JP4081315B2 - ゴルフクラブヘッドの反発特性評価装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製等の中空ゴルフクラブヘッド等のゴルフクラブヘッドでゴルフボールを打撃する際のゴルフクラブヘッドの打撃面の反発特性を評価するゴルフクラブヘッドの反発特性評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、ゴルフクラブメーカーはゴルフクラブヘッドの構造や素材の改良や開発を通じて、非力なゴルファーでもゴルフボールを遠くに飛ばすことができるように、反発性の良いゴルフクラブヘッドを持つゴルフクラブを種々提案している。
【0003】
一方において、全米ゴルフ協会(USGA)およびR&A(Royal and Ancient Golf Club of St.Andrews)では、反発特性があまりにも良好であるためゴルフボールが飛び過ぎるゴルフクラブを規制することをルール化し、反発係数eが基準を満たすゴルフクラブをゴルフ競技会で使用することを規定している。
例えば、USGAは、ゴルフボールとゴルフクラブヘッドとの反発係数eを調べるために、図7に示すように、ゴルフクラブヘッドHを載置台の上に置いた状態で、ゴルフクラブヘッドHのフェース面Fに対して垂直にゴルフボールを衝突させて、その時のゴルフボールの入射速度Vinと反射速度Vout とゴルフクラブヘッドの質量Mとゴルフボールの質量mとの関係式(下記式)から反発係数eを求める方法を提唱している。
out /Vin = (e・M −m)/(M+m)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記方法で反発係数eを求める場合、ゴルフボールの入射方向に対してゴルフクラブヘッドHのフェース面Fを垂直にセットし、しかも、ゴルフボールのフェース面F上の所定の位置を打点位置とするためにゴルフクラブヘッドHの位置合わせを正確に行う必要がある。また、ゴルフクラブヘッドをシャフトから外してゴルフクラブヘッド単体で計測する必要があるためゴルフクラブを分解し、計測後、再度組み立てる煩雑な作業も必要となる。
【0005】
さらに、上記方法では、大がかりな装置構成となり、所望の場所に出向いて簡単に反発係数eを求め、ゴルフクラブヘッドの反発特性を評価することはできない。
このように、上記方法による反発係数eの算出により、競技会の開始前の限られた時間内に競技に参加するプロゴルファのゴルフクラブを1本ずつ検査することは到底できないばかりか、競技会場等に出向いて短時間にかつ容易に評価することはできない。
また、分解したゴルフクラブを再度組み立てると、今まで好感触を持っていたゴルフクラブの感覚が変わってしまう場合も多い。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点を解決すべく、ゴルフクラブヘッドをシャフトから外してゴルフクラブを分解することなくゴルフクラブヘッドの反発係数を推定して求め、しかも、所望の場所に出向いて反発係数を極めて容易かつ短時間に求めることのできるゴルフクラブヘッドの反発特性評価装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ゴルフクラブヘッドの反発特性を評価するゴルフクラブヘッドの反発特性評価装置であって、ゴルフクラブヘッドの打撃面をインパクト加振することによって前記打撃面から発する打撃音を音圧信号として出力するマイクと、
出力された前記音圧信号を応答信号として取り込む入力デバイスと、前記応答信号から前記打撃面の共振周波数を求める分析ユニットと、この共振周波数からゴルフボールを前記打撃面で打撃する際の反発係数を求める算出ユニットと、算出された反発係数を用いて評価されたゴルフクラブヘッドの評価結果を表示するディスプレイと、を有することを特徴とするゴルフクラブヘッドの反発特性評価装置を提供する。
【0008】
ここで、前記算出ユニットは、ゴルフボールを前記打撃面で打撃する際の反発係数と前記共振周波数との関係を表した参照テーブルおよび前記関係を関数で表した関係式のいずれか一方を用いて、前記打撃面の反発係数を求めるのが好ましい。
また、前記算出ユニットで算出された反発係数を、予め定められた値と比較することによって、前記ゴルフクラブヘッドの反発特性の合否を判定する評価ユニットを有し、この評価ユニットの判定結果を前記評価結果として前記ディスプレイに表示するのが好ましい。
【0009】
前記共振周波数は、1次共振周波数であるのが好ましい。
また、前記ゴルフクラブヘッドの反発特性評価装置における前記入力デバイスと、前記分析ユニットと、前記算出ユニットとはモバイル型のコンピュータに組み込まれた構成とするのが好ましい。
さらに、前記ゴルフクラブヘッドの打撃面をインパクト加振することによって生じる前記打撃面の振動を加速度信号として出力する加速度センサと、前記インパクト加振するときの加振力を打撃信号として出力するハンマーと、前記音圧信号を取り込む端子の他に、前記加速度信号を前記応答信号として取り込む端子と、前記打撃信号を取り込む端子とを備え、取り込まれた信号を増幅し、増幅された信号を前記入力デバイスに供給するアンプと、を有し、前記分析ユニットで前記共振周波数を求めるために、前記音圧信号を前記応答信号として取り込む方式と、前記分析ユニットで前記共振周波数を求めるために、前記打撃信号を取り込むとともに前記加速度信号を前記応答信号として取り込む方式との間で、方式を切り換えることができることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のゴルフクラブヘッドの反発特性評価装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
図1(a)および(b)は、本発明の一実施例であるゴルフクラブヘッドの反発特性評価装置10の概略を示す図である。
反発特性評価装置10は、ゴルフクラブヘッドの反発特性を評価する装置であって、ゴルフクラブヘッドHの打撃面Fにインパクトを付与することによって打撃面Fを振動させた際、この振動によって生成された打撃面Fの応答信号を取り込むアナログ入出力カード20と、アナログ入出力カード20から供給される応答信号を用いて反発特性を評価するモバイル型のコンピュータ22と、を有して構成される。アナログ入出力カード20は、コンピュータ22の所定の位置に挿入されて、コンピュータ22と一体化されている。
【0011】
コンピュータ22には、打撃面Fの振動中の応答信号から打撃面Fの共振周波数を求める周波数分析ユニット22aと、ゴルフボールを打撃面Fで打撃する際の反発係数eを、周波数分析ユニット22aにて求められた共振周波数から算出する反発係数算出ユニット22bと、反発係数算出ユニット22bで算出された反発係数eを、予め定められた値と比較することによって、ゴルフクラブヘッドHの反発特性の合否を判定する評価ユニット22cと、算出された反発係数eを用いて評価されたゴルフクラブヘッドの反発特性の評価結果を表示するディスプレイ22dとを有して構成される。
なお、周波数分析ユニット22aと、反発係数算出ユニット22bと、評価ユニット22cは、所定のプログラムを実行することで機能を発揮する、すなわち、ソフトウェア処理によって機能を発揮するユニットである。
【0012】
ここで、ゴルフクラブヘッドHの反発特性の評価は、反発特性評価装置10の他に、マイク12とアンプ14とハンマ24とを用いて行われる。
すなわち、ゴルフクラブヘッドHの打撃面Fは、ハンマ24による打撃力が付与されることにより(インパクト加振により)振動するが、この振動によって発生する打撃音は、マイク12によって音圧信号に変換され、アンプ14で増幅され、さらに、アナログ入出力ボード20を介してコンピュータ22に取り込まれる。
なお、ハンマ24の先端は打撃面Fをキズをつけない程度の硬さを持つ金属材料が用いられ、ハンマ24によるインパクトは、打撃面Fをキズをつけない程度の軽い打撃である。
打撃を受けるゴルフクラブヘッドHは、例えば、天井よりホーゼル部が宙づり状態とされて、自由端を形成する。あるいは、ゴルフクラブ12のシャフトSが軽く固定支持される。いずれにしても、ゴルフクラブヘッドHの打撃面Fが膜状に振動する時の共振周波数に影響を与えない程度の固定方法であればよい。
【0013】
マイク12は、音を電気信号に変換する小型マイク、例えばコンデンサーマイクである。
アンプ14は、マイク12から取り込まれた音圧信号を増幅するように接続端子14aが設けられ、例えば3.5mmピンジャックコネクタによってマイク12と接続される装置である。アンプ14の接続端子14aは、マイク12の接続端子の他に、後述するように、加速度ピックアップ30(図4参照)で得られた加速度信号およびインパクトの打撃力を計測するピックアップ32a(図4参照)からの打撃信号を増幅するように構成されている。
アンプ14は、接続コネクタ18を介してアナログ入出力カード20に接続されている。接続コネクタ18は、例えばD−sub37ピンコネクタが用いられる。
アナログ入出力カード20は、コンピュータ22の所定のスロットに装着され、アンプ14で増幅されたアナログ信号である音圧信号をデジタル信号に変換するデバイスで、本発明における入力デバイスに対応するものである。アナログ入出力カード20は、例えば、CONTEC社製、AD-12-8 (PM)等が用いられる。
【0014】
周波数分析ユニット22aは、アンプ14より入力された音圧信号をFFT(Fast Fourier Transformation)を用いて周波数分析し、ゴルフクラブヘッドHの打撃面Fの1次共振周波数fを求めるユニットである。
周波数分析では、例えば図2に示すような音圧スペクトル波形を得る。ここで、音圧波形は、4000Hz〜7000Hzの帯域に5つのピークが発生するが、予めゴルフクラブ12のブランド別に、あるいは商品別に、あるいはゴルフクラブの番手やドライバーやスプーン等の種類別に1次共振周波数fの発生帯域を、例えば5200〜6200Hzのように予め定めておいて、音圧信号の周波数波形から、位置Bにおける周波数を1次共振周波数fとして求めることができる。
求められた1次共振周波数fは、反発係数算出ユニット22bに送られる。
【0015】
反発係数算出ユニット22bは、送られてきた1次共振周波数fから、反発係数eと1次共振周波数fとの関係を表した参照テーブルおよびこの対応関係を関数で表した関係式のいずれか一方を用いて、図7に示すUSGAが提唱する方法で求まるゴルフボールを打撃する際の反発係数eを推定算出するユニットである。参照テーブルまたは関係式は、例えば、(1次共振周波数f)2 と反発係数eとの関係を表したものである。
このようにゴルフボールの反発係数eを推定算出することができるのは、(1次共振周波数f)2 が、ゴルフクラブメーカやブランドやタイプの区別なく、図7に示す方法で求まるゴルフボールの反発係数eと極めて強い相関を持つことを本願発明者らが見出したことによるものである。
【0016】
図3には、(1次共振周波数f)2 とゴルフボールの反発係数eの関係の一例が示されている。
図3に示す◆は、ゴルフクラブメーカやブランドやタイプの異なる様々なゴルフクラブのゴルフクラブヘッドHの、打撃面Fにおける1次共振周波数fの自乗値と図7に示す方法で求まる反発係数eとの関係を示している。
これによると、ゴルフクラブメーカやブランドやタイプの異なる様々なゴルフクラブヘッドは、1次共振周波数fが略4400Hz〜6200Hzに位置し、ゴルフボールの反発係数eは、0.9507の相関係数R2 を持って1次共振周波数fの自乗値と線形の対応関係を有する。このような直線回帰式Lを用いてゴルフボールの反発係数eを推定し、後述するように、反発係数eがUSGAやR&Aが定めた規制、すなわち反発係数eが0.830以下の条件を満たすかどうか評価することができる。
【0017】
なお、図3では反発係数eの推定評価に1次共振周波数fの自乗値を用いたが、これは、反発係数eが打撃面Fの振動エネルギーに応じて変化するものと考えられるからである。本発明においては、1次共振周波数fの自乗値を用いて反発係数eを推定評価する場合に限定されず、例えば1次共振周波数fから反発係数eを推定算出してもよい。
また、本発明は必ずしも1次共振周波数に限定されず、打撃面Fの2次や3次、・・・等の共振周波数であってもよいが、共振周波数の安定度や正確さから打撃面Fの基本共振周波数である1次共振周波数を用いるのが好ましい。
こうして算出された反発係数eは、評価ユニット22cに送られる。
【0018】
評価ユニット22cは、予め定められた反発係数の許容範囲、例えば反発係数0.83以下といった許容範囲と、反発係数算出ユニット22bにて算出された反発係数eとを比較し、算出された反発係数eが許容範囲に入る場合、ゴルフクラブヘッドHの反発係数eは規制をクリアした合格品と判定し、算出された反発係数eが許容範囲から外れる場合、ゴルフクラブヘッドHの反発特性は規制をクリアしない不合格品と判定するユニットである。
判定結果は、算出された反発係数eとともにディスプレイ22dに送られる。ディスプレイ22dでは、算出された反発係数eと、合格、不合格の判定結果の情報が表示される。
【0019】
このような反発特性の評価では、まず、ハンマ24で打撃面Fにインパクトが与えられてインパクト加振が行われ、このとき発生する打撃面Fの応答信号である音圧信号が、アナログ入出力カード20を介してコンピュータ22内に取り込まれる。
コンピュータ22では、まず、周波数分析ユニット22aにおいて周波数分析が行われ1次共振周波数fが求められる。
さらに、反発係数算出ユニット22bにおいて、反発係数eと1次共振周波数との関係を表した参照テーブルおよび前記関係を関数で表した関係式のいずれか一方を用いて、USGAの提唱する方法で求められるゴルフボールを打撃した際の反発係数eが精度良く推定算出される。
この後、算出された反発係数eと、予め定められた許容範囲、例えば0.83以下といった許容範囲とが比較され、許容範囲を満足するか否かが判定され、判定結果がディスプレイ22dに表示される。勿論、この許容範囲は、設定により自在に可変とすることができる。
なお、モバイル型のコンピュータ22は電池または蓄電式バッテリ等を用いて駆動されるので、所望の場所で簡単にゴルフクラブヘッドHの反発特性を評価することができる。
【0020】
なお、アンプ14には、上述したように、加速度ピックアップおよびハンマのインパクトの力を測定するピックアップからの打撃信号を取り込む接続端子14aが設けられ、図4に示すように、打撃面Fに貼り付けた加速度ピックアップ30からの打撃面Fの加速度信号と、ハンマ32の先端に取り付けられ、打撃力を計測するピックアップ32aからの打撃信号とをアンプ14に取り込むように構成することもできる。
加速度ピックアップ30は、例えば、Endevco 社製Model122等小型軽量のものが用いられる。
【0021】
この場合、アンプ14で増幅された加速度信号および打撃信号は、アナログ入出力カード20を介してコンピュータ22に取り込まれ、周波数分析ユニット22にて、打撃信号に対する加速度信号の比率を表す伝達関数が求められ、この伝達関数のスペクトル波形から1次共振周波数fが求められる。
すなわち、加速度信号を用いて1次共振周波数fを求める方法は、ゴルフクラブヘッドHの打撃面Fの1次共振周波数fが例えば4000Hz〜7000Hzの帯域に存在するので、音圧のみならず打撃面Fの振動にも1次共振ピークの情報が含まれることを利用するものである。
この場合、図4に示すように、ゴルフクラブヘッドHの打撃面Fに加速度ピックアップ30を貼り付け、ハンマ32を用いて打撃面Fにインパクトを与えて振動させる。加速度ピックアップ30からアンプ14を介して得られる加速度信号と、打撃力を計測するピックアップ32aからアンプ14を介して得られる打撃信号とをコンピュータ22に取込み、周波数分析ユニット22aで打撃力に対する加速度信号の比率である伝達関数を求める。その際、ハンマ32による打撃位置をゴルフクラブヘッドHの打撃面F上で分散させて複数点で加振を行い、伝達関数を打撃位置別に求める。こうして求められた複数の伝達関数において、打撃位置にかかわらず打撃面Fの1次共振周波数の振動モードの形態に起因した同一の位相を持つ急峻なピークが現れる。このピーク位置における周波数を1次共振周波数fとして取り出す。
【0022】
例えば、図5は、打撃面F上の5箇所の異なる打撃位置でインパクトを与えた際の伝達関数の虚数部の波形をそれぞれ示している。これによると、周波数5820Hzの位置Aにおいて、5つの伝達関数のいずれにおいても虚数部が急峻なピークを形成し、共振ピークを形成する。これより、周波数5820Hzを1次共振周波数fとして取り出す。
また、打撃位置に関わらず伝達関数が同一位相となって形成する急峻なピークのピーク周波数を1次共振周波数として求めてもよい。このように同一位相の急峻なピークを見出すことによって1次共振周波数を求めることができるのは、1次共振周波数の振動モードは、打撃面Fが膜のように打撃面Fの垂直方に一様に飛びだしあるいは凹む形態で変形するからである。
【0023】
このようにして、音圧信号のスペクトル波形において、複数のピークが存在し、このスペクトル波形から1次共振周波数を求めることができない場合、加速度信号と打撃信号を用いて伝達関数を求め、この伝達関数から1次共振周波数における振動モードの形態に合った位相を持つピークを特定することで、1次共振周波数fを求めることができる。
【0024】
なお、図4に示す例では伝達関数をハンマ32の打撃位置ごとに求めて、1次共振周波数fを求めるが、打撃位置毎に得られる伝達関数を加算平均して1つの伝達関数として表し、平均化された伝達関数において得られる最大ピークを1次共振によるピークとして1次共振周波数fを特定して求めてもよい。
また、伝達関数の替わりに、伝達関数のコヒーレント値から1次共振ピークを特定して1次共振周波数fを求めてもよい。伝達関数のコヒーレント値は、共振ピークで応答信号が大きくなりコヒーレント値が略1となる特性を有するため、この特性を利用して1次共振ピークを特定することができるからである。
また、加速度信号のスペクトル波形を用いて1次共振周波数fを求めてもよい。図6は加速度信号のスペクトル波形の一例を示しているが、位置Cにおいて形成する最大ピークが1次共振ピークである。従って、位置Cにおける周波数が1次共振周波数として求められる。
なお、上記例ではいずれも4000〜7000Hzの帯域で周波数分析を行って1次共振周波数fを特定するものであるが、本発明では、この帯域に制限されるわけではない。例えば、3000〜7000Hzの帯域で周波数分析を行って、3000Hz〜7000Hzの帯域にて共振周波数を求めてもよい。
このようにして求められた1次共振周波数は、反発係数算出ユニット22bにて反発係数eの算出のために用いられる。
【0025】
反発特性評価装置10では、打撃面Fの打撃音をマイク12から取り込むことで音圧信号のスペクトル波形を求め、これにより1次共振周波数を求める方式と、打撃面Fの振動を加速度ピックアップ30から取り込むとともに、打撃力をピックアップ32aから取り込み伝達関数を求め、これより1次共振周波数を求める方式と、の2方式を行うことができるが、反発特性評価装置10では、この2方式は自在に切り換えることができ、いずれか一方の方式を選択できるように構成されている。
これにより、音圧信号では1次共振周波数fを求めることができない場合には、伝達関数を求めて1次共振周波数fを迅速かつ確実にもとめることができる。
【0026】
以上、本発明のゴルフクラブヘッドの反発係数評価装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
例えば、周波数分析ユニット22aは、プログラムを実行しソフトウェア処理により機能を発揮するものに限定されず、専用回路で構成されたものであってもよいし、アナログ入出力ボード20は、アナログ−デジタル変換を行う専用回路で構成されてもよい。また、反発係数評価装置10は、コンピュータ22を用いて構成される他、回路によって構成される専用装置であってもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明では、ゴルフクラブヘッドをシャフトから外してゴルフクラブを分解することなくゴルフクラブヘッドの反発係数を推定して求め、しかも、所望の場所に出向いて反発係数を極めて容易かつ短時間に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)および(b)は、本発明のゴルフクラブヘッドの反発係数評価装置の一態様の概略の構成を示す構成図である。
【図2】 本発明のゴルフクラブヘッドの反発係数評価装置で得られるスペクトル波形の一例を示す図である。
【図3】 ゴルフクラブヘッドの打撃面の1次固有振動数と反発係数eとの関係の一例を示す図である。
【図4】 本発明のゴルフクラブヘッドの反発係数評価装置の他の態様の概略の構成を示す構成図である。
【図5】 図4に示す反発係数評価装置で得られる伝達関数の虚数部の一例を示す図である。
【図6】 図4に示す反発係数評価装置で得られるスペクトル波形の一例を示す図である。
【図7】 従来の反発係数算出方法を説明する図である。
【符号の説明】
10 反発特性評価装置
12 マイク
14 アンプ
20 アナログ入出力カード
22 コンピュータ
22a 周波数分析ユニット
22b 反発係数算出ユニット
22c 評価ユニット
22d ディスプレイ
24,32 ハンマ

Claims (6)

  1. ゴルフクラブヘッドの反発特性を評価するゴルフクラブヘッドの反発特性評価装置であって、
    ゴルフクラブヘッドの打撃面をインパクト加振することによって前記打撃面から発する打撃音を音圧信号として出力するマイクと、
    出力された前記音圧信号を応答信号として取り込む入力デバイスと、
    前記応答信号から前記打撃面の共振周波数を求める分析ユニットと、
    この共振周波数からゴルフボールを前記打撃面で打撃する際の反発係数を求める算出ユニットと、
    算出された反発係数を用いて評価されたゴルフクラブヘッドの評価結果を表示するディスプレイと、を有することを特徴とするゴルフクラブヘッドの反発特性評価装置。
  2. 前記算出ユニットは、ゴルフボールを前記打撃面で打撃する際の反発係数と前記共振周波数との関係を表した参照テーブルおよび前記関係を関数で表した関係式のいずれか一方を用いて、前記打撃面の反発係数を求めることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの反発特性評価装置。
  3. 前記算出ユニットで算出された反発係数を、予め定められた値と比較することによって、前記ゴルフクラブヘッドの反発特性の合否を判定する評価ユニットを有し、
    この評価ユニットの判定結果を前記評価結果として前記ディスプレイに表示することを特徴とする請求項1または2に記載のゴルフクラブヘッドの反発特性評価装置。
  4. 前記共振周波数は、1次共振周波数であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの反発特性評価装置。
  5. 前記入力デバイスと、前記分析ユニットと、前記算出ユニットとがモバイル型のコンピュータに組み込まれたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの反発特性評価装置。
  6. さらに、前記ゴルフクラブヘッドの打撃面をインパクト加振することによって生じる前記打撃面の振動を加速度信号として出力する加速度センサと、
    前記インパクト加振するときの加振力を打撃信号として出力するハンマーと、
    前記音圧信号を取り込む端子の他に、前記加速度信号を前記応答信号として取り込む端子と、前記打撃信号を取り込む端子とを備え、取り込まれた信号を増幅し、増幅された信号を前記入力デバイスに供給するアンプと、を有し、
    前記分析ユニットで前記共振周波数を求めるために、前記音圧信号を前記応答信号として取り込む方式と、前記分析ユニットで前記共振周波数を求めるために、前記打撃信号を取り込むとともに前記加速度信号を前記応答信号として取り込む方式との間で、方式を切り換えることができる請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの反発特性評価装置。
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