JP2004267596A - 内視鏡の鉗子起上装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】挿入部の先端部に、該挿入部内に挿通した処置具挿通用チューブの先端が連通する鉗子起上台収納凹部とこの収納凹部に連なる処置具突出穴を設け、上記鉗子起上台収納凹部内に、上記チューブ内に挿通された処置具に沿う載置面を有する鉗子起上台を枢着し、該鉗子起上台を遠隔操作によりその回動軸を中心に回動させることで上記処置具の処置具突出穴からの突出方向を変化させる内視鏡の鉗子起上装置において、上記鉗子起上台の載置面に、上記回動軸側に位置する広幅係合溝と、自由端部側に位置する、上記広幅係合溝に比べて幅が小さい狭幅係合溝とを形成したことを特徴とする内視鏡の鉗子起上装置。
【選択図】 図4
Description
【技術分野】
本発明は、内視鏡の鉗子起上装置に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
従来より内視鏡では、挿入部内を挿通させた処置具を、挿入部の先端部に穿設した処置具突出穴から突出可能とし、かつ、先端部の処置具突出穴付近に回動自在な鉗子起上を設けている。鉗子起上の挿入部の先端部と反対側の面(以下、載置面と呼ぶ)には、鉗子起上の軸線方向と略平行な係合溝が形成されているので、処置具突出穴から処置具の先端部を突出させると、処置具の先端部がこの係合溝に係合する。
この状態で鉗子起上を回動させると、鉗子起上の係合溝が処置具の先端部を押圧して、処置具の先端部の向きを変える。
【0003】
ところで、処置具には様々な種類のものがあり、例えば、造影チューブのように断面径の小さいものや、ベビースコープのように断面径の大きいもの等がある。
しかし、上記係合溝の幅を、断面径の小さい処置具に合わせて小さくしてしまうと、断面径の大きい処置具を係合溝に係合させられなくなってしまう。
そのため、載置面に係合溝を設ける場合には、断面径が大きい処置具に合わせて、その幅を広く設定するのが通常である(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかし、このように断面径の幅を広くすると、断面径が小さい処置具を載せたときに、処置具が係合溝内でがたついてしまうため、鉗子起上を操作しても、処置具の先端を、患部に正確に導くのが難しくなってしまう。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−322789号公報
【0006】
【発明の目的】
本発明は、断面径が異なる様々なタイプの処置具の先端部の向きを、所望の方向に正確に向けることのできる内視鏡の鉗子起上装置を提供することを目的とする。
【0007】
【発明の概要】
本発明の内視鏡の鉗子起上装置は、挿入部の先端部に、該挿入部内に挿通した処置具挿通用チューブの先端が連通する鉗子起上台収納凹部とこの収納凹部に連なる処置具突出穴を設け、上記鉗子起上台収納凹部内に、上記チューブ内に挿通された処置具に沿う載置面を有する鉗子起上台を枢着し、該鉗子起上台を遠隔操作によりその回動軸を中心に回動させることで上記処置具の処置具突出穴からの突出方向を変化させる内視鏡の鉗子起上装置において、上記鉗子起上台の載置面に、上記回動軸側に位置する広幅係合溝と、自由端部側に位置する、上記広幅係合溝に比べて幅が小さい狭幅係合溝とを形成したことを特徴としている。
【0008】
さらに、上記広幅係合溝と狭幅係合溝の回動軸直交断面形状とその深さはそれぞれ、該広幅係合溝と狭幅係合溝に沿う処置具の方向が互いに異なるように設定するのが実際的である。
この場合は、広幅係合溝の上記回動軸直交断面形状は凹円弧であり、狭幅係合溝の回動軸直交断面形状は直線であるのが好ましい。
【0009】
さらに、狭幅係合溝は、幅方向断面が凹円弧形状をなし、上記広幅係合溝より高さ位置が高い自由端部側広幅係合溝の中央部に形成されているのが好ましい。
【0010】
さらに、上記広幅係合溝と狭幅係合溝の幅方向の断面形状がともに凹円弧であるのが好ましい。
【0011】
上記内視鏡が、上記処置具突出穴と対物レンズ窓が、上記挿入部の先端部の側面に設けられた側視型内視鏡の場合には、上記挿入部の先端部に、上記鉗子起上に、該鉗子起上を起こした際に、上記対物レンズ窓の視野を遮らないようにするための切欠部を形成するのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
添付図面を参照して本発明の内視鏡の一実施形態を説明する。
図1に示す内視鏡は医療用の電子内視鏡10であり、体腔内に挿入される挿入部11とその基部側に接続された操作部12を有している。挿入部11は、先端側から順に先端部13、湾曲部14及び可撓管部15を有しており、さらに可撓管部15が連結部16を介して操作部12に接続している。操作部12からはユニバーサルチューブ17が延設されており、該ユニバーサルチューブ17の末端に設けたコネクタ部18は、内視鏡本体とは別体のプロセッサ(図示略)に接続可能となっている。
【0013】
挿入部11のうち、可撓管部15は柔軟で可撓性を有している。また、湾曲部14内には、相対回動可能に連結された複数の節輪19(図3参照、図3では一つのみ図示)が、その長手方向に並べて設けられている。操作部12に設けた湾曲操作ノブ20を回動操作すると、複数の湾曲操作ワイヤW1が牽引または弛緩され、複数の節輪19が相対回動し、その結果、湾曲部14が上下及び左右に湾曲される。
【0014】
本実施形態の電子内視鏡10は、ステンレス鋼等の硬質材料から構成された先端部13の一側部に側方切欠部21を凹設した側視型内視鏡である。この側方切欠部21の平面部21aには、配光レンズ保持孔22と対物レンズ窓保持孔23が設けられており、さらに、平面部21aには、前後方向を向く鉗子起上台収納凹部24が凹設されている。さらに、先端部13の外周面には、側方切欠部21の直後に位置する、環状の係合溝25が設けられている。また、側方切欠部21の後端部には、鉗子起上台収納凹部24の直後に位置する、側面視略L字形をなす係合凹部21bが凹設されている。さらに、先端部13には、係合凹部21bの直後に位置する段部13aが形成してあり、段部13aの前端部には、送気送水連通用凹部13bが凹設されている。この送気送水連通用凹部13bの後面には、送気孔26と送水孔27とが穿設されている。
【0015】
図3に示すように、先端部13の先端の左右方向(図2の上下方向)の略中央部には、鉗子起上台収納凹部24の先端を塞ぐ、上下方向を向くブリッジ28が形成されている。このブリッジ28の各稜線部は全て面取りされており、万一、ブリッジ28が直接、体内の粘膜に接触しても、粘膜を傷付けないようにしている。
さらに、先端部13の下面、及び側方切欠部21と反対側の側面の一部を切り落とすことにより、各面に嵌合凹部29、30を形成してあり、また、先端部13の上面には、断面視略円弧状の開口部31が穿設されている。
【0016】
平面部21aの配光レンズ保持孔22には、配光レンズL1が嵌合固定されており、対物レンズ窓保持孔23には対物レンズ窓L2が嵌合固定されている。さらに、図示は省略したが、先端部13内には、対物レンズ窓保持孔23から後方に向かって延出する第1内部通路が形成されており、第1内部通路には、結像レンズと、結像レンズL3の直後に位置するCCDとが配設されており、CCDからは後方に向かって画像信号用ケーブルが延びており、この画像信号用ケーブルの後端部は、挿入部11と操作部12の内部を通って、ユニバーサルチューブ17のコネクタ部18まで達している。このため、観察対象からの反射光が対物レンズ窓L2を通って結像レンズに達すると、結像レンズによりCCDの撮像面に観察像が結像し、この観察像を画像信号用ケーブルが、電子画像信号としてプロセッサの画像処理装置に送る。プロセッサでは、電子画像を、モニタに表示したり画像記録媒体に記録することができる。操作部12には、画像処理関連の遠隔操作を行うための複数のリモート操作ボタンスイッチ32が設けられている。
【0017】
さらに、図示は省略したが、先端部13内には、配光レンズ保持孔22から後方に向かって延出する第2内部通路が形成されており、第2内部通路には、ユニバーサルチューブ17のコネクタ部18から挿入部11の先端部13まで配設されたライトガイドファイババンドルの先端部が挿入されている。このライトガイドファイババンドルの先端面である入射端面が配光レンズL1の裏面と対向しており、ライトガイドファイババンドルを介して、プロセッサ内部の光源からの照明光が配光レンズL1に与えられる。
【0018】
また、操作部12に設けた送気送水ボタン33の上面には図示しない孔が穿設されており、この孔を術者が指で塞ぐと、コネクタ部18に接続する送気源の正圧が電子内視鏡10内に配設された送気チューブ34に作用して、該送気チューブ34の出口へ空気が送られる。送気チューブ34の出口側端部は送気孔26に接続しているので、送気チューブ34に空気が送られると、送気孔26から空気が噴射する。
また、術者が指で孔を塞いだまま気送水ボタン33を押し込むと、コネクタ部18に接続する送水源と電子内視鏡10内に設けた送水チューブ35とが連通し、該送水チューブ35内に送水される。先端部13に位置する送水チューブ35の出口側端部は、前述の送水孔27に接続しているので、送水チューブ35に送られた洗浄水などの液体は、送水孔27から噴射される。
【0019】
図1に示すように、連結部16には、造影チューブS1やベビースコープS2のような処置具(図5及び図6参照)を挿入するための処置具挿入口突起36が設けられており、該処置具挿入口突起36から電子内視鏡10内方に向けて、処置具挿通用チューブ37(図3参照)が延設されている。処置具挿通用チューブ37の先端は、鉗子起上台収納凹部24の後端部に穿設された処置具突出穴24aに接続しており、処置具挿入口突起36から挿入された処置具を、処置具突出穴24aから突出可能としている。なお、処置具挿入口突起36の開口部は、ゴム製のキャップ38により塞がれている。
【0020】
また、処置具挿通用チューブ37の中間部には吸引チューブ(図示略)が接続しており、この吸引チューブの後端はコネクタ部18まで達しており、コネクタ部18を介して、電子内視鏡10の外部に設けた負圧源(図示略)に接続している。よって、処置具挿通用チューブ37に対しては、処置具挿入口突起36を介して処置具を挿入することと、吸引チューブを介して負圧源から負圧をかけることが可能である。処置具挿通用チューブ37を吸引用の管路として使用するときには、操作部12に設けた吸引ボタン38を押圧する。すると、負圧源側の管路と吸引チューブが連通されて、負圧が処置具挿通用チューブ37に作用し、処置具突出穴24aから体液等の流体を吸引することができる。
【0021】
さらに、図2及び図3に示すように、先端部13の内部には上下方向の軸回りに回転自在で、その断面が8角形状をなす回動軸39が配設されており、この回動軸39の一端には、挿入部11の内部を挿通するとともに、その外周面にガイドコイル40が巻回された操作ワイヤW2の先端が連係している。さらに、操作ワイヤW2の後端は、操作部12に設けられた鉗子起上操作レバー(図示略)に連係している。鉗子起上台収納凹部24には、鉗子起上台41が配設されており、その基端部に形成された取付孔41aに回動軸39の他端部が嵌合している。図3に示すように、鉗子起上台41の内部には、一端が取付孔41aにまで達する貫通孔41bが穿設されており、貫通孔41bの長手方向の略中央部には雌ねじ溝41cが形成されている。貫通孔41bの取付孔41a側の端部には押圧ピン42が移動自在に配設されており、さらに、雌ねじ溝41cには調整ねじ43が螺合している。そして、調整ねじ43を回転させて、調整ねじ43を回動軸39側に移動させ、調整ねじ43の端面で押圧ピン42を回動軸39側に移動させることにより、押圧ピン42の端面を回動軸39の平面状の側面に押圧し、回動軸39と鉗子起上台41とを固定している。なお、前述した開口部31に、開口部31と略同形状のカバー部材Cを嵌合することにより、回動軸39が露出しないようにしている。
【0022】
鉗子起上台41は、鉗子起上レバーが非作動位置にあるときは、鉗子起上台収納凹部24に接触する(寝る)位置にある。鉗子起上操作レバーを作動位置に向けて回動させると、回動軸39が正転し、鉗子起上台41が鉗子起上台収納凹部24から離れ(起きあがり)、さらに、鉗子起上操作レバーを非作動位置に戻すと、回動軸39が逆転して、鉗子起上台41は鉗子起上用凹部24に接触する(寝る)。
【0023】
図3乃至図6に詳細に示すように、鉗子起上台41の鉗子起上台収納凹部24の底面と反対側の面である載置面41dには、その回動軸39側に、長手方向と直交する幅方向の寸法が鉗子起上台41と略同一の広幅係合溝44が形成されている。この広幅係合溝44の上記長手方向及び幅方向の断面形状はともに略円弧状をなしている。
さらに、載置面41dの自由端部には、鉗子起上台41の長手方向の断面視(図3の状態で視たとき)において、その軸線が直線状をなし、上記幅方向の断面形状が略円弧状をなすとともに、その幅寸法が広幅係合溝44と略同一の自由端部側広幅係合溝45が形成されている。
さらに、自由端部側広幅係合溝45の幅方向の中央部には、自由端部側広幅係合溝45より、その幅寸法と曲率半径がともに小さく、かつ、その軸線が自由端部側広幅係合溝45と平行な狭幅係合溝46が形成されている。なお、この狭幅係合溝46の最も深い場所の深さ(最深寸法)は、広幅係合溝44の最深寸法より浅く、かつ、鉗子起上操作レバーを非作動位置に戻した際に、狭幅係合溝46は広幅係合溝44より高い所に位置する。
【0024】
また、図5及び図6に示すように、鉗子起上台41の下面(配光レンズL1側の面)の回動軸39側の端部には、鉗子起上台41の下面に対して約45°の角度をなすように切り欠かれた切欠部41eが形成されている。
【0025】
図2及び図3に示すキャップ47は、挿入部11の先端部13に被せるゴム製のものである。キャップ47の内部は中空であり、その後面は開口し、さらに、一方の側面には略方形の窓孔48が穿設されている。さらに、キャップ47の内周面には、キャップ47の後端縁から前方に離間する位置に、正面視環状をなすとともに係合溝25に弾性係合可能な係合突条49が一体成形により設けられている。また、キャップ47の内周面の窓孔48側の側部には、係合凹部21bと対応する形状の突部50が設けられており(図3参照)、この突部50には、突部50を前後方向に貫通するとともに、キャップ47を先端部13に装着した際に、その後端開口部が送気送水連通用凹部13bと連通するノズル孔50aが穿設されている。
【0026】
さらに、キャップ47の内周面には、先端部13への装着時に、先端部13の各嵌合凹部29、30と弾性係合する回り止め突起51、52が一体成形により設けられている。また、キャップ47の先端部には、窓孔48と連通するとともに、処置具突出穴24aから真っ直ぐに突出した処置具を避けるための処置具用凹部53が形成されている。
【0027】
このキャップ47を、その窓孔48が側方切欠部21側を向くようにして先端部13に被せ、その係合突条49を係合溝25に弾性係合させるとともに、係合凹部21bに突部50を係合させ、かつ、各回り止め突起51、52を対応する嵌合凹部29、30に係合させると、突部50の後面が段部13aの前端面に当接し、ノズル孔50aの後端開口部が送気送水連通用凹部13bと連通する。さらに、窓孔48を介して配光レンズL1、対物レンズ窓L2、処置具突出穴24a、及び鉗子起上台41が露出し、ノズル孔50aの先端開口が対物レンズ窓L2の表面側を向く。従って、キャップ47を先端部13に被せた状態で、送気孔26から空気を噴射させるか、送水孔27から洗浄水などの液体を噴射すると、ノズル孔51から噴射された空気または液体により、対物レンズ窓L2の表面が洗浄される。
【0028】
次に、電子内視鏡10に処置具を挿入して処置具突出穴24aから先端部を突出させて、鉗子起上台41を回転操作させながら、処置具の先端部の向きを変える要領について説明する。
【0029】
まず、主に図3と図5を用いて、断面径の小さい処置具である造影チューブS1を電子内視鏡10の内部に挿入する場合の操作要領について説明する。
まず、鉗子起上操作レバーは操作せずに、処置具挿入口突起36に被せられたキャップ38に形成されたスリット(図示略)から、造影チューブS1(図5参照)を処置具挿通用チューブ37に挿通し、造影チューブS1の先端部を処置具突出穴24aから突出させる。この造影チューブS1の断面の曲率半径は狭幅係合溝46の曲率半径とほぼ同一なので、図5に示すように、造影チューブS1の先端部が、鉗子起上台41の狭幅係合溝46に密接状態で係合し、この状態で鉗子起上操作レバーを作動位置側に回動させると、図3の仮想線に示すように鉗子起上台41が起き上がり、造影チューブS1の先端部が、先端部13の軸線に対して向きを変える(図3では造影チューブS1の図示は省略)。
【0030】
次に、主に図3及び図6を用いて、断面径の大きい処置具であるベビースコープS2を電子内視鏡10の内部に挿入する場合について説明する。
この場合も、鉗子起上操作レバーを操作せずに、ベビースコープS2の先端部を処置具突出穴24aから突出させ、その先端部を広幅係合溝44に載せる(図示略)。ベビースコープS2の断面の曲率半径は、狭幅係合溝46より大きく、広幅係合溝44の幅方向の曲率半径とほぼ同一なので、ベビースコープS2の先端部は、狭幅係合溝46には係合せず、広幅係合溝44に係合する。そして、この状態で鉗子起上操作レバーを作動位置に回動操作すると、図3の仮想線で示すように鉗子起上台41が起き上がる。鉗子起上台41が、図3の実線の位置から仮想線の位置まで移動するとき、鉗子起上台41の起立角度が所定角度に達するまでは、ベビースコープS2は広幅係合溝44にのみ係合し、第1の係合溝44に押されることによって向きが変えられるが、鉗子起上台41の起立角度が所定角度を超えると、ベビースコープS2に、その曲率半径がベビースコープS2と略同一の自由端部側広幅係合溝45が密接状態で係合し(図6参照)、自由端部側広幅係合溝45によってベビースコープS2の先端部の向きが変えられる。
【0031】
このように本実施形態では、鉗子起上台41に、処置具S1、S2の断面径に合わせて、幅寸法と曲率半径の異なる大径係合溝44、45と狭幅係合溝46とを形成することにより、ベビースコープS2のように断面径の大きい処置具であっても、また、造影チューブS1のように断面径の小さい処置具であっても、確実にいずれかの溝44、45、46に係合させることができるので、処置具S1、S2の先端を患部に正確に導くことができる。
さらに、鉗子起上台41に切欠部41eを形成してあるので、鉗子起上台41を起こしたときでも、対物レンズ窓L2は、この切欠部41eを通して患部を観察することができ、鉗子起上台41によって対物レンズ窓L2の視野が遮られることはない。
【0032】
なお、本実施形態では、広幅係合溝44、自由端部側広幅係合溝45、及び狭幅係合溝46の断面形状を円弧状としたが、これらの係合溝44乃至46の断面形状をV字状とすることも可能である。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、断面径が異なる様々なタイプの処置具の先端部の向きを、所望の方向に正確に向けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した電子内視鏡の一実施形態を示す外観図である。
【図2】挿入部の先端部の一部を破断した拡大側面図である。
【図3】図2のA点、B点、C点、及びD点を通るIII−III線に沿う拡大横断平面図である。
【図4】鉗子起上の拡大斜視図である。
【図5】鉗子起上に造影チューブを載せて、鉗子起上を起こしたときの、図3のV−V線に沿う鉗子起上の断面図である。
【図6】鉗子起上にベビースコープを載せて、鉗子起上を起こしたときの、図5と同様の断面図である。
【符号の説明】
10 電子内視鏡(内視鏡)(側視型内視鏡)
11 挿入部
12 操作部
13 先端部
13a 段部
13b 送気送水連通用凹部
14 湾曲部
15 可撓管部
16 連結部
17 ユニバーサルチューブ
18 コネクタ部
19 節輪
20 湾曲操作ノブ
21 側方切欠部
21a 平面部
21b 係合凹部
22 配光レンズ保持孔
23 対物レンズ窓保持孔
24 鉗子起上台収納凹部
24a 処置具突出穴
25 係合溝
26 送気孔
27 送水孔
28 ブリッジ
29 30 嵌合凹部
31 開口部
32 リモート操作ボタンスイッチ
33 送気送水ボタン
34 送気チューブ
35 送水チューブ
36 処置具挿入口突起
37 処置具挿通用チューブ
38 キャップ
39 回動軸
40 ガイドコイル
41 鉗子起上
41a 取付孔
41b 貫通孔
41c 雌ねじ溝
41d 載置面
41e 切欠部
42 押圧ピン
43 調整ねじ
44 広幅係合溝
45 自由端部側広幅係合溝
46 狭幅係合溝
47 キャップ
48 窓孔
49 係合突条
50 突部
50a ノズル孔
51 52 回り止め突起
53 処置具用凹部
C カバー部材
L1 配光レンズ
L2 対物レンズ窓
L3 結像レンズ
S1 造影チューブ(処置具)
S2 ベビースコープ(処置具)
W1 湾曲操作ワイヤ
W2 操作ワイヤ
Claims (6)
- 挿入部の先端部に、該挿入部内に挿通した処置具挿通用チューブの先端が連通する鉗子起上台収納凹部とこの収納凹部に連なる処置具突出穴を設け、上記鉗子起上台収納凹部内に、上記チューブ内に挿通された処置具に沿う載置面を有する鉗子起上台を枢着し、該鉗子起上台を遠隔操作によりその回動軸を中心に回動させることで上記処置具の処置具突出穴からの突出方向を変化させる内視鏡の鉗子起上装置において、
上記鉗子起上台の載置面に、上記回動軸側に位置する広幅係合溝と、自由端部側に位置する、上記広幅係合溝に比べて幅が小さい狭幅係合溝とを形成したことを特徴とする内視鏡の鉗子起上装置。 - 請求項1記載の内視鏡の鉗子起上装置において、上記広幅係合溝と狭幅係合溝の回動軸直交断面形状とその深さはそれぞれ、該広幅係合溝と狭幅係合溝に沿う処置具の方向が互いに異なるように設定されている内視鏡の鉗子起上装置。
- 請求項2記載の内視鏡の鉗子起上装置において、広幅係合溝の上記回動軸直交断面形状は凹円弧であり、狭幅係合溝の回動軸直交断面形状は直線である内視鏡の鉗子起上装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1項記載の内視鏡の鉗子起上装置において、狭幅係合溝は、幅方向断面が凹円弧形状をなし、上記広幅係合溝より高さ位置が高い自由端部側広幅係合溝の中央部に形成されている内視鏡の鉗子起上装置。
- 請求項1ないし4のいずれか1項記載の内視鏡の鉗子起上装置において、上記広幅係合溝と狭幅係合溝の幅方向の断面形状がともに凹円弧である内視鏡の鉗子起上装置。
- 請求項1乃至5のいずれか1項記載の内視鏡の鉗子起上装置において、上記内視鏡が、上記処置具突出穴と対物レンズ窓が、上記挿入部の先端部の側面に設けられた側視型内視鏡であり、上記挿入部の先端部に、上記鉗子起上台に、該鉗子起上台を起こした際に、上記対物レンズ窓の視野を遮らないようにするための切欠部が形成されている内視鏡の鉗子起上装置。
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