JP2004263842A - 電磁駆動装置 - Google Patents

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JP2004263842A
JP2004263842A JP2003057588A JP2003057588A JP2004263842A JP 2004263842 A JP2004263842 A JP 2004263842A JP 2003057588 A JP2003057588 A JP 2003057588A JP 2003057588 A JP2003057588 A JP 2003057588A JP 2004263842 A JP2004263842 A JP 2004263842A
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Masaaki Fushiki
正明 伏木
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GKN Driveline Japan Ltd
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Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

【課題】異物による動作不良を抑制することを可能とする。
【解決手段】電流制御に応じた電磁力を発生するソレノイド47と、ソレノイド47にエアギャップ83を介して配置され電磁力に応じて移動するプランジャ49と、プランジャ49の移動に応じてフロントデファレンシャル3のロック部材51の位置を変化させる電磁駆動装置1において、ソレノイド47とプランジャ49との間に、異物浸入を防御するシール部89,91を介して閉空間93を形成し、エアギャップ83を、閉空間93内に配置し、ソレノイド47側に、プランジャ49の往復移動により容積を相対的に増減変化させる閉空間93内の可変空間部95,97相互を連通させる連通部101を設けたこと特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁石を用いてデフロック等を行うための電磁駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁駆動装置としては、例えば図8に示すようなリヤデファレンシャルに適用されたものがある。図8のように、リヤデファレンシャル201は、デフケース203がデフキャリア205にベアリング207を介して回転自在に支持されている。デフケース203内には、左右のサイドギヤ209,211が回転自在に設けられている。サイドギヤ209,211には、ピニオンギヤ213が噛み合っている。ピニオンギヤ213は、前記デフケース203にピニオンシャフト215によって回転自在に支持されている。左右のサイドギヤ209,211には、左右後輪側のアクスルシャフト213,215が連動連結されている。
【0003】
このリヤデファレンシャル201の差動は、電磁駆動装置217によりロック及びアンロックできるように構成されている。
【0004】
前記電磁駆動装置217は、電磁石219を備えている。電磁石219は、ヨーク221,コイル223からなり、デフキャリア205側に支持されている。電磁石219に対向して移動パネル225が設けられている。移動パネル225の内周側は、スライド部材227に結合されている。スライド部材227は、デフケース203のボス部229外周面に回転軸芯に沿った方向に移動可能に支持され、且つ相対回転可能となっている。
【0005】
前記スライド部材227の端部は、デフケース203内に臨んでおり、該スライド部材227の端部にロック部材231が固着されている。ロック部材231と前記サイドギヤ211との間には、ドグクラッチ233が設けられている。ロック部材231とデフケース203との間には、一方側においてカム235が設けられ、他方側においてリターンスプリング237が設けられている。
【0006】
従って、前記電磁石219の電流制御が行われていないとき、リターンスプリング237の付勢力によって、ロック部材231が付勢され、ドグクラッチ233は図8の上半分図示のように離れており、リヤデファレンシャル201はアンロック状態となる。
【0007】
従って、ドライブピニオンギヤ238からリングギヤ239を介して、デフケース203に入力されたトルクは、ピニオンシャフト215からピニオンギヤ213へ伝達され、左右のサイドギヤ209,211を介して左右のアクスルシャフト213,215へ伝達され、該伝達トルクにより左右の後輪を駆動することができる。
【0008】
左右の後輪間に差動回転を生じたときには、左右のアクスルシャフト213,215を介して、左右のサイドギヤ209,211に差動回転が伝達され、ピニオンギヤ213の自転によって差動回転を許容しながらトルク伝達を行うことができる。
【0009】
ここで、一方の後輪がぬかるみ等に落ち込むと、ぬかるみに落ち込んだ後輪が空転し、デフケース203に入力されたトルクは路面μの低いぬかるみ側の後輪に逃げる状態となる。このような状況から脱出するために、リヤデファレンシャル201のロックを行う。
【0010】
すなわち、前記電磁石219の通電によって電流制御を行い、移動パネル225を図8下半分図示のようにヨーク221に引き付ける。これによって、ロック部材231はスライド部材227を介してその回転が規制され、デフケース203との間に回転方向への位置ずれを生じる。この位置ずれによって、カム機構235が働き、ロック部材231がリターンスプリング237の付勢力に抗して移動し、ドグクラッチ233が噛み合う。この噛み合いによって、サイドギヤ211がデフケース203側に係合し、左右のサイドギヤ209,211間の差動がロックされる。
【0011】
この差動ロックによって、デフケース203に伝達されたトルクは、路面μの高いほうの後輪側へ確実に伝達され、悪路からの脱出を行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
【特許文献1】
特許2706311号公報参照
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のような構造であると、電磁石219と移動パネル225との間に異物が入り込み、移動パネル225の移動が規制されて、リヤデファレンシャル201のロックができなくなる恐れがある。
【0014】
すなわち、リヤデファレンシャル201内の摩耗によって、摩耗粉等が生じると、電磁石219のヨーク221に摩耗粉が引き付けられて付着し、移動パネル225との間に介在することになる。これによって、移動パネル225の引き付けが規制されて、前記のようにロックができなくなる恐れがある。
【0015】
本発明は、異物による動作不良を抑制することの可能な電磁駆動装置の提供を課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、電流制御に応じた電磁力を発生する電磁石と、前記電磁石にエアギャップを介して配置され電磁力に応じて移動する可動体と、前記可動体の移動に応じて操作対象の位置を変化させる電磁駆動装置において、前記電磁石と可動体との間に、異物浸入を防御するシール部を介して閉空間を形成し、前記エアギャップを、前記閉空間内に配置し、前記電磁石側又は可動体側の少なくとも一方に、該可動体の往復移動により容積を相対的に増減変化させる前記閉空間内の可変空間部相互を連通させる連通部を設けたこと特徴とする。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1記載の電磁駆動装置であって、前記閉空間内に、前記連通部を介して前記可変空間部に連通し前記可動体が移動しても容積が変化しない異物収容空間部を設けたことを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の電磁駆動装置であって、前記可動体は、前記閉空間内で前記電磁石にエアギャップを介して配置される磁性体の磁力作用部と該磁力作用部に対し一体的に形成され前記シール部から前記閉空間外へ突出して前記操作対象に連係する非磁性体の連係作用部とからなり、前記シール部は、前記電磁石側と前記連係作用部とを狭小の隙間で対向させて構成したことを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の電磁駆動装置であって、前記電磁石は、ヨーク及びコイルから成るソレノイドであり、前記ヨークは、全体が断面中空の周回状に形成されて内周側に対向部を有し、前記コイルは、前記ヨークの中空断面の内部に配置され、前記可動体は、前記ヨークの内周側に配置された周回形状のプランジャであることを特徴とする
請求項5の発明は、請求項4記載の電磁駆動装置であって、前記ソレノイドに、前記ヨークの一側から前記プランジャの内周側に渡って形成され該プランジャの移動をガイドする非磁性体のガイド部を設けたこと特徴とする。
【0020】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の電磁駆動装置であって、前記操作対象は、デファレンシャル装置の差動をロック及びアンロックするためのロック部材であることを特徴とする。
【0021】
請求項7の発明は、請求項5記載の電磁駆動装置であって、前記操作対象は、デファレンシャル装置の差動をロック又は制限するために位置を変化させる部材であり、前記ガイド部は、デファレンシャル装置のデフケースに同芯状に嵌合支持されたことを特徴とする。
【0022】
【発明の効果】
請求項1の発明では、電磁駆動装置において、電磁石の電流制御によって電磁力を発生させ、前記電磁石にエアギャップを介して配置された可動体を電磁力に応じて移動させ、可動体の移動に応じて操作対象の位置を変化させることができる。
【0023】
そして、前記電磁石と可動体との間に、異物浸入を防御するシール部を介して閉空間を形成し、前記エアギャップを、前記閉空間内に配置したため、閉空間内への摩耗粉等の異物が入り込むのを防御し、異物がエアギャップに付着するのを抑制することができる。従って、エアギャップを介して電磁石の規定値の電磁力を可動体に働かせることができ、長期間使用後であっても可動体を円滑に移動させることができる。
【0024】
しかも、前記電磁石側又は可動体側の少なくとも一方に、該可動体の往復移動により容積をそれぞれ変化させる前記閉空間内の可変空間部相互を連通させる連通部を設けたため、閉空間内にオイル等が入り、可動体の往復移動により容積が相対的に減少変化する可変空間部内でオイル等が圧縮されたときは、該オイル等を、容積が相対的に増加する可変空間部内へ前記連通部を介して移動させることができる。従って、可動体の移動を妨げることがなく、円滑な動作を行わせることができる。
【0025】
請求項2の発明では、請求項1の発明の効果に加え、前記閉空間内に、前記連通部を介して前記可変空間部に連通し前記可動体が移動しても容積が変化しない異物収容空間部を設けたため、前記閉空間内に異物が多少浸入しても、前記可変空間部の容積の増減時に容積の変化しない異物収容空間部内へ前記異物を移動させることができる。従って、多少の異物浸入時にも異物がエアギャップに付着するのを抑制することができ、エアギャップを介して電磁石の規定値の電磁力を可動体に働かせることができ、長期間使用後であっても可動体を円滑に移動させることができる。
【0026】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明の効果に加え、前記可動体は、前記閉空間内で前記電磁石にエアギャップを介して配置される磁性体の磁力作用部と該磁力作用部に対し一体的に形成され前記シール部から前記閉空間外へ突出して前記操作対象に連係する非磁性体の連係作用部とからなり、前記シール部は、前記電磁石側と前記連係作用部とを狭小の隙間で対向させて構成したため、別部材としての特別なシール部材を必要とせず、シール部材の摩耗等がなく、耐久性が向上する。また、部品点数が少なく、組み付け、部品管理が容易である。
【0027】
請求項4の発明では、請求項1〜3の何れかの発明の効果に加え、前記電磁石は、ヨーク及びコイルから成るソレノイドであり、前記ヨークは、全体が断面中空の周回状に形成されて内周側に対向部を有し、前記コイルは、前記ヨークの中空断面の内部に配置され、前記可動体は、前記ヨークの内周側に配置された周回形状のプランジャであるため、プランジャとヨークとの間に狭小のエアギャップを安定的に造るのが容易となり、電磁石の大型化を抑制しながら、大きな電磁力でプランジャを移動させることができる。
【0028】
請求項5の発明では、請求項4の発明の効果に加え、前記ソレノイドに、前記ヨークの一側から前記プランジャの内周側に渡って形成され該プランジャの移動をガイドする非磁性体のガイド部を設けたため、プランジャをより円滑に移動させることができる。
【0029】
請求項6の発明では、請求項1〜5の何れかの発明の効果に加え、前記操作対象は、デファレンシャル装置の差動をロック及びアンロックするためのロック部材であるため、電磁石の電流制御によって可動体を移動させ、ロック部材をロック位置及びアンロック位置に変化させることによりデファレンシャル装置をロック状態及びアンロック状態とすることができる。
【0030】
請求項7の発明では、請求項5の発明の効果に加え、前記操作対象は、デファレンシャル装置の差動をロック又は制限するために位置を変化させる部材であり、前記ガイド部は、デファレンシャル装置のデフケースに同芯状に嵌合支持されたため、ソレノイド及びプランジャをユニットとしてデフケースへ簡単に装着させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態の電磁駆動装置を適用したデファレンシャル装置の配置を示す四輪駆動車のスケルトン平面図である。
【0032】
図1は、常時四輪駆動車を例に示し、本発明の一実施形態に係る電磁駆動装置1は、デファレンシャル装置としてのフロントデファレンシャル3に適用されている。電磁駆動装置1の動作により、フロントデファレンシャル3はロックできるようになっている。
【0033】
前記フロントデフ3には、左右のアクスルシャフト5,7を介して左右の前輪9,11が連動連結されている。前記フロントデファレンシャルァレンシャル3のリングギヤ13にはベベルギヤ15が噛み合っている。ベベルギヤ15には、エンジン17からトランスミッション19、動力分配装置21、プロペラシャフト23を介してトルクが入力されるようになっている。
【0034】
前記動力分配装置21からは、他方においてプロペラシャフト25を介しリヤデファレンシャル27にトルクが伝達されるようになっている。リヤデファレンシャル27には、左右のアクスルシャフト29,31を介して左右の後輪33,35が連動連結されている。
【0035】
そして、エンジン17のトルクは、トランスミッション19から動力分配装置21へ伝達される。動力伝達装置21からは、一方ではプロペラシャフト23、ベベルギヤ15を介してフロントデファレンシャル3のリングギヤ13に伝達される。フロントデファレンシャル3からは、左右のアクスルシャフト5,7を介して、左右の前輪9,11にトルク伝達が行われる。
【0036】
前記動力伝達装置21から、他方ではプロペラシャフト25を介して前記リヤデファレンシャル27にトルク伝達が行われる。リヤデファレンシャル27からは、左右のアクスルシャフト29,31を介して左右の後輪33,35にトルク伝達が行われる。
【0037】
従って、左右の前輪9,11、左右の後輪33,35によって四輪駆動状態で走行することができる。前記電磁駆動装置1の動作でフロントデファレンシャル3がロックされているときには、フロントデファレンシャル3の差動がロックされ、悪路での走行性を向上させることができる。
【0038】
前記電磁駆動装置1は、前記のようにフロントデファレンシャル3をロックできるようになっており、フロントデファレンシャル3の差動をロック及びアンロックするデフロック装置として構成されている。
【0039】
前記フロントデファレンシャル3は、例えば図2〜図7のようになっている。図2は、フロントデファレンシャル3のアンロック状態の断面図、図3はフロントデファレンシャル3のロック状態の要部断面図、図4はロントデファレンシャル3のアンロック状態の要部拡大断面図、図5はシール部を説明する要部拡大断面図、図6は図4の左側から見たソレノイドの側面図、図7は図4の右側から見たソレノイドの側面図である。
【0040】
図2,図3のように、前記フロントデファレンシャル3は、デフケース36においてベリング37(デフケース36の右側は図示省略している。)を介し、デフキャリア38に回転自在に支持されている。デフケース36内に左右のサイドギヤ39,41が回転自在に設けられている。サイドギヤ41,45には、ピニオンギヤ43が噛み合っている。ピニオンギヤ43は、前記デフケース37にピニオンシャフト45によって回転自在に支持されている。左右のサイドギヤ39,41には、左右前輪9,11側のアクスルシャフト5,7が連動連結されている。
【0041】
前記電磁駆動装置1は、電磁石としてのソレノイド47と、可動体としてのプランジャ49と、操作対象としてのロック部材51とを備えている。
【0042】
前記ソレノイド47は、ハーネスを介してコントローラ側に接続されている。ソレノイド47は、電流制御に応じた電磁力を発生するもので、ハウジング状のヨーク53とコイル55とからなっている。
【0043】
図4をも参照すると、前記ヨーク53は、磁性体のヨーク構成部材57,59とを合わせて溶接等により固着したものであり、全体が断面中空の周回状に形成され、フロントデファレンシャル3の回転軸芯と同心状に配置されている。ヨーク53の内周側には、対向部61,63が設けられている。前記コイル55は、前記ヨーク53の中空の断面内部に配置されている。
【0044】
前記ソレノイド47には、スライドリング65が設けられている。スライドリング65はステンレス、アルミ、銅等の非磁性体により断面L字形に形成され、回転軸芯の回りに周回形状に形成されている。スライドリング65は、結合部67とガイド部69とからなっている。スライドリング65の結合部67は、外周が前記ヨーク構成部材57の内周に溶接等によって固着されている。
【0045】
前記スライドリング65は、前記デフケース37のボス部外周71に相対回転自在に嵌合している。スライドリング65の軸方向の一端はスペーサ73を介しベアリング37側に受けられ、同他側はカラー75を介してデフケース37側に受けられている。
【0046】
前記プランジャ49は、周回形状に形成され、磁性体の磁力作用部77と前記同様な非磁性体の連係作用部79とから成っている。前記磁力作用部77は、斜面81を有し、該斜面81と前記ソレノイド47の対向部61との間に微小なエアギャップ83が設定されている。前記連係作用部79は、前記磁力作用部77に溶接、或いは熱処理等によって一体、又は一体的に形成されている。連係作用部79には、スライド脚部85と凸部87とシール面89とが設けられている。
【0047】
前記プランジャ49は、前記連係作用部79のスライド脚部85において前記スライドリング65のガイド部69に回転軸芯に沿った方向へ移動自在に嵌合し、且つ相対回転自在となっている。スライド脚部85により、スライドリング65に対する嵌合を確実に行わせ、スライドリング65によるプランジャ49のガイドをガタツキを抑制しながら確実に行わせることができる。
【0048】
前記スライド脚部85とスライドリング65との間は、スライドを可能とする隙間があればよく、両者間で異物浸入を防御するシール部を構成している。また、図5をも参照すると、前記連繋作用部79のシール面89は、前記ヨーク構成部材59の内周側に周回状に形成され鍔部91に狭小の隙間を持って対向し、異物浸入を防御する非接触のシール部が構成されている。これら各シール部により、前記ソレノイド47とプランジャ49との間に、閉空間93が形成されている。
【0049】
前記鍔部91は、プランジャ49の回転軸芯に沿った方向でのストッパとしても機能する。前記連係作用部79は、前記シール面89及び鍔部91の非接触のシール部から閉空間93外へ突出して前記ロック部材51側に連係する。
【0050】
前記エアギャップ83は、前記閉空間93内に配置された構成となる。閉空間93内には、可変空間部95,97が形成されている。前記可変空間部95,97は、前記プランジャ49の回転軸芯に沿った方向への往復移動により容積を相対的に増減させる。前記可変空間部97の最小容積は、前記連係作用部79の凸部87が前記スライドリング65の結合部に当接することで維持される。
【0051】
前記ソレノイド47には、異物収容空間部99が設けられている。異物収容空間部99は、前記ヨーク構成部材57,59の対向部61,63の外周側に形成されている。異物収容空間部99は、プランジャ49が往復移動してもその容積は変化をさせない。
【0052】
図6,図7をも参照すると、前記ソレノイド47には、ヨーク構成部材57,59の内周側に回転軸芯に沿った方向に連通部101が設けられている。連通部101は、前記各可変空間部95,97相互を連通させている。前記異物収容部99は、前記連通部101を介して前記可変空間部95,97に連通している。
【0053】
図2〜図4のように、前記ロック部材51は、前記プランジャ49の移動に応じて位置を変化させるもので、前記プランジャ49に押されて回転軸芯方向であるサイドギヤ39側へ移動する構成となっている。ロック部材51は、本体部51a側がリング状に形成され、該本体部51aの背面側で周方向4箇所程度に回転軸芯方向への凸部51bが設けられたものである。凸部51bには、デフケース36外において係合プレート103が取り付けられている。係合プレート103には、前記連係作用部79が回転軸芯に沿った方向で当接している。
【0054】
前記ロック部材51の本体部51aは、前記デフケース36に設けられた支持穴105に回転軸芯方向へ移動自在に支持されている。前記デフケース36の支持穴105に対し、前記凸部51bに対応して周方向4箇所に貫通穴107が設けられている。前記凸部51bは、前記貫通穴107内を回転軸芯方向へ貫通している。
【0055】
前記ロック部材51と前記サイドギヤ36との端面には、ドグクラッチ109のクラッチ歯109a,109bが各別に設けられている。前記ロック部材51の本体部51a内周側には、回転軸芯方向に貫通した係合溝51cが設けられている。係合溝51cには、ばね受プレート111の足部111aが係合している。従って、ロック部材51は、前記ばね受プレート111に対し周方向に係合し、回転軸芯方向に移動自在となっている。
【0056】
前記ばね受プレート111の受部111bは、前記サイドギヤ36に接触し、該受部111bと前記ロック部材51との間にリターンスプリング113が介設されている。
【0057】
前記ソレノイド47が電流制御されないときには、リターンスプリング113の付勢力によってロック部材51が付勢され、ドグクラッチ109は噛み合わず、フロントデファレンシャル3はアンロック状態となっている。従って、図8で説明した場合と同様に、デフケース36からピニオンシャフト45、ピニオンギヤ43を介して、左右のサイドギヤ39,41側へトルク伝達を行うことができ、また左右のサイドギヤ39,41間の差動回転も許容されることになる。
【0058】
前記ソレノイド47が通電によって電流制御されると、ヨーク53及びプランジャ49の磁力作用部77に渡って磁束が形成され、プランジャ49が移動し、図3のようになる。このプランジャ49の移動によって、係合プレート103が同方向に押圧され、ロック部材51がリターンスプリング113の付勢力に抗して移動する。このロック部材51の移動によって、ドグクラッチ109が噛み合い、サイドギヤ39がロック部材51を介してデフケース36側に係合する。この係合によって、左右のサイドギヤ39,41間の差動がロックされる。
【0059】
前記のようなプランジャ49の移動に際して、可変空間部95の容積が減少し、可変空間部97の容積が増大する。このとき閉空間93内に入り込んでいるオイルは、連通部101を介して可変空間部95側から可変空間部97側へ円滑に移動し、プランジャ49の円滑な移動を維持することができる。
【0060】
前記ソレノイド47の通電が停止されると、リターンスプリング113の付勢力によって、ロック部材51が図2,図4のようにリターン移動する。このとき連通部101を介し可変空間部97側から可変空間部95側へオイルが移動し、同様にプランジャ49の円滑なリターン移動を維持することができる。
【0061】
前記シール面89及び鍔部91による非接触のシール部と、連係作用部79のスライド脚部85及びスライドリング65のガイド部69外面との間のシール部との作用によって、前記閉空間93内には、外部からの摩耗粉等の異物侵入を防御することができる。
【0062】
従って、閉空間93内に配置されているエアギャップ83の部分に、摩耗粉等が吸着されるのを抑制することができる。このため、プランジャ49の円滑な移動を長く維持することができ、装置全体の耐久性を向上させることができる。
【0063】
また、長年使用によってシール面89、鍔部91の非接触のシール部等から閉空間93内に摩耗粉等の異物が多少入り込んだときには、異物収容空間部99内に溜めることができる。従って、エアギャップ83において、異物が溜まり込むのを抑制し、プランジャ49の円滑な動作を長く維持することができる。
【0064】
前記シール部は、前記ソレノイド47側と前記プランジャ49の連係作用部79とを狭小の隙間で対向させて構成したため、別部材としての特別なシール部材を必要とせず、シール部材の摩耗等がなく、耐久性が向上する。また、部品点数が少なく、組み付け、部品管理が容易である。
【0065】
前記ソレノイド49は、ヨーク53及びコイル55から成るソレノイド47であり、前記ヨーク53は、全体が断面中空の周回状に形成されて内周側に対向部61,63を有し、前記コイル55は、前記ヨーク53の中空断面の内部に配置され、前記プランジャ49は、前記ヨーク53の内周側に配置された周回形状であるため、プランジャ49とヨーク53との間に狭小のエアギャップ83を安定的に造るのが容易となり、ソレノイド47の大型化を抑制しながら、大きな電磁力でプランジャ49を移動させることができる。
【0066】
前記ソレノイド47に、前記ヨーク53の一側から前記プランジャ49の内周側に渡って形成され該プランジャ49の移動をガイドする非磁性体のガイド部69を設けたため、プランジャ49をより円滑に移動させることができる。
【0067】
前記ガイド部69は、フロントデファレンシャル3のデフケース36に同芯状に嵌合支持されたため、ソレノイド47及びプランジャ49をユニットとしてデフケース36へ簡単に装着させることができる。
【0068】
なお、上記実施形態では、連通部101を、ソレノイド47側に設けたが、連通部101は、可変空間部95,97相互を連通できればよく、プランジャ49側、或いはソレノイド47及びプランジャ49の双方に設ける構成にすることもできる。
【0069】
前記電磁駆動装置1を、デフロック装置としてフロントデファレンシャル3に適用したが、リヤデファレンシャル27のデフロック装置、センターデファレンシャルのデフロック装置、或いはフロントデファレンシャル3、リヤデファレンシャル27、センターデファレンシャルの差動を制限するために位置を変化させる部材を駆動して差動制限を行う差動制限装置として構成することもできる。また、ソレノイドやその他の電磁石によって操作対象の位置を変化させる他の装置にも適用することができる。例えば、同軸的に互いに対回転可能に配置された2部材間を断続するために軸方向に移動することにより軸方向位置が変化する部材又はこの部材と一体に移動する部材又はこの部材の移動を起動させるために軸方向に所定位置変化の移動が可能な部材を持つ装置や、1つの回転部材を静止部材に連結するために軸方向移動可能な部材を持つ装置などである。
【0070】
前記ソレノイド及びプランジャの構成は、他の電磁石及び可動体として構成することも可能である。また、前記電磁駆動装置1をフリーランニングデフやアクスルディスコネクトに適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の電磁駆動装置を適用したデファレンシャル装置の配置を示す四輪駆動車のスケルトン平面図である。
【図2】一実施形態に係り、フロントデファレンシャルのアンロック状態の断面図である。
【図3】一実施形態に係り、フロントデファレンシャルのロック状態の要部断面図である。
【図4】一実施形態に係り、ロントデファレンシャルのアンロック状態の要部拡大断面図である。
【図5】一実施形態に係り、シール部を説明する要部拡大断面図である。
【図6】一実施形態に係り、図4の左側から見たソレノイドの側面図である。
【図7】一実施形態に係り、図4の右側から見たソレノイドの側面図である。
【図8】従来例のデファレンシャルを示す断面図である。
【符号の説明】
1 電磁駆動装置
3 フロントデファレンシャル
47 ソレノイド(電磁石)
49 プランジャ(可動体)
51 ロック部材(操作対象)
53 ヨーク
55 コイル
69 ガイド部
77 磁力作用部
79 連係作用部
83 エアギャップ
89 シール面(シール部)
91 鍔部(シール部)
93 閉空間
95,97 可変空間部
99 異物収容空間
101 連通部

Claims (7)

  1. 電流制御に応じた電磁力を発生する電磁石と、
    前記電磁石にエアギャップを介して配置され電磁力に応じて移動する可動体と、
    前記可動体の移動に応じて操作対象の位置を変化させる電磁駆動装置において、
    前記電磁石と可動体との間に、異物浸入を防御するシール部を介して閉空間を形成し、
    前記エアギャップを、前記閉空間内に配置し、
    前記電磁石側又は可動体側の少なくとも一方に、該可動体の往復移動により容積を相対的に増減変化させる前記閉空間内の可変空間部相互を連通させる連通部を設けたこと特徴とする電磁駆動装置。
  2. 請求項1記載の電磁駆動装置であって、
    前記閉空間内に、前記連通部を介して前記可変空間部に連通し前記可動体が移動しても容積が変化しない異物収容空間部を設けたことを特徴とする電磁駆動装置。
  3. 請求項1又は2記載の電磁駆動装置であって、
    前記可動体は、前記閉空間内で前記電磁石にエアギャップを介して配置される磁性体の磁力作用部と該磁力作用部に対し一体的に形成され前記シール部から前記閉空間外へ突出して前記操作対象に連係する非磁性体の連係作用部とからなり、
    前記シール部は、前記電磁石側と前記連係作用部とを狭小の隙間で対向させて構成したことを特徴とする電磁駆動装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の電磁駆動装置であって、
    前記電磁石は、ヨーク及びコイルから成るソレノイドであり、
    前記ヨークは、全体が断面中空の周回状に形成されて内周側に対向部を有し、
    前記コイルは、前記ヨークの中空断面の内部に配置され、
    前記可動体は、前記ヨークの内周側に配置された周回形状のプランジャであることを特徴とする電磁駆動装置。
  5. 請求項4記載の電磁駆動装置であって、
    前記ソレノイドに、前記ヨークの一側から前記プランジャの内周側に渡って形成され該プランジャの移動をガイドする非磁性体のガイド部を設けたこと特徴とする電磁駆動装置。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の電磁駆動装置であって、
    前記操作対象は、デファレンシャル装置の差動をロック及びアンロックするためのロック部材であることを特徴とする電磁駆動装置。
  7. 請求項5記載の電磁駆動装置であって、
    前記操作対象は、デファレンシャル装置の差動をロック又は制限するために位置を変化させる部材であり、
    前記ガイド部は、前記デファレンシャル装置のデフケースに同芯状に嵌合支持されたことを特徴とする電磁駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012092982A (ja) * 2012-02-13 2012-05-17 Gkn Driveline Japan Ltd デファレンシャル装置
JP2014111956A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Ogura Clutch Co Ltd 電磁駆動装置
CN106351980A (zh) * 2015-07-13 2017-01-25 德纳汽车系统集团有限责任公司 用于闭锁螺线管的顺应性柱塞

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