JP2004264509A - 感光性印刷原版 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】▲1▼支持体、感光性樹脂層、被覆層およびカバーフィルムを有する感光性印刷原版であって、上記被服層の厚みが1μm以下で、かつ被覆層とカバーフイルムとの剥離力が1g/cm〜100g/cmであることを特徴とする感光性印刷原版。▲2▼前記被覆層が、該感光性樹脂の活性光線領域に吸収をもつ分子量1,000以上の光吸収剤を含有する前記▲1▼記載の感光性印刷原版。▲3▼前記被覆層が、1nm〜500nmの平均粒径を有する紫外線吸収微粒子を含有する前記▲1▼記載の感光性印刷原版。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として印刷用レリーフ版を製造するために使用される感光性印刷原版に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、印刷用レリーフ版に用いる感光性印刷原版は一般に、支持体層、感光性樹脂組成物層、被覆層、カバーフィルムからなり、使用時はカバーフィルムを除去し用いられる。
【0003】
カバーフィルムを除去した感光性印刷原版に透明な画像部を有するネガフィルム(またはポジフィルム)を通して活性光線を照射し、露光部の感光性樹脂層を硬化させた後、非露光部の感光性樹脂層を適当な溶剤で溶解除去することにより、印刷用レリーフ版を作成することは広く知られている。
【0004】
最近、印刷用レリーフ版に用いられる感光性印刷原版に対する要求は、より微細なパターンを再現する方向へ進んでおり、白抜きパターンの線幅も30μm程度微細な印刷用レリーフが求められている。しかしこの要求に対して感光性樹脂組成物を用いた印刷用レリーフ版材では充分に対応できず、製版及び印刷で微細なパターンを再現できる感光性印刷原版を得ることができていなかった。そこで本発明者らは、この問題を解決するために感光性印刷原版の被覆層が微細なパターンの製版および印刷における再現性に関与していることを見出したが、カバー剥離性との両立が困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、その目的は、印刷用レリーフ版に用いられる感光性印刷原版に関するものであり、製版時にはカバーフイルム剥離性が良好で、かつ印刷時における微細なパターンの再現性に優れた感光性印刷原版を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この問題を解決するために、鋭意検討した結果、感光性印刷原版の被覆層の改良により製版時のカバー剥離性と印刷における微細なパターン再現性を満足することを見出し、発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)少なくとも支持体、感光性樹脂層、被覆層およびカバーフィルムを有する感光性印刷原版であって、上記被服層の厚みが1μm以下で、かつ被覆層とカバーフイルムとの剥離力が1g/cm〜100g/cmであることを特徴とする感光性印刷原版。
(2)前記被覆層が、該感光性樹脂の活性光線領域に吸収をもつ分子量1,000以上の光吸収剤を含有する前記(1)記載の感光性印刷原版。
(3)前記被覆層が、1nm〜500nmの平均粒径を有する紫外線吸収微粒子を含有する前記(1)記載の感光性印刷原版。
(4)前記被覆層の光透過率が波長360nmの光に対し、50%〜99%である前記(1)記載の感光性印刷原版。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に特徴的な被覆層は、感光性樹層に対するネガの密着を防ぐために設けられている層であって、スリップコート層、剥離層、粘着防止層と称されることもある。構成材料としては、ポリアミド、ポリビニルアルコールとその誘導体、セルローズ系ポリマー等が挙げられる。これらは、何れか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、一般的な被覆層には上記成分の他に、シリカなどの無機微粒子、ポリスチレンやアクリル系モノマーを三次元内部架橋して得られる有機微粒子、界面活性剤、多価アルコールなどが必要により配合されている。
【0009】
本発明で用いる被覆層に含有させる光吸収剤は分子量が1,000以上、好ましくは5,000以上、さらに好ましくは10,000以上である。1,000未満では光吸収剤が感光性樹脂層に移行し、被覆層の活性光線吸収性を低下させるため好ましくない。
分子量1,000以上の光吸収剤としては、被覆層構成物に相溶、分散する物がよい。たとえば、アクリル酸エステル、スチレン等のラジカル重合可能な化合物とベンゾフェノン骨格、或いはベンゾトリアゾール骨格を持ち、且つ、ラジカル重合可能な紫外線吸収剤を乳化重合によって共重合させた微粒子状光吸収剤。或いはポリビニルアルコール、セルローズ系ポリマー等にエポキシ化合物を介しベンゾフェノン系またはベンゾトリアゾール系化合物をグラフト付加させた光吸収剤。または、被覆層構成物に相溶で分子末端に活性水素を持つ分子量1,000以上のオリゴマーにジイソシアネートを介しベンゾフェノン系あるいはベンゾトリアゾール系の光吸収剤等があげられるが、とくにこれらに限定されるものではない。
【0010】
次に本発明においては、被覆層とカバーフイルムとの剥離力を1g/cm〜100g/cmにする一手段として界面活性剤を含有させることが好ましいが、界面活性剤としては被覆層をコーティングする際に抑泡作用があり、カバー剥離力を小さくするものが良い。例えばシリカシリコーン系、アマイド系、ポリエーテル系およびこれらの変性型抑泡剤が挙げられるが、特にこれらに限定されるものでない。
【0011】
本発明の被覆層の活性光線透過率は波長360nmの光に対し、50%〜99%、好ましくは70〜95%、さらに好ましくは80〜90%である。50%未満だと感光性樹脂組成物層に届く活性光線が少なすぎレリーフの再現性が低下し、また、99%以上では活性光線が通り過ぎて微細パターンが再現できないため好ましくない。
【0012】
被覆層の厚みは1μm以下、好ましくは0.1〜0.8μm、特に好ましくは0.1〜0.6μmである。厚みが0.1μmより薄いとネガとの粘着を生じてしまい、また1μmを超えるとレリーフの解像性が低下するため好ましくない。
【0013】
本発明における感光性樹脂層は、公知の可溶性合成高分子化合物、光重合性不飽和化合物(以下、架橋剤ともいう)及び光重合開始剤を少なくとも含む組成物の層である。さらに添加剤、例えば可塑剤、熱重合防止剤剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、香料または酸化防止剤等を含んでもよい。
【0014】
本発明において、可溶性合成高分子化合物としては公知の可溶性合成高分子化合物を使用できる。例えばポリエーテルアミド(例えば特開昭55−79437号公報等)、ポリエーテルエステルアミド(例えば特開昭58−113537号公報等)、三級窒素含有ポリアミド(例えば特開昭50−76055公報等)、アンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリアミド(例えば特開昭53−36555公報等)、アミド結合を1つ以上有するアミド化合物と有機ジイソシアネート化合物の付加重合体(例えば特開昭58−140737号公報等)、アミド結合を有しないジアミンと有機ジイソシアネート化合物の付加重合体(例えば特開平4−97154号公報等)などが挙げられ、そのなかでも三級窒素原子含有ポリアミドおよびアンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリアミドが好ましい。
【0015】
また、好適に用いられる光重合性不飽和化合物としては、多価アルコールのポリグリシジルエーテルとメタアクリル酸およびアクリル酸との開環付加反応生成物であり、前記多価アルコールとして、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、フタル酸のエチレンオキサイド付加物などが挙げられ、そのなかでもトリメチロールプロパンが好ましい。
【0016】
光開始剤の例としては、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、アセトフェノン類、ベンジル類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルアルキルケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類などが挙げられる。具体的には、ベンゾフェノン、クロロベンゾフェノン、ベンゾイン、アセトフェノン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジイソプロピルケタール、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2―メチルアントラキノン、2−アリルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントンなどが挙げられる。
【0017】
本発明において、カバーフィルムは原版の貯蔵および取り扱いの間に感光性樹脂層を保護するために設けられるものであり、活性光線を照射する前に除去(剥離)される。このときの被覆層とカバーフイルムとの剥離力は1〜100g/cm以下、好ましくは3〜100g/cm、さらに好ましくは5〜40g/cmである。カバー剥離力が1g/cm未満であると生産工程上で剥がれを生じ好ましくなく、100g/cmを超えると製版時に剥離層に剥離跡が残り、ネガの密着性に支障をきたす。なお剥離力の測定は引張り試験機(オリエンテック社製RTC−1210A)を用い、カバーフイルムを感光性樹脂層に対して90°の角度の方向にスピード500mm/分で引張ったときの値であり、単位幅(cm)あたりの強度で表示する。
【0018】
カバーフィルムの構成材料としては、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリプロピレンフイルムポリイミドフイルムなどの熱可塑性樹脂フイルム使用され、特にその中でも寸法安定性や耐熱性、機械的特性などからポリエチレンテレフタレートフイルムが好ましく用いられる。さらにポリエチレンテレフタレートフイルムをサンドブラスト処理、ケミカルエッチング処理、マット化処理などで粗面化したものが好ましい。しかしながらこれらに限定されるものではない。
【0019】
カバーフィルムの厚みは10〜300μmが好ましく、特に好ましくは10〜200μmである。厚み10μm未満ではカバー剥離中にフイルムが破断してしまい、300μmを越えると剥離後の廃棄物取扱い性が悪くなるので好ましくない。
【0020】
本発明に用いる支持体としては、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属板、金属蒸着したフィルムなどが上げられる。支持体の厚みは用途に応じて適宜に選ぶことができる。また、必要により支持体と感光性樹脂層との接着を向上させるために、この種の目的で従来から使用されている公知の接着剤を表面に設けても良い。
【0021】
本発明の感光性印刷原版を作製する方法は特に限定されないが、一般的には、支持体上に塗布、スプレーコーティング等で感光性樹脂層を形成するか、若しくは、市販の感光性印刷版から保護フィルムを剥がすことで一方の積層体を作成し、さらにこれとは別に、基材フィルム(カバーフィルム)に塗布、スプレーコーティング等で被覆層を形成後、このようにして得られた2つの積層体をヒートプレス機等を用いてラミネートすることにより作製する。ラミネート条件は、温度を室温〜150℃、好ましくは50〜120℃とし、圧力を20〜200kg重/cm2、好ましくは50〜150kg重/cm2とするのがよい。本発明の感光性樹脂たとえば熱プレス、注型、溶融押出し、溶液キャストなど公知の任意の方式により、所望の厚さのシート状物とすることが出来る。
【0022】
本発明感光性印刷原版においては、その感光層上に透明画像部を有するネガフィルムまたはポジフィルムを密着して重ね合せ、その上方から活性光線を照射して露光を行うと、露光部が硬化して不溶化する。活性光線には通常300〜400nmの波長を中心とする高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、ケミカルランプ等の光源を用いることができる。
【0023】
露光後、適当な溶剤、好ましくは、水、特に中性水を溶剤に用いて非露光部分を溶解除去することによって、短時間で速やかに現像がなされ、印刷版(レリーフ版)が得られる。現像方式としては、スプレー式現像装置、ブラシ式現像装置等を用いるのが好ましい。
【0024】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例中単に部とあるのは重量部を示す。
【0025】
実施例1
ε−カプロラクタム55.0部、N,N’−ビス(γ−アミノプロピル)ピペラジンアジペート40.0部、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンアジペート7.5部および水100部を反応器に入れ、充分な窒素置換を行った後に密閉して徐々に加熱した。内圧が10kg/cm2に達した時点から、反応器内の水を徐々に留出させて1時間で常圧に戻し、その後1.0時間常圧で反応させた。最高重合温度は220℃であった。得られた重合体は、融点140℃、比粘度2.00の透明淡黄色のポリアミドを得た。
【0026】
得られたポリアミドを50.0部、N−エチルトルエンスルホン酸アミド5.0部、1,4−ナフトキノン0.03部、メタノール50.0部および水10部を、攪拌付き加熱解釜中で60℃、2時間混合してポリマーを完全に溶解してから、ビスフェノールAジグリシジルエステルのアクリル酸付加物40.6部、メタクリル酸2.9部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部、亜硫酸アンモニウム0.3部、シュウ酸0.1部およびベンジルジメチルケタール1.0部を添加して30分間溶解した。次いで、徐々に昇温してメタノールと水を留出させて、釜内の温度が110℃となるまで濃縮した。この段階で流動性のある粘稠な感光性樹脂を得た。
【0027】
次に250μのポリエチレンテレフタレート支持体上に接着層を20μm設けた全厚みが270μmのポリエステルフィルムを作製した。
【0028】
接着層はポリエステルウレタン系接着材を用い、接着層用組成物溶液は次のように調整した。東洋紡績(株)製ポリエステル系樹脂「バイロンRV−200」80重量部をトルエン/メチルエチルケトン=80/20(重量比)の混合溶剤1940重量部に80℃で加熱溶解した。冷却後、イソシアヌレート型多価イソシアネートとしてヘキサメチレンジイソシアネートとトルエンジイソシアネートを原料とする住友バイエルウレタン(株)製のイソシアヌレート型多価イソシアネートの「デスモジュールHL」20重量部、硬化触媒としてトリエチレンジアミン0.06重量部を添加し、10分攪拌した。
【0029】
このようにして得られた接着層用組成物溶液を膜厚みが20μm となるように厚さ250μのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布して120℃で3分間乾燥キュアーし、接着層を設けた支持体を得た。
この支持体の接着層上に、上記の感光性樹脂組を流延し、感光層を形成した。
【0030】
ケミカルエッチングによりマット加工されたポリエステルフィルム(原反は東洋紡績(株)製のE5000で厚さ100μm)にポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製ゴーセノールAH−26とGH−23を35:65の比率でブレンドしたもの)/紫外線吸収エマルジョン(新中村化学工業(株)製ニューコートUVA−204W)/界面活性剤(サンノプコ製SNデフォーマ777)/純水=4.4部/3.3部/0.001部/92.3部の比率で溶解した水溶液をバーコーター#8で塗布し、100℃、3分間乾燥して、乾燥後の厚みが0.5μmの被覆層を形成した。被覆層の波長360nmにおける光透過率は80%であった。この光透過率はU−3210形自記分光光度計((株)日立製作所製)によって測定した。この被覆層を有する厚さ100μmのポリエステルフィルムを、当該被覆層側が感光層と接するように、当該ポリエステルフィルムをラミネーターで感光層上に積層し、全厚みが1075μmで感光層厚みが680μmのシート状積層体を得た。この積層体は30℃で保管下板状に固化した。24時間後、この積層体を103℃で3分間加熱して、7日間以上保管した後、感光性樹脂原版(生版)を得た。この原版のカバー剥離力は20g/cmであった。
【0031】
微細な白抜きパターンの再現性評価は次のようにして行った。100μmのポリエステルフィルムを剥離して、テストネガフィルムを真空密着させ、日本電子精機(株)のA2 サイズ用プリンター(三菱製ケミカルランプ)を使って10分間露光したサンプルを作った。次いで、水道水を現像液とし、ブラシ式ウォッシヤー(140μmφナイロンブラシ、日本電子精機(株)製JW−A2−PD型)を用いて25℃で2分間現像してレリーフ画像を得ることができた。さらに70℃で10分間温風乾燥した後、日本電子精機(株)のA2 サイズ用プリンターで3分間露光してレリーフ版を得た。
得られた感光性印刷原版の白抜きパターンの再現性を評価した結果、ネガフィルムのスリット幅30μmの遮光パターンに対し、レリーフ凹部の幅も30μmを再現しており、ネガフィルムのパターンを忠実に再現する結果となった。
次にこのレリーフ版を使って30μm白抜けパターンの印刷性を評価した。評価は三条機械製作所(株)製のシール印刷機P−20を使って墨インキ(T&K社 UVベストキュアー No5 BF 墨)で印刷テストを行い、30μmの白抜けパターンはインキの埋まりのないシャープな刷り上がりの印刷物が得られた。
【0032】
比較例1
実施例1において、被覆層中の界面活性剤を添加しなかったこと以外は実施例1と同様の方法により、感光性印刷原版を得た。得られた原版のカバー剥離力は120g/cmであり剥離層に剥離跡が残った。
得られた感光性印刷原版の白抜きパターンの再現性を評価した結果、スリット幅30μmの遮光パターンに対し、レリーフ凹部の幅は20μmであり、ネガフィルムのパターンを再現しなかった。次にこのレリーフ版を使って実施例1と同様に印刷性を評価した。
また、印刷物も白く抜けるべき部分にインキが付着しシャープな刷り上がりの印刷物は得られなかった。
【0033】
比較例2
実施例1において、紫外線吸収剤エマルジョンの量を0.8部、被覆層をバーコーター#36を用いて乾燥後の厚み2μmにした以外は実施例1と同様の方法により、感光性印刷原版を得た。得られた原版のカバー剥離力は12g/cmであり剥離性は良好であった。被覆層の波長360nmにおける光透過率は80%であった。しかしながら、得られた感光性樹脂積層体の微細な白抜きパターンの再現性を評価した結果、スリット幅30μmの遮光パターンに対し、レリーフ凹部の幅は25μmであり、ネガフィルムのパターンを再現性が低下していた。次にこのレリーフ版を使って実施例1と同様に印刷性を評価したところ、印刷物も白く抜けるべき部分にインキが付着しシャープな刷り上がりの印刷物は得られなかった。
【0034】
実施例2
実施例1において、カバーフイルムにポリエステルフィルム(原反は東洋紡績(株)製のE5000で厚さ125μm)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により、感光性印刷原版を得た。得られた原版のカバー剥離力は40g/cmであり剥離性は良好であった。
得られた感光性印刷原版の白抜きパターンの再現性を評価した結果、スリット幅30μmの遮光パターンに対し、レリーフ凹部の幅は30μmであり、ネガフィルムのパターンを再現していた。次にこのレリーフ版を使って実施例1と同様に印刷性を評価したところ、印刷物も白く抜けるべき部分にインキの埋まりのないシャープな刷り上がりの印刷物が得られた。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の感光性印刷原版によれば、カバー剥離性が良好でかつ微細な白抜きパターンをレリーフ、印刷物で再現でき、高品位の印刷が可能な印刷版を得ることが出来るので産業界に寄与すること大である。
Claims (4)
- 少なくとも支持体、感光性樹脂層、被覆層およびカバーフィルムを有する感光性印刷原版であって、上記被服層の厚みが1μm以下で、かつ被覆層とカバーフイルムとの剥離力が1g/cm〜100g/cmであることを特徴とする感光性印刷原版。
- 前記被覆層が、該感光性樹脂の活性光線領域に吸収をもつ分子量1,000以上の光吸収剤を含有する請求項1記載の感光性印刷原版。
- 前記被覆層が、1nm〜500nmの平均粒径を有する紫外線吸収微粒子を含有する請求項1記載の感光性印刷原版。
- 前記被覆層の光透過率が波長360nmの光に対し、50%〜99%である請求項1記載の感光性印刷原版。
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