JP2004261467A - ゴルフクラブセットおよびゴルフクラブシャフトセット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のゴルフクラブセットは、ロフト角度が互いに異なる複数本のゴルフクラブからなる。この複数本のゴルフクラブのうち、少なくとも3本のゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッドが取り付けられるゴルフクラブシャフトの一方の端部または他方の端部を固定した状態で、ゴルフクラブシャフトの他方または一方の端部を振動させた際の各共振周波数の比率が、ゴルフクラブの番手またはロフト角度に対応して設定されている(直線A)。また、本発明のゴルフクラブシャフトセットの各ゴルフクラブシャフトは、適用すべきゴルフクラブの番手が設定されており、上記共振周波数の比率が番手の順序に対応して設定されている。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、番手またはロフト角度が異なる複数本のゴルフクラブをセットとして供給するゴルフクラブセット、および番手または長さが異なる複数本のゴルフクラブシャフトをセットとして供給するゴルフクラブシャフトセットに関し、特に、ゴルフクラブシャフトの先端または後端を固定して測定した1次共振周波数の比率、またはゴルフクラブシャフトの後端を固定して測定した2次共振周波数と1次共振周波数との比率を、少なくとも3本のゴルフクラブについて番手の順番またはロフト角度に対応させたゴルフクラブセット、およびゴルフクラブシャフトの先端または後端を固定して測定した1次共振周波数の比率、またはゴルフクラブシャフトの後端を固定して測定した2次共振周波数と1次共振周波数との比率を、少なくとも3本のゴルフクラブシャフトについて適用される番手またはその長さに対応させたゴルフクラブシャフトセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルファは、より良いゴルフプレイをするために技術を向上させようとする一方、より良いスコアを得るために、より良い性能のゴルフクラブを求める。そのため、ゴルフクラブは常により良い性能が求められている。より良い性能とは、例えば飛距離が出るということ、打ち易いこと、または飛距離の調整がし易いことである。
【0003】
ところで、ゴルフは、ゴルフクラブのクラブ長さまたはロフト角度の異なる14本のゴルフクラブを限度として複数本のゴルフクラブを揃えて競技を行うものである。
例えば、1番、3番、5番ウッド等のウッド系ゴルフクラブと、3〜9番のアイアンと、ピッチングウェッジ、サンドウェッジまたはパター等とを揃え、ピンまでの距離に応じてゴルフクラブを適宜選択して打球する。
特に、アイアンの場合、ゴルフボールをピンの周りに正確にショットするために、アイアンの番手によってゴルフボールの打球の高さ、および飛距離が精度良く打ち分けられることが望まれている。
従来より、アイアンについては、後述する方法によってアイアンのゴルフクラブシャフトの振動数を測定し、この振動数によって、アイアンの番手が調和したゴルフクラブセットを提供することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
以下、従来のアイアンのゴルフクラブシャフトの振動数の測定方法について説明する。
先ず、ゴルフクラブのグリップ部を固定把持し、ゴルフクラブヘッドの装着されている先端部を自由端として振動させ、振動によってゴルフクラブシャフトの先端部分が光電管を横切る回数を計数し、1分当たりの横切る回数から振動数を求める。また、ゴルフクラブシャフト単体のグリップの装着される後端部を固定把持し、ゴルフクラブヘッドの装着される先端部に数100gの重りを取り付けて自由端として振動させ、この振動によってゴルフクラブシャフトの先端部が光電管を横切る回数を測り、1分当たりの横切る回数から振動数を求めることもできる。
【0005】
また、上記方法で計測される振動数は、ゴルフクラブの番手、ゴルフクラブヘッドのロフト角度またはゴルフクラブのシャフト長さに調和したゴルフクラブセットを形成するための指標となっている。すなわち、この振動数がゴルフクラブの番手に線形的に比例して上昇するようにゴルフクラブセットが提供される。
【0006】
また、このように測定される振動数は、ゴルフクラブシャフトが硬い場合、振動数が高くなることから、ゴルフクラブシャフトの硬さを表す指標となっている。したがって、振動数が低く、ゴルフクラブシャフトが軟らかいものは、ゴルフボールのインパクト時のゴルフクラブシャフトのたわみが大きくなり、実効ロフト角度が大きくなって、ゴルフボールの打球の高さが高くなる。そのため、ゴルフクラブセットにおけるゴルフクラブシャフトの各振動数を調和させることにより、各ゴルフクラブセットにより打撃されたゴルフボールの打球の高さも調和させることができると考えられていた。
【0007】
【特許文献1】
特開昭52−126321号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アイアンにおいては、番手によってゴルフボールの打球の高さを調整することで、ゴルフボールのトータルの距離を調整して、例えば、グリーン上の適切な位置にゴルフボールをオンさせたり、また、番手によって飛距離を打ち分けている。
【0009】
しかし、上述の振動数が調和したアイアン等のゴルフクラブセットは、打撃されたゴルフボールの打球の高さが必ずしも全体にわたって調和していない場合もある。このため、グリーン上の適切な位置にゴルフボールをオンさせることが困難となったり、風等の影響を受けて飛距離に大きく左右するゴルフボールの打球の高さを番手に応じて使い分けることが難しくなる。
そのため、このようなゴルフクラブセットは、番手に応じた機能が十分に発揮できないといった違和感、さらには不信感をゴルファに与え易い。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、全体にわたって打球の高さが調和されているゴルフクラブセットおよびゴルフクラブシャフトセットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、ロフト角度が互いに異なる複数本のゴルフクラブからなるゴルフクラブセットであって、前記複数本のゴルフクラブのうち、少なくとも3本のゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッドが取り付けられるゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数と、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの後端部を振動させた際の1次共振周波数との比率が前記ゴルフクラブの番手の順番に対応して設定されていることを特徴とするゴルフクラブセットを提供するものである。
【0012】
本発明においては、共振周波数の前記比率は、前記ゴルフクラブの番手の順番に対応して略線形的に増加または減少するように設定されていることが好ましい。なお、本発明において、略線形とは、線形であること、または下記推定誤差が所定の範囲にあることをいう。
【0013】
また、本発明においては、ロフト角度が16°乃至41°である少なくとも3本のゴルフクラブからなる群を有し、前記群の全てのゴルフクラブを最小の番手から順番に1から始まる連続する自然数で表した番号と、前記番号に対応するゴルフクラブにおける前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブについても0.03以下であることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明においては、ゴルファのタイプに応じて、前記番号の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きを、−0.005未満にするか、または−0.005以上にすることができる。
【0015】
さらにまた、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフトは、繊維強化複合材により形成されることが好ましい。
【0016】
本発明の第2の態様は、ロフト角度が互いに異なる複数本のゴルフクラブからなるゴルフクラブセットであって、前記複数本のゴルフクラブのうち、少なくとも3本のゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッドが取り付けられるゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数と、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの後端部を振動させた際の1次共振周波数との比率が前記ゴルフクラブの前記ロフト角度に対応して設定されていることを特徴とするゴルフクラブセットを提供するものである。
【0017】
本発明においては、共振周波数の前記比率は、ゴルフクラブヘッドのロフト角度に対応して略線形的に増加または減少するように設定されていることが好ましい。なお、本発明において、略線形とは、線形であること、または下記推定誤差が所定の範囲にあることをいう。
【0018】
また、本発明においては、ロフト角度が16°乃至41°である少なくとも3本のゴルフクラブからなる群を有し、前記群のゴルフクラブヘッドのロフト角度と、前記ロフト角度に対応するゴルフクラブにおける前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブについても0.03以下であることが好ましい。
【0019】
さらに、本発明においては、ゴルファのタイプに応じて、前記ロフト角度の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きを、例えば、−0.00125未満にするか、または−0.00125以上にすることができる。
【0020】
さらにまた、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフトは、繊維強化複合材により形成されることが好ましい。
【0021】
本発明の第3の態様は、ロフト角度が互いに異なる複数本のゴルフクラブからなるゴルフクラブセットであって、前記複数本のゴルフクラブのうち、少なくとも3本のゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッドが取り付けられるゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の2次共振周波数と、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数との比率が前記ゴルフクラブの番手の順番に対応して設定されていることを特徴とするゴルフクラブセットを提供するものである。
【0022】
本発明においては、共振周波数の前記比率は、前記ゴルフクラブの番手の順番に対応して略線形的に増加または減少するように設定されていることが好ましい。なお、本発明において、略線形とは、線形であること、または下記推定誤差が所定の範囲にあることをいう。
【0023】
また、本発明においては、ロフト角度が16°乃至41°である少なくとも3本のゴルフクラブからなる群を有し、前記群の全てのゴルフクラブを最小の番手から順番に1から始まる連続する自然数で表した番号と、前記番号に対応するゴルフクラブにおける前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブについても0.04以下であることが好ましい。
【0024】
さらに、本発明においては、ゴルファのタイプに応じて、前記番号の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きを、例えば、0.005より大きくするか、または0.005以下にすることができる。
【0025】
さらにまた、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフトは、繊維強化複合材により形成されることが好ましい。
【0026】
本発明の第4の態様は、ロフト角度が互いに異なる複数本のゴルフクラブからなるゴルフクラブセットであって、前記複数本のゴルフクラブのうち、少なくとも3本のゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッドが取り付けられるゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の2次共振周波数と、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数との比率が前記ゴルフクラブの前記ロフト角度に対応して設定されていることを特徴とするゴルフクラブセットを提供するものである。
【0027】
本発明においては、共振周波数の前記比率は、ゴルフクラブヘッドのロフト角度に対応して略線形的に増加または減少するように設定されていることが好ましい。なお、本発明において、略線形とは、線形であること、または下記推定誤差が所定の範囲にあることをいう。
【0028】
また、本発明においては、ロフト角度が16°乃至41°である少なくとも3本のゴルフクラブからなる群を有し、前記群のゴルフクラブヘッドのロフト角度と、前記ロフト角度に対応するゴルフクラブにおける前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブについても0.04以下であることが好ましい。
【0029】
さらに、本発明においては、ゴルファのタイプに応じて、前記ロフト角度の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きを、例えば、0.00125より大きくするか、または0.00125以下にすることができる。
【0030】
さらにまた、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフトは、繊維強化複合材により形成されることが好ましい。
【0031】
本発明の第5の態様は、複数本のゴルフクラブシャフトからなるゴルフクラブシャフトセットであって、前記ゴルフクラブシャフトのそれぞれは、適用すべきゴルフクラブの番手が設定されており、前記複数本のゴルフクラブシャフトのうち、少なくとも3本のゴルフクラブシャフトは、前記ゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数と、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの後端部を振動させた際の1次共振周波数との比率が前記ゴルフクラブの番手の順番に対応して設定されていることを特徴とするゴルフクラブシャフトセットを提供するものである。
【0032】
本発明においては、共振周波数の前記比率は、前記ゴルフクラブの番手の順番に対応して略線形的に増加または減少するように設定されていることが好ましい。なお、本発明において、略線形とは、線形であること、または下記推定誤差が所定の範囲にあることをいう。
【0033】
また、本発明においては、前記複数本のゴルフクラブシャフトは、少なくとも3本のゴルフクラブシャフトからなる群を有し、前記群の全てのゴルフクラブシャフトをゴルフクラブシャフトの適用すべき番手のうち最小の番手から順番に1から始まる連続する自然数で表した番号と、前記番号に対応するゴルフクラブにおける前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブシャフトについても0.03以下であることが好ましい。
【0034】
さらに、本発明においては、ゴルファのタイプに応じて、前記番号の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きを、例えば、−0.005未満にするか、または−0.005以上にすることができる。
【0035】
さらにまた、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフトは、ロフト角度が16°乃至41°のゴルフクラブヘッドに装着されるものであり、前記番手の順番と、前記ロフト角度の大きさの順番とが対応していることが好ましい。
【0036】
また、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフトは、繊維強化複合材により形成されることが好ましい。
【0037】
本発明の第6の態様は、長さが互いに異なる複数本のゴルフクラブシャフトからなるゴルフクラブシャフトセットであって、前記複数本のゴルフクラブシャフトのうち、少なくとも3本のゴルフクラブシャフトは、前記ゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数と、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの後端部を振動させた際の1次共振周波数との比率が前記ゴルフクラブシャフトの長さに対応して設定されていることを特徴とするゴルフクラブシャフトセットを提供するものである。
【0038】
本発明においては、共振周波数の前記比率は、ゴルフクラブシャフトの長さに対応して略線形的に増加または減少するように設定されていることが好ましい。なお、本発明において、略線形とは、線形であること、または下記推定誤差が所定の範囲にあることをいう。
【0039】
また、本発明においては、前記複数本のゴルフクラブシャフトは、互いに長さが異なる少なくとも3本のゴルフクラブシャフトからなる群を有し、前記群の全てのゴルフクラブシャフトの長さと、それぞれのゴルフクラブシャフトの長さに対応する前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブシャフトについても0.03以下であることが好ましい。
【0040】
さらに、本発明においては、ゴルファのタイプに応じて、前記ゴルフクラブシャフトの長さの変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きを、例えば、0.0004より大きくするか、または0.0004以下にすることができる。
【0041】
さらにまた、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフトは、繊維強化複合材により形成されることが好ましい。
【0042】
本発明の第7の態様は、複数本のゴルフクラブシャフトからなるゴルフクラブシャフトセットであって、前記ゴルフクラブシャフトのそれぞれは、適用すべきゴルフクラブの番手が設定されており、前記複数本のゴルフクラブシャフトのうち、少なくとも3本のゴルフクラブシャフトは、前記ゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の2次共振周波数と、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数との比率が前記ゴルフクラブの番手の順番に対応して設定されていることを特徴とするゴルフクラブシャフトセットを提供するものである。
【0043】
本発明においては、共振周波数の前記比率は、前記ゴルフクラブの番手の順番に対応して略線形的に増加または減少するように設定されていることが好ましい。なお、本発明において、略線形とは、線形であること、または下記推定誤差が所定の範囲にあることをいう。
【0044】
また、本発明においては、前記複数本のゴルフクラブシャフトは、少なくとも3本のゴルフクラブシャフトからなる群を有し、前記群の全てのゴルフクラブシャフトをゴルフクラブシャフトの適用すべき番手のうち最小の番手から順番に1から始まる連続する自然数で表した番号と、前記番号に対応するゴルフクラブにおける前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブシャフトについても0.04以下であることが好ましい。
【0045】
さらに、本発明においては、ゴルファのタイプに応じて、前記番号の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きを、例えば、0.005より大きくするか、または0.005以下にすることができる。
【0046】
さらにまた、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフトは、ロフト角度が16°乃至41°のゴルフクラブヘッドに装着されるものであり、前記番手の順番と、前記ロフト角度の大きさの順番とが対応していることが好ましい。
【0047】
また、本発明において、前記ゴルフクラブシャフトは、繊維強化複合材により形成されることが好ましい。
【0048】
本発明の第8の態様は、長さが互いに異なる複数本のゴルフクラブシャフトからなるゴルフクラブシャフトセットであって、前記複数本のゴルフクラブシャフトのうち、少なくとも3本のゴルフクラブシャフトは、前記ゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の2次共振周波数と、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数との比率が前記ゴルフクラブシャフトの長さに対応して設定されていることを特徴とするゴルフクラブシャフトセットを提供するものである。
【0049】
本発明においては、共振周波数の前記比率は、ゴルフクラブシャフトの長さに対応して略線形的に増加または減少するように設定されていることが好ましい。なお、本発明において、略線形とは、線形であること、または下記推定誤差が所定の範囲にあることをいう。
【0050】
また、本発明においては、前記複数本のゴルフクラブシャフトは、互いに長さが異なる少なくとも3本のゴルフクラブシャフトからなる群を有し、前記群の全てのゴルフクラブシャフトの長さと、それぞれのゴルフクラブシャフトの長さに対応する前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブシャフトについても0.04以下であることが好ましい。
【0051】
さらに、本発明においては、ゴルファのタイプに応じて、前記ゴルフクラブシャフトの長さの変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きを、例えば、−0.0004未満にするか、または−0.0004以上にすることができる。
【0052】
さらにまた、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフトは、ロフト角度が16°乃至41°のゴルフクラブヘッドに装着されるものであり、前記ゴルフクラブシャフトの長さの順番と、前記ロフト角度の大きさの順番とが対応していることが好ましい。
【0053】
また、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフトは、繊維強化複合材により形成されることが好ましい。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例に係るゴルフクラブセットおよびゴルフクラブシャフトセットについて、添付の図面を基に詳細に説明する。
【0055】
図1は、横軸に番手、ロフト角度、およびゴルフクラブシャフトの長さをとり、縦軸に共振周波数の比率をとって、番手、ロフト角度、およびゴルフクラブシャフトの長さと、共振周波数の比率との関係を模式的に示すグラフである。
【0056】
本願発明者等は、鋭意実験研究した結果、ゴルフクラブセットにおいて、打撃されたゴルフボールの打球の高さの番手間の変化がばらつくのは、図1に曲線Bで示すように、番手、ロフト角度、またはゴルフクラブシャフトの長さと、共振周波数の比率との関係が一定ではなく、所定の線形性を満足しないことが原因であることを見出した。
ここで、共振周波数の比率とは、本発明においては、例えば、ゴルフクラブシャフトの先端部を固定してゴルフクラブシャフトの後端部を振動させた際の1次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの後端部を固定してゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数との比率、またはゴルフクラブシャフトの後端部を固定してゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の2次共振周波数と、同様に後端部を固定してゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数との比率のことである。
【0057】
そこで、ゴルフクラブの特性値(番手、ロフト角度、およびゴルフクラブシャフトの長さ等)と、共振周波数の比率との関係を、図1に示す直線A、またはこの直線Aに対して所定の範囲となるようにすることにより、番手間での打球の高さの変化が一定になり、ゴルフクラブセット全体にわたって打球の高さが調和されることを知見した。これにより、ゴルフクラブセットにおいて、打球の高さを調整することにより、飛距離を正確に打ち分けることができる。なお、本願発明者等は、直線Aの傾きが0であっても、各番手間の打球の高さの変化が一定になるという効果が得られることを見出している。
【0058】
図2は、本発明の実施形態に係るゴルフクラブセットの一例であるゴルフクラブセットを示す模式図である。
ゴルフクラブセット10は、3番アイアン(A3)から9番アイアン(A9)、及びピッチングウェッジ(AP)、アプローチウェッジ(AA)、サンドウェッジ(AS)までの各番手のアイアン(A3〜AS)10本によって構成される。各アイアンは、ゴルフクラブシャフト12の一端にグリップ14を有し、他端にゴルフクラブヘッド16を備える。ゴルフクラブヘッド16は、このヒール側で上方に向けられて突設されたホーゼル18にソケット20を介してゴルフクラブシャフト12に連結されている。
【0059】
ここで、番手とは、主にロフト角度の異なったゴルフクラブをロフト角度の順番に並べることのできるように、各ゴルフクラブに付与した数字(自然数)、文字または記号等によって表されたロフト角度の順番に関する識別情報の内容であり、各番手のロフト角度は、一定、または概ね一定の間隔で当業者によって適宜設定されている。また、番手が大きいとは、ロフト角度が大きい番手を指す。
【0060】
これらのアイアンA3〜ASのロフト角度θ(°)は、例えば、A3が21°、A4が24°、A5が27°、A6が30°、A7が34°、A8が38°、A9が42°、APが47°、AAが52°、ASが57°と番手が大きくなるにつれ、ロフト角度θ(°)が大きくなっている。そして、ロフト角度θが16°乃至41°の番手は、A3〜A8の6本の番手となっている。なお、アイアンA3〜ASのロフト角度は、A3からA6までは3°の刻み幅で大きくなり、A7からA9までは4°の刻み幅で大きくなり、APからASまでは5°の刻み幅で大きくなっているが、アイアンA3〜ASのロフト角度の刻み幅は、これに限定されず、3°または4°等の一定の刻み幅であってもよい。
また、グリップ14の端部からゴルフクラブヘッド16の下端までの長さ(クラブ長さ)は、番手が大きくなるにつれ次第に短くなっている。すなわち、番手が小さいものの方がゴルフクラブシャフト12の長さが長い。
【0061】
なお、本実施形態は、10本のアイアンをゴルフクラブセットとしたものであるが、本発明のゴルフクラブセットには、アイアンゴルフクラブセットのみならず、ウッドゴルフクラブセット、ウッドゴルフクラブセットとアイアンゴルフクラブセットの境界を取り払ったようなゴルフクラブセット、ロングアイアンに相当するもののみのゴルフクラブセット、また、ウッドゴルフクラブとアイアンゴルフクラブの中間的性能を備えてどちらにも分類しがたい、いわゆるユーティリティゴルフクラブを含めたゴルフクラブセット等、ロフト角度θ(°)が異なる複数本のゴルフクラブによって構成されるものも含まれる。
【0062】
ここで、ロフト角度θ(°)は、図2中のアイアンA6について示されているように、シャフト軸Sとフェース面22との成す角度であり、図3に示されるようなロフト角度測定器30により測定される。図3は、アイアンA6をロフト角度測定器30に取り付けた例を示し、図4は、図3中のゴルフクラブヘッド16の周辺を拡大して示している。
【0063】
ロフト角度θの測定は、ゴルフクラブ(アイアンA6)をロフト角度測定器30に取り付けた状態において、アイアンA6が基準面32に対してライ角度通りに設置するようにライ角度調整部33において取り付け角度が調整され、次いで、ロフト角度測定器30に取り付けられたゴルフクラブ(アイアンA6)は、ソール部34が基準面32に接するように、かつ、フェース角度調整具36の先端部36aにフェース面22が密着するように、すなわち、フェース角が0°になるように、ゴルフクラブ(アイアンA6)がチャック部38で固定される。
ここで、ライ角度通りに設置とは、スコアライン35がフェース角度調整治具36の先端部36aと平行になるように設置することをいう。また、スコアラインが直線でない等、スコアラインによる判別が困難な場合、ソール部34が、図5のように、ソール部34のトウ側(T)とヒール側(H)の間で凸状に丸くなっている場合、基準面32とソール部34の間に生じる隙間がトウ側とヒール側で略等しくなるように設置することをいう。
【0064】
その後、図6に示すように、ゴルフクラブヘッド16のフェース面22の基準面32に垂直に立てた分度器40を用いてロフト角度θが測定される。フェース面22が平面の場合、上記測定によってロフト角度θが得られるが、フェース面22が凸状に丸くなっている場合、図7に示すように、フェース面22の中点Mに分度器40の測定面が接するように当てて測定される。
ロフト角度θの測定は、上述のように、ゴルフクラブによって測定する他、ゴルフクラブヘッド単体にシャフトピンを差し込んで測定することも可能である。ゴルフクラブヘッド単体で測定して得られるロフト角度θの数値は、上述のゴルフクラブによって測定して得られるロフト角度θと実質的に同じである。
【0065】
このような測定器は、市販されている公知のものであればよく、例えば、高爾夫球頭測度台(昇峰企業社製)、ゴルフクラブアングル測定器(ゴルフギャレーヂ社製)およびゴルフクラブゲージ(Golfsmith社製)等が例示される。
【0066】
こうして測定される上記ゴルフクラブセット10のA3〜ASの内、ロフト角度θが16°乃至41°の番手はA3〜A8であるが、ゴルフクラブヘッドのロフト角度θ(°)が16°乃至41°のすべての番手、すなわち、A3〜A8のゴルフクラブは、後述するように、番手に応じて共振周波数の比率が設定されている。このように、共振周波数の比率が設定されているのは、ロフト角度θ(°)が16°乃至41°の範囲にあるゴルフクラブは、特に、打球の高さを打ち分けられることが要求されるものであり、この打球の高さの打ち分けの際に生じる打球の高さのばらつきを共振周波数の比率によって、調整することができるからである。
【0067】
一方、ロフト角度θが16°未満のドライバー類、およびロフト角度θが41°を超えるウェッジ類は、ゴルフクラブセットの構成クラブとしてよりも、むしろ単品として購入する場合が多く、ゴルフクラブ供給メーカーも積極的に単品として販売していることからもわかるように、ロフト角度θが16°未満のゴルフクラブは、主にティーアップして打球して飛距離を稼ぐためのものであり、ゴルフクラブセット内において必ずしも打球の高さを打ち分けられることが要求されるものではない。一方、ロフト角度θが41°を超えるゴルフクラブは、スイングの力を加減してグリーン上に確実に球をのせるためのコントロールされたアプローチショットに用いられることが多い。また、アプローチショットがし易いように主にソール部の形状またはフェースの輪郭形状等が改良されたもので、ゴルフクラブセット内において必ずしも打球の高さを打ち分けられることが要求されるものではない。
【0068】
また、本発明において、ゴルフクラブセットを構成するゴルフクラブの構成本数は、少なくとも3本以上を必要とし、好ましくは、ロフト角度θが16°乃至41°の範囲に含まれるゴルフクラブが3本以上あることが好ましい。一方、構成本数の上限は、特に制限されないが、ゴルフの競技規則で定められている携帯するゴルフクラブの制限本数、14本以下であることが好ましい。
【0069】
このようなゴルフクラブセット10を構成する各ゴルフクラブは、ゴルフクラブの番手の順番、またはロフト角度に対応して、以下に示すようにゴルフクラブシャフトの共振周波数の比率が設定されている。この共振周波数の比率は、ゴルフクラブセット10のゴルフクラブの番手の順番、およびロフト角度の少なくとも一方に対応して略線形的に増加するか、または略線形的に減少するように設定されている。本実施例において、略線形的に増加するか、または略線形的に減少するとは、単調に増加または減少するもの、および2次関数的に増加または減少するものでもよく、更には指数関数的に増加または減少するものでもよい。
この共振周波数の比率とは、上述の如く、ゴルフクラブシャフトの先端部を固定して、ゴルフクラブシャフトの後端部を振動させた際の1次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの後端部を固定して、ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数との比率、またはゴルフクラブシャフトの後端部を固定して、ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の2次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数との比率のことである。
【0070】
また、このような共振周波数の比率は、ゴルフクラブの番手の順番、またはゴルフクラブのロフト角度に対応して、略線形的に変化するように設定されている。より具体的にいうと、アイアンA3〜A8を、最小の番手から順番に1から始まる連続する番号(自然数X)で表し、すなわち、アイアンA3をX=1、アイアンA4をX=2、・・・、アイアンA8をX=6とし、一方、共振周波数をY(Hz)とした際、共振周波数Yが、直線上にプロットされるか、または、直線上にプロットされなくても、各ゴルフクラブの共振周波数の比率を直線で回帰した場合、推定誤差が所定の範囲となるように設定される。このように、推定誤差が所定の範囲となるように設定されているのは、10本のアイアンA3〜ASのうち、少なくとも3本のアイアンであればよい。
【0071】
これら、1次共振周波数および2次共振周波数(以下、これらをまとめて単に共振周波数ともいう。)は、以下の測定によって得ることができる。図8は、本発明のゴルフクラブセットのゴルフクラブシャフトの共振周波数を測定する測定装置を示す模式図である。
図8に示すように、共振周波数の測定装置60は、ゴルフクラブのグリップまたはグリップ部を備えるゴルフクラブシャフト12の後端部、またはゴルフクラブヘッドが装着されるゴルフクラブシャフト12の先端部のいずれか一方の端部を固定して固定端とする固定治具42と、他方の端部を自由端とし、自由端近傍に貼付された加速度ピックアップ44と、加速度ピックアップ44に接続されたチャージアンプ46と、チャージアンプ46に接続されたFFTアナライザ48と、FFTアナライザ48にGPIBケーブルを介して接続されたコンピュータ50とを有して構成される。図8では、ゴルフクラブシャフトの後端部を固定端とした場合が示されている。
【0072】
固定治具42によりゴルフクラブシャフト12の端を固定して共振周波数を測定する際、固定治具42によりゴルフクラブシャフト12を固定する固定長さは、178mmとするのが好ましい。すなわち、測定するゴルフクラブシャフト群の全てにおいて、後端部の長手方向における固定長さを、ゴルフクラブシャフト12の後端端部から178mmとして固定し、先端部を固定治具42に固定する場合には、先端部の長手方向における固定長さを、ゴルフクラブシャフト12の先端端部から178mmにして固定することが好ましい。
後述するように、得られた共振周波数から求められた各共振周波数の比率の数値には、絶対的な数値の有効性のみならず、相対的な数値にも有効性があり、ゴルフクラブシャフト群の特性を比較等行なう場合において、各端部の固定長さを統一することが好ましい。なお、本実施形態においては、ゴルフクラブシャフト群における固定長さのばらつきは2mm以内、好ましくは1mm以内とする。
【0073】
また、固定長さとは、図9(a)に示すようにゴルフクラブシャフト12の端面24がゴルフクラブシャフト軸26に対して垂直であれば、端面24からチャック部42aの端部までの距離(Da)を表す。また、図9(b)に示すように端面24がゴルフクラブシャフト軸26に対して垂直でない場合は、端面24の最も張り出している位置からチャック部42aの端部までの距離(Db)を表す。
チャック部42aによる固定は、ゴルフクラブシャフト12を振動させても、がたつきがないように固定することが好ましい。ゴルフクラブシャフト12の固定は、例えば、万力による固定、ドリルチャックによる固定、または空気圧により挟み込む固定等が挙げられ、ゴルフクラブシャフト12の固定方法は、本発明では特に限定されない。
【0074】
なお、ゴルフクラブシャフト12の先端部とは、ゴルフクラブヘッド16が装着される端部であり、後端部とはグリップまたはグリップ部が設けられる端部である。図10に示すゴルフクラブにおいては、グリップ14を装着する端部を後端部101とし、ゴルフクラブヘッド16を装着する端部を先端部102としている。一般のゴルフクラブシャフト12においては、グリップ14を装着する後端部101の方がゴルフクラブヘッド16を装着する先端部102よりもゴルフクラブシャフト12の直径が大きいが、図11に示すゴルフクラブのように、ゴルフクラブヘッド16を装着する先端部102の方がグリップ14を装着する後端部101よりもゴルフクラブシャフト12の直径が大きいゴルフクラブもある。また、ゴルフクラブによっては図12に示すように、ゴルフクラブシャフト12の一部がグリップ部14aとなっているゴルフクラブもある。この場合は、グリップ部14aとなる端部を後端部101、ゴルフクラブヘッド16を装着する端部を先端部102とする。
【0075】
また、本発明における共振周波数の測定は、ゴルフクラブシャフト12を単体によって測定することが好ましい。ゴルフクラブにて1次共振周波数を測定する場合に比べて、固定治具42へゴルフクラブシャフト12を固定する方が、グリップ14等の柔軟な間接部材がないため、より正確に測定できるからである。また、ゴルフクラブシャフト12を単体で測定し、ゴルフクラブヘッド16の質量等の特性を別個に調整した後、ゴルフクラブとして組み立てることによって、正確な特性が保証されたゴルフクラブを作製することができ、ゴルフクラブにて共振周波数を測定する場合よりも正確な特性を情報として提供することができる。これにより、ゴルフクラブセットとして、番手の順番、またはロフト角度に対応して共振周波数の比率を設定できる。
【0076】
また、本発明における共振周波数の測定は、図13に示すように、ゴルフクラブシャフト12の自由端に重量体52を装着してもよい。重量体52を装着すると共振周波数の数値は、重量体52を装着しないものより低くなる。しかしながら、数値は一定の相関関係をもって低くなるために、相対的な値としては有用である。重量体52は、ゴルフクラブシャフト12にしっかり装着することができるもので、形状としては主に円筒形、直方体、または多角柱等が考えられるが特に限定しない。また、重量体52の重心位置は、ゴルフクラブシャフト12の軸近傍にあることが好ましい。この重心位置は、ゴルフクラブシャフト12の固定状態において、ゴルフクラブシャフト12の軸から半径5mm以内の円柱内にあることが好ましい。また重量体52の質量は、特に限定しないが、350g以下であることが好ましい。
【0077】
このような測定装置60では、ゴルフクラブシャフト12が片持ち梁になって、ゴルフクラブシャフト12の自由端となって振動する部分の加速度が計測され、チャージアンプ46を介してFFTアナライザ48で周波数分析が行われ、周波数分析結果がコンピュータ50に取り込まれることで、1次、2次、3次、・・・等の各次数の共振周波数が求められる。
なお、ゴルフクラブシャフト12の振動の計測では、自由端側を変位させた後自由減衰させた状態で行なわれ、加速度ピックアップ44で得られる加速度信号の時間波形からスペクトル波形が生成され、このスペクトル波形から各次数の共振周波数が求められるが、本発明においては、自由端のインパクト加振が行なわれ伝達関数が計測されることによって共振周波数が求められてもよい。更に、後述するように、共振周波数の測定においては、ベースバンド解析にて共振周波数を概略的に測定した後、ズーム解析にて正確な共振周波数を求めるようにしてもよく、この場合、加振器によりランダム振動をゴルフクラブシャフト12に与えて測定してもよい。
【0078】
図14(a)は、この測定装置60において、ゴルフクラブシャフト12の後端部101を固定端として2回計測した時のスペクトル波形を示している。1次共振周波数Fb1は、2回の計測共に23.0Hzであり、2次共振周波数Fb2は2回の計測共に117.25Hzである。図14(b)は、測定装置60において、ゴルフクラブシャフト12の先端部102を固定端として2回計測した時のスペクトル波形を示している。1次共振周波数Ft1は、2回の計測共に17.0Hzである。複数回共振周波数が計測され、異なる値を示す場合、平均値によって代表する。このように、繰り返し精度の高い、小数点2桁までの共振周波数を得ることができる。
また、ゴルフクラブシャフト12の後端部101を固定端とした時の各次の共振周波数は、ゴルフクラブシャフト12の先端部102を固定端とした時の各次の共振周波数と異なっているが、これは後述するように、ゴルフクラブシャフト12に長手方向の剛性分布があるためである。
【0079】
測定装置60により測定されて求められた各次数の共振周波数を用いて、さらに、コンピュータ50によりゴルフクラブシャフト12の後端部101を固定して測定された1共振周波数Fb1と、先端部102を固定して測定された1次の共振周波数Ft1との比率(Fb1/Ft1)が求められる。また、ゴルフクラブシャフト12の後端部101を固定端とし、先端部102を自由端としてゴルフクラブシャフト12を振動させた際の2次共振周波数Fb2と1次共振周波数Fb1との比率(Fb2/Fb1)も求められる。
【0080】
これらの比率(Fb1/Ft1)、(Fb2/Fb1)は、ゴルフボールのインパクト時のゴルフクラブのフェース面の向きを示し、ゴルフクラブシャフトを用いて作製されたゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さの指標となるものである。すなわち、この共振周波数の比率は、ゴルフクラブシャフトの長手方向における多様な剛性分布の変化のために、後端部のみを固定して測定していた従来の光電管による振動数の測定方法では、ゴルフクラブシャフトを用いて作製されたゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを評価できなかった問題を解決するものである。
【0081】
ここで、ゴルフクラブシャフトを用いて作製されたゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さとは、ゴルフクラブシャフトによる打球の上がりやすさを示すものであり、同じゴルフクラブヘッドを装着した場合、より打球が上がりやすいものほど打球の高さが高いと表現される。なお、この打球の高さは、ゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打出し角度により評価することもできる。
また、ゴルフクラブシャフトによる打球の上がりやすさを、ゴルフクラブシャフトまたはゴルフクラブのキックポイント、またはベンドポイント等の言葉を用いて当業者が言い表す場合もあり、上記共振周波数の比率の指標を、ゴルフクラブシャフトまたはゴルフクラブのキックポイント、またはベンドポイント等と称することも、本発明に包含される。
【0082】
次に、共振周波数の比率(Fb1/Ft1)、(Fb2/Fb1)と打球の高さとの関係について説明する。図15(a)乃至(c)は、本発明のゴルフクラブシャフトの振動形態を示す模式図である。
この場合、同じ長さ、同じ質量、および同じ形状を持ち、さらに同じ硬さを有する3種類のゴルフクラブシャフトX、Y、Zを用いて説明する。
これらの3種類のゴルフクラブシャフトX、Y、Zを、それぞれ後端部を固定して先端部を振動させた場合、ゴルフクラブシャフトXは、図15(a)に示すように、後端部近傍から変位する振動の形態となる。また、同様にゴルフクラブシャフトYは、図15(b)に示すように、後端部と先端部の中間部分から先端部にかけて変位する振動の形態となる。さらに、同様にゴルフクラブシャフトZは、図15(c)に示すように、先端部近傍で変位する振動の形態となる。
【0083】
これらの3種類のゴルフクラブシャフトX、Y、Zについて、後端部を固定して1次共振周波数を測定し、得られた1次共振周波数の数値を、ゴルフクラブシャフトX、Y、Zの順にx1、y1、z1とすると、x1<y1<z1となる。これは片持ち梁の共振周波数では、剛性の低い部分が自由端側にあるものほど1次共振周波数の数値が高くなるという一般的な事実によるものである。
次に、これらのゴルフクラブシャフトX、Y、Zの先端部を固定して1次共振周波数を測定する。得られた1次共振周波数の数値を、ゴルフクラブシャフトX、Y、Zの順にx2、y2、z2とすると、後端部を固定した場合と異なって、x2>y2>z2になる。
これらの1次共振周波数について比率(x1/x2)、(y1/y2)、(z1/z2)を求めると、(x1/x2)<(y1/y2)<(z1/z2)となる。
【0084】
これらの3種類のゴルフクラブシャフトX、Y、Zの先端部に同一のゴルフクラブヘッド、後端部に同一のグリップを装着して、それぞれゴルフクラブCx 、Cy 、Cz を作製した。図16(a) 乃至(c)は、スウィングしたときのゴルフクラブのロフト角度の変化を示す模式図である。
これらの3種類のゴルフクラブCx 、Cy 、Cz を同じヘッドスピードでスウィングしたときのゴルフボールのインパクト時点付近におけるゴルフクラブシャフトの撓みによるフェース面の向きは、ゴルフクラブCx では、図16(a)のように、撓む前のロフト角度とそれ程変わらず、ゴルフクラブシャフトの軸線に対して角度θa となる。ゴルフクラブCy では、図16(b)のようにフェース面はやや傾き、ゴルフクラブシャフトの軸線に対して角度θb (>角度θa )となる。ゴルフクラブCz では、図16(c)のようにフェース面は大きく傾いて、ゴルフクラブシャフトの軸線に対して角度θc (>角度θb )となる。
【0085】
ゴルフクラブは、一般に、ゴルフクラブヘッドの重心がゴルフクラブシャフトの軸線上にないこと及びゴルフクラブシャフトが撓むことにより、ゴルファーのゴルフスウィング中の遠心力により、ゴルフクラブヘッドの重心がスウィング軌道の外側へ伸びようとする力が働いて、ゴルフクラブシャフトが撓み、ロフト角度が変化する現象が起こる。
【0086】
より詳しくは、図16(a)乃至(c)に示すように、スウィング中の遠心力により重心Gが矢印Fに示すスウィング軌道の外側へ動こうとする力が働き、ゴルフクラブシャフト12が撓み、ロフト角度が変化してそれぞれ角度θa 、θb 、θc となる。角度θa 〜θc は、一般的に、動的ロフト角度、またはインパクトロフト角度と言われているもので、以降、動的ロフト角度とする。また、通常のゴルフクラブは、打球の飛ぶ方向を前方とすると、重心Gが後方に存在するため、動的ロフト角度は、ロフト角度、つまり、ゴルフクラブシャフトが撓まない状態のロフト角度よりも大きくなる。
【0087】
ゴルフクラブCx 、Cy 、Cz では、同じゴルフクラブヘッドを用いているため、ロフト角度が同一であるにもかかわらず動的ロフト角度が、図16(a)乃至(c)に示すように、角度θa <角度θb <角度θc となる。これはゴルフクラブシャフトの剛性分布の違いによるものである。
一方、このゴルフクラブシャフトの剛性分布の違いは、ゴルフクラブシャフトの後端部を固定端として、図15(a)に示すような振動形態の1次共振周波数をFb1と、後端部を自由端として、図15(c)に示すような自由端先端部分だけが振動する振動形態の1次共振周波数をFt1との比率によって表すことができる。
【0088】
例えば、共振周波数の比率の例として、後端部を固定して得られた1次共振周波数Fb1と、先端部を固定して得られた1次共振周波数Ft1との比率(Fb1/Ft1)について、後端部側に剛性の低い部分を持つゴルフクラブシャフトXは、その比率が先端部側に剛性の低い部分を持つゴルフクラブシャフトZに比べて小さくなる。
【0089】
このように、ゴルフクラブシャフトの剛性分布を比率(Fb1/Ft1)で表すことができることから、ゴルフクラブシャフトの剛性分布の違いによって表される動的ロフト角度の変化、すなわち、ゴルフクラブシャフトを用いて作製されたゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを、ゴルフクラブシャフトの剛性分布を比率(Fb1/Ft1)によって表すことができる。
比率(Fb1/Ft1)が大きいほど動的ロフト角度が大きく変化する。つまり、このゴルフクラブシャフトを用いて作製されたゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが高いと評価される。
【0090】
本願発明者等は、1次共振周波数を測定することが、ゴルフクラブシャフトの硬さを評価するために重要な要素であることを見出す際、後端部側に剛性の低い部分を持ち、打球の上がりにくいゴルフクラブシャフトでは、後端部を固定して測定した1次共振周波数の数値が低く、先端部を固定して測定した1次共振周波数の数値が高くなることを鋭意検討の結果見出し、これより、上記メカニズムを見出し、後端部を固定して測定した1次共振周波数Fb1と、先端部を固定して測定した1次共振周波数Ft1の比率を、ゴルフクラブシャフトを用いて作製されたゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを定量的に表す指標とすることに想到したのである。つまり、後端部を固定した1次共振周波数Fb1の測定と先端部を固定した1次共振周波数Ft1の測定を行なって、2つの1次共振周波数の比率(Fb1/Ft1)の値が大きいほど打球が上がり易いゴルフクラブシャフトであり、小さいほど打球が上がり難いゴルフクラブシャフトである。
【0091】
従来の光電管による振動数の測定方法では、後端部のみを固定して測定するので、ゴルフクラブシャフトの長手方向における多様な剛性分布の変化を読み取れず、ゴルフクラブシャフトが呈する打球の高さを定量的に表す指標を得ることはできない。
【0092】
また、測定装置60では、上述のように後端部101を固定端とした際の1次共振周波数Fb1と2次共振周波数Fb2との比率(Fb2/Fb1)も求められる。
この比率(Fb2/Fb1)は、上記1次共振周波数Fb1とFt1との比率(Fb1/Ft1)と同様に、ゴルフボールのインパクト時のゴルフクラブのフェース面の向きを示し、ゴルフクラブシャフトが呈する打球の高さの指標となるものである。すなわち、この1次共振周波数の比率(Fb2/Fb1)は、ゴルフクラブシャフトの長手方向における多様な剛性分布の変化のために、後端部のみを固定して測定していた従来の光電管による振動数の測定方法では、ゴルフクラブシャフトを用いて作製されたゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを評価できなかった問題を解決するものである。
【0093】
すなわち、本発明者等は、ゴルフクラブシャフトの長手方向における剛性分布の変化によって2次共振周波数と1次共振周波数との比率が変化すること、より詳しくは、剛性の低い部分を先端部側に持ち打球が上がりやすいゴルフクラブシャフトでは比率(Fb2/Fb1)の値が小さく、剛性の低い部分を後端部側に持ち打球が上がりにくいゴルフクラブシャフトでは比率(Fb2/Fb1)の値が大きくなることを鋭意検討の結果見出し、この2次共振周波数と1次共振周波数との比率(Fb2/Fb1)によって、ゴルフクラブシャフトを用いて作製されたゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを定量的に表すことを想到したものである。
【0094】
本発明においては、以下に示すように、ゴルフクラブセット10の各番手、ロフト角度、またはゴルフクラブシャフトの長さに対応して、ゴルフクラブシャフトの後端部101を固定して測定される1次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの先端部102を固定して測定される1次共振周波数との比率を規定することが好ましい。さらに、本発明においては、ゴルフクラブセット10の各番手、ロフト角度またはゴルフクラブシャフトの長さに対応して、ゴルフクラブシャフトの後端部101を固定して測定される1次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの後端部101を固定して測定される2次共振周波数との比率も規定することも好ましい。以下、本発明における共振周波数の比率の数値範囲について説明する。
【0095】
本発明においては、少なくとも3本のアイアン(ゴルフクラブ)について、アイアンA3〜A8を最小の番手から順番に1から始まる連続する自然数で表した番号と、この番号に対応するアイアンA3〜A8において、ゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態でゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの先端部を固定した状態でゴルフクラブシャフトの後端部を振動させた際の1次共振周波数との比率(以下、第1の共振周波数の比率ともいう)との分布を回帰直線で表した場合、この回帰直線の推定誤差が0.03以下となるように、各1次共振周波数の大きさを設定してもよい。
【0096】
ここで、回帰直線の推定誤差が0.03以下とは、ゴルフクラブの番手に応じて定まる番号(自然数)を回帰直線の関数に入力して計算される推定値と、このゴルフクラブの第1の共振周波数の比率との誤差が、絶対値で0.03以下、すなわち、−0.03以上+0.03以下であることをいう。なお、推定誤差は、好ましくは、0.02以下であり、更に好ましくは、0.01以下である。
【0097】
回帰直線の推定誤差が0.03を超えると、ゴルフクラブセットにおいて、打撃されたゴルフボールの打球の高さの調和が崩れる。このため、このゴルフクラブセットについて、あるゴルファが、無風状態で各番手のゴルフクラブで打球した際に、一定の飛距離が打ち分けられたにもかかわらず、向かい風の条件で、各番手のゴルフクラブで打球した際には、番手ごとの飛距離の相対的なバランスが崩れてしまう。このように、推定誤差を0.03以下にすることによって、全体にわたって打球の高さが調和されたゴルフクラブセットの提供が可能になる。もちろん、打球の高さ自体を調整して適切な位置、例えば、グリーンの適切な位置にオンさせることができる。
【0098】
この場合、番号の変化に対する第1の共振周波数の比率の変化である回帰直線の傾きは、−0.005未満とすることができる。好ましくは、−0.2以上−0.005未満、より好ましくは、−0.15乃至−0.01である。
このようなゴルフクラブセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが高くなるゴルフクラブセットである。このゴルフクラブセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを高くして十分な飛距離を得ようとするタイプのゴルファに好適である。
【0099】
また、番号の変化に対する第1の共振周波数の比率の変化である回帰直線の傾きは、−0.005以上とすることもできる。好ましくは、−0.005乃至0.15、より好ましくは、0乃至0.1である。
このようなゴルフクラブセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが低くなるゴルフクラブセットである。このゴルフクラブセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを低くして確実な方向性を得ようとするタイプのゴルファに好適である。
【0100】
また、本発明においては、少なくとも3本のアイアン(ゴルフクラブ)について、アイアンA3〜A8のロフト角度θと、このロフト角度θに対応するアイアンA3〜A8において、ゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態でゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの先端部を固定した状態でゴルフクラブシャフトの後端部を振動させた際の1次共振周波数との比率(第1の共振周波数)との分布を回帰直線で表した場合、この回帰直線の推定誤差が0.03以下となるように、各1次共振周波数の大きさを設定してもよい。
【0101】
ここで、回帰直線の推定誤差が0.03以下とは、ゴルフクラブヘッドのロフト角度θを回帰直線の関数に入力して計算される推定値と、このゴルフクラブの第1の共振周波数の比率との誤差が、絶対値で0.03以下、すなわち、−0.03以上+0.03以下であることをいう。なお、推定誤差は、好ましくは、0.02以下であり、更に好ましくは、0.01以下である。
【0102】
回帰直線の推定誤差が0.03を超えると、ゴルフクラブセットにおいて、打撃されたゴルフボールの打球の高さの調和が崩れる。このため、このゴルフクラブセットについて、あるゴルファが、無風状態で各番手のゴルフクラブで打球した際に、一定の飛距離が打ち分けられたにもかかわらず、向かい風の条件で、各番手のゴルフクラブで打球した際には、番手ごとの飛距離の相対的なバランスが崩れてしまうことである。このように、推定誤差を0.03以下にすることによって、全体にわたって打球の高さが調和されたゴルフクラブセットの提供が可能になる。もちろん、打球の高さ自体を調整して適切な位置、例えば、グリーンの適切な位置にオンさせることができる。
【0103】
この場合、ロフト角度の変化に対する第1の共振周波数の比率の変化である回帰直線の傾きは、−0.00125未満とすることができる。好ましくは、−0.05以上−0.00125未満、より好ましくは、−0.0375乃至−0.0025である。
このようなゴルフクラブセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが高くなるゴルフクラブセットである。このゴルフクラブセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを高くして十分な飛距離を得ようとするタイプのゴルファに好適である。
【0104】
また、ロフト角度の変化に対する第1の共振周波数の比率の変化である回帰直線の傾きは、−0.00125以上、好ましくは、−0.00125乃至0.0375、より好ましくは、0乃至0.025である。このゴルフクラブセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが低くなるゴルフクラブセットである。このようなゴルフクラブセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを低くして確実な方向性を得ようとするタイプのゴルファに好適である。
【0105】
本発明においては、少なくとも3本のアイアン(ゴルフクラブ)について、アイアンA3〜A8を最小の番手から順番に1から始まる連続する自然数で表した番号と、この番号に対応するアイアンA3〜A8において、ゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態でゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の2次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数との比率(以下、第2の共振周波数の比率ともいう)との分布を回帰直線で表した場合、この回帰直線の推定誤差が0.04以下となるように、1次共振周波数および2次共振周波数の大きさを設定してもよい。
【0106】
ここで、回帰直線の推定誤差が0.04以下とは、ゴルフクラブの番手に応じて定まる番号(自然数)を回帰直線の関数に入力して計算される推定値と、このゴルフクラブの第2の共振周波数の比率との誤差が、絶対値で0.04以下、すなわち、−0.04以上+0.04以下であることをいう。なお、推定誤差は、好ましくは、0.026以下であり、更に好ましくは、0.013以下である。
【0107】
回帰直線の推定誤差が0.04を超えると、ゴルフクラブセットにおいて、打撃されたゴルフボールの打球の高さの調和が崩れる。このため、このゴルフクラブセットについて、あるゴルファが、無風状態で各番手のゴルフクラブで打球した際に、一定の飛距離が打ち分けられたにもかかわらず、向かい風の条件で、各番手のゴルフクラブで打球した際には、番手ごとの飛距離の相対的なバランスが崩れてしまう。このように、推定誤差を0.04以下にすることによって、全体にわたって打球の高さが調和されたゴルフクラブセットの提供が可能になる。もちろん、打球の高さ自体を調整して適切な位置、例えば、グリーンの適切な位置にオンさせることができる。
【0108】
この場合、番号の変化に対する第2の共振周波数の比率の変化である回帰直線の傾きは、0.005より大きくすることができる。好ましくは、0.005より大きく0.2以下、より好ましくは、0.01乃至0.15である。
このようなゴルフクラブセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが高くなるゴルフクラブセットである。このゴルフクラブセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを高くして十分な飛距離を得ようとするタイプのゴルファに好適である。
【0109】
また、番号の変化に対する第2の共振周波数の比率の変化である回帰直線の傾きは、0.005以下とすることもできる。好ましくは、−0.15乃至0.005、より好ましくは、−0.1乃至0である。このようなゴルフクラブセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが低くなるゴルフクラブセットである。このゴルフクラブセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを低くして確実な方向性を得ようとするタイプのゴルファに好適である。
【0110】
本発明においては、少なくとも3本のアイアン(ゴルフクラブ)について、アイアンA3〜A8のロフト角度θと、このロフト角度θに対応するアイアンA3〜A8において、ゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態でゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の2次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数との比率(第2の共振周波数の比率)との分布を回帰直線で表した場合、この回帰直線の推定誤差が0.04以下となるように、1次共振周波数および2次共振周波数の大きさを設定してもよい。
【0111】
ここで、回帰直線の推定誤差が0.04以下とは、ゴルフクラブヘッドのロフト角度θを回帰直線の関数に入力して計算される推定値と、このゴルフクラブの第2の共振周波数の比率との誤差が、絶対値で0.04以下、すなわち、−0.04以上+0.04以下であることをいう。なお、推定誤差は、好ましくは、0.026以下であり、更に好ましくは、0.013以下である。
【0112】
回帰直線の推定誤差が0.04を超えると、ゴルフクラブセットにおいて、打撃されたゴルフボールの打球の高さの調和が崩れる。このため、このゴルフクラブセットについて、あるゴルファが、無風状態で各番手のゴルフクラブで打球した際に、一定の飛距離が打ち分けられたにもかかわらず、向かい風の条件で、各番手のゴルフクラブで打球した際には、番手ごとの飛距離の相対的なバランスが崩れてしまう。このように、推定誤差を0.04以下にすることによって、全体にわたって打球の高さが調和されたゴルフクラブセットの提供が可能になる。もちろん、打球の高さ自体を調整して適切な位置、例えば、グリーンの適切な位置にオンさせることができる。
【0113】
この場合、ロフト角度の変化に対する第2の1次共振周波数の比率の変化である回帰直線の傾きは、0.00125より大きくすることができる。好ましくは、0.00125より大きく0.05以下、より好ましくは、0.0025乃至0.0375である。
このようなゴルフクラブセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが高くなるゴルフクラブセットである。このゴルフクラブセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを高くして十分な飛距離を得ようとするタイプのゴルファに好適である。
【0114】
また、ロフト角度の変化に対する第2の共振周波数の比率の変化である回帰直線の傾きは、0.00125以下とすることもできる。好ましくは、−0.0375乃至0.00125、より好ましくは、−0.025乃至0である。
このようなゴルフクラブセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが低くなるゴルフクラブセットである。このゴルフクラブセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを低くして確実な方向性を得ようとするタイプのゴルファに好適である。
【0115】
なお、上述のゴルフクラブセットにおいて、例えば、第1の共振周波数の比率における回帰直線の傾きが、0.005より大きいゴルフクラブセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを高くして十分な飛距離を得ようとするタイプのゴルファに好適である。一方、第1の共振周波数の比率における回帰直線の傾きが、0.005以下のゴルフクラブセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを低くして確実な方向性を得ようとするタイプのゴルファに好適である。しかしながら、回帰直線の傾きに応じて分類されるゴルフクラブシャフトセットによるゴルファへの適用は、あくまでも一般的な傾向を示すものである。例えば、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブを用いて十分な飛距離を得ようとするゴルファであっても、打球の高さを低くしてトータル距離を長くしたいと考えているゴルファにとっては、むしろ回帰直線の傾きが0.005より大きいゴルフクラブセットよりも回帰直線の傾きが0.005以下のゴルフクラブセットの方が好適な場合もある。このように、ゴルファとしては、自分のレベル、または好みの戦略等より自分にとって好適なゴルフクラブセットを選択することが可能である。
【0116】
本発明においては、少なくとも3本のアイアン(ゴルフクラブ)について、アイアンA3〜A8のロフト角度θと、このロフト角度θに対応するアイアンA3〜A8において、ゴルフクラブヘッドが取り付けられるゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態で、このゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの先端部を固定した状態で、このゴルフクラブシャフトの後端部を振動させた際の1次共振周波数との和との分布を回帰直線で表した場合、この回帰直線の推定誤差が3以下となるように、1次共振周波数および2次共振周波数の大きさを設定することが好ましい。より好ましくは、推定誤差は、2以下である。
本発明においては、推定誤差を3以下にすることによって、全体にわたって打球の高さが更に一層調和されたゴルフクラブセットを提供することができる。
【0117】
また、本発明のゴルフクラブシャフトセットについても、適用されるゴルフクラブセット10の各番手の順番、またはゴルフクラブシャフトの長さに対応して、ゴルフクラブシャフトの後端部101を固定して測定される1次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの先端部102を固定して測定される1次共振周波数との比率を以下に示すように規定することが好ましい。さらに、本発明においては、適用されるゴルフクラブセット10の各番手の順番、またはゴルフクラブシャフトの長さに対応して、ゴルフクラブシャフトの後端部101を固定して測定される1次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの後端部101を固定して測定される2次共振周波数との比率を以下に示すように規定することも好ましい。
【0118】
本発明においては、少なくとも3本のゴルフクラブシャフトについて、ゴルフクラブシャフトの適用すべき番手のうち最小の番手から順番に1から始まる連続する自然数で表した番号と、この番号に対応するアイアンA3〜A8において、ゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態でゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの先端部を固定した状態でゴルフクラブシャフトの後端部を振動させた際の1次共振周波数との比率(以下、第3の共振周波数の比率ともいう)との分布を回帰直線で表した場合、この回帰直線の推定誤差が0.03以下となるように、各1次共振周波数の大きさを設定してもよい。
【0119】
ここで、回帰直線の推定誤差が0.03以下とは、適用すべきゴルフクラブの番手に応じて定まる番号(自然数)を回帰直線の関数に入力して計算される推定値と、このゴルフクラブシャフトの第3の共振周波数の比率との誤差が、絶対値で0.03以下、すなわち、−0.03以上+0.03以下であることをいう。なお、推定誤差は、好ましくは、0.02以下であり、更に好ましくは、0.01以下である。
【0120】
回帰直線の推定誤差が0.03を超えると、ゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセットにおいて、打撃されたゴルフボールの打球の高さの調和が崩れる。このため、このゴルフクラブセットについて、あるゴルファが、無風状態で各番手のゴルフクラブで打球した際に、一定の飛距離が打ち分けられたにもかかわらず、向かい風の条件で、各番手のゴルフクラブで打球した際には、番手ごとの飛距離の相対的なバランスが崩れてしまう。このように、推定誤差を0.03以下にすることによって、全体にわたって打球の高さが調和されたゴルフクラブセットを得るためのゴルフクラブシャフトセットの提供が可能になる。もちろん、ゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセットによれば、打球の高さ自体を調整して適切な位置、例えば、グリーンの適切な位置にオンさせることができる。
【0121】
この場合、適用すべきゴルフクラブの番号の変化に対する第3の共振周波数の比率の変化である回帰直線の傾きは、−0.005未満とすることができる。好ましくは、−0.2以上−0.005未満、より好ましくは、−0.15乃至−0.01である。
このようなゴルフクラブシャフトセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが高くなるゴルフクラブセットを提供することが可能なゴルフクラブシャフトセットである。このゴルフクラブシャフトセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを高くして十分な飛距離を得ようとするタイプのゴルファに利用されるゴルフクラブセットを提供するのに好適である。
【0122】
また、適用すべきゴルフクラブの番号の変化に対する第3の共振周波数の比率の変化である回帰直線の傾きは、−0.005以上とすることもできる。好ましくは、−0.005乃至0.15、より好ましくは、0乃至0.1である。
このようなゴルフクラブシャフトセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが低くなるゴルフクラブセットを提供することが可能なゴルフクラブシャフトセットである。このゴルフクラブシャフトセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを低くして確実な方向性を得ようとするタイプのゴルファに利用されるゴルフクラブセットを提供するのに好適である。
【0123】
さらに、本発明においては、複数のゴルフクラブシャフトのうち、少なくとも3本について、ゴルフクラブシャフト長さと、このゴルフクラブシャフトの長さに対応するゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態でゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの先端部を固定した状態でゴルフクラブシャフトの後端部を振動させた際の1次共振周波数との比率(第3の共振周波数の比率)との分布を回帰直線で表した場合、この回帰直線の推定誤差が0.03以下となるように、各1次共振周波数の大きさを設定してもよい。
【0124】
ここで、回帰直線の推定誤差が0.03以下とは、適用すべきゴルフクラブの番手に応じて定まる番号(自然数)を回帰直線の関数に入力して計算される推定値と、このゴルフクラブの第1の共振周波数の比率との誤差が、絶対値で0.03以下、すなわち、−0.03以上+0.03以下であることをいう。なお、推定誤差は、好ましくは、0.02以下であり、更に好ましくは、0.01以下である。
【0125】
回帰直線の推定誤差が0.03を超えると、ゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセットにおいて、打撃されたゴルフボールの打球の高さの調和が崩れる。このため、このゴルフクラブセットについて、あるゴルファが、無風状態で各番手のゴルフクラブで打球した際に、一定の飛距離が打ち分けられたにもかかわらず、向かい風の条件で、各番手のゴルフクラブで打球した際には、番手ごとの飛距離の相対的なバランスが崩れてしまう。このように、推定誤差を0.03以下にすることによって、全体にわたって打球の高さが調和されたゴルフクラブセットを得るためのゴルフクラブシャフトセットの提供が可能になる。もちろん、ゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセットによれば、打球の高さ自体を調整して適切な位置、例えば、グリーンの適切な位置にオンさせることができる。
【0126】
この場合、ゴルフクラブシャフト長さの変化に対する第3の共振周波数の比率の変化である回帰直線の傾きは、0.0004より大きくすることができる。好ましくは、0.0004より大きく0.0016以下、より好ましくは、0.0008乃至0.012である。
このようなゴルフクラブシャフトセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが高くなるゴルフクラブセットを提供することが可能なゴルフクラブシャフトセットである。このゴルフクラブシャフトセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを高くして十分な飛距離を得ようとするタイプのゴルファに利用されるゴルフクラブセットを提供するのに好適である。
【0127】
また、ゴルフクラブシャフト長さの変化に対する第3の共振周波数の比率の変化である回帰直線の傾きは、0.0004以下とすることもできる。好ましくは、−0.012乃至0.0004、より好ましくは、−0.008乃至0である。
このようなゴルフクラブシャフトセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが低くなるゴルフクラブセットを提供することが可能なゴルフクラブシャフトセットである。このゴルフクラブシャフトセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを低くして確実な方向性を得ようとするタイプのゴルファに利用されるゴルフクラブセットを提供するのに好適である。
【0128】
本発明においては、少なくとも3本のゴルフクラブシャフトについて、ゴルフクラブシャフトの適用すべき番手のうち最小の番手から順番に1から始まる連続する自然数で表した番号と、この番号に対応するアイアンA3〜A8において、ゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態でゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の2次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数との比率(以下、第4の共振周波数の比率ともいう)との分布を回帰直線で表した場合、この回帰直線の推定誤差が0.04以下となるように、1次共振周波数および2次共振周波数の大きさを設定してもよい。
【0129】
ここで、回帰直線の推定誤差が0.04以下とは、適用すべきゴルフクラブの番手に応じて定まる番号(自然数)を回帰直線の関数に入力して計算される推定値と、このゴルフクラブの第4の共振周波数の比率との誤差が、絶対値で0.04以下、すなわち、−0.04以上+0.04以下であることをいう。なお、推定誤差は、好ましくは、0.026以下であり、更に好ましくは、0.013以下である。
【0130】
回帰直線の推定誤差が0.04を超えると、ゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセットにおいて、打撃されたゴルフボールの打球の高さの調和が崩れる。このため、このゴルフクラブセットについて、あるゴルファが、無風状態で各番手のゴルフクラブで打球した際に、一定の飛距離が打ち分けられたにもかかわらず、向かい風の条件で、各番手のゴルフクラブで打球した際には、番手ごとの飛距離の相対的なバランスが崩れてしまう。このように、推定誤差を0.04以下にすることによって、全体にわたって打球の高さが調和されたゴルフクラブセットを得るためのゴルフクラブシャフトセットの提供が可能になる。もちろん、ゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセットによれば、打球の高さ自体を調整して適切な位置、例えば、グリーンの適切な位置にオンさせることができる。
【0131】
この場合、適用すべきゴルフクラブの番号の変化に対する第4の共振周波数の比率の変化である回帰直線の傾きは、0.005より大きくすることができる。好ましくは、0.005より大きく0.2以下、より好ましくは、0.01乃至0.15以下である。
このようなゴルフクラブシャフトセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが高くなるゴルフクラブセットを提供することが可能なゴルフクラブシャフトセットである。このゴルフクラブシャフトセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを高くして十分な飛距離を得ようとするタイプのゴルファに利用されるゴルフクラブセットを提供するのに好適である。
【0132】
また、適用すべきゴルフクラブの番号の変化に対する第4の共振周波数の比率の変化である回帰直線の傾きは、0.005以下とすることもできる。好ましくは、−0.15乃至0.005、より好ましくは、−0.1乃至0である。
このようなゴルフクラブシャフトセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが低くなるゴルフクラブセットを提供することが可能なゴルフクラブシャフトセットである。このゴルフクラブシャフトセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを低くして確実な方向性を得ようとするタイプのゴルファに利用されるゴルフクラブセットを提供するのに好適である。
【0133】
さらに、本発明においては、複数のゴルフクラブシャフトのうち、少なくとも3本について、ゴルフクラブシャフト長さと、このゴルフクラブシャフトの長さに対応するゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態でゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の2次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数との比率(第4の共振周波数の比率)との分布を回帰直線で表した場合、この回帰直線の推定誤差が0.04以下となるように、1次共振周波数および2次共振周波数の大きさを設定してもよい。
【0134】
ここで、回帰直線の推定誤差が0.04以下とは、適用すべきゴルフクラブの番手に応じて定まる番号(自然数)を回帰直線の関数に入力して計算される推定値と、このゴルフクラブの第2の共振周波数の比率との誤差が、絶対値で0.04以下、すなわち、−0.04以上+0.04以下であることをいう。なお、推定誤差は、好ましくは、0.026以下であり、更に好ましくは、0.013以下である。
【0135】
回帰直線の推定誤差が0.04を超えると、ゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセットにおいて、打撃されたゴルフボールの打球の高さの調和が崩れる。このため、このゴルフクラブセットについて、あるゴルファが、無風状態で各番手のゴルフクラブで打球した際に、一定の飛距離が打ち分けられたにもかかわらず、向かい風の条件で、各番手のゴルフクラブで打球した際には、番手ごとの飛距離の相対的なバランスが崩れてしまう。このように、推定誤差を0.04以下にすることによって、全体にわたって打球の高さが調和されたゴルフクラブセットを得るためのゴルフクラブシャフトセットの提供が可能になる。もちろん、ゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセットによれば、打球の高さ自体を調整して適切な位置、例えば、グリーンの適切な位置にオンさせることができる。
【0136】
この場合、ゴルフクラブシャフト長さの変化に対する第4の共振周波数の変化である回帰直線の傾きは、−0.0004未満にすることができる。好ましくは、−0.016以上−0.0004未満、より好ましくは、−0.012乃至−0.0008である。
このようなゴルフクラブシャフトセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが高くなるゴルフクラブセットを提供することが可能なゴルフクラブシャフトセットである。このゴルフクラブシャフトセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを高くして十分な飛距離を得ようとするタイプのゴルファに利用されるゴルフクラブセットを提供するのに好適である。
【0137】
また、ゴルフクラブシャフト長さの変化に対する第4の共振周波数の変化である回帰直線の傾きは、−0.0004以上とすることもできる。好ましくは、−0.0004乃至0.012、より好ましくは、0乃至0.008である。
このようなゴルフクラブシャフトセットは、相対的にロフト角度が小さいゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さが低くなるゴルフクラブセットを提供することが可能なゴルフクラブシャフトセットである。このゴルフクラブシャフトセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを低くして確実な方向性を得ようとするタイプのゴルファに利用されるゴルフクラブセットを提供するのに好適である。
【0138】
なお、上述のゴルフクラブシャフトセットにおいて、例えば、第3の共振周波数の比率における回帰直線の傾きが、−0.005未満であるゴルフクラブシャフトセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを高くして十分な飛距離を得ようとするタイプのゴルファに用いられるゴルフクラブセットに好適である。一方、第3の共振周波数の比率における回帰直線の傾きが、−0.005以上のゴルフクラブシャフトセットは、主に、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの打球の高さを低くして確実な方向性を得ようとするタイプのゴルファに用いられるゴルフクラブセットに好適である。しかしながら、回帰直線の傾きに応じて分類されるゴルフクラブシャフトセットによるゴルファへの適用は、あくまでも一般的な傾向を示すものである。例えば、ロフト角度が小さい番手のゴルフクラブを用いて十分な飛距離を得ようとするゴルファであっても、打球の高さを低くしてトータル距離を長くしたいと考えているゴルファにとっては、むしろ回帰直線の傾きが−0.005未満のゴルフクラブシャフトセットよりも回帰直線の傾きが−0.005以上のゴルフクラブシャフトセットの方が好適な場合もある。このように、ゴルファとしては、自分のレベル、または好みの戦略等より自分にとって好適なゴルフクラブセットを得ることができるゴルフクラブシャフトセットを選択することが可能である。
【0139】
なお、本発明においては、ゴルフクラブシャフトセットとは、ゴルフクラブセットとして組み立てられる前のゴルフクラブシャフトセットも含まれる。ゴルフクラブシャフトセットとは、複数本のゴルフクラブシャフトからなるものである。一般的には、複数本の長さが異なったゴルフクラブシャフトからなり、長さが長いゴルフクラブシャフトから順番にロフト角度の小さいゴルフクラブヘッドに装着されてゴルフクラブとなる。すなわち、ゴルフクラブの番手が小さいものほど、ゴルフクラブシャフトの長さが長いものが用いられる。また、当業者は、ゴルフクラブを組立てる際に、ゴルフクラブシャフトセットの各ゴルフクラブシャフトを、そのままの長さで使用したり、適宜切断して使用したりすることが可能である。
【0140】
また、本発明において、ゴルフクラブシャフトは、繊維強化複合材により形成されていることが好ましい。この繊維強化複合材は、繊維強化金属材、または繊維強化樹脂材などを含むものである。また、繊維強化樹脂材としては、炭素繊維強化樹脂(CFPR)材およびガラス繊維強化樹脂(GFRP)材などが例示される。本発明は、ゴルフクラブシャフトが、繊維強化樹脂材によって形成された場合に、顕著な効果を奏する。繊維強化樹脂材により形成されたゴルフクラブシャフトは、強化繊維の種類および強化繊維の配向方向の選択が自由であるため、ゴルフクラブシャフトの剛性分布を長手方向に渡って変化させる等の設計自由度が、金属製のゴルフクラブシャフトのような単一素材から形成されたゴルフクラブシャフトよりも高い。共振周波数は、ゴルフクラブシャフトの剛性分布に依存するものであり、繊維強化複合材によって形成されたゴルフクラブシャフトにより構成されたゴルフクラブセットは、ゴルフクラブ間における共振周波数のばらつきが特に大きくなる。このように、繊維強化樹脂材においては、同じ質量、同じ長さであっても、共振周波数のばらつきが大きく、共振周波数を管理する必要がある。
【0141】
さらに、本発明において、ゴルフクラブシャフトの1次共振周波数は、10乃至50Hzであることが好ましい。この1次共振周波数が10乃至50Hzであれば、実用上の耐久性をより十分に備えたゴルフクラブシャフトとなる。なお、この1次共振周波数の好ましい範囲の値は、測定方法によらず、ゴルフクラブシャフトの先端部および後端部のいずれかを固定して測定したものであってもよい。
【0142】
さらにまた、本発明において、ゴルフクラブシャフトの2次共振周波数は、30乃至250Hzであることが好ましい。この2次共振周波数が30乃至250Hzであれば、実用上の耐久性をより十分に備えたゴルフクラブシャフトとなる。なお、2次共振周波数の好ましい範囲の値は、測定方法によらずゴルフクラブシャフトの先端部および後端部のいずれかを固定して測定したものであってもよい。
【0143】
本発明においては、少なくとも3本のゴルフクラブシャフトについて、ゴルフクラブシャフトの適用すべき番手のうち最小の番手から順番に1から始まる連続する自然数で表した番号と、この番号に対応するアイアンA3〜A8に適用されるゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態でゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数と、ゴルフクラブシャフトの先端部を固定した状態でゴルフクラブシャフトの後端部を振動させた際の1次共振周波数との和との分布を回帰直線で表した場合、この回帰直線の推定誤差が3以下となるように、各1次共振周波数の大きさを設定してもよい。この推定誤差は、より好ましくは、2以下である。推定誤差を3以下にすることによって、全体にわたって打球の高さが更に一層調和されたゴルフクラブセットを得るためのゴルフクラブシャフトセットを提供することができる。
【0144】
なお、上述の第1乃至第4の共振周波数の比率の調整方法としては、例えば、ゴルフクラブシャフトの先端部、または後端部を切断するカット長さによる調整が挙げられる。
例えば、ゴルフクラブシャフト単体の長さが1000mmのものを、カットして960mmの長さのゴルフクラブとして組み立てる場合について説明する。このとき、ゴルフクラブシャフトの後端部を40mmカットする場合と、ゴルフクラブシャフトの先端部を40mmをカットする場合とでは、同じ長さであっても、ゴルフクラブシャフトの共振周波数が異なる。このため、上述の第1乃至第4の共振周波数の比率の値も変化する。このことを利用して、ゴルフクラブシャフトのカットする位置、またはゴルフクラブシャフトの先端部、もしくは後端部のカット長さを変えることにより第1乃至第4の共振周波数の比率の値を調整することができる。また、ゴルフクラブシャフトを設計段階から曲げ剛性等を変えることにより第1乃至第4の共振周波数の比率の値を調整することもできる。
【0145】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。
ロフト角度が20°、24°、28°、32°、36°、40°のゴルフクラブからなり、ゴルフクラブシャフトの振動特性だけを種々異ならせたゴルフクラブセットを作製した。なお、ゴルフクラブセットにおいて、同一のロフト角度を有するゴルフクラブには同一のゴルフクラブヘッド及びグリップを装着した。クラブ長さは、最も長いゴルフクラブ(ロフト角度が20°)を962mm(39.0インチ)とし、番手毎に13mm(0.5インチ)ずつ短くし、最も短いゴルフクラブ(ロフト角度が40°)を897mm(36.5インチ)とした。
【0146】
以下に示すようにして、各ゴルフクラブについて、共振周波数、共振周波数の比率および打出し角度を測定した。これらの結果を表1乃至表13に示す。なお、本実施例においては、表1乃至表13に示すように、ロフト角度が小さいものから、1から始まる自然数(番手)を付している。
【0147】
なお、表1乃至表13に示す共振周波数1とは、ゴルフクラブシャフトの後端部を固定し、その固定長さを178mmとして、先端部を振動させて測定した1次共振周波数のことである。
【0148】
表1乃至表13に示す共振周波数2とは、ゴルフクラブシャフトの先端部を固定し、その固定長さを178mmとして、後端部を振動させて測定した1次共振周波数のことである。
【0149】
表1乃至表13に示す共振周波数3とは、ゴルフクラブシャフトの後端部を固定し、その固定長さを178mmとして、先端部を振動させて測定した2次共振周波数のことである。
【0150】
また、表1乃至表13に示す共振周波数比率1とは、共振周波数1/共振周波数2のことである。さらに、表1乃至表13に示す共振周波数比率2とは、共振周波数3/共振周波数1のことである。
【0151】
各ゴルフクラブのロフト角度は、高爾夫球頭測度台(昇峰企業社製)を用いて測定した。
【0152】
共振周波数については、各実施例および比較例のゴルフクラブセットのゴルフクラブシャフトの先端部または他端部を固定して、後述するベースバンド解析と、ズーム解析とを行い、共振周波数(1次共振周波数、または2次共振周波数)を測定した。このように、ベースバンド解析により、共振周波数の概略値を求め、さらにズーム解析を行うことにより、共振周波数を高精度に測定することができる。この共振周波数の測定には、図17に示す測定装置60aを用いた。図17は、本実施例に使用される共振周波数の測定装置を示す模式図である。本実施例の測定装置60aは、図8に示す測定装置60に比して、ゴルフクラブシャフト12を固定する固定治具80の端部にフランジ部を有する点が異なる。また、ゴルフクラブシャフト12を加振する加振器70がインピーダンスヘッド72を介して設けられており、この加振器70にFFTアナライザ48から出力されるランダムノイズ信号を増幅するアンプ74が設けられている点が異なる。さらに、加速度ピックアップ44の加速度信号Aおよびインピーダンスヘッド72の加振力を表す力(ちから)信号FがFFTアナライザ48に供給されて周波数応答関数を求める点が異なり、それ以外の構成は、図8に示す測定装置60と同様の構成であるので、その詳細な説明は省略する。本実施例の測定装置60aにおいては、加振器70によりゴルフクラブシャフト12をランダムに加振することにより、後述するズーム解析により共振周波数を正確に求めることができる。
【0153】
以下、ゴルフクラブシャフト12の後端部を固定し、先端部側の1次共振周波数を測定する場合を例に説明する。
なお、本実施例においては、加速度ピックアップ44に、共振周波数を変化させないために、可能な限り軽量であることが望ましいことから、質量が0.14gのエンデブコ社製モデル22を用いた。チャージアンプ46には、エミック株式会社製チャージアンプ振動計509CAを用い、FFTアナライザ48には、株式会社小野測器製マルチパーパスFFTアナライザCF5220を用いた。
加振器70には、株式会社振研製のG21−005Dを用いた。インピーダンスヘッド72には、リオン株式会社製のPF−60Aを用いた。アンプ74には、株式会社振研製のG11−812を用いた。
【0154】
先ず、ベースバンド解析について説明する。この場合、固定治具80に固定長さを178mmとして、ゴルフクラブシャフト12を固定し、この固定治具80の端部から先端部に向かって400mmの位置に加速度ピックアップ44を固定した。すなわち、ゴルフクラブシャフト12の後端から先端部側に向かって578mmの位置に加速度ピックアップ44を固定した。インピーダンスヘッド72を固定治具80の端部から先端部に向かって35mmの位置に配置した。1次共振周波数の測定条件は、FFTアナライザ48からのランダムノイズ信号をアンプ74により増幅して加振器70によってゴルフクラブシャフト12をランダムに加振するものとした。また、測定データのデータ長を2048とし、FFT解析の周波数の上限値を200Hzとし、周波数分解能を0. 25Hz、測定時間を4秒とした。
【0155】
次に、加振器70によりゴルフクラブシャフト12をランダム加振して加速度を測定し、加速ピックアップ44から出力された加速度信号Aおよびインピーダンスヘッド72の力信号FからFFTアナライザ48により、図18に示すように、加振力に対する周波数応答関数H1 (H1 =(A/F))のスペクトル波形を得た。図18は、縦軸に周波数応答関数H1 をとり、横軸に周波数をとったゴルフクラブシャフトのスペクトル波形の一例を示すグラフである。図18に示す周波数応答関数のスペクトル波形から1次共振周波数の概略値を求めた。この場合、ベースバンド解析により測定された1次共振周波数の概略値は23Hzとした。
【0156】
上述のように、ベースバンド解析により測定された1次共振周波数に基づいて、更に正確な1次共振周波数を測定するために、後述する手順でズーム解析を行った。次に、ズーム解析について説明する。このズーム解析は、ベースバンド解析により、求められた1次共振周波数の概略値に基づいて更に正確に1次共振周波数を測定するために、続けて行うものである。
ズーム解析においては、ゴルフクラブシャフト12の固定長さ、インピーダンスヘッド72の設置位置、および加速度ピックアップ44の固定位置は、上述のベースバンド解析と同じとした。1次共振周波数の測定条件は、測定データのデータ長を2048とし、FFT解析の周波数の幅を10Hzとし、周波数分解能を0. 0125Hzとし、測定時間を80秒とした。
ベースバンド解析により概略的に測定された1次共振周波数の±5Hzの範囲に周波数の幅を設定し、上述のベースバンド解析と同様に、ランダム振動をゴルフクラブシャフト12に与えて1次共振周波数を測定した。
【0157】
ズーム解析においては、1次共振周波数の測定を5回行い、その5回の平均値をゴルフクラブシャフト12の1次共振周波数とした。このようにして、ゴルフクラブシャフト12の先端部側の1次共振周波数を正確に測定した。この結果を図19に示す。図19は、縦軸に周波数応答関数H1 をとり、横軸に周波数をとって1次共振周波数のズーム解析の結果の一例を示すグラフである。図19に示すように、1次共振周波数の共振ピークを正確に検出することができた。
【0158】
なお、先端部側の2次共振周波数は、ゴルフクラブシャフト12の後端部を固定し、ベースバンド解析により求められたスペクトル波形から、2次共振周波数を概略的に求め、更にズーム解析により2次共振周波数を正確に求めた。この場合においても、ズーム解析においては、5回測定し、この平均値をゴルフクラブシャフト12の2次共振周波数とした。なお、ベースバンド解析により測定された2次共振周波数の概略値は125Hzとした。2次共振周波数におけるズーム解析の結果を図20に示す。図20は、縦軸に周波数応答関数H1 をとり、横軸に周波数をとって2次共振周波数のズーム解析の結果の一例を示すグラフである。
【0159】
また、ズーム解析により、2次共振周波数を正確に求める場合、1次共振周波数の測定結果に比べてノイズ成分が多くなり、共振ピーク周波数を正確に求めることができない。そこで、図21に示すように、移動平均処理を行い共振ピークを検出し、2次共振周波数を正確に求めた。図21は、縦軸に周波数応答関数H1 をとり、横軸に周波数をとって移動平均処理により得られた2次共振周波数の共振ピークの一例を示すグラフである。図21に示す周波数応答関数H1 のスペクトル波形から、2次共振周波数を正確に測定することができた。
【0160】
また、ゴルフクラブシャフト12の後端部側の1次共振周波数についても、ベースバンド解析により1次および2次共振周波数の概略値を求め、次にズーム解析により1次共振周波数を正確に求めた。1次共振周波数の測定に際しては、ゴルフクラブシャフト12の先端部を固定治具80で固定して、ゴルフクラブシャフト12にランダム加振を与えて測定した。ゴルフクラブシャフト12の固定長さ、インピーダンスヘッド72の設置位置、加速度ピックアップ44の固定位置、および測定条件は、上述のゴルフクラブシャフト12の先端部側の1次共振周波数における測定条件と同じにした。
【0161】
打球の打出し角度については、以下に示すようにヘッドスピードを番手毎に設定し、スイングロボットによる打球試験を行い、打撃直後のボールの打出し角度を測定した。打球の打出し角度は、10回打球し、その平均値とした。なお、スイングロボットには、株式会社ミヤマエ製ショットロボ4を用いた。また、ゴルフボールには、横浜ゴム株式会社製H/Sボールを使用した。
【0162】
なお、スイングロボットのヘッドスピードは、ロフト角度によりヘッドスピードを変え、以下に示す各条件で打出し角度を測定した。
ロフト角度が20度のゴルフクラブは、ヘッドスピードを35.0m/秒とした。
ロフト角度が24度のゴルフクラブは、ヘッドスピードを34.5m/秒とした。
ロフト角度が28度のゴルフクラブは、ヘッドスピードを34.0m/秒とした。
ロフト角度が32度のゴルフクラブは、ヘッドスピードを33.5m/秒とした。
ロフト角度が36度のゴルフクラブは、ヘッドスピードを33.0m/秒とした。
ロフト角度が40度のゴルフクラブは、ヘッドスピードを32.5m/秒とした。
【0163】
また、打出し角度が大きいほど、打球の高さが高くなるので、この打出し角度を打球の高さを評価する指標として用いた。
【0164】
【表1】
【0165】
【表2】
【0166】
【表3】
【0167】
【表4】
【0168】
【表5】
【0169】
【表6】
【0170】
【表7】
【0171】
【表8】
【0172】
【表9】
【0173】
【表10】
【0174】
【表11】
【0175】
【表12】
【0176】
【表13】
【0177】
【表14】
【0178】
推定誤差の幅については、打出し角度について、回帰直線により推定誤差を求め、最大誤差から最小誤差を引いて、推定誤差の幅を求めた。この推定誤差の幅が小さいほど、全番手にわたって応答性が均一の、つまり、全体にわたって打球の高さが調和したゴルフクラブセットであるといえる。なお、最大誤差および最小誤差の単位は、無次元である。
以下、各実施例について説明する。
【0179】
第1実施例
上記表1乃至表6および表13に示す実施例No. 1乃至6および比較例No. 13のゴルフクラブセットにおいて、番手に対する共振周波数比率1の回帰直線を求め、各ゴルフクラブセットにおける推定誤差の最大誤差および最小誤差を求めた。これらの結果を下記表15に示す。さらに推定誤差の最大誤差と推定誤差の最小誤差との差である推定誤差の幅も求め、これも下記表15に示す。なお、表15は回帰直線の傾きが−0.005未満のものである。下記表15に示す回帰直線の傾きの単位は(/番号)である。
【0180】
【表15】
【0181】
上記表15に示すように、実施例No. 1乃至6は、いずれのゴルフクラブにおいても推定誤差が0.03以内であった。このため、ゴルフクラブセットの全体にわたって打出し角度の調和が取れていた。一方、比較例No. 13は、推定誤差が0.03を超えていた。このため、ゴルフクラブセット全体の打出し角度の調和が崩れていた。これにより、比較例No. 13においては、番手ごとの相対的な飛距離のバランスが崩れる。
【0182】
第2実施例
上記表7乃至表12および表14に示す実施例No. 7乃至12および比較例No. 14のゴルフクラブセットにおいて、番手に対する共振周波数比率1の回帰直線を求め、各ゴルフクラブセットにおける推定誤差の最大誤差および最小誤差を求めた。これらの結果を下記表16に示す。さらに推定誤差の最大誤差と推定誤差の最小誤差との差である推定誤差の幅も求め、これも下記表16に示す。なお、表16は回帰直線の傾きが−0.005以上のものである。下記表16に示す回帰直線の傾きの単位は(/番号)である。
【0183】
【表16】
【0184】
上記表16に示すように、実施例No. 7乃至12は、いずれのゴルフクラブにおいても推定誤差が0.03以内であった。このため、ゴルフクラブセットの全体にわたって打出し角度の調和が取れていた。一方、比較例No. 14は、推定誤差が0.03を超えていた。このため、ゴルフクラブセット全体の打出し角度の調和が崩れていた。これにより、比較例No. 14においては、番手ごとの相対的な飛距離のバランスが崩れる。
【0185】
第3実施例
上記表1乃至表6および表13に示す実施例No. 1乃至6および比較例No. 13のゴルフクラブセットにおいて、ロフト角度に対する共振周波数比率1の回帰直線を求め、各ゴルフクラブセットにおける推定誤差の最大誤差および最小誤差を求めた。これらの結果を下記表17に示す。さらに推定誤差の最大誤差と推定誤差の最小誤差との差である推定誤差の幅も求め、これも下記表17に示す。なお、表17は回帰直線の傾きが−0.00125未満のものである。下記表17に示す回帰直線の傾きの単位は(/°)である。
【0186】
【表17】
【0187】
上記表17に示すように、実施例No. 1乃至6は、いずれのゴルフクラブにおいても推定誤差が0.03以内であった。このため、ゴルフクラブセットの全体にわたって打出し角度の調和が取れていた。一方、比較例No. 13は、推定誤差が0.03を超えていた。このため、ゴルフクラブセット全体の打出し角度の調和が崩れていた。これにより、比較例No. 13においては、番手ごとの相対的な飛距離のバランスが崩れる。
【0188】
第4実施例
上記表7乃至表12および表14に示す実施例No. 7乃至12および比較例No. 14のゴルフクラブセットにおいて、ロフト角度に対する共振周波数比率1の回帰直線を求め、各ゴルフクラブセットにおける推定誤差の最大誤差および最小誤差を求めた。これらの結果を下記表18に示す。さらに推定誤差の最大誤差と推定誤差の最小誤差との差である推定誤差の幅も求め、これも下記表18に示す。なお、表18は回帰直線の傾きが−0.00125以上のものである。下記表18に示す回帰直線の傾きの単位は(/°)である。
【0189】
【表18】
【0190】
上記表18に示すように、実施例No. 7乃至12は、いずれのゴルフクラブにおいても推定誤差が0.03以内であった。このため、ゴルフクラブセットの全体にわたって打出し角度の調和が取れていた。一方、比較例No. 14は、推定誤差が0.03を超えていた。このため、ゴルフクラブセット全体の打出し角度の調和が崩れていた。これにより、比較例No. 14においては、番手ごとの相対的な飛距離のバランスが崩れる。
【0191】
第5実施例
上記表1乃至表6および表13に示す実施例No. 1乃至6および比較例No. 13のゴルフクラブセットにおいて、番手に対する共振周波数比率2の回帰直線を求め、各ゴルフクラブセットにおける推定誤差の最大誤差および最小誤差を求めた。これらの結果を下記表19に示す。さらに推定誤差の最大誤差と推定誤差の最小誤差との差である推定誤差の幅も求め、これも下記表19に示す。なお、表19は回帰直線の傾きが0.005より大きいものである。下記表19に示す回帰直線の傾きの単位は(/番号)である。
【0192】
【表19】
【0193】
上記表19に示すように、実施例No. 1乃至6は、いずれのゴルフクラブにおいても推定誤差が0.04以内であった。このため、ゴルフクラブセットの全体にわたって打出し角度の調和が取れていた。一方、比較例No. 13は、推定誤差が0.04を超えていた。このため、ゴルフクラブセット全体の打出し角度の調和が崩れていた。これにより、比較例No. 13においては、番手ごとの相対的な飛距離のバランスが崩れる。
【0194】
第6実施例
上記表7乃至表12および表14に示す実施例No. 7乃至12および比較例No. 14のゴルフクラブセットにおいて、番手に対する共振周波数比率2の回帰直線を求め、各ゴルフクラブセットにおける推定誤差の最大誤差および最小誤差を求めた。これらの結果を下記表20に示す。さらに推定誤差の最大誤差と推定誤差の最小誤差との差である推定誤差の幅も求め、これも下記表20に示す。なお、表20は回帰直線の傾きが0.005以下のものである。下記表20に示す回帰直線の傾きの単位は(/番号)である。
【0195】
【表20】
【0196】
上記表20に示すように、実施例No. 7乃至12は、いずれのゴルフクラブにおいても推定誤差が0.04以内であった。このため、ゴルフクラブセットの全体にわたって打出し角度の調和が取れていた。一方、比較例No. 14は、推定誤差が0.04を超えていた。このため、ゴルフクラブセット全体の打出し角度の調和が崩れていた。これにより、比較例No. 14においては、番手ごとの相対的な飛距離のバランスが崩れる。
【0197】
第7実施例
上記表1乃至表6および表13に示す実施例No. 1乃至6および比較例No. 13のゴルフクラブセットにおいて、ロフト角度に対する共振周波数比率2の回帰直線を求め、各ゴルフクラブセットにおける推定誤差の最大誤差および最小誤差を求めた。これらの結果を下記表21に示す。さらに推定誤差の最大誤差と推定誤差の最小誤差との差である推定誤差の幅も求め、これも下記表21に示す。なお、表21は回帰直線の傾きが0.00125より大きいものである。下記表21に示す回帰直線の傾きの単位は(/°)である。
【0198】
【表21】
【0199】
上記表21に示すように、実施例No. 1乃至6は、いずれのゴルフクラブにおいても推定誤差が0.04以内であった。このため、ゴルフクラブセットの全体にわたって打出し角度の調和が取れていた。一方、比較例No. 13は、推定誤差が0.04を超えていた。このため、ゴルフクラブセット全体の打出し角度の調和が崩れていた。これにより、比較例No. 13においては、番手ごとの相対的な飛距離のバランスが崩れる。
【0200】
第8実施例
上記表7乃至表12および表14に示す実施例No. 7乃至12および比較例No. 14のゴルフクラブセットにおいて、ロフト角度に対する共振周波数比率2の回帰直線を求め、各ゴルフクラブセットにおける推定誤差の最大誤差および最小誤差を求めた。これらの結果を下記表22に示す。さらに推定誤差の最大誤差と推定誤差の最小誤差との差である推定誤差の幅も求め、これも下記表22に示す。なお、表21は回帰直線の傾きが0.00125以下のものである。下記表22に示す回帰直線の傾きの単位は(/°)である。
【0201】
【表22】
【0202】
上記表22に示すように、実施例No. 7乃至12は、いずれのゴルフクラブにおいても推定誤差が0.04以内であった。このため、ゴルフクラブセットの全体にわたって打出し角度の調和が取れていた。一方、比較例No. 14は、推定誤差が0.04を超えていた。このため、ゴルフクラブセット全体の打出し角度の調和が崩れていた。これにより、比較例No. 14においては、番手ごとの相対的な飛距離のバランスが崩れる。
【0203】
第9実施例
上記表1乃至表6および表13に示す実施例No. 1乃至6および比較例No. 13のゴルフクラブセットに用いられたゴルフクラブシャフトセットにおいて、ゴルフクラブシャフトセットの長さに対する共振周波数比率1の回帰直線を求め、各ゴルフクラブシャフトセットにおける推定誤差の最大誤差および最小誤差を求めた。これらの結果を下記表23に示す。さらに推定誤差の最大誤差と推定誤差の最小誤差との差である推定誤差の幅も求め、これも下記表23に示す。なお、表23は回帰直線の傾きが0.0004より大きいものである。下記表23に示す回帰直線の傾きの単位は(/mm)である。
【0204】
【表23】
【0205】
上記表23に示すように、実施例No. 1乃至6は、いずれのゴルフクラブシャフトにおいても推定誤差が0.03以内であった。このため、これらのゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセットの全体にわたって打出し角度の調和が取れていた。一方、比較例No. 13は、推定誤差が0.03を超えていた。このため、このゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセット全体の打出し角度の調和が崩れていた。これにより、比較例No. 13においては、ゴルフクラブセットの番手ごとの相対的な飛距離のバランスが崩れる。
【0206】
第10実施例
上記表7乃至表12および表14に示す実施例No. 7乃至12および比較例No. 14のゴルフクラブセットに用いられたゴルフクラブシャフトセットにおいて、ゴルフクラブシャフトセットの長さに対する共振周波数比率1の回帰直線を求め、各ゴルフクラブセットにおける推定誤差の最大誤差および最小誤差を求めた。これらの結果を下記表24に示す。さらに推定誤差の最大誤差と推定誤差の最小誤差との差である推定誤差の幅も求め、これも下記表24に示す。なお、表23は回帰直線の傾きが0.0004以下のものである。下記表24に示す回帰直線の傾きの単位は(/mm)である。
【0207】
【表24】
【0208】
上記表24に示すように、実施例No. 7乃至12は、いずれのゴルフクラブにおいても推定誤差が0.03以内であった。このため、これらのゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセットの全体にわたって打出し角度の調和が取れていた。一方、比較例No. 14は、推定誤差が0.03を超えていた。このため、このゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセット全体の打出し角度の調和が崩れていた。これにより、比較例No. 14においては、番手ごとの相対的な飛距離のバランスが崩れる。
【0209】
第11実施例
上記表1乃至表6および表13に示す実施例No. 1乃至6および比較例No. 13のゴルフクラブセットに用いられたゴルフクラブシャフトセットにおいて、ゴルフクラブシャフトセットの長さに対する共振周波数比率2の回帰直線を求め、各ゴルフクラブシャフトセットにおける推定誤差の最大誤差および最小誤差を求めた。これらの結果を下記表25に示す。さらに推定誤差の最大誤差と推定誤差の最小誤差との差である推定誤差の幅も求め、これも下記表25に示す。なお、表25は回帰直線の傾きが−0.0004未満のものである。下記表25に示す回帰直線の傾きの単位は(/mm)である。
【0210】
【表25】
【0211】
上記表25に示すように、実施例No. 1乃至6は、いずれのゴルフクラブシャフトにおいても推定誤差が0.04以内であった。このため、これらのゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセットの全体にわたって打出し角度の調和が取れていた。一方、比較例No. 13は、推定誤差が0.04を超えていた。このため、このゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセット全体の打出し角度の調和が崩れていた。これにより、比較例No. 13においては、ゴルフクラブセットの番手ごとの相対的な飛距離のバランスが崩れる。
【0212】
第12実施例
上記表7乃至表12および表14に示す実施例No. 7乃至12および比較例No. 14のゴルフクラブセットに用いられたゴルフクラブシャフトセットにおいて、ゴルフクラブシャフトセットの長さに対する共振周波数比率2の回帰直線を求め、各ゴルフクラブセットにおける推定誤差の最大誤差および最小誤差を求めた。これらの結果を下記表26に示す。さらに推定誤差の最大誤差と推定誤差の最小誤差との差である推定誤差の幅も求め、これも下記表26に示す。なお、表26は回帰直線の傾きが−0.0004以上のものである。下記表26に示す回帰直線の傾きの単位は(/mm)である。
【0213】
【表26】
【0214】
上記表26に示すように、実施例No. 7乃至12は、いずれのゴルフクラブにおいても推定誤差が0.04以内であった。このため、これらのゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセットの全体にわたって打出し角度の調和が取れていた。一方、比較例No. 14は、推定誤差が0.04を超えていた。このため、このゴルフクラブシャフトセットを用いて作製されたゴルフクラブセット全体の打出し角度の調和が崩れていた。これにより、比較例No. 14においては、番手ごとの相対的な飛距離のバランスが崩れる。
【0215】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、全体にわたって打球の高さが調和されているゴルフクラブセットおよびゴルフクラブシャフトセットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】横軸に番手、ロフト角度、およびゴルフクラブシャフトの長さをとり、縦軸に共振周波数の比率をとって、番手、ロフト角度、およびゴルフクラブシャフトの長さと、共振周波数の比率との関係を模式的に示すグラフである。
【図2】本発明の実施形態に係るゴルフクラブセットの一例であるゴルフクラブセットを示す模式図である。
【図3】本発明のゴルフクラブセットの各ゴルフクラブヘッドのロフト角度を測定する測定器の概略斜視図である。
【図4】図3に示す測定器の要部を説明する説明図である。
【図5】図3に示す測定器でロフト角度を測定する方法を説明する説明図である。
【図6】図3に示す測定器でロフト角度を測定する方法を説明する他の説明図である。
【図7】図3に示す測定器でロフト角度を測定する方法を説明する他の説明図である。
【図8】本発明のゴルフクラブセットのゴルフクラブシャフトの共振周波数を測定する測定装置を示す模式図である。
【図9】(a)および(b)は、図8に示す測定装置における固定端を示す模式図である。
【図10】従来のゴルフクラブの一例を説明する図である。
【図11】従来のゴルフクラブの他の例を説明する図である。
【図12】従来のゴルフクラブの他の例を説明する図である。
【図13】本発明のゴルフクラブセットのゴルフクラブシャフトの共振周波数を測定する測定装置の他の例を説明する説明図である。
【図14】(a)および(b)は、縦軸に相対加速度をとり、横軸に周波数をとって、ゴルフクラブシャフトの共振周波数の測定装置で得られる周波数特性の一例を示す図である。
【図15】(a)乃至(c)は、本発明のゴルフクラブシャフトの振動形態を示す模式図である。
【図16】(a) 乃至(c)は、スウィングしたときのゴルフクラブのロフト角度の変化を示す模式図である。
【図17】本実施例に使用される共振周波数の測定装置を示す模式図である。
【図18】ベースバンド解析により得られたゴルフクラブシャフトの周波数応答関数H1 のスペクトル波形の一例を示すグラフである。
【図19】1次共振周波数のズーム解析により得られた周波数応答関数H1 のスペクトル波形の一例を示すグラフである。
【図20】2次共振周波数のズーム解析により得られた周波数応答関数H1 のスペクトル波形の結果の一例を示すグラフである。
【図21】図20に示す2次共振周波数の周波数応答関数H1 のスペクトル波形を移動平均処理することにより得られた共振ピークの一例を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ゴルフクラブセット
12 ゴルフクラブシャフト
14 グリップ
16 ゴルフクラブヘッド
18 ホーゼル
20 ソケット
22 フェース面
30 ロフト角度測定器
40 分度器
42、80 固定治具
44 加速度ピックアップ
46 チャージアンプ
48 FFTアナライザ
50 コンピュータ
52 重量体
60、60a 測定装置
70 加振器
72 インピーダンスヘッド
74 アンプ
Claims (36)
- ロフト角度が互いに異なる複数本のゴルフクラブからなるゴルフクラブセットであって、
前記複数本のゴルフクラブのうち、少なくとも3本のゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッドが取り付けられるゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数と、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの後端部を振動させた際の1次共振周波数との比率が、前記ゴルフクラブの番手の順番および前記ゴルフクラブの前記ロフト角度の少なくとも一方に対応して設定されていることを特徴とするゴルフクラブセット。 - 共振周波数の前記比率は、前記ゴルフクラブの番手の順番および前記ゴルフクラブの前記ロフト角度の少なくとも一方に対応して略線形的に増加または減少するように設定されている請求項1に記載のゴルフクラブセット。
- ロフト角度が16°乃至41°である少なくとも3本のゴルフクラブからなる群を有し、前記群の全てのゴルフクラブを最小の番手から順番に1から始まる連続する自然数で表した番号と、前記番号に対応するゴルフクラブにおける前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブについても0.03以下である請求項2に記載のゴルフクラブセット。
- 前記番号の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、−0.005未満である請求項3に記載のゴルフクラブセット。
- 前記番号の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、−0.005以上である請求項3に記載のゴルフクラブセット。
- ロフト角度が16°乃至41°である少なくとも3本のゴルフクラブからなる群を有し、前記群のゴルフクラブヘッドのロフト角度と、前記ロフト角度に対応するゴルフクラブにおける前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブについても0.03以下である請求項2に記載のゴルフクラブセット。
- 前記ロフト角度の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、−0.00125未満である請求項6に記載のゴルフクラブセット。
- 前記ロフト角度の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、−0.00125以上である請求項6に記載のゴルフクラブセット。
- ロフト角度が互いに異なる複数本のゴルフクラブからなるゴルフクラブセットであって、
前記複数本のゴルフクラブのうち、少なくとも3本のゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッドが取り付けられるゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の2次共振周波数と、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数との比率が前記ゴルフクラブの番手の順番および前記ゴルフクラブの前記ロフト角度の少なくとも一方に対応して設定されていることを特徴とするゴルフクラブセット。 - 共振周波数の前記比率は、前記ゴルフクラブの番手の順番および前記ゴルフクラブの前記ロフト角度の少なくとも一方に対応して略線形的に増加または減少するように設定されている請求項9に記載のゴルフクラブセット。
- ロフト角度が16°乃至41°である少なくとも3本のゴルフクラブからなる群を有し、前記群の全てのゴルフクラブを最小の番手から順番に1から始まる連続する自然数で表した番号と、前記番号に対応するゴルフクラブにおける前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブについても0.04以下である請求項10に記載のゴルフクラブセット。
- 前記番号の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、0.005より大きい請求項11に記載のゴルフクラブセット。
- 前記番号の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、0.005以下である請求項11に記載のゴルフクラブセット。
- ロフト角度が16°乃至41°である少なくとも3本のゴルフクラブからなる群を有し、前記群のゴルフクラブヘッドのロフト角度と、前記ロフト角度に対応するゴルフクラブにおける前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブについても0.04以下である請求項10に記載のゴルフクラブセット。
- 前記ロフト角度の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、0.00125より大きい請求項14に記載のゴルフクラブセット。
- 前記ロフト角度の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、0.00125以下である請求項14に記載のゴルフクラブセット。
- 前記ゴルフクラブシャフトは、繊維強化複合材により形成される請求項1乃至16のいずれか1項に記載のゴルフクラブセット。
- 複数本のゴルフクラブシャフトからなるゴルフクラブシャフトセットであって、
前記ゴルフクラブシャフトのそれぞれは、適用すべきゴルフクラブの番手が設定されており、前記複数本のゴルフクラブシャフトのうち、少なくとも3本のゴルフクラブシャフトは、前記ゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数と、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの後端部を振動させた際の1次共振周波数との比率が前記ゴルフクラブの番手の順番および前記ゴルフクラブシャフトの長さの少なくとも一方に対応して設定されていることを特徴とするゴルフクラブシャフトセット。 - 共振周波数の前記比率は、前記ゴルフクラブの番手の順番および前記ゴルフクラブシャフトの長さの少なくとも一方に対応して略線形的に増加または減少するように設定されている請求項18に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 前記複数本のゴルフクラブシャフトは、少なくとも3本のゴルフクラブシャフトからなる群を有し、前記群の全てのゴルフクラブシャフトをゴルフクラブシャフトの適用すべき番手のうち最小の番手から順番に1から始まる連続する自然数で表した番号と、前記番号に対応するゴルフクラブにおける前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブシャフトについても0.03以下である請求項19に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 前記番号の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、−0.005未満である請求項20に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 前記番号の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、−0.005以上である請求項20に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 前記複数本のゴルフクラブシャフトは、互いに長さが異なる少なくとも3本のゴルフクラブシャフトからなる群を有し、前記群の全てのゴルフクラブシャフトの長さと、それぞれのゴルフクラブシャフトの長さに対応する前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブシャフトについても0.03以下である請求項19に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 前記ゴルフクラブシャフトの長さの変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、0.0004より大きい請求項23に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 前記ゴルフクラブシャフトの長さの変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、0.0004以下である請求項23に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 前記ゴルフクラブシャフトは、ロフト角度が16°乃至41°のゴルフクラブヘッドに装着されるものであり、前記番手の順番または前記ゴルフクラブシャフトの長さの順番と、前記ロフト角度の大きさの順番とが対応している請求項20乃至25のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 複数本のゴルフクラブシャフトからなるゴルフクラブシャフトセットであって、
前記ゴルフクラブシャフトのそれぞれは、適用すべきゴルフクラブの番手が設定されており、前記複数本のゴルフクラブシャフトのうち、少なくとも3本のゴルフクラブシャフトは、前記ゴルフクラブシャフトの後端部を固定した状態で、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の2次共振周波数と、前記ゴルフクラブシャフトの先端部を振動させた際の1次共振周波数との比率が前記ゴルフクラブの番手の順番および前記ゴルフクラブシャフトの長さの少なくとも一方に対応して設定されていることを特徴とするゴルフクラブシャフトセット。 - 共振周波数の前記比率は、前記ゴルフクラブの番手の順番および前記ゴルフクラブシャフトの長さの少なくとも一方に対応して略線形的に増加または減少するように設定されている請求項27に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 前記複数本のゴルフクラブシャフトは、少なくとも3本のゴルフクラブシャフトからなる群を有し、前記群の全てのゴルフクラブシャフトをゴルフクラブシャフトの適用すべき番手のうち最小の番手から順番に1から始まる連続する自然数で表した番号と、前記番号に対応するゴルフクラブにおける前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブシャフトについても0.04以下である請求項28に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 前記番号の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、0.005より大きい請求項29に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 前記番号の変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、0.005以下である請求項29に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 前記複数本のゴルフクラブシャフトは、互いに長さが異なる少なくとも3本のゴルフクラブシャフトからなる群を有し、前記群の全てのゴルフクラブシャフトの長さと、それぞれのゴルフクラブシャフトの長さに対応する前記共振周波数の比率との関係を、前記群について直線で回帰した場合、前記群における前記共振周波数の比率の推定誤差は、いずれのゴルフクラブシャフトについても0.04以下である請求項28に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 前記ゴルフクラブシャフトの長さの変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、−0.0004未満である請求項32に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 前記ゴルフクラブシャフトの長さの変化に対する前記共振周波数の比率の変化である前記直線の傾きは、−0.0004以上である請求項32に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 前記ゴルフクラブシャフトは、ロフト角度が16°乃至41°のゴルフクラブヘッドに装着されるものであり、前記番手の順番または前記ゴルフクラブシャフトの長さの順番と、前記ロフト角度の大きさの順番とが対応している請求項29乃至34のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフトセット。
- 前記ゴルフクラブシャフトは、繊維強化複合材により形成される請求項18乃至35のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフトセット。
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-
2003
- 2003-03-03 JP JP2003056295A patent/JP2004261467A/ja active Pending
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