JP2004262912A - 芳香族化合物の水素化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する方法であって、高効率で経済的という優れた効果を有する芳香族化合物の水素化方法を提供する。
【解決手段】二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する方法であって、少なくとも2種類の水素化触媒を用い、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物を含む原料を最初に高活性触媒に接触させ、後に高選択性触媒に接触させる芳香族化合物の水素化方法。好ましい実施態様として、触媒がRu、Rh、Ni、Pd又はPtを含み、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物がα−メチルスチレンである場合をあげることができる。
【選択図】 なし
【解決手段】二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する方法であって、少なくとも2種類の水素化触媒を用い、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物を含む原料を最初に高活性触媒に接触させ、後に高選択性触媒に接触させる芳香族化合物の水素化方法。好ましい実施態様として、触媒がRu、Rh、Ni、Pd又はPtを含み、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物がα−メチルスチレンである場合をあげることができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族化合物の水素化方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する方法であって、高効率で経済的という優れた効果を有する芳香族化合物の水素化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の側鎖の二重結合を水素化する方法としては、たとえば特許文献1に、100〜250℃の高温でCu−Cr触媒をもちいてα−アルキルスチレンからアルキルベンゼンを製造する技術が開示されている。
【0003】
しかしながら、従来の方法においては、高活性な貴金属触媒を使うとベンゼン核の水素化が進行しやすいため活性で劣るCu系の触媒を使用するか、速度的に不利な低い反応温度で高活性な貴金属触媒を使用する、または副生成物の許容濃度を高く設定しなければならないという問題点があった。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第4075254号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する方法であって、高効率で経済的という優れた効果を有する芳香族化合物の水素化方法を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する方法であって、少なくとも2種類の水素化触媒を用い、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物を含む原料を最初に高活性触媒に接触させ、後に高選択性触媒に接触させる芳香族化合物の水素化方法に係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物とは、α−メチルスチレン、スチレン、等を例示することができる。
【0008】
本発明の反応は、室温以上の温度で実施され、好ましくは100℃以上である。反応温度が低すぎると反応速度が遅くなる。また、水素化反応は発熱反応であり、より高温では、反応熱を例えば高温スチームとして回収利用できるので工業的に好ましい。一方で、反応温度が高すぎるとベンゼン環の核水添および二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の2量化等の副反応が起こりロスとなる場合がある。したがって、反応温度は150〜270℃であることがより好ましい。
【0009】
本発明は、側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する方法である。「側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する」とは、ベンゼン核の水素化をおこさずに側鎖の二重結合のみを水素化するの意味である。
【0010】
本発明の最大の特徴は、少なくとも2種類の水素化触媒を用いられ、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物を含む原料を最初に高活性触媒に接触させ、後に高選択性触媒に接触させる点にある。かかる特徴的な構成を用いることにより高い選択性でかつ、大きな反応速度を得られるので、少ない触媒量で反応を完結させることができ、高効率で経済的に優れた効果を有する芳香族化合物の水素化方法が提供され、前記の本発明が解決しようとする課題が解決される。
【0011】
「高活性触媒」とは、水素化速度が速い触媒の意味であり、「高選択性触媒」とは、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の水素化において、側鎖の二重結合の水素化選択性が高い触媒の意味である。高活性触媒の具体例としてRu、Rh、Ni、Pd又はPtを含む触媒が挙げられる。ベンゼン核の水添率が比較的小さいという観点から、高活性触媒はPdを含む触媒が好ましく、Pdの濃度は低いほど好ましいが、低すぎると水素化活性が満足できなくなるため、0.01〜0.1重量%が好ましい。Pdを含む触媒としてはPd/SiO2−Al2O3、Pd/Al2O3、Pd/SiO2、Pd/C、Pd/ゼオライトなどが挙げられ、担体による副反応が小さいという観点から、γ−Al2O3の最表層にのみPdを担持したPd/Al2O3が好ましい。
【0012】
高選択性触媒はCuを含む触媒が好ましく、Cuを含む触媒は、Cu/C、Cu/SiO2、Cu/Al2O3、Cu−Cr2O3−Mn2O3、Cu−Cr2O3−BaO、Cu−ZnO、Cu−ZnO−Al2O3、Cu−Fe2O3−Mn2O3、Cu−Fe2O3−Al2O3−ZnOなどが挙げられる。副反応が少ないという観点から、Cu−SiO2が好ましい。高活性触媒は二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の二重結合の水素化転化率が80%以上、好ましくは90%以上になる量を使用し、高選択性触媒は、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の二重結合がすべて水素化される量を使用することが好ましい。
【0013】
本発明は、固定床、流動床、バッチ、半回分型リアクターを用いて実施でき、原料である二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物は気体でも液体でもよい。大規模な工業的実施の際には、触媒と反応物分離の点で固定床が好ましく、処理量を大きくする点で二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物は液体であることが望ましい。H2分圧が高いほど反応が速くベンゼン核の水素化も起こりやすくなるため、通常100〜10000kPaの圧力範囲で反応が行われるが、好ましくは200〜5000kPaであり、さらに好ましくは800〜1800kPaである。
【0014】
H2と二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物のモル比は大きい方が水素化速度は増加するものの、ベンゼン核の水素化も起こりやすくなるため、通常は1〜50の間で行われ、好ましくは1〜2である。
【0015】
溶媒は、実施条件で実質上水素化を受けない飽和炭化水素、側鎖に飽和炭化水素を持つ芳香族炭化水素またはこれらの混合物または溶媒なしでも本発明を実施することができる。
【0016】
反応生成物と同一の化合物を溶媒として用いた場合、特に分離操作をすることなく高純度の化合物が得られる。クメンを酸化して得たハイドロパーオキサイドを分解し、副生したα−メチルスチレンを水素化してクメンに戻すプロセス、あるいは、クメンを酸化して得たハイドロパーオキサイドをオレフィンとエポキシ化触媒存在化に反応させ、オキシラン化合物とクミルアルコールを得た後、クミルアルコールを脱水して得られるα−メチルスチレンを水素化してクメンに戻すプロセスのようにアルキルベンゼンを循環して使用するプロセスに本発明を適用することができる。
【0017】
【実施例】
次に本発明を実施例により説明する。
実施例1
α−メチルスチレンを23.2wt%含むクメン溶液100gを0.5%Pd/C触媒0.3g存在下、オートクレーブで30min水素化した。反応温度240℃、反応圧力1MPaG、反応中はH2を500Nml/minフィードした。反応後のα−メチルスチレン濃度は2.1wt%であった。この溶液をさらにCu−Cr触媒3gで30min、上記と同様条件で水素化した。反応後のα−メチルスチレン濃度は41wtppmであり、イソプロピルシクロヘキサンは全く生成しなかった。
【0018】
実施例2
H2(流速105Nml/min,ガス線速1.6cm/sec)とα−メチルスチレンを23wt%含むクメン溶液(1.6g/min,H2:α−メチルスチレン=1.5)を1.4MPaGに保持した触媒ゾーンに190℃でフィードして水素化を行った。触媒ゾーンは、前段に0.05%Pd/Al2O3(Pdゾーン;LHSV=18h−1)、後段にCu−SiO2(Cuゾーン;LHSV=2.8h−1)を配置した。507時間後のPdゾーンでのα−メチルスチレン転化率は85.1%、触媒ゾーン全体でのα−メチルスチレン転化率は99.5%、反応液中のイソプロピルシクロヘキサンは10ppmであった。
【0019】
比較例1
α−メチルスチレンを23.2wt%含むクメン溶液100gを0.5%Pd/C触媒0.3g存在下、オートクレーブで60min水素化した。反応温度240℃、反応圧力1MPaG、反応中はH2を500Nml/minフィードした。反応液中にα−メチルスチレンは観測されず、クメンの核水添化合物であるイソプロピルシクロヘキサンは1300ppmだった。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する方法であって、高効率で経済的という優れた効果を有する芳香族化合物の水素化方法を提供することができた。
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族化合物の水素化方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する方法であって、高効率で経済的という優れた効果を有する芳香族化合物の水素化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の側鎖の二重結合を水素化する方法としては、たとえば特許文献1に、100〜250℃の高温でCu−Cr触媒をもちいてα−アルキルスチレンからアルキルベンゼンを製造する技術が開示されている。
【0003】
しかしながら、従来の方法においては、高活性な貴金属触媒を使うとベンゼン核の水素化が進行しやすいため活性で劣るCu系の触媒を使用するか、速度的に不利な低い反応温度で高活性な貴金属触媒を使用する、または副生成物の許容濃度を高く設定しなければならないという問題点があった。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第4075254号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する方法であって、高効率で経済的という優れた効果を有する芳香族化合物の水素化方法を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する方法であって、少なくとも2種類の水素化触媒を用い、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物を含む原料を最初に高活性触媒に接触させ、後に高選択性触媒に接触させる芳香族化合物の水素化方法に係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物とは、α−メチルスチレン、スチレン、等を例示することができる。
【0008】
本発明の反応は、室温以上の温度で実施され、好ましくは100℃以上である。反応温度が低すぎると反応速度が遅くなる。また、水素化反応は発熱反応であり、より高温では、反応熱を例えば高温スチームとして回収利用できるので工業的に好ましい。一方で、反応温度が高すぎるとベンゼン環の核水添および二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の2量化等の副反応が起こりロスとなる場合がある。したがって、反応温度は150〜270℃であることがより好ましい。
【0009】
本発明は、側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する方法である。「側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する」とは、ベンゼン核の水素化をおこさずに側鎖の二重結合のみを水素化するの意味である。
【0010】
本発明の最大の特徴は、少なくとも2種類の水素化触媒を用いられ、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物を含む原料を最初に高活性触媒に接触させ、後に高選択性触媒に接触させる点にある。かかる特徴的な構成を用いることにより高い選択性でかつ、大きな反応速度を得られるので、少ない触媒量で反応を完結させることができ、高効率で経済的に優れた効果を有する芳香族化合物の水素化方法が提供され、前記の本発明が解決しようとする課題が解決される。
【0011】
「高活性触媒」とは、水素化速度が速い触媒の意味であり、「高選択性触媒」とは、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の水素化において、側鎖の二重結合の水素化選択性が高い触媒の意味である。高活性触媒の具体例としてRu、Rh、Ni、Pd又はPtを含む触媒が挙げられる。ベンゼン核の水添率が比較的小さいという観点から、高活性触媒はPdを含む触媒が好ましく、Pdの濃度は低いほど好ましいが、低すぎると水素化活性が満足できなくなるため、0.01〜0.1重量%が好ましい。Pdを含む触媒としてはPd/SiO2−Al2O3、Pd/Al2O3、Pd/SiO2、Pd/C、Pd/ゼオライトなどが挙げられ、担体による副反応が小さいという観点から、γ−Al2O3の最表層にのみPdを担持したPd/Al2O3が好ましい。
【0012】
高選択性触媒はCuを含む触媒が好ましく、Cuを含む触媒は、Cu/C、Cu/SiO2、Cu/Al2O3、Cu−Cr2O3−Mn2O3、Cu−Cr2O3−BaO、Cu−ZnO、Cu−ZnO−Al2O3、Cu−Fe2O3−Mn2O3、Cu−Fe2O3−Al2O3−ZnOなどが挙げられる。副反応が少ないという観点から、Cu−SiO2が好ましい。高活性触媒は二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の二重結合の水素化転化率が80%以上、好ましくは90%以上になる量を使用し、高選択性触媒は、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の二重結合がすべて水素化される量を使用することが好ましい。
【0013】
本発明は、固定床、流動床、バッチ、半回分型リアクターを用いて実施でき、原料である二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物は気体でも液体でもよい。大規模な工業的実施の際には、触媒と反応物分離の点で固定床が好ましく、処理量を大きくする点で二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物は液体であることが望ましい。H2分圧が高いほど反応が速くベンゼン核の水素化も起こりやすくなるため、通常100〜10000kPaの圧力範囲で反応が行われるが、好ましくは200〜5000kPaであり、さらに好ましくは800〜1800kPaである。
【0014】
H2と二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物のモル比は大きい方が水素化速度は増加するものの、ベンゼン核の水素化も起こりやすくなるため、通常は1〜50の間で行われ、好ましくは1〜2である。
【0015】
溶媒は、実施条件で実質上水素化を受けない飽和炭化水素、側鎖に飽和炭化水素を持つ芳香族炭化水素またはこれらの混合物または溶媒なしでも本発明を実施することができる。
【0016】
反応生成物と同一の化合物を溶媒として用いた場合、特に分離操作をすることなく高純度の化合物が得られる。クメンを酸化して得たハイドロパーオキサイドを分解し、副生したα−メチルスチレンを水素化してクメンに戻すプロセス、あるいは、クメンを酸化して得たハイドロパーオキサイドをオレフィンとエポキシ化触媒存在化に反応させ、オキシラン化合物とクミルアルコールを得た後、クミルアルコールを脱水して得られるα−メチルスチレンを水素化してクメンに戻すプロセスのようにアルキルベンゼンを循環して使用するプロセスに本発明を適用することができる。
【0017】
【実施例】
次に本発明を実施例により説明する。
実施例1
α−メチルスチレンを23.2wt%含むクメン溶液100gを0.5%Pd/C触媒0.3g存在下、オートクレーブで30min水素化した。反応温度240℃、反応圧力1MPaG、反応中はH2を500Nml/minフィードした。反応後のα−メチルスチレン濃度は2.1wt%であった。この溶液をさらにCu−Cr触媒3gで30min、上記と同様条件で水素化した。反応後のα−メチルスチレン濃度は41wtppmであり、イソプロピルシクロヘキサンは全く生成しなかった。
【0018】
実施例2
H2(流速105Nml/min,ガス線速1.6cm/sec)とα−メチルスチレンを23wt%含むクメン溶液(1.6g/min,H2:α−メチルスチレン=1.5)を1.4MPaGに保持した触媒ゾーンに190℃でフィードして水素化を行った。触媒ゾーンは、前段に0.05%Pd/Al2O3(Pdゾーン;LHSV=18h−1)、後段にCu−SiO2(Cuゾーン;LHSV=2.8h−1)を配置した。507時間後のPdゾーンでのα−メチルスチレン転化率は85.1%、触媒ゾーン全体でのα−メチルスチレン転化率は99.5%、反応液中のイソプロピルシクロヘキサンは10ppmであった。
【0019】
比較例1
α−メチルスチレンを23.2wt%含むクメン溶液100gを0.5%Pd/C触媒0.3g存在下、オートクレーブで60min水素化した。反応温度240℃、反応圧力1MPaG、反応中はH2を500Nml/minフィードした。反応液中にα−メチルスチレンは観測されず、クメンの核水添化合物であるイソプロピルシクロヘキサンは1300ppmだった。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する方法であって、高効率で経済的という優れた効果を有する芳香族化合物の水素化方法を提供することができた。
Claims (11)
- 二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物の側鎖の二重結合のみを選択的に水素化する方法であって、少なくとも2種類の水素化触媒を用い、二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物を含む原料を最初に高活性触媒に接触させ、後に高選択性触媒に接触させる芳香族化合物の水素化方法。
- 高活性触媒がRu、Rh、Ni、Pd又はPtを含む請求項1記載の芳香族化合物の水素化方法。
- 高選択性触媒がCuを含む請求項1記載の芳香族化合物の水素化方法。
- 高選択性触媒がCu−SiO2である請求項1記載の芳香族化合物の水素化方法。
- 二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物がα−メチルスチレンである請求項1記載の芳香族化合物の水素化方法。
- 高活性触媒がPdを含む請求項1記載の芳香族化合物の水素化方法。
- 高活性触媒が0.01〜0.1重量%のPdを含むPd/Al2O3である請求項1記載の芳香族化合物の水素化方法。
- 反応温度が100℃以上である請求項1記載の芳香族化合物の水素化方法。
- 反応温度が150〜270℃である請求項1記載の芳香族化合物の水素化方法。
- 反応圧力が0.8〜1.8MPaである請求項1記載の芳香族化合物の水素化方法。
- 反応ゾーン入り口に供給される水素と二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物のモル比(水素のモル/二重結合を有する側鎖を持つ芳香族化合物のモル)を1〜2で行う請求項1記載の芳香族化合物の水素化方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003197751A JP2004262912A (ja) | 2003-01-07 | 2003-07-16 | 芳香族化合物の水素化方法 |
PCT/JP2003/016435 WO2004060838A1 (ja) | 2003-01-07 | 2003-12-22 | 芳香族化合物の水素化方法 |
AU2003292602A AU2003292602A1 (en) | 2003-01-07 | 2003-12-22 | Method of hydrogenating aromatic compound |
TW092136499A TW200418782A (en) | 2003-01-07 | 2003-12-23 | Hydrogenation method of aromatic compound |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003000893 | 2003-01-07 | ||
JP2003197751A JP2004262912A (ja) | 2003-01-07 | 2003-07-16 | 芳香族化合物の水素化方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004262912A true JP2004262912A (ja) | 2004-09-24 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003197751A Pending JP2004262912A (ja) | 2003-01-07 | 2003-07-16 | 芳香族化合物の水素化方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004262912A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006176492A (ja) * | 2004-12-20 | 2006-07-06 | Kellogg Brawn & Root Inc | α−メチル−スチレンのクメンへの選択的水素化 |
CN104151129A (zh) * | 2013-05-16 | 2014-11-19 | 中国石油化工股份有限公司 | α-甲基苯乙烯选择性加氢的方法 |
-
2003
- 2003-07-16 JP JP2003197751A patent/JP2004262912A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006176492A (ja) * | 2004-12-20 | 2006-07-06 | Kellogg Brawn & Root Inc | α−メチル−スチレンのクメンへの選択的水素化 |
JP4711788B2 (ja) * | 2004-12-20 | 2011-06-29 | ケロッグ ブラウン アンド ルート,インコーポレイテッド | α−メチル−スチレンのクメンへの選択的水素化 |
CN103172484A (zh) * | 2004-12-20 | 2013-06-26 | 凯洛格.布朗及鲁特有限公司 | α-甲基苯乙烯选择性加氢成枯烯 |
CN104151129A (zh) * | 2013-05-16 | 2014-11-19 | 中国石油化工股份有限公司 | α-甲基苯乙烯选择性加氢的方法 |
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