JP2004265821A - レドックスフロー電池の運転方法、電池用電極板及びレドックスフロー電池システム - Google Patents

レドックスフロー電池の運転方法、電池用電極板及びレドックスフロー電池システム Download PDF

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芳輝 景山
Takefumi Itou
岳文 伊藤
Nobuyuki Tokuda
信幸 徳田
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Abstract

【課題】機械的な接触を行うことなく、比較的安価な構成で直流電圧の調整を行うことができるレドックスフロー電池の運転方法を提供する。
【解決手段】レドックスフロー電池1に複数のセル100を具えておき、中間部に位置するセル100間に出力端子11a〜11cを有する電池用電極板10を複数具える。そして、半導体スイッチ12a〜12cにより出力端子11a〜11cを切り換えて、負荷に電力を供給するセル数を変化させ、負荷の許容電圧に応じて負荷に直流電力を供給する。負荷は、スイッチングにより選択された出力端子11a〜11cのいずれかと、電極板208の出力端子207とに接続され、直流電力が供給される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レドックスフロー電池の運転方法、この運転を行うレドックスフロー電池に適した電池用電極板、及びこの運転に適したレドックスフロー電池システムに関するものである。特に、より安価な構成で、火花やノイズなどの発生を抑制して、所望の大きさの直流電力を得ることができるレドックスフロー電池の運転方法、この方法に最適な電池用電極板、及びこの運転を行うのに最適なレドックスフロー電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レドックスフロー電池は、従来、負荷平準化や瞬低対策用として利用されている。図3はレドックスフロー電池の動作原理を示す説明図である。この電池は、イオン交換膜からなる隔膜103で正極セル100Aと負極セル100Bとに分離されたセル100を具える。正極セル100Aと負極セル100Bの各々には正極電極104と負極電極105とを内蔵している。正極セル100Aには正極電解液を供給・排出するための正極用タンク101が導管106、107を介して接続されている。負極セル100Bにも負極電解液を導入・排出する負極用タンク102が同様に導管109、110を介して接続されている。各電解液にはバナジウムイオンなど原子価が変化するイオンの水溶液を用い、ポンプ108、111で循環させ、正負極電極104、105におけるイオンの価数変化反応に伴って充放電を行う。例えば、バナジウムイオンを含む電解液を用いた場合、セル内で充放電時に生じる反応は次のとおりである。
正極:V4+→V5++e(充電) V4+←V5++e(放電)
負極:V3++e→V2+(充電) V3++e←V2+(放電)
【0003】
図4は、上記電池に用いるセルスタックの概略構成図である。この電池は、通常、複数のセル100を積層したセルスタック200と呼ばれる構成が利用される。セル100は、双極板201を具えるセルフレーム202、カーボンフェルト製の正極電極104、隔膜103、カーボンフェルト製の負極電極105、セルフレーム202を順に積層して構成される。セルスタック200は、複数組のセル100の積層体からなるサブセルスタック203を複数積層し、更に、この積層した複数組のサブセルスタック203からなるブロック体の両側を二枚のエンドプレート204にて挟み、エンドプレート204間にボルト205を挿通してナット206で締め付けて組み立てられる。
【0004】
図5(A)は、上記セルスタック200を模式的に示す上面図、(B)は、従来の電極板を模式的に示した正面図である。図5(A)に示すようにセルスタック200の両側(図5(A)では左右側)には、通常、通電のための出力端子207を有する電極板208と、電解液の供給部209a(図4参照)及び排出部209bを具える給排板210が順に配置される。電極板208は、銅製のものが一般的であり、図5(B)に示すように一面に双極板201を装着させており、図5(A)に示すように、この双極板201を有する面を対向させて、双極板201間でセル100を挟み込むようにセルスタック200に配置される。そして、この電極板208の出力端子207に配線などを接続して、負荷への電極供給(放電)を行う。
【0005】
また、従来、太陽電池とレドックスフロー電池との複合電池構造において、太陽電池の作動電圧に応じて、レドックスフロー電池の各セルの入力端子を断続する端子切換機構を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭61−69339号公報(特許請求の範囲、第1図参照)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなレドックスフロー電池は、上記のように電力の平準化のほかに、UPSの電源、スプリンクラーなどの消防用電源、非常灯用電源などの非常時の電源として用いられる。UPSや消防用の電源などでは、通常、交流で使用するものであり、図3に示すように交流/直流変換器により、電池からの直流を所望の交流電圧に変換している。これに対し、非常灯用の電源などでは、通常、所望の電圧範囲の直流で使用するものであり、従来、所望の電圧範囲の直流電圧を得るため、放電時に直流電圧を調整するべく、DC/DCコンバータが用いられている。しかし、DC/DCコンバータは、比較的高価であり、より安価な構成のものが求められている。
【0008】
一方、特許文献1では、セル構造の各セルに出力端子を切り換えて、負荷の大きさに応じた出力をレドックスフロー電池より取り出すべく、接続されるべきセルの数を可変する構成が開示されている。しかし、特許文献1では、端子切換機構の具体的な構成について、何ら開示されていない。また、従来、端子を切り換えるのに電磁弁などを利用した機械的な接触による方法が考えられるが、この方法では、接触の際、火花が発生したり、ノイズが生じ易いなどの問題がある。
【0009】
そこで、本発明の主目的は、機械的な接触を行うことなく、比較的安価な構成で直流電圧の調整を行うことができるレドックスフロー電池の運転方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の別の目的は、上記レドックスフロー電池の運転方法に最適な電池用電極板、及びこの電極板を用いたレドックスフロー電池システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、出力端子の切り換えを半導体スイッチで行うことで上記目的を達成する。
【0012】
即ち、本発明レドックスフロー電池の運転方法は、複数のセルを具えるレドックスフロー電池の運転方法であって、前記セルのうち、出力端子を有するセルを複数具えておき、半導体スイッチにより出力端子を切り換えて、選択された出力端子間に存在する電力供給を行うセル数を変化させ、負荷の許容電圧に応じて負荷に直流電力を供給することを特徴とする。
【0013】
レドックスフロー電池の出力電圧は、一般に、電解液の種類で決まることが知られている。例えば、硫酸バナジウム溶液などのバナジウムイオンを含む電解液を用いた場合、単一セルの電圧変動幅は、約1〜1.55V程度である。従って、例えば、電解液に硫酸バナジウム溶液を用い、90組のセルからなるレドックスフロー電池を考えると、電圧変動幅は、(約1〜1.55V)×90セル=約90〜139.5V程度となる。そのため、例えば、この電池を直流100±10Vの非常灯用電源として用いる場合、単一セルの出力電圧値によっては、電圧調整を必要とすることがある。
【0014】
従来、直流電圧を調整するために、DC/DCコンバータを用いていたが、DC/DCコンバータは、比較的高価である。一方、負荷に応じて電極供給を行うセル数を可変させるべく、出力端子を切り換えることが知られているが、この切り換えを電磁弁などの機械的接触で行うと、火花やノイズなどの発生という不具合が生じる。そこで、本発明では、より安価で、火花やノイズなどの発生を低減又は抑制するべく、半導体スイッチにて出力端子を切り換えて、負荷に電力供給を行うセル数を変化させ、直流電力を得ることを規定する。以下、本発明をより詳しく説明する。
【0015】
本発明において、出力端子の切り換えは、半導体スイッチで行う。半導体からなるスイッチ素子は、電磁弁などを利用した物理的スイッチのように接触と非接触とを繰り返すスイッチングでなく、物理的な接触を行わない無遮断のスイッチングを行う。そのため、半導体スイッチは、スイッチングの際に火花やノイズなどの発生を軽減又は抑制することができる。また、半導体スイッチは、一般に、上記物理的スイッチと比較してスイッチの切り換え速度が非常に速く、電圧変動などの変動が少ないため、スイッチングの際の損失を低減することができる。このようなスイッチ素子としては、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、MOS形電界効果トランジスタ)、FET(Field Effect Transistor、電界効果トランジスタ)、GTO(Gate Turn Off thyristor、ゲートターンオフサイリスタ)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などが挙げられる。
【0016】
本発明では、上記半導体スイッチにて出力端子を切り換えることで、出力端子間に存在するセル数を変化させる、即ち、負荷に接続されるセル数を変化させる。具体的には、出力端子を有するセルを複数用意して、これらのセルをレドックスフロー電池内に配置し、出力端子に半導体スイッチをそれぞれ取り付ける。半導体スイッチは、全ての出力端子に取り付けてもよいし、特定の出力端子のみに取り付けてもよい。そして、一組以上の複数組のセル毎に同スイッチを具えるセルが存在するようにする。負荷に接続される二つ出力端子は、双方共にスイッチングにより選択された出力端子とすることもできるし、一方を従来の電極板に有する出力端子、他方をスイッチングにより選択された出力端子とすることもできる。前者の場合、スイッチングにより、あるスイッチを具えるセルと他のスイッチを具えるセル間に存在するセル数を変化させ、このセル数分の出力が得られることになる。後者の場合、スイッチングにより選択することで、選択された出力端子と電極板間に存在するセル数を変化させ、このセル数分の出力が得られることになる。上記半導体スイッチを接続するセルの数及びこのようなセルの配置は、所望の直流電力が得られるセル数となるように調整するとよい。そして、負荷の許容電圧に応じた電力が得られるように、スイッチによる切り換えを行って、セル数を変化させるとよい。
【0017】
本発明を適用するレドックスフロー電池の電解液としては、起電力が高く、エネルギー密度が大きく、正極電解液と負極電解液とが混合しても充電によって再生することができる単一元素系であるバナジウムイオンを含むものが好適である。例えば、硫酸バナジウムなどのバナジウムイオン溶液が挙げられる。このとき、セル1枚あたりの出力電圧は、一般に約1〜1.55V程度であり、電池の充電状態によって変動する。そこで、バナジウムイオンを含む溶液を電解液として用いる場合、その出力電圧に応じて、適宜必要とされる直流電力が得られるセル数となるように出力端子を切り換えるべく、スイッチングすることが好ましい。
【0018】
スイッチの制御は、制御部を具えて行うことが好ましい。より具体的には、例えば、電解液にバナジウムイオンを含む電解液を用い、非常時において直流電力を得る場合を考える。このとき、電池の出力電圧を測定し、得られた出力電圧に基づき、所望の直流電力となるセル数に対応した出力端子を導通させ、その他の出力端子を非導通状態に制御する構成が挙げられる。このような制御部の電源は、レドックスフロー電池から得てもよいし、別途乾電池などの電源を常時具えておいてもよい。
【0019】
本発明において、上記半導体スイッチを取り付ける出力端子としては、金属製の導電板の両面に双極板が配置された電池用電極板に具えられるものが好適である。この電池用電極板を用いると、電極板に生じる電気抵抗の増加を低減し、発熱などの不具合を抑制することができて好ましい。特許文献1では、セル数を変化させるべく、セルスタックの中間部に位置するセルに出力端子を具えることが開示されているが、その詳細な構成は明らかでない。そのため、セルスタックの中間部に位置するセルにおいて、導電性の双極板に出力端子を直接接続する構成が考えられる。ここで、レドックスフロー電池に用いられる電解液は、硫酸バナジウム溶液に代表されるように一般に酸性であるため、双極板は、導電性であると共に、耐酸性が要求される。そこで、双極板は、炭素材料、炭素含有導電性樹脂材料で形成され、通常、価格や機械的強度面から後者の樹脂材料が使用されることが多い。この炭素含有導電性樹脂材料からなる双極板に出力端子を直接接続すると、銅などの金属材料と比較して電気抵抗が高いため、発熱し易い。特に、電気抵抗の高い樹脂材料を用いた場合、この問題が顕著である。そこで、本発明では、双極板に直接出力端子を設けるのではなく、上記樹脂材料と比較して電気抵抗が小さい金属材料からなる導電板に出力端子を接続する。そして、この金属導電板の両面に双極板を配置する。
【0020】
上記金属導電板は、銅などの電気抵抗が小さい金属が好ましい。その他、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、及びこれらの金属を主体とする合金などが挙げられる。本発明では、このような金属導電板を用いて電気抵抗の低減を図るため、双極板は、従来と同様に炭素材料、炭素含有導電性樹脂材料などからなるものを用いてもよい。また、金属導電板と双極板との接触抵抗をより低減するために、金属導電板に金属被膜を形成し、この被膜上に双極板を装着してもよい。このような金属被膜は、金、銀、銅、ニッケル、クロム、錫、アルミニウム及び半田からなる群から選択される少なくとも一種からなるものが挙げられる。特に0.1μm〜1mmの厚さに形成することが好ましい。また、金属被膜の形成は、電気メッキ法、無電解メッキ法、金属溶射法、スパッタリング法、真空蒸着法からなる群から選択される方法が挙げられる。
【0021】
上記本発明レドックスフロー電池の運転方法を実現する電池システムとしては、複数のセルを具えるレドックスフロー電池を用い、上記電池用電極板を異なるセル間に複数具えて、各出力端子に接続される上記半導体スイッチによるスイッチングにて出力端子の切り換えを行う構成が好ましい。このようなシステムにおいて、レドックスフロー電池は、交流電力を必要とするセルと直流電力を必要とするセルとを別個に具えていてもよいし、上記両者のセルを兼用してもよい。交流電力を必要とするセルとしては、例えば、電力平準化用のセルが挙げられる。直流電力を必要とするセルとしては、例えば、非常時、非常灯などの電源となるセルが挙げられる。
【0022】
交流電力用セルと直流電力用セルとを別個に具える場合、例えば、電力平準化用のセルに対しては、従来と同様に両端に位置するセルに出力端子を有する電極板を具えるとよい。一方、直流電力用のセルには、中間部に位置するセル間に両面に双極板を具える上記電池用電極板を具えるとよい。また、電解液タンクも、電力平準化用、直流電力用と別個に具える方が切り換え易く好ましい。
【0023】
交流電力用セルと直流電力用セルとを兼用する場合、両端に位置するセルに対しては、従来と同様に出力端子を有する電極板を具え、中間部に位置するセル間に両面に双極板を具える上記電池用電極板を具える。そして、例えば、電力平準時には、両端に配置された電極板の出力端子から、非常時には、中間部に配置された上記電池用電極板の出力端子から選択される二つの出力端子から、又は同選択された一つの出力端子と一端側に配置された電極板の出力端子とから電力の供給を行うようにスイッチングをするとよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
<レドックスフロー電池システム>
(全体構成)
図1は、本発明電池用電極板を具えるレドックスフロー電池システムの構成を模式的に示す概略構成図である。図1に示すレドックスフロー電池1の基本的構成は、図3〜5に示す従来のレドックスフロー電池と同様である。即ち、レドックスフロー電池1は、図4と同様に複数のセル100を積層したセルスタックと呼ばれる構成を利用している。セル100は、双極板201を具えるセルフレーム202、カーボンフェルト製の正極電極104、隔膜103、カーボンフェルト製の負極電極105、セルフレーム202を順に積層して構成される。そして、レドックスフロー電池1は、このようなセル100を90組積層し、この積層体の両側(図1では左右側)に出力端子207を有する電極板208、電解液の供給部209a(図4参照)及び排出部209bを具える給排板210、エンドプレート204をそれぞれ順に配置し、これらプレート204間にボルト205を挿通してナット206で締め付けることで組み立てられる。
【0025】
本発明の特徴とするところは、図1に示すように中間部に位置するセル100間に出力端子11a、11bを有する電池用電極板10を複数具える点と、出力端子11a〜11cにそれぞれ半導体スイッチ12a〜12cを具える点にある。以下、この点を中心に詳しく説明する。
【0026】
(電池用電極板)
図2は、本発明電池用電極板を模式的に示す正面図であり、(A)はその一例を示し、(B)は、金属導電板と双極板との間に金属被膜を具える例を示す。本発明電池用電極板10は、出力端子11を有する銅製の導電板20と、導電板20の両面に配置される双極板21とを具える。本例において双極板21は、公知の炭素含有導電性樹脂材料からなるものを用いた。そして、この電極板10は、図1に示すようにレドックスフロー電池1の中間部に位置するセル100間に配置する。本例では、70セル目と80セル目とに具えた。
【0027】
本発明は、双極板21に直接端子を接続するのではなく、電気抵抗が比較的小さい金属性の導電板20に出力端子11を具える。このように導電板20の両面に双極板21を装着する構成により、電気抵抗の増加を抑制することができる。
【0028】
更に、図2(B)に示すように導電板20の表面に金属被膜22を形成し、この金属被膜22上に双極板21を装着することで、導電板20と双極板21との接触抵抗をより低減することができる。本例において電池用電極板10’は、電気メッキによりニッケルを厚さ10μmに形成した。このとき、導電板20と双極板21との接触抵抗を調べたところ、0.03Ωcmであった。
【0029】
(半導体スイッチ)
上記電極板10の出力端子11a、11b及び電極板208の出力端子11cには、それぞれ半導体スイッチ12a〜12cを接続している(図1参照)。このように半導体スイッチを具えることで、負荷に接続される二つの出力端子は、一方が一端側(図1では右側)に配置される電極板208に有する出力端子207、他方がスイッチングにより選択された出力端子11a〜11cのいずれかとなる。本例において半導体スイッチは、いずれも三菱電機株式会社製FS29KM−SAを用いた。
【0030】
(制御部)
これら半導体スイッチ12a〜12cは、制御部に接続され、この制御部よりスイッチングが制御される。本例において制御部は、レドックスフロー電池1の出力電圧を測定し、その出力電圧に応じて半導体スイッチ12a〜12cのいずれかをON、残り二つのスイッチをOFFにする構成とした。また、制御部は、レドックスフロー電池1から直接電源を得る構成とした。
【0031】
<電圧変化の動作>
上記構成を具えるレドックスフロー電池1において、負荷への電圧を変化させる動作を説明する。なお、本例では、レドックスフロー電池1の電解液として、硫酸バナジウム溶液を用い(正極電解液;V4+:1.8mol/l、負極電解液;V3+:1.8mol/l)、1組のセル100あたりの出力電圧を約1〜1.55Vとした。即ち、平常運転時の負荷への電圧は、約90〜140Vである。
【0032】
本例においてレドックスフロー電池1は、90組からなるセル100の集合体の両側に具える電極板208のうち、一方の側(図1では右側)の電極板208は、配線などを介して負荷に接続され、導通状態である。他方の側(図1では左側)の電極板208は、半導体スイッチ12cがONのとき、負荷側に導通され、OFFのとき、負荷側と電気的に遮断される。このとき、電池用電極板10に接続される半導体スイッチ12a、12bのいずれかをONとし、負荷側に導通される。即ち、一方の側の電極板208と電池用電極板10との間に存在するセル数(本例では、70組のセル又は80組のセル)に応じた直流電圧が得られる。
【0033】
上記構成のレドックスフロー電池1において、平常運転時(負荷への供給が交流電力)は、制御部にて、半導体スイッチ12a、12bをOFF、半導体スイッチ12cをONにさせる。このとき、負荷は、電極板208に具える出力端子11c及び207とに接続され、90組のセルによる直流電圧(本例では約90〜140V)が供給される。
【0034】
次に、非常時を考える。本例では、100±10Vの直流電圧が望まれる負荷(例えば、非常灯)に電力の供給を行う場合を例に説明する。まず、制御部では、非常時になる直前の電池電圧(1セルあたりの出力電圧)を測定する。そして、例えば、1セルの出力電圧が約1.55V(高程度の電圧)の場合、半導体スイッチ12cをOFFにし、同時に半導体スイッチ12aをONにする。半導体スイッチ12bは、OFFのままである。このとき、負荷は、電池用電極板10に具える出力端子11aと電極板208に具える出力端子207とに接続され、70組のセル分の直流電圧、即ち1.55V×70セル=108.5Vが供給される。また、例えば、1セルの出力電圧が約1.2V(中程度の電圧)の場合、半導体スイッチ12cをOFFにし、同時に半導体スイッチ12bをONにする。このとき、負荷は、電池用電極板10に具える出力端子11bと電極板208に具える出力端子207とに接続され、80組のセル分の直流電圧、即ち1.2V×80セル=96Vが供給される。更に、例えば、1セルの出力電圧が約1V(低程度)の場合、半導体スイッチ12cをONのままとし、半導体スイッチ12a、12bは、OFFのままとする。このとき、負荷は、電極板208に具える出力端子11c及び207とに接続され、90組のセル分の直流電圧、即ち1V×90セル=90Vが供給される。
【0035】
本発明は、このように負荷の許容電圧に応じて、半導体スイッチにより出力端子を切り換え、出力端子間に存在する電力供給を行うセル数を変化させることで、DC/DCコンバータを用いることなく、所望の直流電圧を得ることができる。
【0036】
<試験例>
上記レドックスフロー電池1の非常灯用電源(直流100±10V)としての作動状況を確認してみた。試験では、レドックスフロー電池1を満充電(電池電圧140V)にしたところで非常灯(負荷)に連結し、以後、電池電圧が90Vになるまで放電した。放電の間、電池電圧の変化に応じて、上記のように適宜半導体スイッチ12a〜12cにより、出力端子を切り換えることができ、非常灯用電源として、問題なく作動することができた。また、スイッチングの際、火花が発生することがなく、ノイズの発生も殆ど見られなかった。
【0037】
上記実施例では、電力平準化用のセルと、非常灯用のセルとを兼用する構成のものを示したが、電力平準化用のセルと、非常灯用のセルを別個に具えた構成でももちろんよい。このとき、平準化用のセルには、図5に示す従来の構成でよく、電極板208の出力端子207に特に半導体スイッチを設ける必要はない。一方、非常灯用のセルには、図1に示す構成と同様に、適当なセル数毎に出力端子を具える電池用電極板10を配置して、当該出力端子に半導体スイッチを接続して制御部によりスイッチングを制御し、電池電圧に応じてセル数を変化させ、所望の直流電圧を得るとよい。また、上記実施例では、負荷に接続される二つの出力端子を電極板208に有するものと電池用電極板10に有するものとしたが、双方共に電池用電極板10に有するものとしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明レドックスフロー電池の運転方法によれば、高価なDC/DCコンバータを用いることなく、半導体スイッチによるスイッチングで負荷に電力を供給するセル数を変化させる構成により、所望の直流電力を容易に得ることができるという優れた効果を奏し得る。特に、物理的な接触によるスイッチングを行う物理的スイッチではなく、物理的な接触によるスイッチングを行わない半導体スイッチを具えることで、物理的接触によって生じる火花やノイズなどを低減、より好ましくは、殆どなくすることができる。
【0039】
また、本発明では、両面に双極板を具える電池用電極板を中間部に位置するセル間に具え、この電極板に出力端子を具える。このため、中間部に位置するセルの双極板に直接出力端子を設ける場合と比較して、電気抵抗が小さく、損失を低減することができる。
【0040】
従って、上記本発明電池用電極板を中間部に位置するセル間に具えたレドックスフロー電池は、所望の直流電力を容易に、また安価に得ることができ、例えば、非常灯用電源などの非常時用電源として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明電池用電極板を具えるレドックスフロー電池システムの構成を模式的に示す概略構成図である。
【図2】本発明電池用電極板を模式的に示す正面図である。
【図3】レドックスフロー電池の動作原理の説明図である。
【図4】従来のレドックスフロー電池に用いるセルスタックの概略構成図である。
【図5】図5(A)は、従来のレドックスフロー電池を模式的に示す上面図、(B)は、従来の電池用電極板を模式的に示す正面図である。
【符号の説明】
1 レドックスフロー電池 10、10’ 電池用電極板
11、11a、11b、11c 出力端子 12a、12b、12c 半導体スイッチ
20 導電板 21 双極板 22 金属被膜
100 セル 100A 正極セル 100B 負極セル 101 正極用タンク
102 負極用タンク 103 隔膜 104 正極電極
105 負極電極 106 導管 108 ポンプ 109 導管
200 セルスタック 201 双極板 202 セルフレーム
203 サブセルスタック 204 エンドプレート 205 ボルト
206 ナット 207 出力端子 208 電極板 209a 供給部
209b 排出部 210 給排板

Claims (3)

  1. 複数のセルを具えるレドックスフロー電池の運転方法であって、
    前記セルのうち、出力端子を有するセルを複数具えておき、半導体スイッチにより出力端子を切り換えて、出力端子間に存在する電力供給を行うセル数を変化させ、負荷の許容電圧に応じて負荷に直流電力を供給することを特徴とするレドックスフロー電池の運転方法。
  2. 出力端子を有する金属導電板と、
    前記導電板の両面に配置される双極板とを具えることを特徴とする電池用電極板。
  3. 複数のセルを具えるレドックスフロー電池システムであって、
    請求項2記載の電池用電極板を異なるセル間に複数具え、
    各出力端子に接続されると共に、スイッチングにより出力端子の切り換えを行う半導体スイッチを具えることを特徴とするレドックスフロー電池システム。
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