JP2004261836A - 極微細精密断面加工用プレス金型とプレス加工方法並びにこれらを適用した要素部品及びこれを用いた各種部品・機器・装置 - Google Patents

極微細精密断面加工用プレス金型とプレス加工方法並びにこれらを適用した要素部品及びこれを用いた各種部品・機器・装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004261836A
JP2004261836A JP2003053980A JP2003053980A JP2004261836A JP 2004261836 A JP2004261836 A JP 2004261836A JP 2003053980 A JP2003053980 A JP 2003053980A JP 2003053980 A JP2003053980 A JP 2003053980A JP 2004261836 A JP2004261836 A JP 2004261836A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
press
element part
component
die
section
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003053980A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Ozaki
康幸 尾崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2003053980A priority Critical patent/JP2004261836A/ja
Publication of JP2004261836A publication Critical patent/JP2004261836A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】薄板高強度合金帯条を被加工材料として適用した場合、微細加工することによる塑性変形問題や加工残留応力問題を軽減できる高速せん断加工が可能なプレス金型を提供する。
【解決手段】上金型可動部と下金型固定部を備えたプレス金型の上金型可動部がプレス機械にて高速せん断加工可能に駆動されるプレス金型で、上金型可動部の主要な構成部材において、鉄より低い密度を有する材料か、鉄より高い比弾性率の材料か、鉄より低い密度と鉄より高い比弾性率を併有する材料を適用するか、構成部材の表面にビッカース硬さHv2000以上の硬質皮膜を表面皮膜処理するか、鉄より低い密度と鉄より高い比弾性率を併有する材料を適用した構成部材の表面に表面皮膜処理をしたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体分野の部品・機器・装置が急速に小型軽量化及び多機能化ならびに高速処理化され、これに伴い小型軽量化と高機能化が急速に波及している半導体関連全般、水晶部品関連、圧電部品関連、熱電部品関連、機構部品関連、計測・試験・検査機器・装置関連、磁気・光記憶部品・機器・装置関連、センサー素子部品関連、精密光学部品関連等において、とりわけ高度な機能が求められる要素部品及びこれを用いた各種部品・機器・装置の分野全般に関する。
【0002】
前記分野の要素部品は、要素部品の果たすべき機能の物理的な範囲が広く、より具体的には、第一に同要素部品の主として力学的な性能と密接な関係を有する同要素部品の各部分を力学的な機能が高い極微細精密断面に加工するプレス金型に関連する技術分野であり、第二にプレス金型を備えこれを用いてプレス加工するプレス機械及び同機械を用いた塑性加工技術に関連する製造技術分野であり、第三に同要素部品の製造に用いられる被加工材料の物理的特性の最適化応用に関連する技術分野であり、第四に同要素部品の表面に表面処理される皮膜が有する物理的特性の最適化応用に関連する技術分野であり、第五に同要素部品自体が構成するか、又は他の要素部品との間で構成する各種部品・機器・装置の物理空間が有する物理的特性の最適化応用に関連する分野であり、第六に同要素部品の各部の表面を接触表面又は非接触表面として活用する技術分野等に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、高度な機能を要求される要素部品又は各種部品・機器・装置には、高速処理大規模集積回路装置及び半導体装置用多ピンリードフレーム要素部品、低背高密度実装用接続部品・装置及び同部品用接触弾性ばね要素部品(端子)、大電流高密度実装用接続部品・装置及び同部品用接触弾性ばね要素部品(端子)、高速電気信号伝送用接続部品・装置及び同部品用接触弾性ばね要素部品(端子)、超小型変成部品・装置及び積層要素部品(ラミネ−ター)、極薄平板アンテナ部品及び同アンテナ用回路要素部品(電極)、試験測定部品及び同接触要素部品(針、ピン、コンタクタ等)、無線信号伝送部品及び同非接触要素部品(RFコンタクタ)、光ピックアップ部品及びサスペンションばね要素部品、カメラ部品及び高速シャッターブレード要素部品、高速直動ベアリング部品及び同保持要素部品(ステーター、スペーサー)などがあるが、これら前記した要素部品はそれぞれの目的に応じて精密微細な寸法の幾何形状をした外形を有し、多くの場合同外形はプレス金型による打抜きプレス加工によって形成されるのが一般的であった。通常、前記した要素部品を構成する材料には、例えば「多ピンリードフレーム用銅合金」(例えば、特許文献1参照)、「リードフレーム用Fe−Ni系合金板」(例えば、特許文献2参照)などの銅系あるいは鉄系の薄板金属帯条を材料か、又は「端子、コネクター用Sn又はSn合金めっき材(例えば、特許文献3参照)」)などの薄板金属帯条の表面に皮膜処理された材料などがあり、弾性と塑性を併有することが特徴の金属材料を主要な被加工材料として、これを「精密プレス金型」(例えば、特許文献4参照)に順次に送り込み、同プレス金型が加工動作することによって微細加工するプレス加工方法か、又はプレス加工方法を適用できない何らかの理由がある場合には「リードフレーム及びその製造方法」(例えば、特許文献5参照)にみられる化学エッチング加工する微細加工方法によって、微細な寸法の外形パターン形状を加工していた。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−193429号公報(第1頁、図1)
【特許文献2】
特開平07−034200号公報(第1頁、図1)
【特許文献3】
特開2002−088496号公報(第1頁、図1)
【特許文献4】
特開平09−05736号公報(第1頁、図1)
【特許文献5】
特開平11−097612号公報(第1頁、図1)
【0005】
【従来技術の諸問題】
前記要素部品の外形を加工するに用いた薄板金属帯条は弾性と塑性を併せ有することが特徴の金属材料であり、金属材料は、その製造工程における圧延機によって多くの場合1mm以下の厚みに薄く冷間圧延されて形成されることによって、同薄板金属帯条の内部には塑性加工による加工残留応力が存在している。 さらに、同金属帯条が被加工材料としてプレス金型に送り込まれ、該要素部品の外形の微細な平面寸法パターンとほぼ類似する平面位置に配された工具切り刃(パンチとダイ)を具備するプレス金型を用いて要素部品と打抜き屑を切り離すいわゆる切断加工(プレス金型によるプレス加工分野では、単に打抜き加工ともいう)された場合、例えば「リードフレームの製造方法」(特許文献6参照)に記載されるように、該要素部品の平面的幾何寸法のパターンが被加工材料である薄板金属帯条上にスタンプ(転写)されることにより、同プレス金型の平面的な精度に相応した精密な再現が可能となるものの、一方では、例えば「リードフレーム製造用プレス金型に用いるダイ及びパンチガイドの製作方法」(特許文献8参照)、あるいは又「リードフレーム用打抜き金型」(特許文献9参照)等従来のプレス金型を用いて加工された該要素部品の全体が変形したり又は要素部品が塑性歪みを受けた特定の部分の断面の空間位置が、プレス加工後において変位する問題が生じていた。該変位する問題は、例えば「リードフレーム用プレス金型における巾反り修正機構」(特許文献7参照)や「リードフレームの製造方法」(特許文献10参照) に記載される歪取り焼鈍法やテープ貼着法、あるいは又「リードフレームおよびその製造方法」(例えば、特許文献11参照)に記載されるインナーリード変形防止法等に記載される修正技術よって修正が図られ、同問題から派生する要素部品の機能的障害を低減する手段とされていた。しかし、該要素部品の機能的障害の低減程度が充分でない場合、あるいは同機能的障害が該要素部品の致命的機能障害となる場合においては別の微細加工技術による製造方法が適用されていた。
【0006】
【特許文献6】
特開平11−297914号公報(第1−2頁、図1)
【特許文献7】
特開平08−279581号公報(第1頁、図1)
【特許文献8】
特開平08−571176号公報(第1頁、図1)
【特許文献9】
特開2000−260923号公報(第1頁、図1)
【特許文献10】
特開2000−332180号公報(第1−3頁、図1)
【特許文献11】
特開平11−097612号公報(第1−3頁「001
6」−「0021」、図1)
【0007】
前記した別の微細加工技術では、すなわち化学エッチング法で微細加工する方法においは、化学エッチング液と被加工金属材料との溶解反応を利用して加工することから溶解反応速度がエッチング加工する速度と見なせ、同溶解反応の速度はエッチング液中の溶解イオンの拡散速度に大きな影響を受けた速度となることから、同エッチング加工速度は拡散速度が最も速い被加工材料の表面及びその近傍から被加工材料の板厚の中心部の近傍へ向かうにつれて遅くなることが原理的に避け得ない。したがって、一般的に化学エッチング加工された要素部品の断面形状は、図22に例示した如くの例えば略六角形など異形形状となるのが通常であった。該略六角形などの異形の程度を軽減して微細な寸法パターン形状の精度を向上するためには、同化学エッチング加工に適用される被加工材料は、より板厚が薄くかつより強度が高い性質を併有する薄板金属帯条が有利であると思慮され、一般に薄板高強度合金帯条が多用されるに至った。しかし、同薄板高強度合金帯条は前記した冷間圧延の工程での圧延率をさらに高めて生産されることにより、同薄板高強度合金帯条の内部には前記したよりさらに高い加工残留応力が表面から内部に向かって分布しており、同表面及び内部に分布した高い加工残留応力が互い釣り合うことにより被加工材料の帯条形状の平面性が保持されている。該薄板高強度合金帯条を被加工材料として、これに化学エッチング加工法により微細加工を施した場合、目的とする要素部品が同被加工材料から化学的溶解反応によって切断加工されると、被加工材料の平面性を維持し釣り合っていた前記(圧延による)加工残留応力も合せて切断・開放されることによって、形成された該要素部品自体が弾性変形する問題が生じていた。すなわち、外力が作用することなく、化学エッチング加工された要素部品を構成する断面の空間位置が、前記断面に蓄積されていた応力エネルギーにより弾性的に変位する問題となり、化学エッチング加工によって微細加工した要素部品においても、例えばソリ問題や寄り問題などの諸問題が依然として避けえない問題となっていた。
【0008】
弾性と塑性を併有する薄板高強度合金帯条を被加工材料として用いた被プレス加工品である要素部品の問題は、同被加工材料が圧延製造される際につくり込まれた圧延加工残留応力と、その後同被加工材料がプレス加工される際につくり込まれたプレス加工残留応力とが重畳して複雑さを増した問題ということができる。つまり、プレス加工での打抜きせん断荷重力エネルギーは、プレス金型に配された打抜き加工パンチをかいして被加工材料へ伝えられ、被プレス品である要素部品の内部の応力を高めた加工残留応力エネルギーと被プレス品である要素部品の加工断面を歪ませる歪エネルギーとになり、同要素部品の加工断面は被加工材料の有する変形能にしたがって特有の歪み方をすることになる。従来のプレス加工条件下において得られる被プレス加工断面の性状は、したがって高いプレス加工残留応力と複雑な幾何形状(例えば、図11従来要素部品の最大曲げモーメント部の断面拡大写真を参照)を併有することによって特徴づけられ、該要素部品の物理的な機能に重大な影響を与える問題があった。
【0009】
金属材料を被加工材料とし前記特許文献4に参照される「精密プレス金型」を用いたプレス加工条件下においては、カス(打抜き屑)上がり不良や破断屑の蓄積による打痕不良など被プレス加工部品の品質不良問題、あるいは又カス(打抜き屑)転びによるダイ破損やダイの焼付き防止などプレス金型の破損問題、あるいは又上記特許文献1に参照される「多ピンリードフレーム用銅合金」が被加工材料として多用される問題等により、同被加工材料に対する冷却潤滑剤液の適用が避け得ないと思慮されてきた。すなわち同冷却潤滑剤液は、前記被加工材料の抜きカスが打抜きパンチ切り刃へ焼付き同パンチの損耗を引き起こし易い材質へと変わってきたことから、同パンチをはじめとする金型工具切り刃を磨耗から保護するために、「振動プレス加工法および振動プレス金型」(例えば、特許文献12参照) [従来の技術]に記載される高粘度加工油等が経験的に使用されてきた。また一方では、前記打抜きせん断荷重力の高圧力下におけるプレス加工では、プレス金型に配された多くの精密な金型部品同士が接触し摺動することによる摩擦発熱問題や金型部品の磨耗問題などが生じることから、これらのプレス金型の問題を軽減するための高粘度金型油等が経験的に適用されてきた。したがって従来のプレス金型を用いて製造された要素部品の製造工程においては、少なくとも該要素部品に付着した前記二種類の高粘度油をプレス後工程で洗浄し除去する工程が必要とされ、一般的には有機系の脱脂溶剤による洗浄工程をもうけ脱脂洗浄するのが通常であった。前記した有機系の脱脂溶剤を工場内において適用することによって、該洗浄工程の作業者に健康上の影響を与える問題のほかに洗浄設備の設置場所の汚染問題や地球環境への影響が懸念される問題など深刻な課題となっていた。
【0010】
【特許文献12】
特開平11−300423号公報(第1−3頁、図1)
【0011】
近年、各種機器・装置が急速に多機能・高機能化されるにつれ、これらに用いられる要素部品も急速に高密度実装が可能な形態に変化しつつある。要素部品の形態変化の特徴は、微細寸法の形状パターンの高精度化と幾何形状寸法サイズの大型化が同時進行することによる被加工材料厚みの薄板化であり、いわゆる前記した薄板金属帯条の多用になっていることである。かかる動向を反映した要素部品を製造するプレス金型においては、微細寸法を高精度にプレス加工するためにプレス金型の剛性を高く保持する必要からプレス金型が重厚長大に変化することとなった。該プレス金型の重厚化傾向は、これを日常取り扱うプレス金型補修作業者及び関連作業者に対しては重量物作業と微細精密作業の異質な作業を同時に並行して実行する必要性があることによって作業環境負荷を高め、同プレス金型にプレス加工荷重力を負荷する役割を果すプレス機械に対しては加圧能力がさらに高い大型プレス機械の適用を促進させることによって、駆動エネルギーの消費量を高めて地球環境負荷を高める結果となっていた。該プレス金型の重厚長大化傾向は、該プレス金型に配された塑性加工用の多数の工具切り刃の数を一組の加工工具セットとして要素部品の各部を連続的にプレス加工するため機構(順送りプレス加工機構と定義する)を多用することとなり、同機構を用いたプレス加工作業の生産性を向上するためには、前記した一組の加工工具セットの工具寿命をほぼ均等に近く維持する必要性が生まれた。しかし該要素部品の各部を精密微細に加工する一組の加工工具セットの中には、例えばある特定の微細部分を打抜き加工する加工パンチとその他の精度を必要としない部分を打抜き加工する加工パンチとではそれぞれの磨耗量が異なるが如くの現実がある。したがって、工具寿命をほぼ均等にする簡易的手段として、前記被加工材料に対して経験的に使用されてきた冷却潤滑剤液の粘性をさらに一層高めた高粘度加工油を適用するか、或いは又同剤液の使用量を増大して使用する手段が一般的に採用される。しかし、前記プレス金型は薄い被加工材料を長大に搬送する行程を有するが故、同加工油の粘性を高めると、薄い被加工材料自体が搬送される工程で接触する平面に張り付く現象となり精確な搬送ピッチで搬送できないトラブルが多発することとなり、被プレス部品の品質トラブルや同プレス金型の重大破損事故が多発していた。前記したトラブルや事故が重大事故となった場合には、例えば前記した高粘度加工油の中へ各種溶剤を加える手段などにより同加工油の粘性を低減して重大事故が生起する確率を低減しつつプレス加工生産の続行を試みたりするなど生産現場の経験的対策で凌ぐなどしていたが、同生産現場の経験的対策によって有機溶剤を用いた場合には、かえって工場内作業環境全体の負荷を格段に高める欠点とともに同環境下で作業する作業者の健康に重大な懸念を生じさせていた。すなわち、微細寸法形状を有する要素部品の製造方法において、従来のプレス金型を用いて塑性加工する微細加工技術は、従来のプレス金型が重厚長大化することによって自らの限界を呈するとともに零細中小企業が大半をしめる金属プレス加工産業の限界ともなっていた。
【0012】
微細寸法形状を有する要素部品の製造方法において従来のプレス金型を用いて塑性加工する微細加工技術の限界に鑑み、新たな高密度実装に用いられる接触弾性ばね要素部品の例として、「柔軟性ワイヤからの電気的接触構造」(例えば、特許文献13参照)が開示されており、半導体装置の配線接合に用いられるワイヤボンディング法で金の極細線を微細寸法形状のワイヤステムに成形加工し、同ワイヤステムの表面に機械的特性が優れたニッケル、又はその合金をコーティングすることによってスプリング機能を付与する方法が提案されている。
【0013】
【特許文献13】
特開2001−77250号公報(第1−30頁、図1)
【0014】
またさらには、高密度実装に用いられる同接触弾性ばね要素部品の例として、「スパイラルコンタクタ、−−−−」(例えば、特許文献14参照)があり、これによれば、厚み18μmの銅箔あるいは厚み38μmの銅板からフォトリゾグラフィー法により微細なスパイラル形状をもつ平面状のコンタクタ原形を得、その表面に機械的特性が優れたニッケルメッキをすることによってばね弾性を付与したコンタクト要素部品、すなわちスパイラルコンタクタの製造方法が開示・提供されている。該特許出願文献によれば、平面上に形成されたスパイラルコンタクタは、コンタクト導体全長を短縮できる特徴があるため、「高速伝送用コネクタ」(例えば、特許文献15参照) の[課題]に記載される高周波信号や高速信号に対する優れた伝送特性を有する可能性が高いことや、あるいは「高速伝送コネクタおよびリード線の結線方法」(例えば、特許文献16参照) の[課題]に記載される伝送路差の少ない高精度な高密度実装用要素部品として注目されている。
【0015】
【特許文献14】
特開2001−77250号公報(発明の詳細な説明の
欄、図1)
【特許文献15】
特開2002−270307号公報(発明の詳細な説明
の欄、図1)
【特許文献16】
特開2002−246077号公報(発明の詳細な説明
の欄、図1)
【0016】
しかしながら、前記の二種類の接触弾性ばね要素部品の例においては、被加工材料となる母材に金極細線やアルミ極細線などの柔軟性ワイヤー材料や、又は銅箔あるいは銅板など強度が低い材料が用いられており、弾性ばね要素部品に必須のスプリング弾性を得るためには、被加工材料に比較して大きな剛性率と強度を有する金属層(例えばニッケル、鉄、コバルトなど)を該要素部品の表面へ被覆することによって、該要素部品の強度を補強しなければならない材料力学上の基本的問題を内包している。すなわち一般に、要素部品が外力を受ける場合において、同外力のエネルギーは要素部品の応力エネルギーとなり、応力の大きさ(応力値)は同要素部品の表面において最大となり、最大応力の向き(引張又は圧縮)が引張である局所の応力値が許容応力値を超えると何らかの破壊が始まるという経験知識がある。この経験知識に鑑み、前記被覆層に用いられるニッケル金属或いはニッケル系合金の結晶は、用いられた母材(柔軟性ワイヤ材料や銅箔或いは銅版材料)に比較して小さい格子定数であるため、大なる格子定数である母材結晶から引張方向の応力を受けつつ成長することになり、成長した結晶層はすでに引張方向の応力エネルギーが高い結晶となり、弾性ばね要素部品が例えば電気的接触を成就するに充分な外力荷重を受けた際に生ずるばね弾性エネルギーを新たに受け入れる余地が減少し、したがって前記した何らかの破壊が開始し易いという問題が懸念される。また、同要素部品の表面へ被覆処理するニッケル金属又はニッケル系合金層は、母材に比べて高い縦弾性係数を有しているため、要素部品に作用した外力により該被覆層の表面に生起した引張応力値を弾性係数値の比率でさらに増大させる作用となり金属疲労強度を低下させるとともに、該要素部品の表面粗さ(凹凸)による応力集中現象を考慮すれば、微小な突起局部から前記した何らかの破壊が開始する確率機会が増大する懸念もある。さらには、前記した要素部品の表面に被覆するニッケル金属又はニッケル系合金層は高い電気抵抗率を併有することから、高周波成分を多く有する高速電気信号の伝送回路において、ジュール発熱と伝送損失上の障害となり易い欠点があり、前記した接触弾性ばね要素部品の表面へ被覆する物質の持つ電気的・電磁気的・熱的・機械的特性などの物理的性質を再検討し、該要素部品の母材が有する物理的性質と最適化協働させ、接触弾性ばね要素部品としての基本的な機能を高機能化しなければならぬ基本問題を内包していたのであった。
【0017】
前記した接触弾性ばね要素の製造工程においては、ボンディングマシン機やフォトリゾグラフィー装置など新方式の製造設備に対する新設備投資が必要となるほか、これらを運用する環境に対する新投資(例えばクリーンルームなど)が必要となり、新規設備投資に関するリスク問題があった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した従来技術の諸問題に鑑みて、まず薄板高強度合金帯条を被加工材料として適用した場合において、微細加工することによる塑性変形問題や加工残留応力問題を軽減できる高速せん断加工が可能なプレス金型を開発し、つづいて高速せん断加工が可能なプレス機械及びプレス加工方法を開発し、これらを組み合わせ適用することによって、要素部品の性能に影響する要素部品の各部分を加工残留応力を低減した極微細精密断面にプレス加工して要素部品の性能を高機能化するとともに、各種の冷却潤滑剤液の使用を省略可能な超小型精密プレス加工システムへの適用を開示し、同システムを適用することによって高機能な要素部品をプレス加工製造する際の従来の作業環境リスクの負荷の軽減及び地球環境リスクの負荷の低減を可能とするものである。さらに、前記した被加工材料を金属材料に留めることなく、金属結合形態ではない他の結合形態を有する各種複合機能材料あるいは同複合機能材料と金属材料とを組み合わせ配した材料に拡張して応用し、これに高速せん断加工が可能なプレス金型を適用することによって該要素部品の性能に影響する要素部品の各部分を加工残留応力を低減した極微細精密断面にプレス加工して該要素部品の性能をさらに高機能化するとともに、該要素部品の各部の表面に対して行う表面処理技術において、該要素部品のプレス加工製造において被加工材料となった材料の物理的性質と表面処理される皮膜の物理的性質を最適化協働させることにより該要素部品をさらに高機能化するとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しようとするものである。
【0019】
具体的には、弾塑性を併有することが特徴の金属材料を被加工材料とした従来のプレス金型において、一回の打抜き加工動作サイクルで得られる加工面(切り口面ともいう)は、被加工材料が曲げ引き伸ばされた曲面(=ダレ面)、せん断加工された面(=せん断面)、被加工材料が圧縮加工硬化されて破断した面(=破断面)の生成が避け得なかった。このため、打抜きパンチ切り刃側面とせん断加工面との間の摩擦発熱と被加工材料が圧縮され塑性変形する過程で生起する圧縮塑性変形発熱とが避け得ず、したがって被加工材料に対して冷却潤滑効果を有する塑性加工用プレス加工油(冷却潤滑剤液)の適用が避け得ないと当業者において経験的に使用されていることが課題であった。
【0020】
プレス打抜き加工された前記加工面において、ダレ面には主として引張方向の大なる残留応力が、せん断面には主として引張方向の小なる残留応力エネルギーが、破断面には主として圧縮方向の大なる残留応力エネルギーがプレス加工残留応力エネルギーとして付与されていることから、微細な加工面における前記した各種の加工残留応力は、被加工材料が弾塑性を併有する金属材料である限り、経験的に低減し難いと思慮され課題となっていた。すなわち、一回の打抜き加工動作サイクルによって打抜かれた加工面に存在するプレス加工残留応力は低減し難いことから、むしろ同一プレス金型内において二回目の打抜き加工サイクルにより打抜かれる加工面のプレス加工残留応力とほぼ均衡させる手段を選択することによって、被プレス加工品である要素部品の断面における各種の障害(例えば、断面の図芯変位など)に対処しようと着眼したことがその後におけるプレス金型の重厚長大化の出発点となり課題となっていた。すなわち、本発明は、二回以下のプレス加工サイクルで、プレス加工による残留応力を抑制・制御可能でかつ被プレス部品である要素部品の断面がほぼ完全な矩形形状若しくは極微細精密断面形状であり、かつ前記断面の図芯がプレス加工後に変位することが少ない高機能な要素部品(本明細書では、このような性状を有する断面を単に、極微細精密断面と定義する)をプレス加工可能なプレス金型を開発することを第一の課題とする。
【0021】
弾塑性を併有することが特徴の金属材料を被加工材料として、従来の重厚長大化したプレス金型で微細寸法形状(例えば、インナーリード部など)を有する要素部品(例えば、多ピンリードフレーム要素部品など)を打抜き加工する場合において、同微細寸法形状部の被プレス加工断面は被加工材料の板厚とほぼ同程度かあるいはそれ以下の部品幅寸法(インナーリード)に打抜き加工することが求められることから、該微細寸法部の長軸上に連なる被プレス加工断面には転び現象(例えば、図14の圧縮変形船底形状49を参照)が生じ、前記した極微細精密断面が形成できないばかりか該要素部品の力学的な機能を低下させ問題となっていた。この原因は前記プレス金型の上金型可動部に配されたストリッパー(あるいは、単に可動ストリッパー)が被加工材料に衝突して衝撃振動することにより被加工材料を安定して押さえつける機能が低下したために生ずる現象であることから、通常同ストリッパーの振動軽減策を講ずることとなる。一般的に、ストリッパーの振動軽減策としては、打抜き加工時のストリッパーの安定化とストリッパーの運動エネルギーの低減が考えられるが、実施が容易という観点から前者が選択されるのが通常であった。 しかし、ストリッパーの安定化を図るため従来の重厚長大なプレス金型において、板押さえ力を増加することはその分だけ大きな打抜き加工荷重力を必要とすることとなり、したがってより大きな加圧能力を有したプレス機械を必要とすることとなり従来のプレス加工システム全体の重厚長大化を促進するとともに、大きな加圧能力によるプレス加工システムは高粘度金型油及び冷却潤滑剤液の大量使用となり、悪循環を繰り返すという課題があった。
【0022】
従来のプレス金型で該要素部品をプレス打抜き加工する際に多用した前記高粘度金型油及び冷却潤滑剤液は、該要素部品及び打抜き屑に付着して金型内より排出されるため、該要素部品の製造次工程ではこれを脱脂溶剤により除去する工程の追加が必要となり、製造コストを更に押し上げるばかりでなく 工場内作業者と地球環境の健康にとって極めて重大な懸念と課題になっていた。また、前記の油類が付着した打抜き屑は、同屑が接触した容器その他に付着して材質種類の異なる屑が混ざり合うことにより、展開屑としての評価価値の下落をまねき要素部品の材料費を押し上げることによって該要素部品を製造するコスト上の課題となっていた。
【0023】
従来、微細精密で高機能な要素部品に関わる産業構造は、プレス金型とプレス加工方法とに関わる微細加工技術分野、これに高機能な被加工材料を供給する材料技術分野、微細精密な要素部品に高機能な表面処理を施す表面処理技術分野、これをパッケージに実装する高密度実装技術分野等の工程別に細分化して構成されており、微細精密な要素部品の物理的機能を迅速に最適化して活用するに困難をともない、とりわけ中小零細形態が大半を占めるプレス加工法による微細加工技術分野、及びこれと密接な関係を有する表面処理技術分野においては独自技術の開発・発展、あるいは又当業社との連携・協働が困難な状況であり、当該産業分野において、要素部品の高機能化する技術を開発する上で厳しい限界となり、極めて重大な課題となっていた。
【0024】
すなわち当該産業分野では、プレス金型、プレス機械、プレス加工システムを含むプレス加工製造方法、表面処理皮膜及び被加工材料の物理的性質の最適協働化を一連の技術として要素部品の製造に適用し、要素部品の機能を高度化するとともに同要素部品を利用した各種部品・機器・装置の高機能化・高密度実装化を実現するに困難を伴う課題を有していた。
【0025】
【課題を解決するための作用又は手段】
請求項1について
従来のプレス金型に関する説明図を図1に、従来のクランク式の自動プレス加工機械とプレス加工工程の説明図を図10に示して構成を説明する。
一般に、微細精密なパターン形状を有する要素部品をプレス加工するには、自動順送り機構装置21によって被加工材料10を定位置の前工程ステージ工程11に、そして順次に定位置の後工程ステージ12に移動させ、各工程ステージで独立した打抜き、曲げ、潰し、絞りなどの単一加工を被プレス品である要素部品の各部に施すプレス金型が用いられる。
本発明で適用される要素部品の具体例を列挙すれば、半導体回路部品・装置等に使用されるリードフレーム,水晶発振機器・装置等に使用されるステム、リード、ベース,圧電センサー部品、熱電センサー部品等に使用されるターミナル、端子、電極,圧力センサー部品等に使用されるダイヤフラム,微小トランス部品等に使用されるラミネート、積層板,微小コイル部品等に使用される3D−,2D−インダクタ,微小コンデンサ部品等に使用されるマイクロキャパシタ、マイクロ電極板,スイッチ、リレー、コネクター、モーターなどの機構部品、駆動部品等に使用されるコンタクト、弾性接触子,計測・検査・試験部品等に使用されるピン、針、コンタクタ,非接触無線回路部品等に使用されるRFコンタクタ,送受信部品等に使用される3D−,2D−アンテナ回路,カメラ、時計、撮像部品等に使用される高速シャッターブレード、マイクロ歯車、マイクロシャフト,HDDなどの記憶装置部品等に使用される高速スイングアーム,光ピックアップ部品等に使用されるサスペンションスプリング,ベアリング部品等に使用されるステータ、制止板などがある。しかし、前記各種部品・機器・装置に使用される要素部品はあくまでも例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の要素部品も適用される。また、該要素部品は請求項1に適用される他、請求項2〜請求項30についても同様に適用される。
【0026】
従来のプレス金型は上下の型を有し、上金型プレート1は、ダイホルダー14に設置されたダイ11又はダイ12と協働して上部から被加工材料10を所定の板押さえ力で挟圧するストリッパー7と、ストリッパー7と共に降下した後ストリッパー7から突出して被加工材料10を打抜く凸型の打抜き加工パンチ4と、打抜き加工パンチ4を固定支持するパンチホルダー3と、打抜きパンチ4に生起した打抜き加工荷重力(打抜きせん断抗力)を受け止めるパンチバッキングプレート2と、ストリッパー7に所定の板押さえ力を提供する板押さえ圧縮ばね6と、その他吊ボルト等(図示せず)とから成る。この上金型の可動部は上下往復(加圧降下と引抜上昇)運動のためのガイドポスト16によってガイドされている。下金型の固定部は下金型プレート15にダイホルダー14が載置され凹型切り刃工具のダイ11又はダイ12が配された構成である。すなわち、プレス金型の構造は、原則として、パンチ・ダイで構成される刃部と、ダイプレート、パンチプレート、バッキングプレート、ダイセットで構成される保持部と、ストリッパープレート、ガイドピン、ガイドブッシュ、コイルスプリング、ショルダーボルト、ロケーションピンで構成される補助部とからなり、ワークをプレス加工するものである。ただし、プレス金型の構造はその用途等により刃部と、保持部と、補助部の一部の部品はさらに付加されたり、あるいは削除されることもある。
【0027】
従来のプレス金型の構成において、上金型プレート1はプレス機械のスライド28に固定され、運動の上死点33(運動速度ゼロ)から加速して降下をはじめ、降下運動の最高速度に達する。さらに同上金型プレートは降下をつづけ、ストリッパー7が被加工材料10に接する位置まで降下して、同上金型プレートとストリッパー7との間に配された板押さえ圧縮ばね6を圧縮しつつ降下をつづけ、前記圧縮ばねの弾性力による板押さえ力を受けたストリッパー7が被加工材料10をダイの上面との間で挟圧し、ダイ面上に被加工材料を固定する動作となり、降下加圧運動の速度は減速をはじめる。さらに、前記プレス機械の大なる加圧能力によって上金型プレート1が僅かに降下すると板押さえ圧縮ばね6はさらに圧縮されて、その降下量に相当する量だけ打抜き加工パンチ4及び打抜き加工パンチ5が突出し、ダイ11及びダイ12と協働することによって被加工材料10の打抜き加工を行う。この打抜き加工を行う時間帯において、前記打抜き加工パンチの切り刃が打抜き加工する速度は、被加工材料の変形抵抗力を逆方向に向かって受けることにより、前記した降下加圧運動の速度がさらに減速されて更に遅いものになっている。 打抜き加工パンチは打抜き加工が終了後さらに僅かに降下して打抜きスクラップ17を凹状のダイの穴の中に押し込む動作をし、降下加圧運動の下死点34に達して運動速度ゼロとなった後、反転して打抜き加工パンチをダイの穴から引抜きつつ上昇をはじめ、上昇運動の上死点33へ復帰して一回の打抜きサイクルが終了し、その後、前記したプレス加工のサイクル動作を連続して繰り返して上下方向の往復運動をする。 ここに、プレス機械のスライド28とともに上死点と下死点間を往復運動する速度、即ち往復運動のストローク距離をその所要時間で除して往復運動の平均速度とし、また、被加工材料の板厚み(距離)を打抜き加工パンチが同材料表面に接してから打抜き加工を完了するまでに要した時間で除して打抜き加工速度とすることによって、両者を区分する。
【0028】
微細精密な幾何寸法パターン形状に高い精度が要求される要素部品を製造するプレス金型においては、要求される微細形状の高い精度を反映するために、上金型に固定された切り刃工具の打抜き加工パンチ4又は5と下金型に固定された切り刃工具のダイ11又は12との間に、精密なクリアランス13が保持されなければならない。したがって従来のプレス金型においては、同プレス金型に配された上金型可動部が往復運動する間中クリアランス13を精密に保持するために、同上金型可動部の剛性を高く保持する必要性のために、同上金型可動部を構成する主要な構成部材にたいして、安価で剛性率の高い鉄鋼系材料や、工具切り刃の部材には鉄鋼系材料よりも剛性率が極めて高いタングステンカーバイド(超硬合金)などの材料が金型用の金属材料として広く用いられている。
【0029】
プレス金型に配された上金型可動部は大型化してきており、前記金型用の工具材料は密度が高いことによって、同上金型可動部の重量は重くなっている。そこで本発明においては、上金型可動部を構成する主要な部材に対して鉄よりも密度が低い材料を適用することによって該上金型可動部の総重量を軽量化し、当該部が往復運動するに要する運動エネルギーを低減して該運動速度を高める手段とし、該上金型可動部を日常的に取り扱わなければならない作業者に対しては取り扱いを容易にしつつ、該上金型可動部の往復運動を駆動するエネルギーの消費量を低減する手段とする。すなわち、本発明では、プレス金型の上金型可動部を軽量化してその運動速度を高速化することによって、同上金型可動部に配された打抜き加工パンチの打抜き加工速度を高速化して高速せん断加工速度に近づける構成である。
【0030】
前記した如くプレス金型の上金型可動部には高い剛性が求められることから、本発明では、同上金型可動部の少なくとも一つ以上の主要な構成部材に対して、好ましくは鉄よりも高い比弾性率の材料、即ち縦弾性係数を密度で除した指数が高い材料を適用することによって、同上金型可動部の単位重量当たりの剛性を高く保持して、高い寸法精度を要求される要素部品の極微細精密断面を形成する手段とする。また本発明における表面皮膜処理は、通常、ビッカース硬さHv2000以上の硬質皮膜は鉄よりも高い剛性率を有することを利用して、該上金型可動部の主要な構成部材における剛性を向上する補助手段とする。 より好ましくは、鉄よりも低い密度ならびに高い比弾性率を併有する材料を適用して、同上金型可動部の単位重量当たりの加工速度の高速度化ならびに被プレス加工品である要素部品の高精度化を同時に実現する手段とする。よって本発明では、高いプレス加工精度が求められる要素部品を製造するプレス金型において、鉄に比べてより低い密度ならびにより高い比弾性率を併有する材料を該プレス金型の上金型可動部のできるだけ多くの主要構成部材に適用し、該主要構成部材の表面にビッカース硬さHv2000以上の硬質皮膜を表面皮膜処理することが、最も望ましい手段である。
【0031】
請求項2について
プレス金型において、該プレス金型の上金型可動部を構成する主要な構成部材には剛性を保持するために通常は鉄鋼材料が用いられ、 該上金型可動部に備わったストリッパー7が降下する運動は、重量:M、運動速度:vとしたとき、E=1/2(MV)の運動エネルギーを保有しつつ被加工材料10の表面へ衝突し、その後板押さえ圧縮ばね6の弾性力(板押さえ力)により同材料10を挟圧する動作となる。ストリッパー7の該運動エネルギー(E)は、被加工材料10の表面を叩く衝撃エネルギーとストリッパー7自体が振動するエネルギーとに転換され、衝撃エネルギーを受けた被加工材料10の表面は鍛圧されて圧縮(塑性)変形されたのち前記した板押さえ力によりダイの上面に固定される。ストリッパー7の前記した振動エネルギーは同ストリッパー7が保有する略縦波音速度で被加工材料10、パンチガイド部品8、板押さえ圧縮ばね6、打抜きパンチ4及び5、その他接触する金型部品等を介して金型各部へ伝播し、その後は、プレス金型の力学的構造に固有の減衰曲線にしたがって減衰することになる。
【0032】
本発明では、プレス金型の上金型可動部に備わったストリッパー7の単板材料において、該単板(単にプレートともいう)の厚み7aを少なくとも加工パンチ全長の5%以上か、あるいは被加工材料厚み以上のできるだけ厚い厚みを有する単板を用いて形成することによって、同ストリッパー7の断面二次モーメントを大きくする作用となり、ストリッパー7の振動振幅を低減する手段となる。また、同5%以上のできるだけ厚い厚みを有するストリッパー7は、これを貫通するパンチ穴にパンチガイド機能を付加することによりできるだけ長いパンチガイド摺動部を形成可能とし、加工パンチを保護する補助手段ともなる。
【0033】
本発明では、プレス金型に備わったストリッパー7の単板材料において、鉄より低い密度の材料を適用することによって、プレス加工工程における被加工材料10の表面を叩く衝撃エネルギーを低減する手段とし、好ましくは鉄より高い縦波音速度の材料を適用することによって、ストリッパー7の衝撃振動エネルギーを金型各部へ伝播する速度を早めて振動減衰を早める作用となり、ストリッパー7が被加工材料10を狭圧する際の被加工材料10をダイ面上に安定に固定する板押さえ機能を高めて、前述した転び現象がない極微細精密断面をプレス加工できる手段となる。さらに、前記の安定した板押さえ機能がえられたストリッパー7は、当該プレス金型の板押さえ力の必要範囲の下限界を拡張する作用ともなり、プレス金型の上金型可動部に配された打抜き加工パンチの打抜き加工速度を高速化する手段とすることができる。より好ましくは、鉄より低い密度と鉄より高い縦波音速度を併有する材料を用いてストリッパーを形成し、かつ該ストリッパーの表面にビッカース硬さHv2000以上の硬質皮膜を表面皮膜処理することによって、該硬質皮膜の鉄より高い剛性率を利用してストリッパーの剛性を高め、前記ストリッパー振動の振動振幅を低減するとともに該ストリッパーの衝撃振動を低減する最も望ましい手段となる。
【0034】
請求項3について
プレス金型がプレス加工する要素部品が微細精密なパターンの寸法形状である場合において、該要素部品のプレス加工製造では、被加工材料10の板厚より狭小な寸法部分を塑性加工する必要が生ずることがある。該被加工材料の板厚より狭小な寸法部分のプレス塑性加工においては、プレス金型の当該寸法部分を加工する加工パンチに、加工パンチの切り刃の底面積に比して全長(高さ)4aが長いいわゆる細長(細幅打抜き)加工パンチ4が一般的に多用されることとなり、同加工パンチ4は横荷重に弱く座屈損傷し易い性質をもっている。そこで本発明では、ストリッパー7自体に同加工パンチ4の全長(高さ)4aの5%以上の長さを摺動しながらガイドするパンチガイド摺動部の長さ8aを形成することによって、同加工パンチ4を座屈損傷から保護しつつ、塑性加工に必要なプレス機械による加圧力を同加工パンチの加工方向に正しく沿って伝達し、被プレス加工要素部品の断面をほぼ完全な矩形、又は極微細精密断面にプレス加工する手段とする。また本発明では、プレス金型の上金型可動部に備わるストリッパーに適用する材料に、自己潤滑性成分を含む材料を適用することによって、同ストリッパーに備わったパンチガイド摺動部における摩擦発熱を抑制する手段とし、鉄より低い熱線膨張率を有する材料を適用することによって、該摩擦発熱による熱膨張を低減してパンチガイド摺動部におけるパンチガイドクリアランスの狂いを防止する手段とし、もしくは前記自己潤滑性成分を含み尚かつ鉄より低い熱線膨張率を有する材料を適用することによって、同パンチガイド摺動部における摩擦損失を低減してパンチガイド機能を高めて焼き付きを防止するとともに、同加工パンチの破損事故を抑制する手段となる。
【0035】
従来のプレス金型においては、例えば被プレス加工要素部品の曲げ高さ寸法による制約やプレス金型の構造上の制約、又は同プレス金型を適用するプレス機械の構造上の制約を受けることによって、ストリッパーの厚み7aをできるだけ厚く設定するに際して上限界が存在する結果、加工パンチ4の全長4aの5%以上に相当するパンチガイド摺動部を形成することが困難な場合が存在する。またあるいは、該加工パンチの寸法に比べて重厚長大な寸法であるストリッパー自体に前記パンチガイド摺動部を形成することが、精密加工の精度上不利となる場合も存在する。かかる場合において、パンチガイド(摺動)長8aの寸法が前記同5%以上となるパンチガイド部品8を別個に製作してストリッパーに配することによって、少ないパンチガイドクリアランス9をできるだけ長く形成する手段となり、好ましくは前記自己潤滑性成分を含み尚且つ鉄より低い熱膨張率の材料を適用して前記同5%以上のパンチガイド部品を製作してストリッパーへ配することによって、該パンチガイド摺動部の機能を緊密で安全に高める手段となり、より好ましくは、前記ストリッパー自体のパンチガイド摺動部に前記自己潤滑性成分を含み尚且つ鉄より低い熱膨張率の材料を適用して前記同5%以上のできるだけ長いパンチガイド摺動部を形成したパンチガイド部品を配することによって、微細精密な形状寸法が要求される要素部品の断面をほぼ完全な矩形、又は極微細精密断面にプレス加工する手段となる。
【0036】
請求項4について
本発明では、プレス金型の上金型可動部に備わる加工パンチの材料において、タングステンよりも低い密度の材料を適用することによって、高精度のプレス加工が要求されるプレス金型に多用されている超硬材料の加工パンチを軽量化し、同プレス金型の上金型可動部の運動速度を高速化する手段とする。また、同加工パンチの材料において、好ましくは鉄より高い縦弾性係数の材料を適用することによって、高精度な要素部品のプレス加工用の被加工材料に多用されている薄板高強度合金帯条の縦弾性係数とほぼ同等かあるいはこれを上回ることができ、該加工パンチが被加工材料から変形抵抗力を受けて圧縮される際の弾性ひずみ量を小さくするかほぼ同等にする作用によって、該要素部品の微細精密パターン形状を高精度の精密寸法にプレス加工する手段とする。また、同加工パンチの材料において より好ましくはタングステンより低い密度及び鉄より高い縦弾性係数を併有する材料を適用することによって、該上金型可動部の重量を前記軽量化して加工パンチの加工速度を高速化しつつ被プレス加工品のプレス加工精度を前記高精度化する手段となる。本発明の加工パンチにおいて、好ましくは同加工パンチの打抜き切り刃先の底面にシェアー角度を付与することによって、被加工材料の塑性変形抵抗が同加工パンチにおける加工荷重力の単位時間当たり大きな衝撃振動を緩和しつつ同加工パンチの塑性加工速度を高速化する手段となる。より好ましくは少なくとも極微細精密断面加工用の工程ステージに配された加工パンチを含む加工パンチに生起する加工荷重力の発生瞬間のタイミングを、往復運動一サイクルに要する時間(サイクルタイム)の往路加圧運動の時間軸範囲の中から最高速な速度の近傍のタイミングへ移動して配する構成とすることにより、該加工パンチの塑性加工速度を最高速度の近傍にまで高速化する手段となる。
【0037】
より具体的には、プレス金型の全ての各種加工パンチが同じ長さを有し、かつその切り刃の底面が被加工材料10の表面と平行に形成されていれば、同加工パンチは一度の瞬間に衝撃せん断荷重力を受け、同衝撃せん断荷重力の大きさは加工パンチの底面積に比例することとなり、また同加工パンチによる加工開始のタイミングは全部が同一瞬間となる。そこで当該プレス金型においては、加工パンチの切り刃先の底面に例えばシェアー角度4a乃至4b等を付与することによって、同加工パンチのパンチ刃先が被加工材料10表面から内部へ向けて食い込んでゆくせん断加工過程に時間帯を設け、この時間帯にわたり徐々に被加工材料の塑性変形抵抗力が増加する構成に配することによって、加工パンチに生起する加工荷重力の衝撃振動を抑制する手段とするとともに、同加工パンチの塑性加工速度を高速化する手段とする。
【0038】
さらには又、当該プレス金型の少なくとも極微細精密断面加工用の例えば工程ステージ11の加工パンチの全長(高さ)4aを例えば他の工程ステージ12の全長に比べて長く(高く)配することにより、同工程ステージ11における打抜き加工荷重力の衝撃振動の発生瞬間のタイミングと他の工程ステージ12におけるタイミングとの間に時間差を生みだし、タイミングをずらす作用となり、たとえば、前記の極微細精密断面加工用の工程ステージ11に配された打抜き加工パンチ4が打抜き加工するタイミングをストリッパーが被加工材料を狭圧を開始して加圧降下する速度が減速する以前のタイミングへ、あるいは他の工程ステージ12の打抜き加工パンチが被加工材料の塑性変形抵抗力を受けることにより減速する以前のタイミングへ移動して配することが可能となり、よって高速度領域の打抜き加工速度を選択することが可能となり、高速せん断加工可能な加工パンチを配したプレス金型の構成となる。すなわち本発明では、タングステンより低い密度及び鉄より高い縦弾性係数を併有する材料を適用して加工パンチを製作し、かつ同加工パンチの切り刃の先端部にシェアー角度を付加し、かつ同加工パンチが往復運動一サイクルに要する時間帯の前半50%範囲内の降下(加圧)運動の範囲の中から、最高速度の近傍領域の時間帯を適用して同加工パンチの塑性加工速度を高速化することによって、高速せん断加工可能なプレス金型を実現する肝要な手段となる。
【0039】
請求項5について
プレス金型の少なくとも極微細精密断面加工用の加工パンチ4を含む各種の加工パンチにおいて、加工方向に対して横方向へ座屈湾曲しパンチガイド摺動部8aに接触し摺動しながら動作する同加工パンチの表面を表面粗さRa=0.5μm以下に鏡面仕上げ処理することによって、該摺動表面における摩擦係数を低減し摩擦損失を抑制する作用があり、したがって同加工パンチ4の加工速度を高速化する手段とともに該摺動表面における焼き付き事故を抑制する手段とする。また同摩擦係数の低減は、同加工パンチ4に生起する加工荷重力の衝撃振動とスリッパー7に生起する板押さえ力の衝撃振動とを分離して共振を抑制する作用となり、加工パンチ4の保護や長寿命化の手段となるばかりでなく高精度が要求される被プレス加工品の極微細精密断面をプレス加工できる手段ともなる。
【0040】
前記した鏡面仕上げ処理は、該加工パンチが被加工材料と接触しつつせん断加工する側面の表面4cが、被プレス加工品の極微細リード断面18の被加工せん断表面との間で加工動作する摩擦係数を低減して摩擦損失を抑制する作用となり、したがって被加工材料10の加工に要する加工荷重力を低減して同加工パンチ4の塑性加工速度をさらに高速化し、極微細精密断面を高速せん断加工しつつ高機能を要求される要素部品をプレス加工法により製造できる手段となる。また前記した摩擦損失を抑制する作用は、該加工荷重力を駆動するプレス機械におけるエネルギーの消費量を低減する手段ともなる。
【0041】
また本発明では、前記加工パンチの表面に対して、表面粗さRa=0.5μm以下か若しくは摩擦係数0.15以下の表面性状を有する表面皮膜19を配する表面皮膜処理を施すことによって、前記した摩擦損失を低減して加工速度を高速化する手段となり、好ましくは表面粗さRa=0.1μm以下及び摩擦係数0.1以下の表面性状を併有する表面皮膜か、より好ましくは表面粗さRa=0.1μm以下及び摩擦係数0.05以下の表面性状を併有する表面皮膜を適用することによって同摩擦損失をさらに低減する手段となり、高速せん断加工が可能なプレス金型を実現する望ましい手段となり、したがって高粘度金型潤滑油(図示せず)や冷却潤滑剤液(高粘度加工油)22などを使用することなく極微細精密断面を有する要素部品をプレス高速せん断加工できる手段となるとともに、プレス加工荷重力を駆動するエネルギーの消費を低減する手段となる。尚本発明では、加工パンチの表面に前記鏡面仕上げ処理と表面皮膜処理をそれぞれ適用しても良いが、前記両処理を組合せ適用することによって、加工パンチの摩擦損失を極力低減することが肝要である。
【0042】
請求項6について
本発明は、プレス金型の少なくとも極微細精密断面加工用のダイを含むダイが被加工材料と接する切り刃部の表面に、請求項5の実施例に記載した鏡面処理及び又は表面皮膜処理方法を適用することによって、同ダイ切り刃の磨耗を軽減するとともに、同被加工材料が塑性加工される際にダイと協働する加工パンチがうける側方圧力による摩擦抵抗を軽減し、該加工パンチの塑性加工速度を高速化して高速せん断加工可能なプレス金型を実現する補助手段となる。すなわち、本明細書請求項5の効果に記載した効果をさらに補強する手段となる。
【0043】
請求項7について
本発明は、ストリッパー7のパンチガイド部分か、又はストリッパーに配されたパンチガイド部品8の少なくともパンチガイド摺動部8aを含む表面に対して、請求項5の実施例に記載した鏡面処理及び又は表面皮膜処理を施すことによって、同パンチガイド摺動部の磨耗を軽減するとともに、加工パンチをガイドする摺動動作における摩擦係数をさらに低減し、プレス加工に要する加工荷重力の摩擦損失を低減し、同加工パンチの加工速度を高速化して高速せん断加工可能なプレス金型を実現する補助手段となり、したがって本明細書請求項5の効果に記載した効果をさらに補強する手段となる。
【0044】
請求項5及び6及び7に記載する各発明を組合せ適用することによって、当該プレス金型の加工速度を最高速度の近傍にまで高速化でき、したがって高速せん断加工可能なプレス金型を実現する補助手段となり、本明細書請求項5の効果に記載した効果をさらに補強して補完する手段となる。
【0045】
請求項8について
図1に示す従来のプレス金型のストリッパーは、ストリッパー7が被加工材料10を挟圧するに際してプレス機械の運転速度及びストリッパー7の降下運動の距離に応じた降下速度で被加工材料10の表面に衝突することによって、衝撃振動する。ストリッパー7が衝撃振動を開始することによって、板押さえ圧縮ばね6の圧縮動作によるストリッパー自体の板押さえ力が衝撃振動することとなり、ストリッパーが被加工材料10をダイの上面上に固定し保持する力が弱まり、プレス加工された要素部品の断面(例えば、図7における極微細リード断面18)は図14に例示する捩り回転加工傾斜48aと48bと圧縮変形舟底形状49とを有する断面となる。従来はこの現象をプレス加工における転び現象と称し、同転び現象を抑制して微細精密な断面を形成するために従来のプレス金型においては、板押さえ圧縮ばね6に予圧を加えたり、もしくは剛性率の高いばねを適用したり、あるいは適用する圧縮ばね6の本数を多くするなどによってストリッパー7に強圧力を加えて前記衝撃振動を制振しようとしていた。
【0046】
前記した従来の衝撃振動の制振方法は、板押さえ圧縮ばね6を押し込んで打抜き加工パンチ4の先端をストリッパー7の下面から突出させて塑性加工を開始する構成である従来のプレス金型においては、肝心な塑性加工を開始する前段階において板押さえ圧縮ばねを圧縮する(押し込む)ために大なるエネルギーの消費が必要となり、加工パンチが肝心な塑性加工を実行する速度が遅くなるという欠点と全加工パンチに要する加工荷重力に比較して多大な加圧能力を有するプレス機械によってしかプレス加工できないという欠点とがあった。
【0047】
かかる動作構成の従来のプレス金型によるプレス加工方法では、被加工材料10は同金型内を順送される工程ステージ数に相当する回数だけストリッパー7の強化された板押さえ力によって叩かれ伸ばされることになり、プレス金型の破損事故や被プレス加工品の品質問題の原因となるばかりでなく、被加工材料10自体の圧縮発熱によって温度を上昇させるとともにプレス機械のエネルギー消費量を増加させるなどの障害原因となっていた。
【0048】
よって本発明では、請求項1に記載する特徴はプレス金型の上金型可動部の軽量化と高剛性化を図りつつ同上金型可動部の往復運動速度を高速化する手段とし、および請求項2の同特徴は同金型のストリッパーの軽量化と高剛性化及び制振化を図りつつ同ストリッパーの板押さえ効果を高めて板押さえ力の低減に活用する手段とし、好ましくは請求項3の同特徴はストリッパーの衝撃振動から加工パンチを保護して極微細精密断面を加工する手段とし、および請求項4の同特徴は加工パンチにおける加工荷重力の低減ならびに同加工荷重力の衝撃振動の低減を図りつつ同加工パンチの塑性加工のタイミングを最高速度の近傍へ近づけて高速せん断加工する手段として追加活用し、より好ましくは請求項5〜7の同特徴は同上金型可動部に配された加工パンチにおけるパンチガイド摺動の摩擦損失とせん断加工の摩擦損失ならびに同加工パンチと協働するダイにおけるせん断加工の摩擦損失を低減して同加工パンチの塑性加工速度を高速化する手段として追加活用することによって、被プレス加工要素部品における転び現象を抑制・制御することが可能となる。したがって、請求項1〜7に記載する特徴を組合わせ適用することによって、該プレス金型の板押え力を少なくとも被プレス加工要素部品の全加工パンチの加工荷重力の300%以下に、好ましくは同100%以下に、より好ましくは同50%以下に低減した本発明のプレス金型を用いることによって、前記転び現象を抑制・制御した被プレス加工要素部品をプレス加工製造する手段とする。すなわち本発明では、プレス金型の板押さえ力を前記した板押さえ力の300%以下に、好ましくは同100%以下に、より好ましくは同50%以下に低減した構成とすることによって、該プレス金型の上金型可動部の加圧降下運動において該上金型可動部が板押さえ圧縮ばねを押込むエネルギーを各板押さえ力に応じて低減して、該上金型可動部に配された加工パンチが被加工材料を塑性加工する速度を前記各板押さえ力に応じて高速化する手段となり、本発明の板押さえ力に低減したプレス金型によって、極微細精密断面を高速せん断加工して要素部品を製造する手段とするとともに、該プレス金型を利用するプレス機械のエネルギー消費量を低減する手段となる。
【0049】
請求項9について
従来、プレス金型の極微細精密断面を加工する(細長い打抜き)加工パンチ4は、パンチバッキングプレート2から被加工材料10を打抜き加工する荷重(加圧)力を受けることによって打抜き方向と直交する横方向へ撓み、ストリッパー7の下面から突き出た加工パンチ切り刃の先端の打抜き加工の方向はパンチガイドクリアランス9に相応した横方向の角度が加えられ、被プレス加工要素部品の断面のプレス打抜き加工断面には、図14の加工傾斜48a又は48bの傾斜角度ならびにダイ面側における圧縮変形舟底形状49の角度とがつくこととなり、ほぼ完全な矩形の極微細精密断面形状は形成できない。
【0050】
本発明のプレス金型では、同プレス金型のパンチガイドクリアランス9はダイ切り刃クリアランス13を最大としてこれより小さく設定することによって、前記した加工傾斜48a及び49bの角度を制御する手段とし、かつ圧縮変形舟底形状49の生成を抑制する補助手段とする。また本発明では、プレス金型のプレス加工動作の過程において、被加工材料10が保有する塑性変形能が被加工材料の部分によって変化することに着目する。つまり、プレス金型の加工パンチにより塑性加工される被加工材料の塑性変形能は、同プレス金型のストリッパーとダイ上面とで挟圧されている部分は圧縮応力エネルギーが高くしたがって塑性変形能が小さくなり、そうでない同材料の部分は塑性変形能が相対的に高くなることが知られている。よって本発明では、プレス金型のダイクリアランス13を被加工材料の板厚比10%以下に、好ましくは同7%以下に、より好ましくは同5%以下に設定するによって、同被加工材料の塑性変形能が小さい部分には塑性加工を及ぼすことなく、同塑性変形能が大きい部分に塑性加工を集中させてプレス加工することができ、そのプレス加工の加工精度を前記板厚比10%以下、同7%以下、同5%以下の高精度に保持する手段となる。すなわち、該ダイクリアランス13を被加工材料の板厚の10%、好ましくは同7%、より好ましくは同5%以内の範囲に設定することにより、打抜き加工面のそれぞれの傾斜を前記した各%以内とする作用となりほぼ完全な矩形形状又は極微細精密断面を実現する手段となるとともに、被加工材料10が前記ダイクリアランスを曲げスパンとして曲げられることにより生起するダレ曲面41a又は41bの生成を前記した各クリアランス値以内の範囲に制御して該ダレ曲面における引張方向の加工残留応力を抑制する補助手段ともなる。よって本発明では、前記の各ダイクリアランス値を上限としてパンチガイドクリアランスを配することによって、本明細書に定義する極微細精密断面を形成する最も望ましい手段とする。
【0051】
請求項10について
本発明では、請求項1に記載する特徴はプレス金型の上金型可動部の軽量化と高剛性化を図りつつ同上金型可動部の往復運動の速度を高速化する手段とし、および請求項2の同特徴は同金型のストリッパーの軽量化と高剛性化及び制振化を図りつつ同ストリッパーの板押さえ効果を高めて板押さえ力の低減に活用する手段とし、および請求項3の同特徴はストリッパーの衝撃振動から加工パンチを保護しつつ同加工パンチの加工方向をガイドして極微細精密断面を加工する手段とし、および請求項4の同特徴は加工パンチにおける加工荷重力の低減ならびに同加工荷重力の衝撃振動の低減を図りつつ同加工パンチの塑性加工のタイミングを最高速度の近傍へ近づけて高速せん断加工する手段とし、および請求項8の同特徴は同上金型可動部が往路加圧(降下)運動する速度を高速化する手段として活用し、好ましくは請求項5〜7の同特徴は同上金型可動部に配された加工パンチにおけるパンチガイド摺動の摩擦損失とせん断加工の摩擦損失ならびに同加工パンチと協働するダイにおけるせん断加工の摩擦損失を低減して同加工パンチの塑性加工速度を高速化する手段として追加活用するか、より好ましくは請求項9の同特徴は被プレス加工要素部品の断面におけるプレス加工精度を高精度化する手段として追加活用することによって、該要素部品の極微細精密断面を各種の冷却潤滑剤液を使用することなくプレス加工可能とする手段とする。本発明における高速せん断加工可能なプレス金型は、高粘度金型油及び又は冷却潤滑剤液を使用することなく高機能な極微細精密断面をプレス加工して要素部品を製造することが可能となることにより、従来、被プレス加工要素部品に付着した同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程の省略を可能にする手段となる。従来、前記した冷却潤滑剤液(高粘度加工油)22は、プレス金型内で生じた破断屑を被プレス加工部品に粘着させて金型内から排出することにより製造された要素部品の表面の打痕キズ品質を高める効用や加工パンチの長寿命化の効用などを考慮して経験的に使用されてきたが、冷却潤滑剤液22の高粘性が順送り機構装置21によって送り込まれる被加工材料10を下金型固定部の平滑に仕上げられたダイ面上に強く粘着させ移動を困難にすることによって、同金型内の送りミストラブルやプレス金型の破損事故の主原因となるなど重大な欠点を有し、寸法精度を要する要素部品の製造にプレス加工法を適用する上での限界となっていた。とりわけ精密微細な形状を加工する目的の被加工材料が薄板金属帯条となるに従い、例えば被加工材料の板厚が0.1mm以下などの極薄帯条の場合において、本発明のプレス金型は冷却潤滑剤液の使用を軽減または省略して極微細精密断面をプレス加工可能とすることによって、極微細精密断面を要求される要素部品をプレス加工法で製造することを可能とする手段となる。
【0052】
本発明のプレス金型は極微細精密断面を有する要素部品の製造手段となるばかりでなく、プレス金型を小型軽量化でき、及びプレス金型の衝撃振動を抑制・制御でき、及びプレス加工工程での各種冷却潤滑剤液の使用を抑制又は省略でき、及びプレス機械が消費する加工荷重力エネルギーを低減できることから、マイクロマシン又はMEMS(Micro Electronics Manufacturing System)等と呼称される超小型精密プレス加工システムを実現する手段となる。
【0053】
請求項11について
従来、一般的に使用されているクランク式の自動プレス加工機械を含むプレス加工工程を図10に例示して構成を説明する。
電動モーター25とフライホイール24とが持つ回転運動はコネクティングロッド26を介して上下の往復運動に変換され、各種のリンク機構27を通じてスライド28へ伝達され、スライド28に固定された上金型可動部は上死点33と下死点34の間の距離(ストローク長)を上下に往復運動し、その前半50%を占める往路降下運動中において上金型可動部に配された上金型プレート1及びパンチバッキングプレート2を通して加工パンチへ加工荷重力を負荷する構造となっている。したがって、上金型可動部に配されているストリッパー7が被加工材料10を狭圧したりあるいは加工パンチを含む各種工具が塑性加工したりする力は衝撃振動することとなり、その衝撃振動エネルギーはプレス機械へ伝播されることになる。よって、通常のプレス機械には衝撃振動防止装置32を配することによって同プレス機械の設置場所への振動伝播を抑制したり、あるいは前記の衝撃振動音が外部へ伝播することを抑制する目的で防音遮蔽壁23を設けたりしている。
【0054】
一般に、プレス機械の可動部に使用されている材料は前記した加工荷重力が大きいために通常は剛性がある鉄鋼材料等が使用されており、したがって同可動部の重量は重くなっている。そこで本発明では、プレス機械の可動部の主要な構成部材において、本明細書請求項1の実施例に記載する材料を適用することによって、同可動部の重量を軽量化することができ、したがって同可動部の運動エネルギーを低減し、同可動部のスライド28が降下しつつ加圧する速度を高速化する手段とすることができるとともに、プレス機械の可動部の単位重量当たりの剛性を高く維持する手段とし、プレス機械の可動部を小型軽量化する手段とともに、同プレス機械を適用して製造された要素部品を高精度化する手段とする。
【0055】
また、プレス機械の可動部の少なくとも一つ以上の主要な構成部材の表面において、本明細書請求項5の実施例に記載する鏡面仕上げ処理及び又は表面皮膜処理を施すことによって、同可動部の摺動面における摩擦損失を低減し、同可動部の往路加圧運動の速度を高速化する補助手段となる。
【0056】
すなわち本発明においては、プレス機械の可動部に備わる主要な構成部材の材料を最適化して同可動部の運動速度を高速化し、さらに該構成部材の表面に最適化した表面処理を施して摩擦損失を軽減し、同可動部に配されたスライドの往路加圧運動の速度を高速化し、同スライドと協働するプレス金型の上金型可動部に配された加工パンチの加工速度を高速化することによって、高速せん断加工可能なプレス機械を実現する手段とする。
【0057】
本発明では、前記した高速せん断可能なプレス機械を適用することによって、極微細精密断面を有する要素部品を各種の冷却潤滑剤液の使用量を低減又は使用を省略してプレス加工製造し、被プレス加工品に付着した同冷却潤滑剤液を脱脂溶剤によって洗浄・除去する工程(又は、単に洗浄工程)を省略可能とする手段とするが、前記のプレス機械によらずとも、高速で高加圧力を駆動する周知の機構を取り入れた 別種のプレス機械を適用することによってスライドの往路加圧運動を高速し、前記した各種の冷却潤滑剤液の使用量を低減又は使用を省略したプレス加工工程によって極微細精密断面を形成して要素部品を製造し、脱脂洗浄工程を省略可能とした場合においても適用される。
【0058】
本発明に記載される特徴を有するプレス機械は極微細精密断面を有する要素部品をオイルフリー加工工程で製造できる手段となるばかりでなく、プレス機械を小型軽量化でき、生ずる衝撃振動を抑制・制御でき、各種冷却潤滑剤液の使用を抑制又は省略でき、加工荷重力の消費エネルギーを低減できることから、マイクロマシン又はMEMS(Micro Electronics Manufacturing System)等と呼称される超小型精密プレス加工システムを実現する手段となる。プレス機械はクランク式、クランクレス、エアープレス等のいずれであってもよい。クランク式の場合に特に有効である。
【0059】
請求項12について
請求項10に記載する高速せん断加工可能なプレス金型を請求項11に記載する高速せん断加工なプレス加工方法に適用し協働させることによって、プレス加工荷重負荷時におけるプレス機械に備わったスライドの往復運動の平均速度を高速化し、同スライドと協働するプレス金型の上金型可動部に備わった加工パンチの塑性加工速度を高速化し、極微細精密断面を各種の冷却潤滑剤液を使用することなく高速せん断加工し、極微細精密断面を有する要素部品を製造する一連の工程から同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程を省略可能とする手段となる。
【0060】
請求項13について
一般に外力が作用する要素部品において、該要素部品には力学的な外力が作用する作用端ならびに同要素部品の自重と同外力を支持する支持端とがあり、同要素部品の作用端と支持端の間を構成する支持体には力学的な曲げモーメントが生起する。したがって、力学的な要素部品には同曲げモーメントが最大となる最大曲げモーメント位置が存在し、静止状態の該要素部品の同位置における断面内では、同外力が作用する方向によって該断面の図芯を中立軸として向きが反対となる応力、すなわち引張応力と圧縮応力が生起して釣り合っている。該応力の大きさは、該断面の中立軸からの距離が最大となる、すなわち該要素部品の表面において最大となり、それぞれ最大表面引張応力ならびに最大表面圧縮応力となり、これら両最大表面応力が部材の強度(耐力)を超えた場合に何らかの破壊が開始する材料力学となり、「ものが壊れるときは表面から壊れることが多い」という我々の経験知識と一致する。単純な外力が作用する場合が多い通常の要素部品においては、該最大表面引張応力値が同要素部品の材料の弾性領域をこえて塑性領域に入ることにより塑性破壊が開始・進行するメカニズムとなり、「ものが壊れるときは、引張方向の応力が生ずる表面から壊れることが多い」という経験知識とも一致している。
【0061】
前述した材料力学から、一般的に要素部品の破壊を抑止して機能を高めるには、前記の最大表面引張応力を低減して同要素部品の部材の物性が有する弾性領域にとどめる必要性があり、その実現には要素部品の最大曲げモーメント部の近傍の断面における断面2次モーメントが最小となる幾何形状が望ましいと結論づけられる。次には同最大曲げモーメント部の近傍の要素部品表面の表面性状が応力集中を促進しないような性状、即ち凹凸が少なくなめらかな性状が望ましい。又さらに前記断面の加工方法においては、同最大曲げモーメント部の近傍の断面を加工する際に生じる加工残留応力が、とりわけ引張方向の加工残留応力が少ない加工法が望まれることとなる。以降、従来のプレス金型を用いた従来のプレス加工方法によって、弾性と塑性を併有する金属材料を被加工材料として製造した要素部品の最大曲げモーメント部の断面の性状を図11断面拡大写真に例示して、本発明を説明する。
【0062】
図11に例示した断面は、弾塑性の併有が特徴の被加工材料10をプレス打抜き加工した通常のプレス加工断面として周知であり、前記断面の性状の特徴は、同図に図示する打抜き方向上側であるパンチ面側の辺40aのなだらかな曲線と、同打抜き方向下側であるダイ面側の辺40bが圧縮変形舟底形状44を形成する2直線と、同打抜き方向左側のダレ曲面(線)41aとせん断面(線)42aと破断面(線)43aとで形成する複雑な連続加工線と、同打抜き方向右側には同左側と構成比率が異なるダレ曲面(線)41bとせん断面(線)42bと破断面43bとで形成する複雑な連続加工線とからなる複雑かつ独特な幾何学形状を示すことにある。しかしさらに注目すべき前記断面の特徴は、前記断面が同要素部品内に形成されるに至るまでの主要な加工履歴において、例えばプレス加工に用いた被加工材料自体が既に同材料が製造される際の圧延加工により与えられた残留応力を保有し、更に同被加工材料がプレス金型のストリッパー7によって衝撃的に挟圧された際の板押さえ動作により与えられる残留応力が追加され、又更には同被加工材料がプレス金型に配された加工パンチのせん断加工荷重力によって切断された際の塑性加工により与えられた残留応力が追加されるなど複雑な残留応力が分布していることである。
【0063】
すなわち、前記断面は、前記した複雑かつ独特な幾何形状による断面2次モーメントと応力集中とによって、又更に加工履歴による複雑な残留応力を保有することによって、同要素部品の最大モーメント部の材料力学上の強度を低下させて同要素部品の機能を低下させ、同要素部品を利用した各種部品・機器・装置の機能を低下させている。
【0064】
よって本発明では、請求項10のプレス金型及び又は請求項11のプレス加工方法を適用して要素部品における該最大モーメント部近傍を高速せん断加工することによって、同部の断面形状をほぼ完全な矩形に形成し、又は前記断面を構成する四辺の内少なくとも最大表面引張応力が生じる辺の大部分を一つの直線で形成し、又は打抜き加工による破断面生成を揃って抑制し、図16に例示する極微細矩形形状に形成することによって最小の断面2次モーメントを実現する手段とし、同部近傍の被加工表面において破断面の生成を揃って抑制することによって応力集中現象を低減する手段としつつ同時に捩り回転変形力を低減することによって打ち抜き加工による加工残留応力を低減する手段とするが、請求項10及び請求項11を組合わせ適用した手段が望ましい手段となる。すなわち、請求項10に記載するプレス金型と請求項11のプレス加工方法を適用して加工速度を高速化し、当該要素部品の最大曲げモーメント部の断面を高速せん断加工することによって極微細精密断面となし、同部の材料力学的強度を強化して同要素部品を高機能化する手段とし、併せて同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化する手段とする。とりわけ、該要素部品に作用する外力によって最大表面引張応力が生起する面が打抜き加工された面である場合において、請求項10のプレス金型により該加工面を凹凸の少ないせん断加工面で形成することによって、該要素部品における最大モーメント部近傍の強度を強化して高機能化する手段となるとともに、該要素部品の製造に用いる被加工材料の消費量を低減可能として同要素部品の製造コストを低減可能にする手段となる。
【0065】
請求項14について
一般に外力が作用する要素部品において、該要素部品には力学的な外力が作用する作用端ならびに同要素部品の自重と同外力を支持する支持端とがあり、同支持端と同作用端との間を構成する部分を本明細書ではリード部と定義する。したがって、要素部品の同リード部は該支持端と該作用端を結ぶ長軸上に連続する断面を有するとともに連続する前記断面を通じて目的とする物理量を例えば力や電子や熱などを同長軸上の距離にわたって伝達又は電送又は伝導する機能を有していることになる。該目的とする物理量が例えば力であった場合には該要素部品のリード部の前記断面の幾何形状と前記断面が保有する加工残留応力とが力学的課題となるか、あるいは同要素部品が例えばリードフレームや静止板などの場合においては前記断面の図芯の変位や前記断面を構成する上下左右の四辺が保有する表面性状が接触課題となる。また該目的とする物理量が例えば電子や熱であった場合には該要素部品のリード部の前記断面の幾何形状と同長軸上の距離とが電気的・熱的又は電磁気的課題となるか、あるいは同要素部品が例えば高速伝送用コンタク、RFコンタクト、アンテナ部品などの場合においては前記断面の図芯の変位や前記断面を構成する上下左右の四辺が保有する表面性状が電磁気的課題となるか、あるいはまた該要素部品の前記断面の前記した四辺が形成する周辺空間の物理的性質が電磁気的な課題となったり力学的課題となったりすることになる。以降、従来のプレス金型を用いた従来のプレス加工方法によって、弾性と塑性を併有する金属材料を被加工材料として製造した要素部品の最大曲げモーメント部に連続するリード部の断面の側面の性状を図12、13の表面拡大写真に例示して、本発明を説明する。
【0066】
図12に例示した要素部品の該リード部の側面の表面は、弾塑性の併有が特徴の被加工材料10をプレス打抜き加工した通常のプレス加工表面として既に周知であり、図11の右側のダレ曲面41b、同右側のせん断面42b、同右側の破断面43bのそれぞれに対応して、図12に図示する打抜き方向上側であるパンチ面45aのなだらかな曲面、被加工材料の板厚の約半分のせん断面46a、同約半分の破断面46bが順次に連続して存在している。図12の同表面の性状の特徴は、せん断面46aと破断面46bとの間のギザギザ状の境界線47を境にして両面ともに傾斜して鋭利な頂点を形成するとともに同破断面46bの表面の凹凸が激しいことである。前記境界線47の部分を拡大写真で例示した図13において、せん断面46aは加工パンチのせん断加工荷重力によって弾塑性体(この場合、金属結晶)内に生起したすべり線が被加工材料10の結晶粒内を貫通していることを示すなめらかな加工面に形成されているのに対し、一方の破断面46bは同せん断加工荷重力による強い圧縮応力を受け結晶粒界から破断した激しい凹凸状の破断面となっており、同破断面には強い圧縮方向の応力が残留している性状を暗示している。
【0067】
すなわち、要素部品の同リード部は、断面は鋭い角度の頂点を有する幾何形状によって応力集中を起こして前記同様に同部の材料力学的強度を低下させ、かつせん断面46aと破断面46bとが有する主要な表面性状の相違、すなわち両加工面が傾斜している角度の相違、並びに表面の凹凸の相違、ならびに塑性加工による残留応力の大きさ及び方向の相違によって、プレス加工後において同部断面の図芯に変位を来し易く、同変位を来たした前記断面は前記断面及び前記断面を構成する各面の空間位置を変位させることによって、同部の物理的な諸機能を低下させることになる。要素部品の作用端と支持端とを連結する該リード部が物理的な諸機能を低下させることによって、同要素部品が果すべき物理的機能は大きく低下し、同要素部品を利用した各種部品・機器・装置の機能を低下させている。
【0068】
よって本発明では、請求項10のプレス金型か、又は請求項11のプレス加工方法を適用して要素部品における前記の最大モーメント部に連続するリード部の近傍の断面を高速せん断加工することによって、前記断面の形状を極微細精密矩形に形成し、同リード部の左右の両被プレス加工側面を揃って一つの直線で形成し、同被プレス加工側面の破断面生成を揃って抑制して図17に例示する該要素部品のリード部の側面を形成しつつ同側面における加工残留応力を低減することによって、該リード部近傍の断面の図芯がプレス加工後に変位することを抑止・制御する手段とするが、請求項10及び請求項11を組合わせ適用する手段が望ましい。すなわち、請求項10に記載するプレス金型および請求項11のプレス加工方法を適用することによって、該要素部品の最大モーメント部に連続するリード部の近傍の加工残留応力を低減して極微細精密断面となし、同要素部品がプレス加工後に変形することを抑制・制御して同要素部品の高機能化ならびに低製造コスト化を実現する手段となる。本発明は、接触・接合・接続用弾性ばね要素部品ばかりでなく、とりわけ長軸上の距離や回路長及び又は対向面の向き又は要素部品のリード部近傍の断面及び端面の間隔や表面性状などが重要な役割を負担する非接触弾性ばね要素部品、例えばRFコンタクト部品やアンテナ部品等を高機能化ならびに低製造コスト化する手段となる。
【0069】
請求項15について
一般に要素部品には作用端があり、接触要素部品では同作用端を介して力や熱や電子を伝達又は伝導又は電送し、非接触要素部品では同作用端を介して熱や電子を放出又は吸収して機能を果している。前記作用端は、通常、請求項14の詳細説明で定義したリード部に連続してその近傍に存在することにより、ここではリード先端部と称する。以降、従来のプレス金型を用いた従来のプレス加工方法によって、弾性と塑性を併有する金属材料を被加工材料として製造した要素部品のリード先端部の断面性状を図14、15の断面拡大写真に例示して、本発明を説明する。
【0070】
図14に例示した断面は、弾塑性の併有が特徴の被加工材料10をプレス打抜き加工した通常のプレス加工断面として既に周知であり、前記断面の性状の特徴は、同図に図示する打抜き方向上側であるパンチ面側のなだらかな丘状の曲線と、同打抜き方向下側であるダイ面側の鋭い圧縮変形舟底形状49をなす2直線と、同打抜き方向左側の傾斜したせん断線と破断線とからなる連続加工線48aと、同打抜き方向右側には同左側とそれぞれ逆向きに傾斜したせん断線と破断線とからなる連続加工線48bとで構成される複雑かつ独特な幾何学形状を示すことにある。
【0071】
前記した複雑かつ独特な幾何学形状のリード先端部は、他のリード部及び最大曲げモーメント部に比べてより大きいプレス加工による加工残留応力を保有しており、図15のリード先端部断面(複数ピン)の拡大写真に例示する打抜き後高さ変位(段差)50や打抜き後より変位(シフト)51の誘因となり、該要素部品の物理的機能を低下させている。
【0072】
よって本発明では、請求項10のプレス金型か、又は請求項11のプレス加工方法を適用して要素部品における該リード先端部近傍を高速せん断加工することによって、同部の断面形状を図18に例示するほぼ完全な矩形に形成し、又プレス加工による加工残留応力を低減する手段とするが、請求項10及び請求項11を組合わせ適用する手段が望ましい。すなわち、請求項10に記載するプレス金型と請求項11のプレス加工方法を適用してせん断加工速度を高速化し、当該要素部品のリード先端部近傍の断面を高速せん断加工して図18及び図19(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に例示する高機能な極微細精密断面に加工することによって、同部の断面図芯の変位を抑制・制御して同部及び同部を保有する要素部品を高機能化ならびに低製造コスト化する手段とし、併せて同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化ならびに低製造コスト化する手段とする。とりわけ、該要素部品が接触要素部品であり目的対象とする物理量が力・熱・電子等の場合において、図18の極微細精密断面は接触面積を増加する作用をもって同物理量の伝導機能を高度化し、又は同図の微小突起52a、52bはリード先端部が摺動する動作(ワイピング動作ともいう)をする場合において安全確実な電気的接触を成就する作用をもって接触信頼性を高度化する手段となるとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置の高機能化ならびに低製造コスト化する手段となる。
【0073】
請求項16について
【0074】
本発明では、請求項13、14又は15を組み合わせ適用して要素部品を製造することによって、同要素部品の各部の物理的機能を高度化するとともに、同要素部品の長軸上に連なる各部近傍の表面性状ならびに同各部近傍の断面の物理空間上での位置精度を高精度化することによって、同要素部品が果すべき各種の物理的諸機能を高機能化しつつ低製造コスト化する手段となる。また本発明では、前記要素部品を実装した各種部品・機器・装置の実装空間は高精度化され、同実装空間に各種の物理的特性を保有する物質を配することにより、同物質が配された空間が保有する電磁気的特性、熱的特性、力学的特性などを最適化活用することが可能となり、前記各種部品・機器・装置の物理的諸機能を高度化しつつ低製造コスト化する手段となる。
【0075】
請求項17について
一般の被プレス加工要素部品において、要素部品のパンチ面40aには引張方向の加工残留応力が、反対のダイ面40bには圧縮方向の加工残留応力が残留しやすい。よって、外力が作用し曲げモーメントを有する接触要素部品において、同要素部品の最大曲げモーメント部の近傍の断面に生起する最大表面引張応力の面が同要素部品のパンチ面40aである構成においては、該要素部品の材料力学な強度が低下することになり、逆の構成では同強度が向上し同要素部品を高機能化することができる。
【0076】
よって本発明では、前記した「逆の構成」を有する請求項10のプレス金型か、又は請求項11のプレス加工方法を適用することによって、被プレス加工要素部品の最大モーメント部において圧縮方向の残留応力が存在するダイ面40bの側に、該要素部品が他の部品と接する接触部分(単に接点とも称す場合もある)を形成することが可能となり、要素部品の材料力学的な強度(耐力)を高める手段となるが、請求項10及び請求項11を組合わせ適用して該要素部品をプレス加工製造することによって、該要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化する手段となるとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化ならびに低製造コスト化する望ましい手段となる。
【0077】
請求項18について
一般に要素部品には、例えば複数接点圧縮式接触弾性ばね要素部品の如く最大曲げモーメント部がリード部に含まれる場合、又例えば高速信号伝送用接触弾性ばね要素部品の如くリード部の断面形状が電磁波放射特性を左右する場合、又例えばRFコンタクトの如くリード部の全長ならびにリード先端部の断面の空間位置が特性に影響を及ぼす場合などがあり、リード先端部を含むリード部の近傍における断面形状精度ならびに長さ精度ならびに空間位置精度などが重要となる場合がある。よって本発明では、要素部品の少なくともリード先端部を含むリード部の断面を加工製造する場合において、請求項10のプレス金型か、又は請求項11のプレス加工方法を適用することによって、図19の(a)〜(p)に例示する極微細精密断面ならびに微笑突起付極微細精密断面を有する要素部品をプレス加工製造し、該要素部品の当該部における材料力学的な強度特性ならびに接触磨耗特性、電気ならびに熱伝導特性、電気ならびに熱接触特性、電磁放射特性、熱放射特性、高速電気信号の伝送特性などを改善し、該要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化する手段とするとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化ならびに低製造コスト化する手段とするが、請求項10のプレス金型及び請求項11のプレス加工方法を組合わせ適用する手段が望ましい。
【0078】
請求項19について
請求項16、17及び18に記載する特徴を組合せ適用することによって、要素部品の各部の断面における物理的機能を高機能化し、ならびに該要素部品を利用した各種部品・機器・装置の性能を高度化するとともに低製造コスト化し、あわせて製造環境負荷ならびに地球環境負荷を軽減する手段となる。
【0079】
請求項20について
本発明では、外力が作用する請求項19の要素部品において、同要素部品の少なくとも最大曲げモーメントが生起する部分の近傍を含む同要素部品の各部の表面に対し、同要素部品の被加工材料10となった物質より小なる体積弾性率の物質皮膜を配する表面皮膜処理を施すことによって、同最大曲げモーメント部の近傍の断面において釣り合い状態にある最大表面引張応力のエネルギーを前記小なる体積弾性率の物質が自ら塑性変形する歪エネルギーとして吸収する作用となり、該要素部品の当該部分における材料力学的な強度を高めて同要素部品を高機能化するとともに、同要素部品のプレス加工工程における被加工材料の使用量を削減可能に作用して低製造コスト化する手段となる。また、前記した外力が振動する外力である場合においては、前記した表面処理皮膜自らの歪エネルギー吸収能が外力の振動エネルギーを吸収することによって同要素部品の振動を抑制しつつ同要素部品の金属疲労強度を高める手段となり、同要素部品の耐震機能を高めるとともに、前記同様の作用により低製造コスト化する手段となる。
【0080】
前記した被加工材料10が結晶組織を有する金属材料であった場合において、同金属材料に比べて大なる格子定数を有する物質皮膜は被加工材料の小なる格子定数の結晶組織から圧縮方向の応力を受けて成長することになり、該表面皮膜は前記した最大表面引張応力エネルギーを減殺し吸収する作用を有することとなる。よって、該表面皮膜を適用して表面処理することによって、前記同様に材料力学的強度を高める手段とともに振動を抑制する手段となる。本発明では、請求項19の要素部品の表面に対して、好ましくは同要素部品の被加工材料より小なる体積弾性率ならびに大なる格子定数を併有する物質の表面皮膜を少なくとも一層以上用いて配する表面皮膜処理を施すことによって、前記した両手段を相乗させて同要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化する手段とするとともに、同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する手段とする。
【0081】
請求項21について
従来の接触弾性ばね要素部品の表面処理皮膜において通常ニッケル又はその合金が多用されている事情に鑑み、本発明では、請求項19の要素部品において、同要素部品の少なくともリード先端部分の近傍を含む同要素部品の各部の表面に、ニッケルより小なる体積弾性率及び大なる格子定数を併有する皮膜物質を用いて表面皮膜処理を施すことによって同要素部品の各部の材料力学的な強度を強化する手段とし、好ましくは小なる電気抵抗率及び大なる熱伝導率の皮膜物質を用いて表面皮膜処理を施すことによって同要素部品の電気抵抗及び熱抵抗あるいは電気及び熱インピーダンスを低減する手段とし、より好ましくは前記四つの物性を併有する皮膜物質を用いて表面皮膜処理を施すことによって同要素部品の材料力学的な強度を改善しつつ前記電気的及び熱的な機能を向上する手段となる。本発明では、前記した四つの物性を併有する皮膜物質を少なくとも一層以上用いて、好ましくは周知の差厚堆積法(例えば電解差厚めっき法など)によって表面皮膜処理を施すことによって、接触弾性ばね要素部品等の電気的・熱的・機械的な性能を相乗して高めて同要素部品を高信頼性化するとともに、同要素部品のプレス加工工程における被加工材料の使用量を削減可能にして低製造コスト化する手段とし、ならびに同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する手段とする。
【0082】
請求項22について
一般に要素部品において、要素部品の物理的な機能には、力・電磁力・熱・電力・電気信号を伝達又は遮断する機能及び電磁波を受発信する物理的な機能などが含まれており、同物理的な各機能を高度化するためには、要素部品をプレス加工製造する際に用いる被加工材料10を弾塑性を併有することが特徴の金属材料に限ることなく、各物理領域において優れた性質を有する各種の材料を適用するか、もしくは各物理領域での優れた性質を合成した高機能材料を適用するか、あるいは各種高機能材料を組合せ配した複合高機能材料を適用して要素部品をプレス加工製造することが必要となる。
【0083】
従来の要素部品のプレス加工製造においては、プレス加工の被加工材料が固有している弾塑性によってプレス加工精度が影響を受け、したがって被プレス加工要素部品の機能品質も影響される構成であることに鑑みて、本発明では、請求項19の要素部品の製造に用いる被加工材料の弾性的或は弾塑性的な性質、すなわち同材料の塑性変形能を吟味することによって、極微細精密断面を有する要素部品がプレス加工法で製造可能とすることによって、被加工材料となった各種の高機能材料の優れた物理的性質を活用して該要素部品を高機能化する手段とする。すなわち本発明では、プレス被加工材料の塑性変形能がプレス加工速度に緊密に関連することに着目して高速せん断加工することによって、該要素部品の被加工材料に金属材料、又はフィルムやプラスチックなど有機材料、又は無機材料、又はアモルファスなど非晶質材料、又は各種物質を合成した高機能材料、又は前記各種高機能材料を組合せ配した複合高機能機能材料をプレス加工法で製造可能とし、プレス加工された極微細精密断面の高機能化を図りつつ同要素部品の各物理領域における機能を高度化するとともに低製造コスト化する手段とし、ならびに同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化するとともに低製造コスト化する手段とする。
【0084】
請求項23について
本発明では、請求項22の要素部品の被加工材料10に、鉄より低い電気抵抗の材料を適用することによって、該要素部品の極微細精密断面における導体電気抵抗ならびに導体熱抵抗を銅被加工材料が鉄の場合より低減し、該要素部品の電気的・熱的特性を高めて、該要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化する手段とするとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する手段とする。
【0085】
本発明では、該要素部品の表面に請求項20又は同21に記載する表面皮膜処理するか、好ましくは請求項20及び請求項21を組み合わせ適用した表面皮膜処理することによって、該要素部品の材料力学的な強度を高めるとともに導体電気抵抗及び導体熱抵抗、ならびに接触電気抵抗及び接触熱抵抗、ならびに伝送損失を低減して該要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化するとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する手段となる。
【0086】
請求項24について
最初に、図20によって、要素部品を用いた高速電気信号を伝送する低背高密度実装部品の構成を概念的に説明する。低背高密度実装部品とは、軽薄短小化された複数の要素部品が同じく軽薄短小化されたパッケージ空間に配されている様を表し、したがって高密度に実装された部品をさすこととする。
【0087】
まず、図20には中周波数の電気信号が流れる導体リード53、高周波数の電気信号が流れる導体リード54、低周波数の電気信号が流れる導体リード55があり、それぞれの導体リードに電気信号が流れる層の厚みが53a、54a、55aと示され、厚みが厚い順に示すと55a>53a>54aとなり、周波数が高くなるにしたがって信号が走る電流層が表面層に集中する様子が示されている。
【0088】
各導体リードと機械的接触を成就するために、各導体リード先端部の接触面を同一平面内の位置に変位させると、高周波数導体リード54か低周波数導体リード55かのどちらか一方のリード先端部に連続する最大曲げモーメント部には、合計して約板厚分の変位に相当する曲げモーメントを与えた後、はじめて当該要素部品表面と接触相手電極平面とが接し、機械的接触が開始される力学となる。
【0089】
上記した機械的接触を果した面間には、電気的及び又は熱的導通を可能ならしめる接触荷重(圧力=Normal Force)を未だ有しない導体リードが存在し、その導体リードにおいては電気的又は熱的導通は果されていない状態である。接触相手電極平面がさらに導体リード表面を押し付ける力、すなわち接触荷重(圧力=Normal Force)を得て後はじめて電気的・熱的接触が果され、接触荷重が大きくなるに連れて良好な電気的・熱的接触状態、すなわち低接触(電気・熱)抵抗の接触状態が得られる構成となっている。
【0090】
次に、各導体リードの空間位置の関係は、中周波数リード53に対して、高周波数導体リード54は板厚の約半分の上段差と右寄り変位し、低周波数導体リード55は板厚の約半分の下段差を有している。
【0091】
上記の状態での、高周波数導体リード54と中周波数導体リード53との間のキャパシタンスは、双方リード側面相互の対向有効面積53b及び空間56のリード側面間距離とこの空間物質の誘電率によって定義され、高周波数導体リード54と低周波数導体リード55との間のキャパシタンスは、双方リード側面相互の対向有効面積(図示せず)及び空間57のリード側面間距離とこの空間物質の誘電率によって定義される電磁気学となる。
【0092】
本発明では、かかる構成の低背高密度実装部品の空間密度を考慮して、少ない変位で適正なる接触荷重(圧力=Normal Force)を得ることが必須となり、すなわち銅より高い縦弾性係数の被加工材料10を適用することによって、該要素部品の極微細精密断面における材料力学的課題を解決し、該要素部品及びこれを利用した各種部品、例えば低背高密度実装部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する手段とする。もしくは本発明では、前記要素部品の表面において、ニッケルに比べて小なる体積弾性率及び大なる格子定数を有する表面皮膜を用いて請求項20の表面皮膜処理を施すことによって、該要素部品をさらに高機能化しつつさらに低製造コスト化する手段とする。
【0093】
または本発明では、100MHz以上の高周波帯の高速電気信号が流れることを考慮して、好ましくは高速電気信号が流れる主要な表層部分54aの電気及び熱の抵抗率を低減する物質、すなわちニッケルより小なる電気抵抗率及び大なる熱伝導率を有する物質を適用して、該要素部品の表面に対して請求項20に記載する表面皮膜処理を施すことによって、高速電気信号の回路上の導体損失課題及び接触機構上の電気的・機械的・熱的課題及び電磁気的課題を解決して該要素部品をさらに高機能化しつつさらに低製造コスト化する手段とするが。より好ましくは、該要素部品の表面において、前記四つの物性を併有する物質を適用して請求項20の表面皮膜処理を施すことによって、該要素部品の高機能化と低製造コスト化をさらに推進するとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置の高機能化と低製造コスト化をさらに推進する手段とする。
【0094】
請求項25について
本発明では、請求項22の要素部品の被加工材料10に、鉄より低い電気抵抗の材料を適用することにより請求項23の効果を得る手段とし、銅より高い縦弾性係数の材料を適用することにより請求項24の効果を得る手段とし、もしくは鉄より低い電気抵抗および銅より高い縦弾性係数の材料を適用することによって請求項23および請求項24の効果を重畳して得る手段として活用し、該要素部品の剛性率を高め、該要素部品(導体)の電気抵抗によるジュール発熱量を低減し、該要素部品が保有する熱量を伝導して冷却し、該要素部品の極微細精密断面を通過する送電エネルギーロスを低減し、該要素部品の接触抵抗損失を低減し、該要素部品の高速電気信号の伝送損失を低減して該要素部品を高機能化・高信頼性化しつつ低製造コスト化する手段となる。また本発明では、前記要素部品の表面に請求項24に記載する表面処理を施すことにより、同要素部品の材料力学的課題に加えて伝送回路上の導体損失課題及び接触機構上の電気的・機械的・熱的課題及び電磁気的課題を解決して該要素部品をさらに高機能化しつつ低製造コスト化するとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する手段とする。
【0095】
請求項26について
本発明では、請求項22の要素部品において、同要素部品の被加工材料10に銅より低密度の材料か、好ましくは銅より高い縦波音速度の材料か、より好ましくは前記両特性を併有する材料を適用して極微細精密断面を有する要素部品を製造することによって、同要素部品が作用する外力によって高速に運動するに場合において、同要素部品に形成された極微細精密断面の断面二次モーメントを高精度にすることにより該要素部品の応答周波数を同被加工材料が銅である場合より高め、同要素部品に生起する撓み振動を抑制して同要素部品の同一平面性を高めて該要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化するとともに、これを利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する手段となる。
【0096】
請求項27について
本発明は、作用する外力によって高速に運動する請求項26に記載した要素部品において、該要素部品が少なくとも接触して摺動する面を含む表面に対して、本明細書請求項5の実施例に記載する鏡面仕上げ処理及び又は表面皮膜処理を適用することによって、該要素部品が高速運動する際の応答周波数を高め、該要素部品に生起した撓み振動を抑制し、該要素部品の摩擦損失を低減し、該要素部品の運動速度を更に高速化し、応答周波数をさらに高めて該要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化するとともに、これを利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する手段となる。
【0097】
請求項28について
本発明では、請求項22の要素部品の被加工材料10に自己潤滑性の成分を含有する複合機能材料を適用して極微細精密断面を有する要素部品を製造することによって、該要素部品の極微細精密断面が他の要素部品と接触する場合において、該極微細精密断面は接触面に平滑性を与え、該要素部品に含まれる自己潤滑性の成分は接触面に潤滑性を与えることにより該要素部品の接触による磨耗損失を低減して該要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化する手段となる。また該要素部品が接触する表面に対して、本明細書請求項5の実施例に記載した鏡面仕上げ処理及び又は表面皮膜処理を適用することによって、該要素部品の前記摩擦損失をさらに低減して該要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化する手段となるとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する手段となる。
【0098】
請求項29について
本発明では、請求項22の要素部品の被加工材料10に特異な物性を有するアモルファス非晶質材料を適用して極微細精密断面を有する要素部品を製造することによって、該要素部品を積層して実装する場合において、該極微細精密断面は積層面に平滑性を与えるとともに積層した厚みに高精度を与え、該要素部品の材料が有する特異な物性を効率よく発揮させて該要素部品の積層による損失及びバラツキを低減して該要素部品を高機能化する手段となる。 また該要素部品が積層される表面に対して、本明細書請求項5の実施例に記載した表面処理を施すことにより、該要素部品の積層による損失及びバラツキをさらに低減して該要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化する手段となるとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する手段となる。
【0099】
請求項30について
本発明においては、理科年表(1990年国立天文台編)による銅の物性を、密度8.93g/cm、引張り強さ2〜4Pa(圧延)及びヤング率12.98Paと定め、比強度は引張り強さを密度で除した指数及び比弾性率はヤング率を密度で除した指数とそれぞれ定義して用いる。
【0100】
本発明では、請求項22の要素部品が張力を受けて空間を高速に移動する場合において、該要素部品の被加工材料10に銅より大なる比強度の材料を適用することにより、該要素部品の単位重量当たりの同張力を被加工材料が銅である場合より大きく受容することができ、該要素部品の同一平面性及び応答周波数を高め、銅より大なる比弾性率の材料を適用することによって、該要素部品の単位重量当たりの剛性率を高めて該要素部品に備わる極微細精密断面の断面二次モーメントに高精度を与える手段となる。したがって前記銅より大なる比強度ならびに大なる比弾性率を併有する材料を該要素部品の被加工材料に適用することによって、該要素部品が空間を高速に移動する速度と精度を高めて該要素部品を高機能化するとともに、低製造コスト化する手段となる。 また本発明では、張力が作用した要素部品の極微細精密断面の表面に対して、本明細書請求項5の実施例に記載した表面処理を施すことにより、該要素部品が受容できる前記張力を高めるとともに該要素部品の剛性を高めて該要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化する手段となるとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する手段となる。尚本発明では、銅より大なる比強度と大なる比弾性率を併有する材料を被加工材料に適用した要素部品の表面に、請求項5の実施例に記載する表面処理をすることが望ましい手段となる。
【0101】
【実施例】
本発明の実施例に係わる材料物質の物性及び物性値は、特記して断らない限り、1990年国立天文台編の理科年表に記載されている物性及び物性値の定義を適用する。
請求項1について
プレス金型を具備したプレス機械の加工システムにおいて、プレス機械のスライド28(ラムともいう)に固定され、スライド28とともに加圧往復運動をする部分を上金型可動部と呼び、同上金型可動部を構成する主要部材としては、例えば上金型プレート(又は上ダイセット)1、パンチバッキングプレート2、パンチホルダー3、各種パンチ4、ストリッパー7、パンチガイド部品8、板押え圧縮ばね6などがあり、その他の構成部材として他各種付属部品・冶具乃至センサー機器(図示せず)などがあり、これらの主要構成部材のできるだけ多くの部材へ鉄よりも低い密度を有する材料を適用して、該上金型可動部を軽量化して実施する。
【0102】
前記した鉄に比べて低密度の単体物質例は、亜鉛、アルミニウム、アンチモン、硫黄、イットリウム、インジウム、エルビウム、カドミウム、カリウム、ガリウム、カルシウム、銀、クロム、ケイ素、ゲルマニウム、サマリウム、ジルコニウム、スズ、ストロンチウム、セシウム、セリウム、セレン、炭素、チタン、テルル、ナトリウム、ネオジム、バナジウム、バリウム、ヒ素、プラセオジム、ベリリウム、ホウ素、マグネシウム、マンガン、ヨウ素、ラジウム、ランタン、リチウム、リン、ルビジウムなどであり、これらを単独あるいは複数用いて合成した無機材料、又は合金材料、又は有機材料、あるいはこれらを複合した複合機能材料を適用して上金型可動部の軽量化を実施する。
【0103】
次に、好ましくは鉄に比べて高い比弾性率の物質例には、ベリリウム及びこれを用いた複合材料、アルミニウム複合強化材料、チタン複合強化材料、マグネシウム複合強化材料などの軽量金属を含む軽量合金材料ならびにそれらの複合機能材料、グラファイトエポキシなど複合強化有機材料、セラミック複合強化材料などの有機系ならびに無機系の複合機能材料等を適用して上金型可動部の主要構成部材の軽量化を実施する。また、より好ましくは、該主要構成部材の表面に対して、例えばTiN膜、TiC膜、Al膜、ダイアモンド膜、DLC(Diamond Like Carbon)膜などの硬質皮膜を既知の表面皮膜処理法を適用して該上金型可動部の剛性を保持しつつ軽量化を実施する。
【0104】
請求項2について
本発明では、プレス金型に備わったストリッパーの単板材料において、単板の板厚が被加工材料の板厚以上かあるいは加工パンチの全長高さの5%以上の厚みを有する単板を用いて実施するが、複数枚の薄い板を積層しストリッパーを形成する場合においては、力学的に単板の断面2次モーメントとみなせる接合法を適用して実施することもできる。
【0105】
本発明では、前記ストリッパーの単板材料において、鉄より低い密度の材料は、請求項1の実施例に記載する鉄より低い密度の材料例の中から適用して実施する。また、鉄より高い縦波音速度の物性を持つ物質例は、鉄の縦波音速度を5950m/secとして、アルミニウム6420、クロム6200、シリコン8433m/sec、ジュラルミン(17S)6320m/sec、大理石6100m/sec、チタニウム5990m/sec、ニッケル6040m/sec、ベリリウム12890m/sec、融解水晶5968m/secなどがあるが、好ましくは密度が低い順に、ベリリウムとその合金もしくはこれらを含んだ複合機能材料、又はシリコンとシリコン化合物もしくはこれらを含んだ複合機能材料、大理石又は融解水晶を含んだ複合機能材料、又はアルミニウムとその合金又はこれらを含んだ複合機能材料、チタンとその合金又はこれらを含んだ複合機能材料、グラファイトエポキシなど有機系複合強化材料、セラミック系複合強化材料、クロムとその合金もしくはこれらを含んだ複合機能材料、ニッケルとその合金もしくはこれらを含んだ複合機能材料などがあり、これらを用いて実施するが、これらを組み合わせ適用した物質を適用して実施することが望ましい。
【0106】
より好ましくは、本発明では、前記ストリッパーにおいて、鉄より低い密度かつ鉄より高い縦波音速度を併有する単板材料で形成されたストリッパーの表面に、請求項1の実施例に記載したビッカース硬さHv2000以上の硬質皮膜を表面皮膜処理して実施する。
【0107】
請求項3について
本発明では、プレス金型の上金型可動部に備わったストリッパーの材料において、例えば炭素ならびに炭化物、又は硫黄ならびに硫化物など自己潤滑機能を有する物質成分を含有する材料を適用するか、好ましくは鉄に比べて低い熱膨張率を有する材料を適用するか、より好ましくは前記自己潤滑性成分を含有し、かつ鉄に比べて低い熱膨張率を有する材料を適用して実施する。尚、鉄より低い熱膨張率の物質例には、アンチモン、イリジウム、オスミウム、クロム、ケイ素、ゲルマニウム、ジルコニウム、炭素、タングステン、タンタル、チタン、トリウム、白金、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、モリブデン、ロジウム、ならびに前記各種の物質を組合せ配合した材料などがあり、これらを適用して実施するか、より好ましくは前記自己潤滑性成分を含有した前記鉄より低い熱膨張率の材料を適用して実施する。
【0108】
本発明では、前記ストリッパーにおいて、該ストリッパーの厚み7aが加工パンチの全長高さの5%以上の厚みを有する場合は、該ストリッパー自体に同加工パンチを摺動しながらガイドする長さが前記同5%以上に相当するパンチガイド摺動部分を、周知の精密加工法等により形成して実施する。
【0109】
本発明では、該ストリッパーが該加工パンチの外形寸法に比べて重厚長大である場合において、周知の精密加工法によって前記同5%以上の長さを摺動しつつガイドするパンチガイド摺動部8aを形成したパンチガイド部品8を別個に製作するか、好ましくは前記自己潤滑成分を含有しかつ鉄より低い熱膨張率の材料を適用して前記同5%以上のできるだけ長いパンチガイド摺動部を形成したパンチガイド部品を別個に製作して該ストリッパーに配する構成とするか、より好ましくは前記自己潤滑成分を含有しかつ鉄より低い熱膨張率の材料を適用して前記同5%以上のできるだけ長いパンチガイド摺動部を形成したパンチガイド部品を別個に製作して前記同5%以上の厚みのストリッパーに配する構成として実施する。
【0110】
請求項4について
本発明では、プレス金型に備わった加工パンチの材料において、タングステンより低い密度の物質例は、白金や金を除くほとんどの実用金属材料や、セラミックスなど無機材料が含まれるので、これらを単独あるいは組合せ配合して実施する。同材料において、好ましくは鉄より高い縦弾性係数を有する材料例は、タングステンカーバイドや各種セラミックス、フェロチック、ニッケルなどがあるが、これらを単独あるいは組合せ配合して実施する。同加工パンチ材料において、より好ましくはタングステンより低密度ならびに鉄より高い縦弾性係数を併有する物質例、酸化物、炭化物、窒化物など共有結合形態を特徴とする各種化合物、各種セラミックスや非晶質材料などがあるが、これらを単独あるいは組合せ適用することによって、プレス加工の被加工材料となった材料の塑性変形能より小さい同変形能を有する材料を適用して実施することが本発明では肝要である。
【0111】
従来のプレス金型における打抜き加工パンチ4を含む加工パンチの切り刃を再研磨する作業工程では、作業の効率化のため太幅打抜きパンチ5やその他多数の加工パンチ(図示せず)と同じ長さに、かつパンチバッキングプレート2の平面と平行になるよう加工パンチの切り刃先の底面を平面に再研磨していた。
【0112】
本発明においては、前記した再研磨作業後少なくとも極微細矩形形状断面加工用の打抜き加工パンチ4を含む工程ステージ11の打抜きパンチについて、その切り刃先の底面が一つ以上の適度なシェアー角度4a乃至4bを保有するように研磨加工を追加し、さらに該加工パンチとバッキングプレート2との間に所望の厚みを有する下敷き(図示せず)を挿入して該加工パンチ全長4aに加えて長く(高く)活用することによって、打抜き加工荷重力が発生する瞬間のタイミングを時間軸上での前のタイミングへ移動して実施する。すなわち、挿入する下敷きの厚みを調整して有効長さ(高さ)を変化させることにより、前記した打抜き加工するタイミングを調整可能に構成して実施する。
【0113】
また、前記した下敷きを用いることなく当初から所定の有効長さを有するパンチ全長(高さ)4aの打抜き(細長)加工パンチ4を製作してこれを極微細精密断面の加工に用いることによって、前記した打抜き加工するタイミングを調整して実施することもできる。好ましくは、少なくとも大きなせん断加工荷重力を必要としない極微細精密断面加工用の打抜き加工パンチ4を含む工程ステージ11のパンチ有効長さ(有効高さ)を、一般に順送プレス金型においては、大きな加工荷重力を要する後ステージ工程12の有効長さよりも長く(高く)設定して打抜き加工せん断荷重力が発生する瞬間のタイミングを早める方向に調整して実施するが、反対に調整することもできる。尚、本例はクランク式プレス機械について述べたが、必ずしもこれに限定されることなく、他の駆動機構のプレス機械についても適用され、要は加工パンチの打抜き荷重力の発生瞬間のタイミングを最高速度及びその近傍に近づけるように配すること、及び前記した加工パンチに関する実施例を組合せ適用して加工パンチの打抜き加工速度を高速化することが肝要である。
【0114】
請求項5について
本発明では、要素部品の極微細精密断面を加工するプレス金型の加工パンチの表面に対して、表面粗さRa=0.5μm以下に鏡面仕上げする処理を既知の機械研磨法、又はワイヤーカット法、又はその他の鏡面仕上げ方法等を単独あるいはこれらを組み合わせ用いて実施する。
【0115】
また本発明では、打抜き加工パンチの該当する表面に対して、CVDやPVDあるいはWPCなど既知の表面皮膜処理法を用いて表面粗さRa=0.5μm以下か若しくは摩擦係数が0.15以下の表面性状を有する表面皮膜19を配する表面皮膜処理を施して実施するが、好ましくは前記表面粗さRa=0.5μm以下および前記摩擦係数が0.15以下の表面性状を併有する表面皮膜を適用して実施することが望ましい。該表面皮膜の種類は、セラミックコーティング皮膜、Al、SiO、ZrO等の酸化膜、TiN、CrN、ZrN、HfN、BN、AlN等の窒化膜及びTiC、TiCN、CrC、SiC、WC、HfC、CV等を適用して表面粗さRa=0.5μm以下及び摩擦係数0.15以下の表面皮膜処理を実施するが、好ましくは自己潤滑成分を有するDLC(Diamond like Carbon)皮膜または他のダイアモンド皮膜、二硫化モリブデンなどを適用して表面粗さRa=0.1μm以下及び摩擦係数0.05以下の表面性状に表面皮膜処理を実施するが、これらを組合せ適用して実施することが望ましい。本発明では、摺動する部分の表面をRa=0.5μm以下に鏡面仕上げ処理する方法を適用するか、又は同表面に表面粗さRa=0.5μm以下及び摩擦係数0.15以下の表面性状の皮膜を表面皮膜処理する方法を適用して実施するが、前記鏡面仕上げ処理および表面皮膜処理を組み合わせ適用して実施することが望ましい。
【0116】
請求項6について
本発明では、要素部品の極微細精密断面を加工するプレス金型のダイにおいて、同ダイが被加工材料と接触する表面に対して、本明細書請求項5の実施例に記載する鏡面仕上げ処理又は表面皮膜処理を適用して実施するが、前記鏡面仕上げ処理および表面皮膜処理を組合せ適用して実施することが望ましい。本発明では、請求項5における加工パンチ(金型部品)の表面に対する表面処理の条件とでき得る限り同一に近い条件の鏡面仕上げ処理および表面皮膜処理の下で実施することが望ましいが、より好ましくは同じ装置で同時に表面処理を実施することが望ましい。
【0117】
請求項7について
本発明は、要素部品の極微細精密断面を加工するプレス金型の上金型可動部に備わったストリッパー自体のパンチガイド部分又は同ストリッパーに配されたパンチガイド部品の表面に、本明細書請求項5の実施例に記載する鏡面仕上げ処理又は表面皮膜処理を適用して実施するが、前記鏡面仕上げ処理および表面皮膜処理を組合せ適用して実施することが望ましい。尚、本発明では、請求項5及び請求項6及び請求項7のプレス金型構成部品を、極力同じ装置で同時に表面処理して実施することが最も望ましい。
【0118】
請求項8について
従来のプレス金型の板押さえ圧縮ばね6には、主として鉄鋼材料を用いて剛性率を調整した金型コイルばねが多用されている。本発明のでは、プレス金型の構造寸法上可能な限りばね剛性率を下げた金型コイルばねを選択しこれを本数少なく適用するか、あるいは構造寸法上許されない場合においては、天然ゴムや合成ゴム、又はウレタンやプラスチックなど有機材料、又は各種の複合機能材料などの弾性体を適用するか、好ましくは前記した弾性体を組合せ適用することによって、該プレス金型の板押え力を全加工パンチの加工荷重力の300%以下に低減し、加工パンチが塑性加工する速度を高速化した高速せん断加工可能なプレス金型の実現を実施する。尚、本発明では、請求項1〜7を各個別に適用して実施しても良いが、これら全部を組合せ適用することによって被プレス加工品の断面における転び現象を抑制・制御し、板押さえ力を加工パンチの加工荷重力の300%以下か、好ましくは同100%以下か、より好ましくは同50%以下に低減して、該加工パンチの加工速度を最高速度の近傍に近づけて配することが肝要である。
【0119】
請求項9について
本発明のプレス金型において、加工パンチ切り刃とダイ切り刃とが形成するダイクリアランスを被加工材料板厚の10%以下か、好ましくは同7%以下か、より好ましくはどう5%以下に構成することは、 あるいは加工パンチの加工側面とストリッパーのパンチガイド部分又はパンチガイド部品のパンチガイド摺動面とが形成するパンチガイドクリアランスを同ダイクリアランス値を上限として構成することは、既知の金型工具用の精密機械加工法や研磨法及びワイヤーカット法等によって前記の各金型部品を製作しプレス金型の上金型可動部ならびに下金型固定部に配して実施するが、同各金型部品の表面に本明細書請求項5の実施例に記載する鏡面処理又は表面皮膜処理を組合せ適用することによって、当該両クリアランスをさらに緊密に設定することが望ましい。尚、本法で述べたダイクリアランスの値は、片側クリアランスの絶対値であり、(+)プラスクリアランスと(−)マイナスクリアランスを含んでいる。
【0120】
請求項10について
本発明は、請求項1〜4及び8の実施例を組合せ適用するか、 好ましくは請求項1〜8の実施例を組合せ適用するか、より好ましくは請求項1〜9の実施例を組合せ適用することによって、プレス金型の上金型可動部に配された加工パンチの加工速度を最高速度の近傍にまで高速化し、要素部品の極微細精密断面を各種の冷却潤滑剤液を使用することなく高速せん断プレス加工して実施する。尚本発明では、請求項1〜9に記載する特徴を活用することによってプレス加工工程に従来使用していた各種の冷却潤滑剤液の使用を省略することが肝要であるが、被加工材料10が固有する塑性変形能に応じて同冷却潤滑剤液の使用量を低減して実施しても有効である。
【0121】
請求項11について
本発明では、プレス機械の可動部に備わる主要な構成部材として、例えば図10に例示するコネクティングロッド26、リンク機構27、スライド(ラム)28、スライド取り付け板(図示せず)などがあり、これら主要な構成部材の少なくとも一つ以上の構成部材に本明細書請求項1の実施例に記載した物質例を適用し、あるいは同部材の表面に対して本明細書請求項5の実施例に記載する鏡面仕上げ処理及び又は表面皮膜処理を組合せ適用するか、あるいは請求項1の材料を適用した該部材の表面に請求項5の鏡面仕上げ処理及び又は表面皮膜処理を組合わせ適用することによって、加工過重負荷時においてプレス機械の可動部の往路加圧運動の速度を高速化して高速せん断可能とし、各種冷却潤滑剤液を使用することなく極微細精密断面をプレス加工可能として要素部品をプレス加工製造し、同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程を省略可能として実施する。本発明では、前記のプレス機械が適用できない場合において、高速で高加圧力を駆動できる別の機構のプレス機械、例えば周知のリンク機構、又はリニアモーター駆動機構、又は圧電駆動機構を採用したプレス機械を適用して同プレス機械の往路加圧運動の速度を高速化して高速せん断加工可能とし、各種冷却潤滑剤液を使用することなく極微細精密断面をプレス加工可能として要素部品をプレス加工製造し、同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程を省略可能として実施する。本発明は、高速せん断加工可能なプレス機械を用いることによって、各種の冷却潤滑剤液の省略及び同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程の省略を実施するが、本法に記載するプレス加工方法によって要素部品を製造するプレス加工システム全体を軽薄短小にして被プレス加工品の高機能化ならびに同プレス加工品の低製造コスト化を実施することもできる。
【0122】
請求項12について
本発明では、請求項10に記載する高速せん断可能なプレス金型と請求項11に記載する高速せん断加工可能なプレス加工方法を組合せ適用することによって、プレス加工荷重負荷時における同プレス金型に備わった加工パンチが塑性加工する速度を高速化して高速せん断加工し、冷却潤滑剤液を使用することなく極微細精密断面をプレス加工して要素部品を製造し、同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程を省略可能として実施する。尚、本発明は、高速せん断加工可能なプレス金型ならびに高速せん断加工可能なプレス機械を組合せ適用することによって、各種の冷却潤滑剤液の省略及び同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程の省略を実施するが、本法に記載するプレス加工方法によって要素部品を製造するプレス加工システム全体を軽薄短小にして被プレス加工品の高機能化ならびに同プレス加工品の製造コストを低減して実施することもできる。
【0123】
請求項13について
本発明では、請求項10のプレス金型か、又は請求項11のプレス加工方法を適用して、要素部品の最大曲げモーメント部の近傍を高速にせん断加工することによって実施するが、好ましくは請求項10及び請求項11を組合わせ適用して実施することが望ましく、プレス加工時に要素部品の最大曲げモーメント部のパンチ面側の近傍に対して圧縮塑性変形加工を加えて実施することもできる。本発明は、高速せん断加工可能なプレス金型及び又は高速せん断可能なプレス加工方法を用いることによって、各種の冷却潤滑剤液の省略及び同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程の省略を実施するが、同プレス金型とプレス加工方法によって高機能要素部品を製造するプレス加工システム全体を軽薄短小にして被プレス加工品の高機能化ならびに同プレス加工品の低製造コスト化を実施しても有効である。
【0124】
請求項14について
請求項10のプレス金型か、又は請求項11のプレス加工方法を適用して、要素部品のリード部の近傍を高速にせん断加工することによって実施するが、請求項10及び請求項11を組合わせ適用して実施するのが望ましい。本発明は、高速せん断加工可能なプレス金型及び又は高速せん断加工可能なプレス加工方法を用いることによって、各種の冷却潤滑剤液の省略及び同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程の省略を実施するが、同プレス金型とプレス加工方法を用いて要素部品を製造するプレス加工システムを軽薄短小にして被プレス加工品の高機能化ならびに同プレス加工品の低製造コスト化を実施しても有効である。
【0125】
請求項15について
請求項10のプレス金型か、又は請求項11のプレス加工方法を適用して、要素部品のリード先端部の近傍を高速にせん断加工することによって実施するが、請求項10及び請求項11を組合わせ適用して実施するのが望ましい。本発明は、高速せん断加工可能なプレス金型及び又は高速せん断加工可能なプレス加工方法を用いることによって、各種の冷却潤滑剤液の省略及び同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程の省略を実施するが、同プレス金型とプレス加工方法によって要素部品を製造するプレス加工システム全体を軽薄短小にして被プレス加工品の高機能化ならびに同プレス加工品の低製造コスト化を実施しても有効である。
【0126】
請求項16について
請求項13、14又は15に記載する特徴を少なくとも一つ以上組み合わせ適用して実施するが、前記三つの請求項とも組合わせ適用して実施することが望ましい。尚、本発明による当該要素部品の各部における実施例を図16、17、18及び19に例示するが、本発明は高速せん断加工可能なプレス金型及び又は高速せん断加工可能なプレス加工方法を用いることによって、各種の冷却潤滑剤液の省略及び同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程の省略を実施するが、同プレス金型およびプレス加工方法によって要素部品を製造するプレス加工システム全体を軽薄短小にして被プレス加工品の高機能化ならびに同プレス加工品の低製造コスト化を実施しても有効である。
【0127】
当該要素部品を用いた部品・機器・装置の実装空間に配する物質は、その物質の誘電性、透磁性、電気絶縁性、弾性、密度、音速度、熱伝導性、比熱、摩擦係数など物理的性質を最適化利用することにより気体物質・液体物質・ゲル状物質・固体物質から選択し、光を含む電磁波及び振動を含む力及び熱などの物理諸量を伝達、あるいは遮断、あるいは協働させて適用し、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化ならびに低製造コスト化することによって実施する。
【0128】
請求項17について
本発明では、被プレス加工要素部品の最大曲げモーメント部のプレス加工方向とリード先端部の接触部分(又は接点)の接触方向とが逆転する構成とした請求項10のプレス金型か、又は請求項11のプレス加工方法を適用して実施するが、前記両者を組合せ適用して実施することが望ましい。また本発明では、被プレス加工要素部品の接触部分(又は接点)がパンチ面側である場合、該要素部品の最大曲げモーメント部の近傍を加工する請求項10のプレス金型において、該最大曲げモーメント部をプレス加工する工程ステージのプレス加工方向を逆転して構成するか、簡便には同プレス加工方向を逆転した別個の同プレス金型を製作して用いるか、より簡便には該最大曲げモーメント部の該パンチ面側を強圧して圧縮塑性変形させる構成の同プレス金型を用いて実施するが、外力を受けて該被プレス加工要素部品に生起する最大表面引張応力を圧縮方向のプレス加工残留応力で減殺する構成として実施することが肝要である。本発明は、高速せん断加工可能なプレス金型および高速せん断加工可能なプレス加工方法を用いることによって、各種の冷却潤滑剤液の省略及び同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程の省略を実施するが、同プレス金型とプレス加工方法によって要素部品を製造するプレス加工システム全体を軽薄短小にして被プレス加工品の高機能化ならびに同プレス加工品の低製造コスト化を実施することが望ましい。
【0129】
請求項18について
本発明では、要素部品の少なくともリード先端部を含むリード部の断面を加工製造する場合において、請求項10のプレス金型か、又は請求項11のプレス加工方法を適用することによって、図19の(a)〜(p)に例示する極微細精密断面ならびに微笑突起付極微細精密断面を有する要素部品をプレス加工製造して要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化して実施するとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化ならびに低製造コスト化して実施するが、請求項10のプレス金型及び請求項11のプレス加工方法を組合わせ適用して実施することが望ましい。請求項10のプレス金型において、被プレス加工要素部品のリード先端部を含むリード部の断面を予備的な断面形状にプレス加工する工程ステージの後に、図19(a)〜(p)に例示する断面形状を形成するための面打ち工程ステージ又は潰し工程ステージ又は成形工程ステージ又は切断工程ステージなどの工程ステージを配する構成として実施しても良いが、必要に応じて前記した各工程ステージが分割された別個のプレス金型を適用して実施するか、あるいは前記断面形状を予備的に付与された被加工材料を適用して実施しても良い。本発明は、高速せん断加工可能なプレス金型および高速せん断加工可能なプレス加工方法を用いることによって、本発明の各断面形状を各種の冷却潤滑剤液を使用することなく形成し、同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程の省略を実施するが、同プレス金型およびプレス加工方法によって要素部品を製造するプレス加工システム全体を軽薄短小にして被プレス加工品の高機能化ならびに同プレス加工品の低製造コスト化を実施するとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置の高機能化ならびに低製造コスト化を実施することもできる。
【0130】
本発明では、曲線を含む多角形状又は円を含む楕円形状、好ましくは所望の断面形状を有する被加工材料10を適用して当該部の断面を形成する方法、又は前記断面を予備的な略矩形形状に形成した中間被プレス加工部品を被加工材料として既知の強圧法(例えば面打ち法や潰し法)などを用いて実施するが、これら組み合わせ適用することによって要素部品のリード先端部を含むリード部の断面における断面形状精度及び長さ精度及び空間位置精度を高めて実施することが肝要である。
【0131】
請求項19について
請求項16、17及び18に記載する実施例を組合せ適用することによって、要素部品の各部の断面における物理的機能を高機能化し、ならびに該要素部品を利用した各種部品・機器・装置の性能を高度化するとともに低製造コスト化し、あわせて製造環境負荷ならびに地球環境負荷を軽減して実施する。
【0132】
請求項20について
本発明では、請求項19の要素部品の最大曲げモーメント部を含む表面に対して表面皮膜処理する皮膜物質において、同要素部品の被加工材料10が鉄系又は銅系の金属材料か、又は無機材料か、又は非晶質材料か、又は複合機能材料である場合においては、これらより小なる体積弾性率を有する物質例に、一般にゴム、ナイロン、ポリエチレン、ポリスチレン、木材など有機材料および小なる体積弾性率の金属又は合金などがあり、これらを単独又は複合した皮膜を少なくとも一層以上用いて配する表面処理を施して実施する。前記被加工材料10が鉄系金属材料である場合において、これより小なる体積弾性率を有する物質例は、前記した物質に加えて、コンスタンタン、銅、洋銀、マンガニン、チタン、黄銅、銀、インバール、青銅、アルミ、スズ、フリントガラス、鉛、カドミウム、クラウンガラス、ビスマスおよびこれらを含む複合物質であり、もしくは大なる格子定数を有する物質例は、Cr、Ti、Cd、V、Mo、Zr、Nb、Mg、Li、Ga、Ni、Gd、Nd、Cu、Y、Nd、La、Rh、Pd、Ir、Pt、Au、Ag、Al、As、Na、Se、Te、Sc、Eu、Sb、In、Bi、Pb、Ce、Ba、Th、K、Si、Yb、Ca、Rb、Ge、Cs、Sr、Sn、Mnならびにこれらを含む複合物質であり、どちらか一方の前記物質を含む皮膜か、好ましくは双方に共通する皮膜を少なくとも一層以上用いて配する表面処理を施して実施する。また、前記被加工材料10が銅系金属材料である場合において、被加工材料より小なる体積弾性率の物質例は、前記した鉄系金属材料より小なる体積弾性率の物質例からコンスタンタンと銅を除いた物質であり、もしくは被加工材料より大なる格子定数の物質例は、前記した鉄系金属材料より大なる格子定数の物質例からCr、Ti、Cd、V、Mo、Zr、Nb、Mg、Li、Ga、Niを除いた物質であり、どちらか一方の前記物質を含む皮膜か、好ましくは双方に共通する皮膜を少なくとも一層以上用いて配する表面皮膜処理を施して実施する。本発明では、小なる体積弾性率と大なる格子定数を併有する物質を含む皮膜を少なくとも一層以上組み合わせ適用して表面皮膜処理を実施することが肝要である。
【0133】
請求項21について
本発明では、請求項19の要素部品の表面に表面皮膜処理する皮膜物質において、ニッケルに比較して大なる格子定数を有する物質は、Cu、Y、Rh、Pd、Au、Ag、Nd、La、Ir、Pt、Al、As、Na、Se、Sc、In、Eu、Te、Sb、Bi、Pb、Ba、Th、Ce、K、Si、Yb、Ca、Rb、Ge、Cs、Sr、Sn、Mnならびにこれらを含む複合物質であり、ニッケルに比較して小なる体積弾性率を有する物質は、Pd、Fe、Cu、Mn、Ti、Ag、Al、Zn、Sn、Pb、Cd、Biならびにこれらを含む複合物質であり、ニッケルに比較して小なる電気抵抗率を有する物質は、Zn、Al、Ir、K、Ca、Au、Ag、Co、W、Cu、Na、Be、Mg、Mo、Rhならびにこれらを含む複合物質であり、ニッケルに比較して大なる熱伝導率を有する物質は、Zn、Al、Ir、Cd、K、Au、Ag、W、Cu、Na、Mg、Moならびにこれらを含む複合物質であり、これらを単独あるいは組合せ複合した物質を表面皮膜として適用して実施する。
【0134】
本発明では、請求項19の要素部品のリード先端部を含む表面に対して、ニッケルに比較して大なる格子定数及び小なる体積弾性率及び小なる電気抵抗率及び大なる熱伝導率を併有する表面皮膜を少なくとも一層以上用いて、例えば図20に示す電解差厚めっき堆積法など周知の表面皮膜処理を適用して実施することが望ましい。
【0135】
請求項22について
本発明では、請求項19の要素部品のプレス加工製造において、被加工材料に適用する金属材料には、例えば力学的強度やばね弾性に優れた鉄系金属材料、及び熱や電子の導電性に優れた銅系金属材料、及び軽量化効果並びに消費エネルギー抑制効果と高速化効果がある軽量金属材料などがあるが、これらの材料は弾塑性を併有して特有の塑性変形能を有する特徴があるによって、請求項10のプレス金型及び又は請求項11のプレス加工方法により極微細精密断面を有する要素部品の製造に適用して実施する。また同金属材料の製造工程において圧延による塑性加工工程が最終である金属材料においては、圧延加工による残留応力を除去して後プレス加工することが望ましい適用方法である。すなわち、同圧延加工による残留応力を除去する周知の方法例えば低温焼鈍法などを適用して実施するのが望ましいが、析出硬化型や変態強化型合金材料等の高機能金属材料の製造に用いられるテンションアニ―ル法を適用して実施するのが最も望ましい。前記金属材料と異なり他の原子結合形態を有する材料、例えば電気絶縁性や軽量性に優れた有機材料や、又は電気絶縁性と剛性に優れたセラミックなど無機材料や、又は特異な電磁気特性や表面特性をもつアモルファスなど非晶質材料や、又はあるいは各種物質を合成した高機能材料や、又は各種材料を組合せ配した複合高機能機能材料においても、これら材料に特有の塑性変形能を個別に把握して活用することによりプレス加工によって極微細精密断面が形成可能となり、これを被加工材料として適用して極微細精密断面を有する要素部品をプレス加工製造して実施する。本発明では、結晶性の金属材料を被加工材料とするだけでなく、その他の原子結合形態の材料をも被加工材料とするが、これらを組み合わせ配した複合高機能材料を被加工材料とすることによって要素部品の物理的性能ならびに同要素部品を利用した各種部品・機器・装置の機能を高めることが肝要である。
【0136】
請求項23について
本発明では、請求項22の要素部品の被加工材料10に、鉄より低い電気抵抗の材料、例えば、亜鉛、アルミニウム、イリジウム、インジウム、オスミウム、カドミウム、カリウム、カルシウム、金、銀、コバルト、タングステン、銅、ナトリウム、ニッケル、ベリリウム、マグネシウム、モリブデン、ロジウムならびに前記物質を組合せ配合した材料、および前記材料を含有する各種複合機能材料を用いてプレス加工して要素部品を製造し、もしくは同要素部品の表面に請求項20又は請求項21の実施例に記載する表面皮膜処理を施すか、好ましくは請求項20及び請求項21の実施例に記載する表面皮膜処理を組合せ適用して実施する。
【0137】
請求項24について
本発明では、請求項22の要素部品の被加工材料10に、銅より高い縦弾性係数の材料、例えば、インバール、コンスタンタン、タングステンカーバイド、鉄、ニッケルならびに前記物質を組合せ配合した材料、および前記材料を含有する材料を用いて極微細精密断面をプレス加工して要素部品を製造し、あるいは該要素部品の表面に対して、請求項21の実施例に記載する表面皮膜を適用して請求項20の実施例に記載する表面皮膜処理を施すことによって実施する。
【0138】
請求項25について
本発明では、請求項22の要素部品における被加工材料10に、請求項23の実施例に記載する同材料か、又は請求項24の実施例に記載する同材料か、好ましくは鉄より低い電気抵抗および銅より高い縦弾性係数の材料、例えば請求項23の前記材料に導電性物質を被覆した材料か、請求項24の前記材料に高剛性物質を被覆した材料か、もしくは請求項23の前記材料および請求項24の前記材料を組合せ配した材料を用いて極微細精密断面をプレス加工して要素部品を製造し、あるいは該要素部品の表面に本明細書請求項24の実施例に記載した表面皮膜処理を適用して実施する。
【0139】
請求項26について
本発明では、請求項22の要素部品の被加工材料10において、銅より低い密度の物質例には、亜鉛、アルミニウム、ADP、エボナイト、黄銅、カドミウム、ガラス、クロム、ゲルマニウム、ゴム、シリコン、ジルコニウム、水晶、スズ、ステンレス、大理石、チタニウム、鉄、ニッケル、ベリリウム、マグネシウムならびにこれらを組合せ配合した物質および同物質を含む複合材料があり、これら物質材料を適用して実施する。また銅より高い縦波音速度の物質例には、アルミニウム、ガラス、クロム、ゲルマニウム、シリコン、水晶、ステンレス、大理石、タングステン、チタニウム、鉄、ニッケル、ベリリウム、マグネシウムならびにこれらを組合せ配合した物質および同物質を含む複合材料があり、これら物質材料を適用して実施する。好ましくは前記銅より低い密度ならびに前記銅より高い縦波音速度を有する物質を組合せ配合した物質および同物質を含む複合材料を適用して実施する。
【0140】
請求項27について
本発明では、請求項26に記載した要素部品の表面に、本明細書請求項5の実施例に記載する表面処理方法を適用して実施する。
【0141】
請求項28について
本発明では、請求項22の要素部品の被加工材料10に、自己潤滑機能を有する物質を配合した金属材料又は有機材料又は無機材料又は複合機能材料等を適用して実施する。前記した自己潤滑機能を有する物質とは、例えば炭素を含む炭化物、硫黄を含む硫化物等であり、これらを適宜配合した材料を被加工材料として適用し、極微細精密断面にプレス加工して要素部品をプレス加工製造し、あるいは該要素部品の表面に対して本明細書請求項5の実施例に記載する表面処理方法を適用して実施する。本発明では、前記自己潤滑成分を含む材料を適用した要素部品の表面に請求項5の実施例に示す表面処理を適用して実施することが望ましい。
【0142】
請求項29について
本発明では、請求項22の要素部品の被加工材料10に、例えば特異な電磁気的特性を有するアモルファス非晶質材料等を適用し、極微細精密断面を有する要素部品をプレス加工製造するか、及び又は該要素部品の表面に対し本明細書請求項5の実施例に記載する表面処理方法を適用して実施する。本発明では、前記アモルファス非晶質材料等を適用した要素部品の表面に請求項5の実施例に示す表面処理を適用して実施することが望ましい。
【0143】
請求項30について
本発明では、請求項22の要素部品の被加工材料10に、銅に比較して大なる比強度か、大なる比弾性率か、もしくは大なる比強度ならびに大なる比弾性率の材料、例えばAl、Be、Ti、Mg、Feなどの金属ならびにその合金材料か、又は各種の強化繊維複合材料か、又は前記各種材料を組合せ配した複合高機能材料等を適用して、極微細精密断面を有する要素部品をプレス加工製造して実施するか、該要素部品の表面に対して本明細書請求項5の実施例に記載する表面処理方法を適用して実施する。本発明では、銅より大なる比強度と大なる比弾性率を併有する材料を適用した要素部品の表面に、本明細書請求項5の実施例に記載する表面処理を適用して実施することが望ましい。
【0144】
【発明の作用及び効果】
請求項1について
本発明は、プレス金型の上金型可動部を構成する主要部材において、同金型用に多用される鉄に比べて低密度の材料を適用することによって、同上金型可動部が往復運動するに要する運動エネルギーを低減する作用となり、よって単位重量当たりの当該部の運動速度を高速化し、当該部に配された加工パンチの塑性加工速度を高速化して高速せん断加工可能なプレス金型とする効果とともに、当該部を日常的に取り扱う作業者と当該部を駆動するプレス機械のエネルギー消費量を低減する効果がある。
【0145】
好ましくは、鉄より大きい比弾性率を有する材料を適用することによって、単位重量当たりの断面二次モーメントを大きくする作用となり、該上金型可動部を単位重量当たりの剛性を高めた構造に改善でき、被プレス加工要素部品のプレス加工精度を高める効果がある。より好ましくは、鉄より低い密度と鉄より高い比弾性率を併有する材料を適用することによって、該上金型可動部の単位重量当たりの運動速度および単位重量当たりの剛性を高める作用となり、高速せん断加工可能なプレス金型とする効果とともに、当該部を日常的に取り扱う作業者と当該部を駆動するプレス機械のエネルギー消費量を低減する効果がある。また、当該部材の表面にビッカース硬さHv2000以上の硬質皮膜を表面皮膜処理することによって、該上金型可動部の剛性を高める補助効果となる。すなわち、鉄より低密度かつ高比弾性率の材料をできるだけ多くの該主要構成部材に適用し、かつ該構成部材の表面に硬質皮膜を配した構成とすることによって、該上金型可動部の単位重量当たりの剛性を保持しつつ小型軽量化ならびに高速易動化する効果が得られる。
【0146】
請求項2について
本発明において、ストリッパー7の単板材料の厚み7aを少なくとも被加工材料の厚み以上か、あるいは加工パンチの全長高さの5%以上のできるだけ厚い単板を用いて形成することによって、同ストリッパー7の断面二次モーメントを大きくする作用となり、同ストリッパー7が被加工材料と衝突した際に生起する同ストリッパーの衝撃振動の振幅を低減する効果がある。
【0147】
通常、プレス金型の上金型可動部に備わり、通常は鉄鋼材料で形成されたストリッパー7は、上金型可動部の降下運動に伴って被加工材料と衝突し、該衝突エネルギーは、被加工材料10を鍛圧して圧縮(塑性)変形させるエネルギーに消費されるほか、板押さえ圧縮ばねにより該上金型可動部と連結されたストリッパー自体が撓み振動モード(図4模式説明図を参照)と回転振動モード(図5模式説明図を参照)で振動するエネルギーに転換される。本発明では、該プレス金型の上金型可動部に備わった前記鉄鋼材料のストリッパー7において、鉄より低い密度の材料を適用することによって、プレス加工工程における被加工材料10の表面を叩く衝撃エネルギーを低減する効果があり、好ましくは鉄より高い縦波音速度の物性を持つ材料を適用することによって、ストリッパー7の衝撃振動エネルギーを金型各部へ伝播する速度を早めて振動減衰を早める作用となり、ストリッパー7が被加工材料10を狭圧する際の被加工材料10をダイ面上に安定に固定する板押さえ機能を高めて、前述した転び現象がない極微細精密断面をプレス加工できる効果となる。さらに、前記の安定に固定する板押さえ機能が与えられたストリッパー7は、該プレス金型における板押さえ力の低減を可能とし、該プレス金型の上金型可動部に配された加工パンチの加工速度を高速化できる効果となる。また、より好ましくは鉄より低い密度と鉄より高い縦波音速度を併有する材料を適用してストリッパーを形成し、かつ該ストリッパーの部材の表面にビッカース硬さHv2000以上の硬質皮膜を表面皮膜処理することによって、ストリッパーの剛性を高め、前記した安定した板押さえ機能をさらに高めたストリッパー7とする効果がある。前記安定した板押さえ機能のストリッパーは、ストリッパー7が被加工材料10を叩き伸ばすエネルギーを低減することによって被プレス加工要素部品の挟圧された両表面における残留応力を低減する効果を生み出すとともに、被加工材料10を叩き伸ばすエネルギー消費を低減してプレス機械の駆動エネルギー消費量を軽減し、あわせて当該プレス金型の板押さえ(押込み)力を軽減可能とする効果があり、エネルギー消費量を低減して人と地球環境にやさしいプレス金型で極微細精密断面を有する要素部品をプレス加工製造できる効果となる。
【0148】
請求項3について
本発明では、大なる細長比の(細長打抜き)加工パンチ4を具備したプレス金型の上金型可動部において、該上金型可動部のストリッパー自体に同加工パンチ4の全長(高さ)4aの5%以上の長さを摺動しながらガイドするパンチガイド摺動部の長さ8aを形成することによって、同加工パンチ4を座屈損傷から保護しつつ、塑性加工に必要なプレス機械による加圧力を同加工パンチの加工方向に正しく沿って伝達し、被プレス加工要素部品の断面をほぼ完全な矩形、又は極微細精密断面にプレス加工できる効果がある。また本発明では、前記ストリッパーに適用する材料に、自己潤滑性成分を含む材料を適用することによって、同ストリッパーに備わったパンチガイド摺動部における摩擦発熱を抑制する効果があり、鉄より低い熱線膨張率を有する材料を適用することによって、該摩擦発熱による熱膨張を低減してパンチガイド摺動部におけるパンチガイドクリアランスの狂いを防止する効果があり、好ましくは前記自己潤滑性成分を含み尚かつ鉄より低い熱線膨張率を有する材料を適用することによって、同パンチガイド摺動部における摩擦損失を低減してパンチガイド機能を高めて焼き付きを防止するとともに、同加工パンチの破損事故を抑制する効果がある。また本発明では、プレス金型の前記ストリッパーにおいて、前記同5%以上のパンチガイド摺動部の長さを有するパンチガイド部品を別個に製作するか、あるいは、自己潤滑機能を有する物質成分を含有する材料か、鉄より低い熱膨張係数の材料か、好ましくは前記自己潤滑機能を有する物質成分を含有しかつ鉄より低い熱膨張係数の材料を適用して前記同5%以上のパンチガイド摺動部の長さを有するパンチガイド部品を別個に製作するかして該ストリッパーに配することによって、該パンチガイド摺動部における摺動動作の摩擦係数を低減する作用となり、当該部の摩擦損失を低減してパンチガイド機能を高めて焼き付きを防止するとともに、同加工パンチの破損事故を抑制する効果がある。本発明では、プレス金型に備わった前記加工パンチを保護しつつ、同加工パンチの塑性加工速度が減速することを抑制して高速化しつつ、極微細精密断面をプレス塑性加工できる効果とともに、同プレス金型を駆動するプレス機械のエネルギー消費量を低減する効果がある。
【0149】
請求項4について
従来の加工パンチでは超硬材料などが多用されてプレス金型の上金型可動部の重量を大きくしているが、本発明においては、タングステンより低い密度の材料を加工パンチに適用することによって、上金型可動部の重量を軽量化して同上金型可動部に備わった加工パンチの塑性加工の速度を高速化する効果がある。プレス加工の被加工材料が薄板高強度合金帯条より大きい塑性変形能を有する場合において、好ましくは鉄より高い縦弾性係数の材料を適用することによって、同加工パンチの切り刃先の底面における弾性ひずみ量を小さくする作用となり、高精度な寸法精度を要求される精密微細な幾何形状パターンをプレス加工でき、極微細精密断面を有する要素部品をプレス加工法で製造できる効果がある。
【0150】
前記加工パンチの材料において、より好ましくはタングステンより低密度ならびに鉄より高い縦弾性係数を有する各種の酸化物、各種の炭化物、各種の窒化物、あるいはこれらを組合せ適用して得られた物質を加工パンチの材料に適用することによって、同加工パンチが配されているプレス金型の上金型可動部の重量を軽量化することができ、同上金型可動部の単位重量当たりの往復運動の速度を高速化して加工パンチの塑性加工速度を高速化でき、被プレス加工品の極微細精密断面を高速せん断加工できる効果とともに被プレス加工品の加工精度を高く保持する効果がある。
【0151】
極微細精密断面加工用の加工パンチを含む加工パンチの切り刃の先端に例えばシェアー角4a又は4bを持たせることによって、該加工パンチが受ける加工荷重力の単位時間当たりの衝撃振動を抑制することができ、同加工パンチを保護するとともに同加工パンチの切れ味を鋭くする効果が得られる。すなわち、切れ味の良い加工パンチは、被プレス加工要素部品の断面形状を鋭い切り口のほぼ完全な矩形形状又は極微細精密断面形状に形成できる効果となるとともに、被加工材料の変形抵抗が瞬時に発生することなく塑性加工速度が高速化され、被プレス加工面におけるせん断加工面の割合を増加し、よって被プレス加工面の加工残留応力を低減できる効果及び加工荷重力を駆動するエネルギーの消費を低減する効果がある。
【0152】
本発明では、例えば極微細精密断面加工用の工程ステージ11の打抜き加工パンチの全長4aを他の工程ステージ12に配された加工パンチ5に比較して長くすることにより、工程ステージ11の打抜きパンチ4の打抜き加工速度を高速化できる作用となる。例えば後工程ステージ12に含まれる太幅打抜き用の加工パンチ5は相対的に大なる底面積を有し、したがって同加工パンチに生起する打抜き加工荷重力は前記工程ステージ11の同加工荷重力に比較して大きくなり、したがって太幅打抜き用の加工パンチの打抜き加工速度を減速させる作用となる。同時に、前記した工程ステージ11と後工程ステージ12はプレス金型の上金型可動部の同一平面上に配されていることにより、後工程ステージ12の大なる打抜きせん断加工荷重力を受けとめたパンチバッキングプレート2の平面には偏荷重として作用し、各工程ステージの配置(工程レイアウトとも言う)に相応した曲げモーメントが生起して、上金型可動部の前記同一平面が傾斜しつつ同上金型可動部の加圧降下運動の速度を減速する作用となる。よって、極微細精密断面加工用の打抜き加工パンチ4を含む工程ステージ11の打抜き動作の時間軸上のタイミングを先に(前に)にすることによって上記偏荷重対策を取る必要性が低下し、同上金型可動部の断面二次モーメントを削減可能として軽量化でき、したがって同加工パンチ4の打抜き加工速度を高速化でき、要素部品の被プレス加工断面を極微細精密断面にプレス加工できる効果とともに プレス機械が該プレス金型を駆動するエネルギーの消費を低減する効果がある。
【0153】
反対に、前記した工程ステージ11に含まれる加工パンチ4の全長4aを短くした場合には、工程ステージ12の大なる加工荷重力の衝撃振動が生起する瞬間には、該細長打抜き加工用の加工パンチ4の切り刃の先端が被加工材料10の表面にいまだ達せず、よって加工パンチ4には加工荷重力が生起しないタイミングであるため、概して座屈破損し易い極微細精密断面加工用の細長打抜き加工パンチ4を保護する効果となる。
【0154】
請求項5について
本発明において、プレス金型の上金型可動部に備わった加工パンチの表面に対して表面粗さRa=0.5μm以下の鏡面仕上げ処理を適用することによって摩擦係数を低減し摩擦発熱を抑制する作用となり、同加工パンチの加工荷重力の衝撃振動とパンチガイド摺動面8aが配されているストリッパーの衝撃振動を分離して同加工パンチを保護する効果と高精度な極微細精密断面をプレス加工できる効果があるとともに、前記パンチガイド摺動面での焼き付きを抑制する効果がある。また、プレス加工される極微細リード断面18の被プレス加工断面と同加工パンチ側面の表面との間の摩擦係数を低減して摩擦発熱を抑制し、かつ被加工材料10の塑性加工に要する加工荷重力を低減して同加工パンチの塑性加工の速度を高速化し、被プレス加工品の断面40の加工面における破断面43a又は43bの生成を抑制しつつせん断面42a又は42bの生成を補助し、かつ前記断面の捩り回転(転び)変形44又は48a又は48bなどの生成を抑制して、プレス加工残留応力を低減したほぼ完全な矩形形状又は極微細精密断面をプレス加工法で形成できる効果がある。同時に、プレス加工荷重力を駆動するプレス機械のエネルギー消費量を低減する効果がある。
【0155】
本発明では、加工パンチの表面に対して表面粗さRa=0.5μm以下か若しくは摩擦係数0.15以下の表面性状を有する表面皮膜19を配する表面皮膜処理を施すことによって、前記した摩擦損失を低減して加工速度を高速化する効果となり、好ましくは表面粗さRa=0.1μm以下及び摩擦係数0.1以下の表面性状を併有する表面皮膜を適用することによって同摩擦損失をさらに低減し、より好ましくは前記した鏡面仕上げ処理をした加工パンチ表面上に表面粗さRa=0.1μm以下及び摩擦係数0.05以下の表面性状を併有する表面皮膜を表面皮膜処理することによって同摩擦損失をさらに低減し、高速せん断加工が可能なプレス金型を実現する効果となり、該加工パンチの切り刃の磨耗を軽減する効果があるとともに、高粘度金型潤滑油(図示せず)や冷却潤滑剤液(高粘度加工油)22などを使用することなく極微細精密断面を有する要素部品を二回以下のプレス加工サイクルでプレス加工でき、プレス加工荷重力を駆動するエネルギーの消費を低減する効果となる。尚本発明では、前記した鏡面仕上げ処理と表面皮膜処理とを組合せ適用することによって、前記した両者の効果を相乗して高める効果がある。
【0156】
請求項6について
本発明は、プレス金型の下金型固定部に配されたダイの切り刃の表面に対して請求項5の実施例に記載した鏡面処理及び又は表面皮膜処理を施すことによって、被加工材料が同ダイ切り刃によって塑性加工される際の摩擦抵抗を軽減して同ダイ切り刃の磨耗を軽減するとともに、パンチの加工速度を高速化する効果があり、高速せん断加工可能なプレス金型を実現する補助効果があり、請求項5に記載する効果例をさらに補強して高める効果がある。
【0157】
請求項7について
本発明は、プレス金型の上金型可動部に備わったストリッパー自体のパンチガイド部分又はストリッパーに配されたパンチガイド部品の表面に対して請求項5の実施例に記載した鏡面処理及び又は表面皮膜処理を施すことによって、同パンチガイド摺動部の磨耗を軽減するするとともに、同上金型可動部に配された加工パンチのガイド摺動動作における摩擦係数をさらに低減して請求項5に記載した効果例をさらに補強して高めて同加工パンチの加工速度を高速化する効果があり、高速せん断加工可能なプレス金型を実現する補助効果となり、請求項5に記載する効果例を補完する効果がある。好ましくは、前記請求項5及び請求項6に記載する処理と併用してそれぞれの効果を協働させることによって摩擦損失を相乗して低減できる効果となり、高速せん断加工を可能にする効果がある。尚、本発明では、請求項5及び6及び7に記載する各発明を組合せ適用することによって、好ましくは同じ装置を使用して同時に表面処理をすることによって、より好ましくは前記鏡面処理ならびに表面皮膜処理を組合せ適用することによって、当該プレス金型の打抜き加工速度を最高速度の近傍にまで高速化でき、したがって高速せん断加工可能なプレス金型を実現する効果となる。
【0158】
請求項8について
本発明では、プレス金型の板押さえ力を被プレス加工要素部品の所要全加工荷重力の300%以下に、好ましくは同100%以下に、より好ましくは50%以下に低減することによって、板押さえ圧縮ばね6を圧縮する過程において加工パンチが塑性加工する速度が減速することを抑制する作用となり、加工パンチの加圧速度を同板押さえ力の大きさに応じて高速化することができ、高速せん断加工可能なプレス金型を実現してプレス加工における転び現象を抑制・制御する効果があるとともに、該プレス金型を駆動するプレス機械のエネルギー消費を低減し、かつ同プレス金型が適用されたプレス加工システムの衝撃振動を抑制できる効果がある。
【0159】
本発明のプレス金型に配される板押さえ圧縮ばね(弾性体)において、鉄鋼材料等による金型コイルばねに代えて、好ましくは剛性率が低い天然ゴムや合成ゴムあるいはウレタンやプラスチックなどの有機材料かあるいは各種の複合機能材料か、より好ましくはこれらを組合せ適用した弾性体を使用することによって、それぞれの材料の密度比に応じた軽量化が可能となり、加工パンチの加工速度をさらに高速化する効果が得られるとともに、前記したプレス機械の駆動エネルギー消費を低減し、前記したプレス加工システムの衝撃振動をさらに抑制する効果が得られる。
【0160】
請求項9について
本発明では、プレス金型のパンチガイドクリアランス値をダイクリアランス値を上限としてこれより小さく設定することによって、被プレス加工要素部品の断面における加工傾斜48a及び48b(図14参照)と圧縮変形舟底形状49の異形な性状を軽減しほほ完全な矩形形状又は極微細精密断面を形成できる効果がある。また、該プレス金型におけるダイクリアランス13を被加工材料の板厚比10%以下に、好ましくは同7%以下に、より好ましくは同5%以下に設定することによって、同プレス金型に配された加工パンチから塑性加工荷重力を受けて被加工材料10が曲がることによって生起するダレ曲面41a又は41b(図11参照)における同材料厚み方向に対する深さを制御する作用となり、同ダレ曲面における引張方向の加工残留応力を抑制・制御して、被プレス加工要素部品の材料力学的な強度を高める手段となる。従来のプレス金型によってプレス打抜き加工された要素部品の断面である図11のダレ曲面41a又は41bは、被加工材料10の表面が曲げられて引き伸ばされることによって形成される結果引張方向の残留応力が存在し、破壊敏感性が高い状態となっている。よって、本発明のプレス金型においては、ダイクリアランス13を被加工材料の板厚比で10%以下に、好ましくは同7%以下に、より好ましくは同5%以下に設定することによって、図16に例示するダレ曲面41a又は41bの如くに前記した各ダイクリアランス値に応じたダレ曲面の生成を抑制・制御しつつ四隅の角度が略90度のほぼ完全な矩形形状を形成でき、当該プレス金型により製造された要素部品の材料力学的強度を強化できる効果が得られる。又同時に、前記のダイクリアランス値は、ストリッパー7とダイ11とで狭圧された被加工材料の部分の位置精度を同ダイクリアランス値以下とするとともに該被挟圧部の同材料の塑性変形能を低減する作用となり、したがってせん断加工線がほぼ完全に加工パンチの加工方向に沿って貫通する作用となり、同図16の42a又は42bに例示する如く打抜き加工面における破断面の生成が抑制されてほぼせん断面のみが形成される効果となる。すなわち、該要素部品の被プレス加工断面における加工側辺の傾斜角度をほぼ前記したダイクリアランスの値にせん断加工できる効果となり、ほぼ完全な矩形形状である例えば図16のような極微細精密断面を有する要素部品をプレス加工するプレス金型を実現する効果となる。
【0161】
本発明のプレス金型において、前記した被加工材料10が金属材料でない材料を被加工材料としてプレス加工した場合、該被加工材料を構成する原子の結合形態によって、前記ダレ曲面41a又は41bの生成形態は異なる。すなわち、原子の結合形態がイオン結合や共有結合で結合方向性を有する材料あるいはこれらの中間的性質を示す材料の種類は多く、例えば絶縁材料やセラミック材料では、ダレ曲面の生成が金属材料の場合のダレ曲面41a又は41bに比較して少ないので、極微細精密断面を得ることが容易になる効果が得られる。また原子結合が鎖状に連なった有機材料では、巨大分子構造による変形可能量が大きくなる傾向となることによって、プレス加工に要する加工荷重力が少なくて済む作用をもたらし、したがって塑性加工速度を高速化してほぼ完全にせん断面だけで構成される加工面を形成する効果とともに、プレス機械の駆動エネルギー消費量を低減できる効果がある。
【0162】
すなわち、本発明では、プレス金型の前記ダイクリアランスおよび前記パンチガイドクリアランスを設定することによって、金属材料をはじめとして絶縁材料、無機材料、有機材料、非晶質材料、各種の複合機能材料、あるいはこれらを組合せ配した複合機能材料を被加工材料10として適用して極微細精密断面をプレス加工できるプレス金型を実現する効果がある。
【0163】
請求項10について
本発明は、請求項1〜9に記載した特徴を組合せ適用することによって、プレス金型の上金型可動部に配された加工パンチの塑性加工速度を最高速度の近傍にまで高速化することができ、高速せん断加工可能なプレス金型を実現する効果がある。前記高速せん断加工可能なプレス金型は、被プレス加工要素部品の極微細精密断面を各種の冷却潤滑剤液を使用することなくプレス加工する効果があり、該要素部品に付着した同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程を省略することが可能となる効果がある。
【0164】
本発明のプレス金型は、極微細精密断面を有する要素部品をプレス加工法で製造可能とする効果があるばかりでなく、プレス金型を小型軽量化でき、及びプレス金型の衝撃振動を抑制・制御でき、及びプレス加工工程での各種冷却潤滑剤液の使用を抑制又は省略でき、及びプレス機械が消費する加工荷重力エネルギーを低減できることから、マイクロマシン又はMEMS(Micro Electronics Manufacturing System)等と呼称される超小型精密プレス加工システムを実現する効果があるとともに、同プレス金型を用いて製造した要素部品の製造コストを低減する効果がある。
【0165】
請求項11について
本発明では、プレス機械の可動部に備わる少なくとも一つ以上の主要構成部材において、本明細書請求項1の実施例に記載した物質例を適用し、あるいは同部材の表面に対して本明細書請求項5の実施例に記載する両表面処理を組合せ適用するか、あるいは請求項1の材料を適用した構成部材の表面に請求項5の表面処理を組合わせ適用することによって、負荷時においてプレス機械の可動部の往路加圧運動の速度を高速化して高速せん断可能とし、各種冷却潤滑剤液を使用することなく極微細精密断面をプレス加工可能として要素部品をプレス加工製造し、同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程を省略可能とする効果がある。
【0166】
本発明では、前記のプレス機械が適用できない場合において、高速で高加圧力を駆動できる別の機構のプレス機械、例えば既知のリンク機構、又はリニアモーター駆動機構、又は圧電駆動機構を採用したプレス機械を適用して同プレス機械の往路加圧運動の速度を高速化して高速せん断加工可能とし、各種冷却潤滑剤液を使用することなく極微細精密断面をプレス加工可能として要素部品をプレス加工製造し、同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程を省略可能とする効果がある。
【0167】
本発明は、高速せん断加工可能なプレス機械を用いることによって、各種の冷却潤滑剤液の省略及び同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程の省略を実施するが、本法に記載するプレス加工方法によって要素部品を製造するプレス加工システム全体を軽薄短小にして被プレス加工品の高機能化ならびに同プレス加工品の低製造コスト化を推進する効果がある。
【0168】
本発明のプレス加工方法を適用して極微細精密断面を有する要素部品をプレス加工製造することによって、同要素部品をプレス加工後において脱脂を目的とした洗浄をする必要がなくなり、要素部品の製造工程における脱脂洗浄工程を省略することが可能となる効果がある。すなわち、要素部品の製造工程においてプレス加工工程の直後か、引き続く表面処理工程の前処理工程か、もしくは引き続く熱処理工程の前処理工程か、あるいは引き続く貼着工程の前処理工程などにおける脱脂洗浄工程を省略可能とする効果および同工程における環境負荷を軽減する効果がある。
【0169】
本発明に記載される特徴を有するプレス加工方法は、極微細精密断面を有する要素部品をオイルフリー加工工程で製造できる効果となるばかりでなく、プレス機械を小型軽量化でき、生ずる衝撃振動を抑制・制御でき、各種冷却潤滑剤液の使用を抑制又は省略でき、加工荷重力の消費エネルギーを低減できることから、マイクロマシン又はMEMS(Micro Electronics Manufacturing System)等と呼称される超小型精密プレス加工システムを実現できる効果があるとともに、同プレス加工方法を適用して製造した要素部品の製造コストを低減する効果がある。
【0170】
請求項12について
本発明は、請求項11に記載する高速せん断加工可能なプレス加工方法に、請求項10に記載する高速せん断加工可能なプレス金型を適用して協働させることから、前記した請求項11及び10の効果を相乗的に活用できる効果がある。
【0171】
すなわち、請求項10に記載される特徴を有するプレス金型と請求項11に記載される特徴を有するプレス加工方法を併せ用いることによって、さらに双方を小型軽量化でき、又はさらに双方のプレス衝撃振動を抑制・制御でき、又は当該プレス工程から各種のオイルを排除でき、又は脱脂洗浄工程を排除でき、又はプレス加工荷重力の消費エネルギーを低減でき、マイクロマシン又はMEMS(Micro Electronics Manufacturing System)等と呼称される超小型精密プレス加工システムを人と地球環境にやさしく変革できる効果とともに極微細精密断面を有する高精度な要素部品を高機能化できる効果があるとともに、同プレス加工方法を適用して製造された要素部品の製造コストを低減する効果がある。
【0172】
請求項13について
本発明では、請求項10のプレス金型及び又は請求項11のプレス加工方法を適用して要素部品における最大モーメント部の近傍を高速せん断加工することによって、該部の断面をプレス加工による加工残留応力が低減された高機能な極微細精密断面に形成することができ、前記断面を有する被プレス加工要素部品の性能を高機能化する効果があるとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化できるという効果がある。とりわけ本発明は、同要素部品に外力が作用する場合において、同要素部品の最大曲げモーメント部の材料力学的な強度を高めて高機能化する効果があるとともに、同要素部品の製造に用いた被加工材料の使用量を低減できるか、あるいは被加工材料の種類を最適化変更できるかして同要素部品の製造コストを低減する効果ならびに同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する効果がある。
【0173】
請求項14について
本発明では、請求項10のプレス金型及び又は請求項11のプレス加工方法を適用して要素部品における該リード部の近傍を高速せん断加工することによって、該部の断面をプレス加工による加工残留応力が低減された高機能な極微細精密断面に形成することができ、前記断面を有する被プレス加工要素部品の性能を高機能化する効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果があるとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する効果がある。とりわけ当該リード部自体及び当該リード部が形成する近傍の空間が果たす物理的諸機能を高度化しつつ低製造コスト化する効果とともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置の性能・品質を高度化しつつ低製造コスト化する効果がある。
【0174】
請求項15について
本発明では、請求項10のプレス金型及び又は請求項11のプレス加工方法を適用して要素部品における該リード先端部の近傍を高速せん断加工することによって、該部の断面をプレス加工による残留応力が低減された極微細精密断面に形成することができ、前記断面を有する被プレス加工要素部品の性能を高機能化する効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果があるとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する効果がある。とりわけ当該要素部品が例えば接触弾性ばね要素部品である場合において、接触相手となる面と該要素部品の接触面との面間距離を高精度化できる作用が、当該要素部品における最大曲げモーメント部の材料力学上の強度を強化して機械的な接触信頼性を高める効果となり、図19の(a)、(b)、(c)、(d)、(h)、(j)、(k)(l)、(m)、(n)、(p)などに例示した微小突起のワイピング動作と協働させる構成とすることにより、該要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化する効果があるとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置の電気的・機械的な接触信頼性を高めつつ低製造コスト化する効果がある。
【0175】
また、図19の(e)、(f)、(g)、(i)、(m)、(o)など微小突起を有さず直線や曲線で構成されるリード先端部断面は、当該部と接触する相手要素部品の接触表面との間で、線接触又は面接触をなして接触面積を増加させる作用があることにより、熱や自由電子の伝導を高めて該要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化する効果があるとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する効果がある。
【0176】
請求項16について
本発明では、請求項14、15又は16を組み合わせ適用することによって、要素部品の各部の物理的機能を高度化するとともに同要素部品の各部の断面及び各部の表面近傍の物理空間位置を高精度化する作用があり、要素部品が果すべき各種の物理的諸機能を高度化する効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果がある。さらには、同要素部品を実装した各種部品・機器・装置においては高精度化された前記実装空間に各種の物理的特性を保有する物質を最適化して配することにより、同物質が配された実装空間が保有する電磁気的特性や熱的特性や力学的特性を活用することが可能となり前記各種部品・機器・装置の物理的諸機能を高度化する効果ならびに該各種部品・機器・装置の製造コストを低減する効果となる。例えば接触弾性ばね要素部品などのように、被加工材料となった金属材料のばね限界値特性や強度特性が要素部品の機能に大きく影響する場合において、プレス加工による加工残留応力を低減して極微細精密断面を塑性加工できる本発明は、同要素部品の性能を高める効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果があり、同要素部品を利用した各種部品・機器・装置の接触信頼性を高める効果ならびに同各種部品・機器・装置の製造コストを低減する効果がある。
【0177】
前記した各種部品・機器・装置において、該要素部品の極微細精密断面により高精度化された実装空間に、誘電性、透磁性、電気絶縁性(伝導性)、弾性、密度、音速度、熱伝導性、比熱、摩擦係数など物理的特性を有する物質を最適化して配することにより、該各種部品・機器・装置の物理的機能を最適化して高機能化しつつ低製造コスト化する効果がある。例えば、低背高密度実装電子部品における電気配線回路素子や電気接続弾性ばね端子などの高速電気信号伝送損失の抑制・制御化、あるいは多波長対応送受信アンテナ要素の利得や指向性制御化、非接触RFコンタクト端子の高速化及び高性能化、高速半導体デバイスの測定検査装置の非接触(無線)化等の接触要素部品ならびに非接触要素部品に適用することによって、該要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化する効果があるとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する効果がある。
【0178】
請求項17について
本発明では、被プレス加工要素部品の最大曲げモーメント部のプレス加工方向とリード先端部の接触部分(又は接点)の接触方向とが逆転する構成とした請求項10のプレス金型及び又は請求項11のプレス加工方法を適用することによって、外力が作用して同要素部品の最大モーメント部に生起した最大表面引張応力の面を、プレス加工工程で被加工材料がダイ面と接触した面側に構成でき、よって該ダイ面側の被加工材料表面に残留している圧縮方向の応力エネルギーと前記最大表面引張応力エネルギーとが減殺する作用となり、該要素部品の最大モーメント部の近傍の材料力学的な強度(耐力)を高める効果ならびに同要素部品の製造に要する被加工材料の使用量を低減して同要素部品の製造コストを低減する効果があるとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化ならびに低製造コスト化する効果がある。
【0179】
本発明のプレス金型では、被加工材料のダイ面側の表面、即ち図16に例示したダイ面側の辺40bの側に、図18に例示したリード先端部の接触面あるいは微小突起52a、52bが付加された接触面を配する構成が望ましいが、かならずしもこの構成に限定するものではなく、要素部品の最大曲げモーメント部のパンチ面側の近傍を強圧する構成としても同様の効果がある。
【0180】
請求項18について
本発明では、要素部品の少なくともリード先端部を含むリード部の断面を加工製造する場合において、請求項10のプレス金型か、又は請求項11のプレス加工方法を適用して、図19の(a)〜(p)に例示する極微細精密断面ならびに微小突起付の極微細精密断面を有する要素部品をプレス加工製造することによって、要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化する効果があるとともに、該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化ならびに低製造コスト化する効果がある。
【0181】
本発明では、請求項10のプレス金型及び請求項11のプレス加工方法を組合せ適用することによって、要素部品のリード先端部を含むリード部の断面を図19の(a)〜(p)に例示する極微細精密断面ならびに微小突起付の極微細精密断面を有する要素部品をプレス加工製造することによって、当該部の近傍における断面の表面からの電磁波放射特性を低減・制御する効果、電気ならびに熱の伝導特性を制御する効果、電気ならびに熱の接触伝達特性を制御する効果などがあり、 あるいは当該部自体ならびに当該部近傍の実装空間の位置精度を高める効果とともに、この要素部品を利用した各種部品・機器・装置の性能・品質を高度化しつつ低製造コスト化する効果がある。したがって、前記各種部品・機器・装置の実装空間に実装された該要素部品の表面をもって形成される実装空間に、所望の各種物性を保有する物質を配することにより、力・熱・電気・電磁波などに関する同実装空間の物理的な機能特性を高度にかつバラツキ少なくでき、該要素部品を実装した各種部品・機器・装置を高信頼性かつ高機能化する効果があるとともに低製造コスト化する効果がある。とりわけ、例えばRFコンタクト端子のリード先端部の断面の空間位置精度を高めて高機能な非接触コンタクト端子とするとともに該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化する効果、又は高速電気信号回路に用いられる接触弾性ばね部品やアンテナ回路部品などの電子部品に効果がある。
【0182】
請求項19について
本発明では、請求項16、17及び18に記載する特徴を組合せ適用することによって、要素部品の各部の断面における物理的機能を高機能化し、ならびに該要素部品を利用した各種部品・機器・装置の性能を高度化するとともに低製造コスト化し、あわせて製造環境負荷ならびに地球環境負荷を軽減する効果がある。本発明では、請求項10のプレス金型及び又は請求項11のプレス加工方法を組合せ適用するによって、該要素部品のプレス加工工程において、各種の冷却潤滑剤液及び同冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程を省略してプレス加工環境負荷を低減できる効果を含んでいるが、該要素部品を製造するプレス加工システム全体を軽薄短小にして被プレス加工品の高機能化ならびに同プレス加工品の低製造コスト化する効果も又含んでおり、請求項16〜18の全特徴を組合わせ適用することによって極微細精密断面を有する要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化し、ならびに該要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化し、これら一連の製造工程における製造環境負荷ならびに地球環境負荷を軽減して総製造コストを低減する効果とすることが肝要である。
【0183】
請求項20について
本発明では、請求項19の要素部品の表面に対して、好ましくは同要素部品の被加工材料より小なる体積弾性率と大なる格子定数を併有する物質の表面皮膜を少なくとも一層以上用いて配する表面処理を施すことによって、同要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化する効果とともに、同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する効果がある。より具体的には、本発明に係わる表面処理は、請求項19の要素部品に外力が作用する場合において、表面皮膜処理された同要素部品の材料力学的強度を高める効果となり、同要素部品の電気的・熱的・機械的な接触信頼性を高める効果がある。また、前記した外力が振動する外力である場合においては、同要素部品の振動を抑制する効果とともに同要素部品の金属疲労強度を高める効果があり、振動環境下における同要素部品の接触信頼性の機能を高度化する効果となり、同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化する効果となる。すなわち本発明では、同要素部品の最大曲げモーメント部の材料力学的な強度を高めて高機能化する効果があるとともに、同要素部品の製造に用いた被加工材料の使用量を低減可能にして同要素部品の製造コストを低減可能にする効果があり、したがって同要素部品を利用した各種部品・機器・装置についても前記同様の効果となるとともに、製造環境負荷および地球環境負荷を低減する補助効果がある。。
【0184】
請求項21について
従来の接触弾性ばね要素部品の表面処理皮膜において通常ニッケル又はその合金が多用されている事情に鑑み、本発明では、請求項19の要素部品において、同要素部品の少なくともリード先端部分の近傍を含む同要素部品の各部の表面に、ニッケルより小なる体積弾性率及び大なる格子定数を併有する皮膜物質を用いて表面皮膜処理を施すことによって、同要素部品の各部の材料力学的な強度を強化する効果があり、好ましくは小なる電気抵抗率及び大なる熱伝導率の皮膜物質を用いて表面皮膜処理を施すことによって、同要素部品の電気抵抗及び熱抵抗あるいは電気及び熱インピーダンスを低減する効果があり、より好ましくは前記四つの物性を併有する皮膜物質を用いて表面皮膜処理を施すことによって同要素部品の材料力学的な強度を改善しつつ前記電気的及び熱的な機能を向上する効果がある。本発明では、前記した四つの物性を併有する皮膜物質を少なくとも一層以上用いて、好ましくは周知の差厚堆積法(例えば電解差厚めっき法など)によって表面皮膜処理を施すことによって、接触弾性ばね要素部品等の電気的・熱的・機械的な性能を相乗して高めて同要素部品を高信頼性化するとともに、同要素部品のプレス加工工程における被加工材料の使用量を削減可能にして低製造コスト化する効果があり、ならびに同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する効果がある。より具体的には、前記した外力が振動する外力である場合には、同要素部品の振動を抑制する効果とともに同要素部品の金属疲労強度を高める効果があり、振動環境下における同要素部品の接触信頼性の機能を高度化しつつ低製造コスト化する効果となり、同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する効果となる。とりわけ、図21に例示する差厚堆積された微小突起を同要素部品のリード先端部が相手部品と接触する接点として構成した場合において、同接点のワイピング動作を利用して接触表面上に生成しているかもしれない各種の化合物皮膜を突き破る作用となり、新鮮かつ清浄な面による接触を成就して接触信頼性の向上が図れる効果となり、同要素部品の電気的・熱的・機械的機能を高めるとともに同要素部品の製造コストを低減する効果があり、したがって同要素部品を利用した各種部品・機器・装置についても前記同様の効果があるとともに、製造環境負荷および地球環境負荷を軽減する効果がある。
【0185】
請求項22について
本発明では、請求項19の要素部品の製造に用いる被加工材料において、力学的強度やばね弾性に優れた鉄系金属材料、熱や電子の導電性に優れた銅系金属材料、軽量化効果及び消費エネルギー抑制効果及び高速化効果にすぐれた軽金属材料、電気絶縁性や軽量性にすぐれた有機材料、電気絶縁性と剛性に優れたセラミックなど無機材料、特異な電磁気特性や表面特性をもつアモルファスなど非晶質材料、その他各種機能を合成した高機能材料、もしくは前記高機能材料を組み合わせ配した複合高機能材料が個別に保有する塑性変形能を把握しつつ活用し、これら各種材料をプレス被加工材料に適用することによって、プレス加工された極微細精密断面の高機能化を図りつつ同要素部品の各物理領域における機能を高度化するとともに低製造コスト化する効果があり、ならびに同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化するとともに低製造コスト化する効果があるとともに、製造環境負荷ならびに地球環境負荷を軽減できる効果がある。
【0186】
請求項23について
本発明では、請求項22の要素部品において、同要素部品を100MHz以下の低周波数帯を主成分とする電気信号又は電力又は熱が伝導する場合において、同要素部品の被加工材料10に鉄より低い電気抵抗の材料を適用することによって、電流は同要素部品の極微細精密断面にほぼ均等密度をもって流れる性質が作用することにより、同要素部品の導体電気抵抗および導体熱抵抗を同被加工材料が鉄の場合より低減して、同要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化する効果がある。また本発明では、前記要素部品の表面に対して、請求項20又は21の表面皮膜処理をするか、好ましくは請求項20及び請求項21の表面皮膜処理を組み合わせ適用することによって、該要素部品の材料力学的な強度を高めるとともに導体電気抵抗及び導体熱抵抗、ならびに接触電気抵抗及び接触熱抵抗、ならびに電気信号の伝送損失及び熱伝導損失を低減しつつ電磁放射の利得を安定化して同要素部品を高機能化する効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果があるとともに、同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化する効果ならびに同各種部品・機器・装置の製造コストを低減する効果がある。
【0187】
請求項24について
本発明では、請求項22の要素部品の被加工材料10に銅より高い縦弾性係数の物質を適用して極微細精密断面を有する要素部品を製造することによって、同要素部品の材料力学的課題および電気機械的な接触課題を解決できる効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果がある。また、同要素部品を100MHz以上の高周波数帯の電気信号又は電力又は熱が伝導する場合において、該要素部品の表面に請求項21の実施例に記載する表面皮膜を用いて請求項20の実施例に記載する表面皮膜処理をすることによって、同要素部品の極微細精密断面の材料力学的な強度が強化されて同要素部品の接触信頼性を高めつつ、同時に同要素部品の電気信号の伝送損失を軽減し電磁放射の利得を安定化する効果がある。すなわち、本発明では、該要素部品を高機能化する効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果があるとともに、同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化する効果ならびに同各種部品・機器・装置の製造コストを低減する効果がある。
【0188】
請求項25について
本発明では、請求項22の要素部品において、同要素部品の被加工材料10に鉄より低い電気抵抗の材料か、銅より高い縦弾性係数の材料か、もしくは鉄より低い電気抵抗および銅より高い縦弾性係数の材料を適用して極微細精密断面を有する要素部品を製造することによって、同要素部品における接触電気抵抗発熱を低減し、導通する電流によるジュール発熱を低減し、発生した熱量を伝導して放熱し、同要素部品を通過する送電エネルギー損失及び熱伝導損失を低減する効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果がある。また同要素部品を100MHz以上の高周波数帯を含む電気信号又は電力又は熱が伝導する場合において、高周波電流は同要素部品の極微細精密断面のほぼ表面に集中して流れる性質及び低周波電流は同極微細精密断面にほぼ均等密度で流れる性質とが合わせて作用することにより、本発明では、同要素部品の表面に対して請求項24の実施例に記載した表面皮膜処理を施すことによって、同要素部品の極微細精密断面の材料力学的な強度を強化して同要素部品の接触信頼性を高めつつ、同時に同要素部品の送電エネルギー損失及び電気信号の伝送損失及び熱伝導損失を軽減し電磁放射の利得を高め安定化する効果がある。すなわち、本発明は要素部品を高機能化・高信頼性化する効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果があり、同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化する効果ならびに同各種部品・機器・装置の製造コストを低減する効果がある。
【0189】
請求項26について
本発明では、要素部品が作用する外力によって高速に運動するに場合において、請求項22の要素部品の被加工材料に、銅より低い密度及び又は銅より高い縦波音速度の材料を適用して極微細精密断面をプレス加工して要素部品を製造することによって、同要素部品に形成された極微細精密断面の断面二次モーメントを高精度にすることにより同要素部品の応答周波数を同被加工材料が銅の場合より高めて、同要素部品に生起する撓み振動を抑制し、かつ同要素部品が高速移動する際の同一平面性を高めて同要素部品を高機能化する効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果があるとともに、これを利用した各種部品・機器・装置を高機能化する効果ならびに同部品・機器・装置の製造コストを低減する効果がある。
【0190】
請求項27について
本発明は、要素部品が作用する外力によって高速に運動する場合において、請求項26に記載した要素部品の表面に対して請求項5の実施例に記載する表面処理を施すことによって、同要素部品が高速運動するに際しての応答周波数を高め、同要素部品に生起した撓み振動を抑制し、同要素部品の摩擦損失を低減し、同要素部品の運動速度を更に高速化し、応答周波数をさらに高めて同要素部品を高機能化しつつ低製造コスト化する効果があるとともに、これを利用した各種部品・機器・装置を高機能化しつつ低製造コスト化する効果がある。
【0191】
請求項28について
本発明では、請求項22の要素部品が接触要素部品である場合において、同要素部品の被加工材料10に自己潤滑性の成分を含有する複合機能材料を適用して同要素部品を製造することによって、同要素部品の接触による磨耗損失を低減して高機能化する効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果がある。 また同要素部品が接触する表面に対して、本明細書請求項5の実施例に記載した表面処理を適用することにより、同要素部品の前記した摩擦損失をさらに低減して同要素部品を高機能化する効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果があるとともに、同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化する効果ならびに同各種部品・機器・装置の製造コストを低減する効果がある。尚本発明では、前記自己潤滑成分を含む材料を適用した要素部品の表面に、請求項5の実施例に記載した表面処理を適用することによって、最も大きい効果が得られる。
【0192】
請求項29について
本発明では、請求項22の要素部品が同要素部品を積層して実装する積層要素部品である場合において、同要素部品の被加工材料10に特異な物性を有するアモルファス非晶質材料等を適用して極微細精密断面を有して同一平面性が高い要素部品を製造することによって、同要素部品の積層による損失及びバラツキを低減して同要素部品を高機能化する効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果がある。また、同要素部品が積層される表面に対して、請求項5の実施例に記載した表面処理を施すことにより、同要素部品の積層による損失及びバラツキをさらに低減して同要素部品を高機能化する効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果があるとともに、同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化する効果ならびに同各種部品・機器・装置の製造コストを低減する効果がある。尚本発明では、前記アモルファス非晶質材料等を適用した要素部品の表面に、本明細書請求項5の実施例に記載する表面処理を施すことによって、最も大きい効果が得られる。
【0193】
請求項30について
本発明では、請求項22の要素部品が張力を受けつつ空間を高速に移動する場合において、該要素部品の被加工材料10に銅より大なる比強度か、大なる弾性率か、もしくは大なる比強度ならびに大なる弾性率の材料を適用して極微細精密断面を有する要素部品を製造することによって、被加工材料の物性の大なる比強度は同要素部品の単位重量あたりの引き受け可能な張力を被加工材料が銅である場合より大きくする効果があり、大なる比弾性率は同要素部品の同一平面性及び応答周波数を同時に高める効果ならびに被プレス加工断面自体の断面二次モーメントを高精度にする効果があり、要素部品が空間を高速に移動する速度と精度を高め同要素部品を高機能化する効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果がある。また本発明では、前記張力が作用した要素部品の極微細精密断面の表面に対して、本明細書請求項5の実施例に記載した表面処理を施すことにより、該要素部品が受容する張力を更に高めるとともに該要素部品の剛性を高め同要素部品を高機能化する効果ならびに同要素部品の製造コストを低減する効果があるとともに、同要素部品を利用した各種部品・機器・装置を高機能化する効果ならびに同各種部品・機器・装置の製造コストを低減する効果がある。尚本発明では、銅より大なる比強度と大なる比弾性率を併有する材料を適用した要素部品の表面に、本明細書請求項5の実施例に記載する表面処理を適用することによって、最も大きな効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレス金型の側面を説明する部分断面模式図
【図2】ストリッパーが被加工材料を挟圧した瞬間の模式説明図
【図3】パンチが被加工材料を打抜いた直後の模式説明図
【図4】ストリッパーが衝撃エネルギーを被加工材料に与えた後、
撓み振動モードで振動する様子の模式説明図
【図5】ストリッパーが衝撃エネルギーを被加工材料に与えた後、
回転振動モードで振動する様子の模式説明図
【図6】本発明のプレス金型の前抜き工程ステージでの実施例の模式説明図
【図7】本発明のプレス金型の後抜き工程ステージでの実施例の模式説明図
【図8】ストリッパー組立て実施例の式説明図
【図9】打抜き加工パンチとパンチガイド部品の関係の模式説明図
【図10】従来のクランク式自動プレス機械とその加工工程の模式説明図
【図11】要素部品の最大曲げモーメント部における従来の打抜き加工断面の拡大写真
【図12】要素部品のリード部における従来のプレス加工側面の表面の拡大(中)写真
【図13】要素部品のリード部における従来のプレス加工側面の表面の拡大(大)写真
【図14】要素部品のリード先端部における従来のプレス加工断面(単ピン)の拡大写真
【図15】要素部品のリード先端部における従来のプレス加工断面(複数ピン)の拡大写真
【図16】本発明による要素部品の最大曲げモーメント部における極微細精密断面の拡大写真
【図17】本発明による要素部品のリード部における高速せん断加工側面の表面の拡大写真
【図18】本発明による要素部品のリード先端部における極微細精密断面の拡大写真
【図19】本発明による要素部品の極微細精密断面の摸式形状説明図
【図20】低背高密度実装部品における要素部品の機能の模式説明図
【図21】本発明に関する差厚堆積された微小突起接点部の極微細精密断面の模式説明図
【図22】従来の化学エッチング法による要素部品の微細加工断面の斜視拡大写真
【符号の説明】
1 上金型プレート(又は上ダイプレート)
2 パンチバッキングプレート
3 パンチホルダー
4 (細長打抜き)加工パンチ(前工程ステージ)
4a (細長打抜き)加工パンチの全長(高さ)
4b (細長打抜き)加工パンチの切り刃シェアー角
4c (細長打抜き)加工パンチのせん断加工側面
5 (太長打抜き)加工パンチ(後工程ステージ)
6 板押さえ圧縮ばね(又は弾性体)
7 ストリッパー
7a ストリッパーの厚み
8 パンチガイド部品
8a パンチガイド摺動部の長(高さ)
9 パンチガイドクリアランス
10 被加工材料
11 (細幅抜き)加工用ダイ(前工程ステージ)
12 (太幅抜き)加工用ダイ(後工程ステージ)
13 ダイクリアランス
14 ダイホルダー
15 下金型プレート(又は下ダイセット)
16 ガイドポスト
17 打抜きスクラップ(打抜き屑)
18 極微細断面リード(例えば、要素部品のインナーリード部)
18a 差厚堆積法による微小突起接点(左側)
18b 差厚堆積法による微小突起接点(右側)
19 鏡面仕上げ処理層又は表面皮膜処理層
20 コイルスタンド
21 自動順送り機構装置
22 冷却潤滑剤液(高粘度加工油又は溶剤入り高粘度加工油)
23 防音遮蔽内壁
24 フライホイール
25 電動モーター
26 コネクティングロッド
27 リンク機構(加圧力伝達機構)
28 スライド(ラム)
29 プレス金型
30 高粘度加工油付き被プレス加工要素部品
31 高粘度加工油付き打抜きスクラップ
32 衝撃振動防止装置
33 往復運動の上死点
34 往復運動の下死点
35 換気用ファン
36 オイルミスト雰囲気環境(又は溶剤雰囲気環境)
37 打抜きスクラップシュート(打抜き屑用容器)
38 打抜きスクラップ吸引装置
39 オイルミスト凝集装置
40 要素部品の最大モーメント部におけるプレス加工断面の拡大写真
40a パンチ面側の辺
40b ダイ面側の辺
40c 被加工材料の板厚
40d 要素部品の最大モーメント部のリード幅(例えば、インナーリードの横幅)
41a 同上最大モーメント部における断面の左側のダレ曲面
41b 同上最大モーメント部における断面の右側のダレ曲面
42a 同上最大モーメント部における断面の左側のせん断面
42b 同上最大モーメント部における断面の右側のせん断面
43a 同上最大モーメント部における断面の左側の破断面
43b 同上最大モーメント部における断面の右側の破断面
44 同上最大モーメント部におけるダイ面右側の圧縮変形舟底形状(捩り変形)
45 同上リード部における右側面の表面の拡大写真
45a 同上リード部における右側面のパンチ面(線)
45b 同上リード部における右側面のダイ面(線)
46a 同上リード部における右側面のせん断面
46b 同上リード部における右側面の破断面
47 同上リード部における右側面上に図示した境界線
48 同上リード先端部におけるプレス加工断面の拡大写真
48a 同上リード先端部における反時計回り加工傾斜(前抜き工程ステージ )
48b 同上リード先端部における時計回り加工傾斜(後抜き工程ステージ)
49 同上リード先端部におけるダイ面側の圧縮変形舟底形状
50 同上リード先端部におけるプレス加工後の高さ変位(段差)
51 同上リード先端部におけるプレス加工後の寄り変位(シフト)
52a 同上リード先端部における左側微小突起(又は、接点)
52b 同上リード先端部における右側微小突起(又は、接点)
53 中周波数の電気信号が流れる導体リード
53a 同上導体リードにおける電流層厚み(少し厚い)
53b 同上導体リードにおける対向有効面積
54 高周波数の電気信号が流れる導体リード
54a 同上導体リードにおける電流層厚み(極薄)
55 低周波数の電気信号が流れる導体リード
55a 同上導体リードにおける電流層厚み(厚い)
56 高周波数導体リード54左側面近傍の物理空間
57 高周波数導体リード54右側面近傍の物理空間

Claims (30)

  1. 上金型可動部と下金型固定部を備えたプレス金型の上金型可動部がプレス機械にて高速せん断加工可能に駆動されるプレス金型であって、該プレス金型は被加工品である要素部品の極微細精密断面を高速せん断加工する上金型可動部とこれと協働する下金型固定部とからなるプレス金型であり、該上金型可動部は刃部、保持部及び補助部を備え、該上金型可動部の少なくとも一つ以上の主要な構成部材において、鉄より低い密度を有する材料か、鉄より高い比弾性率の材料か、もしくは前記鉄より低い密度と鉄より高い比弾性率を併有する材料を適用するか、又は該構成部材の表面にビッカース硬さHv2000以上の硬質皮膜を表面皮膜処理するか、あるいは前記鉄より低い密度と鉄より高い比弾性率を併有する材料を適用した前記構成部材の表面に前記表面皮膜処理をしたことを特徴とする極微細精密断面加工用プレス金型。
  2. 上金型可動部と下金型固定部を備えたプレス金型の上金型可動部がプレス機械にて高速せん断加工可能に駆動されるプレス金型であって、該プレス金型は被加工品である要素部品の極微細精密断面を高速せん断加工する上金型可動部とこれと協働する下金型固定部とからなるプレス金型であり、該上金型可動部に備わるストリッパーにおいて、該ストリッパーは該上金型可動部に備わる加工パンチの全長高さの5%以上か、プレス被加工材料の厚み以上の単板で形成するか、該ストリッパーの材料は鉄より低い密度か、衝撃振動を減衰させるために鉄より高い縦波音速度か、もしくは前記鉄より低い密度と鉄より高い縦波音速度を併有する材料を適用するか、あるいは該ストリッパ―の表面にビッカース硬さHv2000以上の皮膜を表面皮膜処理するか、又は前記鉄より低い密度と鉄より高い縦波音速度を併有する材料を適用した前記ストリッパーの表面に前記表面皮膜処理をしたことを特徴とする極微細精密断面加工用プレス金型。
  3. 上金型可動部と下金型固定部を備えたプレス金型の上金型可動部がプレス機械にて高速せん断加工可能に駆動されるプレス金型であって、該プレス金型は被加工品である要素部品の極微細精密断面を高速せん断加工する上金型可動部とこれと協働する下金型固定部とからなるプレス金型であり、該上金型可動部に備わるストリッパーにおいて、該ストリッパーは自己潤滑性成分を含有する材料か、鉄よりも低い熱膨張率を有する材料か、もしくは前記自己潤滑性成分を含有しかつ前記鉄より低い熱線膨張率の材料を適用するか、該ストリッパー自体に同上金型可動部に具備された加工パンチの全長高さの5%以上を摺動しながらガイドするパンチガイド摺動部分を形成するか、あるいは該ストリッパーに前記同5%以上のパンチガイド摺動部を形成したパンチガイド部品を配するか、又は前記自己潤滑性成分を含有しかつ前記鉄より低い熱線膨張率の材料を用いて前記パンチガイド摺動部を形成した前記パンチガイド部品をストリッパーに配したことを特徴とする極微細精密断面加工用プレス金型。
  4. 上金型可動部と下金型固定部を備えたプレス金型の上金型可動部がプレス機械にて高速せん断加工可能に駆動されるプレス金型であって、該プレス金型は被加工品である要素部品の極微細精密断面を高速せん断加工する上金型可動部とこれと協働する下金型固定部とからなるプレス金型であり、該上金型可動部に備わる加工パンチにおいて、該加工パンチの材料にタングステンより低い密度の材料か、鉄より高い縦弾性係数の材料か、もしくは前記タングステンより低い密度と前記鉄より高い縦弾性係数を併有する材料を適用するか、該加工パンチの切り刃先の底面にシェアー角度を付加するか、もしくは該加工パンチの塑性加工動作においてプレス加工荷重力が生起する時間軸上の瞬間をプレス機械のスライドが往路加圧運動する時間帯の中から該加工パンチの塑性加工速度が最高速度となる瞬間及びその近傍へ近づけて配する構成とするか、又は前記タングステンより低い密度と前記鉄より高い縦弾性係数を併有する材料を適用した前記加工パンチに前記シェアー角度を付加し、かつ前記加工パンチの塑性加工速度が最高速度となる瞬間及びその近傍へ近づけて配する構成としたことを特徴とする極微細精密断面加工用プレス金型。
  5. 上金型可動部と下金型固定部を備えたプレス金型の上金型可動部がプレス機械にて高速せん断加工可能に駆動されるプレス金型であって、該プレス金型は被加工品である要素部品の極微細精密断面を高速せん断加工する上金型可動部とこれと協働する下金型固定部とからなるプレス金型であり、該上金型可動部に備わる加工パンチにおいて、該加工パンチの表面を表面粗さRa=0.5μm以下に鏡面仕上げ処理するか、あるいは表面粗さRa=0.5μm以下の表面皮膜か、摩擦係数0.15以下の表面皮膜か、もしくは前記表面粗さRa=0.5μm以下で、かつ前記摩擦係数0.15以下を併有する表面皮膜を形成する表面皮膜処理をするか、又は前記鏡面仕上げ処理をし、かつ前記表面粗さRa=0.5μm以下ならびに摩擦係数0.15以下を併有する表面皮膜を形成する表面皮膜処理を適用したことを特徴とする極微細精密断面加工用プレス金型。
  6. 上金型可動部と下金型固定部を備えたプレス金型の上金型可動部がプレス機械にて高速せん断加工可能に駆動されるプレス金型であって、該プレス金型は被加工品である要素部品の極微細精密断面を高速せん断加工する上金型可動部とこれと協働する下金型固定部とからなるプレス金型であり、該下金型固定部に備わるダイにおいて、ダイの表面を表面粗さRa=0.5μm以下に鏡面仕上げ処理するか、あるいは表面粗さRa=0.5μm以下の表面皮膜か、摩擦係数0.15以下の表面皮膜か、もしくは前記表面粗さRa=0.5μm以下で、かつ前記摩擦係数0.15以下を併有する表面皮膜を形成する表面皮膜処理をするか、又は前記鏡面仕上げ処理をし、かつ前記表面粗さRa=0.5μm以下で、かつ摩擦係数0.15以下を併有する表面皮膜を形成する表面皮膜処理を適用したことを特徴とする極微細精密断面加工用プレス金型。
  7. 上金型可動部と下金型固定部を備えたプレス金型の上金型可動部がプレス機械にて高速せん断加工可能に駆動されるプレス金型であって、該プレス金型は被加工品である要素部品の極微細精密断面を高速せん断加工する上金型可動部とこれと協働する下金型固定部とからなるプレス金型であり、該上金型可動部に備わるストリッパーにおいて、ストリッパー自体に形成されたパンチガイド摺動部分乃至はストリッパーに配されたパンチガイド部品の表面を表面粗さRa=0.5μm以下に鏡面仕上げ処理するか、あるいは表面粗さRa=0.5μm以下の表面皮膜か、摩擦係数0.15以下の表面皮膜か、もしくは前記表面粗さRa=0.5μm以下で、かつ前記摩擦係数0.15以下を併有する表面皮膜を形成する表面皮膜処理をするか、又は前記鏡面仕上げ処理をし、かつ前記表面粗さRa=0.5μm以下で、かつ摩擦係数0.15以下を併有する表面皮膜を形成する表面皮膜処理を適用したことを特徴とする極微細精密断面加工用プレス金型。
  8. 上金型可動部と下金型固定部を備えたプレス金型の上金型可動部がプレス機械にて高速せん断加工可能に駆動されるプレス金型であって、該プレス金型は被加工品である要素部品の極微細精密断面を高速せん断加工する上金型可動部とこれと協働する下金型固定部とからなるプレス金型であり、該上金型可動部に備わるストリッパーが該下金型固定部に備わるダイとの間で被加工材料を挟圧する板押さえ力を、請求項1〜7に記載される特徴を組合せ適用することによって、該上金型可動部に備わる加工パンチに生起するプレス加工荷重力の300%以下に低減したことを特徴とする極微細精密断面加工用プレス金型。
  9. 上金型可動部と下金型固定部を備えたプレス金型の上金型可動部がプレス機械にて高速せん断加工可能に駆動されるプレス金型であって、該プレス金型は被加工品である要素部品の極微細精密断面を高速せん断加工する上金型可動部とこれと協働する下金型固定部とからなるプレス金型であり、該上金型可動部に配された加工パンチ切り刃と下金型固定部に配されたダイ切り刃とが構成するダイクリアランスは被加工材料の板厚の10%以下に配するか、あるいは前記ダイクリアランスを被加工材料の板厚の10%以下に配することなく、該加工パンチの切り刃の側面と、該上金型可動部のストリッパーに配されたパンチガイド部分又はパンチガイド部品のパンチガイド摺動面とが構成するパンチガイドクリアランスをダイクリアランスの値以下に配するか、又は前記板厚の10%以下のダイクリアランスならびに前記パンチガイドクリアランスを組合わせ適用したことを特徴とする極微細精密断面加工用プレス金型。
  10. 上金型可動部と下金型固定部を備えたプレス金型の上金型可動部がプレス機械にて高速せん断加工可能に駆動されるプレス金型であって、該プレス金型は被加工品である要素部品の極微細精密断面を高速せん断加工する上金型可動部とこれと協働する下金型固定部とからなるプレス金型であり、該プレス金型は請求項1〜9記載の特徴を組合せ適用して高速せん断加工可能とし、被プレス加工要素部品の極微細精密断面を各種の冷却潤滑剤液を使用することなくプレス加工可能とすることによって、前記要素部品をプレス加工製造可能としたことを特徴とする極微細精密断面加工用プレス金型。
  11. 上金型可動部と下金型固定部を備えたプレス金型の上金型可動部を高速せん断加工可能に駆動するプレス機械を用いたプレス加工方法であって、該プレス機械は該上金型可動部を駆動する可動部と該下金型固定部を載置する固定部を備え、該プレス機械の可動部の主要な構成部材において、鉄より低い密度か、鉄より高い比弾性率か、もしくは前記鉄より低い密度で、かつ前記鉄より高い比弾性率の材料を適用するか、あるいは該構成部材の表面に請求項5に記載する表面処理を適用するか、又は前記鉄より低い密度で、かつ前記鉄より高い比弾性率の材料を適用した前記構成部材の表面に前記表面処理を適用したことを特徴とするプレス機械を用いるか、あるいは高加圧力を高速で駆動する機構を配したプレス機械を用いるかして、プレス加工荷重負荷時におけるプレス機械の可動部のスライドが往復加圧運動する平均速度を高速化したことを特徴とするプレス機械を適用することによって高速せん断加工可能とし、被プレス加工要素部品の極微細精密断面を各種の冷却潤滑剤液を使用することなくプレス加工製造可能とし、該冷却潤滑剤液を脱脂洗浄する工程を省略可能としたことを特徴とするプレス加工方法。
  12. 上金型可動部と下金型固定部を備えたプレス金型の上金型可動部を高速せん断加工可能に駆動するプレス機械ならびに請求項10に記載する高速せん断加工可能なプレス金型を用いたプレス加工方法であって、該プレス機械は該上金型可動部を駆動する可動部と該下金型固定部を載置する固定部を備え、該プレス機械の可動部の主要な構成部材において、鉄より低い密度か、鉄より高い比弾性率か、もしくは前記鉄より低い密度で、かつ前記鉄より高い比弾性率の材料を適用するか、あるいは該構成部材の表面に請求項5に記載する表面処理を適用するか、又は前記鉄より低い密度で、かつ前記鉄より高い比弾性率の材料を適用した前記構成部材の表面に前記表面処理を適用したことを特徴とするプレス機械を用いるか、あるいは高加圧力を高速で駆動する機構を配したプレス機械を用いたことを特徴とするプレス加工方法。
  13. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された極微細精密断面を有する要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、外力が作用して力学的な曲げモーメントが生起する該要素部品において、該要素部品の最大曲げモーメント部の近傍における断面の形状を極微細精密矩形に形成するか、該最大曲げモーメントにより引張応力が生起する前記断面の一辺の大部分を一つの直線で形成するか、前記断面における破断面の生成を揃って抑制可能に形成するか、前記断面のプレス加工残留応力を抑制・制御して形成するか、もしくは前記断面の図芯がプレス加工後に変位することを抑制・制御可能に形成するか、又はこれらを組合わせ適用して極微細精密断面を形成することによって高機能化したことを特徴とする要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置。
  14. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された極微細精密断面を有する要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、外力が作用して力学的な曲げモーメントが生起する該要素部品において、該要素部品の力学的最大曲げモーメント部に連続するリード部の近傍における断面の形状を極微細精密矩形に形成するか、前記断面における左右の両被プレス加工側辺の大部分を揃って一つの直線で形成するか、前記断面における破断面の生成を揃って抑制可能に形成するか、前記断面のプレス加工残留応力を抑制・制御して形成するか、もしくは前記断面の図芯がプレス加工後に変位することを抑制・制御可能に形成するか、又はこれらをを組合わせ適用して極微細精密断面を形成することによって高機能化したことを特徴とする要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置。
  15. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された極微細精密断面を有する要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、外力が作用して力学的な曲げモーメントが生起する該要素部品において、該要素部品の力学的最大曲げモーメント部に連続するリード先端部の近傍の断面の形状を極微細精密矩形あるいは微小突起付の極微細精密矩形に形成するか、前記断面の被プレス加工品がダイ面と接する側に生じる圧縮変形舟底形状を軽減して形成するか、前記断面における破断面の生成を揃って抑制可能に形成するか、前記断面のプレス加工残留応力を抑制・制御して形成するか、もしくは前記断面の図芯がプレス加工後に変位することを抑制・制御可能に形成するか、又はこれらを組合わせ適用して極微細精密断面を形成することによって高機能化したことを特徴とする要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置。
  16. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された極微細精密断面を有する要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、該要素部品は、該要素部品の長軸上に連続する各部の断面において、請求項13〜15記載の各部の断面における特徴を組合わせ備えたことを特徴とする要素部品であり、又は該要素部品を実装して高機能化するか、該要素部品を実装した隙間空間に大気を含む気体か、液体か、もしくは固体物質を配することによって高機能化したことを特徴とする各種部品・機器・装置。
  17. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された請求項16の要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、該要素部品は、プレス加工に際して被加工材料がプレス金型の下金型固定部に配されたダイの上面と接触した被加工材料の面上に該要素部品のリード先端部が他と接触するための接触部分を形成したことを特徴とする要素部品であり、又は該要素部品を実装して高機能化するか、該要素部品を実装した隙間空間に大気を含む気体か、液体か、もしくは固体物質を配することによって高機能化したことを特徴とする各種部品・機器・装置。
  18. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された請求項16の要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、該要素部品は、該要素部品の少なくともリード先端部を含むリード部の断面において、該断面を極微細精密矩形か、曲線を含む多角形状か、もしくは円を含む楕円形状に形成するか、あるいは前記各断面形状を組合せ備えた極微細精密断面あるいは微小突起付の極微細精密断面に形成したことを特徴とする要素部品であり、又は該要素部品を実装して高機能化するか、該要素部品を実装した隙間空間に大気を含む気体か、液体か、もしくは固体物質を配することによって高機能化したことを特徴とする各種部品・機器・装置。
  19. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された極微細精密断面を有する要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、該要素部品は請求項16〜18記載の構成を組合わせ備えたことを特徴とする要素部品であり、又は該要素部品を実装して高機能化するか、該要素部品を実装した隙間空間に大気を含む気体か、液体か、もしくは固体物質を配することによって高機能化したことを特徴とする各種部品・機器・装置。
  20. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された請求項19の要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、該要素部品は、該要素部品の少なくとも最大曲げモーメント部の近傍を含む同要素部品の表面において、該要素部品の被加工材料とした物質より小なる体積弾性率の物質か、該被加工材料の結晶格子定数より大なる格子定数の物質か、もしくは前記小なる体積弾性率で、かつ前記大なる格子定数を併有する物質を含有する表面皮膜を用いて配する表面皮膜処理を施したことを特徴とする要素部品であり、又は該要素部品を実装して高機能化するか、該要素部品を実装した隙間空間に大気を含む気体か、液体か、もしくは固体物質を配することによって高機能化したことを特徴とする各種部品・機器・装置。
  21. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された請求項19の要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、該要素部品は、同要素部品の少なくともリード先端部の近傍を含む同要素部品の表面において、ニッケルに比べて小なる体積弾性率ならびに大なる格子定数か、ニッケルに比べて小なる電気抵抗率ならびに大なる熱伝導率か、もしくは前記ニッケルに比べて小なる体積弾性率、大なる格子定数、小なる電気抵抗率及び大なる熱伝導率を併有する物質を含有する表面皮膜を用いて配する表面皮膜処理を施したことを特徴とする要素部品であり、又は該要素部品を実装して高機能化するか、該要素部品を実装した隙間空間に大気を含む気体か、液体か、もしくは固体物質を配することによって高機能化したことを特徴とする各種部品・機器・装置。
  22. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された請求項19の要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、該要素部品は、該要素部品のプレス加工における被加工材料において、金属材料、有機材料、無機材料、非晶質材料、前記各種材料を合成した機能材料及び前記機能材料を組合わせ配した複合高機能材料を適用したことを特徴とする要素部品であり、又は該要素部品を実装して高機能化するか、該要素部品を実装した隙間空間に大気を含む気体か、液体か、もしくは固体物質を配することによって高機能化したことを特徴とする各種部品・機器・装置。
  23. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された請求項22の要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、該要素部品は、該要素部品のプレス加工における被加工材料に鉄より低い電気抵抗の材料を適用したことを特徴とする要素部品であり、もしくは要素部品の表面に対して請求項20か、請求項21か、もしくは請求項20ならびに請求項21に記載する表面皮膜処理を組合せ適用したことを特徴とする要素部品か、あるいは前記鉄より低い電気抵抗の材料を適用した要素部品の表面に対して前記表面皮膜処理を適用したことを特徴とする要素部品であり、又は該要素部品を実装して高機能化するか、該要素部品を実装した隙間空間に大気を含む気体か、液体か、もしくは固体物質を配することによって高機能化したことを特徴とする各種部品・機器・装置。
  24. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された請求項22の要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、該要素部品は、該要素部品のプレス加工における被加工材料に銅より高い縦弾性係数の材料を適用したことを特徴とする要素部品であり、もしくは要素部品の表面に請求項21に記載する表面皮膜を用いて請求項20に記載する表面皮膜処理を適用したことを特徴とする要素部品か、あるいは前記銅より高い縦弾性係数の材料を適用した要素部品の表面に対して前記表面皮膜処理を適用したことを特徴とする要素部品であり、又は該要素部品を実装して高機能化するか、該要素部品を実装した隙間空間に大気を含む気体か、液体か、もしくは固体物質を配することによって高機能化したことを特徴とする各種部品・機器・装置。
  25. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された請求項22の要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、該要素部品は、該要素部品のプレス加工における被加工材料に鉄より低い電気抵抗の材料か、銅より高い縦弾性係数の材料か、もしくは鉄より低い電気抵抗で、かつ銅より高い縦弾性係数の材料を適用したことを特徴とする要素部品であり、あるいは該要素部品の表面に対して請求項24に記載する表面皮膜処理を施したことを特徴とする要素部品であり、又は該要素部品を実装して高機能化するか、該要素部品を実装した隙間空間に大気を含む気体か、液体か、もしくは固体物質を配することによって高機能化したことを特徴とする各種部品・機器・装置。
  26. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された請求項22の要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、該要素部品は、該要素部品のプレス加工における被加工材料において、銅より低密度の材料か、銅より高い縦波音速度の材料か、もしくは前記銅より低い密度で、かつ前記銅より高い縦波音速度を併有する材料を適用したことを特徴とする要素部品であり、又は該要素部品を実装して高機能化するか、該要素部品を実装した隙間空間に大気を含む気体か、液体か、もしくは固体物質を配することによって高機能化したことを特徴とする各種部品・機器・装置。
  27. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された請求項26の要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、該要素部品は、該要素部品が接触し摺動する面を含む表面に請求項5に記載する表面処理を適用したことを特徴とする要素部品であり、又は該要素部品を実装して高機能化するか、該要素部品を実装した隙間空間に大気を含む気体か、液体か、もしくは固体物質を配することによって高機能化したことを特徴とする各種部品・機器・装置。
  28. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された請求項22の要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、該要素部品は、該要素部品のプレス加工における被加工材料に自己潤滑性の物質を含有した複合機能材料を適用したことを特徴とする要素部品であり、もしくは要素部品の少なくとも該要素部品が接触し摺動する面を含む表面に請求項5に記載する表面処理を適用したことを特徴とする要素部品か、あるいは前記自己潤滑性の物質を含有した複合機能材料を適用した要素部品の表面に前記表面処理を適用したことを特徴とする要素部品であり、又は該要素部品を実装して高機能化するか、該要素部品を実装した隙間空間に大気を含む気体か、液体か、もしくは固体物質を配することによって高機能化したことを特徴とする各種部品・機器・装置。
  29. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された請求項22の要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、該要素部品は、該要素部品のプレス加工における被加工材料に非晶質材料を適用したことを特徴とする要素部品であり、もしくは要素部品の少なくとも該要素部品が接触する面を含む表面に請求項5に記載する表面処理を適用したことを特徴とする要素部品か、あるいは前記非晶質材料を適用した要素部品の表面に前記表面処理を適用したことを特徴とする要素部品であり、又は該要素部品を実装して高機能化するか、該要素部品を実装した隙間空間に大気を含む気体か、液体か、もしくは固体物質を配することによって高機能化したことを特徴とする各種部品・機器・装置。
  30. 請求項10のプレス金型か、請求項11のプレス加工方法か、もしくは該プレス金型ならびに該プレス加工方法を用いて製造された請求項22の要素部品および該要素部品を利用した各種部品・機器・装置であり、該要素部品は、該要素部品のプレス加工における被加工材料に銅より大なる比強度か、銅より大なる比弾性率か、もしくは銅より大なる比強度で、かつ銅より大なる比弾性率を併有する材料を適用したことを特徴とする要素部品であり、もしくは該要素部品の少なくとも該要素部品が接触する面を含む表面に請求項5に記載する表面処理を適用したことを特徴とする要素部品か、あるいは前記銅より大なる比強度で、かつ銅より大なる比弾性率を併有する材料を適用した要素部品の表面に前記表面処理を適用したことを特徴とする要素部品であり、又は該要素部品を実装して高機能化するか、該要素部品を実装した隙間空間に大気を含む気体か、液体か、もしくは固体物質を配することによって高機能化したことを特徴とする各種部品・機器・装置。
JP2003053980A 2003-02-28 2003-02-28 極微細精密断面加工用プレス金型とプレス加工方法並びにこれらを適用した要素部品及びこれを用いた各種部品・機器・装置 Withdrawn JP2004261836A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003053980A JP2004261836A (ja) 2003-02-28 2003-02-28 極微細精密断面加工用プレス金型とプレス加工方法並びにこれらを適用した要素部品及びこれを用いた各種部品・機器・装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003053980A JP2004261836A (ja) 2003-02-28 2003-02-28 極微細精密断面加工用プレス金型とプレス加工方法並びにこれらを適用した要素部品及びこれを用いた各種部品・機器・装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004261836A true JP2004261836A (ja) 2004-09-24

Family

ID=33118442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003053980A Withdrawn JP2004261836A (ja) 2003-02-28 2003-02-28 極微細精密断面加工用プレス金型とプレス加工方法並びにこれらを適用した要素部品及びこれを用いた各種部品・機器・装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004261836A (ja)

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006022141A1 (ja) * 2004-08-26 2006-03-02 Alps Electric Co., Ltd. 機能素子及びその製造方法、ならびに前記機能素子を用いた電子機器及びその製造方法
JP2008225168A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Seiko Epson Corp 光学装置、およびプロジェクタ
WO2009131253A1 (ja) * 2008-04-24 2009-10-29 木村洋一 金属部品の高速塑性加工方法
CN102527852A (zh) * 2011-11-01 2012-07-04 哈尔滨东安发动机(集团)有限公司 薄板精密冲模模架
CN102773333A (zh) * 2012-07-20 2012-11-14 苏州吴中经济开发区搏宇模具加工厂 一种集成器支架冲孔模
CN103464592A (zh) * 2013-09-10 2013-12-25 宁波森富机电制造有限公司 大背夹连续生产模具
CN103464593A (zh) * 2013-09-10 2013-12-25 宁波森富机电制造有限公司 小背夹连续生产模具
KR101451215B1 (ko) * 2012-07-26 2014-10-15 차춘환 초경 소재 가공장치
JP5764325B2 (ja) * 2008-04-24 2015-08-19 康幸 尾崎 金属管継手の高速塑性加工方法、金型、加工機、これらを用いる金属管継手の製造方法及び製造された金属管継手、該金属管継手用付属品並びに組立体
JP2017109223A (ja) * 2015-12-16 2017-06-22 しのはらプレスサービス株式会社 新せん断打抜き加工法を用いた金属製品の製造方法
JP2017109224A (ja) * 2015-12-16 2017-06-22 しのはらプレスサービス株式会社 新鍛造加工法を用いた金属製品の製造方法
CN108080487A (zh) * 2016-11-23 2018-05-29 震旦(中国)有限公司 一种数控控制的前面板切角模具
CN108100379A (zh) * 2017-12-21 2018-06-01 重庆洛昂机械有限公司 弧形工件的加工方法
KR20190103634A (ko) * 2018-02-28 2019-09-05 제너셈(주) 패키지 커팅 방법
JP2020006596A (ja) * 2018-07-10 2020-01-16 東洋製罐株式会社 フィルムの立体加工方法
CN111428331A (zh) * 2019-01-25 2020-07-17 盘起工业株式会社 线图信息生成程序及方法、模具零部件膜种选择辅助程序及方法
CN113664137A (zh) * 2021-07-28 2021-11-19 青海中钛青锻装备制造有限公司 自脱料模具
CN115188603A (zh) * 2022-06-08 2022-10-14 广东技术师范大学 金属氧化物基微型超级电容器制备设备及其制备方法
JP7388518B2 (ja) 2018-04-25 2023-11-29 株式会社プロテリアル 非晶質金属薄帯
CN117415389A (zh) * 2023-12-19 2024-01-19 成都先进功率半导体股份有限公司 一种引线框架分切装置及使用方法

Cited By (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006022141A1 (ja) * 2004-08-26 2006-03-02 Alps Electric Co., Ltd. 機能素子及びその製造方法、ならびに前記機能素子を用いた電子機器及びその製造方法
JP2008225168A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Seiko Epson Corp 光学装置、およびプロジェクタ
WO2009131253A1 (ja) * 2008-04-24 2009-10-29 木村洋一 金属部品の高速塑性加工方法
JP5764325B2 (ja) * 2008-04-24 2015-08-19 康幸 尾崎 金属管継手の高速塑性加工方法、金型、加工機、これらを用いる金属管継手の製造方法及び製造された金属管継手、該金属管継手用付属品並びに組立体
CN102527852A (zh) * 2011-11-01 2012-07-04 哈尔滨东安发动机(集团)有限公司 薄板精密冲模模架
CN102773333A (zh) * 2012-07-20 2012-11-14 苏州吴中经济开发区搏宇模具加工厂 一种集成器支架冲孔模
KR101451215B1 (ko) * 2012-07-26 2014-10-15 차춘환 초경 소재 가공장치
CN103464592A (zh) * 2013-09-10 2013-12-25 宁波森富机电制造有限公司 大背夹连续生产模具
CN103464593A (zh) * 2013-09-10 2013-12-25 宁波森富机电制造有限公司 小背夹连续生产模具
JP2017109223A (ja) * 2015-12-16 2017-06-22 しのはらプレスサービス株式会社 新せん断打抜き加工法を用いた金属製品の製造方法
JP2017109224A (ja) * 2015-12-16 2017-06-22 しのはらプレスサービス株式会社 新鍛造加工法を用いた金属製品の製造方法
CN108080487A (zh) * 2016-11-23 2018-05-29 震旦(中国)有限公司 一种数控控制的前面板切角模具
CN108100379A (zh) * 2017-12-21 2018-06-01 重庆洛昂机械有限公司 弧形工件的加工方法
CN108100379B (zh) * 2017-12-21 2019-11-26 重庆洛昂机械有限公司 弧形工件的加工方法
KR102035145B1 (ko) 2018-02-28 2019-10-22 제너셈(주) 패키지 커팅 방법
KR20190103634A (ko) * 2018-02-28 2019-09-05 제너셈(주) 패키지 커팅 방법
JP7396434B2 (ja) 2018-04-25 2023-12-12 株式会社プロテリアル 非晶質金属薄帯
JP7388518B2 (ja) 2018-04-25 2023-11-29 株式会社プロテリアル 非晶質金属薄帯
JP7305928B2 (ja) 2018-07-10 2023-07-11 東洋製罐株式会社 フィルムの立体加工方法
JP2020006596A (ja) * 2018-07-10 2020-01-16 東洋製罐株式会社 フィルムの立体加工方法
CN111428331B (zh) * 2019-01-25 2023-10-31 盘起工业株式会社 线图信息生成系统及方法、模具零部件膜种选择辅助系统及方法
CN111428331A (zh) * 2019-01-25 2020-07-17 盘起工业株式会社 线图信息生成程序及方法、模具零部件膜种选择辅助程序及方法
CN113664137A (zh) * 2021-07-28 2021-11-19 青海中钛青锻装备制造有限公司 自脱料模具
CN115188603B (zh) * 2022-06-08 2023-08-01 广东技术师范大学 金属氧化物基微型超级电容器制备设备及其制备方法
CN115188603A (zh) * 2022-06-08 2022-10-14 广东技术师范大学 金属氧化物基微型超级电容器制备设备及其制备方法
CN117415389A (zh) * 2023-12-19 2024-01-19 成都先进功率半导体股份有限公司 一种引线框架分切装置及使用方法
CN117415389B (zh) * 2023-12-19 2024-04-09 成都先进功率半导体股份有限公司 一种引线框架分切装置及使用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004261836A (ja) 極微細精密断面加工用プレス金型とプレス加工方法並びにこれらを適用した要素部品及びこれを用いた各種部品・機器・装置
US4497196A (en) Apparatus for performing operations on strip material
JP6446046B2 (ja) 超伝導高周波加速空洞の純ニオブ製エンドグループ部品の製造方法
JP2003117799A (ja) 硬脆性のワークから板を切り離すための方法および該方法を実施するためのワイヤソー
CN1964802A (zh) 剪切装置
JP4438468B2 (ja) プレス成形方法およびプレス成形装置
JP2012101310A (ja) ワイヤソー装置及びこれを用いたウエハの製造方法
JP7388518B2 (ja) 非晶質金属薄帯
CN1071604C (zh) 较硬材料的成形方法
Krutz et al. Development and testing of a flexible test bench for high-speed impact shear-cutting with linear motors
JP5516256B2 (ja) 速度制御による打抜き装置
JP6792330B2 (ja) 新鍛造加工法を用いた純ニオブ製品の製造方法
Kuhfuss et al. Electromagnetic linked micro part processing
Veena et al. A critical review on severe plastic deformation
Qin et al. Forming of micro-sheet-metal components
JP2013241631A (ja) 圧延銅箔
US6521301B1 (en) Discharge surface processing method
Presz Flexible manufacturing system for vibration assisted microforming
WO1990005600A1 (en) Die set for the formation of cavities for metal packages to house electronic devices
Paldan et al. Production equipment and processes for bulk formed micro components
JP6488967B2 (ja) 粉末充填装置およびそれを用いた希土類焼結磁石の製造方法
JP6499571B2 (ja) 新せん断打抜き加工法を用いた金属製品の製造方法
JP2020075339A (ja) 線材切断装置
JPH04372397A (ja) 圧電アクチュエータ応用プレスによる金属箔打抜き方法および金型
Presz et al. Vibration asisted progresive-die micro-blanking

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060509