JP2004267960A - スプレーガンおよびエアースプレー装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガン本体20と当該ガン本体20に装備された空気弁104およびニードル弁105を順次作動させる引き金機構108とを備えたスプレーガンの前述したガン本体20部分に、プラス,マイナスのイオンを放出するイオン放射機構2を併設したこと。又、エアースプレー装置では、上述したスプレーガン1を使用して除塵工程と塗装工程とを連続してなし得るようにした。これによって、吹きつけ塗装における歩留りを良くし、作業性の完全を図った。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプレーガンおよびエアースプレー装置に係り、特にプラスチック製又は絶縁皮膜が施された金属部材等(以下、「プラスチック等」という)の表面塗装に際して有効に機能するスプレーガンおよびエアースプレー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12乃至図13に従来例を示す(例えば、非特許文献1参照)。この図12乃至図13において、符号100は塗装用のスプレーガンを示し、符号120はスプレーガン100の塗料ノズル部103部分に所定の加圧塗料を送り込む塗料加圧タンクを示す。又、符号130はスプレーガン100の空気噴射用キャップ102部分にエアー通路102Aを介して所定の圧縮空気を送り込むコンプレッサを示す。
【0003】
スプレーガン100は、図12乃至図13に示すように、全体的にはピストル型をした本体ケース部101と、この本体ケース部101の先端部101A(図12の左端部分)に装備された空気噴射用キャップ102および塗料ノズル部103とを備えている。
本体ケース部101の握り部101Bの上部には、前述した空気噴射用キャップ102に通ずるエアー通路102Aを開閉する空気弁104と、前述した塗料ノズル部103に通ずる塗料通路105Aを開閉すると共に外部に向けて噴射する塗料の量を調節するニードル弁105とが、それぞれ装備されている。符号105Bは、噴射する塗料の量を任意に調整し設定する塗料調節ねじを示す。
【0004】
このニードル弁105は、本体ケース部101の先端部101Aの中心軸上に配置された塗料ノズル部103を直接的に開閉駆動するもので、図12に示すように左右に一直線になるように配置され、これによって液状塗料の流動が詰まることなく円滑になされるようになっている。又、このニードル弁105は、塗料ノズル部103に対し、通常は閉じられた状態の開閉弁として機能する構造となっている。符号105Cは、ニードル弁105の閉じた状態を維持する元位置復帰ばねとしての圧縮バネを示す。又、符号101aは塗料導入口を示す。
【0005】
前述した空気弁104は、図12に示すようにニードル弁105の下方に位置して当該ニードル弁105にほぼ平行に配置されている。この空気弁104によって開閉されるエアー通路102Aは、本体ケース部101の握り部101Bの図12における下方の空気導入口102aから上方に向けて形成され、更にニードル弁105の上方向で前述した空気噴射用キャップ102の方向に向けて曲折された状態に形成されている。
【0006】
更に、このエアー通路102Aには、前述した本体ケース部101の握り部101Bに前述したコンプレッサ130から導入する圧縮空気の空気量を調節する空気量調節機構102Cが設けられている。
【0007】
ここで、空気噴射用キャップ102は、全体的には環状に形成され、その図9における左端部に180°隔てて上下方向に二つの突出部102E,102Fが設けられ、この突出部102E,102F内に前述したエアー通路102Aに連通する空間が設けられている。又この空気噴射用キャップ102の各突出部102E,102Fには、それぞれ対向面が外側に向けて斜めに形成され、この傾斜面部分にそれぞれ空気噴射穴102e,102fが設けられている。
【0008】
そして、従来から良く知られているようにこの各空気噴射穴102e,102fから噴射された圧縮空気の中心線部分が、前述した塗料ノズル部103の中心線C上で所定角度をもって衝突するように前述した空気噴射穴102e,102fの位置及び穴の向きが設定されている。
【0009】
このため、塗料ノズル部103の中心線C上では、各空気噴射穴102e,102fから噴射される二方向からの圧縮空気が塗料ノズル部103の中心線上で所定角度をもって連続して衝突し、続いて外部に向かって扇状に(図12の上方からみて)広がって噴出される。これにより、塗料ノズル部103から放出される塗料が圧縮空気に吸い込まれて霧化され、対向位置にある被塗装物に向かって且つ扇状に広げられて噴射される。符号106は扇状に広がる噴射エアー(又は噴射塗料)の広がり度を調整する広がりパターン調整機構を示し、符号106Bはこの場合の調整ねじを示す。
【0010】
前述した空気噴射用キャップ102に向かうエアー通路102A部分には、図12に示すように空気噴射用キャップ102から噴射されるエアーの噴射パターン(広がり)を調整するパターン開き調節機構106が装備されている。符号106Bは、パターンの開き角度を調整する調節ねじを示す。
【0011】
更に、本体ケース部101の先端部101Aと握り部101Bとの間の空間には、図12の上方から下方に向けて引き金機構108が装備されている。この引き金機構108は、一端部108eが前述した本体ケース部101の図12における上端部に回転自在に保持され且つ他端部108fを自由端とした引き金108Aを備えている。
【0012】
この引き金108Aは、図12の上端から前述したニードル弁105部分にわたってその長手方向の中央部が切除されている。これにより、引き金108Aは、前述した本体ケース部101を下から跨ぐように配置され、その上端部である一端部108eが前述した本体ケース部101の図12における上端部中央に回転自在に保持されている。
【0013】
そして、前述した空気弁104およびニードル弁105は、引き金機構108の引き金108Aを本体ケース部101の握り部101B側に引く(回動させる)ことにより、順次その動作が付勢されるようにその動作のタイミングが設定されている。
【0014】
このため、この図12乃至図13に記載の従来例にあっては、塗装作業の開始と共に引き金機構108の引き金108Aを本体ケース部101の握り部101B側に引くと、まず空気弁104が,続いてニードル弁105が、それぞれ順次付勢される。
これにより、圧縮空気の噴射に続いて塗料が噴出され、圧縮空気によって噴霧化された噴霧塗料が被塗装物(被目的物)に向かって円滑に噴射されるようになっている。
【0015】
図14に他の従来例におけるスプレーガンを示す。
この図14に示すスプレーガン200は、空気噴射用キャップ202の有する二つの突出部202E,202Fが、前述した図12乃至図13に示す従来例に比較して小型化され、その環状キャップねじ202Kを空気噴射用キャップ202の外側(図14の左側)から取り付けられるようにした点に特徴を有する。その他の構造は前述した図12乃至図13の従来例の場合と同一となっている。
【0016】
このため、この図14に示す他の従来例では、空気噴射用キャップ202を本体ケース部201の先端部201Aに配置した後にこれを別体の環状キャップねじ202Kで本体ケース部201に容易に係止することができる。これがため、突出部202E,202Fの位置の設定(上下に位置させるか左右に位置させるかの設定)作業や空気噴射用キャップ202自体の着脱作業が容易となり、従って、目詰まり等に際してもその交換が容易となり、かかる点において作業性の向上を期待し得るようになっている。
【0017】
そして、上述したスプレーガン100又は200を使用して塗装作業を実行する場合、それがプラスチック等を素材とした製品に対する塗装である場合には、前工程として必ず厳密な除塵工程が実行される。
この除塵工程では、特に除塵工程専用に制作された除塵用スプレーガン(エアー噴射型除電器)が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0018】
【非特許文献1】
長谷川謙三著「塗料と塗装技術」日本理工出版会出版、2001年11月25日、p.14−18
【特許文献1】
特開2002−208497号公報(第2−3頁、図1)
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、上記各従来例を使用した実際のプラスチック塗装(金属表面に絶縁膜が付された部材の表面塗装も含む)にあっては、塗料吹付け工程の前工程でなされる除塵工程で、塗装用のスプレーガンとは別に除塵専用の除塵用スプレーガンを必要としていた。このため、実際のプラスチック塗装にあっては、塗装用のスプレーガンとは別に除塵用スプレーガンを常に準備しなけらばならない、という煩わしさが常に存在していた。
【0020】
また、塗料吹付け工程とその前工程である除塵工程とは、スプレーガンが異なることからその取り替え作業が入って塗装作業の中断が生じる。このため、上述した従来例におけるスプレーガンを装備した塗装システムでは作業性が悪く、同時に塗装製品の生産性も悪いという不都合があった。
【0021】
更に、塗料吹付け工程にあっては、除塵工程で塵埃が除去された被目的物(塗装の対象物)に所定の噴霧塗料を吹き付けるが同時に周囲の空気を巻き込むことから、当該空気と共に周囲に浮遊する塵埃が被目的物側に巻き込まれて当該被目的物に付着するという不都合があった。更に、この塗料吹付け工程中においても、特に初期の段階では被目的物に塗料粒子が衝突した際に当該塗料粒子の衝突箇所に静電気が発生し、周囲を浮遊する塵埃を吸引して塗料と共に被目的物に付着するという不都合があった。
【0022】
かかる不都合を改善するため、従来は大掛かりな清浄空気出力装置を設けて、被目的物の周囲を清浄空気で常時包み込むと共に、この清浄空気の空間内で吹付け塗装を実行するという試みがなされている。
【0023】
しかしながら、被目的物に対する吹き付け塗装は、被目的物の周囲に飛散した噴霧塗料を有効に回収するためのブースの前で実行される。このため、このブースでは清浄空気以外の工場内の空気も同時に吸引する。このため、被目的物の周囲に舞い込む工場内の塵埃を抑制するために、清浄空気出力装置は更に大掛かりとなり、その設備をするのに多くの場所と費用とを要するという不都合が常に存在していた。
【0024】
【発明の目的】
本発明は、かかる従来例に有する不都合を改善し、特にプラスチック等を被目的物とする吹き付け塗装であって、大掛かりな設備を要することなく不良品の発生を抑制し歩留りの向上を図ると共に作業性の改善を図り得るスプレーガンおよびエアースプレー装置を提供することを、その目的とする。
【0025】
【課題が解決するための手段】
本発明にかかるスプレーガンでは、上記目的を達成するため、以下の構成のものを採用している。
【0026】
まず、本発明に係るスプレーガンは、塗料噴射用の塗料ノズル部と、この塗料ノズル部の先端部周囲に配設され少なくとも前述した塗料ノズル部を間において反対側の二箇所に空気噴射穴を有する空気噴射用キャップと、塗料ノズル部から噴射される塗料の量を調整するニードル弁と、空気噴射用キャップ内を介して空気噴射穴に連通するエアー通路と、このエアー通路を開閉制御する空気弁とを備えたガン本体を備えている。
【0027】
又、このガン本体には、前記空気弁とニードル弁とを順次作動させる引き金機構が装備されている。そして、塗料ノズル部に、予め設けられた所定の高電圧電源部に付勢されて作動し前述した塗料ノズル部から噴射される塗料の噴射方向に沿ってプラスイオンおよびマイナスイオンを放出するイオン放出機構を併設する、という構成を採っている。
【0028】
このため、引き金機構を操作してなされる吹き付け塗装時にイオン放出機構を同時に作動させることにより、プラスイオンとマイナスイオンの空気イオンが噴霧塗料と共に被目的物の表面に吹き付けられる。ここで、帯電し被目的物表面に付着した塵埃は、同極性のイオンは反発し、反対極性のイオンは吸引することから、多くは塵埃に付着した反対極性のイオンが中和されて被目的物に対する吸着力が無くなり、空気中に浮いた状態となる。又、同極性のイオンで反発したものも、空気中に浮いた状態となる。
【0029】
そして、これら空気中に浮いた状態のイオンが除去された塵埃およびイオン同志で反発してはじき出された塵埃は、残存噴霧塗料と共にブースに吸引されて被目的物から引き離される。かかる状態が連続して行われることから、被目的物の表面は、塵埃が除去された鮮明で且つ良質の塗膜面が形成される。かかる塗装状態は、特に大掛かりな清浄空気出力装置を備えることなく通常の工場内における塗装作業の雰囲気内でも有効に実行される。
【0030】
ここで、前述したイオン放出機構は、空気噴射用キャップ領域の外周囲に装備してもよい。
又、イオン放出機構については、例えば、予め別に装備されプラスの高電圧とマイナスの高電圧とを各別に出力する高電圧電源部に常時付勢されて作動しプラスイオンを放出するプラスイオン放射針と、マイナスイオンを放出するマイナスイオン放射針と、これら各イオン放射針を保持する絶縁材からなる放射針保持部材とを備えた構成としてもよい。
【0031】
この場合、各イオン放射針については、塗料ノズル部を中央に配して一方の側と他方の側とにそれぞれ二分して配置してもよい。
このようにすると、噴霧塗料の噴射流に対して一方の側と他方の側の両面から当該噴霧塗料に流れに吸引されて噴霧塗料内に均一に混入されやすくなり、同時に噴霧塗料内の塵埃をも電気的に中和しつつ移動して被目的物ではイオンが均一に照射されることから、除塵作用がより一層有効に実行されることとなる。
【0032】
又、各イオン放射針の内、塗料ノズル部を中央に配して、一方の側にプラスイオン放射針を、他方の側にマイナスオン放射針を、それぞれ分けて配置してもよい。
このようにすると、イオン放出機構から放出されたプラスイオンとマイナスオンとが緩やかに引き合いつつ噴霧塗料内に入り込むことから、噴霧塗料内に、より一層均一に混入されるため除塵作用が更に有効に実行されることとなる。
【0033】
上述した各イオン放射針の内、プラスイオン放射針はこれを一方の空気噴射用キャップ領域に、又マイナスオン放射針はこれを他方の空気噴射用キャップ領域に、それぞれ分けて配置してもよい。
このようにすると、扇状に広がって噴射される噴射塗料の広がり面に沿ってプラスイオンおよびマイナスイオンを放出することができ、各イオンが噴射塗料に沿って迅速に且つ均一に混入されやすくなり、かかる点において外部から帯電した塵埃の混入に対してはどの箇所でも均一にこれに対応して帯電した塵埃の中性化およびその排除し得る点で都合がよい。
【0034】
更に、前述したイオン放出機構については、これを予め別に装備されプラスの高電圧とマイナスの高電圧とを交互に出力する交流高電圧電源部に付勢されて作動しプラスイオンとマイナスイオンとを交互に且つ連続して放出する複数のイオン放射針と、このイオン放射針を保持する絶縁材からなる放射針保持部材とを備えた構成としてもよい。
【0035】
又、この場合もイオン放射針についてはこれを複数本設けると共に、当該複数本のイオン放射針を例えば塗料ノズル部を中央に配して一方の側と他方の側とにそれぞれ分けて配置してもよい。
【0036】
イオン放出機構の形状については、例えばこれを環状に形成すると共に、この環状に形成されたイオン放出機構を前述したガン本体の空気噴射用キャップ側に着脱自在に装備するようにしてもよい。
【0037】
更に、本発明にかかるエアースプレー装置では、上記目的を達成するため、以下の構成のものを採用している。
まず、先端部に空気噴射用キャップ及び塗料ノズル部を備えたガン本体と当該ガン本体の握り部に空気弁およびニードル弁を順次作動させる引き金機構を備えた塗装用のスプレーガンと、このスプレーガンの前述した塗料ノズルに所定の加圧塗料を送り込む塗料加圧タンクと、スプレーガンの空気噴射用キャップ部分にエアー通路を介して所定の圧縮空気を送り込むコンプレッサとを備えている。
【0038】
このコンプレッサの出力段には、除塵用の高圧縮エアーを出力する高圧縮エアー出力部と塗装用の低圧縮エアーを出力する低圧縮エアー出力部の二つの圧縮エアー出力部を設けると共に、この二つの圧縮エアー出力部の何れか一方を選択し前述したスプレーガンに切り換え接続する電磁式切換え弁を装備する。
【0039】
この電磁式切換え弁に、外部操作によって作動すると共に当該電磁式切換え弁に対してその切換え動作を指令する切変え信号出力部を併設する。
そして、前述したスプレーガンの空気噴射用キャップ部分に、当該スプレーガンの動作中に作動し噴霧塗料の噴射方向に向けてプラスイオンおよびマイナスイオンを放出するイオン放出機構を併設する、という構成を採っている。
【0040】
このため、スプレーガンの動作中に作動するイオン放出機構をスプレーガンに併設したことから、前述したスプレーガンによって得られる各効能とほぼ同等の効能をこのエアースプレー装置におけるスプレーガンでも得ることができる。
更に、切変え信号出力部を操作することによってコンプレッサから出力される圧縮エアーを高圧縮エアー又は低圧縮エアーの何れかに切り換え出力し得るようにしたので、一つのスプレーガンを除塵工程と塗装工程の二つの工程に連続して兼用することができ、かかる点において、塗装作業の作業能率を向上させることができ、さらに設備投資を大幅に抑制することができて都合がよい。
【0041】
又、前述した切変え信号出力部と電磁式切換え弁との間に弁切換え動作制御部を設ける。更に、スプレーガンの引き金機構に前述した塗料の噴射タイミングを検出する塗装開始検出センサを併設する。そして、前述した弁切換え動作制御部が、塗装開始検出センサからの動作信号を入力した場合に作動し最優先で前述した電磁式切換え弁を駆動制御して低圧縮エアー出力部を前述したスプレーガンに切換え接続する低圧縮エアー優先設定機能を備えている、という構成としてもよい。
【0042】
このようにすると、誤って切変え信号出力部を操作して塗装作業中に高圧縮エアーをスプレーガンから放出するという不都合を回避することができ、作業員の意思で除塵工程と塗装工程とを明確に切り換えて実行することができ、かかる点において作業員の操作ミスによる塗装不良製品の発生率を有効に抑制することが可能となり、装置の信頼性を著しく向上させることができる。
【0043】
ここで、前述した切変え信号出力部をフットスイッチによって構成してもよい。このようにすると、作業員は、品質向上のための手作業による塗装作業に集中することができ、適当なタイミングでいつでも切変え信号出力部を切換え操作して、除塵工程から塗装工程への操作を手作業を休めることなく継続することができ、かかる点において作業性を著しく向上させることが可能となり、従来例生じていた工程の合間(作業休止中)に生じ易い塵埃の付着を有効に排除することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図7に基づいて説明する。
ここで、前述した従来例のものと同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0045】
まず、図1において、符号1は本実施形態における塗装用のスプレーガンを示す。このスプレーガン1は、前述した図14に示す他の従来例と同一の構成を備えたガン本体20と、このガン本体20の先端部(図2の左端部)に装備されたイオン放出機構2とを備えている。このイオン放出機構2は、本実施形態ではガン本体20の先端部(図2の左端部)に着脱自在に装着されている。
符号21はガン本体20の本体ケース部を示す。この本体ケース部21は、前述した他の従来例(図14参照)における本体ケース部201とほぼ同一に形成されている。
【0046】
本体ケース部21の先端部21A(図1乃至図2の左端部)には、同図の左側からみて中央部(中心軸部分)に塗料ノズル部103が装備されている。更に、この塗料ノズル部103の周囲を係止した状態で空気噴射用キャップ202が同軸上で着脱自在に装備されている。符号21Bは握り部を示す。この握り部21Bには、空気弁104およびニードル弁105を順次作動させる引き金機構108が装備されている。
【0047】
前述した空気噴射用キャップ202は、前述した塗料ノズル部の先端部の周囲に配設され且つ当該塗料ノズル部を間に配して反対側の二箇所に空気噴射穴を備えている。
これを更に具体的に説明すると、空気噴射用キャップ202は、図1乃至図2に示すようにその上端部と下端部に左方の塗料噴射方向(図の左方)に向けて突出した二つのエアー噴射用突出部202E,202Fを備えている。そして、このエアー噴射用突出部202E,202Fは、その各対向面側に、同図の左方に向けて所定角度傾斜した空気噴射穴としての圧縮空気噴射口202e,202f(図3(B)参照)が前述した図12乃至図13に示す従来例の場合と同様に設けられている。
【0048】
図2中の記号Gは、この二つの圧縮空気噴射口(空気噴射穴)202e,202fから噴射される圧縮空気が衝突する領域を示し、矢印Wは衝突した圧縮空気の噴射方向を示す。この衝突した圧縮空気は、例えば図6(A)に示すように水平方向(図3(A)中では、紙面に直交する方向)へ扇状に広がるようになっている。
【0049】
ここで、この噴射空気の広がり方向は、本実施形態ではエアー噴射用突出部202E,202Fが上下方向に配置されているので水平方向への広がりとなる場合を説明したが、空気噴射用キャップ202のエアー噴射用突出部202E,202Fを水平方向に配置すると、上下方向への広がりとなる。
ガン本体20のその他の内部構造(噴霧塗装に必要な基本的構成)およびその機能は、前述した従来例における図14のスプレーガン200と同一となっている。
【0050】
又、図1において、符号11はガン本体駆動手段を示す。
このガン本体駆動手段11は、前述したガン本体20の塗料ノズル部103に所定の加圧塗料を送り込む塗料加圧タンク12と、同じく空気噴射用キャップ202に所定の圧縮エアーを送り込むエアーコンプレッサ13とを備えている。
ここで、符号201aは本体ケース部21に設けられた塗料入力口を示す。この塗料入力口201aおよびこれに連結された塗料ホース12Aを介して、塗料加圧タンク12内の加圧塗料が、スプレーガン20内の塗料ノズル部103に常時送り込まれるようになっている。
【0051】
エアーコンプレッサ13は、ガン本体20の空気噴射用キャップ202部分に対しガン本体20内に設けられたエアー通路102Aを介して塗料噴射用の圧縮空気を送り込む機能を備えている。
【0052】
このコンプレッサ13の出力側には、除塵用の高圧縮エアーを出力する高圧縮エアー出力部15Aと塗装用の低圧縮エアーを出力する低圧縮エアー出力部15Bの二つの圧縮エアーを出力可能な圧縮エアー出力部15が設けられている。又、符号16は電磁式切換え弁を示す。この電磁式切換え弁16は、前述した二つの圧縮エアー出力部15A,15Bの何れか一方を選択して前述したガン本体20に切り換え接続する機能を備えている。この電磁式切換え弁16としては本実施形態では三方電磁弁が使用されている。
【0053】
この電磁式切換え弁16には、外部操作によって作動すると共に当該電磁式切換え弁16に対してその切換え動作を指令する切換え信号出力部18が併設されている。この切換え信号出力部18としては、本実施形態では足で操作して前述した電磁式切換え弁16に対し切換え信号Kを出力するフットスイッチが用いられているが、手動のもの等であってもよい。この切換え信号Kとして、本実施形態では所定レベルのパルス信号が用いられている。
【0054】
そして、このパルス信号である切換え信号Kに順次付勢されて前述した電磁式切換え弁16は、スプレーガン1に対して二つの圧縮エアー出力部15A,15Bの何れかを交互に順次切り換えて接続するようになっている。図1では高圧縮エアー出力部15Aが選択されている状態を示す。
【0055】
前述した本体ケース部21の握り部21Bには、前述した引き金機構108に付勢されて作動する塗装開始検出センサ17が装備されている。この塗装開始検出センサ17は、本実施形態では前述した圧縮エアー噴射用の空気弁104と塗料噴射用のニードル弁105の中間の位置に配設されているが、例えば図2において空気弁104の下側に装備してもよい。
【0056】
そして、引き金機構108の引き金108Aを連続的に操作した場合には、まず最初に空気弁104が作動し、次に塗装開始検出センサ17が作動して当該引き金機構108の作動開始を示す動作信号Sが出力され、最後にニードル弁105が作動するようにその動作タイミングが設定されている。
このため、例えば引き金機構108を僅かに操作してその位置で停止させた場合には、空気弁104の動作のみが許容されることとなる。このため、かかる状態で、これを除塵工程に使用することが可能となる。
【0057】
即ち、除塵工程に際しては、オペレータは、まず前述した切変え信号出力部18を操作して電磁式切換え弁16が高圧縮エアー出力部15Aを選択するように設定し、しかるのち、引き金108Aを少し(距離S1)作動させて空気弁104を押圧操作し、圧縮空気噴射口202e,202fから除塵用の高圧縮エアーを噴射させて、除塵工程に入る。この場合、ニードル弁105は閉じられているので、塗料ノズル部103には塗装用の塗料の補給は一切なされず、従って、高圧縮エアーの噴射で塗料ノズル部103の外側部分に負圧が生じても、塗料が吸い出されることはない。ここで、前述した握り部21Bに、空気弁104の動作のみを許容するストッパを着脱自在に装備してもよい。
【0058】
この除塵工程では、高圧縮エアーを被塗装物(被目的物)表面に吹きつけると同時に、実際には後述するプラスイオン及びマイナスイオンを当該被目的物に同時に吹きつけるという手法が採用されている。このため、後述するように被塗装物(被目的物)表面に付着している塵埃がより有効に除去されるようになっている。
【0059】
次に、塗装工程に移行するに際しては、引き金108Aを更に引いて(作動させて)ニードル弁105を押圧操作し、前述した塗料ノズル部103に対して噴霧塗装用の塗料を補給可能な状態に設定する。
【0060】
この場合、オペレータは、ニードル弁105の押圧操作に先立って、前述した切換え信号出力部18を操作し、電磁式切換え弁16が低圧縮エアー出力部15Bを選択し、前述した圧縮空気噴射口202e,202fから出力される圧縮エアーを塗装用の低圧縮エアーに切り換える。
【0061】
これにより、低圧縮エアーの噴射と共にその内側(塗料ノズル部103の外側)に生じる負圧によって塗料が塗料ノズル部103から吸い出され、同時に圧縮エアーに衝突して霧化され、当該圧縮エアーと共に噴霧塗料として被塗装物表面に吹き付け塗装されることとなる。
【0062】
更に、前述した切換え信号出力部18と前述した電磁式切換え弁16との間には、弁切換え動作制御部19が装備されている。そして、この弁切換え動作制御部19に、前述した塗装開始検出センサ17から出力される動作信号Sが引き金機構108の作動開始を示すタイミング信号として入力されるようになっている。
又、弁切換え動作制御部19は、前述した切換え信号出力部18から出力される切換え信号Kに従って前述した高圧縮エアー出力部15Aと低圧縮エアー出力部15Bとを交互に切換え制御する単純切換え制御機能を備えている。
【0063】
この弁切換え動作制御部19は、更に、前述した塗装開始検出センサ17から出力される動作信号Sを入力すると直ちに作動してエアー出力モードを低圧縮エアーの塗装モードに切り換える低圧縮エアー優先設定機能を備えている。 即ち、塗装開始検出センサ17からの動作信号Sを入力すると、弁切換え動作制御部19は、前述した電磁式切換え弁16が低圧縮エアー出力部15Bを他に優先して選択するように当該電磁式切換え弁16を駆動制御する(低圧縮エアー優先設定機能の実行)。
【0064】
この場合、弁切換え動作制御部19では、電磁式切換え弁16の選択動作状態(いずれの圧縮エアーが出力されているか)が所定の作動状態又はデータとして常に記憶されており、塗装開始検出センサ17から出力される動作信号Sに対しては直ちに応答して低圧縮エアー優先設定機能を発動し得るようになっている。
【0065】
このため、この低圧縮エアー優先設定機能の作動中に前述した切換え信号出力部18から間違って切換え信号Kが出力されても、当該切換え信号Kは無視され、電磁式切換え弁16による低圧縮エアー出力部15Bの選択状態が継続されるようになっている。
【0066】
このため、低圧縮エアー出力部15Bの作動中(塗装作業中)に誤って前述した切換え信号出力部18が誤操作されて高圧縮エアー出力部15Aへの切換え信号が出力されても、前述した弁切換え動作制御部19では何らこれに応答することなく低圧縮エアー出力部15Bが継続して選択され、塗装作業中に除塵用の高圧縮エアーが空気噴射用キャップ202部分から出力されることはない。
【0067】
符号16Aは圧縮エアー用の出力表示部を示す。この出力表示部16Aは、電磁切換え弁16からガン本体20へ送り込まれている圧縮エアーの種類を表示するもので、高圧縮エアーを表示する赤ランプと低圧縮エアーを表示する青ランプとにより構成され、いずれも表示されない場合は停止状態を示すように構成されている。
【0068】
このため、オペレータはこの出力表示部16Aを確認することにより電磁切換え弁16の動作状態を常にチェックすることができ、かかる点において通常の場合はオペレータによるフットスイッチ(切換え信号出力部18)の誤操作は回避し得るようになっている。
【0069】
前述したガン本体20の空気噴射用キャップ202の装着領域には、前述したように、当該ガン本体20の動作に合わせて作動させると共に霧化塗料の噴射方向に向けてプラスイオンおよびマイナスイオンを放出するイオン放出機構2が併設されている。符号30は予め装備され前述したイオン放出機構2に所定の直流高電圧を付勢する直流高電圧電源部を示す。
【0070】
イオン放出機構2は、本実施形態では図1乃至図4に示すように、全体的には環状に形成されている。又、このイオン放出機構2は、プラスの高電圧が印加された場合に作動してプラスイオンを放出するプラスイオン放射針22と、同じくマイナスの高電圧が印加された場合に作動してマイナスイオンを放出するマイナスイオン放射針23と、これら各イオン放射針22,23を所定間隔を隔てて保持する絶縁材からなり環状に形成された放射針保持部材24とを備えている。
【0071】
符号24aは放射針保持部材24の内径部分に形成された段部を示す。この段部24aを除いて、前述した環状の放射針保持部材24は、その内径が空気噴射用キャップ202の外径よりも大きく形成され、当該空気噴射用キャップ202に対して図2の左方から挿脱自在に装着し得るようになっている。そして、この段部24aによって放射針保持部材24は空気噴射用キャップ202の外部周囲の角部に係止されるようになっている。
【0072】
符号25A,25Bは放射針保持部材24を空気噴射用キャップ202に固定するための係止ネジを示す。又、前述した放射針保持部材24の図2,図3(A)における上端部と下端部の各中央部分には、外径側から内径側に向けてねじ穴25a,25bが形成されており、このねじ穴25a,25bに、前述した係止ネジ25A,25Bが螺合され、これによってイオン放出機構2が空気噴射用キャップ202の外周囲に固定されるようになっている。
【0073】
このため、前述した係止ネジ25A,25Bを操作することにより、この環状に形成されたイオン放出機構2をガン本体20の空気噴射用キャップ202側に着脱自在に装備することができるようになっている。
【0074】
前述した複数のイオン放射針22,23は、前述したガン本体20の空気噴射用キャップ202の外周囲部分に分けて配設され、かかる状態を維持しつつ放射針保持部材24に保持されている。
【0075】
これを更に詳述する。
環状に形成された放射針保持部材24上の一方の環状平面24A(図2の左端面,即ち塗料噴射側の面)に、前述した各五本のイオン放射針22,23がそれぞれ同一方向に向けて且つ所定間隔を隔てて植設されている。
【0076】
これらの各イオン放射針22,23の内、プラスイオンを放出する5本のイオン放射針22が、図3(B)に示すように塗料噴射方向側から見て一方の環状平面24Aの左側の平面部分に、又マイナスイオンを放出する5本のイオン放射針23が同じく図3(B)に示すように塗料噴射方向側から見て一方の環状平面24Aの右側の平面部分に、それぞれ二分されて装備されている。
【0077】
即ち、前述した各イオン放射針22,23は、図3(B)に示すように、塗料ノズル部103部分を中央(ガン本体20の先端部の中心軸上)に配設すると共に図3(B)における左側(一方の側)には5本のプラスイオン放射針22が、又図3(B)における右側(他方の側)には5本のマイナスイオン放射針23が、それぞれ二つのグループに分けられて(二分されて)配置されている。符号26,27は、それぞれ各グループの高電圧の入力端子を示す。
【0078】
そして、実際の稼働時には、噴射エアー(又は噴射塗料)の噴射方向に沿って一方の側にはプラスイオンが,又他方の側にはマイナスイオンがそれぞれ噴射されることから、噴射エアー(又は噴射塗料)を挟んで各イオンが相互に緩やかに吸引し合いつつ噴射エアー(又は噴射塗料)と一体的に被目的物に向けて移動する。このため、外部から混入してくる帯電した塵埃に対しては同極のものは反発して外部へはじき出し、異極のものは吸引し合って塵埃の帯電状態が解除され中性化して吸着力がなくなり、中性化され吸着力がなった塵埃として外部へ飛散される。
【0079】
この各イオンの異極同志の吸引は、噴射されたプラスイオン,マイナスイオンの相互間でも発生するが、その割合は空気という絶縁物中になされるから混在した状態のものが多く、更には連続的に補給されることから、塵埃の帯電状態の解除に際しては何ら支障は生じない。
【0080】
ここで、空気噴射用キャップ202のエアー噴射用突出部202E,202Fが水平方向に配置されている場合には(本実施形態では図1乃至図3に示すように上下方向に沿って配置されている)、前述した各イオン放射針22,23は、図3(B)の配置を90°回転させて塗料ノズル部103部分の上側と下側に配置してもよい。
【0081】
又、図1において、符号30は前述した各イオン放射針22,23を駆動するイオン出力用の直流高電圧電源部を示す。この直流高電圧電源部30は、本実施形態では、図4に示すように圧電トランス式高電圧電源31と、この圧電トランス式高電圧電源31に付勢されて作動し前述したプラスイオン放射針22を駆動する正高電圧出力回路32と、マイナスイオン放射針23を駆動する負高電圧出力回路33とを備えた構成となっている。
【0082】
この内、圧電トランス式高電圧電源31は、一次側に入力される電源駆動用の高周波低電圧(例えば±12〔V〕)に対応して、二次側(出力側)に、例えば±14〔KV〕の高周波高電圧を出力する機能を備えている。
一方、この圧電トランス式高電圧電源31の出力を入力する正高電圧出力回路32は、例えば、全波整流回路を備え、圧電トランス式高電圧電源31から出力される高周波電圧を全波整流してプラスの直流高電圧(例えば、+14〔KV〕)を出力するように構成されている。又、負高電圧出力回路33も、例えば前述した正高電圧出力回路32と同様の構成を有しその出力段に出力反転回路を備え、これによってマイナスの直流高電圧(例えば、−14〔KV〕)を出力するように構成されている。
【0083】
尚、この直流高電圧電源部30については、同様にプラスの直流高電圧およびマイナスの直流高電圧を個別に且つ同時に出力し得るものであれば、どのような構成のものであってもよい。又、この直流高電圧電源部30の出力端子を切り換えて、プラスイオン放射針22とマイナスイオン放射針として、又はマイナスイオン放射針23をプラスイオン放射針として使用してもよい。
【0084】
符号35は直流高電圧電源部30の圧電トランス式高電圧電源31を駆動する電源駆動回路を示す。この電源駆動回路35は、例えば12〔V〕の直流電源(バッテリ)に基づいて所定の高周波電圧パルスを出力するように構成されている。この電源駆動回路35の出力は、前述した圧電トランス式高電圧電源31の一次側に入力される。
【0085】
又、符号37は、前述した各イオン放射針22,23を作動状態に設定し又は解除するためのイオン出力スイッチを示す。このイオン出力スイッチ37は本実施形態では、スプレーガン1の引き金機構108の動作時に作動する空気弁104と連動するように構成されている。尚、このイオン出力スイッチ37については、空気弁104との連動関係を解除し、オペレータの操作にて独自にオン/オフ駆動可能に構成してもよい。
【0086】
このイオン出力スイッチ37の作動により、プラスイオン放射針22には14〔KV〕のプラスの高電圧が又マイナスイオン放射針23には14〔KV〕のマイナス高電圧がそれぞれ印加され、プラスイオン放射針22からはプラスイオンが又マイナスイオン放射針23からはマイナスイオンが、同時に且つ連続して圧縮エアーに沿って且つ当該圧縮エアーの噴射方向先に向けて放射される。これにより、後述する如く、塗装中に静電気を帯びた塵埃が被目的物へ付着するのを有効に除電しつつ排除し得るようになっている。
【0087】
次に、上記実施形態の全体的な動作を図5乃至図6に基づいて説明する。
最初に、装置全体に電源を投入し稼働状態に設定する。次に、プラスチック等を被目的物としてその表面塗装をするに際し、まず前工程である除塵工程が実行される。
【0088】
この除塵工程では、被目的物に対して強い圧縮エアーの吹き付けと同時に、プラスイオンとマイナスイオンとを同時に当該被目的物に対して噴射することにより実行される。この場合、予め切換え信号出力部18を操作して前述した電磁式切換え弁16が高圧縮エアー出力部15Aを選択するように設定しておく。
【0089】
そして、ガン本体20の空気噴射用キャップ202部分を被目的物に向けたのち引き金機構108を距離S1 だけ引く。引き金機構108の引き金108Aの全ストロークLの内の距離S1 分の位置(但し、S1 <L)には、空気弁104の作動開始点P1 が設定されている(図5参照)。
同時に、これに連動してイオン出力スイッチ37が作動し、前述したイオン出力用の直流高電圧電源部30がその正又は負の各高電圧出力を対応するイオン放射針22,23にそれぞれ印加する。
【0090】
これにより、まず空気弁104が作動し空気噴射用キャップ202から図6に示すように矢印W方向に高圧の圧縮エアーAが噴射される。
この場合、前述した従来例の場合と同様に、高圧の圧縮エアーAは空気噴射用キャップ202の二つの突出部202E,202Fの圧縮空気噴射口202e,202fから同時に斜め前方に向けて噴射されることから、図6(A)に示すように平面的にみると扇状の広がりとなり、これを横から見ると図6(B)に示すように通常の噴射状態となり、同時に継続して放出されるプラスイオン(+)及びマイナスイオン(−)と共に前述した被目的物に向けて噴射される。
【0091】
即ち、除塵工程に際しては、オペレータは、まず前述した切換え信号出力部18を操作して電磁式切換え弁16が高圧縮エアー出力部15Aを選択するように設定し、しかるのち、引き金108Aを少し(ゼロ位置からストロークS1 の距離)作動させて空気弁104を押圧操作し、圧縮空気噴射口202e,202fから除塵用の高圧縮エアーを噴射させて、同時に各イオン放射針22,23を駆動させ、これをもって除塵工程に入る。
【0092】
図5において、時間帯T1 は除塵工程を示す。この時間帯T1 の長さは、実際には繰り返し実験の結果、例えば15秒又は20秒の如く設定される。又被目的物は、この間、回転台上で回転させられた状態で除塵工程に付されるようになっている。
【0093】
この場合、ニードル弁105は閉じられているので、塗料ノズル部103には塗装用の塗料の補給は一切なされず、従って、高圧縮エアーの噴射中に塗料ノズル部103の外側部分に負圧が生じても、塗料が吸い出されることはない。
【0094】
又、前述したプラスイオン放射針22から放出されるプラスのイオンと、マイナスイオン放射針23から放出されるマイナスのイオンが、それぞれ空気噴射用キャップ202の二つの突出部202E,202Fから噴射される圧縮エアー内に周囲の空気と共に巻き込まれ、同時に除塵用として被目的物に向けて噴射される。
【0095】
ここで、高圧縮エアーを使用するのは、複雑に帯電し目的物に付着した塵埃に対して外部からプラスイオンおよびマイナスイオンを照射することによって当該塵埃の帯電状態を解いた後の吸着力が弱小化した塵埃を、当該高圧縮エアーで吹き飛ばすためである。かかる手法は、実際上、効果的であり、その有効性は繰り返し実験によっても確認されている。
【0096】
次に、除塵工程の完了と共に塗装工程に入る。この場合、本実施形態におけるスプレーガン1を使用すると、工程相互間で特に中断することなく又スプレーガンを変更することなく、除塵工程の完了と同時に続けて塗装工程に入ることが可能となっている。
【0097】
即ち、除塵工程が完了した場合、オペレータはスプレーガン1の引き金機構108の引き金108Aを更に少し引き、追加移動させる(ゼロ位置からストロークS2 の距離:S1 <S2 <L)。
【0098】
この場合、引き金108AのストロークS2 分の移動先の位置には、塗装開始検出センサ17の作動開始点P2 が設定されている(図5参照)。この塗装開始検出センサ17が引き金108Aの動作を検知すると、前述したように直ちに動作信号Sを出力して弁切換え動作制御部19に送り込む。
そして、この弁切換え動作制御部19では、この動作信号Sを入力すると、直ちに低圧縮エアー優先設定機能が作動して電磁式切換え弁16を付勢しエアー出力モードを低圧縮エアーの塗装モードに切り換える。
【0099】
即ち、塗装開始検出センサ17からの動作信号Sを入力すると、弁切換え動作制御部19は、前述した電磁式切換え弁16が低圧縮エアー出力部15Bを他に優先して選択するように当該電磁式切換え弁16を駆動制御し(低圧縮エアー優先設定機能の実行)、これによって塗装用の低圧縮エアーがガン本体20内に送り込まれる。
この場合、現象的には、ガン本体20の空気噴射用キャップ202から噴射されている圧縮エアーが、高圧縮エアーから低圧縮エアーに切り換えられることとなる。
【0100】
又、低圧縮エアー優先設定機能の作動中に前述した切換え信号出力部18から間違って切換え信号Kが出力されても、前述したように、当該切換え信号Kは無視され、電磁式切換え弁16による低圧縮エアー出力部15Bの選択状態が継続される。
【0101】
続いて、オペレータは引き金機構108の引き金108Aを更に少し追加動作して図5におけるゼロ位置からストロークS3 の距離まで移動させる(但し、S1 <S2 <S3 <L)。
このストロークS3 の位置にはニードル弁105の動作開始点P3 が設定されている。そして、このニードル弁105が「開」に設定されると、塗料ノズル部103からは塗料が噴射可能な状態に設定されることから、外部の僅かな負圧に対しても塗料ノズル部103から塗料が噴射される。
【0102】
即ち、このニードル弁105が「開」に設定されると、その直前に既に前述した空気噴射用キャップ202からは塗装用の低圧縮エアーが噴射されており、これがため、塗料ノズル部103の外側部分に生じている適度の負圧によって塗料ノズル部103からは所定の塗料が直ちに吸い出され、それが低圧縮エアーに衝突し巻き込まれて被目的物に向けて拡散され、噴霧塗料として送り出される。
【0103】
この間、各イオン放射針22,23からは継続してプラスイオン及びマイナスイオンが放出されており、上述した噴霧塗料と共に低圧縮エアーに巻き込まれて被目的物に向けて噴射される。
【0104】
そして、噴霧塗料と共に低圧縮エアーに巻き込まれて被目的物に向けて送り出されたプラスイオン及びマイナスイオンは、前述したように周囲の空気中から混入される帯電した塵埃に対して有効に除電作用を成し得ると共に、同時に噴霧塗料の衝突によって被目的物の表面に生じる静電気(又はイオン粒子)に対しても、これを中和することによって除電し、当該静電気(又はイオン粒子)の吸引作用によって被目的物の表面に塵埃が付着するのを事前に有効に排除している。
【0105】
図5において、時間帯T2 は塗装工程を示す。この時間帯T2 の長さは、実際には被目的物の大きさに対応してそれぞれ異なる長さに設定される。又被目的物は、この間、回転台上で回転させられた状態で塗装工程に付されるようになっている。
【0106】
塗装工程の終了は、前述した引き金機構108の引き金108Aを緩めることによって実行される。この場合、の引き金108Aは元位置に向けて復帰動作を開始し、最初にニードル弁105の動作開始点P3 を通過して塗料の噴射を停止させ、続いて塗装開始検出センサ17の作動開始点P2 を通過して圧縮エアーの塗装モードを解除し、最後に空気弁14の作動開始点P1 を通過して空気弁104を閉じて圧縮エアーの噴射動作を停止させる。
【0107】
更に、この引き金108Aが最後に空気弁104の作動開始点P1 を逆方向(元位置復帰方向)に通過すると、この時点でイオン出力スイッチ37が開放され、前述したイオン放出機構2からのイオンの放射が停止され、これによって、除塵工程に続いて連続的になされた塗装工程が完了する。
【0108】
このように、上記実施形態では、除塵工程から塗装工程への切り換え中のみならず吹き付け塗装中であっても同時にプラスイオンとマイナスイオンを噴霧塗料と共に被目的物の表面に吹き付けるようにしたので、帯電し被目的物に吸着された塵埃は、その多くが、前述したように帯電状態から解放されて被目的物に対する吸着力が無くなり、空気中に浮いた状態となり、以後は残存噴霧塗料と共に外部へ拡散されて(例えばブースに吸引されて)被目的物から引き離される。そして、かかる状態が連続して行われることから、被目的物の表面から塵埃(特に目視検査でも発見し難い微細な塵埃も含めて)が有効に除去され鮮明で且つ良質の塗膜面が形成される。
【0109】
このように、本第1の実施形態では、塗装工程中でも同時に除塵作用が実行されることから、従来必要としていた大掛かりな清浄空気出力装置が不要となり通常の工場の雰囲気内でも小型の清浄空気出力装置のもとに良質の塗膜面を得ることができる。
【0110】
又、上記第1の実施形態では、圧縮エアー噴射面にあっては、プラスイオン放射針22とマイナスイオン放射針23とを塗料ノズル部103を中央に配して一方の側と他方の側とにそれぞれ極性ごとにグループ化して(二分して)配置したので、正負各イオンの相互間に緩やかな吸引力も作用し同時に噴霧塗料の噴射流に対して一方の側と他方の側の両面から当該噴霧塗料の流れに沿って吸引され噴霧塗料内に均一に混入されやすくなり、被目的物上ではイオンが均一に照射されることから、除電作用及び除塵作用がより一層有効に実行されることとなる。
【0111】
又、本実施形態では切換え信号出力部18を操作してコンプレッサ13から出力される圧縮エアーを高圧縮エアー又は低圧縮エアーの何れかに切り換え出力し得るようにしたので、一つのスプレーガン1を除塵用の高圧縮エアーを必要とする除塵工程と塗料噴霧用の低圧縮エアーを必要とする塗装工程の二つの工程に連続して使用することができ、かかる点において、塗装作業の作業能率を向上させることができ、さらに設備投資を大幅に抑制することができて都合がよい。
【0112】
更に、本第1の実施形態では、前述したように除塵工程から塗装工程に移行するに際してはスプレーガン1を継続して動作させた状態で成し得ることから、除塵工程から塗装工程に移行する間の休止時間中に被目的物に対して従来生じていた工場内に浮遊する塵埃の付着等が全くなくなる。即ち、本実施形態にあっては、除塵工程から塗装工程への切り換え中も、被目的物に対する除電作用及び除塵作用が継続して実行されるため、当該被目的物上では塵埃の付着が有効に回避された良質の塗膜面を得ることができる。
【0113】
本第1の実施形態では、更に、前述した切換え信号出力部18と電磁式切換え弁16との間に弁切換え動作制御部19を設けると共にスプレーガン1の引き金機構108に前述した塗料の噴射タイミングを検出する塗装開始検出センサ17を併設し、そして、前述した弁切換え動作制御部19、塗装開始検出センサ17からの動作信号を入力した場合に作動して最優先で前述した電磁式切換え弁16を駆動制御して第2の圧縮エアー出力部15Bを前述したスプレーガン1に切換え接続する低圧縮エアー優先設定機能を備えているようにした。
【0114】
このため、本第1の実施形態では、低圧縮エアーによる塗装工程中に誤って切換え信号出力部18を操作しても、高圧縮エアーをスプレーガンから放出するという不都合を有効に回避することができ、作業員の意思で除塵工程と塗装工程とを明確に切り換えて実行することができ、かかる点において作業員の操作ミスがあっても塗装不良製品の発生率を有効に抑制することが可能となり、装置の信頼性を著しく向上させることができる。
【0115】
又、本第1の実施形態では切換え信号出力部18をフットスイッチによって構成したので、作業員は、複雑な塗装作業に際しても両手を塗装作業に集中することができ、適当なタイミングでいつでも切換え信号出力部18を切り替え操作して、除塵工程から塗装工程へ手作業を休めることなく継続することができ、かかる点において、作業性を著しく向上させることが可能となるという利点がある。更に工程の切換え中(作業休止中)に従来より生じていた被目的物への塵埃の付着という不都合を、スプレーガン1の継続動作(プラスイオン及びマイナスイオンの除塵作用の継続)で有効に排除することができ、かかる点において塵埃(微細な塵埃も含めて)の付着を大幅に抑制することができるという利点がある。
【0116】
ここで、上記第1の実施形態では、弁切換え動作制御部19と塗装タイミング検出スイッチ17とを装備すると共に、この塗装タイミング検出スイッチ17によって弁切換え動作制御部19に有する低圧縮エアー優先設定機能を作動させるようにした場合を例示したが、この塗装タイミング検出スイッチ17と弁切換え動作制御部19と削除して装置全体を構成してもよい。
【0117】
この場合は、切換え信号出力部18から出力される切換え信号Kで低圧縮エアーと高圧縮エアーの切り換えが実行されることとなり、かかる状態でも除塵工程から塗装工程への切り換えは前述した図1に開示した実施形態の場合と同様に実行することができるほか、プラスイオン及びマイナスイオンの除塵作用も継続されるので、被目的物の表面塗装の質も前述した図1に開示した実施形態の場合と同等のものを得ることができ、更に装置全体の構成を簡略化してその分、設備投資を軽減することができるという利点が有る。
【0118】
又、上記第1の実施形態では、イオン出力スイッチ37を空気弁104に連動した場合を例示したが、イオン出力スイッチ37を空気弁104とは切り離して個別に操作し得るように構成してもよい。
このようにしても、除塵工程および塗装工程におけるガン本体20との連係動作に際してもオペレータが予めイオン出力スイッチ37をオン動作させておくことにより、前述した第1の実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができるほか、更に、イオン放出機構2の動作のチェックおよびその直流高電圧電源部30の動作の確認等を任意に随時行うことができる点で都合がよい。
【0119】
更に、イオン放出機構2は、二本の係止ネジ25A,25Bでガン本体20の先端部に着脱自在に装備した場合を例示したが、一本の係止ネジであっても又は三本の係止ネジであってもよい。又、このイオン放出機構2は環状に形成された場合を例示したが、鞍型状であっても,或いは複数に分割されたものであってもよい。
更に又、このイオン放出機構2については、前述した環状キャップねじ202Kを前述した放射針保持部材24と同一の部材で形成すると共に、当該放射針保持部材24と環状キャップねじ202Kとを一体化して固定式としてもよい。
【0120】
ここで、上記第1の実施形態では、イオン放出機構2のプラスイオン放射針22とマイナスイオン放射針23とをそれぞれ五本づつ装備した場合を例示したが、それぞれ一本であっても三本であってもよい。
更に、プラスイオン放射針22とマイナスイオン放射針23とをそれぞれ二つのグループに分けて装備した場合を例示したが、それぞれをグループ化することなく所定間隔を隔てて混在した形態をもって装備してもよい。又、上記プラスイオン放射針22とマイナスイオン放射針23の配列については、同一面上に円環状に配置した場合を例示したが、この配置については、イオン放射が円滑になされるものであれば、円環状でなくてもよい。
【0121】
また、上記第1の実施形態では、イオン放出機構2のプラスイオン放射針22とマイナスイオン放射針23から対応する各イオンを連続的に放出する場合を例示したが、プラスイオン放射針22とマイナスイオン放射針23とが(又はこれと同等に形成された一方と他方の各イオン放射針が、それぞれ所定のプラスイオン及びマイナスイオンを、高周波に同期して交互に放出するように前述したイオン出力用の直流高電圧電源30を交流高電圧電源部30Aに代えてもよい。
【0122】
この高電圧電源を交流高電圧電源部30Aとした場合の例を図7に示す。
この図7に示す交流高電圧電源部30Aは、本実施形態では図7に示すように、圧電トランス式高電圧電源31と、この圧電トランス式高電圧電源31に付勢されて作動し位相が180°ずれた矩形波状の二つの交流高電圧を出力する交流高電圧出力回路31Aとを備えている。圧電トランス式高電圧電源31は前述した図4のものと同一のものが使用されている。又、交流高電圧出力回路31Aは、例えば図7に示すように中点が接地された分圧抵抗回路を含んだ構成のものが使用されている。
【0123】
そして、この交流高電圧電源部30Aから出力される二つの交流高電圧は、前述したイオン放出機構2の各イオン放射針22,23と同等に形成されたイオン放出機構2Gの一方と他方の各五本のイオン放射針22G,23Gに同時に且つ個別に印加されるようになっている。
【0124】
この場合、一方のイオン放射針22Gと他方のイオン放射針23Gとは前述したイオン放出機構2の場合と同様に前述した塗料ノズル部103を中央に配して一方の側と他方の側とにそれぞれ分けて配置されている。又、この各イオン放射針22G,23Gについては、それぞれ各一本であっても或いは各二本であってもよい。その数は、各五本に限定するものではない。
その他の構成は、図4の場合と同一となっている。
【0125】
このため、この図7に開示した事例では、上述した一方と他方のイオン放射針22G,23Gからは、印加される交流高電圧に応じてプラスとマイナスの各イオンが外部に向けて交互に連続的に放出され、所定の圧縮エアーの噴出流に吸引され混入されて移動する。これにより、被目的物上においては前述した図4の場合と同等の除塵作用を成し得るようになっている。
【0126】
ここで、上述した一方と他方の各イオン放射針22G,23Gは、前述したイオン放出機構2の場合と同様に絶縁材からなる環状の放射針保持部材24によって保持されている。即ち、この図7におけるイオン放出機構2Gは、全体的には前述したイオン放出機構2の場合と同様に環状に形成され空気噴射用キャップ202の外周囲に着脱自在に装備されるようになっている。
【0127】
尚、上記第1の実施形態において、イオン放射針22,23をそれぞれ放射針保持部材24から突出した場合を例示したが、放射針保持部材24のイオン放射針22,23が装備された箇所にそれぞれ個別に座ぐり穴状の有底穴を設け、この各有底穴内に前述した各イオン放射針22,23を収納するように装備してもよい。又この座ぐり穴状の有底穴は、イオン放射針22,イオン放射針23の各グループ毎に共通の長穴状の有底穴であってもよい。
又、上述した第1の実施形態においては、前述したイオン放出機構2,2Gを環状に形成した場合を例示したが、例えば四角形状であっても六角形状であってもよい。
【0128】
更に、前述したイオン放射針22,23については、プラスイオン放射針22とマイナスイオン放射針23とをそれぞれ圧縮エアー噴射方向側からみて左右に振り分けた場合を例示したが、前述した空気噴射用キャップ202の突出部202E,202Fに近い位置(即ち、図3(A)の上下方向)に分けて配置してもよい。
【0129】
又、このイオン放射針22,23については、プラスイオン放射針22とマイナスイオン放射針23とをそれぞれグループ化することなく、例えば所定間隔を隔て一つ置きにプラスイオン放射針22とマイナスイオン放射針23とを配置してもよい。又そのように配置したものを例えば二本づつにグループ化して分けてもよい。
【0130】
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態を図8乃至図9に基づいて説明する。
この図8乃至図9に示す第2の実施形態は、それぞれ直線状に形成された二組のイオン放出機構42,43を、ガン本体に装備した点に特徴を備えている。
【0131】
この内、一方のイオン放出機構42は、図8乃至図9(A)に示すうように塗料ノズル部103の上側に位置する空気噴射用キャップ202のエアー噴射用突出部202Eに水平に装備されている。又、他方のイオン放出機構43は、図8乃至図9(A)に示すうように塗料ノズル部103の下側に位置するエアー噴射用突出部202Fに水平に装備されている。
符号40はガン本体を示す。このガン本体40は、前述した従来例におけるスプレーガン100(図12乃至図13参照)と同一の構成を備えている。
【0132】
これを更に詳述すると、イオン放出機構42は、図8乃至図9に示すように、全体的には棒状に形成されている。
又、このイオン放出機構42は、前述した第1の実施形態の場合と同様に、プラス(又はマイナス)の高電圧が印加された場合に作動してプラス(又アマイナス)のイオンを放出する五本のイオン放射針22Aと、このイオン放射針22Aを所定間隔を隔てて保持する四角形状に形成された絶縁材からなる放射針保持部材44と、この放射針保持部材44を前述したエアー噴射用突出部202Eに装着する装着部材45とを備えている。イオン放射針22Aは、被目的物(塗装対象物)に向けて突設されている。
【0133】
この内、装着部材45は、全体的にはT字状に形成され、左右の突出部45Aで放射針保持部材44を背面側から長手方向に沿って二箇所で挟むようにして保持すると共に、中央部の保持部45Bが前述したエアー噴射用突出部202Eを上方向から跨ぐようにして当該エアー噴射用突出部202Eに着脱自在に装備されている。符号42aは取付けネジを示し、符号44A(図9(A)参照)はイオン放射針22Aに所定の高電圧を印加するための電圧入力端子を示す。
【0134】
又、イオン放出機構43は、前述したイオン放出機構42と場合と同様に構成され、マイナス(又はプラス)の高電圧が印加された場合に作動してアマイナス(又プラス)のイオンを放出する五本のイオン放射針23Aと、このイオン放射針23Aを所定間隔を隔てて保持する四角形状に形成された絶縁材からなる放射針保持部材46と、この放射針保持部材46を前述したエアー噴射用突出部202Fに装着する装着部材47とを備えている。
イオン放射針23Aは、前述したイオン放射針22Aの場合と同様に被目的物(塗装対象物)に向けて突設されている。
【0135】
この内、装着部材47は、前述した装着部材42と同様に全体的にはT字状に形成され、左右の突出部47Aで放射針保持部材46を背面側から二箇所で挟むようにして保持すると共に、中央部の保持部47Bが前述したエアー噴射用突出部202Fを下から跨ぐようにして当該エアー噴射用突出部202Fに着脱自在に装備されている。符号43aは取付けネジを示す。
又、図9(A)において符号47Aはイオン放射針23Aに所定の高電圧を印加するための電圧入力端子を示す。
【0136】
ここで、上述したイオン放出機構42,43は、本実施形態では空気噴射穴を備えたエアー噴射用突出部202E,202Fの先端部に突出して装着した場合を例示したが、このエアー噴射用突出部202E,202F部分であれば、例えばエアー噴射用突出部202E,202Fの外周側で前述した塗料ノズル部103から離れた方向の位置にそれぞれ装備しても、或いはイオン放射針22A,23Aの数を少なくしてその全体を二分割し、当該エアー噴射用突出部202E,202Fの各側面にそれぞれ装備してもよい。
【0137】
そして、このように形成されたイオン放出機構42,43には、前述した第1実施形態の場合と同様に高電圧電源部から所定レベルのプラス又はマイナスの直流の高電圧が、或いはパルス状の交流の高電圧が印加され、所定のプラスイオン又はマイナスイオンを連続的に放出し得るようになっている。
その他の構成は前述した第1の実施形態と同一となっている。
【0138】
このようにしても、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができるほか、更にイオン放出機構42,43を空気噴射用キャップ202の202E,202Fの突出方向に対して横に広げた状態に装備したので、圧縮エアー又は噴射塗料の広がりに合わせて幅広くイオンを放出することができ、かかる点において除塵工程および塗装工程における被目的物の大きさが比較的大きいものに対しても有効に対応し得るという利点がある。
【0139】
尚、上記第2の実施形態において、イオン放射針22A,23Aをそれぞれ放射針保持部材44,46から突出した場合を例示したが、各放射針保持部材44,46のイオン放射針22A,23Aが装備された部分にそれぞれ個別に座ぐり穴状の有底穴を設け、この各有底穴内に前述した各イオン放射針22A,23Aを収納するように装備してもよい。又この座ぐり穴状の有底穴は、イオン放射針22A,イオン放射針23Aの各グループ毎に共通の長穴状の有底穴であってもよい。
【0140】
又、イオン放出機構42,43の各イオン放射針22A,23Aについては、被目的物の方向(塗料の噴射方向)に向けて突出した場合を例示したが、イオン放出機構42,43とも、内側に向けて(相互に対向する方向に)各イオン放射針22A,23Aを突設してもよい。
更に、この各イオン放出機構42,43の両端部を連結して四角形状に,又は六角形状に,或いは環状に形成し、一体化されたイオン放出機構としてもよい。このようにすると、外力に対しても変形が少なくなり、全体的に堅牢で耐久性のあるイオン放出機構を得ることができる。
【0141】
〔第3の実施形態〕
次に、第3に実施形態を図10乃至図11に基づいて説明する。
この図10乃至図11に示す第3の実施形態は、前述した第2の実施形態におけるイオン放出機構42,43をそれぞれ小型化してイオン放出機構52,53とし、これらをエアー噴射用突出部202E,202Fの外周側に装備した点に特徴を備えている。
【0142】
この内、一方のイオン放出機構52は、図10乃至図11(A)に示すうように塗料ノズル部103の上側に位置する空気噴射用キャップ202のエアー噴射用突出部202Eの外周側(上側)に装備され、他方のイオン放出機構53は、図10乃至図11(A)に示すうように塗料ノズル部103の下側に位置するエアー噴射用突出部202Fの外周側(下側)に装備されている。
符号50はガン本体を示す。このガン本体50は、前述した従来例におけるスプレーガン100(図12乃至図13参照)と同等の構成を備えている。
【0143】
これを更に詳述すると、イオン放出機構52は、図10乃至図11に示すように、偏平の四角形状に形成されている。又、このイオン放出機構52は、プラス(又はマイナス)の高電圧が印加された場合に作動してプラス(又はマイナス)のイオンを放出する二本のイオン放射針22Bと、このイオン放射針22Bを所定間隔を隔てて保持する四角形状に形成された絶縁材からなる放射針保持部材54と、この放射針保持部材54を前述したエアー噴射用突出部202Eに装着する装着部材55とを備えている。
【0144】
そして、二本のイオン放射針22Bは、被目的物(塗装対象物)に向けて放射針保持部材54に植設されている。この放射針保持部材54には、図11(A)(B)に示すように前述したイオン放射針22Bを収納するための座ぐり穴としての有底穴54Gが設けられ、この有底穴54G内に前述した二本のイオン放射針22Bが所定間隔を隔てて植設されている。
【0145】
このため、外部から異物が接近してきた場合、この二本のイオン放射針22Bは当該異物との衝突を有底穴54G内で有効に回避し得るという利点があり、かかる点において耐久性向上が図られている。図11(B)は有底穴54Gを示す一部省略した部分断面図を示す。
【0146】
又、装着部材55は、先端部でエアー噴射用突出部202Eを挟持し後端部で外周囲に位置する放射針保持部材54を挟持する構造となっている。
符号52aは取付ネジを示す。この取付ネジ52aは放射針保持部材54の後端部を前述した装着部材55と共にエアー噴射用突出部202Eにネジ止め得る構造となっている。
符号54Aはイオン放射針22Bに所定の高電圧を印加するための電圧入力端子を示す。又、符号55Kは、装着部材55の先端部をエアー噴射用突出部202Eに係止する曲折係止部を示す。
【0147】
イオン放出機構53も、前述したイオン放出機構52と場合と同様に、偏平の四角形状に形成されている。又、このイオン放出機構53は、プラス(又はマイナス)の高電圧が印加された場合に作動してプラス(又アマイナス)のイオンを放出する二本のイオン放射針23Bと、このイオン放射針23Bを所定間隔を隔てて保持する四角形状に形成された絶縁材からなる放射針保持部材56と、この放射針保持部材56を前述したエアー噴射用突出部202Fに装着する装着部材57とを備えている。
【0148】
そして、二本のイオン放射針23Bは、被目的物(塗装対象物)に向けて放射針保持部材56に植設されている。この放射針保持部材56には、前述したイオン放出機構52の場合と同様に、イオン放射針23Bを収納するための座ぐり穴としての有底穴56Gが設けられ、この有底穴56G内に前述した二本のイオン放射針23Bが所定間隔を隔てて植設されている。
このため、この二本のイオン放射針23Bは前述したイオン放射針22Bの場合と同様に、外部からの異物の衝突を有底穴56G内で有効に回避し得るという利点があり、かかる点において耐久性向上が図られている。
【0149】
前述した装着部材57は、先端部でエアー噴射用突出部202Fを挟持し後端部で外周囲に位置する放射針保持部材56を挟持する構造となっている。符号53aは取付ネジを示す。この取付ネジ53aは放射針保持部材56の後端部を前述した装着部材57と共にエアー噴射用突出部202Fにネジ止めし得る構造となっている。
符号56Aはイオン放射針23Bに所定の高電圧を印加するための電圧入力端子を示す。又、符号57Kは、装着部材57の先端部をエアー噴射用突出部202Fに係止する曲折係止部を示す。
【0150】
そして、このように形成されたイオン放出機構42,43には、前述した第1実施形態の場合と同様に高電圧電源部から所定レベルのプラス又はマイナスの直流の高電圧が、或いはパルス状の交流の高電圧が印加され、所定のプラスイオン又はマイナスイオンを連続的に放出し得るようになっている。
その他の構成は前述した第2の実施形態とほぼ同一となっている。
【0151】
このようにしても、前述した第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができるほか、イオン放射針22B,23Bの数を少なくしたので、全体的にイオン放出機構52,53が小型化され、これがため、取り扱い易さ及び軽量化が促進され、作業性向上を図ることができ、更に、イオン放射針22B,23Bをそれぞれ放射針保持部材54,56の設けた座ぐり穴である有底穴内に配設したので、外部からの衝撃等に対して耐久性が強化されるという利点がある。
【0152】
尚、上記第3に実施形態は、イオン放出機構52,53のイオン放射針22B,23Bをそれぞれ二本装備した場合を例示したが各一本であってもよい。
又、イオン放出機構52,53を空気噴射用キャップ202のエアー噴射用突出部202E,202Eの外周側に装備した場合を例示したが、空気噴射用キャップ202を絶縁物で形成すると共に、この絶縁物で形成された空気噴射用キャップの各エアー噴射用突出部に前述したイオン放出機構52,53の放射針保持部材54,56を一体的に組み込むように構成してもよい。この場合、放射針保持部材54,56については、空気噴射用キャップの他の箇所に組み込むように構成してもよい。
【0153】
又、上記各実施形態にあってはプラスチック塗装について本発明を実施した場合を例示したが、本発明は必ずしも被目的物(塗装対象物)をプラスチック製品に限定するものではなく、例えば素材を金属製としたものであっても、表面に絶縁皮膜が付されたもの或いは下塗り塗装等で表面に所定の絶縁塗膜が付されたものの表面塗装に際しては、そっくりそのまま適用されるものである。更に、金属塗装であっても噴射塗料がウレタン系その他の絶縁性のものである場合には、本発明はそっくりそのまま適用されるものである。
【0154】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成され機能するので、これによると、塗装工程中でも同時に除電および除塵作業が実行され得るので、従来必要としていた大掛かりな清浄空気出力システムを用いることなく通常の工場の雰囲気内でも除塵された良質の塗膜面を得ることができ、これがため、不良品の発生を有効に抑制することができ、歩留りの向上を図ることが可能となった。
【0155】
又、本本発明では、除塵工程から塗装工程へ移行するに際して従来なされていたスプレーガンの取り換え作業が不要となり、これがため、除塵工程から塗装工程へ移行するに際してこれら二つの工程を中断することなく連続して実行することができ、このため、作業能率を著しく改善することができる。
【0156】
更に、前述した従来例では、除塵工程から塗装工程へ移行するに際してはスプレーガンの取り換え作業のための一時的な作業中断があってこの作業中断中に除塵工程後の被目的物に工場内に浮遊する微小塵埃が付着するという不都合が生じていたが、本本発明では、前述したように除塵工程から塗装工程へ移行するに際しては作業の中断がなくなることから、塗装作業の作業能率を著しく向上させることができ、しかも除塵工程から塗装工程の終了に至るまでイオン放出機構を連続稼働させ得るので、被目的物への除塵の付着が大幅に抑制され、かかる点において、通常の工場内での塗装作業であっても、被目的物の表面塗装にあっては除塵された良質の塗膜面を得ることができ、更に、前述したように工場内の除塵のための大幅な空気清浄システムが不要と成るので、設備投資を大幅に抑制することができるという従来にない優れたスプレーガンおよびエアースプレー装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す全体的な構成図である。
【図2】図1に開示したスプレーガン部分を示す一部断面した構成図である。
【図3】図2に開示したスプレーガンの一部を示す図で、図3(A)はイオン放出機構部分を示す説明図、図3(B)は図3(A)左側面からみたイオン放出機構ぶぶんを示す説明図である。
【図4】図1に開示したイオン放出機構のイオン放射針の配置およびその直流駆動電源回路の例を示す説明図である。
【図5】図1に開示した第1の実施形態の全体的な動作タイミングを示す線図である。
【図6】図1に開示した第1の実施形態の動作を示す図で、図6(A)は図2のスプレーガンのイオン放出機構部分の部分平面図であってイオン放出機構のイオン放出状況およびガン本体からの噴射塗料の噴射状況を示す説明図、図6(B)は図6(A)のイオン放出機構部分の縦断面図であって同じくイオン放出機構のイオン放出状況およびガン本体からの噴射塗料の噴射状況を示す説明図である。
【図7】図1に開示したイオン放出機構のイオン放射針の配置およびその交流駆動電源回路の例を示す説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態におけるイオン放出機構部分を示す説明図である。
【図9】図8のイオン放出機構部分を他の方向からみた図で、図9(A)は図8におけるイオン放出機構部分の左側面図、図9(B)は図8におけるイオン放出機構部分の平面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態におけるイオン放出機構部分を示す説明図である。
【図11】図10のイオン放出機構部分を他の方向からみた図で、図11(A)は図10におけるイオン放出機構部分の左側面図、図11(B)は図10イオン放出機構部分におけるイオン放射針部分の座ぐりの例を示す説明図である。
【図12】従来例におけるスプレーガンを示す断面図である。
【図13】図12に開示したスプレーガンの外観図である。
【図14】他の従来例おけるスプレーガンを示す一オブ断面した正面図である。
【符号の説明】
1,100,200 スプレーガン
2,42,43,52,53 イオン放出機構
13 コンプレッサ
15 圧縮エアー出力部
15A 高圧縮エアー出力部
15B 低圧縮エアー出力部
16 電磁式切換え弁
17 塗装開始検出センサ
18 切換え信号出力部
19 切換え動作制御部
22 プラスイオン放射針
23 マイナスイオン放射針
22A,22B,22G,23A,23B,23G イオン放射針
30 直流高電圧電源部
30A 交流高電圧電源部
102A エアー通路
103 塗料ノズル部
104 空気弁
105 ニードル弁
108 引き金機構
108A 引き金
202 空気噴射用キャップ
202E 一方のエアー噴射用突出部
202F 他方のエアー噴射用突出部
202e,202f 空気噴射穴としての圧縮空気噴射口
T1 除塵工程
T2 塗装工程
L,S1 ,S2 ,S3 引き金のストローク
K 弁切換え信号
S 塗装開始信号
Claims (12)
- 塗料噴射用の塗料ノズル部と、この塗料ノズル部の先端部の周囲に配設され当該塗料ノズル部を間に配して反対側の二箇所に空気噴射穴を有する空気噴射用キャップと、前記塗料ノズル部から噴射される塗料の量を調整するニードル弁と、前記空気噴射用キャップ内を介して前記空気噴射穴に連通するエアー通路と、このエアー通路を開閉制御する空気弁とを備えたガン本体を設け、このガン本体に、前記空気弁とニードル弁とを順次作動させる引き金機構が装備されてなるスプレーガンにおいて、
前記ガン本体の前記空気噴射用キャップの装着領域に、予め別に設けられた所定の高電圧電源部に付勢されて作動し前記空気噴射用キャップから噴射される空気の噴射方向に沿ってプラスイオンおよびマイナスイオンを放出するイオン放出機構を併設したことを特徴とするスプレーガン。 - 前記イオン放出機構を複数のイオン放射針を備えた構成とすると共に、この各イオン放射針が前記ガン本体の空気噴射用キャップの外周囲部分に相互に所定間隔を隔てて配設されていることを特徴とした請求項1記載のスプレーガン。
- 前記イオン放出機構を、プラスの高電圧を出力する所定の高電圧電源部に付勢されて作動しプラスイオンを放出するプラスイオン放射針と、マイナスの高電圧を出力する所定の高電圧電源部に付勢されて作動しマイナスイオンを放出するマイナスイオン放射針と、これら各イオン放射針を所定間隔を隔てて保持する絶縁材からなる放射針保持部材とを備えた構成としたことを特徴とする請求項1又は2記載のスプレーガン。
- 前記各イオン放射針を、前記塗料ノズル部を中央に配して前記空気噴射用キャップの周囲の一方の側と他方の側とに、それぞれ二分して配置したことを特徴とする請求項3記載のスプレーガン。
- 前記各イオン放射針の内、前記塗料ノズル部を中央に配して、一方の側に前記プラスイオン放射針を、他方の側にマイナスオン放射針を、それぞれ分けて配置したことを特徴とする請求項4記載のスプレーガン。
- 前記プラスイオン放射針を前記空気噴射用キャップの一方のエアー噴射用突出部に、前記マイナスオン放射針を前記空気噴射用キャップの他方のエアー噴射用突出部に、それぞれ分けて配置したことを特徴とする請求項5記載のスプレーガン。
- 前記イオン放出機構を、予め別に装備されプラスの高電圧とマイナスの高電圧とを交互に出力する交流高電圧電源部に付勢されて作動しプラスイオンとマイナスイオンとを交互に放出する複数のイオン放射針と、このイオン放射針を保持する絶縁材からなる放射針保持部材とを備えた構成としたことを特徴とする請求項1又は2記載のスプレーガン。
- 前記イオン放射針を複数本設けると共に、当該複数本のイオン放射針を、前記塗料ノズル部を中央に配して一方の側と他方の側とにそれぞれ分けて配置したことを特徴とする請求項7記載のスプレーガン。
- 前記イオン放出機構を環状に形成すると共に、この環状に形成されたイオン放出機構を前記ガン本体の前記空気噴射用キャップ側に着脱自在に装備するようにしたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載のスプレーガン。
- 先端部に空気噴射用キャップおよび塗料ノズル部を備えたガン本体と当該ガン本体が有する握り部に空気弁及びニードル弁を順次作動させる引き金機構とを備えた塗装用のスプレーガンを有し、このスプレーガンの前記塗料ノズル部に所定の加圧塗料を送り込む塗料加圧タンクと前記スプレーガンの空気噴射用キャップ部分にエアー通路を介して所定の圧縮空気を送り込むコンプレッサとを備えたエアースプレー装置において、
前記コンプレッサの出力段に、除塵用の高圧縮エアーを出力する高圧縮エアー出力部と塗装用の低圧縮エアーを出力する低圧縮エアー出力部の二つの圧縮エアー出力部を設けると共に、この二つの圧縮エアー出力部の何れか一方を選択し前記スプレーガンに切り換え接続する電磁式切換え弁を装備し、
この電磁式切換え弁に、外部操作によって作動すると共に当該電磁式切換え弁に対してその切換え動作を指令する切換え信号出力部を併設し、
前記ガン本体の前記空気噴射用キャップ部分に、前記ガン本体の動作中に作動し噴霧塗料の噴射方向に向けてプラスイオンおよびマイナスイオンを放出するイオン放出機構を併設したことを特徴とするエアースプレー装置。 - 前記切変え信号出力部と前記電磁式切換え弁との間に弁切換え動作制御部を設けると共に、前記スプレーガンの引き金機構に前記塗料の噴射タイミングを検出する塗装開始検出センサを併設し、
前記弁切換え動作制御部が、前記塗装開始検出センサからの動作信号を入力した場合に作動し最優先で前記電磁式切換え弁を駆動制御して前記低圧縮エアー出力部を前記スプレーガンに切換え接続する低圧縮エアー優先設定機能を備えていることを特徴とした請求項10記載のエアースプレー装置。 - 前記切変え信号出力部を、足で操作可能なフットスイッチにより構成したことを特徴とする請求項10又は11記載のエアースプレー装置。
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