JP2004266225A - 半導体記憶素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体記憶素子の高集積化及び微細化が進んでも、強誘電体キャパシタのメモリ動作を確実に行うことができる半導体記憶素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】SOI基板Sを構成するシリコン層1a内に、強誘電体キャパシタCの下部電極7Aと接続され、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3となるP導電型不純物領域(P+ 層)3aと、ジャンクショントランジスタTのソース・ドレイン領域4間を接続するチャネル領域が形成されるN導電型不純物領域(N− 層)3bとを並列して形成する。
【選択図】 図3
【解決手段】SOI基板Sを構成するシリコン層1a内に、強誘電体キャパシタCの下部電極7Aと接続され、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3となるP導電型不純物領域(P+ 層)3aと、ジャンクショントランジスタTのソース・ドレイン領域4間を接続するチャネル領域が形成されるN導電型不純物領域(N− 層)3bとを並列して形成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電体キャパシタを備えた半導体記憶素子及びその製造方法に関し、特に、強誘電体キャパシタのメモリ動作を接合型電解効果トランジスタ(JFET)のチャネル抵抗変調を利用して効率よく行うために有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、強誘電体キャパシタを備えた半導体記憶素子として、半導体基板上に形成された接合型電界効果トランジスタ(ジャンクショントランジスタ)と、このジャンクショントランジスタのゲート領域と接続して形成された強誘電体キャパシタと、を備えた1T(Transistor)1C(Capacitor)型不揮発性メモリセルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図4は、従来の半導体記憶素子の一構成例を示し、(a)はジャンクショントランジスタの構成を説明する平面図、(b)は図4(a)におけるA−A線に沿った断面図、(c)は図4(a)におけるB−B線に沿った断面図である。
図4に示すように、ジャンクショントランジスタTは、P導電型不純物(P− 領域)が導入されたP型シリコン基板10上に、N導電型不純物(N− 領域)が導入されたN型シリコン層10aが形成されており、このN型シリコン層10a内に、P導電型不純物領域(P+ 層)からなるゲート領域30と、このゲート領域30を挟んだ両側に、N導電型不純物領域(N+ 層)からなるソース・ドレイン領域40とが形成されている。
【0004】
強誘電体キャパシタCは、ジャンクショントランジスタTのゲート領域30上方にプラグ60を介して形成されており、このプラグ60の上面に下部電極70Aと、強誘電体膜70Bと、上部電極70Cとが順次積層された構成を有している。
そして、強誘電体キャパシタCが形成された後の第一の層間絶縁層50の上面全体に積層された第二の層間絶縁層80上には配線層90が形成されており、この配線層90は、第一の層間絶縁層50及び第二の層間絶縁層80に形成されたプラグ60を介してジャンクショントランジスタTのソース・ドレイン領域40に接続されているとともに、第二の層間絶縁層80に形成されたプラグ60を介して強誘電体キャパシタCの上部電極70Cに接続されている。
【0005】
このような構成を有する従来の半導体記憶素子は、強誘電体キャパシタCの強誘電体膜70Bに蓄積された電荷により、ジャンクショントランジスタTのゲート領域30近傍に形成される空乏層Aの面積をN型シリコン層10aの膜厚方向(図4(c)における上下方向)に変化させることで、チャネル領域のコンダクタンスを制御し、強誘電体キャパシタCのメモリ動作を行うようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−294389号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の半導体記憶素子においては、ゲート領域30及びソース・ドレイン領域40間のPN接合部がチャネル幅W(図4(a)における上下方向)と略同一寸法に形成されるようになっている。このため、近年の半導体記憶素子の高集積化及び微細化に伴い、強誘電体キャパシタCの強誘電体膜70Bに蓄積可能な電荷量が減少すると、チャネル抵抗変調が減少し、強誘電体キャパシタCのメモリ動作が困難になってしまうおそれがあった。
【0008】
また、近年の半導体記憶素子の高集積化及び微細化に伴い、SOI(Silicon On Insulator)基板が適用されると、シリコン層10aが薄く、ゲート領域30を構成するP導電型不純物領域がシリコン層10a直下の絶縁層に届いてしまうため、空乏層Aが形成できず、チャネル抵抗変調を行うことができないという不具合があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされてたものであり、半導体記憶素子の高集積化及び微細化が進んでも、強誘電体キャパシタのメモリ動作を確実に行うことができる半導体記憶素子及びその製造方法を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明の半導体記憶素子は、SOI基板を構成する半導体層に、第一の導電型不純物領域と第二の導電型不純物領域とが並列して形成され、前記第一の導電型不純物領域は、強誘電体キャパシタの一方の電極と接続されているとともに、前記第二の導電型不純物領域は、ソース領域及びドレイン領域間を接続するチャネル領域が形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
ここで、本発明の半導体記憶素子において、前記第二の導電型不純物領域は、前記第一の導電型不純物領域に挟まれた状態で前記半導体層に並列して形成されているようにしてもよい。
本発明の半導体記憶素子の製造方法は、SOI基板を用意する工程と、前記SOI基板を構成する半導体層に、第一の導電型不純物領域と第二の導電型不純物領域とを並列して形成する工程と、前記第一の導電型不純物領域及び前記第二の導電型不純物領域が形成された前記半導体層の上面全体に、第一の層間絶縁層を形成する工程と、前記第一の層間絶縁層に、前記第一の導電型不純物領域に接続されるコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホールに導電性材料を充填した後、前記第一の導電型不純物領域上方の前記第一の層間絶縁層上に、強誘電体キャパシタを形成する工程と、前記強誘電体キャパシタが形成された前記第一の層間絶縁層の上面全体に、第二の層間絶縁層を形成する工程と、前記第二の層間絶縁層に、前記強誘電体キャパシタに接続されるビアホールを形成する工程と、前記ビアホールに導電性材料を充填した後、前記第二の層間絶縁層上に、配線層を形成する工程と、を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
なお、本発明の半導体記憶素子の製造方法において、コンタクトホールに充填される導電性材料は、その上面に形成される強誘電体キャパシタの下部電極と同一材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。同様に、ビアホールに充填される導電性材料は、その上面に形成される配線層と同一材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
【0013】
ここで、本発明の半導体記憶素子の製造方法において、前記第二の導電型不純物領域は、前記第一の導電型不純物領域で挟まれるように、前記半導体層に並列に形成するようにしてもよい。
このように、本発明の半導体記憶素子によれば、SOI基板を構成する半導体層に、強誘電体キャパシタの一方の電極と接続された第一の導電型不純物領域と、ソース領域及びドレイン領域間を接続するチャネル領域が形成された第二の導電型不純物領域とを並列に形成するようにしたことによって、第一の導電型不純物領域と第二の導電型不純物領域との間に形成される空乏層の面積を半導体層の膜厚に垂直な方向に変化させることで、チャネル領域のコンダクタンスを制御することができるようになる。このため、近年の半導体記憶素子の高集積化及び微細化に伴い、SOI基板が適用されたり、強誘電体キャパシタを構成する強誘電体膜に蓄積可能な電荷量が少なくなったりしても、強誘電体キャパシタのチャネル抵抗変調を確実に行うことが可能となる。
【0014】
本発明の半導体記憶素子の製造方法によれば、本発明の半導体記憶素子を容易に実現することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態は本発明の一例であり、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<第一実施形態>
図1は、本発明における半導体記憶素子の一構成例を示し、(a)はジャンクショントランジスタの構成を説明する平面図、(b)は図1(a)におけるA−A線に沿った断面図、(c)は図1(a)におけるB−B線に沿った断面図である。
【0016】
本実施形態における半導体記憶素子は、図1に示すように、絶縁性基板1上にシリコン層1aが形成されてなるSOI基板S上に形成されており、シリコン層1a内に形成されたジャンクショントランジスタTと、このジャンクショントランジスタTのゲート領域3にプラグ6を介して接続された強誘電体キャパシタCと、を備えている。
【0017】
ジャンクショントランジスタTは、N導電型不純物(N− 領域)が導入されたシリコン層1a内に形成された、ゲート領域3と、このゲート領域3の両側を挟んだシリコン層1a内に形成されたソース・ドレイン領域4と、から構成されている。
ここで、ゲート領域3は、チャネル幅W方向(図1(a)における上下方向)に、N導電型不純物領域(N− 領域)3bを挟んだ状態で並列に形成されたP導電型不純物領域(P+ 領域)3aから構成されている。また、ソース・ドレイン領域4は、N導電型不純物領域(N+ 領域)から構成されている。
【0018】
そして、このジャンクショントランジスタTは、二つのゲート領域3でチャネル幅W方向に挟んで形成されたN導電型不純物領域(N− 領域)3bにチャネル領域が形成され、ソース・ドレイン領域4間に電流が流れるようになっている。
強誘電体キャパシタCは、シリコン層1aの上面全体に形成された第一の層間絶縁層5のうち、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3直上に形成されており、第一の層間絶縁層5上に下部電極7Aと、強誘電体膜7Bと、上部電極7Cとが順次積層された構成を有している。また、第一の層間絶縁層5に開口された第一のコンタクトホールH1内のプラグ6を介して、強誘電体キャパシタCの下部電極7AとジャンクショントランジスタTのゲート領域3とが接続されるようになっている。
【0019】
そして、強誘電体キャパシタCが形成された第一の層間絶縁層5の全上面には、第二の層間絶縁層8と、配線層9とが順次積層されており、第二の層間絶縁層8に開口されたビアホールV内のプラグ6を介して、配線層9と強誘電体キャパシタCの上部電極7Cとを接続するようになっているとともに、第二の層間絶縁層8及び第一の層間絶縁層5に開口された第二のコンタクトホールH2内のプラグ6を介して、配線層9とソース・ドレイン領域4とを接続するようになっている。
【0020】
次に、本実施形態における半導体記憶素子の一製造工程について説明する。
図2は、本発明の半導体記憶素子の一製造工程を示す断面図である。
まず、例えば、シリコン酸化膜などからなる絶縁性基板1上に、シリコン層1aが形成されたSOI基板Sを用意する。そして、このSOI基板S上に、素子領域形成予定部位は覆い、素子分離領域形成予定部位は露出するようなマスク(図示せず)を形成した状態で、公知のCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、シリコン酸化膜などからなる素子分離酸化膜Iを形成する。
【0021】
次いで、図2(a)に示すように、SOI基板Sを構成するシリコン層1aの素子領域形成予定部位に、公知のイオン注入法を用いて、リンイオンなどのN導電型不純物イオンを導入する。ここで、素子領域形成予定部位となるシリコン層1a内に、N導電型不純物領域(N− 領域)3bを形成する。
次いで、SOI基板Sを構成するシリコン層1a上に、ソース・ドレイン領域形成予定部位は露出し、それ以外は覆うようなマスク(図示せず)を形成した状態で、公知のイオン注入法を用いて、リンイオンなどのN導電型不純物イオンを導入する。ここで、図2では図示されていないが、シリコン基板1の素子領域形成予定部位内に、N導電型不純物領域(N+ 領域)からなるソース・ドレイン領域4を形成する。
【0022】
次いで、SOI基板Sを構成するシリコン層1a上に、ゲート領域形成予定部位は露出し、それ以外は覆うようなマスク(図示せず)を形成した状態で、公知のイオン注入法を用いて、ボロンイオンなどのP導電型不純物イオンを導入する。ここで、図1(a)に示すように、素子領域形成予定部位となるシリコン層1a内に、P導電型不純物領域(P+ 層)3aからなる二つのゲート領域3と、この二つのP導電型不純物領域(P+ 層)3aでチャネル幅W方向に挟まれたN導電型不純物領域(N− 層)3bのチャネル長L方向両端に形成されたN導電型不純物領域(N+ 領域)からなるソース・ドレイン領域4と、を備えたジャンクショントランジスタTを形成する。
【0023】
次いで、図2(b)に示すように、ゲート領域3及びソース・ドレイン領域4が形成された後のシリコン層1aの上面全体に、公知のCVD法を用いて、シリコン酸化膜などからなる第一の層間絶縁層5を形成する。
次いで、この第一の層間絶縁層5に、公知のフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、ゲート領域3を構成するP導電型不純物領域3aにそれぞれ接続される第一のコンタクトホールH1を開口する。
【0024】
次いで、図2(c)に示すように、第一の層間絶縁層5に開口した第一のコンタクトホールH1内に、例えばタングステンなどの導電型材料を選択的に成長させることで、プラグ6を形成する。
次いで、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3に接続されるプラグ6が形成された後の第一の層間絶縁層5の全上面に、公知のスパッタ法を用いて、下部電極7Aとなる白金などの金属膜と、強誘電体膜7BとなるPZTなどの強誘電体と、上部電極7Cとなる白金などの金属膜と、を順次成膜する。そして、公知のフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3の直上となる第一の層間絶縁層5上に、所望の強誘電体キャパシタCを形成する。
【0025】
次いで、図2(d)に示すように、強誘電体キャパシタCが形成された後の第一の層間絶縁層5の全上面に、公知のプラズマCVD法を用いて、シリコン酸化膜などからなる第二の層間絶縁層8を形成する。
次いで、第二の層間絶縁層8の上面全体に、公知のCMP(ChemicalMechanical Polishing)法を用いて平坦化処理を施す。
【0026】
次いで、公知のフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、第二の層間絶縁層8のうち、強誘電体キャパシタCの上部電極7Cに接続されるビアホールVを形成する。
次いで、同様に、図2では図示されていないが、第二の層間絶縁層8のうち、ジャンクショントランジスタTのソース・ドレイン領域4にそれぞれ接続される第二のコンタクトホールH2を形成する。
【0027】
次いで、図2(e)に示すように、第二の層間絶縁層8に開口したビアホールV及び第二のコンタクトホールH2内に、例えばタングステンなどの導電型材料を選択的に成長させることで、プラグ6を形成する。
なお、第二の層間絶縁層8にビアホールVと第二のコンタクトホールH2を形成する工程は、どちらの工程を先に行うようにしても構わない。
【0028】
次いで、ジャンクショントランジスタTのソース・ドレイン領域4及び強誘電体キャパシタCの上部電極7Cにそれぞれ接続されるプラグ6が形成された後の第二の層間絶縁層5の全上面に、公知のスパッタ法を用いて、アルミニウムを主とする合金などからなる配線層9用の金属膜を成膜する。そして、図1(b)、(c)に示すように、公知のフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、第二の層間絶縁層8の上面に、ジャンクショントランジスタT及び強誘電体キャパシタCと接続される所望の配線層9を形成する。
【0029】
そして、本実施形態における半導体記憶素子は、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3が強誘電体キャパシタCを介してワード線と接続され、同様にソース領域4はグランド線と、ドレイン領域4はビット線とそれぞれ接続して回路を形成し、不揮発性メモリとして機能する半導体記憶素子を完成させる。
次に、本実施形態における半導体記憶素子の不揮発性メモリとしての一動作例について説明する。
【0030】
まず、データ「1」を書き込む場合には、ソース・ドレイン領域4の両方に、例えば−3Vの電圧を印加することで、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3に存在する負の電荷(電子)が第一のコンタクトホールH1内のプラグ6を介して、強誘電体キャパシタC6の強誘電体膜7Bに蓄積される。ここで、電源を切っても、強誘電体キャパシタCの強誘電体膜7B内には電荷がそのままの状態で保持されるため、強誘電体キャパシタCは、データ「1」を記録しておくことができる。
【0031】
そして、強誘電体キャパシタCに蓄積されたデータを読み出す場合は、ソース・ドレイン領域4間に、例えば+3Vの逆バイアス電圧を印加した後、ドレイン領域には+3Vの電圧を印加した状態で、ソース領域のみに0Vの電圧を印加する。このとき、ソース・ドレイン領域4間に流れる電流の大きさによって、強誘電体キャパシタCに蓄積されたデータの判断を行う。ここで、PN接合部に逆バイアス電圧が印加されると、空乏層Aがチャネル領域に向かって拡大する構成となっている。つまり、空乏層Aが大きく拡大すると、チャネル領域が縮小され電流の流れが小さくなり、一方、空乏層Aの拡大が小さいと、チャネル領域は縮小されないため電流の流れも大きくなる。
【0032】
つまり、データ「1」が書き込まれた強誘電体キャパシタCの場合には、ゲート領域3の電位が低めであるため、ソース・ドレイン領域4間に流れる電流が小さくなる。一方、データ「1」が書き込まれていない強誘電体キャパシタCの場合には、ゲート領域3の電位が高めであるため、ソース・ドレイン領域4間に流れる電流は大きくなる。
【0033】
なお、本実施形態における半導体記憶素子においては、一度データを読み出すと、強誘電体キャパシタC内のデータはゼロとなるため、読み出したデータを基に、再度データ「1」を書き込むようになっている。
このように、本発明の半導体記憶素子によれば、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3を構成するP型導電型不純物領域(P+ 層)3aが、チャネル幅W方向でN型導電型不純物領域(N− 層)3bを挟むように並列して形成されていることによって、ゲート領域3及びソース・ドレイン領域4間のチャネル領域に形成される空乏層Aの面積をシリコン層1aの膜厚に垂直な方向に変化させることで、チャネル領域のコンダクタンスを制御することができるようになる。このため、近年の半導体記憶素子の高集積化及び微細化に伴い、SOI基板が適用されたり、強誘電体キャパシタCを構成する強誘電体膜7Bに蓄積可能な電荷量が少なくなったりしても、強誘電体キャパシタCのチャネル抵抗変調を確実に行うことが可能となる。
<第二実施形態>
図3は、本発明の半導体記憶素子の他の構成例を示し、(a)はジャンクショントランジスタの構成を説明する平面図、(b)は図3(a)におけるA−A線に沿った断面図である。
【0034】
本実施形態における半導体記憶素子は、図3に示すように、第一実施形態で説明した半導体記憶素子において、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3を構成するP導電型不純物領域(P+ 領域)3aと、一つのN導電型不純物領域(N− 領域)3bとを、チャネル幅W方向(図3における上下方向)に並列に形成するようにしたものである。
【0035】
本実施形態における半導体記憶素子によれば、ゲート領域3を構成するP導電型不純物領域(P+ 領域)3aと、一つのN導電型不純物領域(N− 領域)3bとをチャネル幅W方向に並列に形成したことによって、第一実施形態と同様の効果が得られるとともに、第一実施形態で説明した半導体記憶素子よりも小型化を実現することが可能となる。
【0036】
なお、第一及び第二実施形態で説明した半導体記憶素子においては、ゲート領域3を、N導電型不純物領域(N− 領域)3bが隣接されたP導電型不純物領域(P+ 領域)3aで構成し、且つ、ソース・ドレイン領域4をN導電型不純物領域で構成することで、チャネル領域を負の電荷(電子)が通過するようにしたが、チャネル領域を正の電荷(正孔)が通過するようにしてもかまわない。この場合、上述したゲート電極3をP導電型不純物領域3aが隣接されたN導電型不純物領域3bで構成し、且つ、ソース・ドレイン領域4をP導電型不純物領域で構成する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における半導体記憶素子の一構成例を示し、(a)はジャンクショントランジスタの構成を説明する平面図、(b)は図1(a)におけるA−A線に沿った断面図、(c)は図1(a)におけるB−B線に沿った断面図である。
【図2】本発明における半導体記憶素子の一製造工程を示す断面図である。
【図3】本発明における半導体記憶素子の他の構成例を示し、(a)はジャンクショントランジスタの構成を説明する平面図、(b)は図3(a)におけるA−A線に沿った断面図である。
【図4】従来の半導体記憶素子の一構成例を示し、(a)はジャンクショントランジスタの構成を説明する平面図、(b)は図4(a)におけるA−A線に沿った断面図、(c)は図4(a)におけるB−B線に沿った断面図である。
【符号の説明】1、10…シリコン基板。1a、10a…シリコン層。3、30…ゲート領域。4、40…ソース・ドレイン領域。5、50…第一の層間絶縁層。6、60…プラグ。7A、70A…下部電極。7B、70B…強誘電体膜。7C、70C…上部電極。8、80…第二の層間絶縁層。9、90…配線層。C…強誘電体キャパシタ。T…ジャンクショントランジスタ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電体キャパシタを備えた半導体記憶素子及びその製造方法に関し、特に、強誘電体キャパシタのメモリ動作を接合型電解効果トランジスタ(JFET)のチャネル抵抗変調を利用して効率よく行うために有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、強誘電体キャパシタを備えた半導体記憶素子として、半導体基板上に形成された接合型電界効果トランジスタ(ジャンクショントランジスタ)と、このジャンクショントランジスタのゲート領域と接続して形成された強誘電体キャパシタと、を備えた1T(Transistor)1C(Capacitor)型不揮発性メモリセルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図4は、従来の半導体記憶素子の一構成例を示し、(a)はジャンクショントランジスタの構成を説明する平面図、(b)は図4(a)におけるA−A線に沿った断面図、(c)は図4(a)におけるB−B線に沿った断面図である。
図4に示すように、ジャンクショントランジスタTは、P導電型不純物(P− 領域)が導入されたP型シリコン基板10上に、N導電型不純物(N− 領域)が導入されたN型シリコン層10aが形成されており、このN型シリコン層10a内に、P導電型不純物領域(P+ 層)からなるゲート領域30と、このゲート領域30を挟んだ両側に、N導電型不純物領域(N+ 層)からなるソース・ドレイン領域40とが形成されている。
【0004】
強誘電体キャパシタCは、ジャンクショントランジスタTのゲート領域30上方にプラグ60を介して形成されており、このプラグ60の上面に下部電極70Aと、強誘電体膜70Bと、上部電極70Cとが順次積層された構成を有している。
そして、強誘電体キャパシタCが形成された後の第一の層間絶縁層50の上面全体に積層された第二の層間絶縁層80上には配線層90が形成されており、この配線層90は、第一の層間絶縁層50及び第二の層間絶縁層80に形成されたプラグ60を介してジャンクショントランジスタTのソース・ドレイン領域40に接続されているとともに、第二の層間絶縁層80に形成されたプラグ60を介して強誘電体キャパシタCの上部電極70Cに接続されている。
【0005】
このような構成を有する従来の半導体記憶素子は、強誘電体キャパシタCの強誘電体膜70Bに蓄積された電荷により、ジャンクショントランジスタTのゲート領域30近傍に形成される空乏層Aの面積をN型シリコン層10aの膜厚方向(図4(c)における上下方向)に変化させることで、チャネル領域のコンダクタンスを制御し、強誘電体キャパシタCのメモリ動作を行うようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−294389号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の半導体記憶素子においては、ゲート領域30及びソース・ドレイン領域40間のPN接合部がチャネル幅W(図4(a)における上下方向)と略同一寸法に形成されるようになっている。このため、近年の半導体記憶素子の高集積化及び微細化に伴い、強誘電体キャパシタCの強誘電体膜70Bに蓄積可能な電荷量が減少すると、チャネル抵抗変調が減少し、強誘電体キャパシタCのメモリ動作が困難になってしまうおそれがあった。
【0008】
また、近年の半導体記憶素子の高集積化及び微細化に伴い、SOI(Silicon On Insulator)基板が適用されると、シリコン層10aが薄く、ゲート領域30を構成するP導電型不純物領域がシリコン層10a直下の絶縁層に届いてしまうため、空乏層Aが形成できず、チャネル抵抗変調を行うことができないという不具合があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされてたものであり、半導体記憶素子の高集積化及び微細化が進んでも、強誘電体キャパシタのメモリ動作を確実に行うことができる半導体記憶素子及びその製造方法を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明の半導体記憶素子は、SOI基板を構成する半導体層に、第一の導電型不純物領域と第二の導電型不純物領域とが並列して形成され、前記第一の導電型不純物領域は、強誘電体キャパシタの一方の電極と接続されているとともに、前記第二の導電型不純物領域は、ソース領域及びドレイン領域間を接続するチャネル領域が形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
ここで、本発明の半導体記憶素子において、前記第二の導電型不純物領域は、前記第一の導電型不純物領域に挟まれた状態で前記半導体層に並列して形成されているようにしてもよい。
本発明の半導体記憶素子の製造方法は、SOI基板を用意する工程と、前記SOI基板を構成する半導体層に、第一の導電型不純物領域と第二の導電型不純物領域とを並列して形成する工程と、前記第一の導電型不純物領域及び前記第二の導電型不純物領域が形成された前記半導体層の上面全体に、第一の層間絶縁層を形成する工程と、前記第一の層間絶縁層に、前記第一の導電型不純物領域に接続されるコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホールに導電性材料を充填した後、前記第一の導電型不純物領域上方の前記第一の層間絶縁層上に、強誘電体キャパシタを形成する工程と、前記強誘電体キャパシタが形成された前記第一の層間絶縁層の上面全体に、第二の層間絶縁層を形成する工程と、前記第二の層間絶縁層に、前記強誘電体キャパシタに接続されるビアホールを形成する工程と、前記ビアホールに導電性材料を充填した後、前記第二の層間絶縁層上に、配線層を形成する工程と、を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
なお、本発明の半導体記憶素子の製造方法において、コンタクトホールに充填される導電性材料は、その上面に形成される強誘電体キャパシタの下部電極と同一材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。同様に、ビアホールに充填される導電性材料は、その上面に形成される配線層と同一材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
【0013】
ここで、本発明の半導体記憶素子の製造方法において、前記第二の導電型不純物領域は、前記第一の導電型不純物領域で挟まれるように、前記半導体層に並列に形成するようにしてもよい。
このように、本発明の半導体記憶素子によれば、SOI基板を構成する半導体層に、強誘電体キャパシタの一方の電極と接続された第一の導電型不純物領域と、ソース領域及びドレイン領域間を接続するチャネル領域が形成された第二の導電型不純物領域とを並列に形成するようにしたことによって、第一の導電型不純物領域と第二の導電型不純物領域との間に形成される空乏層の面積を半導体層の膜厚に垂直な方向に変化させることで、チャネル領域のコンダクタンスを制御することができるようになる。このため、近年の半導体記憶素子の高集積化及び微細化に伴い、SOI基板が適用されたり、強誘電体キャパシタを構成する強誘電体膜に蓄積可能な電荷量が少なくなったりしても、強誘電体キャパシタのチャネル抵抗変調を確実に行うことが可能となる。
【0014】
本発明の半導体記憶素子の製造方法によれば、本発明の半導体記憶素子を容易に実現することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態は本発明の一例であり、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<第一実施形態>
図1は、本発明における半導体記憶素子の一構成例を示し、(a)はジャンクショントランジスタの構成を説明する平面図、(b)は図1(a)におけるA−A線に沿った断面図、(c)は図1(a)におけるB−B線に沿った断面図である。
【0016】
本実施形態における半導体記憶素子は、図1に示すように、絶縁性基板1上にシリコン層1aが形成されてなるSOI基板S上に形成されており、シリコン層1a内に形成されたジャンクショントランジスタTと、このジャンクショントランジスタTのゲート領域3にプラグ6を介して接続された強誘電体キャパシタCと、を備えている。
【0017】
ジャンクショントランジスタTは、N導電型不純物(N− 領域)が導入されたシリコン層1a内に形成された、ゲート領域3と、このゲート領域3の両側を挟んだシリコン層1a内に形成されたソース・ドレイン領域4と、から構成されている。
ここで、ゲート領域3は、チャネル幅W方向(図1(a)における上下方向)に、N導電型不純物領域(N− 領域)3bを挟んだ状態で並列に形成されたP導電型不純物領域(P+ 領域)3aから構成されている。また、ソース・ドレイン領域4は、N導電型不純物領域(N+ 領域)から構成されている。
【0018】
そして、このジャンクショントランジスタTは、二つのゲート領域3でチャネル幅W方向に挟んで形成されたN導電型不純物領域(N− 領域)3bにチャネル領域が形成され、ソース・ドレイン領域4間に電流が流れるようになっている。
強誘電体キャパシタCは、シリコン層1aの上面全体に形成された第一の層間絶縁層5のうち、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3直上に形成されており、第一の層間絶縁層5上に下部電極7Aと、強誘電体膜7Bと、上部電極7Cとが順次積層された構成を有している。また、第一の層間絶縁層5に開口された第一のコンタクトホールH1内のプラグ6を介して、強誘電体キャパシタCの下部電極7AとジャンクショントランジスタTのゲート領域3とが接続されるようになっている。
【0019】
そして、強誘電体キャパシタCが形成された第一の層間絶縁層5の全上面には、第二の層間絶縁層8と、配線層9とが順次積層されており、第二の層間絶縁層8に開口されたビアホールV内のプラグ6を介して、配線層9と強誘電体キャパシタCの上部電極7Cとを接続するようになっているとともに、第二の層間絶縁層8及び第一の層間絶縁層5に開口された第二のコンタクトホールH2内のプラグ6を介して、配線層9とソース・ドレイン領域4とを接続するようになっている。
【0020】
次に、本実施形態における半導体記憶素子の一製造工程について説明する。
図2は、本発明の半導体記憶素子の一製造工程を示す断面図である。
まず、例えば、シリコン酸化膜などからなる絶縁性基板1上に、シリコン層1aが形成されたSOI基板Sを用意する。そして、このSOI基板S上に、素子領域形成予定部位は覆い、素子分離領域形成予定部位は露出するようなマスク(図示せず)を形成した状態で、公知のCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、シリコン酸化膜などからなる素子分離酸化膜Iを形成する。
【0021】
次いで、図2(a)に示すように、SOI基板Sを構成するシリコン層1aの素子領域形成予定部位に、公知のイオン注入法を用いて、リンイオンなどのN導電型不純物イオンを導入する。ここで、素子領域形成予定部位となるシリコン層1a内に、N導電型不純物領域(N− 領域)3bを形成する。
次いで、SOI基板Sを構成するシリコン層1a上に、ソース・ドレイン領域形成予定部位は露出し、それ以外は覆うようなマスク(図示せず)を形成した状態で、公知のイオン注入法を用いて、リンイオンなどのN導電型不純物イオンを導入する。ここで、図2では図示されていないが、シリコン基板1の素子領域形成予定部位内に、N導電型不純物領域(N+ 領域)からなるソース・ドレイン領域4を形成する。
【0022】
次いで、SOI基板Sを構成するシリコン層1a上に、ゲート領域形成予定部位は露出し、それ以外は覆うようなマスク(図示せず)を形成した状態で、公知のイオン注入法を用いて、ボロンイオンなどのP導電型不純物イオンを導入する。ここで、図1(a)に示すように、素子領域形成予定部位となるシリコン層1a内に、P導電型不純物領域(P+ 層)3aからなる二つのゲート領域3と、この二つのP導電型不純物領域(P+ 層)3aでチャネル幅W方向に挟まれたN導電型不純物領域(N− 層)3bのチャネル長L方向両端に形成されたN導電型不純物領域(N+ 領域)からなるソース・ドレイン領域4と、を備えたジャンクショントランジスタTを形成する。
【0023】
次いで、図2(b)に示すように、ゲート領域3及びソース・ドレイン領域4が形成された後のシリコン層1aの上面全体に、公知のCVD法を用いて、シリコン酸化膜などからなる第一の層間絶縁層5を形成する。
次いで、この第一の層間絶縁層5に、公知のフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、ゲート領域3を構成するP導電型不純物領域3aにそれぞれ接続される第一のコンタクトホールH1を開口する。
【0024】
次いで、図2(c)に示すように、第一の層間絶縁層5に開口した第一のコンタクトホールH1内に、例えばタングステンなどの導電型材料を選択的に成長させることで、プラグ6を形成する。
次いで、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3に接続されるプラグ6が形成された後の第一の層間絶縁層5の全上面に、公知のスパッタ法を用いて、下部電極7Aとなる白金などの金属膜と、強誘電体膜7BとなるPZTなどの強誘電体と、上部電極7Cとなる白金などの金属膜と、を順次成膜する。そして、公知のフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3の直上となる第一の層間絶縁層5上に、所望の強誘電体キャパシタCを形成する。
【0025】
次いで、図2(d)に示すように、強誘電体キャパシタCが形成された後の第一の層間絶縁層5の全上面に、公知のプラズマCVD法を用いて、シリコン酸化膜などからなる第二の層間絶縁層8を形成する。
次いで、第二の層間絶縁層8の上面全体に、公知のCMP(ChemicalMechanical Polishing)法を用いて平坦化処理を施す。
【0026】
次いで、公知のフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、第二の層間絶縁層8のうち、強誘電体キャパシタCの上部電極7Cに接続されるビアホールVを形成する。
次いで、同様に、図2では図示されていないが、第二の層間絶縁層8のうち、ジャンクショントランジスタTのソース・ドレイン領域4にそれぞれ接続される第二のコンタクトホールH2を形成する。
【0027】
次いで、図2(e)に示すように、第二の層間絶縁層8に開口したビアホールV及び第二のコンタクトホールH2内に、例えばタングステンなどの導電型材料を選択的に成長させることで、プラグ6を形成する。
なお、第二の層間絶縁層8にビアホールVと第二のコンタクトホールH2を形成する工程は、どちらの工程を先に行うようにしても構わない。
【0028】
次いで、ジャンクショントランジスタTのソース・ドレイン領域4及び強誘電体キャパシタCの上部電極7Cにそれぞれ接続されるプラグ6が形成された後の第二の層間絶縁層5の全上面に、公知のスパッタ法を用いて、アルミニウムを主とする合金などからなる配線層9用の金属膜を成膜する。そして、図1(b)、(c)に示すように、公知のフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、第二の層間絶縁層8の上面に、ジャンクショントランジスタT及び強誘電体キャパシタCと接続される所望の配線層9を形成する。
【0029】
そして、本実施形態における半導体記憶素子は、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3が強誘電体キャパシタCを介してワード線と接続され、同様にソース領域4はグランド線と、ドレイン領域4はビット線とそれぞれ接続して回路を形成し、不揮発性メモリとして機能する半導体記憶素子を完成させる。
次に、本実施形態における半導体記憶素子の不揮発性メモリとしての一動作例について説明する。
【0030】
まず、データ「1」を書き込む場合には、ソース・ドレイン領域4の両方に、例えば−3Vの電圧を印加することで、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3に存在する負の電荷(電子)が第一のコンタクトホールH1内のプラグ6を介して、強誘電体キャパシタC6の強誘電体膜7Bに蓄積される。ここで、電源を切っても、強誘電体キャパシタCの強誘電体膜7B内には電荷がそのままの状態で保持されるため、強誘電体キャパシタCは、データ「1」を記録しておくことができる。
【0031】
そして、強誘電体キャパシタCに蓄積されたデータを読み出す場合は、ソース・ドレイン領域4間に、例えば+3Vの逆バイアス電圧を印加した後、ドレイン領域には+3Vの電圧を印加した状態で、ソース領域のみに0Vの電圧を印加する。このとき、ソース・ドレイン領域4間に流れる電流の大きさによって、強誘電体キャパシタCに蓄積されたデータの判断を行う。ここで、PN接合部に逆バイアス電圧が印加されると、空乏層Aがチャネル領域に向かって拡大する構成となっている。つまり、空乏層Aが大きく拡大すると、チャネル領域が縮小され電流の流れが小さくなり、一方、空乏層Aの拡大が小さいと、チャネル領域は縮小されないため電流の流れも大きくなる。
【0032】
つまり、データ「1」が書き込まれた強誘電体キャパシタCの場合には、ゲート領域3の電位が低めであるため、ソース・ドレイン領域4間に流れる電流が小さくなる。一方、データ「1」が書き込まれていない強誘電体キャパシタCの場合には、ゲート領域3の電位が高めであるため、ソース・ドレイン領域4間に流れる電流は大きくなる。
【0033】
なお、本実施形態における半導体記憶素子においては、一度データを読み出すと、強誘電体キャパシタC内のデータはゼロとなるため、読み出したデータを基に、再度データ「1」を書き込むようになっている。
このように、本発明の半導体記憶素子によれば、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3を構成するP型導電型不純物領域(P+ 層)3aが、チャネル幅W方向でN型導電型不純物領域(N− 層)3bを挟むように並列して形成されていることによって、ゲート領域3及びソース・ドレイン領域4間のチャネル領域に形成される空乏層Aの面積をシリコン層1aの膜厚に垂直な方向に変化させることで、チャネル領域のコンダクタンスを制御することができるようになる。このため、近年の半導体記憶素子の高集積化及び微細化に伴い、SOI基板が適用されたり、強誘電体キャパシタCを構成する強誘電体膜7Bに蓄積可能な電荷量が少なくなったりしても、強誘電体キャパシタCのチャネル抵抗変調を確実に行うことが可能となる。
<第二実施形態>
図3は、本発明の半導体記憶素子の他の構成例を示し、(a)はジャンクショントランジスタの構成を説明する平面図、(b)は図3(a)におけるA−A線に沿った断面図である。
【0034】
本実施形態における半導体記憶素子は、図3に示すように、第一実施形態で説明した半導体記憶素子において、ジャンクショントランジスタTのゲート領域3を構成するP導電型不純物領域(P+ 領域)3aと、一つのN導電型不純物領域(N− 領域)3bとを、チャネル幅W方向(図3における上下方向)に並列に形成するようにしたものである。
【0035】
本実施形態における半導体記憶素子によれば、ゲート領域3を構成するP導電型不純物領域(P+ 領域)3aと、一つのN導電型不純物領域(N− 領域)3bとをチャネル幅W方向に並列に形成したことによって、第一実施形態と同様の効果が得られるとともに、第一実施形態で説明した半導体記憶素子よりも小型化を実現することが可能となる。
【0036】
なお、第一及び第二実施形態で説明した半導体記憶素子においては、ゲート領域3を、N導電型不純物領域(N− 領域)3bが隣接されたP導電型不純物領域(P+ 領域)3aで構成し、且つ、ソース・ドレイン領域4をN導電型不純物領域で構成することで、チャネル領域を負の電荷(電子)が通過するようにしたが、チャネル領域を正の電荷(正孔)が通過するようにしてもかまわない。この場合、上述したゲート電極3をP導電型不純物領域3aが隣接されたN導電型不純物領域3bで構成し、且つ、ソース・ドレイン領域4をP導電型不純物領域で構成する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における半導体記憶素子の一構成例を示し、(a)はジャンクショントランジスタの構成を説明する平面図、(b)は図1(a)におけるA−A線に沿った断面図、(c)は図1(a)におけるB−B線に沿った断面図である。
【図2】本発明における半導体記憶素子の一製造工程を示す断面図である。
【図3】本発明における半導体記憶素子の他の構成例を示し、(a)はジャンクショントランジスタの構成を説明する平面図、(b)は図3(a)におけるA−A線に沿った断面図である。
【図4】従来の半導体記憶素子の一構成例を示し、(a)はジャンクショントランジスタの構成を説明する平面図、(b)は図4(a)におけるA−A線に沿った断面図、(c)は図4(a)におけるB−B線に沿った断面図である。
【符号の説明】1、10…シリコン基板。1a、10a…シリコン層。3、30…ゲート領域。4、40…ソース・ドレイン領域。5、50…第一の層間絶縁層。6、60…プラグ。7A、70A…下部電極。7B、70B…強誘電体膜。7C、70C…上部電極。8、80…第二の層間絶縁層。9、90…配線層。C…強誘電体キャパシタ。T…ジャンクショントランジスタ。
Claims (4)
- SOI基板を構成する半導体層に、第一の導電型不純物領域と第二の導電型不純物領域とが並列して形成され、
前記第一の導電型不純物領域は、強誘電体キャパシタの一方の電極と接続されているとともに、
前記第二の導電型不純物領域は、ソース領域及びドレイン領域間を接続するチャネル領域が形成されていることを特徴とする半導体記憶素子。 - 前記第二の導電型不純物領域は、前記第一の導電型不純物領域に挟まれた状態で前記半導体層に並列して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶素子。
- SOI基板を用意する工程と、
前記SOI基板を構成する半導体層に、第一の導電型不純物領域と第二の導電型不純物領域とを並列して形成する工程と、
前記第一の導電型不純物領域及び前記第二の導電型不純物領域が形成された前記半導体層の上面全体に、第一の層間絶縁層を形成する工程と、
前記第一の層間絶縁層に、前記第一の導電型不純物領域に接続されるコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホールに導電性材料を充填した後、前記第一の導電型不純物領域上方の前記第一の層間絶縁層上に、強誘電体キャパシタを形成する工程と、
前記強誘電体キャパシタが形成された前記第一の層間絶縁層の上面全体に、第二の層間絶縁層を形成する工程と、
前記第二の層間絶縁層に、前記強誘電体キャパシタに接続されるビアホールを形成する工程と、
前記ビアホールに導電性材料を充填した後、前記第二の層間絶縁層上に、配線層を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする半導体記憶素子の製造方法。 - 前記第二の導電型不純物領域は、前記第一の導電型不純物領域で挟まれるように、前記半導体層に並列に形成することを特徴とする請求項3に記載の半導体記憶素子の製造方法。
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