JP2004266807A - アンプ装置および信号出力方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 BTL増幅回路のような平衡出力型のアンプ装置であって、3端子型ヘッドホンを用いても、クロストークの影響を抑えることの可能なアンプ装置を提供する。
【解決手段】 本アンプ装置では、左チャネル増幅回路11・右チャネル増幅回路12の負端子H・J間が互いに接続(短絡)された場合、制御器14が、負端子H・Jの電圧値を0に近づけるように設定されている。これにより、本アンプ装置では、接続された負端子H・J間での信号伝達、すなわち、左右のチャネル間での信号伝達が、低減される。従って、3端子型ヘッドホンを適用した場合でも、クロストークの発生を抑制することが可能となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対し、正相および逆相の信号をそれぞれ出力するアンプ装置に関するものである。
従来、音声信号を再生するためのステレオヘッドホンには、3端子型のものと4端子型のものとがある。
図5は、3端子型ヘッドホンのプラグ(入力部)を示す説明図である。この図に示すように、3端子型ヘッドホンは、音声信号の入力を受けるための、左右のチャネルに対応した2つの入力端子L+・R+と、両チャネルに共通の接地端子Eとを備えている。
一方、図6は、4端子型ヘッドホンのプラグを示す説明図である。4端子型ヘッドホンは、音声をより高品位に再生するためのものである。そして、図6に示すように、左右のチャネルに対応した2つの正端子L+・R+と、同じく左右のチャネルに対応した2つの負端子L−・R−とを備えるようになっている。
そして、このような4端子型ヘッドホンを効果的に用いるために、従来、BTL増幅回路を用いたアンプが開発されている。
図7は、BTL(Bridged Transless)増幅回路の例を示すブロック図である。この図に示す回路では、入力される左(右)チャネル用の音声信号SL・SRを、非反転増幅器101(103)および反転増幅器102(104)によって増幅する。
そして、非反転増幅器101の出力信号を、ヘッドホンにおける左チャネル用の正端子L+に出力する一方、反転増幅器102の出力信号を、同じく左チャネル用の負端子L−に出力するようになっている。
また、右チャネルについても同様に、非反転増幅器103の出力信号を、正端子R+に出力する一方、反転増幅器104の出力信号を、負端子R−に出力するように設定されている。
上記のようなBTL増幅回路の信号出力は、4端子型ヘッドホンの左右のチャネルに、各増幅器101〜104から出力されるものの2倍のレベルの音声信号を出力することと等価である。
このためBTL増幅回路では、電源電圧を超えるレベルの音声信号を出力できることとなり、低電圧(例えば5V)の電源を用いる場合に適しているといえる。
また、各増幅器101〜104からの出力信号にはDC成分が含まれているけれども、この成分は、正極性と負極性との出力信号をヘッドホンに印加することで打ち消される。従って、DC成分をカットするためのコンデンサを必要とせず、これによる低域周波数の減衰等の特性劣化を回避できる。
しかしながら、このような従来のBTL増幅回路では、4端子型ヘッドホンより一般的な3端子型ヘッドホンを使用できないという問題がある。
そこで、従来、このような問題に関するBTL増幅回路が開発されている。
例えば、特許文献1の技術は、BTL増幅回路は、3端子のプラグ・ジャックを用いてスピーカとの接続を図るものである。図8は、このBTL増幅回路の構成を示すブロック図である。
この図に示すように、このBTL増幅回路では、演算器111〜113が、左チャネル音声信号SLと右チャネル音声信号SRとを入力し、両者の和信号(SL+SR)と、一方から他方を差し引いた2種の差信号(SL−SR)・(SR−SL)を生成する。さらに、これら3種類の信号を、ゲインの等しい3つの増幅器121〜123によって増幅する。
そして、このBTL増幅回路では、3端子プラグにおける共通端子Eに和信号(SL+SR)を出力するとともに、左チャネル端子Lに(SR−SL)を、また、右チャネルの入力端子Rに(SL−SR)を出力する。
そして、スピーカにおける左右チャネルの正端子に和信号(SL+SR)を入力するとともに、左チャネルの負端子に(SR−SL)を、また、右チャネルの負端子に(SL−SR)を出力する。
ここで、スピーカにおける左右チャネルに印加される入力信号は、正端子への入力から負端子への入力を差し引いたものとなる。
従って、このBTL増幅回路を用いる場合、スピーカの左チャネルに印加される信号の大きさは、増幅器121〜123のゲインをGとすると、G(SL+SR)−G(SR−SL)=2G・SLとなる。一方、右チャネルに印加される信号は、同じくG(SL+SR)−G(SL−SR)=2G・SRとなる。
すなわち、このBTL増幅回路を用いれば、図7に示したBTL増幅回路と同様の出力を得られることになる。
また、特許文献2には、BTL増幅回路において、4端子のプラグを有するヘッドホンに高音質の信号を供給することができ、3端子のプラグを有するヘッドホンをも駆動することができるようにする技術が開示されている。
すなわち、このBTL増幅回路は、右チャネルの信号及び左チャネルの信号を+SR信号,−SR信号,+SL信号,−SL信号の4つの信号に分け、4端子の接続プラグを有するヘッドホンが接続された場合に、この4つの信号をヘッドホンに出力する。一方、3端子の接続プラグを有するヘッドホンが接続された場合には、−SR信号及び−SL信号を生成するアンプを接地することにより、+SR信号及び+SL信号のみをヘッドホンに出力する。
ところで、現在、市場に出回っているポータブルオーディオ機器の出力端子は3端子が大半を占めている。また、他の機器との接続部品(接続ケーブル)においても、3端子のプラグを有する製品が大半を占めている。このような一般に市販されている3端子の外部機器接続ケーブル(RCA接続ケーブル)の外観図を図14に示し、ケーブル内部の回路構成を図15に示す。また、図16に従来のBLT増幅回路(AV機器)のヘッドホン出力部の回路構成の一例を示す。図16のBLT増幅回路は、図7のBLT増幅回路の反転増幅器102および104の出力側に負荷(抵抗)R11およびR12を備えた構成である。さらに、図14に示した3端子の外部機器接続ケーブルを用いて、図16のアンプ装置と3端子型の外部機器とを接続した場合の回路構成図を図17に示す。
図17に示すように、3端子の外部機器接続ケーブルを、従来のBLT増幅回路に接続すると、左右チャネルの負端子L−とR−とが短絡する。このため、左チャネルの音が右チャネルに、右チャネルの音が左チャネルに流れてしまうといった、クロストークが生じてしまう。すなわち、左右チャネル間のセパレーションが取れず、ステレオと感じられなくなる。
そこで、BTL増幅回路を備えたアンプ装置を3端子型の外部接続機器に接続する場合のクロストークを低減するために、専用の外部機器接続ケーブル(専用ケーブル)を用いる方法がある。この専用ケーブルは、接続する3端子型外部機器のボイスコイル抵抗値に応じて抵抗値を設定した負荷(抵抗)をケーブルの内部に備えている。このような専用ケーブルの外観図を図18に、内部回路構成を図19に示す。
図19に示したように、この専用ケーブルは、Li+,Li−,Ri+,Ri−の4つの入力端子と、Lch,Rch,Eの3つの出力端子とを備えている。
また、この図に示したように、この専用ケーブルの入力端子Li+,Ri+は出力端子Lch,Rchにそれぞれ接続されている。
そして、入力端子Li−は負荷Rを介して出力端子Eに接続されており、負荷Rと出力端子Eとの間の点が、負荷R10を介して入力端子Li+と出力端子Lchとの間の点に接続されている。
また、入力端子Ri−は負荷R介して出力端子Eに接続されており、負荷Rと出力端子Eとの間の点が、負荷Rを介して入力端子Ri+と出力端子Rchとの間の点に接続されている。
そして、この専用ケーブルの各負荷(R,R,R,R10)は、接続される外部機器の左右チャネルのボイスコイル抵抗の抵抗値と負荷R10,Rの抵抗値との並列合成抵抗値が、負荷RとR11との抵抗値の和および負荷RとR12との抵抗値の和と、それぞれ近い値になるように設定されている。
図20は、この専用ケーブルを用いて、図16に示した従来の平衡出力型アンプ装置と、3端子型外部機器とを接続した場合の回路構成を示している。この図に示すように、専用ケーブルの出力端子Lch,Rchには、平衡出力型アンプの非反転増幅器101・103からの出力信号が、それぞれ流れる。
また、専用ケーブルの出力端子Eには、負荷R11およびRを経た反転増幅器102からの出力信号、負荷R10および外部機器を経た非反転増幅器101からの出力信号、負荷R12およびRを経た反転増幅器104からの出力信号、負荷Rおよび外部機器を経た非反転増幅器103からの出力信号、が流れる。
ここで、負荷R10と外部機器の左チャネルのボイスコイル抵抗との並列合成抵抗値と、負荷R11とRとの抵抗値の和とが近い値なので、専用ケーブルの出力端子Eには、振幅の絶対値の差が小さく、逆位相の2つの信号(非反転増幅器101および反転増幅器102からの出力信号)が入力されることになる。
同様に、負荷Rと外部機器の右チャネルのボイスコイル抵抗との並列合成抵抗値と、負荷R12とRとの抵抗値の和とが近い値なので、専用ケーブルの出力端子Eには、振幅の絶対値の差が小さく、逆位相の2つの信号(非反転増幅器103および反転増幅器104からの出力信号)が入力されることになる。
したがって、専用ケーブルの出力端子Eにおける信号振幅は0に近くなり、信号がほとんど流れない。
このため、この専用ケーブルを用いることにより、BTL増幅回路に3端子型外部機器を接続することが可能となる。
特開2001−144561号公報(公開日2001年5月25日) 特開平2−252400号広報(公開日1990年10月11日)
しかしながら、上記した特許文献1のBTL増幅回路には、4端子のヘッドホンを接続できないため、汎用性に劣るという問題がある。
また、L+Rの信号を用いているため、増幅器121〜123のゲインに微差のある場合などに、L(あるいはR)信号だけを残すことが困難になる。このため、左チャネルの音が右チャネルに、右チャネルの音が左チャネルに流れてしまうといった、クロストークの生じる可能性がある。
また、特許文献2のBTL増幅回路では、4端子ヘッドホン、スピーカ等の平衡負荷をつないだ場合には問題ないが、3端子ヘッドホンまたはライン出力して次段が接地端子共通のアンプ等に接続した場合、セパレーション性能が悪化するという問題がある。これは、接続された外部機器(3端子型ヘッドホンまたはライン出力して次段が接地端子共通のアンプ等)の左右チャネルにおける負荷で発生する電位差が、BTL増幅回路における左右チャネルの負端子間で短絡(ショート)されることによって0Vとなるためである。なお、セパレーション性能とは、LchおよびRchのそれぞれが反対の信号にどれくらいの影響を与えるかの度合いを示すものである。
また、専用の外部機器接続ケーブルを用いる方法は、上記のような専用の外部機器接続ケーブルが市販には出回っておらず、ユーザーが入手することは困難である。
本発明は、上記のような従来の問題点を解決するために成されたものである。そして、その目的は、BTL増幅回路のような平衡出力型のアンプ装置であって、3端子型外部機器を用いても、クロストークの影響を抑えることの可能なアンプ装置を提供することにある。
本発明の第1アンプ装置は、上記の課題を解決するために、接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対し、正相および逆相の信号をそれぞれ出力するアンプ装置において、正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子とを備えた、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有しており、さらに、外部機器によって両増幅回路の負端子間が接続されたときに、両増幅回路における負端子の電圧値を0に近づける制御部を備えていることを特徴としている。
また、本発明の第1アンプ装置は、上記両増幅回路が、逆相アンプと負端子との間に配された第1可変負荷を備えており、上記制御部は、各増幅回路の第1可変負荷の抵抗値を、各増幅回路の正端子と負端子との間の抵抗値に近づけるように調整することで、両増幅回路における負端子の電圧値を0に近づける構成としてもよい。
また、本発明の第1アンプ装置は、上記両増幅回路が、正端子と負端子との間を接続する第2可変負荷と、逆相アンプと負端子とを接続する主固定負荷を備えており、上記制御部は、各増幅回路の正端子と負端子との間の抵抗値を、逆相アンプと負端子との間の抵抗値に近づけるように、第2可変負荷の抵抗値を調整することで、両増幅回路における負端子の電圧値を0に近づける構成としてもよい。
また、本発明の第1アンプ装置は、各増幅回路の正端子と負端子との間の電位差を検出する第1検出部を備えており、上記制御部は、各増幅回路における第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を、第1検出部の検出した電位差と正端子に出力されている信号の電圧値とを近づけるように、調整する構成としてもよい。
また、本発明の第1アンプ装置は、両増幅回路の負端子と接地点との電位差を測定する第2検出部を備え、上記制御部は、各増幅回路における第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を、第2検出部の検出結果を0に近づけるように調整する構成としてもよい。
また、本発明の第1アンプ装置は、上記の第1可変負荷が、抵抗値の異なる複数の負荷を備えており、上記制御部は、逆相アンプと負端子との間に配する負荷を選択することで、第1可変負荷の抵抗値を調整する構成としてもよい。
また、本発明の第1アンプ装置は、上記の第2可変負荷が、抵抗値の異なる複数の負荷を備えており、上記制御部は、正端子と負端子との間に配する負荷を選択することで、第2可変負荷の抵抗値を調整する構成としてもよい。
また、本発明の第1アンプ装置は、上記第1あるいは第2可変負荷が、連続的に抵抗値の変化するものであってもよい。
また、本発明の第1アンプ装置は、上記第1可変負荷が、第1スイッチと、この第1スイッチに並列に接続された第1固定負荷とを備えており、上記制御部は、第1スイッチを開閉することで、第1可変負荷の抵抗値を調整する構成としてもよい。
また、本発明の第1アンプ装置は、上記第2可変負荷が、第2スイッチと、この第2スイッチに直列に接続された第2固定負荷とを備えており、上記制御部は、第2スイッチを開閉することで、第2可変負荷の抵抗値を調整する構成としてもよい。
また、本発明の第1アンプ装置は、上記逆相アンプと負端子との間に、主固定負荷と直列に第3固定負荷が備えられており、さらに、この第3固定負荷と並列に、第3スイッチが備えられており、上記制御部は、第3スイッチを開閉することで、逆相アンプと負端子との間の抵抗値を調整する構成としてもよい。
また、本発明の第1アンプ装置は、上記両増幅回路が、逆相アンプと負端子との間に配された第1可変負荷を備えており、上記制御部は、各増幅回路の第1可変負荷の抵抗値を、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値に近づけるように調整する構成としてもよい。
また、本発明の第1アンプ装置は、上記両増幅回路が、正端子と負端子との間を接続する第2可変負荷を備えており、上記制御部は、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値を逆相アンプと負端子との間の抵抗値に近づけるように、その増幅回路の第2可変負荷の抵抗値を調整した後、他方の増幅回路における第2可変負荷の抵抗値を、上記した一方の増幅回路における第2可変負荷の抵抗値と等しくする構成としてもよい。
本発明の第2アンプ装置は、上記の課題を解決するために、接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対し、正相および逆相の信号をそれぞれ出力するアンプ装置において、正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子とを備えた、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有しており、さらに、外部機器によって両増幅回路の正端子間が接続されたときに、両増幅回路における正端子の電圧値を0に近づける制御部を備えていることを特徴としている。
また、本発明の第2アンプ装置は、上記両増幅回路が、正相アンプと正端子との間に配された第1可変負荷を備えており、上記制御部は、各増幅回路の第1可変負荷の抵抗値を、各増幅回路の正端子と負端子との間の抵抗値に近づけるように調整することで、両増幅回路における正端子の電圧値を0に近づける構成としてもよい。
また、本発明の第2アンプ装置は、上記両増幅回路が、正端子と負端子との間を接続する第2可変負荷と、正相アンプと正端子とを接続する主固定負荷を備えており、上記制御部は、各増幅回路の正端子と負端子との間の抵抗値を、正相アンプと正端子との間の抵抗値に近づけるように、第2可変負荷の抵抗値を調整することで、両増幅回路における正端子の電圧値を0に近づける構成としてもよい。
また、本発明の第2アンプ装置は、各増幅回路の正端子と負端子との間の電位差を検出する第1検出部を備えており、上記制御部は、各増幅回路における第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を、第1検出部の検出した電位差と負端子に出力されている信号の電圧値とを近づけるように調整する構成としてもよい。
また、本発明の第2アンプ装置は、上記制御部は、各増幅回路における第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を、第2検出部の検出結果を0に近づけるように調整する構成としてもよい。
また、本発明の第2アンプ装置は、上記の第1可変負荷が、抵抗値の異なる複数の負荷を備えており、上記制御部は、正相アンプと正端子との間に配する負荷を選択することで、第1可変負荷の抵抗値を調整する構成としてもよい。
また、本発明の第2アンプ装置は、上記の第2可変負荷が、抵抗値の異なる複数の負荷を備えており、上記制御部は、正端子と負端子との間に配する負荷を選択することで、第2可変負荷の抵抗値を調整する構成としてもよい。
また、本発明の第2アンプ装置は、上記第1あるいは第2可変負荷が、連続的に抵抗値の変化するものであってもよい。
また、本発明の第2アンプ装置は、上記第1可変負荷が、第1スイッチと、この第1スイッチに並列に接続された第1固定負荷とを備えており、上記制御部は、第1スイッチを開閉することで、第1可変負荷の抵抗値を調整する構成としてもよい。
また、本発明の第2アンプ装置は、上記第2可変負荷が、第2スイッチと、この第2スイッチに直列に接続された第2固定負荷とを備えており、上記制御部は、第2スイッチを開閉することで、第2可変負荷の抵抗値を調整する構成としてもよい。
また、本発明の第2アンプ装置は、上記正相アンプと正端子との間に、主固定負荷と直列に第3固定負荷が備えられており、さらに、この第3固定負荷と並列に、第3スイッチが備えられており、上記制御部は、第3スイッチを開閉することで、正相アンプと正端子との間の抵抗値を調整する構成としてもよい。
また、本発明の第2アンプ装置は、上記両増幅回路が、正相アンプと正端子との間に配された第1可変負荷を備えており、上記制御部は、各増幅回路の第1可変負荷の抵抗値を、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値に近づけるように調整する構成としてもよい。
また、本発明の第2アンプ装置は、上記両増幅回路が、正端子と負端子との間を接続する第2可変負荷を備えており、上記制御部は、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値を正相アンプと正端子との間の抵抗値に近づけるように、その増幅回路の第2可変負荷の抵抗値を調整した後、他方の増幅回路における第2可変負荷の抵抗値を、上記した一方の増幅回路における第2可変負荷の抵抗値と等しくする構成としてもよい。
また、本発明の第1アンプ装置および第2アンプ装置は、音響機器(オーディオ装置)に備えられるものであってもよい。例えば、本発明の第1アンプ装置および第2アンプ装置は、ステレオ装置(立体音響再生増幅装置)であれば、テレビジョン受像機,ビデオテープ再生機(ビデオデッキ),CD(compact disc)プレーヤー(CD再生機),MD(mini disc)プレーヤー(MD再生機),DVD(digital versatile disc)プレーヤー(DVD再生機),コンポーネントステレオ,携帯型ステレオ装置(CDラジオカセットデッキ等)などに備えることができる。
本発明の第1信号出力方法は、上記の課題を解決するために、正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子とを備えた、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有するアンプ装置によって、このアンプ装置に接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対して、正相および逆相の信号をそれぞれ出力する信号出力方法において、外部機器によって両増幅回路の負端子間が接続されたか否かを検出する検出工程と、負端子間が接続された場合に、両増幅回路における負端子の電圧値を0に近づける電圧値調整工程とを含むことを特徴としている。
本発明の第2信号出力方法は、上記の課題を解決するために、正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子とを備えた、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有するアンプ装置によって、このアンプ装置に接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対して、正相および逆相の信号をそれぞれ出力する信号出力方法において、外部機器によって両増幅回路の正端子間が接続されたか否かを検出する検出工程と、正端子間が接続された場合に、両増幅回路における正端子の電圧値を0に近づける電圧値調整工程とを含むことを特徴としている。
以上のように、本発明のアンプ装置(第1アンプ装置)は、接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対し、正相および逆相の信号をそれぞれ出力するアンプ装置において、正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子とを備えた、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有しており、さらに、外部機器によって両増幅回路の負端子間が接続されたときに、両増幅回路における負端子の電圧値を0に近づける制御部を備えている構成である。
第1アンプ装置では、左右チャネルの(両増幅回路の)負端子間が互いに接続(短絡)された場合、制御部が、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路の双方の負端子の電圧値を、0に近づけるように設定されている。
これにより、第1アンプ装置では、接続された負端子間での信号伝達、すなわち、左右のチャネル間での信号伝達が、低減される。従って、3端子型ヘッドホンのような外部機器を適用した場合でも、クロストークを抑制することが可能となる。
また、音響機器(オーディオ装置)に第1アンプ装置を備えることで、4端子型外部機器(4端子型ヘッドホン、平衡入力アンプなど)および3端子型外部機器(3端子型ヘッドホン、不平衡入力アンプなど)を良好に使用できる音響機器を実現できる。
また、第1アンプ装置では、制御部が、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路の双方の負端子の電圧値を、0とすることがより好ましい。これにより、第1アンプ装置では、接続された負端子間での信号伝達、すなわち、左右のチャネル間での信号伝達が、実質的に行われない。従って、3端子型ヘッドホンのような外部機器を適用した場合でも、クロストークを回避することが可能となる。
また、第1アンプ装置では、左右チャネルの増幅回路における逆相アンプと負端子との間に、第1可変負荷を配することが好ましい。
そして、この構成では、左右チャネルの負端子間が接続されたときに、制御部は、各増幅回路の第1可変負荷の抵抗値を、各増幅回路の正端子と負端子との間の抵抗値に近づけるように調整することが好ましい。
ここで、増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値は、第1アンプ装置に接続される外部機器の抵抗値である。
この構成では、負端子の電圧値は、第1可変負荷を経た逆相アンプからの信号振幅と、外部機器を経た正相アンプからの信号振幅との和となる。
従って、両増幅回路のそれぞれに関し、第1可変負荷の抵抗値を外部機器の抵抗値に近づけることで、振幅の絶対値の差が小さく符号の異なる2つの信号を負端子に供給できる。このため、負端子の電圧値を容易に0に近づけることができる。
また、この構成では、左右チャネルの負端子間が接続されたときに、制御部が、各増幅回路の第1可変負荷の抵抗値を、各増幅回路の正端子と負端子との間の抵抗値と等しい値に調整することがより好ましい。
これにより、振幅の絶対値が等しく符号の異なる2つの信号を負端子に供給できる。このため、負端子の電圧値を容易に0とできる。
また、第1アンプ装置が、左右チャネルの増幅回路における正端子と負端子との間を接続する第2可変負荷と、逆相アンプと負端子とを接続する主固定負荷を備えた構成としてもよい。
そして、この構成では、外部機器によって左右チャネルの負端子間が接続されたときに、制御部が、各増幅回路の正端子と負端子との間の抵抗値を、逆相アンプと負端子との間の抵抗値に近づけるように、第2可変負荷の抵抗値を調整することが好ましい。
この場合、増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値は、第2可変負荷の抵抗値と第1アンプ装置に接続される外部機器の抵抗値との並列合成抵抗値である。
また、この構成では、負端子の電圧値は、逆相アンプから主固定負荷を経て負端子に入力された信号振幅と、外部機器および第2可変負荷を経た正相アンプからの信号振幅との和となる。
従って、両増幅回路のそれぞれに関し、上記の合成抵抗値を、逆相アンプと負端子との間の抵抗値に近づけることで、振幅の絶対値の差が小さく符号の異なる2つの信号を負端子に供給できる。これにより、負端子の電圧値を容易に0に近づけることができる。
なお、両増幅回路の正端子と負端子との間に備えられる第2可変負荷は、回路を実質的に遮断できるものであってもよい。
また、このような第1あるいは第2可変負荷を用いる場合、第1アンプ装置に、各増幅回路の正端子と負端子との間の電位差を検出する第1検出部を備えることが好ましい。
そして、この場合には、制御部は、各増幅回路における第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を、第1検出部の検出した電位差と、正端子に出力されている信号の電圧値とを近づけるように、調整することが好ましい(これらの電位差と電圧値とが近づけば、負端子の電圧値は必ず0に近づく)。
これにより、可変負荷の適切な抵抗値を容易に決定できる。
なお、正端子に出力されている信号の電圧値、とは、正端子の電位を測定した結果であっても、また、正相アンプから出力されていると考えられる信号の振幅(正相アンプへの入力信号の振幅値と、このアンプのゲインとの積)であってもよい。
また、上記のような制御部による電圧値の比較の際、第1アンプ装置において増幅する信号は、通常の信号(音声信号など)であっても、また、比較に適切な専用の信号であってもよい。
また、この場合、制御部は、第1検出部の検出した電位差と、正端子に出力されている信号の電圧値とを等しくするように、各増幅回路の第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を調整することがより好ましい(これらの電位差と電圧値とが等しいときには、負端子の電圧値は必ず0である)。
これにより、第1あるいは第2可変負荷の適切な抵抗値を容易に決定できる。
また、第1あるいは第2可変負荷を用いる場合、両増幅回路の負端子と接地点との電位差を測定する第2検出部を備えるようにしてもよい。
この場合、制御部は、第2検出部の検出結果を0に近づけるように、各増幅回路における第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を調整することが好ましい。
この構成でも、可変負荷の適切な抵抗値を容易に取得できる。
また、可変負荷における抵抗値の決定を、増幅後の信号に対する測定結果に応じて行うため、環境変化(温度変化)などによって正相アンプおよび逆相アンプのゲインが変化してしまっても、負端子の電位を確実に0に近づけることができる。
また、この場合も、制御部は、第2検出部の検出結果を0とするように、各増幅回路の第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を調整することがより好ましい。これにより、負端子の電位を確実に0とできる。
また、上記のような第1可変負荷としては、例えば、抵抗値の異なる複数の負荷を備えているものを利用できる。このような第1可変負荷は、いずれかの負荷を、逆相アンプと負端子との間に配するものである。
この場合、制御部は、逆相アンプと負端子との間に配する負荷を選択することで、第1可変負荷の抵抗値を調整することとなる。
また、上記のような第2可変負荷としては、抵抗値の異なる複数の負荷を備えているものを利用できる。このような第2可変負荷は、いずれかの負荷を、正端子と負端子との間に配するものである。
この場合、制御部は、正端子と負端子との間に配する負荷を選択することで、第2可変負荷の抵抗値を調整することとなる。
また、第1あるいは第2可変負荷として、連続的に抵抗値の変化するものを用いてもよい。
また、上記の第1可変負荷が、第1スイッチと、この第1スイッチに並列に接続された第1固定負荷であってもよい。
この場合、制御部が、第1スイッチを開閉することで、第1可変負荷の抵抗値を調整することとなる。すなわち、制御部は、第1スイッチを開くことにより、第1可変負荷の抵抗値を第1固定負荷の抵抗値とし、第1スイッチを閉じることで、第1可変負荷の抵抗値を0とする。
そして、この場合には、第1固定負荷の抵抗値を、接続される外部機器の抵抗値と等しく設定しておくことがより好ましい。(第1固定負荷の抵抗値と、接続される外部機器の抵抗値とが等しい場合、負端子の電圧値を0とできる)。したがって、この構成は、接続される外部機器の抵抗値がわかっている場合に有効である。
また、上記の第2可変負荷が、第2スイッチと、この第2スイッチに直列に接続された第2固定負荷であってもよい。
この場合、制御部が、第2スイッチを開閉することで、第2可変負荷の抵抗値を調整することとなる。すなわち、制御部は、第2スイッチを閉じることにより、正端子と負端子の間の抵抗値を第2固定負荷と外部機器の抵抗値との並列合成抵抗値とし、第2スイッチを開くことにより、正端子と負端子の間の抵抗値を外部機器の抵抗値とする。
そして、この場合には、第2固定負荷の抵抗値を、この第2固定負荷と外部機器との並列合成抵抗値が、逆相アンプと負端子の間の抵抗値と等しくなるように設定しておくことがより好ましい。(上記の合成抵抗値と逆相アンプと負端子の間の抵抗値とが等しい場合、負端子の電圧値を0とできる)。したがって、この構成は、接続される外部機器の抵抗値がわかっている場合に有効である。
また、上記の第2可変負荷が、第2スイッチと、この第2スイッチに直列に接続された第2固定負荷で構成され、逆相アンプと負端子との間に、主固定負荷と直列に第3固定負荷が備えられており、さらに、この第3固定負荷と並列に、第3スイッチを備えられる構成としてもよい。
この場合、制御部が、第2スイッチを開閉することにより正端子と負端子との間の抵抗値を調整するとともに、第3スイッチを開閉することで逆相アンプと負端子との間の抵抗値を調整することができる。したがって、より精度の高い調整が可能となる。
そして、この場合にも、第2固定負荷の抵抗値を、この第2固定負荷と外部機器との並列合成抵抗値が、逆相アンプと負端子の間の抵抗値と等しくなるように設定しておくことがより好ましい。(上記の合成抵抗値と逆相アンプと負端子の間の抵抗値とが等しい場合、負端子の電圧値を0とできる)。したがって、この構成もまた、接続される外部機器の抵抗値がわかっている場合に有効である。
また、第1アンプ装置では、各増幅回路における逆相アンプと負端子との間に第1可変負荷を配する場合、制御部が、各増幅回路の第1可変負荷の抵抗値を、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値に近づけるように調整するようにしてもよい。
あるいは、各増幅回路における正端子と負端子との間に第2可変負荷を配する場合、制御部が、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値を、逆相アンプと負端子との間の抵抗値とを近づけるように、その増幅回路の第2可変負荷の抵抗値を調整した後、他方の増幅回路における第2可変負荷の抵抗値を、上記した一方の増幅回路における第2可変負荷の抵抗値を等しくするようにしてもよい。
これらの構成では、制御部が、各増幅回路の第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値(この間に第2可変負荷を備える場合には、上記した合成抵抗値)と、各増幅回路の逆相アンプと負端子との間の抵抗値とを近づけるように調整することとなる。
従って、この構成は、外部機器の抵抗値が、左右のチャネルにおいて互いにほぼ同一である場合に有効である。
また、この構成では、一方のチャネルにおける外部機器の抵抗値を考慮する必要がないので、第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を簡単に設定できる。
また、この構成でも、制御部が、各増幅回路の第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値と、各増幅回路の逆相アンプと負端子との間の抵抗値とを等しくするように調整することがより好ましい。
また、本発明の第1信号出力方法は、正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子とを備えた、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有するアンプ装置によって、このアンプ装置に接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対して、正相および逆相の信号をそれぞれ出力する信号出力方法において、外部機器によって両増幅回路の負端子間が接続されたか否かを検出する検出工程と、負端子間が接続された場合に、両増幅回路における負端子の電圧値を0に近づける電圧値調整工程とを含む方法である。
第1出力方法は、上記した第1アンプ装置において使用されている方法である。従って、第1出力方法を用いれば、接続された負端子間での信号伝達、すなわち、左右のチャネル間での信号伝達が、低減される。従って、3端子型外部機器(ヘッドホンなど)のような外部機器を適用した場合でも、クロストークを抑制することが可能となる。
また、第1信号出力方法の電圧値調整工程では、両増幅回路における負端子の電圧値を0とすることがより好ましい。これにより、左右のチャネル間での信号伝達が、実質的に行われない。従って、3端子型ヘッドホンのような外部機器を適用した場合でも、クロストークを回避することが可能となる。
また、本発明の第2アンプ装置は、接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対し、正相および逆相の信号をそれぞれ出力するアンプ装置において、正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子とを備えた、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有しており、さらに、外部機器によって両増幅回路の正端子間が接続されたときに、両増幅回路における正端子の電圧値を0に近づける制御部を備えた構成である。
この第2アンプ装置は、第1アンプ装置の構成に比して、制御部の機能が異なるものである。
すなわち、適用される外部機器によっては、アンプ装置における左右チャネルの(両増幅回路の)正端子間が互いに接続(短絡)される可能性もある。
そして、第2アンプ装置は、このような、正端子間を接続するような外部機器に対しても、クロストークを回避できるような出力を行うためのものである。
つまり、第2アンプ装置の制御部は、3端子型ヘッドホンのような外部機器によって、左右チャネルの(両増幅回路の)正端子間が互いに接続(短絡)された場合、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路における双方の正端子の電圧値を、0に近づけるように設定されている。
これにより、第2アンプ装置では、接続された正端子間での信号伝達、すなわち、左右のチャネル間での信号伝達が、低減される従って、上記のような場合でも、クロストークを抑制できる。
また、音響機器(オーディオ装置)に第2アンプ装置を備えることで、4端子型外部機器(4端子型ヘッドホン、平衡入力アンプなど)および3端子型外部機器(3端子型ヘッドホン、不平衡入力アンプなど)を良好に使用できる音響機器を実現できる。
また、第2アンプ装置では、制御部が、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路の双方の正端子の電圧値を、0とすることがより好ましい。これにより、第2アンプ装置では、接続された正端子間での信号伝達、すなわち、左右のチャネル間での信号伝達が、実質的に行われない。従って、3端子型ヘッドホンのような外部機器を適用した場合でも、クロストークを回避することが可能となる。
また、第2アンプ装置では、左右チャネルの増幅回路における正相アンプと正端子との間に、第1可変負荷を配することが好ましい。
そして、この構成では、左右チャネルの正端子間が接続されたときに、制御部は、各増幅回路の第1可変負荷の抵抗値を、各増幅回路の正端子と負端子との間の抵抗値に近づけるように調整することが好ましい。
ここで、増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値は、第2アンプ装置に接続される外部機器の抵抗値である。
この構成では、正端子の電圧値は、第1可変負荷を経た正相アンプからの信号振幅と、外部機器を経た逆相アンプからの信号振幅との和となる。
従って、両増幅回路のそれぞれに関し、第1可変負荷の抵抗値を外部機器の抵抗値に近づけることで、振幅の絶対値の差が小さく符号の異なる2つの信号を正端子に供給できる。このため、正端子の電圧値を容易に0に近づけることができる。
また、この構成では、左右チャネルの正端子間が接続されたときに、制御部が、各増幅回路の可変負荷の抵抗値を、各増幅回路の正端子と負端子との間の抵抗値と等しい値に調整することがより好ましい。
これにより、振幅の絶対値が等しく符号の異なる2つの信号を正端子に供給できる。このため、正端子の電圧値を容易に0とできる。
また、第2アンプ装置は、左右チャネルの増幅回路における正端子と負端子との間を接続する第2可変負荷と、正相アンプと正端子とを接続する主固定負荷を備えた構成としてもよい。
そして、この構成では、外部機器によって左右チャネルの正端子間が接続されたときに、制御部は、各増幅回路の正端子と負端子との間の抵抗値を、正相アンプと正端子との間の抵抗値に近づけるように、第2可変負荷の抵抗値を調整することが好ましい。
この場合、増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値は、第2可変負荷の抵抗値と第2アンプ装置に接続される外部機器の抵抗値との並列合成抵抗値である。
また、この構成では、正端子の電圧値は、正相アンプから主固定負荷を経て正端子に入力された信号振幅と、外部機器および第2可変負荷を経た逆相アンプからの信号振幅との和となる。
従って、両増幅回路のそれぞれに関し、上記の合成抵抗値を、正相アンプと正端子との間の抵抗値に近づけることで、振幅の絶対値の差が小さく符号の異なる2つの信号を正端子に供給できる。これにより、正端子の電圧値を容易に0に近づけることができる。
なお、両増幅回路の正端子と負端子との間に備えられる第2可変負荷は、回路を実質的に遮断できるものであってもよい。
また、このような第1あるいは第2可変負荷を用いる場合、第2アンプ装置に、各増幅回路の正端子と負端子との間の電位差を検出する第1検出部を備えることが好ましい。
そして、この場合には、制御部は、各増幅回路における第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を、第1検出部の検出した電位差と、負端子に出力されている信号の電圧値とを近づけるように、調整することが好ましい(これらの電位差と電圧値とが近づけば、正端子の電圧値は必ず0に近づく)。
これにより、可変負荷の適切な抵抗値を容易に決定できる。
なお、負端子に出力されている信号の電圧値、とは、負端子の電位を測定した結果であっても、また、逆相アンプから出力されていると考えられる信号の振幅(逆相アンプへの入力信号の振幅値と、このアンプのゲインとの積)であってもよい。
また、上記のような制御部による電圧値の比較の際、第2アンプ装置において増幅する信号は、通常の信号(音声信号など)であっても、また、比較に適切な専用の信号であってもよい。
また、この場合、制御部は、第1検出部の検出した電位差と、負端子に出力されている信号の電圧値とを等しくするように、各増幅回路の第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を調整することがより好ましい(これらの電位差と電圧値とが等しいときには、正端子の電圧値は必ず0である)。
これにより、第1あるいは第2可変負荷の適切な抵抗値を容易に決定できる。
また、第1あるいは第2可変負荷を用いる場合、両増幅回路の正端子と接地点との電位差を測定する第2検出部を備えるようにしてもよい。
この場合、制御部は、第2検出部の検出結果を0に近づけるように、各増幅回路における第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を調整することが好ましい。
この構成でも、可変負荷の適切な抵抗値を容易に取得できる。
また、可変負荷における抵抗値の決定を、増幅後の信号に対する測定結果に応じて行うため、環境変化(温度変化)などによって正相アンプおよび逆相アンプのゲインが変化してしまっても、正端子の電位を確実に0に近づけることができる。
また、この場合も、制御部は、第2検出部の検出結果を0とするように、各増幅回路の第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を調整することがより好ましい。これにより、正端子の電位を確実に0とできる。
また、上記のような第1可変負荷としては、例えば、抵抗値の異なる複数の負荷を備えているものを利用できる。このような第1可変負荷は、いずれかの負荷を、正相アンプと正端子との間に配するものである。
この場合、制御部は、正相アンプと正端子との間に配する負荷を選択することで、第1可変負荷の抵抗値を調整することとなる。
また、上記のような第2可変負荷としては、抵抗値の異なる複数の負荷を備えているものを利用できる。このような第2可変負荷は、いずれかの負荷を、正端子と負端子との間に配するものである。
この場合、制御部は、正端子と負端子との間に配する負荷を選択することで、第2可変負荷の抵抗値を調整することとなる。
また、第1あるいは第2可変負荷として、連続的に抵抗値の変化するものを用いてもよい。
また、上記の第1可変負荷は、第1スイッチと、この第1スイッチに並列に接続された第1固定負荷であってもよい。
この場合、制御部は、第1スイッチを開閉することで、第1可変負荷の抵抗値を調整することとなる。すなわち、制御部は、第1スイッチを開くことにより、第1可変負荷の抵抗値を第1固定負荷の抵抗値とし、第1スイッチを閉じることで、第1可変負荷の抵抗値を0とする。
そして、この場合には、第1固定負荷の抵抗値を、接続される外部機器の抵抗値と等しく設定しておくことがより好ましい。(第1固定負荷の抵抗値と、接続される外部機器の抵抗値とが等しい場合、正端子の電圧値を0とできる)。したがって、この構成は、接続される外部機器の抵抗値がわかっている場合に有効である。
また、上記の第2可変負荷は、第2スイッチと、この第2スイッチに直列に接続された第2固定負荷であってもよい。
この場合、制御部は、第2スイッチを開閉することで、第2可変負荷の抵抗値を調整することとなる。すなわち、制御部は、第2スイッチを閉じることにより、正端子と負端子の間の抵抗値を第2固定負荷と外部機器の抵抗値との並列合成抵抗値とし、第2スイッチを開くことにより、正端子と負端子の間の抵抗値を外部機器の抵抗値とする。
そして、この場合には、第2固定負荷の抵抗値を、この第2固定負荷と外部機器との並列合成抵抗値が、正相アンプと正端子の間の抵抗値と等しくなるように設定しておくことがより好ましい。(上記の合成抵抗値と正相アンプと正端子の間の抵抗値とが等しい場合、正端子の電圧値を0とできる)。したがって、この構成は、接続される外部機器の抵抗値がわかっている場合に有効である。
また、上記の第2可変負荷が、第2スイッチと、この第2スイッチに直列に接続された第2固定負荷で構成され、正相アンプと正端子との間に、主固定負荷と直列に第3固定負荷が備えられており、さらに、この第3固定負荷と並列に、第3スイッチを備えられる構成としてもよい。
この場合、制御部は、第2スイッチを開閉することにより正端子と負端子との間の抵抗値を調整するとともに、第3スイッチを開閉することで正相アンプと正端子との間の抵抗値を調整することができる。したがって、より精度の高い調整が可能となる。
そして、この場合にも、第2固定負荷の抵抗値を、この第2固定負荷と外部機器との並列合成抵抗値が、正相アンプと正端子の間の抵抗値と等しくなるように設定しておくことがより好ましい。(上記の合成抵抗値と正相アンプと正端子の間の抵抗値とが等しい場合、正端子の電圧値を0とできる)。したがって、この構成もまた、接続される外部機器の抵抗値がわかっている場合に有効である。
また、第2アンプ装置では、各増幅回路における正相アンプと正端子との間に第1可変負荷を配する場合、制御部が、各増幅回路の第1可変負荷の抵抗値を、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値に近づけるように調整するようにしてもよい。
あるいは、各増幅回路における正端子と負端子との間に第2可変負荷を配する場合、制御部が、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値を、正相アンプと正端子との間の抵抗値とを近づけるように、その増幅回路の第2可変負荷の抵抗値を調整した後、他方の増幅回路における第2可変負荷の抵抗値を、上記した一方の増幅回路における第2可変負荷の抵抗値を等しくするようにしてもよい。
これらの構成では、制御部が、各増幅回路の第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値(この間に第2可変負荷を備える場合には、上記した合成抵抗値)と、各増幅回路の正相アンプと正端子との間の抵抗値とを近づけるように調整することとなる。
従って、この構成は、外部機器の抵抗値が、左右のチャネルにおいて互いにほぼ同一である場合に有効である。
また、この構成では、一方のチャネルにおける外部機器の抵抗値を考慮する必要がないので、第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を簡単に設定できる。
また、この構成でも、制御部が、各増幅回路の第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値と、各増幅回路の正相アンプと正端子との間の抵抗値とを等しくするように調整することがより好ましい。
また、第1アンプ装置および第2アンプ装置は、音響機器(オーディオ装置)に備えられるものであってもよい。
音響装置に第1アンプ装置または第2アンプ装置を備えることで、4端子型外部機器(4端子型ヘッドホン、平衡入力アンプなど)および3端子型外部機器(3端子型ヘッドホン、不平衡入力アンプなど)を良好に使用できる音響機器を実現できる。なお、このような音響装置としては、ステレオ装置(立体音響再生増幅装置)であれば、テレビジョン受像機,ビデオテープ再生機(ビデオデッキ),CD(compact disc)プレーヤー(CD再生機),MD(mini disc)プレーヤー(MD再生機),DVD(digital versatile disc)プレーヤー(DVD再生機),コンポーネントステレオ,携帯型ステレオ装置(CDラジオカセットデッキ等)など、どのような機器であってもよい。
また、本発明の第2信号出力方法は、正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子とを備えた、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有するアンプ装置によって、このアンプ装置に接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対して、正相および逆相の信号をそれぞれ出力する信号出力方法において、外部機器によって両増幅回路の正端子間が接続されたか否かを検出する検出工程と、正端子間が接続された場合に、両増幅回路における正端子の電圧値を0に近づける電圧値調整工程とを含む方法である。
第2出力方法は、上記した第2アンプ装置において使用されている方法である。従って、第2出力方法を用いれば、接続された正端子間での信号伝達、すなわち、左右のチャネル間での信号伝達が、低減される。従って、3端子型ヘッドホンのような外部機器を適用した場合でも、クロストークを抑制することが可能となる。
また、第2信号出力方法の電圧値調整工程では、両増幅回路における正端子の電圧値を0とすることがより好ましい。これにより、左右のチャネル間での信号伝達が、実質的に行われない。従って、3端子型ヘッドホンのような外部機器を適用した場合でも、クロストークを回避することが可能となる。
本発明の一実施の形態について説明する。
本実施の形態にかかるアンプ装置(本アンプ装置)は、音響機器に備えられる、ステレオヘッドホン用の平衡出力型アンプ装置である。なお、平衡出力型のアンプ装置とは、左右のチャネルに、正相信号と逆相信号との双方を出力するタイプのアンプ装置のことである。
また、本アンプ装置は、左右のチャネルのそれぞれにおいて、2つのアンプをブリッジ接続して1つの信号を出力するBTL(Bridged Transless)増幅回路となっている。
そして、本アンプ装置は、基本的には4端子型ヘッドホンのための装置であるが、3端子型ヘッドホンに対しても、信号出力を良好に行える装置である。
図1は、本アンプ装置の構成を示すブロック図である。
この図に示すように、本アンプ装置は、左チャネル増幅回路11,右チャネル増幅回路12,AD変換器13,制御器14を備えている。
左チャネル増幅回路11は、外部から入力される左チャネル用の信号(オーディオ信号)を増幅し、ステレオヘッドホン(図示せず)の左チャネルに出力するものである。
同様に、右チャネル増幅回路12は、外部から入力される右チャネル用の信号を増幅し、ヘッドホンの右チャネルに出力するものである。
そして、これら2つの増幅回路11・12は、それぞれ、入力セレクタ21,正相アンプ(演算増幅器)22,逆相アンプ(演算増幅器)23,可変負荷(第1可変負荷)24および負荷セレクタ25を備えている。
なお、図1におけるR1(R2)は、本アンプ装置に接続されたヘッドホンにおける、左(右)チャネルのボイスコイル(ボイス・コイル)の抵抗である。
本アンプ装置の増幅回路11・12における入力セレクタ21は、外部入力される、後述する2種類の信号の1つを選択し、アンプ22・23に出力するものである。
この入力セレクタ21には、左チャネルあるいは右チャネル用の通常の音声信号(通常信号;ヘッドホンにおいて再生するための信号)と、後述する負荷調整信号とが入力される。
そして、入力セレクタ21は、後述する制御器14からの指示(セレクト信号による指示)により、アンプ22・23に出力する信号を選択するようになっている。
正相アンプ22は、入力セレクタ21から出力された信号を所定のゲインで非反転増幅し、正相信号を生成するものである。
また、逆相アンプ23は、同じく入力セレクタ21から出力された信号を、正相アンプ22と等しいゲインで反転増幅し、逆相信号を生成するものである。
また、左チャネル増幅回路11には、左正端子(左チャンネル正相出力端子)Gおよび左負端子(左チャンネル逆相出力端子)Hが備えられている。同様に、右チャネル増幅回路12には、右正端子(右チャンネル正相出力端子)Iおよび右負端子(右チャンネル逆相出力端子)Jが備えられている。
そして、左正端子Gおよび右正端子Iは、各増幅回路11・12の正相アンプ22から出力される正相信号を出力するための端子である。
また、左負端子Hおよび右負端子Jは、各増幅回路11・12の逆相アンプ23から出力される逆相信号を出力するための端子である(逆相信号は、制御器14の制御により、可変負荷24によって振幅(電圧)を調整されることがあるが、これについては後述する)。
これら端子G〜Jは、ヘッドホンのプラグを挿入するジャック内で、奥側からG,I,H,Jの順に並んで配置されている。
従って、本アンプ装置に対し、図6に示すようなプラグを有する4端子型ヘッドホンを適用する場合、これら端子G,I,H,Jが、プラグの端子L+,R+,L−,R−に接続される。
また、図5に示すようなプラグを有する3端子型ヘッドホンを適用する場合、正端子G・Iがプラグの端子L+・R+に接続される一方、負端子H・Jが、プラグの接地端子Eに共通に接続されることとなる。
また、増幅回路11・12における可変負荷24は、自身の抵抗値R24を複数種類(n種類)の値r1〜rnに切り替えられる可変抵抗であり、逆相アンプ23と左負端子H(および右負端子J)との間に配置されている。
負荷セレクタ25は、制御器14の指示により、可変負荷24の抵抗値R24を設定(選択)するものである。
AD変換器13(第1検出部,第2検出部)は、左正端子Gと左負端子Hとの間の電圧値(G−H電圧値)、あるいは、右正端子Iと右負端子Jとの間の電圧値(I−J電圧値)を測定し、測定値をデジタル値に変換するものである。
すなわち、AD変換器13は、左正端子Gと左負端子Hと(右正端子Iと右負端子Jと)の電位差を算出して、デジタル値に変換する機能を有している。
制御器(制御部)14は、本アンプ装置の全ての処理を制御する、本アンプ装置の中枢部である。
この制御器14は、本アンプ装置の図示しない制御盤に与えられるユーザーの指示に応じて、アンプ22・23のゲインを設定する。
さらに制御器14は、本アンプ装置に3端子型ヘッドホンが適用されたときに、クロストークを防止するために、負端子H・Jの電圧値を0に制御する機能を有している。
すなわち、制御器14は、ヘッドホンのプラグが本アンプ装置のジャックに挿入されたときに、そのヘッドホンが3端子であるのか、あるいは4端子であるのか、を検知する。
この検知は、負端子H・J間が接続されたか否かを検出することによって成される。具体的には、制御器14は、H−J間(あるいはG−I間)の抵抗値を測定し、0Ωであれば3端子と判断する一方、0Ωでない場合には4端子と判断する。
ここで、3端子のヘッドホンを本アンプ装置に適用した場合、本アンプ装置の負端子H・Jが、ヘッドホンの接地端子Eを介して接続される。
従って、一方のチャネルの負端子H(あるいはJ)の信号が、他方のチャネルの負端子J(あるいはH)に流れ込むことになり、クロストークが生じてしまう。
このため、本アンプ装置では、制御器14が、3端子型ヘッドホンの適用時に、負端子H・Jの電圧値を0に設定するようになっている。
そして、本アンプ装置では、負端子H・Jの電圧値を0に設定するために、可変負荷24の抵抗値R24を、ヘッドホンにおけるボイスコイルの抵抗R1・R2と同一の値とするようになっている。
すなわち、負端子H・Jには、ボイスコイルを経た正相信号と、可変負荷24を介した逆相信号とが入力される。従って、可変負荷24と抵抗R1・R2とを等しくすれば、振幅の等しい逆位相の2つの信号が負端子H・Jを入力できるため、負端子H・Jの電圧値を0とすることが可能となる。
次に、本アンプ装置のジャックにヘッドホンのプラグを挿入した際の、制御器14の制御による本アンプ装置の初期動作について説明する。
図2は、この動作の流れを示すフローチャートである。
この図に示すように、ヘッドホンのプラグが本アンプ装置のジャックに差し込まれた場合、制御器14は、ヘッドホンが3端子であるか、あるいは4端子であるかを判断する(S1)。
なお、この判断は、上記したように、負端子H・J間がヘッドホンによって接続されたか否かを判断することによって成される。
そして、4端子であると判断した場合、制御器14は、増幅回路11・12の入力セレクタ21を、アンプ22・23に通常信号を出力するよう設定する(S12)。その後、制御器14は、入力セレクタ21を制御して、可変負荷24の抵抗値R24を0(信号線と同様の値)に設定する。そして、アンプ22・23のゲインをユーザーの指示に応じた値に設定して(S13)、処理を終了する。
一方、3端子であると判断した場合、制御器14は、まず、アンプ22・23のゲインを1に設定する(S2)。
そして、増幅回路11・12の入力セレクタ21に対してセレクト信号を伝達し、アンプ22・23に負荷調整信号を出力するように指示する。
このセレクト信号を受け、入力セレクタ21は、アンプ22・23に負荷調整信号を出力する(S3)。
ここで、負荷調整信号は、左右両チャネルの信号が同一(周波数および振幅が同一)となっている音声信号であり、人の耳に聞こえない周波数(または振幅)を有する信号(可聴範囲から外れた周波数または振幅を有する信号)である。
また、制御器14は、この負荷調整信号の振幅値(デジタルの電圧値)を、内蔵しているメモリ(図示せず)に記憶している。
次に、制御器14は、AD変換器13を制御して、左チャネル増幅回路11のG−H電圧値を測定させ、そのデジタル値を生成させる(S4)。
その後、制御器14は、記憶している負荷調整信号の振幅値(基準値)と、AD変換器13によって生成されたG−H電圧値とを比較し、これらが互いに等しいか否かを調べる(S5)。
そして、G−H電圧値が基準値と異なると判断した場合、制御器14は、測定されたG−H電圧値を基準値と等しくできるような可変負荷24の値を算出する(S6)。
ここで、上記したように、G−H電圧値と基準値とが等しいということは、すなわち、左負端子Hの電位が0であることを意味する。そして、これらを等しくするような可変負荷24の抵抗値とは、ヘッドホンにおけるボイスコイルの抵抗R1と同一の値である。
その後、制御器14は、負荷セレクタ25を制御して、可変負荷24の抵抗値R24を、算出した抵抗値に切り替えさせ(S7)、S3に戻って、新たに測定されたG−H電圧値が基準値と等しいか否かを再度調べる(S4・S5)。
そして、G−H電圧値が基準値と等しいと判断した場合、制御器14は、AD変換器13を制御して、右チャネル増幅回路12のI−J電圧値を測定させ、そのデジタル値を生成させる(S8)。そして、S4〜S7と同様に、I−J電圧値のデジタル値が基準値と等しくなるように、可変負荷24の抵抗値R24を設定し(S9〜S11)、右負端子Jの電圧値を0とする。
そして、G−H電圧値,I−J電圧値の双方を基準値と等しくするような可変負荷24の抵抗値R24を設定した後、制御器14は、入力セレクタ21に対してセレクト信号を出力し、入力セレクタ21を、アンプ22・23に通常信号を出力するよう設定する(S12)。
その後、制御器14は、アンプ22・23のゲインを、ユーザーの指示に応じた値に設定して(S13)、処理を終了する。
図3(a)〜(f)は、G−H電圧値,I−J電圧値の双方を負荷調整信号の電圧値と等しくした場合(増幅回路11・12の可変負荷24の抵抗値R24を、ヘッドホンのボイスコイル抵抗値R1・R2と等しくした場合)における、本アンプ装置(増幅回路11・12)の各部位における信号波形の例を示すグラフである(増幅回路11・12への入力は通常信号)。
ここで、図3(a)は左正端子G、図3(b)は左負端子H、図3(c)は左チャネル増幅回路11における逆相アンプ23と可変負荷24との間での信号振幅である。
また、図3(d)は右正端子I、図3(e)は右負端子J,図3(f)は右チャネル増幅回路12における逆相アンプ23と可変負荷24との間での信号振幅である。
図3(b)(e)に示すように、本アンプ装置では、上記のようにG−H電圧値,I−J電圧値の双方を負荷調整信号と等しくすることにより、負端子H・Jの信号振幅を0とできるようになっている。
また、図4(a)〜(f)は、I−J電圧値を負荷調整信号の振幅値と等しくする一方、G−H電圧値を負荷調整信号の振幅値と異なる値とした場合(右チャネル増幅回路12の可変負荷24の抵抗値R24を抵抗値R2と等しくする一方、左チャネル増幅回路11の可変負荷24の抵抗値R24を抵抗値R1と異ならせた場合)における、増幅回路11・12の各部位における信号波形の例を示すグラフである。
図3(a)〜(f)と同様、これらの図4(a)〜(f)は、この順に、左正端子G、左負端子H,左チャネル増幅回路11における逆相アンプ23と可変負荷24との間,右正端子I、右負端子J,右チャネル増幅回路12における逆相アンプ23と可変負荷24との間での信号振幅である。
図4(b)に示すように、G−H電圧値と負荷調整信号とが異なる場合、左負端子Hに信号が残ってしまう。このため、本アンプ装置に3端子型ヘッドホンを用いた場合、残存信号が右負端子Jを介してヘッドホンの右チャネルに流れて、クロストークの原因となる。
以上のように、本アンプ装置では、左チャネル増幅回路11・右チャネル増幅回路12の負端子H・J間が互いに接続(短絡)された場合、制御器14が、負端子H・Jの電圧値を0とするように設定されている。
これにより、本アンプ装置では、接続された負端子H・J間での信号伝達、すなわち、左右のチャネル間での信号伝達が、実質的に行われない。従って、3端子型ヘッドホンを適用した場合でも、クロストークの発生を回避することが可能となっている。
また、本アンプ装置では、左右チャネルの増幅回路11・12における逆相アンプ23と負端子H・Jとの間に、可変負荷24を配している。
そして、左右チャネルの負端子H・J間が接続されたときに、制御器14が、各増幅回路11・12の可変負荷24の抵抗値R24を、ヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2と等しい値に調整するようになっている。
この構成では、負端子H・Jの電圧値は、可変負荷24を経た逆相アンプ23からの信号振幅と、ヘッドホンを経た正相アンプ22からの信号振幅との和となる。
従って、両増幅回路11・12のそれぞれに関し、可変負荷24の抵抗値R24をボイスコイルの抵抗値R1・R2と等しくすることで、振幅の絶対値が等しく符号の異なる2つの信号を負端子H・Jに供給できる。このため、負端子H・Jの電圧値を容易に0とできる。
本アンプ装置は、各増幅回路11・12の正端子G・Iと負端子H・Jとの間の電位差を検出するAD変換器13を備えている。
そして、3端子型ヘッドホンが適用された場合、制御器14が、AD変換器13の検出した電位差と、正端子G・Iに出力されていると考えられる信号の電圧値(負荷調整信号の振幅値)とを等しくするように、各増幅回路11・12の可変負荷24の抵抗値R24を調整するようになっている(これらの電位差と電圧値(振幅値)とが等しいときには、負端子H・Jの電圧値は必ず0である)。
これにより、可変負荷24の適切な抵抗値R24を容易に決定できる。
なお、本アンプ装置では、3端子型ヘッドホンが適用されたときに、クロストークを防止するために、負端子H・Jの電圧値を0に設定するとしている。ここで、『負端子H・Jの電圧値を0とする』とは、3端子型ヘッドホンの使用によって発生するクロストークをヘッドホンのユーザーに知覚できないほど小さくする(可聴範囲外にする)ような値に、負端子H・Jの電圧値を設定するということであるといえる。
以下の式は、音の周波数F(Hz)と、その最小可聴限Lmin(録音レベル(dB))との関係を示す式である。また、図9は、この関係を示すグラフである(周波数方向の軸は対数表示)。
Figure 2004266807
この最小可聴限の式に、可聴周波数範囲20〜20000Hzの周波数をあてはめると、最小可聴限Lminは、4000Hzで最小値(約−100dB)となる。すなわち、人に聞こえるもっとも小さい音は、−100dBの4000Hzの音であるということとなる。
すなわち、『負端子H・Jの電圧値を0とする』とは、負端子H・Jの電圧値を、アンプ22から出力される正相信号の電圧値の−100dB以下、すなわち、100/216%以下とすることであり、これにより、実質的に、クロストークをユーザーの可聴範囲外とすることが可能である。
また、同様に、『ヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2と、可変負荷24の抵抗値R24とを等しくする』とは、負端子H・Jの電圧値を正相信号の電圧値の−100dB(100/216%)以下とする程度に、抵抗値R1・R2と可変負荷24の抵抗値とを近づけることである。
また、本実施の形態では、負端子H・Jの電圧値を0とするために、逆相アンプ23と左負端子H(および右負端子J)との間に、可変負荷24(第1可変負荷)を配置するとしている。しかしながら、可変負荷24と同様の機能を有する可変負荷24a(第2可変負荷)を、正端子G・Iと負端子H・Jとの間に配するようにしてもよい。この場合、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間に可変負荷24の代わりに負荷(抵抗)ra(主固定負荷)を配することが好ましい。
図10は、このような構成の本アンプ装置を示す説明図である。
この図に示す本アンプ装置では、正端子G・Iと負端子H・Jとの間に可変負荷24aおよび負荷セレクタ25aを備えている。この構成では、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の抵抗値は、ヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2と、可変負荷24aの抵抗値R24aとの並列合成抵抗値R1×R24a/(R1+R24a)・R2×R24a/(R2+R24a)となる。
そして、左右チャネルの負端子H・J間が接続されたときに、制御器14が、上記の合成抵抗値R1×R24a/(R1+R24a)・R2×R24a/(R2+R24a)(正端子G・Iと負端子H・Iとの間の抵抗値)と、負荷raの抵抗値Ra(逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の抵抗値)とを等しい値にするように、各増幅回路11・12の可変負荷24aの抵抗値R24aを調整する。
この構成では、負端子H・Jの電圧値は、可変負荷24aとヘッドホンとを経た正相アンプ22からの信号振幅と、負荷raを経た逆相アンプ23からの信号振幅との和となる。
従って、両増幅回路11・12のそれぞれに関し、上記の合成抵抗値R1×R24a/(R1+R24a)・R2×R24a/(R2+R24a)を負荷raの抵抗値Raと等しくすることで、振幅の絶対値が等しく符号の異なる2つの信号を負端子H・Jに供給できる。このため、負端子H・Jの電圧値を容易に0とできる。
また、本アンプ装置では、負端子H・Jの電圧値を0とするために、可変負荷24あるいは可変負荷24aを用いるとしている。しかしながら、接続されるヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2がわかっている場合には、このような可変負荷を用いる必要はない。
図11は、可変負荷を用いない構成の本アンプ装置を示す説明図である。
この図に示す本アンプ装置は、図10に示した構成において、可変負荷24aに代えて、スイッチSW2(第2スイッチ)および負荷(抵抗)rb(第2固定負荷)を直列に備え、さらに、負荷raと負端子H・Jとの間にスイッチSW1(第1スイッチ)および負荷(抵抗)rc(第1固定負荷)を並列に配した構成である。なお、スイッチSW1および負荷rcは、逆相アンプ23と負荷raとの間に並列に配してもよい。
この図に示す本アンプ装置では、スイッチSW2が閉じている場合、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の抵抗値は、ヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2と、負荷rbの抵抗値Rbとの並列合成抵抗値R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb)となる。また、スイッチSW1が開いている場合、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の抵抗値は、負荷raの抵抗値Raと負荷rcの抵抗値Rcとを加算した値Ra+Rcとなる。
また、この図に示す本アンプ装置では、両増幅回路11・12に備えられる各負荷(ra,rb,rc)は、既知のヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2および負荷rbの並列合成抵抗値R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb)が、負荷raの抵抗値Raおよび負荷rcの抵抗値Rcを加算した値Ra+Rcと等しくなるように備えられている。
そして、この図に示す本アンプ装置では、左右チャネルの負端子H・J間が接続されたときに、制御器14が、スイッチSW2を閉じ、スイッチSW2を開くようになっている。これにより、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の抵抗値(上記の合成抵抗値R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb))と、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の抵抗値(Ra+Rc)とが等しくなる。
また、この構成では、負端子H・Jの電圧値は、ヘッドホンと負荷rbとを経た正相アンプ22からの信号振幅と、負荷raと負荷rcとを経た逆相アンプ23からの信号振幅との和となる。
従って、両増幅回路11・12のそれぞれに関し、スイッチSW2を閉じ、スイッチSW1を開くことで、振幅の絶対値が等しく符号の異なる2つの信号を負端子H・Jに供給できる。このため、負端子H・Jの電圧値を容易に0とできる。
なお、図11の構成では、スイッチSW1およびスイッチSW2の接続状態(開閉)の切り替えは、制御器14が、AD変換機13の検出したG−H電圧値に基づいて行うが、これに限るものではない。例えば、ユーザーが図示しない制御盤に対してメニュー操作等を行うことにより、ヘッドホンを接続する場合と、スピーカ等の外部機器に接続する場合とで、回路の接続状態を切り替えられるようにしてもよい。
また、接続されるヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2が既知の場合には、図1に示した本アンプ装置の構成において、可変負荷24に代えて、逆相アンプ23と負端子H・Jの間に、スイッチSW1と負荷rcとを並列に備える構成としてもよい。この場合、負荷rcの抵抗値Rcは、既知のヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2と等しく設定される。
そして、制御部14は、スイッチSW1を開くことにより、正端子G・Iと負端子H・Jの間の抵抗値(R1・R2)と、逆相アンプ23と負端子H・Jの間の抵抗値(Rc)とを等しくできる。これにより、振幅の絶対値が等しく符号の異なる2つの信号を負端子H・Jに供給でき、負端子H・Jの電圧値を容易に0とできる。
また、接続されるヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2が既知の場合には、図10に示した構成において、可変負荷24aに代えて、正端子G・Iと負端子H・Jの間に、スイッチSW2と負荷rbとを直列に備える構成としてもよい。この場合、負荷rbの抵抗値Rbは、既知のヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2と負荷rbの抵抗値Rbとの並列合成抵抗値R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb)が、逆相アンプ23と負端子H・Jの間に備えられている負荷raの抵抗値Raと等しくなるように設定される。
そして、制御部14は、スイッチSW2を閉じることにより、正端子G・Iと負端子H・Jの間の抵抗値(R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb))と、逆相アンプ23と負端子H・Jの間の抵抗値(Ra)とを等しくできる。これにより、振幅の絶対値が等しく符号の異なる2つの信号を負端子H・Jに供給でき、負端子H・Jの電圧値を容易に0とできる。
また、図11に示した構成において、負荷ra,負荷rc,スイッチSW1に代えて、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間に、可変負荷24を配するようにしてもよい。
図12は、このような構成の本アンプ装置を示す説明図である。この図に示す本アンプ装置では、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間に、可変負荷24および負荷セレクタ25を備えている。
この図に示す本アンプ装置では、スイッチSW2が閉じている場合、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の抵抗値は、ヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2と、負荷rbの抵抗値Rbとの並列合成抵抗値R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb)となる。
そして、左右チャネルの負端子H・J間が接続されたときに、制御器14が、スイッチSW2を閉じ、さらに、各増幅回路11・12の可変負荷24の抵抗値R24を、上記の合成抵抗値R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb)と等しくするように、調整する。
この構成では、負端子H・Jの電圧値は、ヘッドホンと負荷rbとを経た正相アンプ22からの信号振幅と、可変負荷24を経た逆相アンプ23からの信号振幅との和となる。
従って、両増幅回路11・12のそれぞれに関し、可変負荷24の抵抗値R24を、上記の合成抵抗値R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb)と等しくすることで、振幅の絶対値が等しく符号の異なる2つの信号を負端子H・Jに供給できる。このため、負端子H・Jの電圧値を容易に0とできる。
なお、図12に示す本アンプ装置では、正端子G・Iと負端子H・Jとの間に、ヘッドホンと負荷rbとが並列に接続されるため、正端子G・Iと負端子H・Jとの間がヘッドホンのみを介して接続される構成に比べて、ヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2が異なる複数種類のヘッドホンが接続される場合の、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の抵抗値R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb)の変化量が小さい。
このため、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の抵抗値(R24)を、正端子G・Iと負端子H・Jと間の抵抗値(R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb))と等しくするために、制御器14が、可変負荷24の抵抗値R24を変化させる範囲が小さくなる。したがって、負端子H・Jの電圧値を0とすることが容易になる。
また、図12に示した構成において、スイッチSW2および負荷rbに代えて、正端子G・Iと負端子H・Jとの間に、可変負荷24aを配するようにしてもよい(図示せず)。すなわち、両増幅回路の正端子G・Iと負端子H・Jとの間、および、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の双方に、可変負荷を配する構成としてもよい。
この構成では、左右チャネルの負端子H・J間が接続されたときに、制御器14が、正端子G・Iと負端子H・Jの間の抵抗値(R1×R24a/(R1+R24)・R2×R24a/(R2+R24))と、逆相アンプ23と負端子H・Jの間の抵抗値(R24)とを等しくするように、可変負荷24および可変負荷24aの抵抗値(R24およびR24a)を調整することで、負端子H・Jの電圧値を容易に0とできる。
また、本実施の形態では、負端子H・Jの電圧値を0とすることにより、実質的に、クロストークをユーザーの可聴範囲外とするとしているが、必ずしも負端子H・Jの電圧値を0とする必要はない。
すなわち、負端子H・Jの電圧値をある程度まで0に近づけることで、クロストークを実用上問題がない程度に低減できればよい。
したがって、本アンプ装置を、図1のような構成とする場合には、制御器14は、各増幅回路に備えられた可変負荷24の抵抗値R24を、正端子G・Iと負端子H・Jの間の抵抗値(R1・R2)に近づけるように調整することで、負端子H・Jの電圧値を0に近づけるものであってもよい。
また、本アンプ装置を、図10のような構成とする場合には、制御部14が、可変負荷24aの抵抗値R24aを、正端子G・Iと負端子H・Jの間の抵抗値(R1×R24a/(R1+R24a)・R2×R24a/(R2+R24a))と、逆相アンプ23と負端子H・Jの間の抵抗値(Ra)とを近づけるように調整することで、両増幅回路における負端子の電圧値を0に近づけるものであってもよい。
また、本アンプ装置を、図11のような構成とする場合には、制御部14が、SW2を閉じ、SW1を開くことによって、正端子G・Iと負端子H・Jの間の抵抗値(R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb))と、逆相アンプ23と負端子H・Jの間の抵抗値(Ra+Rc)とを近づけ、両増幅回路における負端子の電圧値を0に近づけるものであってもよい。
また、本実施の形態では、本アンプ装置に、ヘッドホンを適用する場合について説明している。しかしながら、本アンプ装置においてクロストークの発生を回避できる外部機器は、ヘッドホンに限らない。本アンプ装置のジャックに接続される外部機器であれば、通常のスピーカや録音装置など、どのような機器であっても、クロストークの発生を回避できる。なお、本アンプ装置は、ライン出力して次段が接地端子共通のアンプ等に接続する場合でも、クロストークの発生を回避することが可能である。
一般に、アンプの場合、入力インピーダンスは10kΩ〜47kΩである。このように、外部機器の入力インピーダンス(抵抗値)にバラツキがある場合でも、可変負荷24あるいは可変負荷24aを備える構成の本アンプ装置では、クロストークを容易に低減できる。すなわち、制御部14が、このような可変負荷の抵抗値を、正端子G・Iと負端子H・Jの間の抵抗値と、逆相アンプ23と負端子H・Jの間の抵抗値とを近づけるように調節することにより、負端子H・Jの電圧値を容易に0に近づけることができる。なお、上記の説明では、本アンプ装置に接続される外部機器のヘッドホンの左右チャネルのボイスコイルの抵抗値をR1・R2として説明しているが、以下の説明では、アンプ等を接続する場合には、接続する外部機器の左右チャネルにおける入力インピーダンスをR1・R2として説明する。
また、図11に示したような、可変負荷を備えない構成の本アンプ装置でも、負荷ra,rb,rcの抵抗値R,R,Rを、本アンプ装置に接続される外部機器の抵抗値R1・R2と負荷rbの抵抗値Rbとの並列合成抵抗値R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb)と、負荷raと負荷rcとの抵抗値の和Ra+Rbとの差が小さくなるように設定しておくことにより、負端子H・Jの電圧値を0に近づけることができる。
例えば、入力インピーダンスが10kΩ〜47kΩの外部機器に対して、クロストークを防止するために、負荷rbの抵抗値Rbを220Ω、負荷raの抵抗値Raを15Ω、負荷rcの抵抗値Rcを205Ωする。
このような構成の本アンプ装置に対して、10kΩ〜47kΩの入力インピーダンスを有するアンプを接続した場合、制御器14は、SW2を閉じ、SW1を開く。
これにより、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の抵抗値は、アンプ入力インピーダンスと負荷rbとの並列合成抵抗値(R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb))となり、下式(2)、(3)より、約215〜219Ωとなる。
R1・R2=10kΩのとき
10000×220/(10000+220)≒215 (2)
R1・R2=47kΩのとき
47000×220/(47000+220)≒219 (3)
したがって、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の並列合成抵抗値(R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb))は、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の抵抗値(Ra+Rc)とほぼ等しい抵抗値とみなせる。
なお、外部機器の入力インピーダンスが10kΩ〜47kΩの場合、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の抵抗値(R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb))と、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の抵抗値(Ra+Rc)との差が±5Ω以内であれば、実用上問題となるようなクロストークは発生しない。したがって、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の抵抗値(R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb))と、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の抵抗値(Ra+Rc)との差が±5Ω以内であれば、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の並列合成抵抗値は、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の抵抗値とほぼ等しい抵抗値であるとみなすことができる。
図13(a)〜(f)は、3端子型外部機器(入力インピーダンス10kΩ〜47kΩ)を接続し、スイッチSW2を閉じ、スイッチSW1を開いた場合の、各部位における信号波形のグラフを示している。
なお、これらの図では、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の抵抗値(R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb))と、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の抵抗値(Ra+Rc)との差が等しい場合を示している。しかしながら、両者の差は、実用上問題とならない程度に小さい値であればよい。
図13(a)は左正端子G、図13(b)は左負端子H、図13(c)は左チャネル増幅回路11における逆相アンプ23の出力部、での信号振幅である。なお、逆相アンプ23の出力部での信号振幅とは、逆相アンプ23の出力(逆相アンプ23からの出力信号)における信号振幅である。
また、図13(d)は右正端子I、図13(e)は右負端子J、図13(f)は右チャネル増幅回路12における逆相アンプ23の出力部、での信号振幅である。なお、図13(d)〜(e)は、右チャネル増幅回路12の信号が無信号(振幅0)の場合を示している。
図13(a)および(c)に示されているように、左正端子Gにおける信号振幅と、左チャネル増幅回路11における逆相アンプ23の出力部での信号振幅とは、振幅の絶対値が等しく、逆位相の信号振幅となっている。
例えば、図13(a)および(c)におけるx点では、基準電位1に対して、正端子Gの電位が2であり、左チャネル増幅回路11における逆相アンプ23の出力部との間の電位が0である。
また、図11の構成では、負端子Hの電圧値は、外部機器および負荷rbを経た正相アンプ22からの信号振幅と、負荷raと負荷rcとを経た逆相アンプ23からの信号振幅との和となる。このため、負端子Hにおける信号の電位は下式(4)のように求められ、基準電位1と等しくなる。
(2(L+信号)+0(L−信号))/2=1 (4)
また、図13(a)および(c)におけるy点では、正端子Gの電位、および、左チャネル増幅回路11における逆相アンプ23の出力部との間の電位がともに基準電位1と等しい。従って、負端子Hにおける電位は下式(5)のように求められ、常に基準電位1と等しくなる。
(1(L+信号)+1(L−信号))/2=1 (5)
同様に、負端子Jにおける電位も、常に基準電位1となる。例えば、図13(d)および(f)におけるz点では、正端子Iの電位、および、左チャネル増幅回路11における逆相アンプ23の出力部との間の電位がともに基準電位1と等しい。
また、図11の構成では、負端子Jの電圧値は、外部機器および負荷rbを経た正相アンプ22からの信号振幅と、負荷raと負荷rcとを経た逆相アンプ23からの信号振幅との和となる。このため、負端子Jにおける電位は下式(6)のように求められ、基準電位1と等しくなる。
(1(R+信号)+1(R−信号))/2=1 (6)
従って、両増幅回路11・12のそれぞれに関し、スイッチSW2を閉じ、スイッチSW1を開くことで、振幅の絶対値がほぼ等しく符号の異なる2つの信号を負端子H・Jに供給でき、負端子H・J間における電位は、双方とも常に基準電位1となる。すなわち、負端子H・J間の電位差は常に0となり、負端子H・J間には、実質的に信号が流れない。
なお、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の抵抗値(R1×Rb/(R1+Rb)・R2×Rb/(R2+Rb))と、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の抵抗値(Ra+Rc)との差が等しくなくても、実用上問題とならない程度に小さい値であれば、負端子H・Jの電圧値を容易に0に近づけることができる。したがって、3端子型外部機器が接続された場合に、クロストークの影響を抑制することができる。
また、この構成では、制御器14は、3端子型ヘッドホン(ボイスコイルの抵抗値R1・R2が16Ωまたは32Ω)が接続されたときには、スイッチSW2を開き、スイッチSW1を閉じる。
これにより、3端子型ヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2が16Ωの場合、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の抵抗値(ra=15Ω)と、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の抵抗値(R1・R2=16Ω)との差は1Ωとなり、ほぼ等しくなる。これにより、負端子H・Jに振幅の絶対値がほぼ等しく符号の異なる2つの信号を負端子H・Jに供給でき、負端子H・Jの電圧値を容易に0に近づけられる。
また、接続された3端子型ヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2が32Ωの場合、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の抵抗値(ra=15Ω)と、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の抵抗値(R1/R2=32Ω)との差は17Ωとなる。
一方、逆相アンプ23と負端子H・Jの間に負荷raを備えない場合には、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の抵抗値(0Ω)と、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の抵抗値(R1・R2=32Ω)との差は、ヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2=32Ωとなる。
したがって、接続される3端子型ヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2が32Ωの場合でも、逆相アンプ23と負端子H・Jの間に負荷raを備えない場合よりも、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の抵抗値と、正端子G・Iと負端子H・Jとの間の抵抗値との差を小さくできる。このため、逆相アンプ23と負端子H・Jの間に負荷raを備えない場合よりも、クロストークを低減することができる。
また、図11の構成において、負荷ra,rb,rcの抵抗値Ra,Rb,Rcを適切に設定することにより、入力インピーダンスが10kΩ〜47kΩ以外のを有する3端子型外部機器に対しても、負端子H・Jの電圧値を容易に0に近づけることができる。
例えば、ボイスコイルの抵抗値R1・R2が16Ωおよび32Ωの3端子型ヘッドホンを接続する場合、負荷raの抵抗値Raを16Ω、負荷rbの抵抗値Rbを100Ω、負荷rcの抵抗値Rcを8Ωと設定する。
そして、制御器14は、接続されたヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2が16Ωの場合にSW2を開き、SW1を閉じる。これにより、正端子G・Iと負端子H・Jの間の抵抗値はヘッドホンのボイスコイルの抵抗R1・R2=16Ωとなり、逆相アンプ23と負端子H・Jの間の抵抗値は負荷raの抵抗値Ra=16Ωとなる。
また、制御器14は、接続されたヘッドホンのボイスコイルの抵抗値R1・R2が32Ωの場合にSW2を閉じ、SW1を開く。これにより、正端子G・Iと負端子H・Jの間の抵抗値は、ヘッドホンのボイスコイルの抵抗R1・R2と負荷rbの抵抗値Rbとの並列合成抵抗値(32×100/(32+100)≒24.2)となる。一方、逆相アンプ23と負端子H・Jの間の抵抗値は、負荷raおよび負荷rcの抵抗値の和Ra+Rc=24Ωとなる。
これにより、ボイスコイルの抵抗値R1・R2が16Ωおよび32Ωの3端子型ヘッドホンに対して、どちらのヘッドホンを接続した場合でも、負端子H・Jに振幅がほぼ等しく逆位相の信号を供給できる。したがって、負端子H・Jので電圧値を0に近づけることができる。
また、本実施の形態では、制御器14が、ヘッドホンが3端子であるのか4端子であるのかを検知するために、H−J間(あるいはG−I間)の抵抗測定の結果を用いるとしている。
ここで、この測定については、AD変換器13によって測定してもよいし、本アンプ装置に備えられた専用の抵抗測定器を用いてもよい。
すなわち、制御器14は、ヘッドホンのプラグが本アンプ装置のジャックに挿入されたときに、AD変換器13あるいは抵抗測定器を制御して、H−J間(あるいはG−I間)の抵抗を測定させる。そして、測定結果を取得し、0Ωであれば3端子と判断する一方、0Ωでない場合には4端子と判断することとなる。
また、本実施の形態では、初期動作(図2)において、3端子型ヘッドホンが適用された場合、制御器14が、アンプ22・23のゲインを1に設定するとしている。しかしながら、必ずしもゲインを1に設定する必要はない。
すなわち、図2におけるS5,S9において、G−H電圧値・I−J電圧値とメモリに記憶した負荷調整信号の振幅値とを比較する際、負荷調整信号の振幅値に代えて、この振幅値とゲインとの積を使用すれば、ゲインについてはどのような値に設定してもよい。
また、本実施の形態では、初期動作(図2)において、可変負荷24の抵抗値をヘッドホンのボイスコイルの抵抗R1・R2と等しくして負端子H・Jの電圧値を0とする際、制御器14が、メモリに記憶している負荷調整信号の振幅値と、AD変換器13によって測定されたG−H電圧値・I−J電圧値とを等しくするように、可変負荷24の抵抗値を決定するとしている。
しかしながら、負荷調整信号の振幅値をメモリに記憶する代わりに、入力セレクタ21と制御器14とを接続し、さらに、これらの間にAD変換器を挟んで、負荷調整信号の振幅値(デジタル値)を制御器14に伝達するようにしてもよい。
この構成では、制御器14が、入力セレクタ21およびAD変換器を介して伝達された負荷調整信号の振幅値と、AD変換器13によって測定されたG−H電圧値・I−J電圧値とを等しくするように、可変負荷24の抵抗値を決定することとなる。
また、この場合、負荷調整信号を使用せず、通常信号で抵抗値の調整を行うことも可能である。
また、AD変換器13によって負端子H・Jの電位を測定し、制御器14によって、この電位を0とするように可変負荷24の抵抗値を決めるようにしてもよい。
なお、電位差の測定には、測定したい点と基準点(0電位の点;アース)と2点が必要である。従って、この場合には、グランド(GND)端子と負端子H・Jとの電位差をAD変換器13によって測定し、制御器14が、この電位差を0とするように、可変負荷24の抵抗値を決めることとなる。
この構成では、初期動作においてアンプ22・23のゲインを1に設定する必要がない。
また、この場合、制御器14は、メモリに記憶した値を用いずに、AD変換器13の測定結果だけに応じて可変負荷24の抵抗値を決めることになる。従って、環境変化(温度変化)などによってアンプ22・23のゲインを目標値に設定できなくても(変化してしまっても)、負端子H・Jの電位を0とすることが可能である。また、この場合も、負荷調整信号を使用せず、通常信号で抵抗値の調整を行うことも可能である。
また、図2に示した初期動作では、増幅回路11・12のそれぞれについて、独立に、可変負荷24の値をボイスコイルの抵抗値R1・R2と等しくする処理を行うとしている。
しかしながら、これに限らず、左チャネル増幅回路11の可変負荷24の抵抗値を抵抗値R1と等しく設定した後、右チャネル増幅回路12の可変負荷24を、既に設定した左チャネル増幅回路11の可変負荷24の抵抗値と等しくしてもよい。また、逆に、右チャネル増幅回路12の可変負荷24の抵抗値を先に決めて、決めた値を左チャネル増幅回路11の可変負荷24の抵抗値として用いてもよい。
この構成は、ヘッドホンにおける2つのボイスコイルの抵抗値R1・R2が互いにほぼ同一である場合に有効である。これにより、初期動作を簡略化できる(ステップ数を削減できる)。
また、図2に示した初期動作において、S7,S11において選択した抵抗値のいずれかを、両増幅回路11・12の可変負荷24の抵抗値として用いてもよい。さらに、S7,S11において選択した抵抗値の平均値を、両増幅回路11・12の可変負荷24の抵抗値として用いてもよい。
また、可変負荷24を、図2のS6、S10において算出した抵抗値と一致する値にできない場合(算出した抵抗値を可変負荷24が有していない場合)、可変負荷24の抵抗値として、算出値に最も近い値を選択することが好ましい。
また、本アンプ装置において使用する負荷調整信号としては、どのような信号でも利用できる(例えば、固定された振幅・周波数を有する交流信号でも、直流成分を有する信号でもよい)が、左右チャネルでの振幅が同一であることが好ましい。また、可聴範囲から外れた周波数または振幅を有することが好ましい。これは、ヘッドホンを装着したユーザーに、異音(負荷調整信号)を聞かせないためである。
また、本実施の形態では、可変負荷24として、自身の抵抗値を複数種類(n種類)の値r1〜rnに切り替えられる可変負荷を用いるとしている。しかしながら、これに限らず、可変負荷24として、連続的に抵抗値(負荷)を変えられる素子を利用してもよい。
また、本実施の形態では、AD変換器13によって、G−H間電圧およびI−J間電圧とを測定してデジタル値に変換し、制御器14が、このデジタル値を用いて、負荷調整信号との比較を行うとしている。しかしながら、これに限らず、制御器14は、G−H間電圧およびI−J間電圧と負荷調整信号とを、アナログ値のまま比較するようにしてもよい。
なお、比較にデジタル値を用いることで、制御器14を、外部からデジタル制御することが可能となる。
また、入力セレクタ21は、制御器14の指示により、アンプ22・23に出力する信号を切り替えるとしている。しかしながら、これに限らず、入力セレクタ21に対し、本アンプ装置の備えられた音響機器から、信号切り替えの指示を出すようにしてもよい。そして、この指示に応じて、制御器14が、負端子H・Jの電圧値を0とする処理を行うように設定されていてもよい。
また、本実施の形態では、正相アンプ22と逆相アンプ23とのゲインが互いに等しいとしている。しかしながら、本アンプ装置では、ゲインの違いによるクロストークを、可変負荷24の抵抗値を調整することによって消去できる。このため、これらのアンプ22・23のゲインは、ヘッドホンのユーザーが聞き苦しくない程度なら、少々違っていてもよい。
また、本実施の形態では、本アンプ装置を音響機器に備えるとしているが、このような音響機器としては、ステレオ装置(立体音響再生増幅装置)であれば、テレビジョン受像機,ビデオテープ再生機(ビデオデッキ),CD(compact disc)プレーヤー(CD再生機),MD(mini disc)プレーヤー(MD再生機),DVD(digital versatile disc)プレーヤー(DVD再生機),コンポーネントステレオ,携帯型ステレオ装置(CDラジオカセットデッキ等)など、どのような機器であってもよい。
また、本実施の形態では、本アンプ装置に3端子型ヘッドホンが適用されたときに、アンプ22・23の負端子H・Jが、ヘッドホンの接地端子Eを介して接続されるとしている。
しかしながら、ヘッドホンの種類によっては、接地端子Eによって、増幅回路11・12の正端子G・Iが接続される可能性もある。
そこで、このような場合に対応するために、正相アンプ22と正端子G・Iとの間に、可変負荷24を備えるようにしてもよい。そして、上記のような3端子型ヘッドホンが適用されたときに、制御器14が、正端子G・Iの電圧値を0とするように、可変負荷24の抵抗値を調整するようにしてもよい。
また、負端子H・Jを接続する3端子型ヘッドホン、および、正端子G・Iを接続する3端子型ヘッドホンの双方に対応するために、正相アンプ22と正端子G・Iとの間、および、逆相アンプ23と負端子H・Jとの間の双方に、可変負荷24を備えるようにしてもよい。
この構成では、制御器14は、3端子型ヘッドホンが適用されたとき、正端子G・Iあるいは負端子H・Jのいずれが接続されたかを判断し、判断結果に基づいて、抵抗値を調整する可変負荷24を決定することとなる。
従って、本発明のアンプ装置を、接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対し、正相および逆相の信号をそれぞれ出力するアンプ装置において、正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子とを備えた、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有しておりさらに、外部機器によって左右チャネルの(両増幅回路の)負端子間、あるいは正端子間が接続されたときに、両増幅回路における上記接続された端子の電圧値を0とする制御部を備えている構成である、と表現することもできる。
また、本発明のアンプ装置を、接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対し、正相および逆相の信号を出力するアンプ装置において、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有しており、これらの回路のそれぞれが、正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子と、逆相アンプと負端子との間に配された可変負荷とを備えており、さらに、外部機器によって左右チャネルの(両増幅回路の)負端子間が接続されたときに、各増幅回路の可変負荷を、各増幅回路の正端子と負端子との間の抵抗値と等しい値に調整する制御部を備えている構成である、と表現することもできる。
また、本発明のアンプ装置を、接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対し、正相および逆相の信号をそれぞれ出力するアンプ装置において、正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子とを備えた、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有しており、さらに、両増幅回路における負端子あるいは正端子の電圧値を0とする制御部を備えている構成である、と表現することもできる。
また、本発明のアンプ装置を、接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対し、正相および逆相の信号をそれぞれ出力するアンプ装置において、正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子とを備えた、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有しており、さらに、外部機器によって、両増幅回路の負端子あるいは正端子が、両増幅回路間で互いに接続された短絡端子となったときに、両増幅回路における短絡端子の電圧値を0とする制御部を備えている構成である、と表現することもできる。
また、上記では、本アンプ装置における全ての処理(例えば、図2に示した初期動作)を、制御器14の制御により行うとしている。しかしながら、これに限らず、これらの処理を行うためのプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムを読み出すことのできる情報処理装置を、制御器14に代えて用いるようにしてもよい。
この構成では、情報処理装置の演算装置(CPUやMPU)が、記録媒体に記録されているプログラムを読み出して処理を実行する。従って、このプログラム自体が処理を実現するといえる。
ここで、上記の情報処理装置としては、一般的なコンピューター(ワークステーションやパソコン)の他に、コンピューターに装着される、機能拡張ボードや機能拡張ユニットを用いることができる。
また、上記のプログラムとは、処理を実現するソフトウェアのプログラムコード(実行形式プログラム,中間コードプログラム,ソースプログラム等)のことである。このプログラムは、単体で使用されるものでも、他のプログラム(OS等)と組み合わせて用いられるものでもよい。また、このプログラムは、記録媒体から読み出された後、装置内のメモリ(RAM等)にいったん記憶され、その後再び読み出されて実行されるようなものでもよい。
また、プログラムを記録させる記録媒体は、情報処理装置と容易に分離できるものでもよいし、装置に固定(装着)されるものでもよい。さらに、外部記憶機器として装置に接続するものでもよい。
このような記録媒体としては、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリなどを適用できる。
また、ネットワーク(イントラネット・インターネット等)を介して情報処理装置と接続されている記録媒体を用いてもよい。この場合、情報処理装置は、ネットワークを介するダウンロードによりプログラムを取得する。すなわち、上記のプログラムを、ネットワーク(有線回線あるいは無線回線に接続されたもの)等の伝送媒体(流動的にプログラムを保持する媒体)を介して取得するようにしてもよい。なお、ダウンロードを行うためのプログラムは、装置内(あるいは送信側装置・受信側装置内)にあらかじめ記憶されていることが好ましい。
また、本発明の目的は、一般的に使用されているあらゆる3端子型ヘッドホンにおいて、クロストークが発生しない平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置を提供することにあるともいえる。また、負荷調整信号を、負荷測定時出力と表現することもできる。
また、特開2001−144561号公報では、従来例としてスピーカのL・Rそれぞれの−端子が接地に接続されているものを挙げる一方、主技術では、スピーカのL・Rそれぞれの−端子に異なるものが接続されている(L−:R−L,R−:L−R)ので、この公報の技術は、スピーカ内部の接続の仕方も含めたものであるといえる。
また、本アンプ装置にヘッドホンの差し込まれたときの動作は、以下のようであってもよい。すなわち、まず、ステレオヘッドホンをプラグに差し込まれたら、セレクト信号により、入力セレクタ21を負荷調整信号に切り替える。AD変換器13でGH間の電圧を測定し、アナログ−ディジタル変換される。そして、制御器14により、前記AD変換器13で測定された値が負荷調整信号と等しいかを調べる。前記AD変換器13で測定された値が負荷調整信号と異なる場合は、前記制御器14により、前記AD変換器13で測定された値と負荷調整信号が等しくなるような負荷を可変負荷24から負荷セレクタ25に入力する値を決定する。その値が負荷セレクタ25へ入力される。そして、前記同様にAD変換器13でGH間の電圧を測定し、制御器14により、前記AD変換器13で測定された値が負荷調整信号と等しいかを調べる。そして、前記AD変換器13で測定された値と負荷調整信号が等しい場合は、可変負荷値設定完了となり、セレクト信号により、入力セレクタ21を通常出力に切り替える。可変負荷24とR2とを等しくする場合においても同様に行われる。
また、本アンプ装置の測定箇所としては、1)GとH間2)IとJ間3)GGとH間、IとJ間の3箇所が考えることができる。また、可変負荷の値の決定方法としては、複数の負荷から測定した値に近いものを選択するか、連続的に負荷を変えることができる素子を利用し、測定した値に近づけるという2つの方法が考えられる。これにより、左チャンネルの可変負荷はR1と右チャンネルの可変負荷はR2と等しくなる。
また、通常出力の場合、左チャネルと右チャネルとの信号振幅は異なるが、負荷測定時出力では、左チャネルと右チャネルとの信号振幅を等しくするために入力するともいえる。また、なお通常出力の場合は、耳に聞こえてしまうため、負荷測定出力は、耳に聞こえない周波数または振幅にすることが好ましい。
また、可変負荷24の抵抗値を抵抗R1と等しくすると左負端子Hの電圧は0になるため、負荷測定時出力とAD変換器13の出力(G−H間の出力)とが等しくなる。もし、可変負荷24の抵抗値と抵抗R1とが等しくなければ、図4(b)のような波形となり、G−H間は負荷測定時出力より小さくなる。
また、本発明を、以下に示す第1〜第7平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置として表現することもできる。
すなわち、第1平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置は、左側チャネル及び右側チャネルの各信号を平衡出力型にて増幅して出力する電力増幅器のジャックに挿入され、前記電力増幅器からの出力信号をヘッドホンに伝達する為のプラグを含むシステムにおいて、前記プラグ及び前記ジャックは、それぞれ左チャネル正相側、左チャネル逆相側、右チャネル正相側、右チャネル逆相側に対応する端子を有し、左チャネル逆相アンプ出力と前記ジャック側左チャネル逆相側端子間及び右チャネル逆相アンプ出力と前記ジャック側右チャネル逆相側端子間に可変負荷を設けるか、若しくは左チャネル正相アンプ出力と前記ジャック側左チャネル正相側端子間及び右チャネル正相アンプ出力と前記ジャック側右チャネル正相側端子間に可変負荷を設ける構成である。
また、第2平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置は、第1平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置において、前記可変負荷として、多数の負荷から選択することが可能である構成である。
また、第3平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置は、第1平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置において、前記可変負荷として、連続的に変化する負荷を有する構成である。
また、第4平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置は、第1平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置において、ヘッドホンの負荷を測定する測定器を備えた構成である。
また、第5平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置は、第1平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置において、左(右)チャンネルのヘッドホンの負荷を測定し、左右チャンネルの可変負荷を、第2あるいは第3平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置の負荷から決定する構成である。
また、第6平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置は、第1において、左チャンネルと右チャンネルのヘッドホンの負荷をそれぞれ測定し、どちらかの値、もしくは平均した値を左右チャンネルの可変負荷を、第2あるいは第3平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置の負荷から決定する構成である。
また、第7平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置は、左チャンネルと右チャンネルのヘッドホンの負荷をそれぞれ測定し、それぞれ左右チャンネルの可変負荷を、第2あるいは第3平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置の負荷から決定する構成である。
これら第1〜第7平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置によれば、左チャネル逆相アンプ出力と前記ジャック側左チャネル逆相側端子間及び右チャネル逆相アンプ出力と前記ジャック側右チャネル逆相側端子間とに可変負荷を設けるか、若しくは左チャネル正相アンプ出力と前記ジャック側左チャネル正相側端子間及び右チャネル正相アンプ出力と前記ジャック側右チャネル正相側端子間とに可変負荷を設けるようにしたため、一般的に使用されているあらゆる3端子型ヘッドホンにおいて、クロストークの発生しない平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプを提供できる。また、第6平衡出力型ステレオヘッドホン用アンプ装置は、図2のS6、S10の適切な可変抵抗を算出する際の算出法に関するものであり、S4、S8で測定した値から算出した抵抗値が可変負荷内で一致する抵抗値がない場合、算出値に一番近い値を可変負荷から選択することに関するものである。
また、本発明は、アンプ装置(AV機器)内に出力用の回路を組み込み、ヘッドホン(抵抗値16Ωまたは32Ω)使用時とスピーカ等の外部機器(抵抗値10kΩ〜47kΩ)使用時に、AV機器本体内で回路の接続状態を切り替えを行い、専用の外部機器接続ケーブルを使用することなく、市販の外部機器接続ケーブルを使用できるようにするためのものである、とも表現できる。
あるいは、本発明は、左右チャネルのそれぞれについて、入力信号を非反転増幅して出力する正相増幅手段と、入力信号を反転増幅して出力する逆相増幅手段と、正相増幅手段の出力側に接続される第1の出力端子と、逆相増幅手段の出力側に接続される第2の出力端子とを備えた4極H.P JACK(4端子型接続端子)に、市販の3極(3端子型)外部機器接続ケーブルを使用して、スピーカ等の外部接続機器を接続しても、セパレーションを確保することができるようにするためのものである、と表現することもできる。
そして、本発明によれば、専用の外部機器接続ケーブルを使用することが不要となり、オーディオ機器の低コスト化を図ることができる。また、ユーザーにとっては、価格の安い市販の3極外部機器接続ケーブルを使用できることになり、専用品(専用の外部機器接続ケーブル)を探す必要がなくなる。
また、本発明は、音響信号に対して好適に実施され、PDM(パルス密度変調)信号やPWM(パルス幅変調)信号などのデジタル信号でスイッチング素子を駆動し、該スイッチング素子を飽和域で使用することで、高効率電力増幅を行うデジタルアンプに関するものである、と表現することもできる。
本発明のアンプ装置は、ステレオ装置(立体音響再生増幅装置)であれば、テレビジョン受像機,ビデオテープ再生機(ビデオデッキ),CD(compact disc)プレーヤー(CD再生機),MD(mini disc)プレーヤー(MD再生機),DVD(digital versatile disc)プレーヤー(DVD再生機),コンポーネントステレオ,携帯型ステレオ装置(CDラジオカセットデッキ等)など、どのような音響装置にも適用することができる。
本発明の一実施形態にかかるアンプ装置の構成を示すブロック図である。 図1に示したアンプ装置における初期動作の流れを示すフローチャートである。 図3(a)〜(f)は、図1に示したアンプ装置において、G−H電圧値,I−J電圧値の双方を負荷調整信号の電圧値と等しくした場合における、アンプ装置の各部位における信号波形の例を示すグラフである。 図4(a)〜(f)は、図1に示したアンプ装置において、I−J電圧値を負荷調整信号の振幅値と等しくする一方、G−H電圧値を負荷調整信号の振幅値と異なる値とした場合における、アンプ装置の各部位における信号波形の例を示すグラフである。 3端子型ヘッドホンのプラグを示す説明図である。 4端子型ヘッドホンのプラグを示す説明図である。 従来のBTL増幅回路の例を示すブロック図である。 従来のBTL増幅回路における他の例を示すブロック図である。 音の周波数F(Hz)と、その最小可聴限Lmin(録音レベル(dB))との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるアンプ装置の変形例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態にかかるアンプ装置の他の変形例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態にかかるアンプ装置のさらに他の変形例を示すブロック図である。 図13(a)〜(f)は、本発明の一実施形態にかかるアンプ装置の他の変形例において、3端子型外部機器(抵抗値10kΩ〜47kΩ)を接続した場合の、負端子H・Jにおける信号波形の例を示すグラフである。 市販されている3端子の外部機器接続ケーブルの外観図である。 図14に示した3端子の外部機器接続ケーブル内部の回路構成図である。 従来のBTL増幅回路の例を示す回路構成図である。 図14に示した3端子の外部機器接続ケーブルを用いて、図16のBTL増幅回路と3端子型の外部機器とを接続した場合の回路構成図である。 平衡出力型アンプと3端子型外部機器とを接続するための、専用の外部機器接続ケーブルの外観図である。 図18に示した専用の外部機器接続ケーブルの回路構成図である。 図18に示した専用の外部機器接続ケーブルを用いて、平衡出力型アンプと3端子型外部機器とを接続した場合の、回路構成図である。
符号の説明
11 左チャネル増幅回路
12 右チャネル増幅回路
13 AD変換器(第1検出器,第2検出器)
14 制御器(制御部)
21 入力セレクタ
22 正相アンプ
23 逆相アンプ
24 可変負荷(第1可変負荷)
24a 可変負荷(第2可変負荷)
25,25a 負荷セレクタ
E 接地端子
G 左正端子
H 左負端子
I 右正端子
J 右負端子
J 負端子
R1 外部機器のボイスコイルの抵抗値、または入力インピーダンス
R2 外部機器のボイスコイルの抵抗値、または入力インピーダンス
ra 負荷(主固定負荷)
rb 負荷(第2固定負荷)
rc 負荷(第1固定負荷)
Ra,Rb,Rc 負荷ra,rb,rcの抵抗値
SW1 スイッチ(第1スイッチ)
SW2 スイッチ(第2スイッチ)

Claims (36)

  1. 接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対し、正相および逆相の信号をそれぞれ出力するアンプ装置において、
    正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子とを備えた、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有しており、
    さらに、外部機器によって両増幅回路の負端子間が接続されたときに、両増幅回路における負端子の電圧値を0に近づける制御部を備えていることを特徴とするアンプ装置。
  2. 上記両増幅回路が、逆相アンプと負端子との間に配された第1可変負荷を備えており、
    上記制御部は、各増幅回路の第1可変負荷の抵抗値を、各増幅回路の正端子と負端子との間の抵抗値に近づけるように調整することで、両増幅回路における負端子の電圧値を0に近づけることを特徴とする請求項1に記載のアンプ装置。
  3. 上記両増幅回路が、正端子と負端子との間を接続する第2可変負荷と、逆相アンプと負端子とを接続する主固定負荷を備えており、
    上記制御部は、各増幅回路の正端子と負端子との間の抵抗値を、逆相アンプと負端子との間の抵抗値に近づけるように、第2可変負荷の抵抗値を調整することで、両増幅回路における負端子の電圧値を0に近づけることを特徴とする請求項1に記載のアンプ装置。
  4. 各増幅回路の正端子と負端子との間の電位差を検出する第1検出部を備えており、
    上記制御部は、各増幅回路における第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を、第1検出部の検出した電位差と正端子に出力されている信号の電圧値とを近づけるように、調整することを特徴とする請求項2または3に記載のアンプ装置。
  5. 両増幅回路の負端子と接地点との電位差を測定する第2検出部を備え、
    上記制御部は、各増幅回路における第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を、第2検出部の検出結果を0に近づけるように調整することを特徴とする請求項2または3に記載のアンプ装置。
  6. 上記の第1可変負荷が、抵抗値の異なる複数の負荷を備えており、
    上記制御部は、逆相アンプと負端子との間に配する負荷を選択することで、第1可変負荷の抵抗値を調整することを特徴とする請求項2に記載のアンプ装置。
  7. 上記の第2可変負荷が、抵抗値の異なる複数の負荷を備えており、
    上記制御部は、正端子と負端子との間に配する負荷を選択することで、第2可変負荷の抵抗値を調整することを特徴とする請求項3に記載のアンプ装置。
  8. 上記第1あるいは第2可変負荷が、連続的に抵抗値の変化するものであることを特徴とする請求項2または3に記載のアンプ装置。
  9. 上記第1可変負荷が、第1スイッチと、この第1スイッチに並列に接続された第1固定負荷とを備えており、
    上記制御部は、第1スイッチを開閉することで、第1可変負荷の抵抗値を調整することを特徴とする請求項2に記載のアンプ装置。
  10. 上記第2可変負荷が、第2スイッチと、この第2スイッチに直列に接続された第2固定負荷とを備えており、
    上記制御部は、第2スイッチを開閉することで、第2可変負荷の抵抗値を調整することを特徴とする請求項3に記載のアンプ装置。
  11. 上記逆相アンプと負端子との間に、主固定負荷と直列に第3固定負荷が備えられており、
    さらに、この第3固定負荷と並列に、第3スイッチが備えられており、
    上記制御部は、第3スイッチを開閉することで、逆相アンプと負端子との間の抵抗値を調整することを特徴とする請求項10に記載のアンプ装置。
  12. 上記両増幅回路が、逆相アンプと負端子との間に配された第1可変負荷を備えており、
    上記制御部は、各増幅回路の第1可変負荷の抵抗値を、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値に近づけるように調整することを特徴とする請求項1に記載のアンプ装置。
  13. 上記両増幅回路が、正端子と負端子との間を接続する第2可変負荷を備えており、
    上記制御部は、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値を逆相アンプと負端子との間の抵抗値に近づけるように、その増幅回路の第2可変負荷の抵抗値を調整した後、
    他方の増幅回路における第2可変負荷の抵抗値を、上記した一方の増幅回路における第2可変負荷の抵抗値と等しくすることを特徴とする請求項1または2に記載のアンプ装置。
  14. 接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対し、正相および逆相の信号をそれぞれ出力するアンプ装置において、
    正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子とを備えた、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有しており、
    さらに、外部機器によって両増幅回路の正端子間が接続されたときに、両増幅回路における正端子の電圧値を0に近づける制御部を備えていることを特徴とするアンプ装置。
  15. 上記両増幅回路が、正相アンプと正端子との間に配された第1可変負荷を備えており、
    上記制御部は、各増幅回路の第1可変負荷の抵抗値を、各増幅回路の正端子と負端子との間の抵抗値に近づけるように調整することで、両増幅回路における正端子の電圧値を0に近づけることを特徴とする請求項14に記載のアンプ装置。
  16. 上記両増幅回路が、正端子と負端子との間を接続する第2可変負荷と、正相アンプと正端子とを接続する主固定負荷を備えており、
    上記制御部は、各増幅回路の正端子と負端子との間の抵抗値を、正相アンプと正端子との間の抵抗値に近づけるように、第2可変負荷の抵抗値を調整することで、両増幅回路における正端子の電圧値を0に近づけることを特徴とする請求項14に記載のアンプ装置。
  17. 各増幅回路の正端子と負端子との間の電位差を検出する第1検出部を備えており、
    上記制御部は、各増幅回路における第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を、第1検出部の検出した電位差と負端子に出力されている信号の電圧値とを近づけるように、調整することを特徴とする請求項15または16に記載のアンプ装置。
  18. 両増幅回路の正端子と接地点との電位差を測定する第2検出部を備え、
    上記制御部は、各増幅回路における第1あるいは第2可変負荷の抵抗値を、第2検出部の検出結果を0に近づけるように調整することを特徴とする請求項15または16に記載のアンプ装置。
  19. 上記の第1可変負荷が、抵抗値の異なる複数の負荷を備えており、
    上記制御部は、正相アンプと正端子との間に配する負荷を選択することで、第1可変負荷の抵抗値を調整することを特徴とする請求項15に記載のアンプ装置。
  20. 上記の第2可変負荷が、抵抗値の異なる複数の負荷を備えており、
    上記制御部は、正端子と負端子との間に配する負荷を選択することで、第2可変負荷の抵抗値を調整することを特徴とする請求項16に記載のアンプ装置。
  21. 上記第1あるいは第2可変負荷が、連続的に抵抗値の変化するものであることを特徴とする請求項15または16に記載のアンプ装置。
  22. 上記第1可変負荷が、第1スイッチと、この第1スイッチに並列に接続された第1固定負荷とを備えており、
    上記制御部は、第1スイッチを開閉することで、第1可変負荷の抵抗値を調整することを特徴とする請求項15に記載のアンプ装置。
  23. 上記第2可変負荷が、第2スイッチと、この第2スイッチに直列に接続された第2固定負荷とを備えており、
    上記制御部は、第2スイッチを開閉することで、第2可変負荷の抵抗値を調整することを特徴とする請求項16に記載のアンプ装置。
  24. 上記正相アンプと正端子との間に、主固定負荷と直列に第3固定負荷が備えられており、
    さらに、この第3固定負荷と並列に、第3スイッチが備えられており、
    上記制御部は、第3スイッチを開閉することで、正相アンプと正端子との間の抵抗値を調整することを特徴とする請求項23に記載のアンプ装置。
  25. 上記両増幅回路が、正相アンプと正端子との間に配された第1可変負荷を備えており、
    上記制御部は、各増幅回路の第1可変負荷の抵抗値を、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値に近づけるように調整することを特徴とする請求項14に記載のアンプ装置。
  26. 上記両増幅回路が、正端子と負端子との間を接続する第2可変負荷を備えており、
    上記制御部は、一方の増幅回路における正端子と負端子との間の抵抗値を正相アンプと正端子との間の抵抗値に近づけるように、その増幅回路の第2可変負荷の抵抗値を調整した後、
    他方の増幅回路における第2可変負荷の抵抗値を、上記した一方の増幅回路における第2可変負荷の抵抗値と等しくすることを特徴とする請求項14または15に記載のアンプ装置。
  27. 請求項1〜26のいずれか1項に記載のアンプ装置を備えていることを特徴とする音響機器。
  28. 請求項1〜26のいずれか1項に記載のアンプ装置を備えていることを特徴とするテレビジョン受像機。
  29. 請求項1〜26のいずれか1項に記載のアンプ装置を備えていることを特徴とするビデオテープ再生機。
  30. 請求項1〜26のいずれか1項に記載のアンプ装置を備えていることを特徴とするCD再生機。
  31. 請求項1〜26のいずれか1項に記載のアンプ装置を備えていることを特徴とするMD再生機。
  32. 請求項1〜26のいずれか1項に記載のアンプ装置を備えていることを特徴とするDVD再生機。
  33. 請求項1〜26のいずれか1項に記載のアンプ装置を備えていることを特徴とするコンポーネントステレオ。
  34. 請求項1〜26のいずれか1項に記載のアンプ装置を備えていることを特徴とする携帯型ステレオ装置。
  35. 正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子とを備えた、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有するアンプ装置によって、このアンプ装置に接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対して、正相および逆相の信号をそれぞれ出力する信号出力方法において、
    外部機器によって両増幅回路の負端子間が接続されたか否かを検出する検出工程と、
    負端子間が接続された場合に、両増幅回路における負端子の電圧値を0に近づける電圧値調整工程とを含む信号出力方法。
  36. 正相信号を増幅する正相アンプと、逆相信号を増幅する逆相アンプと、正相信号を外部機器に出力する正端子と、逆相信号を外部機器に出力する負端子とを備えた、左チャネル増幅回路および右チャネル増幅回路を有するアンプ装置によって、このアンプ装置に接続された外部機器における左右のチャネルのそれぞれに対して、正相および逆相の信号をそれぞれ出力する信号出力方法において、
    外部機器によって両増幅回路の正端子間が接続されたか否かを検出する検出工程と、
    正端子間が接続された場合に、両増幅回路における正端子の電圧値を0に近づける電圧値調整工程とを含む信号出力方法。
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