JP2004263824A - 摺動用シール部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】膨張黒鉛や膨張黒鉛に補強材として繊維パルプ等の補強繊維を加えたもの、さらに、熱硬化性樹脂等のバインダを用いて結合、硬化して形成された膨張黒鉛シートを用いる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、摺動部分のシールを行う摺動用シール部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
摺動部分のシール部材としては、特許文献1に記載されているような、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等が、従来から使用されている。
【0003】
【特許文献1】
特許第2885042号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載のものでは、250℃を超える温度での使用は、耐熱性、硬さ、耐久性等の点で問題がある。近年、これら摺動用シール部材が用いられる各種機器の高速化等によって、使用条件は、ますます過酷な状態になっており、これら、耐熱性、耐久性等の特性向上が要求されるようになってきている。
【0005】
そこで、本発明は、高温においても優れたシール性を有し、耐熱性及び耐久性に優れた摺動用シール部材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、膨張黒鉛シートを摺動用シール材として用いることで上記課題を解決できることを見い出した。また、膨張黒鉛に補強材として繊維パルプ等の補強用繊維を加え、これらを熱硬化性樹脂等のバインダを用いて結合することで、強度を高めることができるとともに、せん断力に対しても耐性が向上することを見出した。更には、摺動用シール部材として使用される高温においても、耐シール性、耐久性及び摺動特性を併せ持ったシートとして使用できる膨張黒鉛シートを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
即ち、本発明に係る摺動用シール部材は、膨張黒鉛シートを用いて形成されたものである。さらに、この膨張黒鉛シートは、補強用繊維を含んでいるものである。また、この膨張黒鉛シートは、膨張黒鉛と補強用繊維がバインダにより固化されたものであり、そのかさ密度が、0.3〜1.7Mg/m3であり、弾性係数が、10〜1000MPaである。また、膨張黒鉛粉末60〜99.8質量%と、補強用繊維0.1〜39.9質量%と、バインダ0.1〜39.9質量%とを混合し、熱処理により前記バインダを硬化してなるシートから形成されてなるものである。さらに、自己潤滑剤が添加されてなるものである。
【0008】
本発明の摺動用シール部材に使用される膨張黒鉛は、例えば、燐状黒鉛を硫酸と酸化剤を用いて酸処理黒鉛とし、1000℃前後に急熱して、100〜300倍に膨張させた後、造粒装置を用いて粉末状にする。また、膨張黒鉛をかさ密度0.3〜1.7Mg/m3のフェルト状又はシート状に成形後、高速ミルタイプ等の任意の粉砕機で粉末状にする。何れの粉末もかさ密度0.05〜0.5Mg/m3、平均粒子径が150〜250μmとしたものが好ましい。なお、造粒法で粉末状にしたものは層間の分離がよく、後述の補強用繊維やバインダと均一に混合しやすくなる。一方、かさ密度が0.3Mg/m3未満のフェルト等を粉砕したものは嵩が高く、取り扱いが難しくなる。また、かさ密度が1.7Mg/m3以上のシートを粉砕したものは粒状となり膨張黒鉛の特性を損なってしまう。
【0009】
この補強用繊維は、耐熱性のみならず、膨張黒鉛粉体を補強する上で、パルプ状であり、かつ、比表面積の大きいことが好ましい。繊維としては、無機繊維、有機繊維、金属繊維のいずれでもよいが、実用的には、比表面積を比較的大きくとれる有機繊維が好ましい。具体的に例示すれば、パラ系又はメタ系のアラミド繊維パルプを使用することができる。また、不融性のセルロースパルプ等も限定されるが使用することができる。
【0010】
前述の補強用繊維としてのパラ系アラミド繊維パルプは、比表面積が3.0m2/g以上、好ましくは5〜20m2/gであるものが好ましい。また、繊維長は0.9〜2.0mmで分散性も良く、フィラーの保持率も50〜70%と高い。なお、比表面積が3.0m2/g未満では膨張黒鉛の補強効果が不十分で得られたシートの強度が低くなる。
【0011】
また、これら膨張黒鉛と補強繊維を結合するバインダには、耐熱性を有した熱硬化性樹脂が好ましく、特に、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が好ましい。中でも、摺動特性が優れる平均分子量が5000以上、平均粒子径が20μm以下の微粒子状のフェノール樹脂が好ましい。これによって、溶剤にも溶けやすく、混合時に、膨張黒鉛粉末と繊維パルプ間に均等に分散させることができる。
【0012】
また、摺動特性を向上させることを目的に、場合によっては、摺動材として二硫化モリブデンの粉末等を4〜5質量%添加することで、摺動特性を制御することもできる。
【0013】
本発明における膨張黒鉛シートは、膨張黒鉛単体や、前述の各材料を混合して固化することで製造される。混合時の各材料の配合比率は、膨張黒鉛粉末60〜99.8質量%、好ましくは75〜85質量%、補強用繊維0.1〜39.9質量%、好ましくは10〜20質量%、バインダ0.1〜39.9質量%、好ましくは5〜15質量%であることが好ましい。また、場合によっては、摺動材として二硫化モリブデン等の自己潤滑剤を0.1〜10質量%添加してもよい。
【0014】
以上の配合比率に各材料を混合したもの、若しくは膨張黒鉛単体や、膨張黒鉛と補強用繊維の混合物を原料として、摺動用シール部材に使用される膨張黒鉛シートを製造する。その製造方法は、乾式法、湿式法に大別される。次に、これら乾式法、湿式法それぞれに分けて説明する。
【0015】
まず、乾式法による膨張黒鉛と補強用繊維、バインダからなる混合物の製造方法について説明する。予め、バインダをメタノール等の溶媒に溶かしておき、ニーダー等の任意の混合機で、これと前述の補強用繊維や膨張黒鉛粉末とを均一に分散、混合する。次に、このように混合された原料を、ジョイントシート等を製造する装置のカレンダーロールに供給して均一な厚さに圧延してシート化する。加熱されたカレンダーロールに巻きつけることによりバインダを溶かした溶媒が蒸発するとともに、バインダが溶融、固化し、所望のシートとすることが可能となる。
【0016】
次に、湿式法による膨張黒鉛と補強用繊維、バインダからなる混合物の製造方法について説明する。前述の膨張黒鉛粉末も使用できるが、湿式法ではかさ密度0.05〜1.5Mg/m3のフェルト状の膨張黒鉛成形物を多量の水とハイドロパルパー型等の混合機を用いて粗砕する。そこへ、補強用繊維を添加し、均一に分散させる。これをレファイナー型等の精砕機に通し、膨張黒鉛の平均粒子径が180〜230μmとなるように調整する。この時フェルトのかさ密度が0.05Mg/m3より低いと膨張黒鉛粒子の空洞中の膨張ガスが抜けにくく、水中で攪拌を行い、粉砕しても原料が浮いた状態のようになる。また、かさ密度が1.5Mg/m3より高くなると、粉砕された原料が粒状となり、シートの強度が小さくなる。次いで、バインダを添加し、均一に分散させる。分散時には、分散性をよくするためにアニオン系の分散剤やNBR系のラテックスを添加しておくことが好ましい。その後、カチオン性の凝集剤の水溶液を添加し、バインダを完全に定着させる。この混合液中の膨張黒鉛、補強用繊維、バインダ等の原料の濃度は1.0〜2.0%であることが好ましい。
【0017】
前述の膨張黒鉛、補強用繊維、バインダ等の原料の濃度が1.0〜2.0%の混合液を、所定寸法の抄き網が設けられたタンクに一定量注入し、この混合液と同量の水で希釈し、均一に分散させる。その後、水切り(脱水工程)を行い、含水率50〜60%のシートを得る。このシートをフェルトで挟み、プレスで圧縮してさらに、脱水を行い、100〜120℃のオーブンに入れ乾燥する。そして、カレンダーロールに通し、150〜250℃で0.5〜1.0時間熱処理し、バインダを硬化して、厚み0.2〜3.0mm、好ましくは0.5〜2.0mmとし、かさ密度0.3〜1.7Mg/m3、好ましくは0.5〜1.5Mg/m3となるように調整する。ここで、厚みが0.2mmよりも薄い場合、摺動用シール部材として十分な強度が発現しない。また、3.0mmよりも厚くなると、摩擦抵抗が大きくなり、摺動用シール部材として適当でない。また、かさ密度を0.3Mg/m3未満とすると、厚みを薄くした場合と同様に摺動用シール部材として十分な強度が発現しない。また、かさ密度が1.7Mg/m3を越えるものは、動摩擦係数の変動が大きくなり、時間の経過とともに摩擦係数が大きくなる傾向にあり、摺動用シール部材として長時間の使用が困難となる。そして、かさ密度をこのような範囲内に納めることで、弾性係数を10〜1000MPa、好ましくは50〜500MPaとすることができ、摺動部分をシールするために、押圧した場合であっても、弾性変形させることができる。加えて、ガス透過率を8.0×10−5cm2/s以下とでき、優れた摺動特性を有するとともに、シール性に優れ、摺動用シール部材として、長期にわたって使用することができる。
【0018】
また、連続シートを製造する場合は、前述の膨張黒鉛、補強用繊維、バインダ等の原料の濃度が1.0〜2.0%の混合液を、一定量タンクに注入し、この原料混合液と同量の水で希釈し、均一に分散させる。この水懸濁液を長網式の上下ダブルワイヤーを通し、抄いて70%前後の水分を含むシートとする。さらにフェルトプレスを通し、含水率を50%前後に脱水した後に、多筒式ドライヤーを通し乾燥する。このシートを室温のカレンダーロールに通し、厚み0.2〜3.0mm、好ましくは0.5〜2.0mmとし、かさ密度0.3〜1.7Mg/m3、好ましくは0.5〜1.5Mg/m3となるように調整する。その後、150〜250℃の乾燥炉で0.5〜1.0時間熱処理を行い、バインダを硬化させる。
【0019】
以上のようにして形成されたシートから、任意の大きさ、形状に打ち抜き加工することで、あらゆる形状の摺動部分に対応可能となる。そして、従来の高温においても使用することが可能となるため、例えば、電動送風機や掃除機等の摺動部分の摺動用シール部材として使用することができる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明における摺動用シール部材の特性を具体的に説明する。
【0021】
(実施例1)
酸処理黒鉛を約1000℃で300倍に膨張させ、圧延機によりかさ密度0.1Mg/m3の板状にした。この板状の膨張黒鉛600g(60%)を水2000gと共に、混合機で約10分攪拌し、細かく粉砕する。補強用繊維としては、アラミドパルプ200g(20%)を水2000gと一緒に混合機に投入し、5分攪拌し、アラミドパルプをほぐすと共に、水に均一に分散させる。アラミドパルプの比表面積は15m2/gであった。これを配合タンクで均一に混合し、バインダとして平均分子量が3000以上のフェノール樹脂180g(18%)を攪拌しながら加え、均一に混合する。5分程攪拌し、均一にした後、NBRラテックスを攪拌しながら20g(2%)加え、均一に懸濁させた。さらに、このフェノール樹脂を膨張黒鉛及びアラミドパルプの凝集体に定着させるため、カチオン系の凝集剤の水溶液を添加し、水が透明になるまで攪拌し、混合液とした。次に、この混合液を抄き網を設けたタンクに入れ、水を更に加え濃度を0.5%になるように希釈し、均一に分散させた後、水切りを行いシート化した。さらにサクションポンプで水切りを行い、布フェルトに挟みプレスで圧縮して脱水を行いシート化した。これを120℃で乾燥した後、カレンダーロールを通して厚みを1.0mm、密度を1.0Mg/m3に調整した。次いで、フェノール樹脂を硬化するために200℃で1時間熱処理し、摺動用シール部材とした。
【0022】
(実施例2)
酸処理黒鉛を約1000℃で300倍に膨張させ、圧延機によりかさ密度0.1Mg/m3の板状にした。この板状の膨張黒鉛800g(80%)を水2000gと共に、混合機で約10分攪拌し、細かく粉砕する。補強用繊維としては、アラミドパルプ170g(17%)を水2000gと一緒に混合機に投入し、5分攪拌し、アラミドパルプをほぐすと共に、水に均一に分散させる。アラミドパルプの比表面積は15m2/gであった。これを配合タンクで均一に混合し、バインダとして平均分子量が3000以上のフェノール樹脂1g(0.1%)を攪拌しながら加え、均一に混合する。5分程攪拌し、均一にした後、NBRラテックスを攪拌しながら20g(2%)加え、均一に懸濁させた。さらに、このフェノール樹脂を膨張黒鉛及びアラミドパルプの凝集体に定着させるため、カチオン系の凝集剤の水溶液を添加し、水が透明になるまで攪拌し、混合液とした。次に、この混合液を抄き網を設けたタンクに入れ、水を更に加え濃度を0.5%になるように希釈し、均一に分散させた後、水切りを行いシート化した。さらにサクションポンプで水切りを行い、布フェルトに挟みプレスで圧縮して脱水を行いシート化した。これを120℃で乾燥した後、カレンダーロールを通して厚みを1.0mm、密度を1.0Mg/m3に調整した。次いで、フェノール樹脂を硬化するために200℃で1時間熱処理し、摺動用シール部材とした。
【0023】
(実施例3)
酸処理黒鉛を約1000℃で300倍に膨張させ、圧延機によりかさ密度0.1Mg/m3の板状にした。この板状の膨張黒鉛700g(70%)を水2000gと共に、混合機で約10分攪拌し、細かく粉砕する。補強用繊維としては、アラミドパルプ100g(10%)を水2000gと一緒に混合機に投入し、5分攪拌し、アラミドパルプをほぐすと共に、水に均一に分散させる。アラミドパルプの比表面積は15m2/gであった。これを配合タンクで均一に混合し、バインダとして平均分子量が3000以上のフェノール樹脂180g(18%)を攪拌しながら加え、均一に混合する。5分程攪拌し、均一にした後、NBRラテックスを攪拌しながら20g(2%)加え、均一に懸濁させた。さらに、このフェノール樹脂を膨張黒鉛及びアラミドパルプの凝集体に定着させるため、カチオン系の凝集剤の水溶液を添加し、水が透明になるまで攪拌し、混合液とした。次に、この混合液を抄き網を設けたタンクに入れ、水を更に加え濃度を0.5%になるように希釈し、均一に分散させた後、水切りを行いシート化した。さらにサクションポンプで水切りを行い、布フェルトに挟みプレスで圧縮して脱水を行いシート化した。これを120℃で乾燥した後、カレンダーロールを通して厚みを1.0mm、密度を1.0Mg/m3に調整した。次いで、フェノール樹脂を硬化するために200℃で1時間熱処理し、摺動用シール部材とした。
【0024】
(実施例4)
膨張黒鉛シート(東洋炭素製、PF−100、厚み1.0mm、かさ密度1.0Mg/m3)を摺動用シール部材とした。
【0025】
(比較例1)
厚み1.0mm、かさ密度1.0Mg/m3の市販のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製シートを用い、摺動用シール部材とした。
【0026】
実施例1〜4及び比較例1の試料について、それぞれ、動摩擦係数、摩耗量、ガス透過率、弾性係数、耐熱性を測定した。
【0027】
(動摩擦係数)
φ30mmのディスクを取り出し、このディスクにピン状の相手材を押し付けて行う、いわゆるピンオンディスク法により測定した。測定条件は、以下の通りである。
ピン:SUS304
ピン径:5mm
荷重:1kg
回転速度:250mm/s
回転半径:12.6mm
測定時間:3600s
測定温度:室温
【0028】
(摩耗量)
シートから5×20mmのサンプルを取り出し、これを回転する相手材にある一定の荷重で押し付け、厚みの変化から摩耗量を測定した。測定条件は、以下の通りである。
相手材:SUS304
回転速度:5.4m/s
回転時間:3600s
荷重:3kg
【0029】
(ガス透過率)
シートからφ55mmのサンプルを取り出し、透過ガスに窒素を用いて、圧力差20kPaで各シートのガス透過率を測定した。具体的には、図1に示す測定装置を用いた。図1に示すように、まず、試料をチャンバー1内にセットした後、チャンバー1、3内を真空ポンプ2で減圧する。そして、チャンバー1内が一定の圧力に減圧した後、チャンバー1内の減圧を止め、次いで、チャンバー1内に所定の圧力となるように窒素ガス4を導入する。そして、チャンバー3内の減圧を止めると、試料を通過したガスによってチャンバー3内の圧力が上昇する。このチャンバー3内の初期圧力上昇速度より、次式に示すDarcyの式によってガス透過率を測定した。
K=(Q・L)/(ΔP・A)
Q=[(PB2−PB1)・VB]/(t2−t1)
ここで、Kはガス透過率(cm2/s)、Qはガスの流量(Pa・cm3/s)、Lは試験片の厚さ(cm)、Aは試験片のガス透過率面積(cm2)、Pはチャンバー1、2間の圧力差(Pa)、VBはチャンバー3の容積(cm3)、PB1は時間t1におけるチャンバー3の圧力(Pa)、PB2は時間t2におけるチャンバー3の圧力(Pa)である。
【0030】
(弾性係数)
インストロン4301に試料をセットし、上側から300kg/cm2まで圧力を1kg/cm2/minでかけていき、このときの応力と厚みから算出した。弾性係数Eの算出には、以下の式を用いた。
E=(σ/ε)×[(σ×t)/Δt]
ここで、σは応力(kg/cm2)、εはひずみ(cm)、tはもとの厚み(cm)、Δtは厚み変化量(cm)である。
【0031】
表1に各特性をまとめて示す。
【0032】
【表1】
【0033】
表1からわかるように、実施例1は、比較例1と動摩擦係数は同等であるが、強度が大幅に向上しているのがわかる。また、摩耗量も比較例1のものに比較して1/20にまで低減しており、摺動用シール部材として優れた特性を有していることがわかる。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されており、高温においても優れたシール性を有した耐熱性及び耐久性に優れた摺動用シール部材を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガス透過率測定装置の概略図である。
【符号の説明】
1,3 チャンバー
2 真空ポンプ
4 窒素ガス
Claims (7)
- 膨張黒鉛シートを用いた摺動用シール部材。
- 前記膨張黒鉛シートは、補強用繊維を含んだものである請求項1に記載の摺動用シール部材。
- 前記膨張黒鉛シートは、膨張黒鉛と補強用繊維がバインダにより固化されたものである請求項1又は2に記載の摺動用シール部材。
- 前記膨張黒鉛シートのかさ密度が、0.3〜1.7Mg/m3である請求項1乃至3のいずれかに記載の摺動用シール部材。
- 前記膨張黒鉛シートの弾性係数が、10〜1000MPaである請求項1乃至4のいずれかに記載の摺動用シール部材。
- 膨張黒鉛粉末60〜99.8質量%と、補強用繊維0.1〜39.9質量%と、バインダ0.1〜39.9質量%とを混合し、熱処理により前記バインダを硬化してなるシートから形成されてなる請求項3乃至5のいずれかに記載の摺動用シール部材。
- さらに、自己潤滑剤が添加されてなる請求項1乃至6のいずれかに記載の摺動用シール部材。
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JP2006240934A (ja) * | 2005-03-04 | 2006-09-14 | Tokuyama Corp | 多結晶シリコンの製造装置 |
JP2006336598A (ja) * | 2005-06-06 | 2006-12-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電動送風機 |
WO2008059962A1 (fr) * | 2006-11-16 | 2008-05-22 | Oiles Corporation | Élément coulissant multicouche et procédé pour le fabriquer |
-
2003
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