特徴とする、請求項1記載の中間スリーブ。
  3. 複数の層から構成され、少なくとも一つの層が上記複合材料によって形成されていることを特徴とする、請求項1記載の中間スリーブ。
  4. 上記複合材料によって形成された層が表面或いは表面近傍の層を形成していることを特徴とする、請求項3記載の中間スリーブ。
  5. 表面に再生式の刷版が備えられ、上記中心軸に装着されることで上記印刷機の版胴として機能するとともに、上記刷版を再生処理する際に上記刷版を支持する手段として機能するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜4の何れかの項に記載の中間スリーブ。
  6. 着脱自在な外側スリーブと内側スリーブとからなることを特徴とする、請求項1記載の中間スリーブ。
  7. 上記外側スリーブと上記内側スリーブのうち少なくとも一方は上記複合材料によって一体成型されていることを特徴とする、請求項6記載の中間スリーブ。
  8. 上記外側スリーブと上記内側スリーブのうち少なくとも一方は複数の層から構成され、少なくとも一つの層が上記複合材料によって形成されていることを特徴とする、請求項6記載の中間スリーブ。
  9. 上記複合材料によって形成された層が上記外側スリーブの表面或いは表面近傍の層を形成していることを特徴とする、請求項8記載の中間スリーブ。
  10. 上記外側スリーブの表面に再生式の刷版が備えられ、上記中心軸に装着されることで上記印刷機の版胴として機能するとともに、上記刷版を再生処理する際に上記外側スリーブが上記刷版を支持する手段として機能するように構成されていることを特徴とする、請求項6〜9の何れかの項に記載の中間スリーブ。
  11. 請求項1〜5の何れかの項に記載の中間スリーブが装着されることで版胴或いはブランケット胴として機能する中心軸を備え、
    上記中間スリーブを刷版或いはブランケットとともに交換することで刷版交換或いはブランケット交換を行うように構成されていることを特徴とする、印刷機。
  12. 請求項1〜10の何れかの項に記載の中間スリーブが装着されることで版胴或いはブランケット胴として機能する中心軸を備え、
    上記中間スリーブを外径の異なるものに交換することでカットオフ長さを変更するように構成されていることを特徴とする、印刷機。
  13. 請求項6〜10の何れかの項に記載の中間スリーブが装着されることで版胴或いはブランケット胴として機能する中心軸を備え、
    上記中間スリーブを外径の異なるものに交換することでカットオフ長さを変更するように構成されるとともに、
    上記外側スリーブを刷版或いはブランケットとともに交換することで刷版交換或いはブランケット交換を行うように構成されていることを特徴とする、印刷機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007118250A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ブランケット胴用スリーブおよびこれを備えた印刷機
JP2007118253A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 印刷胴用スリーブおよびこれを備えた印刷機
DE102007011252B4 (de) * 2007-03-08 2011-04-28 Saueressig Gmbh & Co. Sleeve und Spannwerkzeug zur Verwendung in einem System aus einem Spannwerkzeug und mindestens einer Sleeve sowie Verfahren zum Herstellen einer Sleeve

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