JP2004263584A - カムフォロア - Google Patents
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Abstract
【課題】窒化処理により十分な耐摩耗性および耐久性を確保したローラ軸を備えた長寿命なカムフォロアを提供する。
【解決手段】内周面に軌道を有するローラ9をニードル15を介して外周面に軌道を有するローラ軸10によって回転自在に支持するカムフォロアにおいて、少なくともロ−ラ軸10の素材を、Cr、Mo、V、Wの合計含有量が2.0重量%以上20.0重量%以下の鋼で形成し、焼入れ、焼戻しに引き続いて窒化処理を施して少なくとも完成品転走部表面における窒素濃度を0.5重量%以上とし、且つローラ軸10の直径をDaとした場合に、転走部表面から2%Da深さにおけるビッカース硬さをHv650以上とすると共に、転走部表面から2%Da深さまでの平均炭化物粒径を3μm以下とする。
【選択図】 図2
【解決手段】内周面に軌道を有するローラ9をニードル15を介して外周面に軌道を有するローラ軸10によって回転自在に支持するカムフォロアにおいて、少なくともロ−ラ軸10の素材を、Cr、Mo、V、Wの合計含有量が2.0重量%以上20.0重量%以下の鋼で形成し、焼入れ、焼戻しに引き続いて窒化処理を施して少なくとも完成品転走部表面における窒素濃度を0.5重量%以上とし、且つローラ軸10の直径をDaとした場合に、転走部表面から2%Da深さにおけるビッカース硬さをHv650以上とすると共に、転走部表面から2%Da深さまでの平均炭化物粒径を3μm以下とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関、例えばディーゼルエンジン等の各種エンジンの動弁機構に使用されるカムフォロアに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンのクランクシャフトと共に回転するカムシャフトに固定されたカムの動きをバルブに伝達するための動弁機構において、運転時における摩擦を滑り摩擦から転がり摩擦に変えることによって当該部分の摩擦損失を低く抑えるために、カムフォロアが広く用いられている。
【0003】
このカムフォロアは、カムのカム面に接するローラの挿入空間を挟んで相対向する一対の支持壁を有するローラ保持部をカムフォロア本体に一体に形成し、前記各支持壁を貫通する軸孔内に、全長に亘り等径に形成されるローラ軸の両端部外周をそれぞれ嵌合させ、このローラ軸の中間部に前記ローラをニードルを介して回転自在に支持させるようにしている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、前記ローラ軸をカムフォロア本体に簡便かつ容易に固定するため、ローラ軸の転走面に相当する中央部のみを高周波焼入れによって硬化させ、その両端部は未硬化のままにして、各支持壁の軸孔に挿入したローラ軸の端面をかしめることにより、ローラ軸の端部を拡張して該ローラ軸を前記軸孔にかしめ固定する方法が従来から用いられている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
更に、表面性状を変えることにより耐久性を向上させる技術として、転動面の表面にRmax が0.3〜1.5μmでランダム方向の擦傷を形成すると共に、表層部に490N/mm2 以上の残留応力層を形成した軸受転動体に関する技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。
更に、バレル加工により表面に多数の凹みをランダムに形成し、表層部の硬さを内部の硬さに比べて高くすると共に、表層部に圧縮残留応力を生じさせる技術が開示されている(例えば特許文献4〜6参照)。
【0006】
更に、相手部材と接触する表面に表面硬化処理層を設けると共に、圧縮残留応力のピーク値の深さと、せん断応力分布のピーク値の深さとを一致させた軸受が開示されている(例えば特許文献7参照)。
更に、ショットピーニング加工により、圧縮残留応力を表面部分で980N/mm2 以上とし、表面下300μmの部分で392N/mm2 以上とした軸受部品に関する技術が開示されている(例えば特許文献8参照)。
【0007】
更に、表面からの深さが0〜50μmの範囲を表層部とした場合に、この表層部の最大圧縮残留応力が490〜1078N/mm2 であり、同じく表層部の硬さがHv830〜Hv960であり、表面粗さの平均波長が25μm以下であり、且つ上記表層部の残留オーステナイトの割合が7体積%を超えるものとした転がり摺動部品に関する技術が開示されている(例えば特許文献9参照)。
【0008】
ところで、ディーゼルエンジンに組み込まれるカムフォロアの場合、このカムフォロアに供給される潤滑油中に、軽油の燃焼に伴って発生する煤やその他の不溶解成分が混入している。煤やその他の不溶解成分は、潤滑油を劣化させ潤滑不良を引き起こして、転がり面あるいは摺動面を損傷する原因となる。また、煤やその他の不溶解成分が転がり面あるいは摺動面に介在した場合、研磨材の如き働きをする可能性があり、特に、相手面との接触面圧が高いローラ軸の場合には異常摩耗が発生する虞れがある。
【0009】
このようにしてカムフォロアのローラ軸に発生した摩耗が進行すると、このローラ軸の一部外周面でカムフォロアを支持するニードルの転動面との接触面に段付摩耗が発生する。そして、前記ローラ軸の外周面に存在する軌道の幅方向端部で、前記ニードルの転動面の端部と接触する部分に応力集中に基づくフレーキングが発生し、カムフォロアの回転支持部分の耐久性を損なう。
【0010】
このような、潤滑油中に混入した煤等の不溶解成分による前記ローラ軸の耐久性劣化に対しては、前述した特許文献1〜9に開示された技術では必ずしも十分な耐久性向上効果を得られない。例えば、潤滑性を良くするため表面の粗さや微細な形状に工夫を行っても、潤滑油中の煤を同時に接触面内に引き込むことになるため、返って摩耗が大きくなる虞れがある。
【0011】
上記のような使用環境下においても高い耐久性を有するカムフォロアとして、カムフォロアのローラ軸に、焼戻し温度よりも低温でイオン窒化処理や物理蒸着処理を施し、耐摩耗性を向上させるとした技術が開示されている(例えば特許文献10参照)。
【0012】
【特許文献1】
実開昭60−88016号公報
【特許文献2】
特開昭62−7908号公報
【特許文献3】
特公平1−30008号公報
【特許文献4】
特開平3−117723号公報
【特許文献5】
特開平3−117724号公報
【特許文献6】
特開平3−117725号公報
【特許文献7】
特開平3−199716号公報
【特許文献8】
特開平4−54312号公報
【特許文献9】
特開平5−288257号公報
【特許文献10】
特開平10−110720号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献10に開示された技術では、窒化層厚さや窒素濃度に関する考慮がなされていないため、ローラ軸の摩耗を回避できない場合がある。また、母材に対する考慮も十分になされていないため、窒化処理温度よりも高温で焼戻した際に、転がり疲労に対してローラ軸に必要な硬さを得られない場合もある。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、窒化処理により十分な耐摩耗性および耐久性を確保したローラ軸を備えたカムフォロアを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内周面に軌道を有するローラをニードルを介して外周面に軌道を有するローラ軸によって回転自在に支持するカムフォロアにおいて、
少なくとも前記ロ−ラ軸の素材を、Cr、Mo、V、Wの合計含有量が2.0重量%以上20.0重量%以下の鋼で形成し、焼入れ、焼戻しに引き続いて窒化処理を施して少なくとも完成品転走部表面における窒素濃度を0.5重量%以上とし、且つ前記ローラ軸の直径をDaとした場合に、前記転走部表面から2%Da深さにおけるビッカース硬さをHv650以上とすると共に、該転走部表面から2%Da深さまでの平均炭化物粒径を3μm以下としたことを特徴とする。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記素材のCおよびNの合計含有量が0.4重量%以上1.2重量%以下としたことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、前記焼入れは高周波焼入れであることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記転送部表面の表面硬さがHv900以上であることを特徴とする。
【0016】
以下、本発明の数値限定の意義等について説明する。
[素材のC、Mo、V、Wの合計含有量が2.0重量%〜20.0重量%]
Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、V(バナジウム)、W(タングステン)は焼入れ性を向上させるだけでなく、焼戻し軟化抵抗性を有し、さらには炭化物や窒化物を形成することで硬度上昇に寄与する元素である。
【0017】
窒化処理は一般的に500°C近辺で行われるため、窒化処理を行うと窒化層以外の部分は、転がり寿命を確保するだけの十分な硬度が得られない場合がある。窒化処理後も十分な硬さを確保するためには、Cr、Mo、V、Wの合計含有量を2.0重量%以上とすることが必要であり、より好ましくは3.0重量%以上とする。しかし、Cr、Mo、V、Wの合計含有量が多すぎると、粗大な炭化物が析出しやすくなるため、転がり寿命の低下が懸念される。よって、素材のC、Mo、V、Wの合計含有量の上限を20.0重量%以下とし、より好ましくは15.0重量%以下とする。
【0018】
[完成品転走部表面の窒素濃度が0.5重量%以上]
窒化処理を行うとζ−Fe2 N、ε−Fe2−3 N、γ′−Fe4 N、CrN、Cr2 N等の窒化物が析出し、耐摩耗性向上に寄与するが、析出量が十分でないと必要な耐摩耗性が得られない。ローラ軸の完成品転走部表面に必要な耐摩耗性を得るためには、該表面の窒素濃度を0.5重量%以上とし、より好ましくは1.0重量%以上とする。
【0019】
[完成品転走部表面から2%Da深さにおける硬さについて]
十分な転動疲労寿命を得るためには、転走部表面から2%Da位置におけるビッカース硬さをHv650以上とする必要があり、より好ましくはHv700以上とする。なお、表面から2%Da位置まで窒化層を形成して、硬度を高めるようにしてもよい。
【0020】
[完成品転走部表面から2%Da深さまでの平均炭化物粒径が3μm以下]
鋼中に粗大な炭化物が存在すると、応力集中が起こり、剥離の起点となって転がり寿命が低下するばかりでなく、窒化層中に粗大な炭化物が存在した場合、加工時や使用時において窒化層の剥離が発生するなどの不具合が発生する。また、高周波焼入れを行う場合においてはオーバーヒートの原因になるため、炭化物粒径は低く抑えられることが望ましい。このような不具合を抑制するためには平均炭化物の粒径を3μm以下とする必要があり、より好ましくは1.5μm以下とする。
【0021】
[素材のCおよびNの合計含有量が0.4重量%以上1.2重量%以下]
C(炭素)及びN(窒素)は焼入れ時のマルテンサイト変態に必要な侵入型元素である。十分な焼入れ硬さを得るためにはCとNの合計含有量を0.4重量%以上とすることが好ましい。しかしながら、粗大な炭化物が存在すると、転がり寿命が低下するばかりでなく、窒化層中に粗大な炭化物が存在すると、加工時や使用時において窒化層の剥離が生じやすくなり、また、高周波焼入れを行う場合においては、オーバーヒートの原因ともなるため、素材のCおよびNの合計添加量の上限は1.2重量%とする。さらに好ましくは、Cの添加量を0.9重量%以下とする。
【0022】
また、Nを含有させるとC含有量を低く抑えることができ、特にCr量が8重量%以上の場合では粗大な炭化物の析出を効果的に防止できる。しかし、Nを0.2重量%を超えて添加しようとすると、製鋼時にブローホールと呼ばれる欠陥の発生を防止するための加圧装置が必要となり、コストが非常に高くなるため、Nの添加量の上限を0.2重量%とする。
【0023】
[素材に含まれる元素について]
上記に述べた元素の他に本発明のローラ軸の素材には、製鋼上必要な元素としてSi(シリコン)やMn(マンガン)などの合金元素を含むことができる。
Siは、製鋼時の脱酸剤として必要な元素であり、さらに、焼戻し軟化抵抗性を向上して高温環境における寿命の延長に有効な元素であるため、0.15重量%以上含有することが好ましい。しかしながら、Siを多量に含有してもその延長効果が飽和してしまうばかりか、素材の被削性を低下させてコストの上昇を招くため、Si含有量の上限は1.5重量%とする。
【0024】
Mnは、製鋼時の脱酸剤および脱硫剤として必要な元素であり、また、焼入れ性の向上にも有効な元素であるため、0.15重量%以上含有することが好ましい。しかしながら、その含有量をあまりにも多くし過ぎると、非金属介在物が多くなるため返って寿命特性が低下する虞れがあり、また、素材の鍛造性および被削性などの機械加工性が低下するため、Mn含有量の上限は1.5重量%とする。
【0025】
鋼中に含まれる不純物について重要なものに酸化物系介在物がある。鋼中の酸素含有量が多くなると、疲労破壊の起点になる粗大な酸化物系介在物の存在量が多くなり、転がり寿命は低下する。また、窒化層に粗大な酸化物系介在物が存在すると、窒化層の早期剥離が発生する虞れがあることから、酸素含有量はできるだけ低く抑えられることが望ましい。従って、鋼中の酸素含有量は15ppm以下、さらに好ましくは12ppm以下とする。
【0026】
なお、本発明における合金鋼には、これらの添加元素以外にも不可避の不純物として、P(リン)、S(イオウ)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Nb(ニオブ)、Pb(鉛)、Ca(カルシウム)、Zr(ジルコニア)、Te(テルル)、Sb(アンチモン)等が含有される。
【0027】
[完成品転走部表面のビッカース硬さについて]
十分な耐摩耗性を得るためには、ローラ軸の完成品転走部表面におけるビッカース硬さをHv900以上とすることが好ましく、より好ましくはHv1000以上とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例であるカムフォロアを説明するための説明図、図2は図1のA−A線断面図、図3はローラ軸の完成品の概略断面図、図4は耐久試験装置の概略図である。なお、この実施の形態では、4サイクル内燃機関の動弁装置に用いられるカムフォロアを例に採る。
【0029】
図1において、カムフォロア1の本体としてのロッカーアーム2は、その長手方向中間部に軸孔3が形成されており、該軸孔3に嵌合されたロッカー軸4によって、内燃機関の機関本体(図示せず)に対して回転自在に支持される。
ロッカーアーム2の基部には、アジャストボルト5がねじ込まれており、該アジャストボルト5はロックナット6によって固定されている。アジャストボルト5の下端には、機関本体(図示せず)に上下摺動可能に支持された機関弁7としての吸気弁又は排気弁の上端が当接しており、機関弁7は弁ばね8によって常に閉弁方向(アジャストボルト5との当接方向)へ付勢されている。
【0030】
ロッカーアーム2の先端部には、ローラ9がローラ軸10を介して回転自在に取付けられ、ローラ9の外周面は、前記弁ばね8によってカム11に圧接されている。カム11は、クランク軸(図示せず)に連動して回転するカム軸12に一体に形成され、機関本体(図示せず)に回転自在に支持されている。
そして、カム11が回転することによって、ローラ9を介してカム11に当接するロッカーアーム2がロッカー軸4回りに揺動し、機関弁7の開閉動作を行う。
【0031】
次に、図2を参照して、ローラ9およびローラ軸10の取付け構造を具体的に説明する。
図2に示すように、ロッカーアーム2の先端部に設けられた一対の支持壁13の間に、ローラ軸10の周りに転動体として配設された多数のニードル15を介してローラ9が回転自在に支持されている。ローラ軸10は、多数のニードル15の作る空間と、両支持壁13に設けられた軸孔14に嵌入され、ローラ軸10の端面10aが両支持壁13の外面13aと概ね同一面を成している。この状態で、ローラ軸10の端面を打刻することによってローラ軸10の端縁部が拡大し、ローラ軸10は軸孔14に強固にかしめ固定される。
【0032】
ここで、この実施の形態では、ロ−ラ軸10の素材を、Cr、Mo、V、Wの合計含有量が2.0重量%以上20.0重量%以下の鋼で形成し、焼入れ、焼戻しに引き続いて窒化処理を施して少なくとも完成品転走部表面における窒素濃度を0.5重量%以上とし、且つローラ軸10の直径をDaとした場合に、前記転走部表面から2%Da深さにおけるビッカース硬さをHv650以上とすると共に、該転走部表面から2%Da深さまでの平均炭化物粒径を3μm以下としており、これにより、窒化処理により十分な耐摩耗性および耐久性を確保したローラ軸10を備えた長寿命なカムフォロア1を提供することができる。
【0033】
なお、焼入れの方法として、ローラ軸10のニードル15と接触する外周面のみに高周波焼入れを行えば、容易にローラ軸10を軸孔14にかしめ固定することができる。また、ローラ軸10は、軽量化やかしめ加工を容易にするため軸の中心部の肉抜きを行って中空軸としてもよい。
かしめ以外の方法等でローラ軸10を軸孔14に容易に固定できる構造とした場合は、ローラ軸10の長手方向全体にわたって高周波焼入れを施してもよく、また、所謂ずぶ焼入れであってもよい。更に、ローラ軸10の完成品転走部表面における炭化物粒径を小さくするために、焼入れ前に焼鈍などの熱処理を施してもよく、また、十分な硬度を得るために必要に応じてサブゼロ処理を行ってもよい。
【0034】
ローラ軸10に対して焼入れ、焼戻しを行った後には窒化処理を施し、更に目的の形状、寸法を得るために仕上げ加工を施す。なお、焼入れ、焼戻し後に研削等の加工を行い、寸法精度を高めておけば窒化処理後の加工取代を少なくすることができる。
また、ローラ軸10の完成品転走部表面に形成される窒化層はFeやCrなどの合金元素の窒化物(ζ−Fe2 N、ε−Fe2−3 N、γ′−Fe4 N、CrN、Cr2 N等)が主体となっており、転送部表面の窒素濃度が0.5重量%以上あれば必要な耐摩耗性が得られ、1.0重量%以上であればより優れた耐摩耗性を発揮する。
【0035】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、ロッカーアーム2の先端部にローラ9が取り付けられている構造を示しているが、例えばバルブリフターなど、他の如何なる構造のカムフォロアにおいても本発明を適用することが可能である。
【0036】
【実施例】
次に、上記ローラ軸とほぼ同様の軸を用いて耐久試験を行った結果について説明する。
表1のA〜Sの鋼を用いて、表2に示す実施例(本発明例)1〜20、比較例21〜27及び従来例28のローラ軸(外径φ8mm、長さ19mm)を作製し、耐久試験を行った。ローラ軸は、素材から所定の形状寸法に旋削加工もしくは研削加工まで行った後に高周波焼入れと焼戻しの熱処理を行い、引き続き窒化処理を行った。窒化処理後には所定の寸法を満たすように仕上げ研削を行った。
【0037】
【表1】
【0038】
高周波焼入れは、周波数30kHz、電圧10kV、電流10Aの条件で行い、焼戻しは、50〜500°C(323K〜773K)の温度で2時間保持する条件で行った。窒化処理は次に示すA〜Dのうち何れかの条件で行った。
(条件A)
200〜400°Cでフッ化処理後、400〜500°Cで5〜50時間窒化処理(50%N2 −50%NH3 混合ガス雰囲気中)
(条件B)
500〜570°Cで1〜10時間の塩浴軟窒化処理(KCNO又はNaCNO等のシアン酸塩を主成分とする塩浴窒化)
(条件C)
500〜570°Cで1〜10時間のガス軟窒化処理(50%NH3 −50%吸熱型変成ガス(CO、N2 、H2 を主成分とする))
(条件D)
500〜570°Cで1〜50時間のガス窒化処理(50%N2 −50%NH3 混合ガス雰囲気中)
【0039】
このうち条件Aは前処理としてフッ化処理を施した場合の例であり、窒化反応を阻害するCr酸化物を除去し、表面を活性化するフッ化層を形成するため、より低温でも非常に均一な窒化層を得ることができ、窒化処理による変形を少なくするだけでなく、Crなどが多量に含有されている不動態膜が形成され易い合金鋼の場合には特に有効な方法である。また、条件Bは塩浴軟窒化、条件Cはガス軟窒化、条件Dはガス窒化の例である、
本発明によるローラ軸の完成品の概略断面図を図3に示す。
【0040】
上記のようにして作製したローラ軸の試験片について、図4に示す試験装置による耐久試験を行った。
この耐久試験装置は、モータ(図示せず)により回転する主軸16に取り付けた駆動ローラ18の外周面に、支持部材17に取り付けたローラ9の外周面を押し当てた構造となっている。ローラ9は、上記のように作製した試験片であるローラ軸10によって、ニードル(外径φ2.5mm、長さ12mm)15を介して回転自在に支持されており、これにより、実際のカムフォロアと概略同等の構造をなしている。そして、支持部材17に荷重を加えながら主軸16を回転させることにより、駆動ローラ18の回転に伴ってローラ9が回転し、ローラ9を支持する試験片であるローラ軸10の耐久試験を行うことができる。
【0041】
試験条件は次の通りである。
(試験条件)
ローラ回転速度:6000min−1
荷重:2450N
潤滑油:煤、その他の不溶解成分を混入したエンジンオイル
潤滑油温度:100°C
試験時間:100時間
表2に、ローラ軸10の転走部表面の窒素濃度、転走部表面のビッカース硬さ及び転走部表面から2%Da深さにおけるビッカース硬さと、転走部表面から2%Da位置までの平均炭化物粒径、そして、試験結果として、摩耗量と目視試験の結果を示す。
【0042】
窒素濃度の分析には、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer )を用い、試験片完成品の転走部表面の測定を行った。転走部表面のビッカース硬さは試験片完成品の転走部表面を、転走部表面から2%Da深さにおけるビッカース硬さは試験片完成品転走部の断面の2%Da深さ位置についてそれぞれ測定を行った。測定にはマイクロビッカース硬さ試験機を用い、測定荷重490mN、保持時間30秒の条件で10回測定を行い、それぞれ平均値を算出した。平均炭化物粒径の測定は、転走部表面から2%Da位置までの断面のうち任意の位置について、SEM(Scanning Electric Microscope)にて5000倍の倍率で40視野観察を行い、画像解析を行い、円相当径で0.2μm以上のものを抽出して計算を行った。
【0043】
なお、以下特に断りの無いかぎり、転走部表面を表面と表現する。
試験終了後に、ローラ軸10、ニードル15およびロ−ラ9から構成される試験部のラジアル方向にわたる隙間を測定することによって摩耗量とし、さらにローラ軸10を金属顕微鏡で観察し、剥離等の有無について観察を行った。試験は3個行い、摩耗量はそれぞれの試験結果の平均値を算出した。また、摩耗量は従来例28の摩耗量を1として、それぞれの比で示している。また、目視検査の結果については、一つでも剥離等の損傷が認められたものは×、認められなかったものは○で示している。
【0044】
【表2】
【0045】
表2から、本発明例である実施例1〜実施例20のロ−ラ軸10は、試験時100時間を経過しても摩耗は小さく、また、目視検査の結果からもいずれの異常も認められなかった。Cr+V+Mo+Wの合計含有量が3重量%以上のものは、実施例15〜17を除いて表面硬さがHv1000以上となり、特に耐摩耗性に優れる結果となった。また、表面窒素濃度が1.0重量%以上である実施例も特に耐摩耗性に優れる結果となった。
【0046】
比較例21及び実施例17及び実施例8は同じ素材を使用したものであるが、これらを比較すると、表面窒素濃度の低下に伴い摩耗量が増加していくことがわかる。比較例21は表面窒素濃度が0.5重量%を下回っており、剥離等は観察されなかったものの、その摩耗量は従来例とほぼ同様なものとなった。
比較例22も実施例11と同じ素材を使用したものであるが、表面窒素濃度が0.5重量%を下回ったため、十分な耐摩耗性が得られず、その摩耗量は従来例とほぼ同様となった。
【0047】
比較例23は実施例10と同じ素材を使用したものであるが、表面から2%Da深さまでの平均炭化物粒径が3μmを上回ったため、粗大な炭化物を起点とした剥離が見られた。
比較例24は母材のC量が1.2重量%を上回るようにした例であるが、表面硬さが十分に高いため摩耗はほとんど発生しないものの、表面から2%Da深さまでの平均炭化物粒径が3μmを上回り、窒化層中に粗大な炭化物が多数存在したため、剥離が発生した。
【0048】
比較例25は母材のC+Nの合計含有量が0.4重量%を下回り、且つ窒化層厚さが2%Da深さまで達しておらず、2%Da深さでのビッカース硬度がHv650を下回った例である。表面窒素濃度が0.5重量%を上回るため、十分な耐摩耗性を示すものの、2%Da深さにおける硬度が不足しているため、剥離寿命が十分に得られなかった。
【0049】
比較例26、27は共に、Cr+Mo+V+Wの合計含有量が2.0重量%を下回った例であり、表面窒素濃度が0.5重量%を下回ったため、その摩耗量は従来例とほぼ同様となった。
上記試験結果から明らかなように、本発明のローラ軸は、煤やその他の不溶解成分が混入した厳しい潤滑条件下において、優れた耐摩耗性および寿命特性を有していることが分る。
【0050】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、内燃機関等に用いられるカムフォロアにおいて、窒化処理によりローラ軸の十分な耐摩耗性および耐久性を確保することができるので、煤やその他の不溶解成分の混入による摩耗や寿命低下を防ぐことができ、長寿命なカムフォロアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例であるカムフォロアを説明するための説明図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】ローラ軸の完成品の概略断面図である。
【図4】耐久試験装置の概略図である。
【符号の説明】
1…カムフォロア
9…ローラ
10…ローラ軸
15…ニードル
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関、例えばディーゼルエンジン等の各種エンジンの動弁機構に使用されるカムフォロアに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンのクランクシャフトと共に回転するカムシャフトに固定されたカムの動きをバルブに伝達するための動弁機構において、運転時における摩擦を滑り摩擦から転がり摩擦に変えることによって当該部分の摩擦損失を低く抑えるために、カムフォロアが広く用いられている。
【0003】
このカムフォロアは、カムのカム面に接するローラの挿入空間を挟んで相対向する一対の支持壁を有するローラ保持部をカムフォロア本体に一体に形成し、前記各支持壁を貫通する軸孔内に、全長に亘り等径に形成されるローラ軸の両端部外周をそれぞれ嵌合させ、このローラ軸の中間部に前記ローラをニードルを介して回転自在に支持させるようにしている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、前記ローラ軸をカムフォロア本体に簡便かつ容易に固定するため、ローラ軸の転走面に相当する中央部のみを高周波焼入れによって硬化させ、その両端部は未硬化のままにして、各支持壁の軸孔に挿入したローラ軸の端面をかしめることにより、ローラ軸の端部を拡張して該ローラ軸を前記軸孔にかしめ固定する方法が従来から用いられている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
更に、表面性状を変えることにより耐久性を向上させる技術として、転動面の表面にRmax が0.3〜1.5μmでランダム方向の擦傷を形成すると共に、表層部に490N/mm2 以上の残留応力層を形成した軸受転動体に関する技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。
更に、バレル加工により表面に多数の凹みをランダムに形成し、表層部の硬さを内部の硬さに比べて高くすると共に、表層部に圧縮残留応力を生じさせる技術が開示されている(例えば特許文献4〜6参照)。
【0006】
更に、相手部材と接触する表面に表面硬化処理層を設けると共に、圧縮残留応力のピーク値の深さと、せん断応力分布のピーク値の深さとを一致させた軸受が開示されている(例えば特許文献7参照)。
更に、ショットピーニング加工により、圧縮残留応力を表面部分で980N/mm2 以上とし、表面下300μmの部分で392N/mm2 以上とした軸受部品に関する技術が開示されている(例えば特許文献8参照)。
【0007】
更に、表面からの深さが0〜50μmの範囲を表層部とした場合に、この表層部の最大圧縮残留応力が490〜1078N/mm2 であり、同じく表層部の硬さがHv830〜Hv960であり、表面粗さの平均波長が25μm以下であり、且つ上記表層部の残留オーステナイトの割合が7体積%を超えるものとした転がり摺動部品に関する技術が開示されている(例えば特許文献9参照)。
【0008】
ところで、ディーゼルエンジンに組み込まれるカムフォロアの場合、このカムフォロアに供給される潤滑油中に、軽油の燃焼に伴って発生する煤やその他の不溶解成分が混入している。煤やその他の不溶解成分は、潤滑油を劣化させ潤滑不良を引き起こして、転がり面あるいは摺動面を損傷する原因となる。また、煤やその他の不溶解成分が転がり面あるいは摺動面に介在した場合、研磨材の如き働きをする可能性があり、特に、相手面との接触面圧が高いローラ軸の場合には異常摩耗が発生する虞れがある。
【0009】
このようにしてカムフォロアのローラ軸に発生した摩耗が進行すると、このローラ軸の一部外周面でカムフォロアを支持するニードルの転動面との接触面に段付摩耗が発生する。そして、前記ローラ軸の外周面に存在する軌道の幅方向端部で、前記ニードルの転動面の端部と接触する部分に応力集中に基づくフレーキングが発生し、カムフォロアの回転支持部分の耐久性を損なう。
【0010】
このような、潤滑油中に混入した煤等の不溶解成分による前記ローラ軸の耐久性劣化に対しては、前述した特許文献1〜9に開示された技術では必ずしも十分な耐久性向上効果を得られない。例えば、潤滑性を良くするため表面の粗さや微細な形状に工夫を行っても、潤滑油中の煤を同時に接触面内に引き込むことになるため、返って摩耗が大きくなる虞れがある。
【0011】
上記のような使用環境下においても高い耐久性を有するカムフォロアとして、カムフォロアのローラ軸に、焼戻し温度よりも低温でイオン窒化処理や物理蒸着処理を施し、耐摩耗性を向上させるとした技術が開示されている(例えば特許文献10参照)。
【0012】
【特許文献1】
実開昭60−88016号公報
【特許文献2】
特開昭62−7908号公報
【特許文献3】
特公平1−30008号公報
【特許文献4】
特開平3−117723号公報
【特許文献5】
特開平3−117724号公報
【特許文献6】
特開平3−117725号公報
【特許文献7】
特開平3−199716号公報
【特許文献8】
特開平4−54312号公報
【特許文献9】
特開平5−288257号公報
【特許文献10】
特開平10−110720号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献10に開示された技術では、窒化層厚さや窒素濃度に関する考慮がなされていないため、ローラ軸の摩耗を回避できない場合がある。また、母材に対する考慮も十分になされていないため、窒化処理温度よりも高温で焼戻した際に、転がり疲労に対してローラ軸に必要な硬さを得られない場合もある。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、窒化処理により十分な耐摩耗性および耐久性を確保したローラ軸を備えたカムフォロアを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内周面に軌道を有するローラをニードルを介して外周面に軌道を有するローラ軸によって回転自在に支持するカムフォロアにおいて、
少なくとも前記ロ−ラ軸の素材を、Cr、Mo、V、Wの合計含有量が2.0重量%以上20.0重量%以下の鋼で形成し、焼入れ、焼戻しに引き続いて窒化処理を施して少なくとも完成品転走部表面における窒素濃度を0.5重量%以上とし、且つ前記ローラ軸の直径をDaとした場合に、前記転走部表面から2%Da深さにおけるビッカース硬さをHv650以上とすると共に、該転走部表面から2%Da深さまでの平均炭化物粒径を3μm以下としたことを特徴とする。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記素材のCおよびNの合計含有量が0.4重量%以上1.2重量%以下としたことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、前記焼入れは高周波焼入れであることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記転送部表面の表面硬さがHv900以上であることを特徴とする。
【0016】
以下、本発明の数値限定の意義等について説明する。
[素材のC、Mo、V、Wの合計含有量が2.0重量%〜20.0重量%]
Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、V(バナジウム)、W(タングステン)は焼入れ性を向上させるだけでなく、焼戻し軟化抵抗性を有し、さらには炭化物や窒化物を形成することで硬度上昇に寄与する元素である。
【0017】
窒化処理は一般的に500°C近辺で行われるため、窒化処理を行うと窒化層以外の部分は、転がり寿命を確保するだけの十分な硬度が得られない場合がある。窒化処理後も十分な硬さを確保するためには、Cr、Mo、V、Wの合計含有量を2.0重量%以上とすることが必要であり、より好ましくは3.0重量%以上とする。しかし、Cr、Mo、V、Wの合計含有量が多すぎると、粗大な炭化物が析出しやすくなるため、転がり寿命の低下が懸念される。よって、素材のC、Mo、V、Wの合計含有量の上限を20.0重量%以下とし、より好ましくは15.0重量%以下とする。
【0018】
[完成品転走部表面の窒素濃度が0.5重量%以上]
窒化処理を行うとζ−Fe2 N、ε−Fe2−3 N、γ′−Fe4 N、CrN、Cr2 N等の窒化物が析出し、耐摩耗性向上に寄与するが、析出量が十分でないと必要な耐摩耗性が得られない。ローラ軸の完成品転走部表面に必要な耐摩耗性を得るためには、該表面の窒素濃度を0.5重量%以上とし、より好ましくは1.0重量%以上とする。
【0019】
[完成品転走部表面から2%Da深さにおける硬さについて]
十分な転動疲労寿命を得るためには、転走部表面から2%Da位置におけるビッカース硬さをHv650以上とする必要があり、より好ましくはHv700以上とする。なお、表面から2%Da位置まで窒化層を形成して、硬度を高めるようにしてもよい。
【0020】
[完成品転走部表面から2%Da深さまでの平均炭化物粒径が3μm以下]
鋼中に粗大な炭化物が存在すると、応力集中が起こり、剥離の起点となって転がり寿命が低下するばかりでなく、窒化層中に粗大な炭化物が存在した場合、加工時や使用時において窒化層の剥離が発生するなどの不具合が発生する。また、高周波焼入れを行う場合においてはオーバーヒートの原因になるため、炭化物粒径は低く抑えられることが望ましい。このような不具合を抑制するためには平均炭化物の粒径を3μm以下とする必要があり、より好ましくは1.5μm以下とする。
【0021】
[素材のCおよびNの合計含有量が0.4重量%以上1.2重量%以下]
C(炭素)及びN(窒素)は焼入れ時のマルテンサイト変態に必要な侵入型元素である。十分な焼入れ硬さを得るためにはCとNの合計含有量を0.4重量%以上とすることが好ましい。しかしながら、粗大な炭化物が存在すると、転がり寿命が低下するばかりでなく、窒化層中に粗大な炭化物が存在すると、加工時や使用時において窒化層の剥離が生じやすくなり、また、高周波焼入れを行う場合においては、オーバーヒートの原因ともなるため、素材のCおよびNの合計添加量の上限は1.2重量%とする。さらに好ましくは、Cの添加量を0.9重量%以下とする。
【0022】
また、Nを含有させるとC含有量を低く抑えることができ、特にCr量が8重量%以上の場合では粗大な炭化物の析出を効果的に防止できる。しかし、Nを0.2重量%を超えて添加しようとすると、製鋼時にブローホールと呼ばれる欠陥の発生を防止するための加圧装置が必要となり、コストが非常に高くなるため、Nの添加量の上限を0.2重量%とする。
【0023】
[素材に含まれる元素について]
上記に述べた元素の他に本発明のローラ軸の素材には、製鋼上必要な元素としてSi(シリコン)やMn(マンガン)などの合金元素を含むことができる。
Siは、製鋼時の脱酸剤として必要な元素であり、さらに、焼戻し軟化抵抗性を向上して高温環境における寿命の延長に有効な元素であるため、0.15重量%以上含有することが好ましい。しかしながら、Siを多量に含有してもその延長効果が飽和してしまうばかりか、素材の被削性を低下させてコストの上昇を招くため、Si含有量の上限は1.5重量%とする。
【0024】
Mnは、製鋼時の脱酸剤および脱硫剤として必要な元素であり、また、焼入れ性の向上にも有効な元素であるため、0.15重量%以上含有することが好ましい。しかしながら、その含有量をあまりにも多くし過ぎると、非金属介在物が多くなるため返って寿命特性が低下する虞れがあり、また、素材の鍛造性および被削性などの機械加工性が低下するため、Mn含有量の上限は1.5重量%とする。
【0025】
鋼中に含まれる不純物について重要なものに酸化物系介在物がある。鋼中の酸素含有量が多くなると、疲労破壊の起点になる粗大な酸化物系介在物の存在量が多くなり、転がり寿命は低下する。また、窒化層に粗大な酸化物系介在物が存在すると、窒化層の早期剥離が発生する虞れがあることから、酸素含有量はできるだけ低く抑えられることが望ましい。従って、鋼中の酸素含有量は15ppm以下、さらに好ましくは12ppm以下とする。
【0026】
なお、本発明における合金鋼には、これらの添加元素以外にも不可避の不純物として、P(リン)、S(イオウ)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Nb(ニオブ)、Pb(鉛)、Ca(カルシウム)、Zr(ジルコニア)、Te(テルル)、Sb(アンチモン)等が含有される。
【0027】
[完成品転走部表面のビッカース硬さについて]
十分な耐摩耗性を得るためには、ローラ軸の完成品転走部表面におけるビッカース硬さをHv900以上とすることが好ましく、より好ましくはHv1000以上とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例であるカムフォロアを説明するための説明図、図2は図1のA−A線断面図、図3はローラ軸の完成品の概略断面図、図4は耐久試験装置の概略図である。なお、この実施の形態では、4サイクル内燃機関の動弁装置に用いられるカムフォロアを例に採る。
【0029】
図1において、カムフォロア1の本体としてのロッカーアーム2は、その長手方向中間部に軸孔3が形成されており、該軸孔3に嵌合されたロッカー軸4によって、内燃機関の機関本体(図示せず)に対して回転自在に支持される。
ロッカーアーム2の基部には、アジャストボルト5がねじ込まれており、該アジャストボルト5はロックナット6によって固定されている。アジャストボルト5の下端には、機関本体(図示せず)に上下摺動可能に支持された機関弁7としての吸気弁又は排気弁の上端が当接しており、機関弁7は弁ばね8によって常に閉弁方向(アジャストボルト5との当接方向)へ付勢されている。
【0030】
ロッカーアーム2の先端部には、ローラ9がローラ軸10を介して回転自在に取付けられ、ローラ9の外周面は、前記弁ばね8によってカム11に圧接されている。カム11は、クランク軸(図示せず)に連動して回転するカム軸12に一体に形成され、機関本体(図示せず)に回転自在に支持されている。
そして、カム11が回転することによって、ローラ9を介してカム11に当接するロッカーアーム2がロッカー軸4回りに揺動し、機関弁7の開閉動作を行う。
【0031】
次に、図2を参照して、ローラ9およびローラ軸10の取付け構造を具体的に説明する。
図2に示すように、ロッカーアーム2の先端部に設けられた一対の支持壁13の間に、ローラ軸10の周りに転動体として配設された多数のニードル15を介してローラ9が回転自在に支持されている。ローラ軸10は、多数のニードル15の作る空間と、両支持壁13に設けられた軸孔14に嵌入され、ローラ軸10の端面10aが両支持壁13の外面13aと概ね同一面を成している。この状態で、ローラ軸10の端面を打刻することによってローラ軸10の端縁部が拡大し、ローラ軸10は軸孔14に強固にかしめ固定される。
【0032】
ここで、この実施の形態では、ロ−ラ軸10の素材を、Cr、Mo、V、Wの合計含有量が2.0重量%以上20.0重量%以下の鋼で形成し、焼入れ、焼戻しに引き続いて窒化処理を施して少なくとも完成品転走部表面における窒素濃度を0.5重量%以上とし、且つローラ軸10の直径をDaとした場合に、前記転走部表面から2%Da深さにおけるビッカース硬さをHv650以上とすると共に、該転走部表面から2%Da深さまでの平均炭化物粒径を3μm以下としており、これにより、窒化処理により十分な耐摩耗性および耐久性を確保したローラ軸10を備えた長寿命なカムフォロア1を提供することができる。
【0033】
なお、焼入れの方法として、ローラ軸10のニードル15と接触する外周面のみに高周波焼入れを行えば、容易にローラ軸10を軸孔14にかしめ固定することができる。また、ローラ軸10は、軽量化やかしめ加工を容易にするため軸の中心部の肉抜きを行って中空軸としてもよい。
かしめ以外の方法等でローラ軸10を軸孔14に容易に固定できる構造とした場合は、ローラ軸10の長手方向全体にわたって高周波焼入れを施してもよく、また、所謂ずぶ焼入れであってもよい。更に、ローラ軸10の完成品転走部表面における炭化物粒径を小さくするために、焼入れ前に焼鈍などの熱処理を施してもよく、また、十分な硬度を得るために必要に応じてサブゼロ処理を行ってもよい。
【0034】
ローラ軸10に対して焼入れ、焼戻しを行った後には窒化処理を施し、更に目的の形状、寸法を得るために仕上げ加工を施す。なお、焼入れ、焼戻し後に研削等の加工を行い、寸法精度を高めておけば窒化処理後の加工取代を少なくすることができる。
また、ローラ軸10の完成品転走部表面に形成される窒化層はFeやCrなどの合金元素の窒化物(ζ−Fe2 N、ε−Fe2−3 N、γ′−Fe4 N、CrN、Cr2 N等)が主体となっており、転送部表面の窒素濃度が0.5重量%以上あれば必要な耐摩耗性が得られ、1.0重量%以上であればより優れた耐摩耗性を発揮する。
【0035】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、ロッカーアーム2の先端部にローラ9が取り付けられている構造を示しているが、例えばバルブリフターなど、他の如何なる構造のカムフォロアにおいても本発明を適用することが可能である。
【0036】
【実施例】
次に、上記ローラ軸とほぼ同様の軸を用いて耐久試験を行った結果について説明する。
表1のA〜Sの鋼を用いて、表2に示す実施例(本発明例)1〜20、比較例21〜27及び従来例28のローラ軸(外径φ8mm、長さ19mm)を作製し、耐久試験を行った。ローラ軸は、素材から所定の形状寸法に旋削加工もしくは研削加工まで行った後に高周波焼入れと焼戻しの熱処理を行い、引き続き窒化処理を行った。窒化処理後には所定の寸法を満たすように仕上げ研削を行った。
【0037】
【表1】
【0038】
高周波焼入れは、周波数30kHz、電圧10kV、電流10Aの条件で行い、焼戻しは、50〜500°C(323K〜773K)の温度で2時間保持する条件で行った。窒化処理は次に示すA〜Dのうち何れかの条件で行った。
(条件A)
200〜400°Cでフッ化処理後、400〜500°Cで5〜50時間窒化処理(50%N2 −50%NH3 混合ガス雰囲気中)
(条件B)
500〜570°Cで1〜10時間の塩浴軟窒化処理(KCNO又はNaCNO等のシアン酸塩を主成分とする塩浴窒化)
(条件C)
500〜570°Cで1〜10時間のガス軟窒化処理(50%NH3 −50%吸熱型変成ガス(CO、N2 、H2 を主成分とする))
(条件D)
500〜570°Cで1〜50時間のガス窒化処理(50%N2 −50%NH3 混合ガス雰囲気中)
【0039】
このうち条件Aは前処理としてフッ化処理を施した場合の例であり、窒化反応を阻害するCr酸化物を除去し、表面を活性化するフッ化層を形成するため、より低温でも非常に均一な窒化層を得ることができ、窒化処理による変形を少なくするだけでなく、Crなどが多量に含有されている不動態膜が形成され易い合金鋼の場合には特に有効な方法である。また、条件Bは塩浴軟窒化、条件Cはガス軟窒化、条件Dはガス窒化の例である、
本発明によるローラ軸の完成品の概略断面図を図3に示す。
【0040】
上記のようにして作製したローラ軸の試験片について、図4に示す試験装置による耐久試験を行った。
この耐久試験装置は、モータ(図示せず)により回転する主軸16に取り付けた駆動ローラ18の外周面に、支持部材17に取り付けたローラ9の外周面を押し当てた構造となっている。ローラ9は、上記のように作製した試験片であるローラ軸10によって、ニードル(外径φ2.5mm、長さ12mm)15を介して回転自在に支持されており、これにより、実際のカムフォロアと概略同等の構造をなしている。そして、支持部材17に荷重を加えながら主軸16を回転させることにより、駆動ローラ18の回転に伴ってローラ9が回転し、ローラ9を支持する試験片であるローラ軸10の耐久試験を行うことができる。
【0041】
試験条件は次の通りである。
(試験条件)
ローラ回転速度:6000min−1
荷重:2450N
潤滑油:煤、その他の不溶解成分を混入したエンジンオイル
潤滑油温度:100°C
試験時間:100時間
表2に、ローラ軸10の転走部表面の窒素濃度、転走部表面のビッカース硬さ及び転走部表面から2%Da深さにおけるビッカース硬さと、転走部表面から2%Da位置までの平均炭化物粒径、そして、試験結果として、摩耗量と目視試験の結果を示す。
【0042】
窒素濃度の分析には、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer )を用い、試験片完成品の転走部表面の測定を行った。転走部表面のビッカース硬さは試験片完成品の転走部表面を、転走部表面から2%Da深さにおけるビッカース硬さは試験片完成品転走部の断面の2%Da深さ位置についてそれぞれ測定を行った。測定にはマイクロビッカース硬さ試験機を用い、測定荷重490mN、保持時間30秒の条件で10回測定を行い、それぞれ平均値を算出した。平均炭化物粒径の測定は、転走部表面から2%Da位置までの断面のうち任意の位置について、SEM(Scanning Electric Microscope)にて5000倍の倍率で40視野観察を行い、画像解析を行い、円相当径で0.2μm以上のものを抽出して計算を行った。
【0043】
なお、以下特に断りの無いかぎり、転走部表面を表面と表現する。
試験終了後に、ローラ軸10、ニードル15およびロ−ラ9から構成される試験部のラジアル方向にわたる隙間を測定することによって摩耗量とし、さらにローラ軸10を金属顕微鏡で観察し、剥離等の有無について観察を行った。試験は3個行い、摩耗量はそれぞれの試験結果の平均値を算出した。また、摩耗量は従来例28の摩耗量を1として、それぞれの比で示している。また、目視検査の結果については、一つでも剥離等の損傷が認められたものは×、認められなかったものは○で示している。
【0044】
【表2】
【0045】
表2から、本発明例である実施例1〜実施例20のロ−ラ軸10は、試験時100時間を経過しても摩耗は小さく、また、目視検査の結果からもいずれの異常も認められなかった。Cr+V+Mo+Wの合計含有量が3重量%以上のものは、実施例15〜17を除いて表面硬さがHv1000以上となり、特に耐摩耗性に優れる結果となった。また、表面窒素濃度が1.0重量%以上である実施例も特に耐摩耗性に優れる結果となった。
【0046】
比較例21及び実施例17及び実施例8は同じ素材を使用したものであるが、これらを比較すると、表面窒素濃度の低下に伴い摩耗量が増加していくことがわかる。比較例21は表面窒素濃度が0.5重量%を下回っており、剥離等は観察されなかったものの、その摩耗量は従来例とほぼ同様なものとなった。
比較例22も実施例11と同じ素材を使用したものであるが、表面窒素濃度が0.5重量%を下回ったため、十分な耐摩耗性が得られず、その摩耗量は従来例とほぼ同様となった。
【0047】
比較例23は実施例10と同じ素材を使用したものであるが、表面から2%Da深さまでの平均炭化物粒径が3μmを上回ったため、粗大な炭化物を起点とした剥離が見られた。
比較例24は母材のC量が1.2重量%を上回るようにした例であるが、表面硬さが十分に高いため摩耗はほとんど発生しないものの、表面から2%Da深さまでの平均炭化物粒径が3μmを上回り、窒化層中に粗大な炭化物が多数存在したため、剥離が発生した。
【0048】
比較例25は母材のC+Nの合計含有量が0.4重量%を下回り、且つ窒化層厚さが2%Da深さまで達しておらず、2%Da深さでのビッカース硬度がHv650を下回った例である。表面窒素濃度が0.5重量%を上回るため、十分な耐摩耗性を示すものの、2%Da深さにおける硬度が不足しているため、剥離寿命が十分に得られなかった。
【0049】
比較例26、27は共に、Cr+Mo+V+Wの合計含有量が2.0重量%を下回った例であり、表面窒素濃度が0.5重量%を下回ったため、その摩耗量は従来例とほぼ同様となった。
上記試験結果から明らかなように、本発明のローラ軸は、煤やその他の不溶解成分が混入した厳しい潤滑条件下において、優れた耐摩耗性および寿命特性を有していることが分る。
【0050】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、内燃機関等に用いられるカムフォロアにおいて、窒化処理によりローラ軸の十分な耐摩耗性および耐久性を確保することができるので、煤やその他の不溶解成分の混入による摩耗や寿命低下を防ぐことができ、長寿命なカムフォロアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例であるカムフォロアを説明するための説明図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】ローラ軸の完成品の概略断面図である。
【図4】耐久試験装置の概略図である。
【符号の説明】
1…カムフォロア
9…ローラ
10…ローラ軸
15…ニードル
Claims (4)
- 内周面に軌道を有するローラをニードルを介して外周面に軌道を有するローラ軸によって回転自在に支持するカムフォロアにおいて、
少なくとも前記ロ−ラ軸の素材を、Cr、Mo、V、Wの合計含有量が2.0重量%以上20.0重量%以下の鋼で形成し、焼入れ、焼戻しに引き続いて窒化処理を施して少なくとも完成品転走部表面における窒素濃度を0.5重量%以上とし、且つ前記ローラ軸の直径をDaとした場合に、前記転走部表面から2%Da深さにおけるビッカース硬さをHv650以上とすると共に、該転走部表面から2%Da深さまでの平均炭化物粒径を3μm以下としたことを特徴とするカムフォロア。 - 前記素材のCおよびNの合計含有量が0.4重量%以上1.2重量%以下としたことを特徴とする請求項1記載のカムフォロア。
- 前記焼入れは高周波焼入れであることを特徴とする請求項1又は2記載のカムフォロア。
- 前記転送部表面の表面硬さがHv900以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のカムフォロア。
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