JP2004264561A - 反射板、該反射板を用いた表示装置、該表示装置を用いた電子機器 - Google Patents

反射板、該反射板を用いた表示装置、該表示装置を用いた電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】光の干渉を防止し、かつ反射特性に優れた反射板、特に反射型液晶表示装置に用いられる反射板を提供する。
【解決手段】所定平面3に対して平行な面に配置され、入射光を所定平面の正反射光とは異なる方向に反射させる反射面(B)を備えた単位反射部(A)を複数有する反射板において、任意に抽出された第1単位反射部(A1)に備えられた第1反射面(B1)上の任意の位置に設けた基準点6で前記第1反射面と接する第1接平面7と、第1接平面に平行で、かつ第1単位反射部と隣接する第2単位反射部(A2)に備えられた第2反射面(B2)と接する第2接平面8との距離(dP)が、入射光のコヒーレント長の2分の1以上である。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置、特に液晶表示装置に用いられる反射板に関する。
【0002】
【従来の技術】
外光を反射板によって反射させることで画像を表示する液晶表示装置は、バックライトを用いる必要がなく低消費電力化に優れている。図1に示すように、従来の液晶表示装置102は、上側基板121と下側基板122の間に液晶層123があり、下側基板122の上側または下側に反射板101を備える。反射板101は、入射光を拡散反射させるために凸凹を有する。
別の従来の液晶表示装置102aは、図2に示すように、入射光を正反射方向と異なる方向に拡散反射させるようにその凸凹形状が定められた反射板101aを備える。(例えば特許文献1参照)。反射板101aを用いると、反射板で拡散反射される光の方向が上側基板の表面で反射される光の方向と一致しないため、液晶表示装置の視認性の低下を防ぐことができる。
【0003】
一方、微細な凸凹を規則的に配置した反射板には、入射光の干渉による色付きが生じることが知られている。そこで、凸凹間の距離をばらつかせたり、凸凹の高さをばらつかせたりする試みがなされている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−180612号
【特許文献2】特許2912176号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような凸凹間の距離や高さのばらつきの条件を、反射板に適用すると、反射光の光利用効率が低下したり、反射光の拡散特性の不均一化が生じて反射特性が低下したりする問題があった。さらに、入射光を正反射方向と異なる方向に拡散反射させるような凸凹形状を有する反射板に適用すると、同様の課題に加えて所望の出射方向に反射する機能が損なわれるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑み、光の干渉を防止し、かつ反射特性に優れた反射板を提供することを目的とする。
また、本発明は、当該反射板を用いることで、色付きがなく視認性に優れた表示装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、当該表示装置をディスプレイとして用いることで、色付きがなく視認性に優れた電子機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、光の干渉を防止できる光の反射方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる第1の反射板は、所定平面に対して平行な面に配置され、入射光を前記所定平面の正反射光とは異なる方向に反射させる反射面を備えた単位反射部を複数有する反射板において、任意に抽出された第1単位反射部に備えられた第1反射面上の任意の位置に設けた基準点で前記第1反射面と接する第1接平面と、前記第1接平面に平行で、かつ前記第1単位反射部と隣接する第2単位反射部に備えられた第2反射面と接する第2接平面との距離が、入射光のコヒーレント長の2分の1以上であることを特徴とする。
この反射板は、隣接する反射面間が光の干渉が起こらない距離を保つので、反射光に干渉が生じない。
【0008】
本発明にかかる第2の反射板は、所定平面に対して平行な面に配置され、入射光を前記所定平面の正反射光とは異なる方向に反射させる反射面を備えた単位反射部を複数有する反射板において、任意に抽出された第1単位反射部に備えられた第1反射面上の任意の位置に設けた基準点で前記第1反射面と接する第1接平面と、前記第1接平面に平行で、かつ前記第1単位反射部と隣接する第2単位反射部に備えられた第2反射面と接する第2接平面との距離の平均が、入射光のコヒーレント長の2分の1以上であることを特徴とする。
この反射板による反射光は、反射光の全体中で、光の干渉が起こらない距離を保って反射する反射面からの光が多数を占めるので、実質的に干渉に起因する虹状の色付きが視認されない。
【0009】
本発明にかかる第3の反射板は、所定平面に対して平行な面に配置され、入射光を前記所定平面の正反射光とは異なる方向に反射させる反射面を備えた単位反射部を複数有する反射板において、任意に抽出された第1単位反射部に備えられた第1反射面上の任意の位置に設けた基準点で前記第1反射面と接する第1接平面と、前記第1接平面に平行で、かつ前記第1単位反射部と隣接する第2単位反射部に備えられた第2反射面と接する第2接平面との距離を変数とする度数分布を求めたときに、度数が最大となる距離が入射光のコヒーレント長の2分の1以上であることを特徴とする。
この反射板による反射光は、全反射光の中で、光の干渉が起こらない距離を保って反射する反射面からの光が多数を占めるので、実質的に干渉に起因する虹状の色付きが視認されない。
【0010】
本発明の一つの実施形態において、第1接平面と第2接平面との距離を80μm以下としても良い。このように構成された反射板の反射光を視認すると、各々の単位反射部からの反射光が輝点として認識されなくなり、実質的に連続した光として視認可能となる。
本発明の別の実施形態において、前記反射面は湾曲形状を有し、前記湾曲面上の各点で求めた法線ベクトルの平均ベクトルと直交する平面と、前記所定平面とのなす角度の平均値を、5度以上、15度以下の範囲に定めても良い。このように配置すると、反射光を視認する際に最も有効な、反射板から30度±15度の範囲に反射光を集光することができ、光の利用効率を上げることができる。ひいては、表示装置の視認に有効な角度における表示装置の表示を明るく出来る反射板となる。
【0011】
本発明のさらに別の実施形態において、前記複数の単位反射部は、前記反射面によって反射される反射光の強度が最大となる方向が、所定の位置で交差するように配置しても良い。このように単位反射部を配置した反射板は、反射光を所定の位置に集光するので、その集光位置から反射板を視認すると、反射板全領域からの反射光が視認可能となる。すなわち反射光の輝度ムラを少なくすることができる。ひいては、表示装置の表示を明るく、かつ表示面内での明るさバラツキが少ない反射板となる。
本発明のさらに別の実施形態において、前記複数の単位反射部は、前記反射面によって反射される拡散反射光が、所定の領域で交差するように配置しても良い。このように単位反射部を配置した反射板は、反射光を所定の領域に集光するので、その集光領域から反射板を視認すると、反射板全領域からの反射光を視認可能となる。すなわち反射光の輝度ムラを少なくすることができる。さらに拡散反射光を視認領域に集光しているので、光の利用効率も高めることができる。ひいては、表示装置の表示を明るく、かつ表示面内での明るさバラツキが少なく、さらに光の利用効率の高い反射板となる。
【0012】
本発明のさらに別の実施形態において、前記反射板は湾曲形状を有し、前記基準点を、前記所定平面上に正投影した点が前記単位反射部を前記所定平面上に正投影したときに生じる投影図の重心点と一致する点、前記反射面上の一点で求めた法線ベクトルが同様に各点で求めた法線ベクトルの平均ベクトルと一致する点、及び前記反射面上で前記所定平面との距離が最小の点と最大の点を結んだ線分から前記反射面までの距離が最大となる点、のいずれか一点に定めても良い。このように、反射面からの反射光束の主要な方向を規定する点を基準点に定めたので、よりいっそう隣接する1対の反射面からの反射光が干渉を生じない反射板となる。
【0013】
本発明にかかる表示装置は、反射部材を備え、外部から入射した光を反射部材で反射させて表示を行う表示装置において、該反射部材を上記の反射板で構成したことを特徴とする。
本発明にかかる電子機器は、上記の表示装置をディスプレイとして用いたことを特徴とする。
【0014】
本発明の光反射方法は、所定平面に対して平行な面に配置された単位反射部を複数個有する反射板を用い、入射光を前記所定平面の正反射方向と異なる方向に反射させる光反射方法であって、任意の隣接する前記単位反射部の1対で反射される入反射光の光路長差を変数とする度数分布を求めたときに、度数が最大となる光路長差を前記入射光のコヒーレント長以上としたことを特徴とする。
以上説明した本発明の実施の形態は可能な限り組み合わせることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。この発明の実施例に記載されている部材や部分の寸法、材質、形状、その相対位置などは、とくに特定的な記載のない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
【0016】
(第1の実施形態)
図3は、本発明にかかる反射板の典型的な適用例である液晶表示装置の説明図である。液晶表示装置2は、上側基板21と下側基板22の間に液晶層23が挟まれている。反射板1は下側基板22の上表面に位置している。また、反射板1は下側基板と一体に作成されている。外光が、上側基板21の上方から入射し、反射板1で反射されて上側基板21を通り外部に出射される。このときの入反射光を液晶層で変調することにより、例えば文字や画像などの所望の表示を得ることができる。
なお、上側基板21の上方から外光を入射した時、反射板1で反射された反射光が、所定平面となる上側基板の表面で正反射する正反射光、または単位反射部が形成される前の反射板の表面で正反射する正反射光とは異なる方向に進むように、反射板1の形状が定めてある。
【0017】
図4は、反射板1の斜視図である。反射板1は、下側基板22の基板表面3に複数の単位反射部Aを形成したものである。単位反射部Aは湾曲面である反射面Bを有しており、反射面Bは光を所定方向に反射するようにその形状が定められている。
なお、単位反射部Aは図示したような凸形状に限ることはなく、例えば凹形状であってもよい。
【0018】
図5(a)、(b)は、反射板1上から任意に抽出された単位反射部と、当該単位反射部に隣接する単位反射部と、を含む反射板1の説明図であり、図5(a)は単位反射部の反射面が凸状の場合、図5(b)は単位反射部の反射面が凹状の場合を表す。ここで、隣接するとは、周囲に配置されていることを意味し、任意に抽出された単位反射部に対して、その周囲に配置された全ての単位反射部を隣接する単位反射部という。具体的には、まず、全ての単位反射部を基板表面3に正投影し、次に任意に抽出された単位反射部の投影面の重心点を定める。さらに、当該重心点から基板表面3上で放射状に広がる各々の方向において、距離が最小の位置に投影面を有する単位反射部を隣接する単位反射部と定める。すなわち間に別の単位反射部を介して配置された2つの単位反射部は隣接する単位反射部とは言わない。なお、隣接する2つの単位反射部は、両者の基底面が接していることもあり、また、両者の基底面が離れていることもある。
【0019】
図5(a)において、反射板1上から任意に抽出された第1単位反射部A1に備えられた第1反射面B1上の任意の基準点6で第1反射面B1に接する接平面を第1接平面7とする。また、第1単位反射部A1に隣接する第2単位反射部A2に備えられた反射面を第2反射面B2とする。さらに、第1接平面7に平行でかつ第2反射面B2に接する接平面を第2接平面8としたとき、第1接平面7と第2接平面8との間隔(以下、接平面間距離dPとする)が、入射光のコヒーレント長Lcの2分の1以上となるように第1単位反射部A1と第2単位反射部A2の位置が定められている。すなわち、反射板1上の全ての単位反射部において、接平面間距離dP≧入射光のコヒーレント長Lc/2の関係を満たしている。
【0020】
このように第1単位反射部A1と第2単位反射部A2を配置することにより、反射面B1と反射面B2に入射する2つの平行な光の光路長差は、少なくとも2×dP以上(すなわちLc以上)となる。
光の性質として、光路長差がコヒーレント長以上の光は干渉しない。そこで反射板1上から任意に抽出された隣接する1対の反射面からの反射光が入射光のコヒーレント長以上の光路長差を有するように各々の反射面を定めることで、反射板1で反射される光に干渉は生じない。
すなわち、反射板面内における全ての隣接する単位反射部において、接平面間距離dP≧入射光のコヒーレント長Lc/2の関係を満たすように単位反射部位置を定めれば、反射板1で反射される反射光の干渉を防止することができる。
【0021】
なお、ここで言うコヒーレント長Lcとは空気中におけるコヒーレント長を光が透過する媒体の屈折率で除した値を言う。例えば、太陽光の空気中におけるコヒーレント長は3μmであるので、第1反射面B1と第2反射面B2とを覆う層(例えば液晶層や樹脂層など)の屈折率nで3μmを除した値(=3μm/n)が、本実施形態において太陽光を入射光として用いた場合のコヒーレント長Lcとなり、この場合において、接平面間距離dPは、dP≧3μm/2nを満たせばよい。ここで、屈折率n≒1.5の液晶層や樹脂層が第1反射面B1と第2反射面B2を覆っている場合、接平面間距離dPは1μm以上とすればよいことになる。
【0022】
次に、入射光を照明用人工光(蛍光灯の光、白熱灯の光など)とした場合も、同様にして接平面間距離dPとコヒーレント長Lcの関係を求めることができるが、照明用人工光の空気中でのコヒーレント長は3μm未満であり、太陽光のそれより小さいので、太陽光のコヒーレント長を基にして、接平面間距離dPを定めておけば、太陽光および照明用人工光のいずれを用いた場合でも反射板1で反射される光に干渉は生じない。
さらにより厳密には、第1反射面B1と、第2反射面B2とでそれぞれ反射される入反射光の光路長差が入射光のコヒーレント長Lc以上となるように第1単位反射部A1、第2単位反射部A2の位置を定めても反射光の干渉を防止することができる。
【0023】
図5(b)は単位反射部の反射面が凹状の反射板である。図5(a)における第1単位反射部A1、第1反射面B1、基準点6、第1接平面7、第2単位反射部A2、第2反射面B2、第2接平面8を、図5(b)における第1単位反射部A11、第1反射面B11、基準点60、第1接平面70、第2単位反射部A12、第2反射面B12、第2接平面80と置き換えても同様の効果を得ることができる。
なお、図5(a)、(b)では単位反射部の形状を凸形状としたが、凹形状としても良い。
【0024】
隣接する単位反射部の接平面間距離dPは、反射板上の全ての単位反射部について入射光のコヒーレント長Lcの2分の1にすることが最も好ましい。しかし、反射板上に接平面間距離dPが入射光のコヒーレント長Lcの2分の1未満となる単位反射部の位置関係にあるものが混在していても、接平面間距離dPが入射光のコヒーレント長Lcの2分の1以上のものが支配的であれば、実質的に干渉による色付きのない反射板を得ることができる。
【0025】
図6は、反射板1における全ての単位反射部と、隣接する単位反射部との接平面間距離dPを計測し、度数分布としてグラフ化したものである。
横軸は接平面間距離dPを示し、縦軸は頻度(N)を示す。また、Nmaxは頻度の最大値、dPmaxは、頻度が最大である接平面間の距離、mは接平面間距離の平均値を表す。なお、本反射板は、単位反射部をdPのばらつきが正規分布となるように配置しており、dPmaxとmは等しくなっている。
【0026】
本反射板1は、接平面間距離dPが入射光のコヒーレント長Lcの2分の1未満になる配置の単位反射部が含まれるが、dPmaxおよび/またはmが入射光のコヒーレント長Lcの2分の1以上である。よって、反射光を全体として観察すれば、接平面間距離dPが入射光のコヒーレント長Lcの2分の1以上に配置された単位反射部からの反射光が支配的となる。このため、反射光は、実質的に虹状の色付きがない光として視認される。
なお、反射板上の単位反射部の配置は、その接平面間距離dPが正規分布をなすように配置されるものに限られない。
【0027】
図7は、他の反射板において、隣接する単位反射部の接平面間距離dPの度数分布を表すグラフである。縦軸、横軸、グラフ中の記号は第6図と同様である。本図のように、接平面間距離dPの度数分布が正規分布以外の曲線を示す場合であっても、dPmaxおよび/またはmが入射光のコヒーレント長Lcの2分の1以上を満足するように単位反射部を配置すれば、入射光のコヒーレント長Lcの2分の1以上の間隔を持つ単位反射部の対からの反射光が支配的になり、実質的に虹状の色付きのない反射光を得る事ができる。なお、mは、度数分布曲線と横軸で囲まれる部分の面積を全度数で除した値に等しい。
【0028】
接平面間距離dPの平均値mを入射光のコヒーレント長Lcの2分の1以上および/または度数が最大となる距離dPmaxを入射光のコヒーレント長Lcの2分の1以上となるように単位反射部を配置する場合、上記のように、任意に抽出された単位反射部に隣接する全ての単位反射部を考慮して配置すれば実質的に虹状の色付きのない反射板を得ることができるが、さらに、任意に抽出された単位反射部について、その反射面で反射される光束の最大強度方向と垂直な方向で隣接する単位反射部間のみで、前記接平面間距離dP≧入射光のコヒーレント長Lc/2を満足するようにすれば、干渉光の混在をより防止できる。
【0029】
図8は、他の反射板の表面図である。反射板から任意に選定した単位反射部A1の反射面の各点で求めた法線ベクトルの平均ベクトルを基板表面に正投影した線分を投影平均ベクトル線31とする。直線32は、基板表面上で単位反射部A1の基準点6を通り投影平均ベクトル31に垂直な直線である。直線32の方向で単位反射部A1に接している単位反射部A2、A4を選択する。そして、基準点6における第1接平面と単位反射部A2における第2接平面との接平面間距離dPを求める。また、基準点6における第1接平面と単位反射部A4における第2接平面との接平面間距離dPを求める。直線32以外の方向で単位反射部A1に隣接している単位反射部A3、A5、A6,A7の接平面間距離は除外する(接平面間距離dPを求めない)。
反射板1上の全ての単位反射部において、同様にして求めた接平面間距離dPを使用して前述の度数分布を求め、この度数分布でのdPmaxおよび/またはmが入射光のコヒーレント長Lcの2分の1以上を満足するように単位反射部を配置すると、この反射板1は干渉光の混在を大幅に低減することができる。
【0030】
なぜなら、反射板1においては、製造しやすさの観点から、隣接する単位反射部の各々の基準点を基板表面3に正投影したときに得られる投影面基準点間の距離は5μm以上とすることが多く、前述の投影平均ベクトル線31と平行な方向で隣接する単位反射部の接平面間距離dPは入射光のコヒーレント長Lcの2分の1以上を満足していることが多い。したがって、接平面間距離が入射光のコヒーレント長Lcの2分の1以下となる可能性がある投影平均ベクトル線31と垂直な方向で隣接する単位反射部のみを考慮して、接平面間距離dP≧入射光のコヒーレント長Lc/2を満足させれば、干渉光の混在が大きく低減される。
【0031】
次に接平面間距離の最大許容値について述べる。
人の平均視力を1.0とすると、300mm離れた位置から視認可能な対象物の大きさは約80μmである。すなわち、反射板1において、単位反射部の大きさを80μm以下にすれば、個々の単位反射部Aで反射した反射光が点状に視認されず、反射板が連続した光として視認される。
図9は反射板の表面図である。図中の記号番号は第8図の記号番号に等しい。任意に抽出された単位反射部A1の第1接平面と、隣接する単位反射部の第2接平面との接平面間距離dPは、単位反射部が、A1と平均投影ベクトル線31の方向に直線状に並んだ場合(A3、A6)に最大値を有する。すなわち、dPの値を80μm以下にすれば、単位反射部での反射光は点状にならず、連続した光として視認される。
【0032】
さらに、dPの最大値は、より好ましくは40μm以下である。
図10は、同じく反射板の表面図である。図中の記号番号は第8図の記号番号に等しい。単位反射部の投影面基準点間の距離を40μm以下とすれば、反射板の製造時に単位反射部A1が欠如したり、粉塵の付着などのより単位反射部A1の反射部としての機能が損なわれた場合でも、単位反射部A1に隣接するA3とA6の投影面基準点間の距離は、80μm以下を確保できる。上記と同様に投影基準点間の距離は、接平面間距離(dP)の最大値と考えることが出来る。よってdPを40μm以下とすることにより、連続した反射光を得る確率が高まり、反射板としての信頼性を向上させることができる。
【0033】
以上の説明では、接平面間距離dpを変化させる方法として、単位反射部の相対位置を変化させることに着目して説明したが、接平面間距離dpを変化させる方法は、次のいずれかの方法に置き換えても良い。
▲1▼単位反射部の相対位置を変化させる、
▲2▼単位反射部の反射面の角度を相互に変化させる、
▲3▼単位反射部の大きさを相対的に変化させる、
▲4▼単位反射部の高さを相対的に変化させる、
▲5▼単位反射部の反射面の曲率変更位置を反射面内で変化させる
さらに上記の方法を複数個組み合わせることもできる。
【0034】
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施形態である反射板の説明図である。単位反射部Aの反射面Bは湾曲形状である。平均ベクトル30は、単位反射部Aの反射面B上の各点で求めた法線ベクトルの平均ベクトルである。平面29は、平均ベクトル30に垂直な平面である。平面29と基板表面3の交差角度をαとする。ここで、反射板1上の全ての単位反射部Aにおいてαが5度以上15度以下の範囲に入るように反射面Bの形状を定める。
このとき、基板表面3に垂直な方向から入射する入射光束37は、反射光の最大強度方向38が入射光束37に対して2αの角度を持って単位反射部Aで反射される。反射板の典型的な利用形態である液晶表示装置2の場合、反射板1上に液晶層23やガラス製の上側基板21があり、さらに空気層を介して視認点がある。ここで液晶層23および上側基板21の屈折率を1.5とすると、上側基板21から外部に出射する出射光36は、上側基板に対して角度βを持って出射する。スネルの法則からこのときのβは30度±15度の値となる。
【0035】
本反射板1を用いると、垂直に入射する光を、液晶表示装置2の表示面観察に最も適する、30度±15度の方向に出射することができる。
なお、反射面Bの接平面のうち、平面29と平行な面が反射面Bと接する点を、図9、図10で述べた基準点6とすると、第1接平面が基板表面3に対して5度以上15度以下の範囲の角度を有することになる。このとき、接平面間距離dPの最大値は、前述の80μmに対して、約20μm(=80μm×sin15°)となり、より好ましくは前述の40μmに対して、約10μm(=40μm×sin15°)と置き換えることができる。
【0036】
(第3の実施形態)
図12は、本発明の第3の実施形態である反射板の斜視図である。単位反射部Aの反射面Bは湾曲形状である。基板表面3に垂直な方向から入射する入射光束37は、単位反射部Aで反射される。その出射光束は、最大強度方向38と、拡散方向40とで示される。反射板上の大部分の単位反射部で反射される光の最大強度方向38は、空間中の所定の位置32(視認位置)で交差する。
このように単位反射部Aを配置した反射板1は、反射光を視認位置に集光することができるので、その集光位置から反射板1を視認すると、全ての単位反射部Aからの反射光を視認可能となる。すなわち反射板1の面内における反射光の輝度ムラを少なくすることができる。
【0037】
以上、垂直方向から入射する光の反射光について考察したが、反射板と一定角度で入射する平行光束であっても、空間上の点で交差する。
ここで、空間中の所定の位置32は、1点に限られず、複数あってもよい。また、反射板上の全ての単位反射部の最大強度方向38が所定に位置で交差することが最も好ましいが、単位反射部の50%以上が交差するように形成すれば、人が輝度ムラを不快に感じなくなり、実用上の許容範囲となる。
【0038】
(第4の実施形態)
図13は、本発明の第4の実施形態である反射板の斜視図である。単位反射部Aの反射面Bは湾曲形状である。基板表面3に垂直な方向から入射する入射光束37は、単位反射部Aで反射される。その出射光束は拡散されるが、拡散反射光39は空間中の交差領域33(視認領域)に向けて拡散される。反射板上のすべての単位反射部で反射される拡散反射光39は、空間中の交差領域33で交差する。
このように単位反射部Aを配置した反射板1は、拡散反射光39を視認領域に集光することができるので、その集光領域から反射板1を視認すると、全ての単位反射部Aからの拡散反射光39を視認可能となる。すなわち反射光の輝度ムラが少なく、さらに拡散反射光39を視認領域に集光しているので、光の利用効率も高めることができる。
【0039】
以上、垂直方向から入射する光の反射光について考察したが、反射板と一定角度で入射する平行光束であっても、空間上の所定領域で交差する。
空間中の交差領域33は、円形、楕円形、その他任意の形状にすることができ、また、その面は所定平面に対して、空間中で一定の傾斜を持っていてもよい。また、反射板上の全ての単位反射部の拡散反射光が所定の領域で交差することが最も好ましいが、複数の単位反射部中、50%以上の単位反射部からの拡散反射光が交差するように形成すれば、人が輝度ムラを不快に感じなくなり、実用上の許容範囲となる。
【0040】
(第5の実施形態)
図14は好ましい3種の基準点を説明する図である。
図14(a)は、投影面重心点に対応する反射面上の点を基準点と定める場合の説明図である。単位反射部Aを基板表面3に正投影した投影面51の重心点を611とする。反射面B上に投影面重心点611に対応する点61を定め、これを基準点とする。
図14(b)は、反射面上の平均法線ベクトルと一致する法線ベクトルを与える点を基準点と定める場合の説明図である。単位反射部Aの反射面B上の各点で法線ベクトル52をとり、その平均ベクトル30を求める。反射面B上で、平均ベクトル30の方向と一致する個別のベクトル52aを与える点62を定め、これを基準点とする。投影点62aは、基準点62に対応する投影面51上の点を示す。
図14(c)は、湾曲した反射面の変極点を基準点に定める場合の説明図である。単位反射部Aにおいて、基板表面3からの距離が最小の点53と、同じく距離が最大の点54とを結んだ線を線分55とする。線分55と反射面Bとの距離をkとし、線分55上で反射面Bとの距離kが最大になる点63を定め、これを基準点とする。投影点63aは、基準点63に対応する投影面51上の点を示す。
【0041】
以上のように定めた基準点で反射する反射光は、ほぼ最大強度の方向に向かうため、各々の反射面において最も反射光の強度が支配的となる点に基準点を定めることができ、当該基準点で反射面と接する接平面から接平面間距離(dP)を求め、その度数分布でのdPmaxおよび/またはmが1.5μm以上を満足するように単位反射部を配置すると、この反射板は干渉光の混在を大幅に低減することができる。
【0042】
以上説明した、本発明の反射板は、反射板の表面に単位反射部を形成し、単位反射部の表面で入射光を反射させる表面反射型の反射板とすることができる。また、基板を透明ガラスや、透明、半透明樹脂などとし、基板の裏面に形成した単位反射部により入射光を反射させる裏面反射型の反射板とすることができる。さらに、基板の表面と裏面の間に単位反射部を形成してもよい。
【0043】
本発明の反射板1は、典型的には、液晶表示装置の反射板として使用される。特に、液晶層を挟みこむための複数の基板のうち、少なくとも1枚の基板を本発明の反射板で構成すれば、部品点数を少なくするとともに液晶表示装置の薄型化を図ることができる。
基板の材質は、セラミック、ガラス、合成樹脂などが使用される。これらは透明であっても、半透明、不透明であってもよい。基板は半導体の電極が形成されたガラス板などでもよい。この場合には、通常、反射板の上面が平坦化処理される。
【0044】
単位反射部を形成するには、通常、アクリル、ポリカーボネイト、ポリイミドなどの樹脂が使用される。また、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリ塩化ビニルを使用することもできる。
反射面は、アルミニウム、銀などの薄膜で形成される。
【0045】
本発明の単位反射部は、基板上に凸状に形成されてもよく、また凹状に形成されてもよい。また、単位反射部の基底面の形状はどのような形状でもよく、円状、正多角形、不等辺多角形、その他の多角形、不定形などの形状にすることができる。また、一の反射板上に形成する複数の単位反射部の基底面は、同一あるいは相似形であってもよく、種々の形状が混在してもよい。
反射板1は基板上に単位反射部を形成してもよく、また、アクリルやポリカーボネイトなどの樹脂製フィルムに直接単位反射部を形成してもよい。この場合には、基板は不要であり、反射板1は樹脂層と反射膜で構成される。
【0046】
本発明にかかる反射板の製造にあたっては、反射板が有する凸凹形状の反転形状を備えたスタンパを用いれば、反射板を効率的に量産することができる。すなわち、スタンパを用いて反射板を製造するには、スタンパに樹脂を充填し、該樹脂を硬化させた後、スタンパから成型品を剥離させることにより反射板を製造することができる。あるいは、スタンパを用いて、プレス加工により成型品を製造することができる。こうして反射板を製作した後に成型品の表面に金属被膜からなる反射面を形成する。
スタンパは、反射材が有する複数の凸凹と同一形状を有する原盤に、金属や樹脂などのスタンパ材料を堆積させた後、該スタンパ材料を原盤から剥離させ、原盤の形状を転写することにより製作することができる。
【0047】
本発明にかかる反射板の製造にあたっては、また、いわゆるグレーマスクを用いて行うこともできる。この方法は、樹脂層にフォトレジストを被覆し、場所によって透過率が異なる領域を有するフォトマスク、いわゆるグレーマスクを用いてフォトレジストを露光、現像する。次に反応性イオンエチングなどのドライエッチングを施すと前記レジストパターンの表面形状が樹脂層の表面に反映され、反射板形状が形成される方法である。この後、前記と同様に反射面を製膜する。
【0048】
図15は、本発明にかかる反射板を備えた液晶表示装置2の構造を示す説明図である。上側基板21と下側基板22の間に液晶層23が挟みこまれている。
ガラス製の基板26の表面に薄膜トランジスタ(TFT)71が形成され、その上に反射板1が形成されている。反射板1は、ガラス基板26の表面に樹脂層を被覆し、樹脂層の表面に単位反射部Aを形成したものである。ガラス基板26と反射板1は一体に作成されている。
【0049】
上側基板21は、ガラス板27の裏面にブラックマトリックス72、カラーフィルター73、透明電極(ITO)74を形成し、さらに図示しない偏光板を貼り付けてある。
透明電極74と反射板1の間に液晶層23を挟み込んでいる。
【0050】
液晶表示装置2の表面から入射する入射光束37は単位反射部Aで拡散反射される。全ての単位反射部Aの反射光の最大強度方向38は空間中の所定の位置32で交差する。また、全ての単位反射部Aで拡散反射される出射光38aは空間中の交差領域33で交差する。
【0051】
本発明にかかる液晶表示装置は外光以外に補助光源を有していてもよく、また、補助光源がなくてもよい。補助光源は液晶表示装置の表面側に取付けてもよく、裏面側に取付けてもよい。裏面側に取付ける場合には、反射板の一部を光透過可能とし、残余の部分に本発明にかかる反射板が設けられる。
本発明にかかる反射板を用いた表示装置は、液晶表示装置に限ることはなく、透光性の合成樹脂板の裏面に反射板を配置した表示板・広告板なども含まれる。
【0052】
図16は、本発明の反射板を組み込んだ液晶表示装置2をディスプレイとして用いた携帯電話や弱電力型無線機器などの無線情報伝達装置91の外観を示す斜視図である。
図17は、本発明の反射板を組み込んだ液晶表示装置2をディスプレイとして用いた電子手帳や携帯用コンピューターなどの携帯情報端末92の外観を示す斜視図である。
本実施の形態は、前記した無線情報伝達装置や携帯情報端末の他に、携帯用テレビなどその他の電子機器に応用できる。
【0053】
【実施例】
(実験例1)
接平面間の距離dPを変化させたときに、反射板で発生する虹状色付きの有無を測定した。
図18に実験に使用した反射板の表面図を示す。図中の矢印線95は、単位反射部の反射面の平均ベクトルを求め、さらに全ての単位反射面の平均ベクトルを平均したベクトルを所定平面たる基板表面に正投影した線分を示している。矢印線95の矢印方向が出射光の向かう主たる方向である。
【0054】
単位反射部の大きさ、形状、配値に関する値などは以下のとおりである。
反射板の表面図:図18
dPの平均値(DP):0〜2.5に可変
平均投影面重心点間距離:20μm
平均単位反射部高さ:1.5μm〜6.5μm
重心点間距離の分散値:0.15
単位反射部高さの分散値:0.15
ここで、投影面重心点間距離とは、単位反射部の所定平面への投影面の第1重心点と、前記単位反射部に隣接する単位反射部の所定平面への投影面の第2重心点を結ぶ線分の長さをいう。また、単位反射部高さとは、反射面の基底平面(単位反射部の基底面の平均平面)からの最大垂直距離をいう。
【0055】
6種の反射板において、個々の単位反射部の交差角度αを変化させることにより接平面間距離dpを変化させ、その平均値を変化させた。
この反射板自体の反射光による色付の有無を、晴天時に太陽光の下で測定した。測定結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 2004264561
【0057】
DPが1.5μm以上で色付のない反射板が得られた。
また、同じ反射板を液晶表示装置の反射板に使用し、晴天時に太陽光の下で、色付の有無を測定したところ、反射板単独での実験結果と同じく、DP1.5μm以上で色付のない液晶表示装置が得られた。
【0058】
(実験例2)
dPを他の方法で変化させ、本発明の効果を確認した。
図19に反射板の表面図を示す。図中矢印線95は、図18と同様な平均(平均)ベクトルの投影線である。本実験は、Y軸方向に隣接する凸凹の配置をX軸方向にずらせたのみならず、X軸方向に隣接する凸凹の配置をY軸方向にもずらせた例である。
単位反射部の大きさ、形状、配値に関する値などは以下のとおりである。
反射板の表面図:図19
dPの平均値(DP):1.5μm
平均投影面重心点間距離:20μm
平均単位反射部高さ:4μm
重心点間距離の分散値:0.25
単位反射部高さの分散値:0.15
この反射板自体の反射光による色付の有無を、晴天時に太陽光の下で測定したところ色付のない反射板が得られた。
【0059】
(実験例3)
投影面重心点間距離の分散値と単位反射部高さの分散値を変化させて反射光の明るさを測定した。
単位反射部の大きさ、形状、配値に関する値などは以下のとおりである。
実験例−3.1
反射板の表面図:図20
dPの平均値(DP):1.5μm
平均投影面重心点間距離:10μm、
最大単位反射部高さ:2.5μm
重心点間距離の分散値:0.15
単位反射部高さの分散値:0.15
交差角度α:10度
【0060】
実験例―3.2
反射板の表面図:図18
dPの平均値(DP):1.5μm
平均投影面重心点間距離:10μm
最大単位反射部高さ:2.5μm
重心点間距離の分散値:0.6
単位反射部高さの分散値:0.6
交差角度α:10度
実験例―3.1、実験例―3.2の反射射板単独での反射光による色付の有無を、晴天時に太陽光の下で測定したところ、どちらも色付は観察されなかった。
【0061】
一方、反射板の真上から光を入射し、反射板から20度の方向での明るさを測定したところ、実験例―3.1は、実験例―3.2に較べて1.2倍の明るさがあった。
【0062】
(実験例4)
投影面重心点間距離の分散値を変化させて反射板上の光のザラツキをシュミレーション試験した。
単位反射部の大きさ、形状、配値に関する値などは以下のとおりである。
実施例―3
反射板の表面図:図10
dPの平均値(DP):1.5μm
平均投影面重心点間距離:10μm、
最大単位反射部高さ:2.5μm
重心点間距離の分散値:0.1〜0.6に可変
単位反射部高さの分散値:0.15
【0063】
【表2】
Figure 2004264561
○はザラツキ感なし、△はザラツキ感少しあり、×はザラツキ感あり
【0064】
距離の分散値を0.3以下にするとザラツキ感が現れなかった。
【0065】
(実験例5)
単位反射部高さの分散値を変化させて反射板上の光のザラツキをシュミレーション試験した。
単位反射部の大きさ、形状、配値に関する値などは以下のとおりである。
反射板の表面図:図10
dPの平均値(DP):1.5μm〜2μm
平均投影面重心点間距離:10μm、
最大単位反射部高さ:2.5μm〜3μm
重心点間距離の分散値:0.15
単位反射部高さの分散値: 0.1〜0.6に可変
【0066】
【表3】
Figure 2004264561
○はザラツキ感なし、△はザラツキ感少しあり、×はザラツキ感あり
【0067】
高さの分散値を0.2以下にするとザラツキ感が現れなかった。
【0068】
次に本件発明の前記実施形態、実験例から把握できる請求項以外の技術思想をその効果とともに記載する。
本発明の反射板は、一つの実施形態において、前記複数の全ての単位反射部について、単位反射部の所定平面への投影面の第1重心点と、前記単位反射部に隣接する単位反射部の所定平面への投影面の第2重心点を結ぶ線分の長さを求め、前記長さの分布グラフの半値幅と前記長さの平均値を算出し、前記半値幅を前記平均値で除した値(距離の分散値)が0.3以下であることを特徴とする。
投影面重心点の距離の分布が上記の範囲にあると、単位反射部の斜面の角度をほぼ一定にすることが容易になる。よって、観察点にほぼ全ての凸凹からの均等な光が到達するので、干渉を取除いても、画面のザラツキ感が発生することがない。また、入射光束の大部分を観察点の一定領域に出射することができるので、干渉を取除いても、光の利用効率が低下することがない。
【0069】
本発明の反射板は、一つの実施形態において、複数の全ての単位反射部について、反射面の前記基底平面からの最大垂直距離(以下単位反射部高さという)を求め、単位反射部高さの分布グラフの半値幅と凸凹高さの平均値を算出し、前記半値幅を前記平均値で除した値(高さの分散値)が0.2以下であることを特徴とする。
ここに基底平面とは、単位反射部の基底面の平均平面をいう。単位反射部高さは、凸凹の頂点、稜線などから基底平面に下ろした垂線の長さである。凸形状の場合には、頂点などから底面に向かって垂線を下ろすことになり、凹形状の場合には頂点などから開口面に向かって垂線を上げることになる。
単位反射部高さの分布が上記の範囲にあると、反射面の斜面の角度をほぼ一定にすることが容易になる。よって、観察点にほぼ全ての凸凹からの均等な光が到達するので、干渉を取除いても、画面のザラツキ感が発生することがない。また、入射光束の大部分を観察点の一定領域に出射することができるので、干渉を取除いても、光の利用効率が低下することがない。
【0070】
本発明の反射板は、一つの実施形態において、単位反射部の所定平面への投影面重心点間の距離を5〜50μmとする。本実施形態により、反射板の設計・加工が容易になる。
また、本発明の反射板は、一つの実施形態において、単位反射部の所定平面への投影面重心点間の距離の平均を8〜40μmとする。本実施形態により、反射板の設計・加工が容易になる。
さらに、本発明の反射板は、一つの実施形態において、単位反射部の高さを1〜15μmとする。本実施形態により、反射板の設計・加工が容易になる。
また、本発明の反射板は、一つの実施形態において、単位反射部の高さの平均を1.5〜15μmとする。本実施形態により、反射板の設計・加工が容易になる。
【0071】
以上説明した本発明の実施形態は可能な限り組み合わせることができる。さらに、ここで説明した本発明の実施形態は、請求の範囲に記載した本発明の実施形態と可能な限り組み合わせることができる。
【0072】
【発明の効果】
この発明により、虹状の色付が生じない反射板を得ることができる。また、虹状の色付が生じない反射型の表示装置を得ることができる。さらに表示品質のよいディスプレイを備えた電子機器を得ることができる。また、虹状の色付きがない光反射方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の液晶表示装置の説明図である。
【図2】従来の液晶表示装置の説明図である。
【図3】液晶表示装置の説明図である。
【図4】反射板の斜視図である。
【図5】隣接する2つの単位反射部の説明である。
【図6】単位反射部の接平面間距離(dP)の度数分布を表すグラフである。
【図7】単位反射部の接平面間距離(dP)の度数分布を表すグラフである。
【図8】反射板の表面図である
【図9】反射板の表面図である
【図10】反射板の表面図である
【図11】反射板の断面図である。
【図12】反射板の斜視図である。
【図13】反射板の斜視図である。
【図14】基準点の説明図である。
【図15】液晶表示装置の説明図である。
【図16】無線情報伝達装置の外観を示す斜視図である。
【図17】携帯情報端末の外観を示す斜視図である。
【図18】反射板の表面図である。
【図19】反射板の表面図である。
【図20】反射板の表面図である。
【符号の説明】
A 単位反射部
B 反射面
1 反射板
2 液晶表示装置
3 基板表面
6 基準点
7 第1接平面
8 第2接平面
29 平面
30 平均ベクトル
31 平均投影ベクトル線
32 空間中の所定の位置
33 空間中の交差領域
37 入射光束
38 最大強度方向

Claims (11)

  1. 所定平面に対して平行な面に配置され、入射光を前記所定平面の正反射光とは異なる方向に反射させる反射面を備えた単位反射部を複数有する反射板において、
    任意に抽出された第1単位反射部に備えられた第1反射面上の任意の位置に設けた基準点で前記第1反射面と接する第1接平面と、前記第1接平面に平行で、かつ前記第1単位反射部と隣接する第2単位反射部に備えられた第2反射面と接する第2接平面との距離が、入射光のコヒーレント長の2分の1以上であることを特徴とする反射板。
  2. 所定平面に対して平行な面に配置され、入射光を前記所定平面の正反射光とは異なる方向に反射させる反射面を備えた単位反射部を複数有する反射板において、
    任意に抽出された第1単位反射部に備えられた第1反射面上の任意の位置に設けた基準点で前記第1反射面と接する第1接平面と、前記第1接平面に平行で、かつ前記第1単位反射部と隣接する第2単位反射部に備えられた第2反射面と接する第2接平面との距離の平均が、入射光のコヒーレント長の2分の1以上であることを特徴とする反射板。
  3. 所定平面に対して平行な面に配置され、入射光を前記所定平面の正反射光とは異なる方向に反射させる反射面を備えた単位反射部を複数有する反射板において、
    任意に抽出された第1単位反射部に備えられた第1反射面上の任意の位置に設けた基準点で前記第1反射面と接する第1接平面と、前記第1接平面に平行で、かつ前記第1単位反射部と隣接する第2単位反射部に備えられた第2反射面と接する第2接平面との距離を変数とする度数分布を求めたときに、度数が最大となる距離が入射光のコヒーレント長の2分の1以上であることを特徴とする反射板。
  4. 前記第1接平面と前記第2接平面との距離が、80μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の反射板。
  5. 前記反射面は湾曲形状を有し、前記湾曲面上の各点で求めた法線ベクトルの平均ベクトルと直交する平面と、前記所定平面とのなす角度の平均値が、5度以上、15度以下の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の反射板。
  6. 前記複数の単位反射部は、前記反射面によって反射される反射光の強度が最大となる方向が、所定の位置で交差するように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の反射板。
  7. 前記複数の単位反射部は、前記反射面によって反射される拡散反射光が、所定の領域で交差するように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の反射板。
  8. 前記反射板は湾曲形状を有し、前記基準点を、前記所定平面上に正投影した点が前記単位反射部を前記所定平面上に正投影したときに生じる投影図の重心点と一致する点、前記反射面上の一点で求めた法線ベクトルが同様に各点で求めた法線ベクトルの平均ベクトルと一致する点、及び前記反射面上で前記所定平面との距離が最小の点と最大の点を結んだ線分から前記反射面までの距離が最大となる点、のいずれか一点に定めたことを特徴とする請求項3に記載の反射板。
  9. 反射部材を備え、外部から入射した光を反射部材で反射させて表示を行う表示装置において、該反射部材を請求項3に記載の反射板で構成したことを特徴とする表示装置。
  10. 請求項9に記載の表示装置をディスプレイとして用いたことを特徴とする電子機器。
  11. 所定平面に対して平行な面に配置された単位反射部を複数個有する反射板を用い、入射光を前記所定平面の正反射方向と異なる方向に反射させる光反射方法であって、
    任意の隣接する前記単位反射部の1対で反射される入反射光の光路長差を変数とする度数分布を求めたときに、度数が最大となる光路長差を前記入射光のコヒーレント長以上としたことを特徴とする光反射方法。
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