JP2004262378A - 車両用ホイールを洗浄する器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ホイール1のディスク2の表面の全部又は一部に可及的近似させた形状の弾性を有するブラシやスポンジなどの洗浄部材7a、7bを用いて、ディスク表面の意匠形状に適合させ、主としてディスク表面に対して円弧及び/又は前後方向に作用せしめることにより車両用ホイールを洗浄する。奥行きの深い孔を構成するデザインの全部又は一部の個々の孔形状に適合するように洗浄部材を配置し、該洗浄部材の高さはディスクの厚さ寸法より大きくして洗浄器具を前後方向に操作したとき脱落しないようにしている。
【選択図】 図1
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、車両用ホイールの洗浄用器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用ホイールの洗浄は、柄の付いたブラシをディスクの表面に当接させ、ホースで水を吸水しながらしごくように洗浄するのが一般的である。近年、車両用ホイールの軽量化が進み軽合金が使用されるようになり、鋳造や鍛造法により多彩な立体的デザインが施されたホイールが多用されている。デザインが施される主たる部分はディスクであり、その多くはスポークやメッシュ調のデザインを施し、孔を設けることでデザインを強調しており、また皿状の円盤の周縁部に小さな孔を設けたディッシュ型のものがある。スポークやメッシュ部分のその他の部分は孔を形成し奥行きの深い側面を有することになり、ディスク表面にブラシを当接させてしごくだけでは奥行きの深い側面を洗浄することは困難である。特にこの側面はデザインを構成する孔につながる部分でもあり、ブレーキの冷却のための空気の流路になっているためブレーキの摩耗粉などが付着し汚れは一層きつくなる。また、ディスクは一般的には塗装仕上げ面となっているために、適度の弾性を有するブラシやスポンジからなる洗浄具を用いて磨くことが必要である。
【0003】
車両用ホイールの洗浄器具に関する先行技術は多数存在するが、回転するブラシをホイールに当接させるような構成の技術が多く、これらのブラシの毛の方向はホイールのディスク面に対してほぼ垂直に位置するようになっているから、上述したような奥行きの深い側面をもちデザインが孔により特徴づけられるようなホイールを洗浄するには不向きである。奥行きの深い側面を積極的に洗浄する先行技術としては、(1)実開平4−10842号と(2)実開平6−66366号などが挙げられる。(1)は歯ブラシ型の洗浄用具でありホイールに当接する部分はスポンジあるいはブラシであり、これらの部分には給水が可能に構成されている。(2)は柄の先頭部に円弧状縁を成すスポンジ等連続気泡を備えたブラシ体を設けたアルミホイール洗浄用ブラシが記載されている。これらの洗浄用具はディスクに形成された繊細な模様の孔に通じる奥行きの深い側面を個別に洗浄することができるが、スポークの本数が多いディスクやメッシュ形状のディスクに対しては可成りの時間を要すると思われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする課題は、奥行きの深い側面を比較的多く有する模様を構成するホイールの洗浄用器具を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ホイールのディスク表面の全部又は一部に可及的近似させた形状の弾性を有するブラシやスポンジなどの洗浄部材を用いて、ディスク表面の意匠形状に適合させ、主としてディスク表面に対して円弧及び/又は前後方向に作用せしめることにより洗浄する。奥行きの深い孔を構成するデザインの全部又は一部の個々の孔形状に適合するように洗浄部材を配置し、該洗浄部材の高さはディスクの厚さ寸法より大きくして洗浄器具を前後方向に操作したとき脱落しないようにしている。一般的にデザインを構成する孔の側面は金型などの抜き勾配を必要としており急峻ではあるがテーパ状になっている。従って洗浄部材は弾性を有していることが好ましく、孔に対して少しきつく当たるように挿入し前後に揺することにより側面を洗浄するようにしディスク全ぶ又は一部を同時に洗浄する。しかしながらデザインを構成する孔の一部が底部を形成するような場合があり、特にリムの形状の影響を受けるディスク周縁部の孔には有底の部分がある。このような場合には孔に挿入される洗浄部材の幅を孔の幅より小さくして円弧運動ができるようにし、底部を洗浄する。この場合洗浄部材の幅方向の側面形状を孔の形状に合致させておけば当接する側面を前後方向に揺することにより洗浄することができる。上述したスポンジは海綿状の樹脂又はゴムで弾性があり、泡状の空隙部分を含むものであり独立発泡型、連続発泡型のいずれでもよい。また洗浄部材を連続発泡型のスポンジを用いて袋状に成形してもよく、これに給水路を設けて供給する水道水の水圧により膨張させて孔側面を押圧し、ディスク面の前後方向に揺動して水の流出を伴いながら洗浄することができる。
【0006】
また、前記ディスク表面の一部のみの意匠形状に合致する洗浄部材を一体に設けた洗浄器具を用いて一部宛洗浄する。ディスクの孔形状は1又は2種類の孔が等角度に配置されることが多く、例えば2種類の孔に適合する洗浄部材を備えた洗浄器具により順次洗浄することができる。この場合は洗浄器具は容積が小さくなり格納にも便利である。
【0007】
本発明は洗浄部材としてブラシやスポンジが用いられるが、洗浄部材がスポンジの場合に一つの孔に嵌合する洗浄部材の全部又は一部を垂直に細かく裁断するか、あるいは予めスポンジの母材から角形及び/又は丸形の断面形状を有する棒状に裁断した物を引き揃えて集合体とした洗浄部材を用いることもできる。特に先端部分を尖状に成形すると孔の隅などに洗浄部材が接触しやすい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図を用いて説明する。図1(a)は軽合金製ホイールの斜視図でありディスクはY字型のスポークを多数設けたスポークタイプのホイールを示す。(b)図はディスクの模様全体に適合するブラシを洗浄部材とした本発明の洗浄器具の全体を後方から示す斜視図である。(c)図は(b)図の洗浄器具を前方から示す斜視図である。図2(a)は外リムの深いホイールの斜視図でありディスクの孔の一部が有底になっている。(b)図はこのホイールに適合する洗浄器具の後方からの斜視図であり、同(c)図は(b)図の洗浄器具の前方からみた斜視図である。
【0009】
【実施例1】
図1(a)は軽合金製のホイール1であり、ディスク2はY字型のスポーク3を8本備えており、4は開口した孔であり略三角形の孔4aと長円状の孔4bから成る。スポーク3は奥行きの深い側面5を形成し側面は孔の壁面を構成する。この側面5は孔4が空気の流路になるためにブレーキの摩耗粉や泥などの汚れが付着し易く、この汚れを洗浄することが本発明の洗浄器具の主たる目的である。また側面5は鋳型あるいは金型で形成されるが、抜き勾配が3度は必要であり急峻であるほどデザインが美しく見えることもあり、深さはハブ(ディスク中央)に近い方で約30〜35mm、リムに近い方で18〜25mm程度である。(b)図に示す本発明の洗浄器具6の洗浄部材7a、7bがスポンジの場合は孔4a、4bの開口部入り口の広さよりやや大きい広さを有するスポンジの成形立体であり円形にディスクの孔に対応した位置に配置され、これらはまた樹脂製の円盤9の片側面に接着されている。洗浄部材7a、7bと円盤9の間に円板形のスポンジ8を介在させてもよくディスク表面を洗浄するほか擦り傷を付けないようにしているほか、後述するディッシュタイプのディスクの洗浄に利用する。10は柄であり洗浄器具6を前後方向(矢印A方向)に揺動させるためのものである。同(c)図は(b)図の洗浄器具の前方側からみた斜視図であり、孔に対応した位置に同じ形状の洗浄部材7a、7bのそれぞれがディスクの孔に対応した位置に配置されている。
【0010】
【実施例2】
図2は別の実施態様を示している。図2(a)は軽合金製ホイール11の斜視図であり、外リム12の奥行きが深い形式のホイールを示しており、孔13aと13bは底部14aと14bが一部に形成されている。これらはリムの形状により生じるものであり通常は緩やかなテーパを形成するが、ホイールの回転軸に直交する程の面を形成する場合は孔の底部となる。これらの底部は外リムが深い上にスポークの先端部が接合するところでもあり、極めて洗浄が困難なところである。このような部分を洗浄するには洗浄部材の形状を変更するとよい。図2(b)は洗浄器具15の後方からの斜視図であり、洗浄部材16a、16bは孔14a、14bのそれぞれに対して幅寸法を小さくしており、周縁部に段差部17aと17bを設けて前出の底部に押し当たるようになっている。洗浄器具15の操作は先ずディスクの孔に洗浄部材全体を挿入し、柄18を矢印B方向に円弧運動をさせて底部14a、14bを洗浄し、円弧運動の反転位置では洗浄部材の側面19aと19bは孔の側面と同じ形状を有して面接触し、その状態で柄18を矢印Cの方向に揺動させて孔の側面の片側を洗浄し、更に反転させて孔の別の側面を洗浄する。洗浄部材16aについても同時に同様な洗浄操作を行うことができる。同(c)図は(b)図の洗浄器具15の前方側からみた斜視図であり、洗浄部材16a、16bの幅WaとWbの寸法は孔のそれより小さくその側面形状は円弧運動(矢印D方向)の反転位置で孔の形状に一致させるように配慮されている。また半径方向の長さLa、Lbは各孔の長さよりやや大きくなっており挿入時には弾性により収縮し孔の半径方向のハブ側とリム側に押しつけられるようになっている。ディッシュタイプのディスクは中央部分は曲面を構成し模様や文字が刻設される場合が多く、ディスク周縁部に孔を形成するから、洗浄部材は周縁部に配置され円板形のスポンジ8が中央部の曲面に接して円弧運動により曲面を洗浄する。
【0011】
【実施例3】
洗浄部材について別の実施態様を図3に示す。同(a)図はスポンジ成形立体の高さ方向に約半分程度を細かく裁断した洗浄部材20a、20bを示している。裁断した個々のスポンジ素子21aは断面が角形で裁断する際の刃物の厚みが隙間を形成するので個々のスポンジ素子は動きやすい状態となりディスクの孔に適合しやすくなる。有底の孔の底部面のテーパ角が小さいものでは外方から挿入するだけで底部を洗浄することができる。(b)図に示した洗浄部材22a、22bは予め断面丸形のスポンジ素子21bを引き揃えて束ねて作成されたものであり、根本部分は接着剤などで固定されている。スポンジ素子の先端部は平坦にカットされているが、(c)図に示すような尖った形状のスポンジ素子21cなど種々の形状にして用いられる。本発明の洗浄器具はディスク孔に対して前後方向に揺動させることを基本動作にしているので、洗浄部材の先端部の形状は隅々まで先端部が入り込むようにすることが好ましい。
【0012】
【実施例4】
図4はディスクの一部分を洗浄するための洗浄器具23を示している。2種類の孔に対応して順次隣接するディスク孔を洗浄する。洗浄部材7a、7bには上述した種々の洗浄部材が適用できる。ディスク全体に対応するよりは小型の洗浄器具となり、デザインを分割する場合必ずしも隣接する孔を対象にする必要はなくディスク中心を対称とする孔を選択することができる。
【0013】
【実施例5】
洗浄部材に立毛状のブラシを用いる場合を図5(a)の全断面斜視図に示す。立毛状のブラシを用いた洗浄器具25はブラシとこれを装着する基盤から構成される。本実施例ではブラシに水を供給する例を示す。基盤27aは円盤状の部分にブラシ26を装着する突出部28a、28bを一体に構成してあり、この突出部は中空構造で外郭形状はディスクの孔形状と相似形であり、少なくともブラシの高さを差し引いた形状であり水を放出するための穴29を備えている。基盤27bは円盤の中央に水道水を供給するパイプ30を一体に構成しており洗浄の際に柄として用いる。円盤の周縁部はネジを構成し基盤27aと螺着し双方を密封固定する。突出部28a、28bの立面に立毛状のブラシを構成するために、本例ではメッシュ状ベルトの片側面に合成繊維を立毛パイルとして編織しメッシュ状ベルトをゴムライニングしたものを適宜長さに裁断し、裁断面を接着固定して環状にしたものを使用するか、直接突出部の立面に巻き付けて接着固定する。図5(b)は環状のブラシ31を示しており、メッシュ状のベルト32には立毛のブラシ26が編織されており、メッシュベルトはゴムライニングされるがメッシュの空隙部は残されているから穴29から放出される水道水はブラシに到達する。33は裁断面を示し突き合わせて接着されている。環状のブラシ31は突出部28a、28bに少し引き延ばされながら嵌入されるが、洗浄時に脱落しないように押さえ板34を突出部に固定してもよい。
【0014】
前出の突出部28を中空構造に作成することから、特にブラシを用いずに連続発泡型のスポンジを用いて突出部を形成してもよい。図6は連続発泡型スポンジを用いた袋状洗浄部材34を貼着したところを示しており、袋状洗浄部材はディスクの孔4にほぼ合致した外郭形状に作成し、水道水の水圧により外郭形状が膨張して孔に強く密着し、連続発泡部分から水の流出を伴いながら前後方向に揺動することによりディスクの孔の側面を洗浄する。基盤27aは突出部を削除したもので、基盤27bは同じ形状のものを用いている。
【0015】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の洗浄器具は各種デザインになるディスクのそれぞれに近似した形状の洗浄部材を用いているので、主としてディスク面の前後方向に揺動することで孔の側面を簡単に洗浄できる。底部を一部に形成しているようなデザインに対しては洗浄器具を円弧運動させたり、柄をこねるような才差運動をさせることにより洗浄する。近年の軽合金製ホイールはデザインが豊富であり主に開口孔を形成してデザインを強調するようにしており、またブレーキが大型になってディスクの内側面に近接しているから、孔にブラシを深く挿入するようなことができない状況にあり、効率よく洗浄するためには本発明のようなデザインの孔の形状に可及的近似させた洗浄器具が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)図は軽合金製ホイールの一例を示す斜視図であり、(b)図は本発明の洗浄用器具を後方からみた斜視図であり、(c)図は(b)図の洗浄用器具を前方からみた斜視図である。
【図2】(a)図は外リムの深い軽合金製ホイールの一例を示す斜視図であり、(b)図は洗浄用器具を後方からみた斜視図であり、(c)図は(b)図の洗浄用器具を前方からみた斜視図である。
【図3】(a)図は洗浄部材の別の実施態様を示す斜視図であり、(b)図はまた別の洗浄部材の斜視図であり、(c)図は更に別の実施態様を示す斜視図である。
【図4】軽合金製ホイールのディスクを一部宛洗浄する分割された洗浄用器具を示す斜視図である。
【図5】(a)図は洗浄部材に立毛状ブラシを用いた洗浄用器具の全断面図であり、(b)図はブラシの実施態様の一例を示す斜視図である。
【図6】連続発泡型スポンジを袋状にして用いた洗浄部材の斜視図である。
【符号の説明】
1 ホイール
2 ディスク
4 孔
5 側面
6 洗浄器具
7 洗浄部材
8 円板形のスポンジ
9 円盤
10 柄
14 底部
17 段差
20 洗浄部材
21 スポンジ素子
23 洗浄器具
26 ブラシ
Claims (4)
- ホイールのディスク表面の全部又は一部に可及的近似させた形状の弾性を有するブラシやスポンジなどの洗浄部材を用いて、ディスク表面の意匠形状に適合させ、主としてディスク表面に対して円弧及び/又は前後方向に作用せしめることにより車両用ホイールを洗浄する器具。
- 前記ディスク表面の一部のみの意匠形状に合致する洗浄部材を備えた請求項1に記載の車両用ホイールを洗浄する器具。
- 洗浄部材の少なくとも一部がスポンジであり角形及び/又は丸形の断面形状を有する棒状物の集合体で構成された請求項1又は2に記載の車両用ホイールを洗浄する器具。
- 前記の棒状物の先端部分が尖状に形成された請求項3に記載の車両用ホイールを洗浄する器具。
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CN108745977A (zh) * | 2018-06-01 | 2018-11-06 | 浙江芊荷科技有限公司 | 一种新能源汽车零部件加工设备 |
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2003
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