JP2004265991A - 静電チャックの製造方法 - Google Patents

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雄二 麻生
Kazuya Tsujimichi
万也 辻道
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Abstract

【課題】気体堆積法により、導電体基材上に絶縁膜を形成した後、さらに気体堆積法により被吸着物と接触する絶縁体からなる突起物を形成する製法の場合、絶縁膜と絶縁体からなる突起物の形成を両方とも気体堆積法のみで実施するため、気体堆積法による体積(面積×膜厚)が大きく、製膜に時間がかかり、結果としてコストが嵩んでしまう。そこで、低コストな静電チャックを提供する。
【解決手段】アルミ、もしくはアルミ合金そこで、低コストな静電チャックを提供する。に、アルマイト処理により絶縁膜4を形成した後、誘電体表面に気体堆積法により、被吸着物と接触する絶縁体からなる突起物3を形成したことを特徴とする静電チャックの製造方法である。気体堆積法は絶縁体からなる突起物の形成のみである。これにより、気体堆積法の製膜コストを大幅に低減することが出来、結果として、低コストな静電チャックを提供することが可能になる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置内にて被処理物を固定、搬送するために用いられる静電チャックの製造方法に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造装置においては、シリコンウェハ等を吸着保持するための装置として、静電チャックが利用されている。静電チャックのひとつの構造として、特許文献1のように気体堆積法により吸着面に絶縁体からなる突起物を形成し、ウェハへのゴミの付着を防止する構造が提案されている。
【0003】
図9は特許文献1の静電チャックの断面図を示したものである。気体堆積法により絶縁膜2を形成した後、更に気体堆積法により絶縁体からなる突起物3が形成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−60619号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1のように、気体堆積法により、絶縁体基材上の電極に絶縁膜を形成し、もしくは導電体基材上に絶縁膜を形成した後、さらに気体堆積法により被吸着物と接触する絶縁体からなる突起物を形成する製法の場合、絶縁膜と絶縁体からなる突起物の形成を両方とも気体堆積法のみで実施するため、気体堆積法による体積(面積×膜厚)が大きく、製膜に時間がかかり、結果としてコストが嵩んでしまう問題があった。
【0006】
気体堆積法とは、セラミック微粒子などの脆性材料微粒子を用いて様々な基板上に脆性材料構造物を形成させる方法として、特許第3348154号などに提案されているもので、脆性材料の微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを、基板材料に向けて噴射して、微粒子を基板材料表面に衝突させ、この衝突エネルギーにより微粒子材料を破砕、変形、再結合せしめ、焼成させることなく基板表面に脆性材料の構造物を形成させる方法であり、セラミックスなどの絶縁膜を形成するのに好適な手段である。
【0007】
気体堆積法により形成した絶縁膜は、他の蒸着や印刷、スピンコート、フローコートなどの手段により形成した絶縁膜と比較して、同じ厚みで数倍の高い絶縁耐圧を発揮する。
しかしながら、実際に被吸着物を吸着させて使用する場合、高い絶縁耐圧が要求されるのは、被吸着物と接触する絶縁体からなる突起物の部分である。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、低コストな静電チャックを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の第一の様態は、平板状の基材が導電体の基材であった場合は、導電体の基材上に、蒸着、印刷、スピンコート、フローコート等で絶縁膜を形成した後、または、絶縁膜を形成したものを準備し、気体堆積法により、被吸着物と接触する絶縁体からなる突起物を形成したことを特徴とする静電チャックの製造方法である。気体堆積法を用いるのは絶縁体からなる突起物の形成のみである。
これにより、気体堆積法の製膜コストを大幅に低減することが出来、結果として、低コストな静電チャックを提供することが可能になる。
【0009】
上記目的を達成するために本発明の第二の様態は、絶縁基材の表面に少なくとも一つ以上の面状もしくは帯状の電極を形成し、該電極を覆うように、蒸着処理により絶縁膜を形成した基材の平板状表面に、または、電極を覆うように蒸着処理により絶縁膜を形成した基材を準備し、そこへ気体堆積法により、被吸着物と接触する絶縁体からなる突起物を形成したことを特徴とする静電チャックの製造方法である。前記発明と同様に、気体堆積法を用いるのは絶縁体からなる突起物の形成のみである。
これにより、気体堆積法の製膜コストを大幅に低減することが出来、結果として、低コストな静電チャックを提供することが可能になる。
また、前記第一の様態では、所謂単極タイプの静電チャックしか構成できないが、この第二の様態においては、所謂双極タイプ、櫛歯タイプの静電チャックの構成が可能になる。
【0010】
上記目的を達成するために請求項5は、前記絶縁体からなる突起物の材質はセラミックスであることを特徴とする。セラミックスの材質としては、アルミナ、窒化アルミなどがある。一般的にセラミックスは絶縁耐圧の優れた材料であり、絶縁体からなる突起物の材質として、最も適している。
上記目的を達成するために請求項6は、平板状の基材がアルミもしくはアルミ合金の場合、アルマイト処理により絶縁膜を形成した後、該絶縁膜表面に気体堆積法により、被吸着物と接触する絶縁体からなる突起物を形成したことを特徴とする静電チャックである。つまり気体堆積法を用いるのは絶縁体からなる突起物の形成のみである。
これにより、気体堆積法の製膜コストを大幅に低減することが出来、結果として、低コストな静電チャックを提供することが可能になる。
アルマイトとは、ドイツではエロクサール、アメリカではアルミライトなどという。アルミニウムを陽極酸化して耐食性酸化皮膜をつける方法の日本での登録名。
【0011】
本発明で記載するところの、導電体とは、一般的に電極材料として使用されているもので、室温での体積抵抗率が約10−3Ωcm以下のものを、絶縁体とは、一般的に電気絶縁材料として使用されているもので、室温での体積抵抗率が約10Ωcm以上のものを言う。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、平板状のアルミ基材1を、アルマイト処理層で陽極酸化して耐食性酸化皮膜である、アルマイト層4を形成する。続いて、該平板状基材を真空チャンバー内に設置し、気体堆積法により、絶縁体からなる突起物3を形成する。
アルマイト層4は、平面度や平滑度が要求される場合は、必要に応じ、研削や研磨加工等を施す。
【0013】
絶縁体からなる突起物3の形成方法としては、図7に示すように、特開平10−202171に記載されているように、所定の開口パターンを構成する開口を有するマスク13を、アルマイト層4の表面から任意の距離をおいて配置し、ノズル11から噴出されるエアロゾル粒子12が、開口パターンと同じ形状に製膜されるようにするか、もしくは図8に示すように、ノズルの形状を絶縁体からなる突起物3の形状と同じように設計し、ノズルをステップ状に走査させながら、絶縁体からなる突起物3のみを直接製膜するなど、絶縁体からなる突起物3の形状形成手段は問わない。
同じように絶縁体からなる突起物3は、平面度や平滑度が要求される場合は、必要に応じ、研削や研磨加工等を施す。
【0014】
平板状の基材とは、表面全体にわたってフラットであるとは限らず、必要によっては、溝や穴などの加工が施されている場合もある。
気体堆積法で形成する絶縁体からなる突起物3の形状は、円形、多角形、リング状など形状は特に断定しない。絶縁体からなる突起物3の大きさは、必要に応じて変化させてもかまわない。標準的な大きさとしては、数百μm〜数mm程度が妥当な大きさである。また、絶縁体からなる突起物3の高さも、必要に応じて変化させる。標準的な高さとしては、数μm〜数百μmが妥当な高さである。
気体堆積法で形成する絶縁体からなる突起物3の材質は、セラミックスやガラスなどがあるが、製膜性、電気絶縁性の面からみて、セラミックス、特にアルミナセラミックスが最も好適である。
【0015】
図2は、本発明にかかる静電チャックの実使用例を示した断面図である。図2に示すように、被吸着物6と接触しているのは、気体堆積法により形成した絶縁体からなる突起物3のみである。
【0016】
図3は、本発明にかかる静電チャックの別の実使用例を示した断面図である。図3に示すように、アルミ基材1の側面に電気絶縁性が必要な場合は、アルマイト層4が、アルミ基材1の側面にも形成される。ただし、被吸着物6と接触しているのは、気体堆積法により形成した絶縁体からなる突起物3のみである。
【0017】
図4は、本発明にかかる静電チャックの別の実使用例を示した断面図である。図4に示すように、アルミ基材1の側面および裏面にも電気絶縁性が必要な場合は、アルマイト層4が、アルミ基材1の側面および裏面にも形成される。ただし、被吸着物6と接触しているのは、気体堆積法により形成した絶縁体からなる突起物3のみである。
【0018】
図5は、本発明にかかる静電チャックの別の実施例を示した断面図である。図5に示すように、絶縁基材7の表面に、電極8が形成され、更に電極8を覆うように蒸着処理で形成した絶縁膜10が形成されている。その絶縁膜10の表面に、気体堆積法により、絶縁体からなる突起物3を形成する。
蒸着処理で形成した絶縁膜10は、平面度や平滑度が要求される場合は、必要に応じ、研削や研磨加工等を施す。
【0019】
また、形成する絶縁膜10の材質は、セラミックスやガラス、ポリイミド等が好適である。製膜の手段としては、例えば、PVD、CVD、イオンプレーティングなどの蒸着、また、蒸着以外の手段として、印刷、スピンコート、フローコートなど、材質に合った手段を用いる。
電極8の材質としては、アルミ、SUS、銅、金、白金、銀、タングステンなど導電体のものであれば、特に材質は問わない。また、電極8の形成手段としては、メッキ、印刷、蒸着など、電極8の材質に合った手段を用いる。
また、電極8は、ビアホール9により外部から電圧を供給することが可能になっている。
【0020】
図6は、本発明にかかる静電チャックの別の実施例を示した断面図である。図6に示すように、絶縁基材7の表面に、2枚の電極8が形成され、更に電極8を覆うように蒸着処理で形成した絶縁膜10が形成されている。その絶縁膜10の表面に、気体堆積法により、絶縁体からなる突起物3を形成する。
これにより、所謂双極タイプや櫛歯タイプの静電チャックの構成が可能になる。
蒸着処理で形成した絶縁膜10は、平面度や平滑度が要求される場合は、必要に応じ、研削や研磨加工等を施す。
【0021】
また、蒸着処理により形成する絶縁膜10の材質は、セラミックスやガラス、ポリイミドが好適である。蒸着の手段としては、PVD、CVD、イオンプレーティングなど、材質に合った手段を用いる。
電極8の材質としては、アルミ、SUS、銅、金、白金、銀、タングステンなど導電体のものであれば、特に材質は問わない。また、電極8の形成手段としては、メッキ、印刷、蒸着など、電極8の材質に合った手段を用いる。
また、電極8は、ビアホール9により外部から電圧を供給することが可能になっている。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、気体堆積法の製膜コストを大幅に低減することが出来、結果として、低コストな静電チャックを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる静電チャックの断面図
【図2】本発明にかかる静電チャックの実使用例の断面図
【図3】本発明にかかる静電チャックの別の実使用例の断面図
【図4】本発明にかかる静電チャックの別の実使用例の断面図
【図5】本発明にかかる静電チャックの別の実施例の断面図
【図6】本発明にかかる静電チャックの別の実施例の断面図
【図7】本発明にかかる静電チャックの突起物の形成方法を示した概略図
【図8】本発明にかかる静電チャックの突起物の別の形成方法を示した概略図
【図9】従来技術の静電チャックを示す断面図
【符号の説明】
1…アルミ基材
2…気体堆積法で形成した絶縁膜
3…気体堆積法で形成した絶縁体からなる突起物
4…アルマイト層
5…直流電源
6…被吸着物
7…絶縁基材
8…電極
9…ビアホール
10…蒸着処理で形成した絶縁膜
11…ノズル
12…エアロゾル粒子
13…マスク

Claims (6)

  1. 導電体からなる平板状基材の表面に形成された絶縁膜の表面へ、気体堆積法により被吸着物と接触する絶縁体からなる突起物を形成することを特徴とする静電チャックの製造方法。
  2. 導電体からなる平板状基材の表面に絶縁膜を形成し、この絶縁膜の表面へ、気体堆積法により被吸着物と接触する絶縁体からなる突起物を形成することを特徴とする静電チャックの製造方法。
  3. 絶縁体からなる平板状基材の表面の電極を覆うように形成された絶縁膜の表面へ、気体堆積法により被吸着物と接触する絶縁体からなる突起物を形成することを特徴とする静電チャックの製造方法。
  4. 絶縁体からなる平板状基材の表面に電極を形成し、該電極を覆うように絶縁膜を形成し、この絶縁膜の表面へ、気体堆積法により被吸着物と接触する絶縁体からなる突起物を形成することを特徴とする静電チャックの製造方法。
  5. 前記絶縁体からなる突起物は、セラミックスであることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の静電チャックの製造方法。
  6. アルミもしくはアルミ合金で構成された平板状基材の表面に、アルマイト処理により絶縁膜を形成し、この絶縁膜の表面に、気体堆積法により被吸着物と接触する絶縁体からなる突起物を形成したことを特徴とする静電チャック。
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JP2022532321A (ja) * 2019-07-05 2022-07-14 ベイジン・ナウラ・マイクロエレクトロニクス・イクイップメント・カンパニー・リミテッド マスク構造及びfcva装置

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