JP2004263919A - 焼成用台車 - Google Patents

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聖一 福岡
Yukihiro Yabusaki
幸広 藪崎
Yuzo Fujii
勇造 藤井
Kazumi Kaneyama
和己 兼山
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Abstract

【課題】載置部の軽量化を図ることで熱容量を小さくし、且つ、昇降温時の熱応答を良好にした焼成用台車を提供すること。
【解決手段】本発明により提供される焼成用台車(10)は、台車本体(12)の上に断熱ブロック(15)が配置される。断熱ブロック(15)の上方には支柱(16)が延びる。支柱(16)にはビーム(17)が架け渡される。このビーム(17)の長さ方向には、台車進行方向に向けて貫通するガス通路(S)が設けられる。また、断熱ブロック(15)は、表面硬化されたセラミックファイバーブロックで構成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル窯、シャトル窯等に用いられる焼成用台車及び該台車を構築するのに使用されるセラミック製の部材に関する。
【0002】
【従来の技術】陶磁器の連続焼成に焼成用台車が用いられている。焼成用台車(窯車)は、鋼製のプレート状台車本体(基台部)と、その上に設けられた載置部とから構成されている。一般に載置部は、台車本体の上方に延びる複数の支柱と、それら支柱に水平に架け渡されたいくつかのビーム(水平支持材)と、それらビームに水平に架け渡された棚板とを備えている。被焼成品は、通常は匣鉢に収容された状態で当該棚板の上に配置される。
また、載置部は、台車本体上に敷き詰められた断熱材を備える。かかる断熱材によって、炉熱による台車本体の過熱・劣化を防止する。例えば、以下の特許文献1〜9には、従来の焼成用台車及び当該台車を構成する部材が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−110195号公報
【特許文献2】特開平8−14769号公報
【特許文献3】特開平8−14770号公報
【特許文献4】特開平10−311686号公報
【特許文献5】特許第3012906号公報
【特許文献6】実開平6−46295号公報
【特許文献7】実公平6−25830号公報
【特許文献8】実公平6−25831号公報
【特許文献9】実開平6−73693号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の焼成用台車は、載置部の重量が大きく、それゆえに熱容量も大きい。そのような台車を用いてトンネル窯で被焼成品の焼成を行う場合、熱容量が大きい分だけ燃料コストがかかってしまう。
また、一つのトンネル窯で効率よく被焼成品を大量に焼成するには、窯内における台車搬送速度をできるだけ高く設定すべきであるが、従来の熱容量が大きい台車を用いる場合には、窯内の台車搬送速度を比較的遅く設定せざるを得ない。台車搬送速度を上げすぎると、窯内の昇降温に伴う熱応答が不十分となって被焼成品を均一に焼成し難くなるからである。
【0005】
本発明は、このような現状に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、載置部の軽量化を図ることで熱容量を小さくし、昇降温時の熱応答を良好にした焼成用台車ならびに該台車を製造するために用いられる軽量部材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明によって提供される一つの焼成用台車は、台車本体(基台部)と、その台車本体の上方に延びる複数の支柱と、それら支柱に架け渡されて支持されるビームとを備えている。そして、上記ビームは、長手方向の両端が開放された中空形状であり、その長手方向が台車の進行方向に沿うように配置されていることを特徴とする。
なお、本明細書において「焼成用台車」とは、被焼成品を載せて窯内を所定の方向に移動させて用いる台のことであり、車輪等の本発明の特徴部分とは関係のない移動手段の付設の有無を問わない。
また、「ビーム」とは、上記支柱に支持される水平方向(厳密な水平状態を要求するものではない)の支持部材であり、被焼成品及び/又は該被焼成品を載せる棚板その他の載置部を構成する部材を載せるための部材である。
【0007】
上記構成の焼成用台車は、被焼成品の比較的近くに位置し、被焼成品の温度に影響を与え易い部材であるビームが、中空形状に構成されている。このため、ビーム自体が軽量化して熱容量が小さくなり、延いては窯内での焼成時における熱応答性を向上させることができる。
そして、本発明の焼成用台車では、ビーム長手方向の両端の開放部分(即ち開口部)が台車の進行方向に向けられる。このため、窯内で台車が所定の方向に進行する際、窯内のガスはビーム中空部を(典型的には台車進行方向前方から後方へ)容易に流動することができる。このことにより、窯内ガスとビーム壁面との間で積極的な熱交換が行われ、窯内の温度変化に対応させてビーム表面延いては熱伝導を介してビームに接する他の部材や被焼成品の温度を迅速に変化させていくことができる。
従って、本構成の焼成用台車によると、焼成用台車の搬送速度を大きくしても、焼成ムラの少ない均質な焼成を行うことができる。また、加熱時の燃料コストの低減を図ることができる。
【0008】
好ましくは、上記ビームは横断面が矩形の角パイプ状に成形されており、その角部は長手方向にR面取りが施されていることを特徴とする。
このようにビームの横断面が矩形になっていると、ビームを支柱上に載置した場合にも転がり難くなり、安定性を向上することができる。また、角パイプ(角柱)状ビームの角部がR面(弧状面)を形成することから、当該ビームの耐荷重が大きくなり、被焼成品の積み上げ量を増大させ易い。このため、大量の被焼成品又は比較的重量のある被焼成品を効率よく焼成することができる。また、ビームの角部がR面であると、当該角部が他の構成部材等に接触しても損傷を与え難く好都合である。
【0009】
本発明においてビームにR面を形成する場合、次の条件:5mm≦曲率半径R≦20mmを満たすように角部の曲率半径Rを設定することが好ましい。ここで曲率半径Rを5mm以上としたのは、曲率半径Rが小さすぎると耐荷重性が不十分になり易いからである。また、曲率半径Rを20mm以下としたのは、曲率半径Rが大きすぎるとビーム外周面の平坦部分が少なくなって荷重が集中し易くなるためである。
【0010】
さらに好ましくは、上記ビームが高強度セラミック材料で構成されていることを特徴とする。特に炭化ケイ素セラミックスで構成されていることが好ましい。比較的軽く、高強度で耐熱性にも優れるためである。その他、ムライト質、アルミナ質等のセラミック材料を用いてもよい。
かかる高強度ビームによると、曲げ強度を大幅に向上させることができる結果、ビームを支持する支柱間の距離(スパン)が600mm以上(典型的には1m以上)であり得る。このため、比較的長いビーム(例えば0.8〜1.2m)でも、その両端付近を支持する2本の支柱のみで支えることができる。
このように、上記素材から成る高強度セラミック製ビームによると、支柱間のスパンをより広くし得、支柱の数を減らすことが可能になり、焼成用台車のさらなる軽量化を実現することができる。
【0011】
また、本発明によって提供される他の一つの焼成用台車は、台車本体(基台部)と、上記台車本体の上方に延びる複数の支柱と、上記支柱の周辺に配置される断熱ブロックとを備えている。そして、上記断熱ブロックは、表面硬化されたセラミックファイバーブロックにより構成されていることを特徴とする。
なお、本明細書において「断熱ブロック」とは、台車本体の上に断熱の目的で配置される成形物をいい、その形状や大きさは適用対象である台車のサイズ・形状によって適宜変更され得る。
また、「表面硬化されたセラミックファイバーブロック」とは、当該ブロックの表層部分の硬度が当該ブロックの中心部分の硬度よりも高くなるように硬化処理されているセラミックファイバー製ブロックをいう。
【0012】
一般に、焼成用台車上の載置部を構成する部材のうち、断熱ブロックの占める容積は大きい。このため、かかる断熱ブロックの軽量化を図ることが焼成用台車の熱応答の向上に重要である。上記構成の焼成用台車では、断熱ブロックが多孔質のセラミックファイバーから成るブロックであるため、断熱ブロックとして耐火煉瓦を採用していた従来の台車に比べて台車自体の重量を格段に小さくすることができる。これにより、焼成用台車の熱容量も小さくなり、熱応答を向上させることができる。
さらに本構成の焼成用台車では、断熱ブロックが表面硬化されたセラミックファイバーブロックにより構成されており、断熱ブロック自体の機械的な強度を十分に確保することができる。このため、本発明に係る断熱ブロックを支柱の周辺に配置することによって、ビーム等の載置部構成部材及びその上に載せられる被焼成品の重量が加わる支柱の安定性をより向上させることができる。
従って、本構成の焼成用台車によると、断熱ブロック本来の断熱性を維持しつつ、熱容量の低減と機械的強度の向上とを共に実現することができる。
【0013】
好ましい表面硬化されたセラミックファイバーブロックの一つは、上記断熱ブロックの表層部分のセラミックファイバーの表面にセラミック助材が付着しており、該断熱ブロックの表層部分は中心部分よりも緻密であることを特徴とする。このようなセラミックファイバーブロックでは、緻密なブロック表層(硬化層)によってブロック表面のファイバー間の隙間が塞がる(小さくなる)ため、断熱ブロックの断熱性をより向上させることができる。また、表面が緻密であるため、機械的強度も向上し得る。本構成のセラミックファイバーブロックは、従来の耐火煉瓦の代替品として好ましい。
【0014】
上記目的に好ましいセラミック助材としてはシリカ(SiO)、アルミナ(Al)等の酸化物セラミックス、あるいは炭化ケイ素(SiC)等の非酸化物セラミックス等が挙げられる。粒子状のセラミックスがファイバー表面にコーティングされたものが上記断熱ブロックとして好ましい。なお、本構成のセラミックファイバーブロックは、セラミック助材(シリカ粒子等)が付着することにより、断熱ブロックの表層部分が中心部分よりも緻密となっていればよく、断熱ブロック中心部分のファイバーにセラミック助材が付着していてもよい(典型的にはブロック中心部分のセラミック助材付着量はブロック表層部分における付着量よりも少ない。)。
【0015】
また、上記断熱ブロックには、上記支柱を挿入し得る貫通孔が高さ方向に形成されていることが好ましい。このような断熱ブロックは、上記貫通孔に支柱を差し込んで所定の位置に配置することができる。このため、位置決めが容易であり、所定の位置からのずれが起こり難い。従って、台車本体(基台部)上にいくつかの断熱ブロックを並設するような場合でも、位置ずれに起因する隙間が生じ難い。また、配置後、台車を使用する際にも振動等による位置ズレを防止することができる。また、支柱に密接させた状態でその周囲に表面硬化された断熱ブロックを配置し得るので、支柱をより安定して保持することができる。
【0016】
また、好ましい一態様の焼成用台車は、台車本体の外周部に上記断熱ブロックが枠状に配置され、上記支柱はいずれも当該枠部分に設けられており、その枠の内側にはセラミックファイバー又はセラミックファイバー製品が充填されていることを特徴とする。ここで「セラミックファイバー製品」とは、当該ファイバを原料とする繊維製品をいう。該ファイバーから成るテキスタイル(織布、不織布)を成形した製品(ブランケット、フェルト、ボード等)は、ここでいうセラミックファイバー製品に該当する典型例である。
かかる構成の焼成用台車では、昇降温時に断熱ブロックに生じる熱伸縮がセラミックファイバー(バルク品)又はセラミックファイバー製品(成形品)に吸収され得るため、断熱ブロックの耐久寿命をより長くすることができる。また、断熱ブロックの使用量を減らすことができるため、焼成用台車の製作コストを抑えることができる。なお、上記枠内にセラミックファイバー製品が収納されるため、台車の外側にかかる製品が脱落することはない。
【0017】
好ましい本発明の焼成用台車は、上述したビームと断熱ブロックを共に備えた台車である。本発明によって提供されるビームと断熱ブロックを共に採用することによって、特に軽量化された熱容量の小さい焼成用台車を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば台車本体の上に支柱を設置し、その支柱の上にビームを架け渡し、更にその上に棚板を載せて載置部を構築する一般的な手順)は、いずれも従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている事項と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0019】
本発明の焼成用台車は、ここで教示された性状のビーム及び/又は断熱ブロックを備えておればよく、その他の部材については特に制限はない。台車に乗せる被焼成品の大きさや形状によって異なり得るため、特に限定はしないが、一般には、ビームの上にはさらに種々の形状の棚板(後述する実施の形態参照)が載せられる。また、支柱の数や形状に特に限定はない。好ましくは、支柱の上端にビームを載置する部位(典型的にはビームがそこから転落するのを防止する形状である。)が形成されている。また、支柱は、台車本体(基台部)と一体成形でもよく、着脱(交換)可能に別体に形成されたものでもよい。別体の場合、強度保持と耐熱性の観点から、ビームと同様、高強度セラミック材料から構成されたものが好ましい。
【0020】
セラミック製のビーム、支柱、棚板等の部材は、従来公知のセラミック製造技法に準じて製造することができる。例えば、セラミック原料粉末をパイプ状に押し出し成形した後、この成形品を1300〜1400℃程度で焼成するとよい。また、炭化ケイ素等から成るビームは、予めカーボン材料によってパイプ状の成形品を得ておき、この成形品にケイ素を化学反応によって付与させることによっても製造することができる。なお、セラミック成形物の成形・製造方法自体は、本発明を何ら特徴付けるものでは無く、従来技術に準じて行えばよいため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0021】
本発明に係る断熱ブロックを構成するセラミックファイバーとしては、現在製造又は入手可能な種々の材質のものを使用し得る。例えば、被焼成品の焼成温度が比較的低い場合(例えば700〜800℃)には、酸化物系セラミックファイバー(例えばシリカ、アルミナ等から成るファイバー)を採用することができる。あるいはまた、被焼成品の焼成温度が比較的高い場合(例えば1000〜1100℃)には、非酸化物系セラミックファイバー(例えば窒化ケイ素、炭化ケイ素等から成るファイバー)を採用することができる。
【0022】
本発明の焼成用台車に適する表面硬化されたセラミックファイバーブロックは各種ファイバーから成る成形品(ブロック等)に対して従来から行われている種々の表面硬化処理(無機硬化剤)を適用することによって得ることができる。例えば、シリカの微粒子を水中に分散させて成る液状無機硬化剤を種々の手法(例えばディッピング)によってセラミックファイバーブロックの表層部分に付与し、その後、乾燥・焼結処理を施す。このことによって、シリカ微粒子によってコーティングされたセラミックファイバーが得られる。かかるシリカコーティングファイバーは、非コーティングファイバーよりも硬度が向上する。これにより、表層部分が中心部分よりも硬化(即ち表面硬化)されたセラミックファイバーブロックが得られる。このような硬化処理によって、機械的な強度が高められ、さらにブロック表層部分が内部よりも緻密になって断熱性が向上した軽量断熱ブロックが得られる。
【0023】
以下、本発明の焼成用台車として好適な一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、この焼成用台車10は、鋼製の矩形プレート状台車本体(基台部)12と、その上に形成された載置部14とから構成されている。台車本体12には、移動手段としての車輪13が付設されている。載置部14は、断熱ブロック15と、ビーム16と、棚板18とを備えている。この棚板18の上には、被焼成品あるいは図示するように被焼成品を収容した匣鉢Pが載置される。
【0024】
図2〜図3に示すように、台車本体12の上面にはいくつかの支柱16が上方に延びるようにして配置されており、それら支柱16の周辺にはいくつかの断熱ブロック15が配置されている。図4に示すように、支柱16は、台車進行方向(台車長さ方向)の両端付近に3本ずつ、台車幅方向に一定の間隔を保って設置されている。本実施形態に係る支柱16は、炭化ケイ素等の高強度セラミック材から構成されており、その横断面が矩形の中空パイプ状に成形されている。
また、図4に示すように、計3本のビーム17が、それぞれ、進行方向(台車長さ方向)両端の向き合う一対の支柱16を用いてほぼ水平に架け渡されている。これらビーム17の上面には、該ビーム17とほぼ直交する方向(台車幅方向)に、棒状の棚板18が所定の間隔で多数架け渡されている。各棚板18はほぼ水平に並んでおり、これら棚板18の水平な上面に、上記匣鉢Pが載置される。
【0025】
本実施形態に係るビーム17は、炭化ケイ素セラミックスから構成された高強度ビームであり、横断面が矩形の中空パイプ形状のビームである。図3に示すように、ビーム17の両端は開口しており、結果、台車長さ方向即ち台車進行方向にビーム内ガス通路Sが形成される。これにより、台車10を窯内で所定の方向に進行させた際には、窯内のガスがビーム内ガス通路Sを容易に流通することができる。
【0026】
上述のように本実施形態では、各ビーム17は、焼成用台車10の長さ方向に向き合う2本の支柱16のみで支持されており、そのスパンは1m以上(例えば1〜1.2m)であり得る。ビーム17が曲げ強度の大きい炭化ケイ素セラミックスから構成されているため、このように広い支持スパンを採用しても、ビーム17の変形や折損等の不具合を生じない。
また、スパンを広くすることによって、支柱16の使用本数を減らすことができ、台車の軽量化につながる。さらに、支柱の数を減らし、支柱16間のスパンを大きくすることによって、支柱16間の広いスペース(図2参照)に窯内ガスを流通させ易くなり、台車下部の熱伝導性を向上させることができる。
【0027】
本実施形態に係る断熱ブロック15は、例えばシリカ微粒子がコーティングされて表面硬化されたセラミックファイバーブロックから構成されている。このような断熱ブロックであると、ブロック表層部分が中央部分よりも緻密となって断熱性が良好であり、ブロック全体の機械的強度も高い。
図5に示すように、計12個の断熱ブロック15は、台車本体12の外周に沿って枠状に配列されている。各断熱ブロック15はほぼ密接した状態で載置されている。図示されるように、本実施形態では、断熱ブロック15は、台車10の長さ方向に並ぶものと、幅方向に並ぶものとの二種が用いられている。
【0028】
図5及び図7に示すように、これら断熱ブロック15の中央部には、高さ方向に貫通する貫通孔Hが設けられている。貫通孔Hには、台車本体12の上面に突設された筒状のパイプ21が嵌装されている。これらパイプ21を貫通孔Hに嵌め込むことにより、対応する断熱ブロック15が容易に位置決めされ、台車本体12からの脱落を防止することができる。
また、台車本体12の幅方向(図5で左右端部)に並ぶ計6個の断熱ブロック15には、それぞれ貫通孔Hに支柱16が挿入・貫通されている(図7)。本実施形態では、支柱16の側壁と貫通孔Hの内壁との間には実質的な隙間がない。このことによって、支柱のがたつきを抑えて所定の位置に安定して保持することができる。
【0029】
図6及び図8に示すように、計12個の断熱ブロック15により形成された枠の内側のスペースには、炭化ケイ素製のセラミックファイバーから構成されたテキスタイルを加工して成るフェルト24が積層されている(敷き詰められている)。さらに、それら積層されたフェルト24の上面にはブランケット25が積層されている。好ましくは、図示されるように、断熱ブロック15と等しい高さまで積層する。そして断熱ブロックとブランケット25の隙間を埋めるようにして、これらの上にセラミックファイバーから成るシート(薄いブランケット)26が配置されている。
【0030】
このように断熱ブロック15により囲まれた枠内にフェルト24およびブランケット25等のファイバー製品を充填することにより、表面硬化処理等されて比較的高価なセラミックファイバーブロック(断熱ブロック15)の使用数量を減らし、台車の製作コストを抑えることができる。また、複数のブロック15やブランケット25を用いた場合でも、その上面に単に一枚の安価なファイバーシート26を配置することによって、ファイバー製品(ブロック15、ブランケット25)間の隙間を塞いで断熱性をより向上させることができる。
【0031】
図7〜図9に示すように、本実施形態では、支柱16の中空部及び断熱ブロック15の貫通孔H(即ち支柱16が挿入されていないもの)に、セラミックファイバー(バルク)28が充填されている。また、台車本体12に設けられたパイプ21の孔にも同様にセラミックファイバー(バルク)28が充填されている。これら中空部及び孔にセラミックファイバー28を充填することによって、断熱性をより向上させることができる。
【0032】
図10に示すように、支柱16の上端には、断面コ字形の凹部16aが設けられている。この凹部16aには一対の側壁29が凹部底面(ビーム受け面)よりも上方に延びており、側壁29の延伸方向とビーム長手方向とがほぼ平行となるようにして、これら側壁29の間にビーム17の端部が載置される。各側壁29がストッパーとして機能するため、凹部16aに載置したビーム17が支柱16の上端から脱落するのを防止することができる。
【0033】
また、図10から明らかなように、ビーム17の角部17aは、R面取り(横断面円弧状の面取り)が施されている。これらの角部(R面)17aに連なる平坦部17bが凹部16aに水平に載置される。好ましくは、角部17aの曲率半径Rは、5mm≦曲率半径R≦20mmの範囲となるように設定される。
このように角部17aが円弧状に面取りされることで、ビーム17の耐荷重が高められる。また、ビーム17が他の構成部材等に接触しても角部17aによって損傷を与え難くなる。
【0034】
本実施形態の焼成用台車10によれば、ビーム17、断熱ブロック15等の軽量化により載置部14の熱容量が極めて小さくなる。また、図11に示すように、トンネル窯K内に焼成用台車10を移動させる際、台車進行方向(矢印a方向)の前方空間から後方空間に、ビーム17のガス通路Sを窯内のガスが容易に流通する。これにより、焼成処理時において、台車10前方のガスの熱がビーム17の壁面を介して載置部14に迅速に伝達する。
このように、本実施形態に係る焼成用台車10は、昇降温時の熱応答が従来の焼成用台車よりも格段に向上し得、搬送速度をこれまでの常識的速度よりも大きくしても均質な焼成を行うことができる。
【0035】
また、本実施形態に係る焼成用台車10では、断熱材としてセラミックファイバーブロック(断熱ブロック)15及びセラミックファイバー製品(シート26、フェルト24、ブランケット25を用いているため、載置部14の断熱性が良好である。これにより、過度の温度上昇による台車本体12の劣化を抑止することができる。
【0036】
さらに、本実施形態に係る焼成用台車10によれば、断熱ブロック15の強度が大きいため、載置部14の耐久性も十分に保たれる。また、支柱16のがたつきも防止し得る。
ここで、セラミックファイバーブロックの表面硬化処理による強度向上を評価した試験例を示す。試験には、セラミックファイバーから成る成形体(試験用ブロック)を用いた。すなわち、シリカ(無水ケイ酸)微粒子を水中に分散させて成る液状無機硬化剤に試験用ブロックをディップして当該ブロック表層部にシリカ微粒子をコーティングし、その後乾燥・焼成処理を行って表面硬化処理品を得た。また、この評価の対照品として、シリカ微粒子コーティングを行わずに同様の焼成処理を行った試験用ブロックを得た。
得られた表面硬化処理品と対照品について、アスカーC型硬度計による表面硬度(日本工業規格JIS K 7312および日本ゴム協会規格SRIS0101に準拠の硬度)及び曲げ強さを常法に基づいて測定した。それぞれ焼成前と焼成後の測定値を表1及び表2に示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004263919
【0038】
【表2】
Figure 2004263919
【0039】
表1及び表2に示すように、通常品に比べ表面硬化処理品は、当該硬化処理によって、表面強度および曲げ強さともに対照品よりも高い値を示している。また、硬化処理品は、焼成後も十分な強度を維持しており、耐熱強度にも優れることが認められる。
【0040】
以上、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の実施形態はこれに限られることなく、種々の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、断熱ブロック15の枠内にセラミックファイバー製品(フェルト24及びブランケット25)を充填しているが、これらに代えて、断熱ブロック15と同様な構成のセラミックファイバーブロックを設けることもできる。
また、棚板18を、ビーム17と同様、炭化ケイ素その他の高強度セラミック製として強度を高めると共に、中空パイプ(両端開放)状に成形して台車10の幅方向(進行方向と交差する方向)の通気性を高めてもよい。
【0041】
また、図12に示すように、支柱41の上端にビーム17を支持する受け具42を設けてもよい。すなわち、図12に示す実施形態では、円筒状の支柱41の上端に断面H型の受け具42を脱着可能に取り付けている。受け具42の下側に突出する側壁42a,42aの間に支柱41の上端を収め、受け具42の上側に突出する側壁42b,42bの間にビーム17を載置する。このように支柱41と受け具42とを別体にすることで、支柱41の製造コストを削減することができる。また、受け具42の交換や修理をそれ単体で行うことが可能になる。
【0042】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る焼成用台車の使用状態を示す側面図である。
【図2】一実施形態に係る焼成用台車を示す側面図である。
【図3】一実施形態に係る焼成用台車を示す正面図である。
【図4】一実施形態に係る焼成用台車を示す平面図である。
【図5】図2及び図6に示すV−V線断面図である。
【図6】図4に示すVI−VI線断面図である。
【図7】図4に示すVII−VII線断面図である。
【図8】図4に示すVIII−VIII線断面図である。
【図9】図4に示すIX−IX線断面図である。
【図10】一実施形態に係る支柱及びビームを模式的に示す拡大図である。
【図11】一実施形態に係る焼成用台車の使用状態を模式的に示す平面図である。
【図12】一実施形態に係る支柱及びビームを模式的に示す拡大図である。
【符号の説明】
10 焼成用台車
12 台車本体(基台部)
14 載置部
15 断熱ブロック(セラミックファイバーブロック)
16 支柱
17 ビーム(水平支持材)
17a 角部
17b 水平部
18 棚板
21 パイプ
24 セラミックファイバー製品(フェルト)
25 セラミックファイバー製品(ブランケット)
26 セラミックファイバー製品(シート)
S ビーム内ガス通路

Claims (9)

  1. 台車本体と、
    前記台車本体の上方に延びる複数の支柱と、
    前記支柱に架け渡されて支持されるビームとを備え、
    前記ビームは、長手方向の両端が開放された中空形状であり、その長手方向が台車の進行方向に沿うように配置されている、焼成用台車。
  2. 前記ビームは、横断面が矩形の角パイプ状に成形されており、その角部は長手方向にR面取りが施されている、請求項1に記載の焼成用台車。
  3. 前記ビームは炭化ケイ素セラミックスで構成されている、請求項1又は2に記載の焼成用台車。
  4. 前記ビームを支持する支柱間の距離が600mm以上である、請求項3に記載の焼成用台車。
  5. 台車本体と、
    前記台車本体の上方に延びる複数の支柱と、
    前記支柱の周辺に配置される断熱ブロックとを備え、
    前記断熱ブロックは、表面硬化されたセラミックファイバーブロックにより構成されている、焼成用台車。
  6. 前記断熱ブロックの表層部分のセラミックファイバーの表面にはセラミック助材が付着しており、該断熱ブロックの表層部分は中心部分よりも緻密である、請求項5に記載の焼成用台車。
  7. 前記断熱ブロックには、前記支柱を挿入し得る貫通孔が高さ方向に形成されている、請求項5又は6に記載の焼成用台車。
  8. 前記台車本体の外周部に前記断熱ブロックが枠状に配置され、
    前記支柱はいずれも前記枠部分に設けられており、
    前記枠の内側にはセラミックファイバー又はセラミックファイバー製品が充填されている、請求項5〜7のいずれかに記載の焼成用台車。
  9. 長手方向の両端が開放された中空形状のビームを備えており、
    該ビームは、前記支柱に架け渡されて支持されるとともに、ビーム長手方向が台車の進行方向に沿うように配置されている、請求項5〜8のいずれかに記載の焼成用台車。
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