JP2004263305A - スパッタ装置 - Google Patents

スパッタ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004263305A
JP2004263305A JP2004086570A JP2004086570A JP2004263305A JP 2004263305 A JP2004263305 A JP 2004263305A JP 2004086570 A JP2004086570 A JP 2004086570A JP 2004086570 A JP2004086570 A JP 2004086570A JP 2004263305 A JP2004263305 A JP 2004263305A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wafer
target
sputtering
sputtering apparatus
gate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004086570A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Hamanaka
信秋 濱中
Akira Inoue
顕 井上
Hitoshi Abiko
仁 安彦
Minoru Higuchi
実 樋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Electronics Corp
Original Assignee
NEC Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Electronics Corp filed Critical NEC Electronics Corp
Priority to JP2004086570A priority Critical patent/JP2004263305A/ja
Publication of JP2004263305A publication Critical patent/JP2004263305A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Abstract

【課題】 高融点金属シリサイド層を形成する半導体装置の製造において、ゲート耐圧の劣化が生じない条件で高融点金属をスパッタすることができるスパッタ装置を提供する。
【解決手段】 半導体素子のゲート電極が形成されたシリコン基板の全面に高融点金属を堆積して高融点金属膜を形成後、熱処理して高融点金属膜との界面に高融点金属シリサイド層を形成する際、ゲート電極に到達する電荷量Qが5C/cm以下となる条件で、高融点金属膜をスパッタ装置によりスパッタ堆積する。スパッタ装置30は、ターゲットホルダ16と、ウェハーホルダ14との間に、ターゲットからウェハーに向けて貫通した多数の貫通孔を有する導電体からなるコリメート板32を接地した状態で有する。
【選択図】 図10

Description

本発明は、スパッタ装置に係り、特にゲート、ソースおよびドレイン表面を自己整合的にシリサイド化することにより、低抵抗化を図るMOS型電界効果トランジスタ(MOSFET)の製造において、ゲート電極に高融点金属シリサイド膜を形成する際、ゲート酸化膜の絶縁耐圧の劣化が生じないようにして、高融点金属をポリシリコン膜上にスパッタできるスパッタ装置に関するものである。
半導体装置の製造方法の一つとして知られる従来のサリサイドプロセスでは、特許文献1に開示された方法がある。この従来の半導体装置の製造方法について、図3(a)〜図3(d)の工程順に示した縦断面図を参照して説明する。
図3(a)に示すようにP型シリコン基板301にNウェル302を既知の方法により形成する。次いで、P型シリコン基板301の表面にフィールド絶縁膜としてフィールド酸化膜303を選択酸化法により形成する。このフィールド酸化膜303に囲まれた活性領域に、順次シリコン酸化膜などのゲート絶縁膜304と多結晶シリコンを成長し、多結晶シリコンにリンを既知の手法によりドープして多結晶シリコンの電気抵抗の
低減を図る。次いで、既知の手法であるフォトリソグラフィー法とドライエッチング法により、多結晶シリコンをパターンニングしてゲート電極305を形成する。
次に、フォトリソグラフィー法とイオン注入法により、図3(a)に示すように低濃度のN型不純物拡散層313と低濃度のP型不純物拡散層314を形成する。次いで、ゲート電極305の側面にシリコン酸化膜あるいはシリコン窒化膜から構成されるサイドウォール306を既知の化学気相成長(CVD)技術とエッチング技術を用いて形成する。
次に、図3(b)に示すようにフォトリソグラフィー法とイオン注入法により、N型不純物拡散層307とP型不純物拡散層308を形成する。かくして、LDD構造としてN型ソース・ドレイン領域307、P型ソース・ドレイン領域308が形成される。次いで、ゲート電極である多結晶シリコンの表面と半導体基板表面の自然酸化膜を除去し、例えばチタン膜309をスパッタ堆積する。
次に、図3(c)に示すように窒素雰囲気中で700℃以下の急速熱処理(以下、RTA)することにより、シリコンと接触するチタン膜309のみをシリサイド化し、C49型構造のチタンシリサイド層310を形成する。また、この際、フィールド酸化膜303およびサイドウォール306と接触するチタン膜309と半導体基板上のチタン膜の一部は窒化されて窒化チタン膜311となる。
次に、図3(d)に示すようにアンモニア水および過酸化水素水等の混合液などにより、選択的にウェットエッチングし、未反応チタンと窒化チタン膜311のみを除去する。次いで、前述のRTAよりも高温(800℃以上)のRTAを行い、前記のC49型構造のチタンシリサイド層310よりも電気抵抗率の低いC54型構造のチタンシリサイド層312を形成する。
以上に示したサリサイドプロセスを用いることにより、多結晶シリコン305、N型およびP型不純物拡散層307、308の表面部分が自己整合的にシリサイド化されるために低抵抗化され、デバイスの高速化が図れる。このサリサイドプロセスは、必要とする領域に限って、選択的にシリサイド化できる利点がある。
ところで、従来のマグネトロンスパッタ装置10は、一般的には、図8に示すように、スパッタ・チャンバ12内に、ウェハーWを載置させるウェハーホルダ14と、ウェハーWに離間して対面する位置にターゲットTを保持するカソードマグネット16とを備えている。従来のマグネトロンスパッタ装置10を使って、例えばポリシリコンゲート電極上にCoをスパッタして、Coシリサイド電極を形成する際、ゲート酸化膜に絶縁不良が生じたチップが、ウェハー上に発生すること、特にウェハー周辺部に発生することが多く、製品歩留りを向上させる上で、問題になっていた。
ここで、従来のマグネトロンスパッタ装置10を使って、以下のスパッタ条件でゲート電極のポリシリコン上にCoをスパッタしてCo膜を成膜し、次いでRTAを施してCoシリサイド化を行った後、ゲート酸化膜の絶縁耐圧の良否をウェハーのチップ毎に試験した結果を示す。本試験では、従来のマグネトロンスパッタ装置10を使って、図9に示すように、シリコン基板20上に形成されたゲート電極のポリシリコン膜22上に
CoをスパッタしてCo膜24を成膜し、次いでRTAを施してCoシリサイド層を形成する。図9は、スパッタリングによりCo膜24をゲート電極のポリシリコン膜22上に成膜した状態を示す。図9中、26はSiN等からなるサイドウォール、28はゲート酸化膜である。
スパッタリング条件
チャンバ圧力 :5〜15mTorr
ガス流量 :Ar/50〜100sccm
スパッタパワー:1.5KW
しかし、従来のマグネトロンスパッタ装置10を使ったCoスパッタリングでは、図11に示すように、特にウェハーの周辺部のチップのゲート酸化膜に、絶縁不良が発生し、ゲート酸化膜の絶縁耐圧が所定値以上の良好なチップのウェハー全体のチップに対する百分率、いわゆる良品率は、図19に実験例1と実験例2の結果と合わせ示すように、46%程度であった。図11では、ゲート酸化膜に重度の絶縁不良が発生しているチップは、黒
塗で、軽度の絶縁不良が発生しているチップは、斜線で表示されている。
特開平2−45923号公報
しかるに、上記の従来の半導体装置の製造方法では、ゲートポリシリコンを形成した後、ゲートポリシリコン上に高融点金属をスパッタ堆積すると、その際に、プラズマから発生する電荷によりゲート電極305がチャージアップし、ゲート耐圧が劣化するという問題があった。
ゲート電極および拡散層上のみにシリサイドを形成する方法として、サリサイドプロセスが有効な方法であるが、高融点金属をスパッタする際の下地構造は、ゲート電極305の表面の自然酸化膜は除去されており、ゲート電極305は既に不純物がドープされてかつ、フローティングゲートとなっている。
そのため、スパッタ時、特にスパッタ放電中あるいは待機時の放電からシャッターが開いてウェハーへスパッタ堆積が開始された瞬間にゲート電極部に電荷が発生し、その電荷がゲート絶縁膜304を流れて、ゲート耐圧が劣化するという問題が発生する。この現象は、ゲート絶縁膜304の膜厚が薄膜化や高集積化するにつれて顕著であり、微細化が進むにつれて深刻な問題となっている。
また、前述したように、従来のマグネトロンスパッタ装置を使って、Co、Ti、Ni、W等の高融点金属をポリシリコン膜上にスパッタしてシリサイド化を施す際に、ゲート酸化膜の絶縁性が低下するという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、半導体基板上に選択的に形成される絶縁膜間に高融点金属シリサイド層を形成するMOS型電界効果トランジスタの製造において、ゲート電極に高融点金属シリサイド膜を形成する際、ゲート酸化膜の絶縁耐圧の劣化が生じないようにして、高融点金属をポリシリコン膜上にスパッタできるスパッタ装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、ターゲットホルダに保持されたターゲットと、ターゲットに対面させるようにして、ターゲット金属を堆積させるウェハーを保持するウェハーホルダとを備え、ターゲット金属をウェハー上にスパッタリングするスパッタ装置において、ターゲットホルダと、ウェハーホルダとの間に、ターゲットからウェハーに向けて貫通した多数個の貫通孔を有する導電体からなるコリメート板を接地した状態で介在させることを特徴とする。
上記コリメート板は、ターゲット表面との間隔が24mm以上50mm以下となる位置に挿入することができる。ここで、コリメート板を前記範囲の間隔内に位置決めし、保持する位置調整手段を備える構成とすることができる。
また、コリメート板は、貫通孔のアスペクト比が0.7以上で1.3以下の網状板であることを特徴とする。
また、ターゲットホルダに保持されたターゲットと、ターゲットに対面させるようにして、ターゲット金属を堆積させるウェハーを保持するウェハーホルダとを備え、ターゲット金属をウェハー上にスパッタリングするスパッタ装置において、ターゲットホルダと、ウェハーホルダとの間に、電気的にアースされている網状の板を介在させることを特徴とする。
本発明のスパッタ装置は、グロー放電によりスパッタリングを行うものである。
本発明のスパッタ装置の構成により、ゲート電極に到達する電荷量Qが5C/cm 以下になる条件でターゲット金属のスパッタ堆積を行い、ゲート耐圧の劣化を生じさせないようにすることができる。
このことの作用について説明する。図4は自然酸化膜をフッ酸を用いてエッチングした後、チタンをスパッタ堆積し、次いで、熱処理を行わずにアンモニア水と過酸化水素水の混合液により、堆積したチタンをウエットエッチングしたウェハーのゲート耐圧の良品率を示す。比較として、スパッタを行わずに測定したものも示してある。
チタンをスパッタし、すぐにウェットエッチングした場合はゲートの初期耐圧不良が起こっており、スパッタ中にゲート耐圧が大幅に劣化するため、その場合のゲート良品率は図4にIで示すように、チタンをスパッタしない場合のゲート良品率IIに比べて良品率が低い。
図5はスパッタ堆積する際、コリメート板をウェハーとターゲット間に挿入した場合のゲート耐圧良品率を、コリメート板を挿入しないでスパッタ堆積した場合のゲート耐圧良品率と、スパッタ堆積しない場合のゲート耐圧良品率とを対比して示す。この場合も図4と同様にスパッタ後熱処理を行わずにウェットエッチングし測定している。
スパッタ堆積する際、コリメート板をウェハーとターゲット間に挿入した場合のゲート耐圧良品率は図5にIVで示す如く、スパッタ堆積しない場合のゲート耐圧良品率Vと同様100%であり、同図にIIIで示すようにチタンをスパッタし、すぐにウェットエッチングした場合のゲート耐圧良品率に比べて、スパッタによるゲート耐圧の劣化が起こっておらず、良好なゲート耐圧が得られていることがわかる。
この場合には、コリメート板がウェハーとターゲット間に挿入されているためにウェハーに到達するはずの電荷がコリメート板に流れて、ゲート電極のチャージアップが抑制されており、ゲート電極に到達する電荷量Qが5C/cm以下になるようなスパッタ堆積ができるためである。
通常コリメートスパッタは、コンタクトホールの底部にチタンを異方性良く堆積し、スパッタ膜のカバレッジを改善するためのものである。しかし、この場合においては、既成のコリメート板を用いて行わなくてもよく、電気的にアースされている例えば網状の板をウェハーとターゲットの間に挿入されていればよく、コリメートスパッタを用いて得られた結果と同様の結果が得られる。
このように、サリサイド構造を有したフローティングゲート電極上に高融点金属をスパッタ堆積する場合には、ウェハーへ到達する電荷量を制御する方法として、プラズマから不要な電荷を発生しないようにするか、発生した電荷をウェハーに到達しないようにするかが考えられる。これらの方法によりゲート耐圧特性を向上させることができる。
本発明者は、上述した本発明の目的を達成できるスパッタ装置を実現するために、研究の末に、ゲート酸化膜の絶縁不良が発生する原因は、ターゲット近傍の荷電粒子が、ウェハー表面に到達し、ゲート電極のポリシリコン膜及びゲート酸化膜を貫通してシリコン基板に貫入することにあると見出した。即ち、ゲート酸化膜の絶縁耐圧の劣化が生じる原因は、プラズマ近傍(ウェハー側)に存在する高荷電粒子密度領域から荷電粒子が飛来してウェハーに衝突する衝突確率が増大するからであると推測した。ターゲットのエロージェン測定から明らかなように、プラズマ密度の高い領域は、ターゲットの直径方向について、中央部よりも周辺部に集中している。そして、プラズマ密度の高い領域は、ターゲットからウェハーに向かう方向に見て、ターゲットの極近傍に存在するが、荷電粒子密度の高い領域は、むしろプラズマ領域のウェハー側に存在していると考えられる。そこで、荷電粒子が、ウェハー上に飛来し、衝突するのを防止するために、ターゲットに近い位置であって、しかもプラズマ領域から僅かにウェハー側に離れた位置にコリメート板を配置して、荷電粒子をコリメート板により捕捉することを着想し、更には、ターゲットとコリメート板との位置関係を研究して、本発明を完成するに到った。
上述の知見に基づいて、本発明に係るスパッタ装置は、ターゲットホルダに保持されたターゲットと、ターゲットに対面させるようにして、ターゲット金属を堆積させるウェハーを保持するウェハーホルダとを備え、ターゲット金属をウェハー上にスパッタリングするスパッタ装置において、ターゲットホルダと、ウェハーホルダとの間に、ターゲットからウェハーに向けて貫通した多数個の貫通孔を有する導電体からなるコリメート板を接地した状態で介在させることを特徴としている。
また、後述の実験例1及び2の結果から判るように、コリメート板の介在効果は、コリメート板のターゲットに対する位置によって大幅に異なり、ゲート酸化膜の絶縁耐圧の劣化防止に関し、コリメート板のターゲットに対する位置には、臨界的な意義がある。そこで、本発明の好適な実施態様では、コリメート板が、ターゲットホルダに対して第1の間隔D以下で第2の間隔D以上の範囲の間隔で配置されていて、更に好適には、スパッタ装置は、コリメート板を前記範囲の間隔内に位置決めし、保持する位置調整手段を備えている。第1の間隔D及び第2の間隔Dは、スパッタ装置の構造により、またスパッタリング条件により、それぞれ、異なるものの、実用的には、後述する理由から、第1の間隔Dが50mmであり、第2の間隔Dが24mmである。
また、コリメート板の表面積に対する全貫通孔の開口面積の総和の比率、開口率は高い方がよく、また、コリメート板の貫通孔の形状及び寸法に制約はないものの、好適には、コリメート板は、貫通孔のアスペクト比が0.7以上1.3以下の網状板である。
本発明は、グロー放電によりスパッタリングを行うスパッタ装置である限り、スパッタ装置の種類、形式に制約はなく適用でき、例えば、直流スパッタ装置、高周波(RF)スパッタ装置及びマグネトロンスパッタ装置に適用できる。
コリメート板がターゲットとウェハーとの間に介在する場合、ゲート絶縁膜の初期耐圧劣化の程度は、コリメート板とターゲットホルダとの距離、コリメート板のアスペクト比及びスパッタレートに依存すると考えられる。
コリメート板が介在しない場合、高荷電粒子領域から飛来する荷電粒子が直接的にウェハーに衝突する確率は、ウェハー周辺部ほど高く、従ってウェハー周辺部のゲート絶縁膜の初期耐圧劣化の程度がウェハー中央部に比べて激しい。例えばマグネトロンスパッタ装置の場合、マグネトロンスパッタ装置毎にカソードマグネットの形状、寸法が異なり、その結果、ターゲット直径方向のプラズマ密度分布、ひいては荷電粒子の分布が異なるため、劣化パターン(マップ)は、各装置に固有なパターンとなるものの、一般的な傾向として、ウェハー周辺部ほど劣化が激しい。また、コリメート板が介在しない場合、ウェハ中央部でも、コリメート板を介在させた場合に比べて、ゲート・ソース/ドレイン間のリーク電流の増大などが計測されており、スパッタ時にゲート酸化膜にダメージが与えられていることは明らかである。
コリメート板とターゲットホルダとの距離(T/C間距離)は、この高荷電粒子密度域から直接飛来する荷電粒子を捕捉する確率が高くなるように決定されるべき因子であって、前述したように、コリメート板の介在効果は、コリメート板のターゲットに対する位置によって大幅に異なり、コリメート板のターゲットに対する位置には臨界的な意義がある。例えば、T/C間距離が50mm以上であると、コリメート板の介在効果は大幅に低下する。T/C間距離を短くして、荷電粒子のコリメート板に対する入射角度を大きくすれば、荷電粒子のコリメータ板での捕捉確率を高めることができるので、荷電粒子の飛来、衝突によるゲート酸化膜の絶縁耐圧の劣化を効果的に防止できる。しかし、逆に、T/C間距離が短すぎると、高密度プラズマ存在領域にコリメート板が接触するために、コリメート板がスパッタリングされて削られる恐れがあり、非常に危険であるから、その見地からT/C間距離には許容最短距離(例えば24mm)が設定される。
また、コリメート板のアスペクト比を大きくすることは、前述の高荷電粒子密度域からの荷電粒子を捕捉する確率が高くなるので、ゲート酸化膜の初期絶縁耐圧の劣化防止に有効である。しかし、アスペクト比が大きすぎると、スパッタ金属が捕捉されるので、スパッタレートが低下する。
次に本発明の実施の形態について、図面と共に説明する。図1は本発明の実施の形態のプラズマ装置を適用して高融点金属であるチタン膜を形成した半導体装置の製造方法の各工程の素子断面図を示す。まず、図1(a)に示すようにP型シリコン基板101にNウェル102を既知の方法により形成する。次いで、P型シリコン基板101の表面にフィールド絶縁膜としてフィールド酸化膜103を選択酸化法により形成する。このフィールド酸化膜103に囲まれた活性領域に、順次シリコン酸化膜などのゲート絶縁膜104と多結晶シリコンを成長し、多結晶シリコンにリンを既知の手法によりドープして多結晶シリコンの電気抵抗の低減を図る。
次いで、既知の手法であるフォトリソグラフィー法とドライエッチング法により、多結晶シリコンをパターンニングして図1(a)に示すようにゲート電極105を形成する。次に、フォトリソグラフィー法とイオン注入法により、低濃度のN型不純物拡散層113と低濃度のP型不純物拡散層114を形成する。次いで、ゲート電極105の側面にシリコン酸化膜あるいはシリコン窒化膜から構成されるサイドウォール106を既知のCVD技術とエッチング技術を用いて形成する。
次に、図1(b)に示すように、フォトリソグラフィー法とイオン注入法により、N型不純物拡散層のソース・ドレイン領域107とP型不純物拡散層のソース・ドレイン領域108を形成する。かくして、LDD構造としてN型ソース・ドレイン領域107、P型ソース・ドレイン領域108が形成される。
次いで、ゲート電極105である多結晶シリコンの表面と半導体基板表面の自然酸化膜を除去し、例えばゲート電極105に到達する電荷量Qが5C/cm以下になるような条件とするマグネトロンスパッタ装置を使用して、高融点金属であるチタンをスパッタ堆積してチタン膜109を形成する。この際、使用するマグネトロンスパッタ装置には、ウェハーとターゲット間にコリメート板のような例えば網状の導電体を挿入してスパッタを行う。
図6は本発明の第1の実施の形態のマグネトロンスパッタ装置の構成図を示す。図6(a)に示すマグネトロンスパッタ装置は、チャンバ61内にウェハーホルダ62上にウェハー63が載置され、これに離間対向する位置にカソードマグネット64とターゲット65が配置され、ウェハー63とターゲット65との間の空間位置にコリメート板66が配置されている。
通常用いるコリメート板は、スパッタ粒子の異方性を高めるものであり、網のアスペクト比が1程度のものであるが、このスパッタ装置で用いるコリメート板66は、図6(b)に上面図を示すように、網状の導電体からなる構成である。なお、このコリメート板66は、単に導電性のある板をウェハーとターゲット間に挿入すればよく、コリメート板66のアスペクト比および寸法、形状は任意であり、また、ウェハー63の全面を覆っている必要もなく、プラズマ強度分布が高いあるいは電荷が発生しやすい領域だけをカバーしていればよい。
さらに、また、このコリメート板66の形状はスパッタ装置によって寸法、形状を調整すればいいものである。なお、このコリメート板66の網状の導電体は、設地電位として用いてもよいが、プラズマ状態に対応して、電位を与えることによりさらに効果が上がる。また、第1の実施の形態では、チタン膜を109を堆積した例を示しているが、コバルト、ニッケル等の他の高融点金属を堆積するようにしても同様の効果が得られることは勿論である。
次に図1(c)に示すように、窒化雰囲気中で700℃以下の急速熱処理(RTA)することにより、多結晶シリコンであるゲート電極105の表面およびソース・ドレイン領域107および108と接触するチタン膜109の界面のみにC49型構造のチタンシリサイド層110を形成する。また、この際、フィールド酸化膜103およびサイドウォール106と接触するチタン膜109と半導体基板上のチタン膜109の一部は窒化されて窒化チタン膜111となる。
次に図1(d)に示すように、アンモニア水および過酸化水素水等の混合液などにより、選択的にウェットエッチングし、未反応チタンと窒化チタン膜111のみを除去する。次いで、前述のRTAよりも高温(800℃以上)のRTAを行い、前記のC49型構造のチタンシリサイド層110よりも電気抵抗率の低いC54型構造のチタンシリサイド112を形成する。
このようにして製造されたMOS型電界効果トランジスタは、スパッタによるゲート耐圧の劣化が起こっておらず、良好なゲート耐圧が得られている。コリメート板66がウェハー63とターゲット65間に挿入されているために、ウェハー63に到達するはずの電荷がコリメート板66に流れて、ゲート電極105のチャージアップが抑制されているためである。
このようにサリサイド構造を有したフローティングゲート電極上に高融点金属をスパッタ堆積する場合には、ウェハーへ到達する電荷量を制御する方法として、発生した電荷をウェハーに到達しないようにすることでゲート耐圧特性を向上させることができる。
上述の実施形態では、ウェハーへ到達する電荷量を制御する一例として、コリメート板をウェハーとターゲット間に挿入させた構成としたが、別の構成のスパッタ装置を用いた半導体装置の製造例を以下に記す。
図2(a)に示すようにP型シリコン基板201にNウェル202を既知の方法により形成する。次いで、P型シリコン基板201の表面にフィールド絶縁膜としてフィールド酸化膜203を選択酸化法により形成する。このフィールド酸化膜203に囲まれた活性領域に、順次シリコン酸化膜などのゲート絶縁膜204と多結晶シリコンを成長し、多結晶シリコンにリンを既知の手法によりドープして多結晶シリコンの電気抵抗の低減を図る。次いで、既知の手法であるフォトリソグラフィー法とドライエッチング法により、多結晶シリコンをパターンニングし図2(a)に示すように、ゲート電極205を形成する。
次に、フォトリソグラフィー法とイオン注入法により、低濃度のN型不純物拡散層213と低濃度のP型不純物拡散層214を形成する。次いで、ゲート電極205の側面にシリコン酸化膜あるいはシリコン窒化膜から構成されるサイドウォール206を既知のCVD技術とエッチング技術を用いて形成する。
次に、図2(b)に示すようにフォトリソグラフィー法とイオン注入法により、N型不純物拡散層のソース・ドレイン領域207とP型不純物拡散層のソース・ドレイン領域208を形成する。次いで、ゲート電極205である多結晶シリコンの表面と半導体基板表面の自然酸化膜を除去し、例えばゲート電極に到達する電荷量Qが5C/cm以下になるような条件とするマグネトロンスパッタ装置を用いて、高融点金属であるチタンをスパッタ堆積してチタン膜209を形成する。
このときに使用するマグネトロンスパッタ装置の構成を図7(b)、(d)または(e)に示す。従来のスパッタ装置として、図7(a)に示す如く、チャンバ71内にウェハーホルダ72上にウェハー73が載置され、ウェハー73に離間対向する位置にターゲット74が配置された、ホルダマグネットがない構造のスパッタ装置が知られているが、このものは発明者らの詳細な実験結果により、プラズマ75のプラズマ密度が最大の領域が最もゲート初期耐圧劣化が見られた。
これに対して、図7(b)に示すマグネトロンスパッタ装置は、ホルダマグネットがない構造のマグネトロンスパッタ装置において、プラズマ77のプラズマ密度最大の領域が基板(ウェハー)外側になるように、大きさを設定したターゲット76を用いた構造のマグネトロンスパッタ装置であり、上記のチタン膜209をスパッタ堆積した場合には、プラズマ77から発生した電荷がウェハー73に到達しないようにできるため、良好な電気特性が得られた。
また、図7(a)及び(b)に示したマグネトロンスパッタ装置は、プラズマ75、77がウェハー73に直接接触している構造であるが、従来のマグネトロンスパッタ装置には図7(c)に示すように、プラズマ80がウェハー73に接しない状態でホルダマグネット79が装着されている構造のマグネトロンスパッタ装置も知られている。すなわち、この従来のマグネトロンスパッタ装置では、チャンバ71内にウェハーホルダ72上にホルダマグネット79を介してウェハー73が載置されており、ターゲット74からのプラズマ80はウェハー73には接しない。
しかし、この従来のマグネトロンスパッタ装置でも、プラズマから発生した電荷(Ar+あるいは電子)がウェハー73に到達することにより、同様にゲート初期耐圧不良が生じ、発明者の詳細な実験結果より、ウェハー73周辺部にゲート初期耐圧の劣化箇所が見られた。
そこで、このホルダマグネットがある構造のマグネトロンスパッタ装置として、この実施の形態では、図7(d)または図7(e)に示した構造のマグネトロンスパッタ装置を使用してチタン膜209をゲート電極に到達する電荷量Qが5C/cm以下になるような条件でスパッタ堆積する。図7(d)に示すマグネトロンスパッタ装置は、プラズマを安定化させるために取り付けられているホルダマグネット81を、ウェハー73の側面を覆う形状とした点に特徴があり、これにより、プラズマ82から発生した電荷を、ホルダマグネット81の磁場によりトラップすることにより、ゲート初期耐圧不良を抑制することができる。
また、図7(e)に示すマグネトロンスパッタ装置は、プラズマを安定化させるために取り付けられているホルダマグネット83の磁界強度を、プラズマ84のプラズマ最大領域がウェハー83より上部にあるように設定した点に特徴があり、これにより、プラズマ84から発生した電荷を、ホルダマグネット83の磁場によりトラップすることにより、ゲート初期耐圧不良を抑制することができる。
図7(d)あるいは図7(e)に示した構造のマグネトロンスパッタ装置の場合には、ホルダマグネット81、83から発生した磁場により電荷がトラップされたことで、周辺部にも劣化箇所は見られず良好な電気特性が得られた。実際には、マグネトロンスパッタ装置の構造によってゲート初期耐圧の劣化の程度が変化するため、上述のプラズマ最大領域を変更する方法とウェハー側のホルダマグネットにより発生する磁場によってトラップする方法の組み合わせで最適化する場合も考えられる。
上記の実施の形態では、チタンを堆積した例を示しているが、コバルト、ニッケル等の他の高融点金属を堆積するようにしても同様の効果が得られることは勿論である。
再び図2に戻って説明するに、次に図2(c)に示すように窒素雰囲気中で700℃以下の急速熱処理(RTA)をすることにより、多結晶シリコンであるゲート電極205の表面およびソース・ドレイン領域107および108と接触するチタン膜109の界面のみにC49型構造のチタンシリサイド210を形成する。また、この際、図2(c)に示すように、フィールド酸化膜203およびサイドウォール206と接触するチタン膜209と半導体基板上のチタン膜209の一部は窒化されて窒化チタン膜211となる。
次に、図2(d)に示すように、アンモニア水および過酸化水素水等の混合液などにより、選択的にウェットエッチングし、未反応チタンと窒化チタン膜211のみを除去する。次いで、前述のRTAよりも高温(800℃以上)のRTAを行い、前記のC49型構造のチタンシリサイド210よりも電気抵抗率の低いC54型構造のチタンシリサイド212を形成する。
この実施の形態では、マグネトロンスパッタ装置構成を図7(b),(d)または(e)のような構造にすることで、プラズマから発生する電荷がウェハーに到達せず、ゲート初期耐圧劣化が抑えられる。更に、先の実施の形態で用いるマグネトロンスパッタ装置では導電体の網状のコリメート板を挿入しているため、スパッタされた膜が導電体の網状のコリメート板に堆積されることによりウェハー上へのスパッタレートの低下やパーティクル等の問題のため、コリメート板の交換の必要があるのに対し、この実施の形態で用いるマグネトロンスパッタ装置では、導電体の網状のコリメート板を挿入していないため、コリメート板の交換の必要がなくなり、装置を安定に維持し易いという利点もある。)
なお、上記実施の形態では、ゲート及び拡散層上に同時にシリサイドを形成する方法について示したが、ポリサイドゲート(WSix/Poly-Si)、ポリメタルゲート(W/WNx/Poly-Si)あるいは、メタルゲート(W/SiO)構造等のフローティングゲート上に高融点金属をスパッタして拡散層上にシリサイドを形成する場合についても、本発明を適用できることは勿論である。
図10(a)は、本発明に係るスパッタ装置をマグネトロンスパッタ装置に適用した一実施形態の構成を示す模式的断面図、図10(b)はコリメート板の平面図、図10(c)はコリメート板の側面図である。図10中、図8と同じ部品、部位には同じ符号を付している。本実施形態例のマグネトロンスパッタ装置30は、図10に示すように、基本的には、前述の図6に示したマグネトロンスパッタ装置と同じ構成を備えており、スパッタ・チャンバ12内に、ウェハーWを載置させるウェハーホルダ14と、ウェハーWに対して離間、対面する位置にターゲットTを保持するカソードマグネット16と、ウェハーホルダ14とカソードマグネット16との間に設けられた網板状のコリメート板32とを備えている。
コリメート板32は、スパッタ粒子の異方性を高めると共に荷電粒子を捕捉するために設けられており、図10(b)に示すように、正六角形を連続させた網形状の、導電体からなる網状板として構成され、接地されている。コリメート板32の正六角形の網目又は孔は、ターゲットTからウェハーWに向かって貫通し、網目又は孔のアスペクト比は1である。即ち、コリメート板の厚さt(図10(c)参照)と網目又は孔の径D(網目又は孔の最大径、図10(b)参照)とは同じ長さである。また、コリメート板32は、位置調整機構34により、コリメート板32の面からカソードマグネット16のターゲット保持面までの距離(T/C間距離、図10(a)では、Lで表示)が変更され、その位置に保持されるようになっている。位置調整機構34は、既知の機構であって、油圧シリンダ、エアシリンダ等の駆動装置によりコリメート板32を上下に自在に昇降させる。なお、コリメート板32の広さは、コリメート板32がウェハーWの全面を覆っている必要もなく、プラズマ強度分布が高い、あるいは荷電粒子が発生しやすい領域だけをカバーしておればよい。
実験例1
アネルバ(株)製のモデル番号I−1060にコリメート板を装着した、本実施形態例のマグネトロンスパッタ装置30と同じ構成の実験装置を使って、スパッタリング実験を行った。以下に、実験装置の仕様を簡単に示す。
ターゲット
厚さ :3mm
直径 :12インチ
ウェハーホルダ
ウェハー寸法:6インチ径又は8インチ径
チャック方式:クランプチャック
コリメート板
孔径D :23mm
厚さt :23mm
孔の形状 :正六角形の連続形状
アスペクト比:1
材質 :ステンレス鋼
上述の実験装置で、カソードマグネット16のターゲット保持面とウェハーWの表面との距離(T/S間距離、図10(a)では、Lで表示)を103mmに調整し、かつカソードマグネット16のターゲット保持面とコリメート板32の対向面との距離L1を34mmにに調整して、ウェハーホルダ14とカソードマグネット16との間に印加するスパッタ電力を1.0kW、1.5KW及び2.0KWに変えて、以下のスパッタリング条件でCoをスパッタし、膜厚100ÅのCo膜を図9に示すポリシリコン膜上に成膜した。
スパッタリング条件
ホルダ温度 :室温
チャンバ圧力:3〜8mTorr
次いで、ゲート酸化膜の絶縁耐圧の良否をチップ毎に調べ、図12(a)〜(c)に示すように、ゲート酸化膜の重度絶縁不良のチップを黒塗、及び軽度絶縁不良のチップを斜線で表示した。
実験例2
実験例1と同じ実験装置を使い、カソードマグネット16のターゲット保持面とウェハーWの表面との距離Lを113mmに調整し、かつカソードマグネット16のターゲット保持面とコリメート板32の対向面との距離Lを24mm、29mm、34mm、39mm、44mm及び56mmに変更し、かつ同じLでウェハーホルダ14とカソードマグネット16との間に印加するスパッタ電力を1.0KW、1.5KW及び2.0KWに変えて、計18回の相互に異なる条件でCoスパッタリングを行った。尚、その他の条件は、実験例1と同じスパッタリング条件と同じである。次いで、ゲート酸化膜の絶縁耐圧の良否をチップ毎に調べ、図13(a)〜(c)から図18(a)〜(c)に示すように、ゲート酸化膜の重度絶縁不良のチップを黒塗、及び軽度絶縁不良のチップを斜線で表示した。
図20に示すように、スパッタ電力をパラメータとして、実験例1と2の実験結果を集計した。図19では、横軸にL、縦軸にゲート酸化膜の良品率(%)を取っている。図19から判る通り、スパッタ電力の大小にかかわらず、Lが39mm以下では、良品率がほぼ100%に達し、一方、Lが44mm以上では、良品率は60%以下に急激に低下する。即ち、ゲート酸化膜の良品率、即ちコリメート板32の介在効果に関し、コリメート板32のターゲット、又はカソードマグネットに対する明確な臨界的位置が、39mmと44mmの間に存在することが判る。図19の左端の棒グラフは、コリメート板を介在させないときの良品率の数値であって、Lが56mmのときの良品率とほぼ同じである。
実験例3
実験例1と同じ実験装置を使い、カソードマグネットに対するコリメート板の距離Lを29mm、カソードマグネットとウェハーホルダとの距離Lを68mmに設定して、以下のスパッタリング条件の下でスパッタ電力(KW)とゲート酸化膜の良品率との関係を調べ、その結果を図20に示した。また、比較のために、コリメート板を備えていないこと除いて実験装置と同じ構成のマグネトロンスパッタ装置を使って、スパッタリングを行い、その結果も合わせて図20に示した。
スパッタリング条件
チャンバ圧力 :8〜10mTorr
ガス流量 :80〜100sccm
スパッタパワー:1.5KW
図20から判る通り、本発明で特定した距離関係でコリメート板を設けることにより、コリメート板を備えないマグネトロンスパッタ装置に比べて、本実施形態例のマグネトロンスパッタ装置は、ゲート酸化膜の良品率のスパッタ電力依存性が極めて低い。
実験例4
実験例1と同じ実験装置を使い、カソードマグネットに対するコリメート板の距離Lを29mm、カソードマグネットとウェハーホルダとの距離Lを68mmに設定して、以下のスパッタリング条件の下でスパッタレート(Å/sec)とゲート酸化膜の良品率の関係を調べ、その結果を図21に表示した。また、比較のために、コリメート板を備えていないこと除いて本実施形態例の同じ構成のマグネトロンスパッタ装置を使って、スパッタリングを行い、その結果も合わせて図21に表示した。
スパッタリング条件
チャンバ圧力 :8〜10mTorr
ガス流量 :80〜100sccm
スパッタパワー:1.5KW
図21から判る通り、本発明で特定した距離関係でコリメート板を設けることにより、コリメート板を備えないマグネトロンスパッタ装置に比べて、本実施形態例のマグネトロンスパッタ装置は、良品率のスパッタレート依存性が低い。
ところで、スパッタレートを上げることにより、導電性の金属(もしくは金属珪化物)がウェハー表面を速やかに覆うため、荷電粒子はゲートの深さ方向よりもウェハーの水平方向に進むようになり、ゲート酸化膜の初期耐圧劣化確率は低くなる。従って、スパッタレートを上げることは、図21に示すように、ゲート酸化膜の初期絶縁耐圧の劣化防止に有効である。但し、スパッタレートが速過ぎると、ウェハーの面内膜厚分布差が増大し、更には高温スパッタ時のシリサイド化反応量の減少なども懸念されるために、高スパッタレートでのスパッタは、余り好ましくない。実験例3のスパッタパワーを2.6KWにすることで、スパッタレートを上げると、コリメート板をカソードマグネット16のカソード保持面に対する距離を50mmにした場合でも、良品率は98%であることが検証された。なお、スパッタレートを上げてゲート酸化膜の絶縁耐圧の劣化防止を図ろうとしても、スパッタが始まった直後には荷電粒子のゲートへの飛来を遮断する導電性の金属膜が成膜されていないので、コリメート板を介在させた場合に比べて、ゲート酸化膜の初期耐圧劣化防止の効果が低い。また、装置メーカの異なるエンジュラ(AMAT ENDURA)での結果で、46.5mmでも満足する結果が得られた。
実験例5
実験例1及び実験例2で使用した本実施形態例のマグネトロンスパッタ装置を使い、カソードマグネットに対するコリメート板の距離Lを34mm、カソードマグネットとウェハーホルダとの距離Lを103mmに設定し、印加電圧を1.5KWに固定し、かつガス圧を5mTorr、8mTorr、10mTorr、及び15mTorrに設定して、それぞれ、Coスパッタリングを行い、ゲート酸化膜の良品率のガス圧依存性を関係を調べた。その結果、5mTorr、8mTorr、10mTorr、及び15mTorrのガス圧で、ゲート酸化膜の良品率は、それぞれ、100%であって、コリメート板を設けたマグネトロンスパッタ装置では、ゲート酸化膜の良品率には、ガス圧依存性が無いことが判った。
以上の実験例1から実験例5の結果から、本実施形態例のスパッタ装置は、カソードマグネット16のカソード保持面に対して距離24mm以上50mm以下の範囲にコリメート板32を配置させることにより、ゲート電極に高融点金属シリサイド膜を形成する際、ゲート酸化膜の絶縁耐圧の劣化が生じないようにして、高融点金属をポリシリコン膜上にスパッタできるスパッタ装置であることが実証されている。また、本実施形態例のスパッタ装置は、ゲート酸化膜の良品率に関し、スパッタ電力依存性、スパッタレート依存性及びガス圧依存性が低く、スパッタリング条件を広い範囲で設定することができる。
以上説明したように、本発明に係るスパッタ装置によれば、半導体基板上に選択的に形成される絶縁膜間に高融点金属シリサイド層を形成する半導体装置の製造において、ゲート耐圧の劣化が生じない条件で高融点金属をスパッタ堆積するようにしたため、高融点金属シリサイド層を形成することにより低抵抗化を図るMOS型電界効果トランジスタ(MOSFET)を、ゲート絶縁膜の薄膜化や高集積化により微細化した場合でも、より信頼性高く製造することができる。
本発明に係るスパッタ装置では、ターゲットホルダと、ウェハーホルダとの間に、ターゲットからウェハーに向けて貫通した多数の貫通孔を有する導電体からなるコリメート板を接地した状態で介在させることにより、好適には、コリメート板をターゲットホルダに対して第1の間隔D以下で第2の間隔D以上の範囲の間隔で配置することにより、ゲート電極に高融点金属シリサイド膜を形成する際、ゲート酸化膜の絶縁耐圧の劣化が生じないようにして、高融点金属をポリシリコン膜上にスパッタできるスパッタ装置を実現している。また、本発明に係るスパッタ装置は、ゲート酸化膜の良品率に関し、スパッタ電力依存性、スパッタレート依存性及びガス圧依存性が低く、スパッタリング条件を広い範囲で設定することができる。
本発明の第1の実施の形態の各工程での素子断面図である。 本発明の第2の実施の形態の各工程での素子断面図である。 従来方法の一例の各工程での素子断面図である。 従来のスパッタ条件で行った場合のゲート耐圧の良品率等を示す図である。 コリメート板を挿入した場合のゲート耐圧特性の良品率等を示す図である。 本発明の実施の形態で使用するスパッタ装置の構成図である。 本発明の実施の形態で使用する各例のスパッタ装置と従来のスパッタ装置の構成図である。 従来のスパッタ装置の構成を示す模式図である。 シリサイド化の説明図である。 図10(a)は実施形態例のスパッタ装置の構成を示す模式図、図10(b)はコリメート板の平面図、図10(c)はコリメート板の側面図である。 従来のスパッタ装置を使ってスパッタリングした際のゲート酸化膜劣化を示すウェハーマップである。 図12(a)〜(c)は、それぞれ、本実施形態例のスパッタ装置を使って、相互に異なる条件下でスパッタした際のゲート酸化膜劣化を示すウェハーマップである。 図13(a)〜(c)は、それぞれ、本実施形態例のスパッタ装置を使って、相互に異なる条件下でスパッタした際のゲート酸化膜劣化を示すウェハーマップである。 図14(a)〜(c)は、それぞれ、本実施形態例のスパッタ装置を使って、相互に異なる条件下でスパッタした際のゲート酸化膜劣化を示すウェハーマップである。 図15(a)〜(c)は、それぞれ、本実施形態例のスパッタ装置を使って、相互に異なる条件下でスパッタした際のゲート酸化膜劣化を示すウェハーマップである。 図16(a)〜(c)は、それぞれ、本実施形態例のスパッタ装置を使って、相互に異なる条件下でスパッタした際のゲート酸化膜劣化を示すウェハーマップである。 図17(a)〜(c)は、それぞれ、本実施形態例のスパッタ装置を使って、相互に異なる条件下でスパッタした際のゲート酸化膜劣化を示すウェハーマップである。 図18(a)〜(c)は、それぞれ、本実施形態例のスパッタ装置を使って、相互に異なる条件下でスパッタした際のゲート酸化膜劣化を示すウェハーマップである。 スパッタ電力をパラメータとして、実験例1と2の実験結果を集計したグラフである。 良品率のスパッタパワー依存性を示すグラフである。 良品率のスパッタレート依存性を示すグラフである。
符号の説明
10 従来のスパッタ装置
12 スパッタ・チャンバ
14 ウェハーホルダ
16 カソードマグネット
20 シリコン基板
22 ポリシリコン膜
24 Co膜
26 サイドウォール
28 ゲート酸化膜
30 実施形態例のスパッタ装置
32 コリメート板
34 位置調整機構
61、71 チャンバ
62、72 ウェハーホルダ
63、73 ウェハー
65、74、76 ターゲット
66 コリメート板
75、77、80、82、84 プラズマ
79、81、83 ホルダマグネット
101、201 P型シリコン基板
102、202 Nウェル
103、203 フィールド酸化膜
104、204 ゲート絶縁膜
105、205 ゲート電極
106、206 サイドウォール
107、207 N型ソース・ドレイン領域
108、208 P型ソース・ドレイン領域
109、209 チタン膜
110、210 C49型構造のチタンシリサイド層
111、211 窒化チタン膜
112、212 C54型構造のチタンシリサイド層
113、213 N型不純物拡散層
114、214 P型不純物拡散層

Claims (6)

  1. ターゲットホルダに保持されたターゲットと、ターゲットに対面させるようにして、ターゲット金属を堆積させるウェハーを保持するウェハーホルダとを備え、ターゲット金属をウェハー上にスパッタリングするスパッタ装置において、
    ターゲットホルダと、ウェハーホルダとの間に、ターゲットからウェハーに向けて貫通した多数個の貫通孔を有する導電体からなるコリメート板を接地した状態で介在させることを特徴とするスパッタ装置。
  2. 前記コリメート板は、ターゲット表面との間隔が24mm以上50mm以下となる位置に挿入することを特徴とする請求項2記載のスパッタ装置。
  3. コリメート板を前記範囲の間隔内に位置決めし、保持する位置調整手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパッタ装置。
  4. コリメート板は、貫通孔のアスペクト比が0.7以上で1.3以下の網状板であることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のスパッタ装置。
  5. ターゲットホルダに保持されたターゲットと、ターゲットに対面させるようにして、ターゲット金属を堆積させるウェハーを保持するウェハーホルダとを備え、ターゲット金属をウェハー上にスパッタリングするスパッタ装置において、
    ターゲットホルダと、ウェハーホルダとの間に、電気的にアースされている網状の板を介在させることを特徴とするスパッタ装置。
  6. 前記スパッタ装置は、グロー放電によりスパッタリングを行う請求項1乃至5のいずれか一に記載のスパッタ装置。
JP2004086570A 1997-10-29 2004-03-24 スパッタ装置 Pending JP2004263305A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004086570A JP2004263305A (ja) 1997-10-29 2004-03-24 スパッタ装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29702297 1997-10-29
JP2004086570A JP2004263305A (ja) 1997-10-29 2004-03-24 スパッタ装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24835198A Division JP3569133B2 (ja) 1997-10-29 1998-09-02 半導体装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004263305A true JP2004263305A (ja) 2004-09-24

Family

ID=33133344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004086570A Pending JP2004263305A (ja) 1997-10-29 2004-03-24 スパッタ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004263305A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115233174A (zh) * 2022-08-04 2022-10-25 北京北方华创微电子装备有限公司 工艺腔室

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115233174A (zh) * 2022-08-04 2022-10-25 北京北方华创微电子装备有限公司 工艺腔室
CN115233174B (zh) * 2022-08-04 2023-09-08 北京北方华创微电子装备有限公司 工艺腔室

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6218249B1 (en) MOS transistor having shallow source/drain junctions and low leakage current
US6284613B1 (en) Method for forming a T-gate for better salicidation
US6022805A (en) Method of fabricating semiconductor device with a multi-layered interconnection structure having a low contact resistance
US8008177B2 (en) Method for fabricating semiconductor device using a nickel salicide process
US20090127594A1 (en) MOS TRANSISTORS HAVING NiPtSi CONTACT LAYERS AND METHODS FOR FABRICATING THE SAME
US8216933B2 (en) Krypton sputtering of low resistivity tungsten
JP4910231B2 (ja) 半導体装置の製造方法
KR100356629B1 (ko) 고융점금속을스퍼터링하기위한스퍼터링장치및고융점금속을구비한반도체장치의제조방법
JP3569133B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US8298385B2 (en) Method and apparatus for forming nickel silicide with low defect density in FET devices
US6806172B1 (en) Physical vapor deposition of nickel
JP2004263305A (ja) スパッタ装置
US9257291B2 (en) Method for forming a silicide layer at the bottom of a hole and device for implementing said method
US6589873B2 (en) Process for manufacturing a semiconductor device
JPH11158615A (ja) スパッタリング装置及びそれを使用した半導体装置の製造方法
US6727165B1 (en) Fabrication of metal contacts for deep-submicron technologies
CN100372080C (zh) 可避免短路的自行对准金属硅化物制程的处理方法
US20060228893A1 (en) Semiconductor substrates and field effect transistor constructions
TWI222184B (en) Method with floating gate pull back process to improve the data retention of flash memory
JPH09148571A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2004152825A (ja) Mis型半導体装置の製造方法及び半導体製造装置
JPH09162167A (ja) 半導体装置の製造方法
KR20010059235A (ko) 반도체소자의 콘택전극의 배리어메탈 형성방법

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20070703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080325

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080722