JP2004266162A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】防水機構の簡素化を図り着脱作業を容易なケーブル保持機構を提供する。
【解決手段】電源ケーブル18と、筐体に設けられ、電源ケーブルが挿通される挿通孔51と、挿通孔上に配設され、電源ケーブルが挿通されると共に外周面にねじ溝52dが形成された筒部52aを有し、挿通孔の周囲に取り付けられる第1のホルダ52と、弾性体で形成され、第1のホルダと挿通孔周囲の筐体との間に配設されるゴムパッキン54と、弾性体により形成されると共に電源ケーブルが挿通される貫通孔55aが形成され、第1のホルダの筒部を閉塞するように配設されるゴムパッキン55と、ゴムパッキン55より剛性を有し、ゴムパッキン55に重ね合わせて配設されるワッシャ56と、電源ケーブルが挿通され、第1のホルダとの間にゴムパッキン55及びワッシャを介在させて第1のホルダの筒部に形成されたねじ溝に締め付けられる第2のホルダ57とを備える。
【選択図】 図10
【解決手段】電源ケーブル18と、筐体に設けられ、電源ケーブルが挿通される挿通孔51と、挿通孔上に配設され、電源ケーブルが挿通されると共に外周面にねじ溝52dが形成された筒部52aを有し、挿通孔の周囲に取り付けられる第1のホルダ52と、弾性体で形成され、第1のホルダと挿通孔周囲の筐体との間に配設されるゴムパッキン54と、弾性体により形成されると共に電源ケーブルが挿通される貫通孔55aが形成され、第1のホルダの筒部を閉塞するように配設されるゴムパッキン55と、ゴムパッキン55より剛性を有し、ゴムパッキン55に重ね合わせて配設されるワッシャ56と、電源ケーブルが挿通され、第1のホルダとの間にゴムパッキン55及びワッシャを介在させて第1のホルダの筒部に形成されたねじ溝に締め付けられる第2のホルダ57とを備える。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防水性を備えたケーブルの防水機構を備えた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
監視カメラは、室内や屋外に長期間設置されるものであり、特に、屋外に設置される場合風雨に曝されることから、監視カメラの保護のため、防水する必要がある。そこで、監視カメラは、防水ケースに収納してから所定箇所に設置される。監視カメラの設置時において、防水ケースからは、監視カメラから導出された電源ケーブルを外部に導出する必要がある。そこで、設置時において、設置者が所定の防水機構を用いて防水ケースから電源ケーブルを防水ケース外に導出するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
防水機構は、設置者により取り付けられるため、電源ケーブルの導出部の防水の程度は、設置者の技能等に依存してしまい、仮に、防水が不完全であるときには、防水ケースに収納された監視カメラが湿気で故障してしまうことになる。
【0004】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、筐体のケーブルの導出部に用いられる新規な防水機構を備えた電子機器を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、防水機構の簡素化を図り着脱作業を容易に行うことができるようにすると共に、防水機能を高めた電子機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電子機器は、上述した課題を解決すべく、機器本体と外部とを電気的に接続するケーブルと、筐体に設けられ、上記ケーブルが挿通される挿通孔と、上記挿通孔上に配設され、上記ケーブルが挿通されると共に外周面にねじ溝が形成された筒部を有し、上記挿通孔の周囲に取り付けられる第1のホルダと、弾性体で形成され、上記第1のホルダと上記挿通孔周囲の筐体との間に配設される第1のパッキンと、弾性体により形成されると共に上記ケーブルが挿通される貫通孔が形成され、上記第1のホルダの筒部を閉塞するように配設される第2のパッキンと、上記第2のパッキンより剛性を有し、上記第2のパッキンに重ね合わせて配設されるワッシャと、上記ケーブルが挿通され、上記第1のホルダとの間に上記第2のパッキン及びワッシャを介在させて上記第1のホルダの筒部に形成されたねじ溝に締め付けられる第2のホルダとを備える。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る撮像装置が適用された監視カメラについて、図面を参照して説明する。
【0008】
図1に示すように、本発明を適用した監視カメラ10は、屋外に設置されるものであって、倉庫等の建物1の外壁2の屋根近傍の上部に設置され、設置位置から斜め下方を広範に撮影する。
【0009】
具体的に、この監視カメラ10は、図2及び図3に示すように、略矩形の本体部11と、この本体部11の前方に設けられる撮像部12と、本体部11及び撮像部12の上側に設けられる天井部13と、本体部11及び撮像部12の下側に設けられる底面部14とを備える。
【0010】
本体部11は、略矩形に形成され、背面側は、建物1の外壁2に設置できるように略面一をなすように形成されている。この本体部11内には、主として、監視カメラ10の全体を制御する制御回路部等が内蔵されている。
【0011】
本体部11の前方に設けられる撮像部12は、本体部11と一体的に設けられる光透過性の合成樹脂板等からなる光透過部15が設けられ、内部に、撮像機器16として、CCD(Charge−Coupled Devices)等で構成されたディジタルスチルカメラが収納されている。この撮像機器16は、遠方の被写体を拡大して撮影することができるようにズーム機能を有している。ズーム機能を有した撮像機器16は、画角が小さい。そこで、撮像部12内には、図示しないが撮像機器16をパン方向及び/又はチルト方向に回動させるためのパン及び/又はチルト機構が設けられている。光透過部15は、パン及び/又はチルト機構により可動される撮像機器16の上下左右の撮影可能範囲をできる限る大きくすることができるように、略球面をなすように形成されている。
【0012】
例えば図4に示すように、監視カメラ10は、パン及び/又はチルト機構を用いて撮像機器16を可動することによって、例えば左側から右側に向かって1〜i枚撮影し、更に上側から下側に向かって1〜j枚撮影する。そして、監視カメラ10は、画像表示装置に出力し、1〜i及び1〜jまでの画像をマトリクス状に整列させて一度に表示する。監視カメラ10は、このように撮影した画像を経時的に整列することで、看者が画像の変化を容易に識別することができるようにしている。
【0013】
なお、撮像機器16としては、ディジタルスチルカメラの他に、アナログのスチルカメラであってもよく、更には、ディジタル又はアナログのビデオカメラであってもよい。
【0014】
天井部13は、図2及び図3に示すように、本体部11と撮像部12の上側に設けられ、先端側が略円弧状をなすように形成されている。この天井部13内には、制御回路部、撮像機器16、パン及び/又はチルト機構に電力を供給するための電源部が内蔵されている。電源部は、筐体内に内蔵される部品の内で最も熱を発する部分である。電源部から放出される熱気は上方に移動するものであり、そこで、監視カメラ10は、電源部を天井部13に配設して、本体部11内の制御回路部や撮像機器16より上側に位置させることで、制御回路部や撮像機器16が熱によって故障しないようにしている。また、天井部13の先端部は、光透過部15の基端部より張り出し形成されており、光透過部15の屋根部となっている。
【0015】
底面部14は、本体部11と撮像部12の下側に設けられ、天井部13と同様に、先端側が略円弧状をなすように形成されている。底面部14は、例えば設置台に設置されるとき、その監視カメラ10の支持台として機能する。また、底面部14の先端部も、天井部13と同様に、光透過部15の基端部より張り出し形成されており、下方より異物が光透過部15に付着しないようにするガードとなっている。
【0016】
底面部14の背面側コーナ部には、凹部17が設けられている。この凹部17からは、天井部13に配設される電源部に電気的に接続される電源ケーブル18が外部に導出されると共に、本体部11に配設される制御回路部に電気的に接続されるネットワークケーブル19が外部に導出される。
【0017】
なお、凹部17からは、更に、内部の熱を外部に放出するための熱放出部材を導出するようにしてもよい。
【0018】
ところで、このような監視カメラ10は、本体部11内の制御回路部や天井部13の電源部や電源ケーブル18の修理交換の必要が生じるときがある。また、監視カメラ10を建物2の外壁3に設置するときにコンセントまでが遠く既設の電源ケーブルの長さが不足するため、長い電源ケーブルに交換する必要が生じるときがある。このような作業のときのため、本体部11は、図5に示すように、本体部11の外筐の一部を構成する背面パネル21と天井部13の外筐の一部を構成する天板パネル22を容易に着脱することができるように構成されている。
【0019】
図6及び図7に示すように、本体部11には、ベース23とベース23に回動可能に取り付けられる第1の回動支持板24とが内蔵される。ベース23は、図7に示すように、板金等の略矩形をなす板状体であり、一方の短辺に、底面部14に対して略垂直に固定するための複数の固定片25が設けられている。各固定片25には、図示しないが貫通孔が穿設されており、ベース23は、固定片25の貫通孔に止めねじを挿通させて底面部14に固定される。ベース23には、底面部14側に、支持片26が設けられている。支持片26には、監視カメラ10の制御回路部等が組み込まれる第1の回動支持板24が回動可能に取り付けられる。
【0020】
第1の回動支持板24は、板金等で略矩形をなすように形成され、一方の短辺側に、突片27が設けられている。第1の回動支持板24は、ベース23の支持片26と突片27とを重ね合わせ各片に穿設された軸穴に止めねじ28を挿通することによって、ここを回動支点として、ベース23に対して回動可能に支持される。
【0021】
第1の回動支持板24には、監視カメラ10の全体を制御するための制御回路部29が設けられる。具体的に、制御回路部29は、一又は複数のプリント配線基板29aに、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等の電子部品が実装されると共に、ネットワークゲーブルが接続されるジャック29b等が実装されてなる。
【0022】
また、ベース23には、天井部13側の他方の短辺に、電源部が組み込まれる第2の回動支持板31を回動可能に支持する支持片32が設けられている。第2の回動支持板31は、板金等で略矩形をなすように形成され、本体部11側の短辺側であって撮像部12側に、図示しない突片が設けられている。第2の回動支持板31は、ベース23の支持片32と突片とを重ね合わせ各片に穿設された軸穴に止めねじ34を挿通することによって、ここを回動支点として、ベース23に対して回動可能に支持される。
【0023】
第2の回動支持板31に配設される電源部は、天井部13に配設されるものであるから、ベース23に対する第2の回動支持板31の回動領域を規制する必要がある。そこで、第1の回動支持板24には、第2の回動支持板31の回動領域を、ベース23に対して略垂直な状態からベース23に略連続する状態にするための長穴のガイド孔35が設けられ、第2の回動支持板31には、一方の短辺側であって天板パネル22側に形成された突片36aに設けられた突起状のガイド部36が係合される。ガイド孔35は、第1の回動支持板24の天井部13側の長手方向両側縁に形成された立ち上がり片35aに、第2の回動支持板31のガイド部36が回動するように上下方向に形成されていると共に、ガイド部36で第1の回動支持板31をベース23から離間する方向に回動できるように、背面パネル21側に膨出するように湾曲して形成されている。
【0024】
以上のようにベース23に回動可能に取り付けられる第2の回動支持板31には、電源部37が設けられる。電源部4には、外部から電力を供給する電源ケーブル18の第1のコネクタ18aが電気的に接続される図示しない電源ジャックが設けられている。電源部37に設けられる電源ジャックは、第1のコネクタ18aが所定の姿勢でのみ電気的に接続可能とされており、第1のコネクタ18aは、第2の回動支持板31がベース23に対して略垂直な状態にあるとき、電源コード18が本体部11の前方に導出する姿勢でのみ電源ジャックに装着される。
【0025】
ところで、本体部11の外筐の一部を構成する背面パネル21は、図5に示すように、本体部11の背面及び両側面を覆うように断面略コ字状に形成されており、監視カメラ10の背面となる面の各コーナ部近傍に貫通孔41が穿設されている。一方、本体部11の背面の一部を構成する底面部14には、両側に、本体部11側に突出して取付片42が突設され、取付片42には、取付孔42aが穿設されている。
【0026】
天板パネル22は、略円弧状の先端部と長辺の中程に貫通孔43が穿設されている。また、天板パネル22の背面側には、背面パネル21が取り付けられる接続片44が突設されており、この接続片44には、取付孔44aが穿設されている。一方、光透過部15の周囲に設けられる外筐の一部を構成する張り出し片46の内側であって電源部37の周囲には、天板パネル22を固定するための止め部45が貫通孔43に対応して設けられている。各止め部45には、ねじ孔45aが穿設されている。なお、張り出し片46は、光透過部15の周縁部と天板パネル22及び背面パネル21との間を閉塞するためのものであり、光透過部15とで略谷を形成するように光透過部15の基端から外側に張り出して形成されている。
【0027】
背面パネル21と天板パネル22とを組み付けるには、図5に示すように、先ず、天板パネル22が電源部37を覆うように天井部13に取り付けられ、止めねじ47を貫通孔43を挿通させ、止め部45のねじ孔45aに締め付けることによって固定される。このとき、張り出し片46と天板パネル22との間には、防水性を高めるために、図示しないゴムパッキンが介在される。次いで、背面パネル21が制御回路部29を覆うように本体部11に取り付けられ、止めねじ48を貫通孔41に挿通させ、底面部14の取付片42の取付孔42aに締め付けると共に天板パネル22の接続片44の取付孔44aに締め付けることによって固定される。このときも、背面パネル21と張り出し片46との間に、防水性を高めるために、ゴムパッキンが介在される。
【0028】
ところで、背面パネル21が本体部11に取り付けられ、天板パネル22が天井部13に取り付けられているとき、本体部11の制御回路部29が設けられた第1の回動支持板24と天井部13の電源部37が設けられた第2の回動支持板31とは、図7に示すような状態にある。すなわち、第1の回動支持板24は、ベース23に近接する方向に回動し、ベース23と略平行な状態にあり、制御回路部29を本体部11に収納した状態にある。また、ベース23に回動可能に指示されている第2の回動支持板31は、ベース23に対し略垂直な状態にあり、電源部37を天井部13に収納した状態にある。このとき、第1のコネクタ18aは、電源ケーブル18が本体部11の前方に導出する姿勢でのみ電源ジャックに装着されており、電源ケーブル18の基端部は、光透過部15の周囲に設けられている張り出し片46の内側に位置している。
【0029】
監視カメラ10を建物1の外壁2の所定位置に設置するときに、コンセントが遠くにあり、既設の電源ケーブル18の長さでは足りないときには、長い電源ケーブル18に交換する必要がある。このように、電源ケーブル18を交換する場合、制御回路部29や電源部37のメンテナンスを行う場合等には、背面パネル21の止めねじ48を取り外して、背面パネル21を本体部11より取り外し、次いで、天板パネル22より止めねじ47を取り外して、天板パネル22を天井部13より取り外し、制御回路部29と電源部37とを露出させる。
【0030】
図7に示すように、背面パネル21を本体部11より取り外し天板パネル22を天井部13より取り外した状態において、電源ケーブル18の第1のコネクタ18aは、電源ケーブル18の基端部を前方に導出する姿勢で装着されている。このため、電源ケーブル18の基端部は、外筐の一部を構成する張り出し片46の内側に隠れた状態にあり、第1のコネクタ18aの着脱を非常に行いにくい状態にある。そこで、電源ケーブル18の交換を行う場合には、図7及び図8に示すように、電源ケーブル18が接続されている電源部37が設けられた第2の回動支持板31を背面側、すなわち図7及び図8中矢印D1方向に回動する。すなわち、第1の回動支持板24のガイド孔35に係合されている第2の回動支持板31のガイド部36は、ベース23に対して略垂直な初期状態のとき、第1の回動支持板24のガイド孔35の天板パネル22側の上端に係合した状態にある。この初期状態から第2の回動支持板31を図7及び図8中矢印D1方向に回動すると、第2の回動支持板31のガイド部36は、第2の回動支持板31が回動するに従って、ガイド孔35の上端部から底面部14側の下端部に移動すると共に、第1の回動支持板24を背面パネル21側に押圧し、第1の回動支持板24を、ベース23から離間する図7及び図8中矢印D2方向に回動する。これによって、図8に示すように、第1の回動支持板24は、ベース23から離間した状態となり、第2の回動支持板31は、ガイド部36がガイド孔35の下端部に移動することによって、ベース23から離間した第1の回動支持板24と連続するように略90度、図7及び図8中矢印D2方向に回動した状態となる。
【0031】
本体部11の上方は、監視カメラ10の構成部品が存在しない領域である。電源部37のジャックに装着されている電源ケーブル18の第1のコネクタ18aは、張り出し片46に隠れた状態から本体部11の上方に移動し、電源ケーブル18の基端部が上方に向かって導出した状態となることで、ユーザが第1のコネクタ18aの着脱を容易に行うことができる状態となる。
【0032】
なお、電源部37が設けられた第2の回動支持板31を図8の状態から図7の状態に戻す場合には、電源部37が設けられた第2の回動支持板31を図8及び図7中反矢印D1方向に回動すればよい。これによって、制御回路部29が設けられている第1の回動支持板24は、ガイド部36がガイド孔35の下端部から上端部に移動し、第1の回動支持板24をベース23の方向に引き寄せ、ベース23と略平行な状態となる。これと共に、第2の回動支持板31は、ベース23に対して略垂直な状態となり、背面パネル21や天板パネル22が取り付け可能な状態となる。
【0033】
また、ネットワークケーブル19は、制御回路部29の側面に設けられているものであるから、図7の状態、図8の状態の何れの状態であっても、ネットワークケーブル19のコネクタの着脱を行うことができる。
【0034】
ところで、電源ケーブル18は、電源部37のジャックに装着された第1のコネクタ18aから図3に示す底面部14に設けられた凹部17から外部に導出されている。したがって、電源ケーブル18を交換する場合、凹部17から電源ケーブル18を引き抜く必要がある。その一方で、凹部17における電源ケーブル18やネットワークケーブル19が挿通されている領域は、隙間が発生する場所でもあり、従って、この隙間から内部に水分が浸入する虞がある。そこで、凹部17では、防水の状態で電源ケーブル18を保持するようにしている。そして、電源ケーブル18を交換する場合には、この電源ケーブル18のケーブル保持機構を外してから行うことになる。
【0035】
図9に示すように、ケーブル保持機構50は、底面部14の背面側コーナ部に設けられた凹部17に設けられている。この凹部17には、電源ケーブル18の導出部と共に、ネットワークケーブル19の導出部が設けられている。以下、電源ケーブル18の導出部に設けられるケーブル保持機構とネットワークケーブル19の導出部に設けられるケーブル保持機構とは、同様な機構を有するため、以下電源ケーブル18のケーブル保持機構を例に取り説明する。
【0036】
図10に示すように、電源ケーブル18のケーブル保持機構50は、凹部17の底面17aに形成された挿通孔51に設けられる。挿通孔51は、略円形に形成され、電源ケーブル18の監視カメラ10に電力を供給するためのコンセントに電気的に接続するための第2のコネクタ18bを少なくとも挿通することができる大きさに形成されている。
【0037】
凹部17の底面17aには、この挿通孔51の周囲に、第1のホルダ52が取り付けられる。第1のホルダ52は、筒部52aと、この筒部52aの一端より張り出し形成された取付片52bとを有する。筒部52aは、第2のコネクタ18bを少なくとも挿通できる大きさの貫通孔52fを有している。取付片52bは、凹部17の底面17aの挿通孔51の近傍に設けられた取付孔17bに止めねじ53を締め付ける際に止めねじ53が挿通される貫通孔52cが設けられている。筒部52aの外周面には、第2のホルダが締め付けられるねじ溝52dが形成されている。また、第1のホルダ52の凹部17の底面17aと対向する面には、底面17aの挿通孔51に嵌合する環状の嵌合突部52gが形成されている。
【0038】
第1のホルダ52の凹部17の底面17aと対向する面には、筒部52aの外周側に溝部52eが設けられ、この溝部52eには、第1のパッキンとなるゴムパッキン54が配設される。ゴムパッキン54は、例えばOリングであり、第1のホルダ52と凹部17の底面17aの間から水分等が浸入することを防止し、凹部17の底面17aと第1のホルダ52との間の水密性を保持する。
【0039】
第1のホルダ52の筒部52aは、第2のパッキンとなるゴムパッキン55により閉塞される。ゴムパッキン55は、略円盤状に形成され、外径が、筒部52aの開口を閉塞することができるように、筒部52aの外径よりやや大きく形成され、中央部に電源ケーブル18が挿通される挿通孔55aが形成されている。挿通孔55aは、挿通孔55aの周面が電源ケーブル18の外周面に密着するように、電源ケーブル18の軸径よりやや小さく形成されている。また、ゴムパッキン55は、外周縁と挿通孔55aとに亘ってスリット55bが形成されている。電源ケーブル18は、ゴムパッキン55を弾性変位させることによって、スリット55bを介して中央部の挿通孔55aに挿通される。
【0040】
ゴムパッキン55上には、締め付け時のゴムパッキン55の捻れ等を防止するワッシャ56が配設される。ワッシャ56は、外径がゴムパッキン55と略同じとなすように形成されており、中央部に、電源ケーブル18が挿通される挿通孔56aが形成され、外周縁と挿通孔56aとに亘ってスリット56bが形成されている。ワッシャ56は、プラスチックで形成されている。このワッシャ56は、ゴムパッキン55に対して滑りやすく形成されており、また、全体を変位させることによって、スリット56bを介して中央部の挿通孔56aに挿通される。
【0041】
なお、ワッシャ56の挿通孔56aは、ワッシャ56が防水を目的とするものではく、ゴムパッキン55の捻れ防止の他ワッシャ56の保護を目的とするものであるから、電源ケーブル18の軸径と略同じ若しくはそれより大きく形成されている。
【0042】
上述したゴムパッキン55とワッシャ56とを介在させて第1のホルダ52には、第2のホルダ57が締め付けられる。第2のホルダ57は、略円筒の周壁57aの一端から内周側に向かって押さえ片57bが張り出し形成されている。押さえ片57bは、第1のホルダ52に第2のホルダ57が締め付けられるとき、ワッシャ56を押圧する。押さえ片57bの内側には、電源ケーブル18の第1のコネクタ18aが挿通可能な大きさの開口部57cが形成されている。更に、この周壁57aの内周面には、第1のホルダ52の筒部52aの外周面に形成されたねじ溝52dに螺合されるねじ溝57dが形成されている。
【0043】
以上のように構成されるケーブル保持機構50の組み付け方法について図10及び図11を参照して説明すると、先ず、凹部17の底面17aの挿通孔51には、上述した電源部37に電気的に接続された電源ケーブル18が例えば第2のコネクタ18bを挿入端として挿通され、更に、凹部17の底面17aの挿通孔51に挿通された電源ケーブル18は、更に、第1のホルダ52の筒部52aの貫通孔に例えば第2のコネクタ18bを挿入側として挿通される。また、第1のホルダ52の溝部52eには、ゴムパッキン54が配設される。この後、第1のホルダ52は、嵌合突部52gを挿通孔51に嵌合し、止めねじ53を、取付片52bの貫通孔52cに挿通し凹部17の底面17aの取付孔17bに締め付けることにより、凹部17に取り付けられる。第1のホルダ52が止めねじ53によって凹部17の底面17aに締め付けられることによって、第1のホルダ52と凹部17の底面17aとの間のゴムパッキン54は、圧縮され、第1のホルダ52と凹部17の底面17aとの間の水密性が確保される。
【0044】
更に、電源ケーブル18には、ゴムパッキン55が取り付けられる。具体的に、電源ケーブル18は、ゴムパッキン55を弾性変位させることによってスリット55bを介して挿通孔55aに挿通される。更に、電源ケーブル18には、ゴムパッキン55に隣接した第2のコネクタ18b側に、ワッシャ56が取り付けられる。具体的に、電源ケーブル18は、ワッシャ56を弾性変位させることによって、スリット56bを介して挿通孔56aに挿通される。
【0045】
電源ケーブル18にゴムパッキン55とワッシャ56とが取り付けられると、凹部17の底面17aに取り付けられた第1のホルダ52の筒部52aには、筒部52aで構成された貫通孔52fを閉塞するように、電源ケーブル18が取り付けられたゴムパッキン55が配設され、更に、ゴムパッキン55に重畳するようにして電源ケーブル18に取り付けられたワッシャ56が配設される。
【0046】
第1のホルダ52の筒部52a上にゴムパッキン55とワッシャ56が重畳した状態で配設されると、第1のホルダ52の筒部52aのねじ溝52dには、第2のホルダ57のねじ溝57dが螺合される。第1のホルダ52が第2のホルダ57に締め付けられると、ワッシャ56は、第2のホルダ57の押さえ片57bによって押圧され、これに伴い、ゴムパッキン55を図12中Fa方向から押圧し圧縮する。図12に示すように、ゴムパッキン55は、ワッシャ56によって圧縮されることで、第1のホルダ52の筒部52a内に食い込むと共に、径方向に伸長する。すると、ゴムパッキン55の挿通孔55aは、図12中Fb方向に縮径し、挿通孔55aの内周面は、電源ケーブルの外周面に圧接される。これによって、電源ケーブル18の周囲の水密性が確保される。
【0047】
以上のようなケーブル保持機構50は、電源部37に接続される電源ケーブル18の交換等の作業を行うとき、少なくとも第2のホルダ57を第1のホルダ52より取り外し、電源ケーブル18よりゴムパッキン55とワッシャ56を取り外した状態で、凹部17の底面17aに設けられた挿通孔51及び第1のホルダ52の筒部52aを介して電源ケーブル18の抜き差しを容易に行うことができる。そして、第1のホルダ52に第2のホルダ57がゴムパッキン55とワッシャ56を介して取り付けられたときには、ゴムパッキン55が、第2のホルダ57が第1のホルダ52の筒部52aに締め付けられたときの押圧力Faによってワッシャ56を介して圧縮されることで、ゴムパッキン55の挿通孔55aが図12中Fb方向に縮径し、挿通孔55aの内周面が電源ケーブル18の外周面に圧接され、電源ケーブル18の周囲の水密性を確保することができる。また、第1のホルダ52と凹部17の底面17aとの間は、第1のホルダ52が凹部17の底面17aに取り付けられた際、ゴムパッキン54が溝部52e内で圧縮され底面17aに圧接されことで水密性を確保することができる。
【0048】
更に、第2のホルダ57が第1のホルダ52に取り付けられた状態において、第2のホルダ57の上面58eは、凹部17の上面17cより低い所に位置する。したがって、凹部17の上面17cは、ケーブル保持機構50の屋根部として機能し、直接的に風雨が当たることを防止することができる。
【0049】
なお、底面17aの挿通孔52、第1のホルダ52の筒部52aの貫通孔52f、第2のホルダ57の押さえ片57bの内周側の開口の径は、少なくとも電源ケーブル18のコネクタ18a、18bの何れか一方のコネクタが挿通できる大きさであれば、上述の例に限定されるものではない。
【0050】
また、凹部17におけるネットワークケーブル19の導出部に用いられるケーブル保持機構は、底面17aの挿通孔51、第1のホルダ52の筒部52aの貫通孔52f、第2のホルダ57の押さえ片57bの内周側の開口の径が、ネットワークケーブル19の少なくとも一方のコネクタが挿通できる大きさであればよい。
【0051】
以上のように構成された監視カメラ10は、図1に示すように、略矩形の本体部11の長手方向の一端側に天板部13を設け、他端側に底板部14を設け、天板部13と底板部14の間に挟まれた本体部11の前方に撮像部12を設けた構成としたので、外壁2に沿って設置することができる。この監視カメラ10は、屋外に設置されているため外筐が防水され、密閉されているが、図5に示すように、上側の天井部13に電源部37を内蔵するようにし、電源部37より下側の本体部11に制御回路部29を内蔵するようにしたので、電源部37の発する熱によって制御回路部29が故障することを防止することができる。
【0052】
また、監視カメラ10は、設置時等に電源ケーブルを交換する等の作業が必要となったときには、最初に、背面パネル21の止めねじ48を取り外して、背面パネル21を本体部11より取り外し、次いで、天板パネル22より止めねじ47を取り外して、天板パネル22を天井部13より取り外し、制御回路部29と電源部37とを露出させる構成としたので、制御回路部29や電源部37を露出させる作業を簡素化することができる。背面パネル21と天板パネル22とを取り外した後、図7及び図8に示すように、電源ケーブル18が接続されている電源部37が設けられた第2の回動支持板31を背面側、すなわち図7及び図8中矢印D1方向に回動し、第1の回動支持板24をベース23から離間した状態とし、第2の回動支持板31をベース23から離間した第1の回動支持板24と連続するように図7及び図8中矢印D2方向に回動した状態とすることで、張り出し片46に邪魔されることなく電源部37のジャックに装着されている電源ケーブル18の第1のコネクタ18aの着脱を容易に行うことができる。
【0053】
更に、底面部14の凹部17の電源ケーブルやネットワークケーブル19の挿抜を行うときには、図10及び図11に示すように、少なくとも第2のホルダ57を第1のホルダ52より取り外し、電源ケーブル17やネットワークケーブル19よりゴムパッキン55とワッシャ56を取り外した状態で、凹部18の底面17aに設けられた挿通孔51及び第1のホルダ52の筒部52aを介して電源ケーブル18の抜き差しを容易に行うことができる。このケーブル保持機構50は、外筐を構成する底面部14に設けられるものであるから、設置者の技能等に依存することなく、常に確実に防水することができる。
【0054】
また、このケーブル保持機構50は、ゴムパッキン55が、第2のホルダ57が第1のホルダ52の筒部52aに締め付けられたときの押圧力Faによってワッシャ56を介して圧縮されることで、ゴムパッキン55の挿通孔55aが図12中Fb方向に縮径し、挿通孔55aの内周面が電源ケーブル18の外周面に圧接され、電源ケーブル18の周囲の水密性を確保することができる。また、第1のホルダ52と凹部17の底面17aとの間は、第1のホルダ52が凹部17の底面17aに取り付けられた際、ゴムパッキン54が溝部52e内で圧縮され底面17aに圧接されことで水密性を確保することができる。
【0055】
以上、本発明を適用した監視カメラ10を例に取り説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば携帯型の情報処理装置から導出される電源ケーブル、ネットワークケーブル等のケーブルの導出部に適用することもできる。
【0056】
【発明の効果】
本発明に係る電子機器によれば、筐体に一体的にも設けられることで、電子機器の設置者の技能等に依存することなく、ケーブルの導出部分における防水をすることができる。具体的に、第1ホルダと筐体との間に第1のパッキンを配することで、この間の水密性を確保することができる。また、第1のホルダの筒部と第2のホルダとの間には、第1のホルダ側に弾性体でなる第2のパッキンが配され、第2のホルダ側にワッシャが配されることで、ワッシャは、第2のホルダが第1のホルダに締め付けられたとき、第2のパッキンの捻れを防止すると共に、第2のパッキンを圧縮し、ケーブルが挿通されている挿通孔を縮径させ、挿通孔の内周面をケーブルの外周面に圧接させる。これにより、ケーブルの周囲の水密性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した監視カメラの設置状態を説明する図である。
【図2】上記監視カメラを前面側から見た斜視図である。
【図3】上記監視カメラを背面側から見た斜視図である。
【図4】上記監視カメラの撮影可能領域を説明する図である。
【図5】上記監視カメラの分解斜視図である。
【図6】上記監視カメラの背面パネルと天板パネルを取り外した状態を説明する斜視図である。
【図7】背面パネルと天板パネルが取り付けられているとき又は背面パネルと天板パネルが取り付け可能な状態にあるときの第1の回動支持板と第2の回動支持板を説明する側面図である。
【図8】電源ケーブルのコネクタの着脱を行うときの第1の回動支持板と第2の回動支持板を説明する側面図である。
【図9】電源ケーブルのケーブル保持機構の斜視図である。
【図10】電源ケーブルの分解斜視図である。
【図11】電源ケーブルのケーブル保持機構の組立断面図である。
【図12】ケーブル保持機構のゴムパッキンの作用を説明する断面図である。
【符号の説明】
10 監視カメラ、11 本体部、12 撮像部、13 天井部、14 底面部、15 光透過部、16 撮像機器、17 凹部、17a 底面、17b 取付孔、17c 上面、18 電源ケーブル、18a 第1のコネクタ、18b 第2のコネクタ、21 背面パネル、22 天板パネル、23 ベース、24 第1の回動支持板、29 制御回路部、31 第2の回動支持板、37 電源部、46 張り出し片、50 ケーブル保持機構、51 挿通孔、52 第1のホルダ、54 ゴムパッキン、55 ゴムパッキン、56 ワッシャ、57 第2のホルダ
【発明の属する技術分野】
本発明は、防水性を備えたケーブルの防水機構を備えた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
監視カメラは、室内や屋外に長期間設置されるものであり、特に、屋外に設置される場合風雨に曝されることから、監視カメラの保護のため、防水する必要がある。そこで、監視カメラは、防水ケースに収納してから所定箇所に設置される。監視カメラの設置時において、防水ケースからは、監視カメラから導出された電源ケーブルを外部に導出する必要がある。そこで、設置時において、設置者が所定の防水機構を用いて防水ケースから電源ケーブルを防水ケース外に導出するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
防水機構は、設置者により取り付けられるため、電源ケーブルの導出部の防水の程度は、設置者の技能等に依存してしまい、仮に、防水が不完全であるときには、防水ケースに収納された監視カメラが湿気で故障してしまうことになる。
【0004】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、筐体のケーブルの導出部に用いられる新規な防水機構を備えた電子機器を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、防水機構の簡素化を図り着脱作業を容易に行うことができるようにすると共に、防水機能を高めた電子機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電子機器は、上述した課題を解決すべく、機器本体と外部とを電気的に接続するケーブルと、筐体に設けられ、上記ケーブルが挿通される挿通孔と、上記挿通孔上に配設され、上記ケーブルが挿通されると共に外周面にねじ溝が形成された筒部を有し、上記挿通孔の周囲に取り付けられる第1のホルダと、弾性体で形成され、上記第1のホルダと上記挿通孔周囲の筐体との間に配設される第1のパッキンと、弾性体により形成されると共に上記ケーブルが挿通される貫通孔が形成され、上記第1のホルダの筒部を閉塞するように配設される第2のパッキンと、上記第2のパッキンより剛性を有し、上記第2のパッキンに重ね合わせて配設されるワッシャと、上記ケーブルが挿通され、上記第1のホルダとの間に上記第2のパッキン及びワッシャを介在させて上記第1のホルダの筒部に形成されたねじ溝に締め付けられる第2のホルダとを備える。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る撮像装置が適用された監視カメラについて、図面を参照して説明する。
【0008】
図1に示すように、本発明を適用した監視カメラ10は、屋外に設置されるものであって、倉庫等の建物1の外壁2の屋根近傍の上部に設置され、設置位置から斜め下方を広範に撮影する。
【0009】
具体的に、この監視カメラ10は、図2及び図3に示すように、略矩形の本体部11と、この本体部11の前方に設けられる撮像部12と、本体部11及び撮像部12の上側に設けられる天井部13と、本体部11及び撮像部12の下側に設けられる底面部14とを備える。
【0010】
本体部11は、略矩形に形成され、背面側は、建物1の外壁2に設置できるように略面一をなすように形成されている。この本体部11内には、主として、監視カメラ10の全体を制御する制御回路部等が内蔵されている。
【0011】
本体部11の前方に設けられる撮像部12は、本体部11と一体的に設けられる光透過性の合成樹脂板等からなる光透過部15が設けられ、内部に、撮像機器16として、CCD(Charge−Coupled Devices)等で構成されたディジタルスチルカメラが収納されている。この撮像機器16は、遠方の被写体を拡大して撮影することができるようにズーム機能を有している。ズーム機能を有した撮像機器16は、画角が小さい。そこで、撮像部12内には、図示しないが撮像機器16をパン方向及び/又はチルト方向に回動させるためのパン及び/又はチルト機構が設けられている。光透過部15は、パン及び/又はチルト機構により可動される撮像機器16の上下左右の撮影可能範囲をできる限る大きくすることができるように、略球面をなすように形成されている。
【0012】
例えば図4に示すように、監視カメラ10は、パン及び/又はチルト機構を用いて撮像機器16を可動することによって、例えば左側から右側に向かって1〜i枚撮影し、更に上側から下側に向かって1〜j枚撮影する。そして、監視カメラ10は、画像表示装置に出力し、1〜i及び1〜jまでの画像をマトリクス状に整列させて一度に表示する。監視カメラ10は、このように撮影した画像を経時的に整列することで、看者が画像の変化を容易に識別することができるようにしている。
【0013】
なお、撮像機器16としては、ディジタルスチルカメラの他に、アナログのスチルカメラであってもよく、更には、ディジタル又はアナログのビデオカメラであってもよい。
【0014】
天井部13は、図2及び図3に示すように、本体部11と撮像部12の上側に設けられ、先端側が略円弧状をなすように形成されている。この天井部13内には、制御回路部、撮像機器16、パン及び/又はチルト機構に電力を供給するための電源部が内蔵されている。電源部は、筐体内に内蔵される部品の内で最も熱を発する部分である。電源部から放出される熱気は上方に移動するものであり、そこで、監視カメラ10は、電源部を天井部13に配設して、本体部11内の制御回路部や撮像機器16より上側に位置させることで、制御回路部や撮像機器16が熱によって故障しないようにしている。また、天井部13の先端部は、光透過部15の基端部より張り出し形成されており、光透過部15の屋根部となっている。
【0015】
底面部14は、本体部11と撮像部12の下側に設けられ、天井部13と同様に、先端側が略円弧状をなすように形成されている。底面部14は、例えば設置台に設置されるとき、その監視カメラ10の支持台として機能する。また、底面部14の先端部も、天井部13と同様に、光透過部15の基端部より張り出し形成されており、下方より異物が光透過部15に付着しないようにするガードとなっている。
【0016】
底面部14の背面側コーナ部には、凹部17が設けられている。この凹部17からは、天井部13に配設される電源部に電気的に接続される電源ケーブル18が外部に導出されると共に、本体部11に配設される制御回路部に電気的に接続されるネットワークケーブル19が外部に導出される。
【0017】
なお、凹部17からは、更に、内部の熱を外部に放出するための熱放出部材を導出するようにしてもよい。
【0018】
ところで、このような監視カメラ10は、本体部11内の制御回路部や天井部13の電源部や電源ケーブル18の修理交換の必要が生じるときがある。また、監視カメラ10を建物2の外壁3に設置するときにコンセントまでが遠く既設の電源ケーブルの長さが不足するため、長い電源ケーブルに交換する必要が生じるときがある。このような作業のときのため、本体部11は、図5に示すように、本体部11の外筐の一部を構成する背面パネル21と天井部13の外筐の一部を構成する天板パネル22を容易に着脱することができるように構成されている。
【0019】
図6及び図7に示すように、本体部11には、ベース23とベース23に回動可能に取り付けられる第1の回動支持板24とが内蔵される。ベース23は、図7に示すように、板金等の略矩形をなす板状体であり、一方の短辺に、底面部14に対して略垂直に固定するための複数の固定片25が設けられている。各固定片25には、図示しないが貫通孔が穿設されており、ベース23は、固定片25の貫通孔に止めねじを挿通させて底面部14に固定される。ベース23には、底面部14側に、支持片26が設けられている。支持片26には、監視カメラ10の制御回路部等が組み込まれる第1の回動支持板24が回動可能に取り付けられる。
【0020】
第1の回動支持板24は、板金等で略矩形をなすように形成され、一方の短辺側に、突片27が設けられている。第1の回動支持板24は、ベース23の支持片26と突片27とを重ね合わせ各片に穿設された軸穴に止めねじ28を挿通することによって、ここを回動支点として、ベース23に対して回動可能に支持される。
【0021】
第1の回動支持板24には、監視カメラ10の全体を制御するための制御回路部29が設けられる。具体的に、制御回路部29は、一又は複数のプリント配線基板29aに、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等の電子部品が実装されると共に、ネットワークゲーブルが接続されるジャック29b等が実装されてなる。
【0022】
また、ベース23には、天井部13側の他方の短辺に、電源部が組み込まれる第2の回動支持板31を回動可能に支持する支持片32が設けられている。第2の回動支持板31は、板金等で略矩形をなすように形成され、本体部11側の短辺側であって撮像部12側に、図示しない突片が設けられている。第2の回動支持板31は、ベース23の支持片32と突片とを重ね合わせ各片に穿設された軸穴に止めねじ34を挿通することによって、ここを回動支点として、ベース23に対して回動可能に支持される。
【0023】
第2の回動支持板31に配設される電源部は、天井部13に配設されるものであるから、ベース23に対する第2の回動支持板31の回動領域を規制する必要がある。そこで、第1の回動支持板24には、第2の回動支持板31の回動領域を、ベース23に対して略垂直な状態からベース23に略連続する状態にするための長穴のガイド孔35が設けられ、第2の回動支持板31には、一方の短辺側であって天板パネル22側に形成された突片36aに設けられた突起状のガイド部36が係合される。ガイド孔35は、第1の回動支持板24の天井部13側の長手方向両側縁に形成された立ち上がり片35aに、第2の回動支持板31のガイド部36が回動するように上下方向に形成されていると共に、ガイド部36で第1の回動支持板31をベース23から離間する方向に回動できるように、背面パネル21側に膨出するように湾曲して形成されている。
【0024】
以上のようにベース23に回動可能に取り付けられる第2の回動支持板31には、電源部37が設けられる。電源部4には、外部から電力を供給する電源ケーブル18の第1のコネクタ18aが電気的に接続される図示しない電源ジャックが設けられている。電源部37に設けられる電源ジャックは、第1のコネクタ18aが所定の姿勢でのみ電気的に接続可能とされており、第1のコネクタ18aは、第2の回動支持板31がベース23に対して略垂直な状態にあるとき、電源コード18が本体部11の前方に導出する姿勢でのみ電源ジャックに装着される。
【0025】
ところで、本体部11の外筐の一部を構成する背面パネル21は、図5に示すように、本体部11の背面及び両側面を覆うように断面略コ字状に形成されており、監視カメラ10の背面となる面の各コーナ部近傍に貫通孔41が穿設されている。一方、本体部11の背面の一部を構成する底面部14には、両側に、本体部11側に突出して取付片42が突設され、取付片42には、取付孔42aが穿設されている。
【0026】
天板パネル22は、略円弧状の先端部と長辺の中程に貫通孔43が穿設されている。また、天板パネル22の背面側には、背面パネル21が取り付けられる接続片44が突設されており、この接続片44には、取付孔44aが穿設されている。一方、光透過部15の周囲に設けられる外筐の一部を構成する張り出し片46の内側であって電源部37の周囲には、天板パネル22を固定するための止め部45が貫通孔43に対応して設けられている。各止め部45には、ねじ孔45aが穿設されている。なお、張り出し片46は、光透過部15の周縁部と天板パネル22及び背面パネル21との間を閉塞するためのものであり、光透過部15とで略谷を形成するように光透過部15の基端から外側に張り出して形成されている。
【0027】
背面パネル21と天板パネル22とを組み付けるには、図5に示すように、先ず、天板パネル22が電源部37を覆うように天井部13に取り付けられ、止めねじ47を貫通孔43を挿通させ、止め部45のねじ孔45aに締め付けることによって固定される。このとき、張り出し片46と天板パネル22との間には、防水性を高めるために、図示しないゴムパッキンが介在される。次いで、背面パネル21が制御回路部29を覆うように本体部11に取り付けられ、止めねじ48を貫通孔41に挿通させ、底面部14の取付片42の取付孔42aに締め付けると共に天板パネル22の接続片44の取付孔44aに締め付けることによって固定される。このときも、背面パネル21と張り出し片46との間に、防水性を高めるために、ゴムパッキンが介在される。
【0028】
ところで、背面パネル21が本体部11に取り付けられ、天板パネル22が天井部13に取り付けられているとき、本体部11の制御回路部29が設けられた第1の回動支持板24と天井部13の電源部37が設けられた第2の回動支持板31とは、図7に示すような状態にある。すなわち、第1の回動支持板24は、ベース23に近接する方向に回動し、ベース23と略平行な状態にあり、制御回路部29を本体部11に収納した状態にある。また、ベース23に回動可能に指示されている第2の回動支持板31は、ベース23に対し略垂直な状態にあり、電源部37を天井部13に収納した状態にある。このとき、第1のコネクタ18aは、電源ケーブル18が本体部11の前方に導出する姿勢でのみ電源ジャックに装着されており、電源ケーブル18の基端部は、光透過部15の周囲に設けられている張り出し片46の内側に位置している。
【0029】
監視カメラ10を建物1の外壁2の所定位置に設置するときに、コンセントが遠くにあり、既設の電源ケーブル18の長さでは足りないときには、長い電源ケーブル18に交換する必要がある。このように、電源ケーブル18を交換する場合、制御回路部29や電源部37のメンテナンスを行う場合等には、背面パネル21の止めねじ48を取り外して、背面パネル21を本体部11より取り外し、次いで、天板パネル22より止めねじ47を取り外して、天板パネル22を天井部13より取り外し、制御回路部29と電源部37とを露出させる。
【0030】
図7に示すように、背面パネル21を本体部11より取り外し天板パネル22を天井部13より取り外した状態において、電源ケーブル18の第1のコネクタ18aは、電源ケーブル18の基端部を前方に導出する姿勢で装着されている。このため、電源ケーブル18の基端部は、外筐の一部を構成する張り出し片46の内側に隠れた状態にあり、第1のコネクタ18aの着脱を非常に行いにくい状態にある。そこで、電源ケーブル18の交換を行う場合には、図7及び図8に示すように、電源ケーブル18が接続されている電源部37が設けられた第2の回動支持板31を背面側、すなわち図7及び図8中矢印D1方向に回動する。すなわち、第1の回動支持板24のガイド孔35に係合されている第2の回動支持板31のガイド部36は、ベース23に対して略垂直な初期状態のとき、第1の回動支持板24のガイド孔35の天板パネル22側の上端に係合した状態にある。この初期状態から第2の回動支持板31を図7及び図8中矢印D1方向に回動すると、第2の回動支持板31のガイド部36は、第2の回動支持板31が回動するに従って、ガイド孔35の上端部から底面部14側の下端部に移動すると共に、第1の回動支持板24を背面パネル21側に押圧し、第1の回動支持板24を、ベース23から離間する図7及び図8中矢印D2方向に回動する。これによって、図8に示すように、第1の回動支持板24は、ベース23から離間した状態となり、第2の回動支持板31は、ガイド部36がガイド孔35の下端部に移動することによって、ベース23から離間した第1の回動支持板24と連続するように略90度、図7及び図8中矢印D2方向に回動した状態となる。
【0031】
本体部11の上方は、監視カメラ10の構成部品が存在しない領域である。電源部37のジャックに装着されている電源ケーブル18の第1のコネクタ18aは、張り出し片46に隠れた状態から本体部11の上方に移動し、電源ケーブル18の基端部が上方に向かって導出した状態となることで、ユーザが第1のコネクタ18aの着脱を容易に行うことができる状態となる。
【0032】
なお、電源部37が設けられた第2の回動支持板31を図8の状態から図7の状態に戻す場合には、電源部37が設けられた第2の回動支持板31を図8及び図7中反矢印D1方向に回動すればよい。これによって、制御回路部29が設けられている第1の回動支持板24は、ガイド部36がガイド孔35の下端部から上端部に移動し、第1の回動支持板24をベース23の方向に引き寄せ、ベース23と略平行な状態となる。これと共に、第2の回動支持板31は、ベース23に対して略垂直な状態となり、背面パネル21や天板パネル22が取り付け可能な状態となる。
【0033】
また、ネットワークケーブル19は、制御回路部29の側面に設けられているものであるから、図7の状態、図8の状態の何れの状態であっても、ネットワークケーブル19のコネクタの着脱を行うことができる。
【0034】
ところで、電源ケーブル18は、電源部37のジャックに装着された第1のコネクタ18aから図3に示す底面部14に設けられた凹部17から外部に導出されている。したがって、電源ケーブル18を交換する場合、凹部17から電源ケーブル18を引き抜く必要がある。その一方で、凹部17における電源ケーブル18やネットワークケーブル19が挿通されている領域は、隙間が発生する場所でもあり、従って、この隙間から内部に水分が浸入する虞がある。そこで、凹部17では、防水の状態で電源ケーブル18を保持するようにしている。そして、電源ケーブル18を交換する場合には、この電源ケーブル18のケーブル保持機構を外してから行うことになる。
【0035】
図9に示すように、ケーブル保持機構50は、底面部14の背面側コーナ部に設けられた凹部17に設けられている。この凹部17には、電源ケーブル18の導出部と共に、ネットワークケーブル19の導出部が設けられている。以下、電源ケーブル18の導出部に設けられるケーブル保持機構とネットワークケーブル19の導出部に設けられるケーブル保持機構とは、同様な機構を有するため、以下電源ケーブル18のケーブル保持機構を例に取り説明する。
【0036】
図10に示すように、電源ケーブル18のケーブル保持機構50は、凹部17の底面17aに形成された挿通孔51に設けられる。挿通孔51は、略円形に形成され、電源ケーブル18の監視カメラ10に電力を供給するためのコンセントに電気的に接続するための第2のコネクタ18bを少なくとも挿通することができる大きさに形成されている。
【0037】
凹部17の底面17aには、この挿通孔51の周囲に、第1のホルダ52が取り付けられる。第1のホルダ52は、筒部52aと、この筒部52aの一端より張り出し形成された取付片52bとを有する。筒部52aは、第2のコネクタ18bを少なくとも挿通できる大きさの貫通孔52fを有している。取付片52bは、凹部17の底面17aの挿通孔51の近傍に設けられた取付孔17bに止めねじ53を締め付ける際に止めねじ53が挿通される貫通孔52cが設けられている。筒部52aの外周面には、第2のホルダが締め付けられるねじ溝52dが形成されている。また、第1のホルダ52の凹部17の底面17aと対向する面には、底面17aの挿通孔51に嵌合する環状の嵌合突部52gが形成されている。
【0038】
第1のホルダ52の凹部17の底面17aと対向する面には、筒部52aの外周側に溝部52eが設けられ、この溝部52eには、第1のパッキンとなるゴムパッキン54が配設される。ゴムパッキン54は、例えばOリングであり、第1のホルダ52と凹部17の底面17aの間から水分等が浸入することを防止し、凹部17の底面17aと第1のホルダ52との間の水密性を保持する。
【0039】
第1のホルダ52の筒部52aは、第2のパッキンとなるゴムパッキン55により閉塞される。ゴムパッキン55は、略円盤状に形成され、外径が、筒部52aの開口を閉塞することができるように、筒部52aの外径よりやや大きく形成され、中央部に電源ケーブル18が挿通される挿通孔55aが形成されている。挿通孔55aは、挿通孔55aの周面が電源ケーブル18の外周面に密着するように、電源ケーブル18の軸径よりやや小さく形成されている。また、ゴムパッキン55は、外周縁と挿通孔55aとに亘ってスリット55bが形成されている。電源ケーブル18は、ゴムパッキン55を弾性変位させることによって、スリット55bを介して中央部の挿通孔55aに挿通される。
【0040】
ゴムパッキン55上には、締め付け時のゴムパッキン55の捻れ等を防止するワッシャ56が配設される。ワッシャ56は、外径がゴムパッキン55と略同じとなすように形成されており、中央部に、電源ケーブル18が挿通される挿通孔56aが形成され、外周縁と挿通孔56aとに亘ってスリット56bが形成されている。ワッシャ56は、プラスチックで形成されている。このワッシャ56は、ゴムパッキン55に対して滑りやすく形成されており、また、全体を変位させることによって、スリット56bを介して中央部の挿通孔56aに挿通される。
【0041】
なお、ワッシャ56の挿通孔56aは、ワッシャ56が防水を目的とするものではく、ゴムパッキン55の捻れ防止の他ワッシャ56の保護を目的とするものであるから、電源ケーブル18の軸径と略同じ若しくはそれより大きく形成されている。
【0042】
上述したゴムパッキン55とワッシャ56とを介在させて第1のホルダ52には、第2のホルダ57が締め付けられる。第2のホルダ57は、略円筒の周壁57aの一端から内周側に向かって押さえ片57bが張り出し形成されている。押さえ片57bは、第1のホルダ52に第2のホルダ57が締め付けられるとき、ワッシャ56を押圧する。押さえ片57bの内側には、電源ケーブル18の第1のコネクタ18aが挿通可能な大きさの開口部57cが形成されている。更に、この周壁57aの内周面には、第1のホルダ52の筒部52aの外周面に形成されたねじ溝52dに螺合されるねじ溝57dが形成されている。
【0043】
以上のように構成されるケーブル保持機構50の組み付け方法について図10及び図11を参照して説明すると、先ず、凹部17の底面17aの挿通孔51には、上述した電源部37に電気的に接続された電源ケーブル18が例えば第2のコネクタ18bを挿入端として挿通され、更に、凹部17の底面17aの挿通孔51に挿通された電源ケーブル18は、更に、第1のホルダ52の筒部52aの貫通孔に例えば第2のコネクタ18bを挿入側として挿通される。また、第1のホルダ52の溝部52eには、ゴムパッキン54が配設される。この後、第1のホルダ52は、嵌合突部52gを挿通孔51に嵌合し、止めねじ53を、取付片52bの貫通孔52cに挿通し凹部17の底面17aの取付孔17bに締め付けることにより、凹部17に取り付けられる。第1のホルダ52が止めねじ53によって凹部17の底面17aに締め付けられることによって、第1のホルダ52と凹部17の底面17aとの間のゴムパッキン54は、圧縮され、第1のホルダ52と凹部17の底面17aとの間の水密性が確保される。
【0044】
更に、電源ケーブル18には、ゴムパッキン55が取り付けられる。具体的に、電源ケーブル18は、ゴムパッキン55を弾性変位させることによってスリット55bを介して挿通孔55aに挿通される。更に、電源ケーブル18には、ゴムパッキン55に隣接した第2のコネクタ18b側に、ワッシャ56が取り付けられる。具体的に、電源ケーブル18は、ワッシャ56を弾性変位させることによって、スリット56bを介して挿通孔56aに挿通される。
【0045】
電源ケーブル18にゴムパッキン55とワッシャ56とが取り付けられると、凹部17の底面17aに取り付けられた第1のホルダ52の筒部52aには、筒部52aで構成された貫通孔52fを閉塞するように、電源ケーブル18が取り付けられたゴムパッキン55が配設され、更に、ゴムパッキン55に重畳するようにして電源ケーブル18に取り付けられたワッシャ56が配設される。
【0046】
第1のホルダ52の筒部52a上にゴムパッキン55とワッシャ56が重畳した状態で配設されると、第1のホルダ52の筒部52aのねじ溝52dには、第2のホルダ57のねじ溝57dが螺合される。第1のホルダ52が第2のホルダ57に締め付けられると、ワッシャ56は、第2のホルダ57の押さえ片57bによって押圧され、これに伴い、ゴムパッキン55を図12中Fa方向から押圧し圧縮する。図12に示すように、ゴムパッキン55は、ワッシャ56によって圧縮されることで、第1のホルダ52の筒部52a内に食い込むと共に、径方向に伸長する。すると、ゴムパッキン55の挿通孔55aは、図12中Fb方向に縮径し、挿通孔55aの内周面は、電源ケーブルの外周面に圧接される。これによって、電源ケーブル18の周囲の水密性が確保される。
【0047】
以上のようなケーブル保持機構50は、電源部37に接続される電源ケーブル18の交換等の作業を行うとき、少なくとも第2のホルダ57を第1のホルダ52より取り外し、電源ケーブル18よりゴムパッキン55とワッシャ56を取り外した状態で、凹部17の底面17aに設けられた挿通孔51及び第1のホルダ52の筒部52aを介して電源ケーブル18の抜き差しを容易に行うことができる。そして、第1のホルダ52に第2のホルダ57がゴムパッキン55とワッシャ56を介して取り付けられたときには、ゴムパッキン55が、第2のホルダ57が第1のホルダ52の筒部52aに締め付けられたときの押圧力Faによってワッシャ56を介して圧縮されることで、ゴムパッキン55の挿通孔55aが図12中Fb方向に縮径し、挿通孔55aの内周面が電源ケーブル18の外周面に圧接され、電源ケーブル18の周囲の水密性を確保することができる。また、第1のホルダ52と凹部17の底面17aとの間は、第1のホルダ52が凹部17の底面17aに取り付けられた際、ゴムパッキン54が溝部52e内で圧縮され底面17aに圧接されことで水密性を確保することができる。
【0048】
更に、第2のホルダ57が第1のホルダ52に取り付けられた状態において、第2のホルダ57の上面58eは、凹部17の上面17cより低い所に位置する。したがって、凹部17の上面17cは、ケーブル保持機構50の屋根部として機能し、直接的に風雨が当たることを防止することができる。
【0049】
なお、底面17aの挿通孔52、第1のホルダ52の筒部52aの貫通孔52f、第2のホルダ57の押さえ片57bの内周側の開口の径は、少なくとも電源ケーブル18のコネクタ18a、18bの何れか一方のコネクタが挿通できる大きさであれば、上述の例に限定されるものではない。
【0050】
また、凹部17におけるネットワークケーブル19の導出部に用いられるケーブル保持機構は、底面17aの挿通孔51、第1のホルダ52の筒部52aの貫通孔52f、第2のホルダ57の押さえ片57bの内周側の開口の径が、ネットワークケーブル19の少なくとも一方のコネクタが挿通できる大きさであればよい。
【0051】
以上のように構成された監視カメラ10は、図1に示すように、略矩形の本体部11の長手方向の一端側に天板部13を設け、他端側に底板部14を設け、天板部13と底板部14の間に挟まれた本体部11の前方に撮像部12を設けた構成としたので、外壁2に沿って設置することができる。この監視カメラ10は、屋外に設置されているため外筐が防水され、密閉されているが、図5に示すように、上側の天井部13に電源部37を内蔵するようにし、電源部37より下側の本体部11に制御回路部29を内蔵するようにしたので、電源部37の発する熱によって制御回路部29が故障することを防止することができる。
【0052】
また、監視カメラ10は、設置時等に電源ケーブルを交換する等の作業が必要となったときには、最初に、背面パネル21の止めねじ48を取り外して、背面パネル21を本体部11より取り外し、次いで、天板パネル22より止めねじ47を取り外して、天板パネル22を天井部13より取り外し、制御回路部29と電源部37とを露出させる構成としたので、制御回路部29や電源部37を露出させる作業を簡素化することができる。背面パネル21と天板パネル22とを取り外した後、図7及び図8に示すように、電源ケーブル18が接続されている電源部37が設けられた第2の回動支持板31を背面側、すなわち図7及び図8中矢印D1方向に回動し、第1の回動支持板24をベース23から離間した状態とし、第2の回動支持板31をベース23から離間した第1の回動支持板24と連続するように図7及び図8中矢印D2方向に回動した状態とすることで、張り出し片46に邪魔されることなく電源部37のジャックに装着されている電源ケーブル18の第1のコネクタ18aの着脱を容易に行うことができる。
【0053】
更に、底面部14の凹部17の電源ケーブルやネットワークケーブル19の挿抜を行うときには、図10及び図11に示すように、少なくとも第2のホルダ57を第1のホルダ52より取り外し、電源ケーブル17やネットワークケーブル19よりゴムパッキン55とワッシャ56を取り外した状態で、凹部18の底面17aに設けられた挿通孔51及び第1のホルダ52の筒部52aを介して電源ケーブル18の抜き差しを容易に行うことができる。このケーブル保持機構50は、外筐を構成する底面部14に設けられるものであるから、設置者の技能等に依存することなく、常に確実に防水することができる。
【0054】
また、このケーブル保持機構50は、ゴムパッキン55が、第2のホルダ57が第1のホルダ52の筒部52aに締め付けられたときの押圧力Faによってワッシャ56を介して圧縮されることで、ゴムパッキン55の挿通孔55aが図12中Fb方向に縮径し、挿通孔55aの内周面が電源ケーブル18の外周面に圧接され、電源ケーブル18の周囲の水密性を確保することができる。また、第1のホルダ52と凹部17の底面17aとの間は、第1のホルダ52が凹部17の底面17aに取り付けられた際、ゴムパッキン54が溝部52e内で圧縮され底面17aに圧接されことで水密性を確保することができる。
【0055】
以上、本発明を適用した監視カメラ10を例に取り説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば携帯型の情報処理装置から導出される電源ケーブル、ネットワークケーブル等のケーブルの導出部に適用することもできる。
【0056】
【発明の効果】
本発明に係る電子機器によれば、筐体に一体的にも設けられることで、電子機器の設置者の技能等に依存することなく、ケーブルの導出部分における防水をすることができる。具体的に、第1ホルダと筐体との間に第1のパッキンを配することで、この間の水密性を確保することができる。また、第1のホルダの筒部と第2のホルダとの間には、第1のホルダ側に弾性体でなる第2のパッキンが配され、第2のホルダ側にワッシャが配されることで、ワッシャは、第2のホルダが第1のホルダに締め付けられたとき、第2のパッキンの捻れを防止すると共に、第2のパッキンを圧縮し、ケーブルが挿通されている挿通孔を縮径させ、挿通孔の内周面をケーブルの外周面に圧接させる。これにより、ケーブルの周囲の水密性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した監視カメラの設置状態を説明する図である。
【図2】上記監視カメラを前面側から見た斜視図である。
【図3】上記監視カメラを背面側から見た斜視図である。
【図4】上記監視カメラの撮影可能領域を説明する図である。
【図5】上記監視カメラの分解斜視図である。
【図6】上記監視カメラの背面パネルと天板パネルを取り外した状態を説明する斜視図である。
【図7】背面パネルと天板パネルが取り付けられているとき又は背面パネルと天板パネルが取り付け可能な状態にあるときの第1の回動支持板と第2の回動支持板を説明する側面図である。
【図8】電源ケーブルのコネクタの着脱を行うときの第1の回動支持板と第2の回動支持板を説明する側面図である。
【図9】電源ケーブルのケーブル保持機構の斜視図である。
【図10】電源ケーブルの分解斜視図である。
【図11】電源ケーブルのケーブル保持機構の組立断面図である。
【図12】ケーブル保持機構のゴムパッキンの作用を説明する断面図である。
【符号の説明】
10 監視カメラ、11 本体部、12 撮像部、13 天井部、14 底面部、15 光透過部、16 撮像機器、17 凹部、17a 底面、17b 取付孔、17c 上面、18 電源ケーブル、18a 第1のコネクタ、18b 第2のコネクタ、21 背面パネル、22 天板パネル、23 ベース、24 第1の回動支持板、29 制御回路部、31 第2の回動支持板、37 電源部、46 張り出し片、50 ケーブル保持機構、51 挿通孔、52 第1のホルダ、54 ゴムパッキン、55 ゴムパッキン、56 ワッシャ、57 第2のホルダ
Claims (7)
- 機器本体と外部とを電気的に接続するケーブルと、
筐体に設けられ、上記ケーブルが挿通される挿通孔と、
上記挿通孔上に配設され、上記ケーブルが挿通されると共に外周面にねじ溝が形成された筒部を有し、上記挿通孔の周囲に取り付けられる第1のホルダと、
弾性体で形成され、上記第1のホルダと上記挿通孔周囲の筐体との間に配設される第1のパッキンと、
弾性体により形成されると共に上記ケーブルが挿通される貫通孔が形成され、上記第1のホルダの筒部を閉塞するように配設される第2のパッキンと、
上記第2のパッキンより剛性を有し、上記第2のパッキンに重ね合わせて配設されるワッシャと、
上記ケーブルが挿通され、上記第1のホルダとの間に上記第2のパッキン及びワッシャを介在させて上記第1のホルダの筒部に形成されたねじ溝に締め付けられる第2のホルダとを備える電子機器。 - 上記第2のパッキンの貫通孔の孔径は、上記ケーブルの軸径よりやや小さく形成されている請求項1記載の電子機器。
- 上記第2のパッキン及びワッシャは、外周縁と貫通孔とに亘ってスリットが形成されている請求項1記載の電子機器。
- 上記ケーブルの先端部にはコネクタが設けられており、
上記第1及び第2のホルダは、上記コネクタが挿通可能な大きさに形成されている請求項1記載の電子機器。 - 上記挿通孔は、上記筐体に設けられた凹部の底面に形成され、この凹部の上面は、第1のホルダに締め付けられた第2のホルダより高く形成されている請求項1記載の電子機器。
- 上記ケーブルは、電源ケーブルである請求項1記載の電子機器。
- 上記ケーブルは、ネットワークケーブルである請求項1記載の電子機器。
Priority Applications (1)
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JP2003056240A JP2004266162A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | 電子機器 |
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JP2004266162A true JP2004266162A (ja) | 2004-09-24 |
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Family Applications (1)
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JP2003056240A Withdrawn JP2004266162A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | 電子機器 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019047476A (ja) * | 2016-12-29 | 2019-03-22 | 杭特電子股▲分▼有限公司 | 監視機能付き携帯照明装置 |
-
2003
- 2003-03-03 JP JP2003056240A patent/JP2004266162A/ja not_active Withdrawn
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