JP2004263433A - 笠木装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】立上がり躯体2の頂部の内側にホルダ3を取り付け、外側には立上がり躯体2の外側に突出する先端見切り5を取り付けるとともに、上記立上がり躯体2の頂部を覆う笠木4の一側を上記ホルダ3に、他側を上記先端見切り5の基部に固定した。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、立上がり躯体の頂部の化粧と防水を行う笠木装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来の笠木装置は、ホルダによりパラペットの頂部に笠木材を取り付け、この笠木材の先端側に躯体固着部、側壁固着部、先端に立設壁部を有する巻き込み部を一体成形した化粧材を取り付けるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実開2000−204731号公報(第2頁、図1)
【0004】
しかしながら、上記構造の笠木装置は、化粧材の側壁固定部の外面の下部及び上部から、下折れ片と上折れ片とが僅かに突出しているに過ぎないため、雨水等がパラペットの外面へ掛ってこの面を垂れ流れて汚れを生ずるだけでなく、僅かに突出する折れ片は、その存在によって化粧材の意匠的価値を高めることはできないものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記問題点を解消し、雨水等が立上り躯体の外面へ掛かりにくくなるようにして、雨水等による躯体外面の汚れを減少させるとともに、張出部で先端見切りの存在を強調させて、笠木装置の意匠的価値を高めることもできる笠木装置を提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係る笠木装置は、立上がり躯体の頂部の内側にホルダを取り付け、外側には立上がり躯体の外側に突出する先端見切りを取り付けるとともに、上記立上がり躯体の頂部を覆う笠木の一側を上記ホルダに、他側を上記先端見切りの基部に固定したことを特徴とする。
【0007】
なお、前記先端見切りの上部に上部カバーを配置し、この上部カバーの先端を前記先端見切りの先端に嵌合させ、上部カバーの基部を前記笠木の他側に固定摺るのが好ましい。
【0008】
また、前記先端見切りの上部に上部カバーを配置し、この上部カバーの先端を前記先端見切りの先端に嵌合させ、上部カバーの基部を上記先端見切りの基部に間隔をおいて固定されたサブホルダに係止固定するようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る笠木装置の実施形態を図面について説明する。
【0010】
図1〜図6は、第1の実施形態を示すものであり、この実施形態において符号1は笠木装置を示す。この笠木装置1は、立上がり躯体2の頂部へホルダ3により笠木4を取り付け、笠木4の先端側に先端見切り5を取り付けた構成である。
【0011】
上記笠木装置1における立上がり躯体2は、建物の屋上、廊下等に設けられるパラペットやこれに類した部材であり、コンクリート、木材、金属、その他の建築用材により所要の形状に形成して、図1に示す通り頂部と内側面には防水層6を設け、外側面にはタイル、その他で表面化粧7を施す、そして、コンクリート製の場合は、後記ネジ9を締め込む部分にアンカープラグ8を埋め込む。
【0012】
ホルダ3は、立上がり躯体2の頂部の外側へ図1に示す通りに乗せ、ネジ9で立上がり躯体2の頂部の内側(屋内側)上に固定されている。そして、外端側には、図2に示す通り立上り躯体2の内側へ斜めに垂下する係止片10を設け、内端側には、斜めに立上がって笠木4の裏面を受ける笠木受部11を設けたものであり、このホルダ3は、アルミニウムかその合金の押出成形または鋼材のプレス加工等で形成する。
【0013】
先端見切り5は長尺の部材で、ネジ15によって立上り躯体2の頂部の外側(屋外側)上に固定される固定部16と、固定部16の内端に設けた立上り片17の上端から立上り躯体2の屋外側に張り出した張出部18と、張出部18の基部から笠木4側に向かって延出する斜辺19と、その端部から笠木4の高い方の端部上に位置付けされる見切り部20と、この見切り部20の途中から垂下する止着縁22とから構成されている。
【0014】
笠木4は、立上がり躯体2の頂部の内側に雨水が流れる勾配で配設される。そして、内側の低い方の端部には、図2に示す通りホルダ3の係止片10へ先端の鍵部12を弾性変形で係合させる係合片13を設け、高い方の端部には、先端見切り5の見切り部20に設けた固定片と接合する起立縁14を立ち上がらせたものであって、この笠木4も上記ホルダ3と同様の材料、工法で形成する。なお、笠木4の外側の端部の起立縁14は上記先端見切り5の止着縁22とはネジ21によって結合されている。
【0015】
上記第1の実施形態は、図2に示すホルダ3を、図1に示す通り立上がり躯体2の頂部の外側に乗せて、ホルダ3にネジ9を通し、アンカープラグ8へ締め込むと、ホルダ3は上がり躯体2の頂部の外側へ固定される。
【0016】
ホルダ3が立上がり躯体2の頂部の外側へ固定されたら、頂部の内側に図3に示す先端見切り5の固定部16を、図1に示す通り乗せて、見切り部18の止着縁22が笠木4の起立縁14へ当たるように位置決めし、固定部16にネジ15を通して、アンカープラグ8へ締め込むと、先端見切り5も立上り躯体2の頂部へ固定される。
【0017】
ホルダ3と先端見切り5とが立上り躯体2の頂部上に固定されたら、ホルダ3の上へ笠木4を乗せて、その先端に設けた起立縁14を先端見切り5の見切り部20から垂下する止着縁22に合わせて、起立縁14と止着縁22にネジ21を通して締め着けると、笠木4の高い方の端部が固定される。そこで、笠木4の低い方の端部を押し下げると、係合片13の鉤部12は、係合片13の弾性変形により係止片10の外面を滑り降りて、係止片10先端に達するとこの部分へ掛かり合って係止片10に係止して止着される。そこで、先端見切り5の見切り部20の開放側と、張出部18の基部と立上り躯体2の頂部との間にできる隙間へコーキング24を充填すれば、張出部18を有する先端見切り5によって意匠的価値と防水性が高められた笠木装置1を簡単に設置できる。なお、符号23は隣接する笠木4間に配置されたジョイント板である。
【0018】
図4〜図6は、第2の実施形態を示すものである。この実施形態において符号1で示す笠木装置1も、立上がり躯体2の頂部へホルダ3で笠木4を取り付け
て、笠木の先端側に先端見切り5を取り付けた構成である。
【0019】
上記笠木装置1における立上がり躯体2は、図4に示す通り外側面にタイル等による化粧7を施さず、立上り躯体2とは離隔して外側に別の化粧壁25を設ける。そして、この化粧壁25と立上り躯体2とを接合部材26で接合してある。
【0020】
ホルダ3及び笠木4は、実施形態1と同様の構成である。
【0021】
先端見切り5は、図4に示す通り立上り躯体2の頂部の外側に載置し、ネジ15で立上り躯体2の頂部上へ固定する固定部16と、図6に示す通り固定部16の内端に設けた段27付きの立上り片17の上端から立上り躯体2の前方へ張り出させた張出部18と、張出部18の先端に設けて後記上部カバーの端部に嵌合する嵌合縁28と、立上り片17の上端から笠木4の高い方の端部上へ延出させた見切り部20と、見切り部20の端部から垂下させて、笠木4の起立縁14および後記上部カバーの止着片31と、ネジ21で結合する止着縁22とを備える構成である。
【0022】
上記先端見切り5は、その上側に図4に示す通り離隔させて上部カバー29を設ける。この上部カバー29は、笠木4と同様に雨水の流れ勾配をつけるものであるから、上記張出部18や見切り部20にも上部カバー29に合せた勾配を付けることが好ましい。そして、上部カバー29の高い方の端部には、下方への折曲げで張出部18の先端に設けた嵌合縁28と噛み合い係合する屈曲部30を設け、低い方の端部には、下方への折り返しによって見切り部20の止着縁22及び笠木4の起立縁14とネジ21で接合する止着片31を設けた構成である。
【0023】
上記第2の実施形態は、図5に示すホルダ3を、図4に示す通り立上がり躯体2の頂部の外側に乗せて、ホルダ3にネジ9を通し、アンカープラグ8へ締め込むと、ホルダ3は立上り躯体2の頂部の外側へ固定される。
【0024】
ホルダ3が立上がり躯体2の頂部の外側へ固定されたら、頂部の外側に図6に示す先端見切り5の固定部16を、図4に示すように載置して、見切り部18の止着縁22が笠木4の起立縁14へ当たるように位置決めし、固定部16にネジ15を通して、アンカープラグ8へ締め込むと、先端見切り5も立上り躯体2の頂部の外側に固定される。
【0025】
ホルダ3と、先端見切り5とが立上り躯体2の頂部上へ固定されたら、笠木4を図4に鎖線で示すように傾け、先端に設けた起立縁14が先端見切り5の見切り部20から垂下する止着縁22の後側へ収まるようにして、笠木4の低い方の端部を押し下げる。すると、係合片13の鉤部12は、係合片13の弾性変形により係止片10の外面を滑り降りて、係止片10先端に達すると、係止片10に係止して止着される。そこで、止着片31と止着縁22と起立縁14とにネジ21を通して締め付けると、笠木4の高い方の端部も固定されるので、先端見切り5の見切り部20と笠木4との間、先端見切り5の段部26と立上り躯体2との隙間、張出部18と化粧壁25との間等にコーキング24を充填すれば、2枚板構造の張出部18を有する先端見切り5によって意匠的価値と防水性が高められた笠木装置1を簡単に設置できる。
【0026】
図7〜図10は、第3の実施形態を示すものである。この実施形態において符号1で示す笠木装置1も、立上がり躯体2の頂部へホルダ3で笠木4を取り付けて、笠木の先端側に先端見切り5を取り付けた構成である。
【0027】
上記笠木装置1における立上がり躯体2、ホルダ3、笠木4は何れも実施形態1と同様の構成である。
【0028】
先端見切り5は、図7に示す通り立上り躯体2の頂部の外側に載置され、ネジ15で立上り躯体2の頂部上へ固定する固定部16と、図9に示す通り固定部16の内端に設けた段部26付きの立上り片17の上端から立上り躯体2の外側に張り出した張出部18と、張出部18の先端に設けて後記上部カバーの端部に嵌合する円断面の嵌合縁28と、立上り片17の上端から笠木4の高い方の端部上へ延出させた段部32付きの見切り部20と、見切り部20から垂下させて、笠木4の起立縁14と、ネジ21で結合する止着縁22とを備え、かつ、見切り部20と固定部16との中間を連結片33で接合して補強した構成としてある。
【0029】
上記先端見切り5は、その上側に図10に示す通り離隔させて上部カバー29を設ける。この上部カバー29は、笠木4と同様に雨水の流れ勾配を付けるから、上記張出部18や見切り部20にも上部カバー29に合せた勾配を付けることが好ましい。そして、上部カバー29の高い方の端部には、下方への曲げ返しにより張出部18の先端に設けた嵌合縁28と噛み合い係合する溝状の屈曲部30を設け、見切り部20より更に笠木4上へ延び出す低い方の端部には、下方へ斜めに垂下する係合片34を設けて、その先端に鉤部35を形成した構成である。
【0030】
上記上部カバー29の低い方の端部に設けた係合片34を固定するには、短尺のサブホルダ36を用いる。このサブホルダ36は、見切り部20の段部32より下側の部分へ取り付ける取付部37と、上部カバー28の係合片34を係止させる係止部38とで構成されるものであって、取付部37は、見切り部20の段部32側に、段部32に形成した係止溝39に係合する係合頭40を、反対側の端部には、見切り部20の低い方の先端を挟持する係止溝41が設けられている。また、係止部38は、係止部38の端部から立ち上がって、上部カバー28の裏面に当たるように笠木4側へ延び出し、それから斜め下方へ垂下して下端へ、上部カバー28における係合片34の鉤部35を係合させるようにしてある。
【0031】
上記第3の実施形態は、図8に示すホルダ3を、図7に示す通り立上がり躯体2の頂部の外側に乗せて、ホルダ3にネジ9を通し、アンカープラグ8へ締め込むと、ホルダ3は上がり躯体2の頂部の外側へ固定される。
【0032】
ホルダ3が立上がり躯体2の頂部の外側へ固定されたら、図9に示す先端見切り5の固定部16を、図7に示す通り通り立上がり躯体2の頂部の内側に乗せて、見切り部18の止着縁22が笠木4の起立縁14へ当たるように位置決めし、固定部16にネジ15を通して、アンカープラグ8へ締め込むと、先端見切り5も立上り躯体2の頂部の内側へ固定される。
【0033】
ホルダ3と、先端見切り5とが立上り躯体2の頂部上へ固定されたら、笠木4を先端に設けた起立縁14が先端見切り5の見切り部20から垂下する止着縁22の後側へ収まるようにする。そして、笠木4の低い方の端部を押し下げると、係合片13の鉤部12は、係合片13の弾性変形により係止片10の外面を滑り降りて、係止片10の先端に達するとこの部分へ掛かり合い、係合片13を係止片10へ止着する。そこで、止着縁22と起立縁14とにネジ21を通して締結すると、笠木4の高い方の端部も固定される。
【0034】
笠木4が固定されたら先端見切り5の段部32を有する見切り部20に、図7に示す通り、サブホルダ36の取付部37を重ねて、その一端側の係合頭40を段部32に設けた係止溝39へ係合させ、他端側に設けた係止溝41を見切り部22の先端に係合させれば、サブホルダ36が見切り部20へ固定される。そこで、先端見切り5の張出部18の先端に設けた嵌合縁28へ、上部カバー29の高い方の端部に設けた屈曲部30を係合させて置いて、上部カバー29の低い方の端部を押し引き下げると、係合片34の鉤部35は、係合片34の弾性変形により係止部38の外面を滑り降りて、係止片34先端に達するとこの部分へ掛かり合い、係合片34を係止部38へ止着するので、その後に、先端見切り5における立上がり部17の段部26と立上り躯体2の頂部との間にコーキング24を充填すれば、2枚板構造の張出部18を有する先端見切り5によって意匠的価値と防水性が高められた笠木装置1を簡単に設置できる。
【0035】
さらに、上部カバー29を、笠木のように、先端見切り5上に弾発的に係止させようとする場合、先端見切り5の一側(内側)に、ホルダ3の斜めの係止片13に相当するものを形成することになるが、先端見切り5はホルダ3とは異なり、長尺の部材であるから、変形しにくく、上部カバー29弾発的に係止させるのは難しい。しかし、先端見切り5に短尺のサブホルダ36を間隔をおいて固定することにより、弾発係止が可能となり、ネジ、ボルト等を使用する必要がないので、迅速に施工することができる。
【0036】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、先端見切りの張出部によって立上り躯体の化粧外面へ雨水等がかかりにくくなるため、雨水等による汚れを減少させてこの部分を長くきれいに保つことができ、また、張出部は先端見切りの存在間を強調してその意匠的価値を高めることができる。
【0037】
請求項2に係る発明によれば、先端見切りに上部カバーを配置すると、上部カバーに化粧されて先端見切りの意匠的価値がより向上するとともに、先端見切り部分が2重構造になるので、強度が高くなる。
【0038】
請求項3に係る発明によれば、先端見切りに短尺のサブホルダを間隔をおいて固定することにより、上部カバーの弾発係止が可能となり、ネジ、ボルト等を使用する必要がないので、迅速に施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】笠木装置の第1実施形態の設置後を示す断面図。
【図2】同上のホルダの全体及び笠木の一部分を示す斜視図。
【図3】先端見切りの一部分を示す斜視図。
【図4】笠木装置の第2実施形態の設置後を示す断面図。
【図5】同上のホルダの全体及び笠木の一部分を示す斜視図。
【図6】先端見切りの一部分及び上部カバーの一部分を示す斜視図。
【図7】笠木装置の第2実施形態の設置後を示す断面図。
【図8】同上のホルダの全体及び笠木の一部分を示す斜視図。
【図9】先端見切りの一部分を示す斜視図。
【図10】サブホルダの全体及び上部カバーの一部分を示す斜視図。
【符号の説明】
1 笠木装置
2 立上がり躯体
3 ホルダ
4 笠木
5 先端見切り
16 ホルダ部
18 張出部
20 見切り部
Claims (3)
- 立上がり躯体の頂部の内側にホルダを取り付け、外側には立上がり躯体の外側に突出する先端見切りを取り付けるとともに、上記立上がり躯体の頂部を覆う笠木の一側を上記ホルダに、他側を上記先端見切りの基部に固定したことを特徴とする笠木装置。
- 前記先端見切りの上部に上部カバーを配置し、この上部カバーの先端を前記先端見切りの先端に嵌合させ、上部カバーの基部を前記笠木の他側に固定した、請求項1記載の笠木装置。
- 前記先端見切りの上部に上部カバーを配置し、この上部カバーの先端を前記先端見切りの先端に嵌合させ、上部カバーの基部を上記先端見切りの基部に間隔をおいて固定されたサブホルダに係止固定した、請求項1記載の笠木装置。
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