JP2004260335A - 無線アクセスポイント装置および無線アクセスシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】無線アクセスポイント装置間同期に必要な複雑なシステム構成や制御を必要とせずオーバーリーチ干渉による通信不能状態を軽減あるいは回避する。
【解決手段】自ゾーンと同一周波数を使用する他ゾーンとの間のオーバーリーチ干渉を検出し、オーバーリーチ干渉を検出したときには、無線フレームの開始位置をランダムに遅延させる。あるいは、周期的に無線フレームの開始位置をランダムに遅延させる。
【選択図】 図1
【解決手段】自ゾーンと同一周波数を使用する他ゾーンとの間のオーバーリーチ干渉を検出し、オーバーリーチ干渉を検出したときには、無線フレームの開始位置をランダムに遅延させる。あるいは、周期的に無線フレームの開始位置をランダムに遅延させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線アクセスポイント装置と1または複数の無線ターミナル装置との間で、一定周期の無線フレーム内で送受信を時間的に切替える時分割復信方式(TDD:Time Division Duplex)に利用する。
【0002】
【従来の技術】
無線アクセスシステムの例を図11ないし図17を参照して説明する。図11は第一の無線アクセスシステムの例を示す図である。図12は第一の無線アクセスシステムの例における干渉状況を示す図である。図13は第一の無線アクセスシステムの例における最悪な干渉状況を示す図である。図14は第二の無線アクセスシステムの例を示す図である。図15は第二の無線アクセスシステムの例における干渉状況を示す図である。図16は第二の無線システムシステムの例における最悪な干渉状況を示す図である。図17は従来の干渉回避制御を説明するための図である。
【0003】
各図におけるAP(Access Point)の表記は無線アクセスポイント装置、WT(Wireless Terminal)表記は無線ターミナル装置を示している。無線アクセスポイント装置101の通信エリアはゾーン#1、無線アクセスポイント装置201の通信エリアはゾーン#2であり、ゾーン#1とゾーン#2は同一周波数の電波を使用している。ただし、図では説明の簡易化のため各ゾーンに無線ターミナル装置(WT)を一つしか記載していないが、複数であってもかまわない。
【0004】
図11において、ゾーン#1の無線ターミナル装置102から無線アクセスポイント装置101への通信(ゾーン#1のUplink)に対してゾーン#2の無線ターミナル装置202からの電波(ゾーン#2のUplink)がオーバーリーチ干渉となり、さらにゾーン#2の無線アクセスポイント装置201から無線ターミナル装置202への通信(ゾーン#2のDownlink)に対してゾーン#1の無線アクセスポイント装置101からの電波(ゾーン#1のDownlink)がオーバーリーチ干渉となる。ここでは無線アクセスポイント間干渉(無線アクセスポイント101と201との間のパス)および無線ターミナル装置間干渉(無線ターミナル装置102と202との間のパス)は考慮していない。
【0005】
このような状況は、準ミリ波帯やミリ波帯を用いるFWA(Fixed Wireless Access)システムにおいて度々考えられる。FWAシステムでは、無線アクセスポイント装置を電柱やビルなどの高い場所に設置し、無線ターミナル装置はユーザ宅のベランダ、屋根などの無線アクセスポイント装置より低い箇所に設置する。そのため無線アクセスポイント装置のアンテナ指向性は下向きとすることが多く、ほぼ同一の高さ上に存在する他ゾーンの無線アクセスポイント装置に対しては干渉とならない(干渉量が極めて小さい)。また、無線ターミナル装置は固定設置であり、かつ特定の無線アクセスポイント装置間との通信でよいため、無線ターミナル装置にはペンシルビームアンテナを使用する。そのため、無線ターミナル装置同士でアンテナが正対し、干渉となる確率は低い。万一、正対した場合でも、対象となる無線ターミナル装置間での見通しがある確率も小さいため、全体として干渉となることはほとんどない。
【0006】
図11におけるゾーン#1およびゾーン#2の各々の通信の状態を図12に示す。ゾーン#1、ゾーン#2共に同一の周期の無線フレームを構成しており、DownlinkとUplinkを時間分割したTDD方式である。無線フレームはゾーン#1では無線アクセスポイント装置(AP)101、ゾーン#2では無線アクセスポイント装置(AP)201が制御している。このとき、ゾーン#1とゾーン#2は互いに独立に無線フレームを構築するため、ゾーン#1のDownlink状態とゾーン#2のDownlink状態が重なるタイミングにおいて、無線アクセスポイント装置101から無線ターミナル装置202へのオーバーリーチ干渉により図12に示す網掛け部分で通信不能となり、さらにゾーン#1のUplink状態とゾーン#2のUplink状態が重なるタイミングにおいて、無線ターミナル装置202から無線アクセスポイント装置101へのオーバーリーチ干渉により網掛け部分が通信不能となってしまう。このように従来の方式では、オーバーリーチ干渉により通信ができない状態が存在してしまう問題があった。
【0007】
また、先に述べたように、ゾーン#1とゾーン#2は互いに独立に無線フレームを構築するため、図13に示すようにオーバーリーチ干渉によりUplinkまたはDownlinkが全く通信できない状態になる可能性があった。さらに、ゾーン#1、ゾーン#2共に同一の周期の無線フレームで構成されているため、図13のような状態になった場合にはどんなに時間が経過しようとも通信が行えない状態が継続してしまう問題があった。
【0008】
次に、図14に、図11とは異なる無線アクセスシステムの例を示す。異なる点は、無線アクセスポイント装置201と無線ターミナル装置102との間にオーバーリーチ干渉の要因となるパスが存在することである。この場合は図11の例に加えて、無線アクセスポイント装置201から無線ターミナル装置102および無線ターミナル装置102から無線アクセスポイント装置201への信号もオーバーリーチ干渉として加わるため、干渉対策をしない従来方式では図15に示す状況となり、オーバーリーチ干渉により通信ができない状態が存在してしまう問題があった。
【0009】
さらに、最悪状態は図16のようになり、オーバリーチ干渉により全く通信ができない状態になる可能性があった。さらに、ゾーン#1、ゾーン#2共に同一の周期の無線フレームで構成されているため、図16のような状態になった場合にはどんなに時間が経過しようとも通信が行えない状態が継続してしまう問題があった。
【0010】
従来技術として、この問題を解決するために、図17に示すような無線アクセスポイント装置間同期による干渉回避が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。干渉対策を施さない従来の方式ではゾーン#1およびゾーン#2が各々独立に無線フレームを構築していたが、無線アクセスポイント装置間同期方式では、無線アクセスポイント装置101と201との間で無線フレームの開始時間を同期し、さらに1つの無線フレーム内でゾーン#1の使用時間とゾーン#2の使用時間とを分割することにより干渉を回避する。
【0011】
【非特許文献1】
“省電力データ通信システム/広帯域移動アクセスシステム(HiSWANa)”、ARIB STD−70、(社)電波産業会、P.109
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図17に示した従来方式である無線アクセスポイント装置間同期方式では、1つのゾーンあたりに使用できる時間が半減してしまうため通信速度が遅くなってしまう問題がある。さらに、無線アクセスポイント装置間同期を行うためには、例えば、無線アクセスポイント装置101および201の両方に対して制御を行う同期制御用装置などが必要となり、システム構成や制御方式が複雑になってしまうという問題があった。
【0013】
本発明は、このような背景に行われたものであって、無線アクセスポイント装置間同期方式のような無線アクセスポイント装置間同期に必要な複雑なシステム構成や制御を必要としないにも関わらず、干渉対策を施さないときに発生する通信不能状態を軽減あるいは回避することができる無線アクセスポイント装置および無線アクセスシステムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の観点は、無線アクセスポイント装置と1または複数の無線ターミナル装置との間で、一定周期の無線フレーム内で送受信を時間的に切替える時分割復信方式を使用し、1つの前記無線アクセスポイント装置の通信エリアを1つのゾーンとし、他ゾーンでも同一周波数の電波を繰り返し利用するゾーン構成を有する無線アクセスシステムに適用される前記無線アクセスポイント装置である。
【0015】
ここで、本発明の特徴とするところは、自ゾーンと同一周波数を使用する他ゾーンとの間のオーバーリーチ干渉を検出する手段と、この検出する手段がオーバーリーチ干渉を検出したときには、前記無線フレームの開始位置をランダムに遅延させる手段とを備えたところにある。
【0016】
すなわち、オーバーリーチ干渉を検出したときには、干渉相手とのフレーム同期などを考慮することなく、とにかく無線フレームの開始位置をランダムに遅延させる。これにより、次の無線フレーム以降、同一周波数を使うゾーン間での無線フレームのDownlink/Uplinkの重なり方が変わるので干渉が軽減する可能性がある。もし、このとき干渉が軽減されずに増加した場合には、次無線フレームで再びオーバーリーチ干渉が検出され制御が行われるため、複数無線フレームにわたって見ると、いずれは干渉が軽減する方向に動作する。このように、干渉相手とのフレーム同期を考慮する必要がないので、複雑な制御を必要としないことを特徴とする。
【0017】
前記検出する手段は、例えば、前記無線ターミナル装置から自無線アクセスポイント装置への信号の受信レベルまたはBER(Bit Error Rate)またはFER(Frame Error Rate)のうちいずれかまたは複数を自無線アクセスポイント装置にて検出尺度として測定する手段と、この測定する手段が測定した前記検出尺度が閾値以上である場合にオーバーリーチ干渉が検出されたと判断する手段とを備えることにより実現できる。
【0018】
あるいは、本発明の無線アクセスポイント装置は、周期的に前記無線フレームの開始位置をランダムに遅延させる手段を備えることを特徴とすることもできる。これによれば、オーバーリーチ干渉の測定さえも必要とせず、簡単に、オーバーリーチ干渉を回避することができる。干渉の検出は行っていないため、干渉を軽減する方向への動作になることは保証されないが、図13および図16で説明した最悪の状態を回避できる。
【0019】
本発明の第二の観点は、本発明の無線アクセスポイント装置を備えて構成されたことを特徴とする無線アクセスシステムである。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第一実施例)
第一実施例の無線アクセスポイント装置および無線アクセスシステムを図1ないし図8を参照して説明する。図1は第一実施例の無線アクセスポイント装置のブロック構成図である。図2は第一実施例の無線アクセスポイント装置のオーバーリーチ干渉測定部のブロック構成図である。図3は第一実施例の制御の流れを示すフローチャートである。図4〜図7は無線アクセスポイント間干渉および無線ターミナル装置間干渉を考慮しない第一実施例の動作を説明するための図である。図8は無線アクセスポイント間干渉および無線ターミナル装置間干渉を考慮した複数パスにおける第一実施例の動作を説明するための図である。第一実施例の無線アクセスポイント装置は図11および図14で示した無線アクセスシステムに適用される。
【0021】
第一実施例は、図11または図14に示すように、無線アクセスポイント装置101、201と1または複数の無線ターミナル装置102、202との間で、一定周期の無線フレーム内で送受信を時間的に切替える時分割復信方式を使用し、1つの前記無線アクセスポイント装置の通信エリアを1つのゾーンとし、他ゾーンでも同一周波数の電波を繰り返し利用するゾーン構成を有する無線アクセスシステムに適用される前記無線アクセスポイント装置である。
【0022】
ここで、第一実施例の特徴とするところは、図1に示すように、自ゾーンと同一周波数を使用する他ゾーンとの間のオーバーリーチ干渉を検出するオーバーリーチ干渉測定部1と、このオーバーリーチ干渉測定部1がオーバーリーチ干渉を検出したときには、無線フレーム制御部3を制御して前記無線フレームの開始位置をランダムに遅延させるランダム遅延制御部2とを備えたところにある。
【0023】
オーバーリーチ干渉測定部1は、図2に示すように、前記無線ターミナル装置から自無線アクセスポイント装置への信号の受信レベルまたはBERまたはFERのうちいずれかまたは複数を自無線アクセスポイント装置にて検出尺度として測定する誤り率検出部4と、この誤り率検出部4が測定した前記検出尺度が閾値格納部6に格納されている閾値以上である場合にオーバーリーチ干渉が検出されたと判断するオーバーリーチ干渉判断部5とを備える。
【0024】
次に、第一実施例における制御の流れを図3を参照して説明する。図11に示した各無線アクセスポイント装置101、201では、無線フレーム毎にオーバーリーチ干渉を測定している(ステップ1)。測定方法に関して、ここではUplinkのBER、FERの使用、あるいはこれらの組み合わせ等を用いて無線アクセスポイント装置で干渉検出を行う場合を説明する。オーバーリーチ干渉が発生している場合には、誤り率検出部4により検出されるBER、FERは低下するので干渉を判断できる。このときオーバーリーチ干渉判断部5は、BER、FERが閾値格納部6に格納されている閾値以上になった場合にはオーバーリーチ干渉があると検出する(ステップ2)。オーバーリーチ干渉の測定結果から、オーバーリーチ干渉を検出しないときは、特に制御は行わない。オーバーリーチ干渉を検出したときには、無線フレームの開始時間をランダムに遅延させる(ステップ3)。
【0025】
これにより、次の無線フレーム以降、同一周波数を使うゾーン間での無線フレームのDownlink/Uplinkの重なり方が変わるので干渉が軽減する可能性がある。もし、このとき干渉が軽減されずに増加した場合には、次無線フレームで再びオーバーリーチ干渉が検出され制御が行われるため、複数無線フレームにわたって見ると、いずれは干渉が軽減する方向に動作する。
【0026】
図11の無線アクセスシステムの例に関して、図4〜図7に第一実施例におけるフレーム開始時間遅延処理による無線フレームの状態の変化を示す。まず、図4の状態だったとする。この場合には無線アクセスポイント装置101で干渉が検出され、無線アクセスポイント装置201ではオーバーリーチ干渉は検出されない。したがって、ゾーン#1の無線フレーム開始時間をランダムに遅延することになる。
【0027】
このときランダムに遅延した時間によって、2つのケースが考えられる。1つは図5の状態になった場合で、ゾーン#1のDownlink状態とゾーン#2のDownlink状態が重なるタイミングおよびゾーン#1のUplink状態とゾーン#2のUplink状態が重なるタイミングが短くなるので、図4と比較するとオーバーリーチ干渉による影響が軽減される。
【0028】
一方、もう一つのケースは図6の状態になった場合で、ゾーン#1のDownlink状態とゾーン#2のDownlink状態が重なるタイミングおよびゾーン#1のUplink状態とゾーン#2のUplink状態とが重なるタイミングが長くなるので、図4と比較するとオーバーリーチ干渉による影響が増大してしまう。しかしながら、図6の状態になった場合には、次の無線フレームで再び干渉検出され、再びゾーン#1の無線フレーム開始時間をランダムに遅延する。つまり、第一実施例の制御方式では、オーバーリーチ干渉が検出されなくなるまでゾーン#1の無線フレーム開始時間をランダムに遅延するので、いずれは図7のようにオーバーリーチ干渉の影響が非常に少ない領域に収束する。
【0029】
図14の無線アクセスシステムの例に関しても各無線アクセスポイント装置の動作は図3と同じである。この場合の第一実施例におけるフレーム開始時間遅延処理による無線フレームの状態の変化を図8に示す。この場合には、無線アクセスポイント装置101および201の両方でオーバーリーチ干渉を検出する。したがって、ゾーン#1およびゾーン#2の無線フレーム開始時間をランダムに遅延する。ここで無線アクセスポイント装置101および201共にランダムに無線フレームの開始時間を遅延させるので、その差もまたランダムである。したがって、等価的に図4〜図7と等しく、同様の動作となる。
【0030】
以上のように、第一実施例では、無線アクセスポイント装置間同期方式のような無線アクセスポイント装置間同期に必要な複雑なシステム構成や制御を必要とせず、干渉対策を施さないときに発生する通信不能状態を軽減あるいは回避することができる。
【0031】
(第二実施例)
第二実施例の無線アクセスポイント装置および無線アクセスシステムを図9および図10を参照して説明する。図9は第二実施例の無線アクセスポイント装置のブロック構成図である。図10は第二実施例の制御の流れを示すフローチャートである。
【0032】
第二実施例は、図11または図14に示すように、無線アクセスポイント装置101、201と1または複数の無線ターミナル装置102、202との間で、一定周期の無線フレーム内で送受信を時間的に切替える時分割復信方式を使用し、1つの前記無線アクセスポイント装置の通信エリアを1つのゾーンとし、他ゾーンでも同一周波数の電波を繰り返し利用するゾーン構成を有する無線アクセスシステムに適用される前記無線アクセスポイント装置であって、第二実施例の特徴とするところは、図9に示すように、周期的に前記無線フレームの開始位置をランダムに遅延させるカウンタ7およびランダム遅延制御部2を備えたところにある。
【0033】
第一実施例では干渉検出ができる場合としてきたが、伝搬環境や置局によっては干渉の検出が困難な場合も考えられる。第二実施例では、図13および図16のようなゾーン#1のDownlinkとゾーン#2のDownlinkおよびゾーン#1のUplinkとゾーン#2のUplinkのタイミングが完全に一致し、永久に通信が不能となってしまう条件を回避する。
【0034】
図10に第二実施例における制御の流れを示す。一定周期毎に処理を行うためにカウンタ7を用いる。カウンタ7をインクリメントし(ステップ1)、最後に無線フレームの開始時間をランダムに遅延してからの無線フレーム数を数え、カウンタ値が閾値格納部6に設定された閾値以上になった場合には(ステップ2)、ランダム遅延制御部2が無線フレーム制御部8を制御して無線フレームの開始時間をランダムに遅延させる(ステップ3)。無線フレーム制御部8は、フレーム開始時間をランダムに遅延させると、カウンタ7をリセットする(ステップ4)。カウンタ値が閾値未満であれば、何もせずにこの無線フレームでの処理を終える。
【0035】
このような制御により、フレームの開始時間が一定周期でランダムに変化する。第一実施例のように、干渉の検出は行っていないため、干渉を軽減する方向への動作になることは保証されないが、ゾーン#1のDownlinkとゾーン#2のDownlinkおよびゾーン#1のUplinkとゾーン#2のUplinkのタイミングが完全に一致し、永久に通信が不可能となってしまう図13および図16に示す状態を回避することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、無線アクセスポイント装置間同期方式のような無線アクセスポイント装置間同期に必要な複雑なシステム構成や制御を必要としないにも関わらず、干渉対策を施さないときに発生する通信不能状態を軽減あるいは回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の無線アクセスポイント装置のブロック構成図。
【図2】第一実施例の無線アクセスポイント装置のオーバーリーチ干渉測定部のブロック構成図。
【図3】第一実施例の制御の流れを示すフローチャート。
【図4】無線アクセスポイント間干渉および無線ターミナル装置間干渉を考慮しない第一実施例の動作を説明するための図(初期状態)。
【図5】無線アクセスポイント間干渉および無線ターミナル装置間干渉を考慮しない第一実施例の動作を説明するための図(無線フレーム開始時間遅延処理後(オーバーリーチ干渉軽減))。
【図6】無線アクセスポイント間干渉および無線ターミナル装置間干渉を考慮しない第一実施例の動作を説明するための図(無線フレーム開始時間遅延処理後(オーバーリーチ干渉増大))。
【図7】無線アクセスポイント間干渉および無線ターミナル装置間干渉を考慮しない第一実施例の動作を説明するための図(収束状態)。
【図8】無線アクセスポイント間干渉および無線ターミナル装置間干渉を考慮した第一実施例の動作を説明するための図。
【図9】第二実施例の無線アクセスポイント装置のブロック構成図。
【図10】第二実施例の制御の流れを示すフローチャート。
【図11】第一の無線アクセスシステムの例を示す図。
【図12】第一の無線アクセスシステムの例における干渉状況を示す図。
【図13】第一の無線アクセスシステムの例における最悪な干渉状況を示す図。
【図14】第二の無線アクセスシステムの例を示す図。
【図15】第二の無線アクセスシステムの例における干渉状況を示す図。
【図16】第二の無線システムシステムの例における最悪な干渉状況を示す図。
【図17】従来の干渉回避制御を説明するための図。
【符号の説明】
1 オーバーリーチ干渉測定部
2 ランダム遅延制御部
3、8 無線フレーム制御部
4 誤り率検出部
5 オーバーリーチ干渉判断部
6 閾値格納部
7 カウンタ
101、201 無線アクセスポイント装置
102、202 無線ターミナル装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線アクセスポイント装置と1または複数の無線ターミナル装置との間で、一定周期の無線フレーム内で送受信を時間的に切替える時分割復信方式(TDD:Time Division Duplex)に利用する。
【0002】
【従来の技術】
無線アクセスシステムの例を図11ないし図17を参照して説明する。図11は第一の無線アクセスシステムの例を示す図である。図12は第一の無線アクセスシステムの例における干渉状況を示す図である。図13は第一の無線アクセスシステムの例における最悪な干渉状況を示す図である。図14は第二の無線アクセスシステムの例を示す図である。図15は第二の無線アクセスシステムの例における干渉状況を示す図である。図16は第二の無線システムシステムの例における最悪な干渉状況を示す図である。図17は従来の干渉回避制御を説明するための図である。
【0003】
各図におけるAP(Access Point)の表記は無線アクセスポイント装置、WT(Wireless Terminal)表記は無線ターミナル装置を示している。無線アクセスポイント装置101の通信エリアはゾーン#1、無線アクセスポイント装置201の通信エリアはゾーン#2であり、ゾーン#1とゾーン#2は同一周波数の電波を使用している。ただし、図では説明の簡易化のため各ゾーンに無線ターミナル装置(WT)を一つしか記載していないが、複数であってもかまわない。
【0004】
図11において、ゾーン#1の無線ターミナル装置102から無線アクセスポイント装置101への通信(ゾーン#1のUplink)に対してゾーン#2の無線ターミナル装置202からの電波(ゾーン#2のUplink)がオーバーリーチ干渉となり、さらにゾーン#2の無線アクセスポイント装置201から無線ターミナル装置202への通信(ゾーン#2のDownlink)に対してゾーン#1の無線アクセスポイント装置101からの電波(ゾーン#1のDownlink)がオーバーリーチ干渉となる。ここでは無線アクセスポイント間干渉(無線アクセスポイント101と201との間のパス)および無線ターミナル装置間干渉(無線ターミナル装置102と202との間のパス)は考慮していない。
【0005】
このような状況は、準ミリ波帯やミリ波帯を用いるFWA(Fixed Wireless Access)システムにおいて度々考えられる。FWAシステムでは、無線アクセスポイント装置を電柱やビルなどの高い場所に設置し、無線ターミナル装置はユーザ宅のベランダ、屋根などの無線アクセスポイント装置より低い箇所に設置する。そのため無線アクセスポイント装置のアンテナ指向性は下向きとすることが多く、ほぼ同一の高さ上に存在する他ゾーンの無線アクセスポイント装置に対しては干渉とならない(干渉量が極めて小さい)。また、無線ターミナル装置は固定設置であり、かつ特定の無線アクセスポイント装置間との通信でよいため、無線ターミナル装置にはペンシルビームアンテナを使用する。そのため、無線ターミナル装置同士でアンテナが正対し、干渉となる確率は低い。万一、正対した場合でも、対象となる無線ターミナル装置間での見通しがある確率も小さいため、全体として干渉となることはほとんどない。
【0006】
図11におけるゾーン#1およびゾーン#2の各々の通信の状態を図12に示す。ゾーン#1、ゾーン#2共に同一の周期の無線フレームを構成しており、DownlinkとUplinkを時間分割したTDD方式である。無線フレームはゾーン#1では無線アクセスポイント装置(AP)101、ゾーン#2では無線アクセスポイント装置(AP)201が制御している。このとき、ゾーン#1とゾーン#2は互いに独立に無線フレームを構築するため、ゾーン#1のDownlink状態とゾーン#2のDownlink状態が重なるタイミングにおいて、無線アクセスポイント装置101から無線ターミナル装置202へのオーバーリーチ干渉により図12に示す網掛け部分で通信不能となり、さらにゾーン#1のUplink状態とゾーン#2のUplink状態が重なるタイミングにおいて、無線ターミナル装置202から無線アクセスポイント装置101へのオーバーリーチ干渉により網掛け部分が通信不能となってしまう。このように従来の方式では、オーバーリーチ干渉により通信ができない状態が存在してしまう問題があった。
【0007】
また、先に述べたように、ゾーン#1とゾーン#2は互いに独立に無線フレームを構築するため、図13に示すようにオーバーリーチ干渉によりUplinkまたはDownlinkが全く通信できない状態になる可能性があった。さらに、ゾーン#1、ゾーン#2共に同一の周期の無線フレームで構成されているため、図13のような状態になった場合にはどんなに時間が経過しようとも通信が行えない状態が継続してしまう問題があった。
【0008】
次に、図14に、図11とは異なる無線アクセスシステムの例を示す。異なる点は、無線アクセスポイント装置201と無線ターミナル装置102との間にオーバーリーチ干渉の要因となるパスが存在することである。この場合は図11の例に加えて、無線アクセスポイント装置201から無線ターミナル装置102および無線ターミナル装置102から無線アクセスポイント装置201への信号もオーバーリーチ干渉として加わるため、干渉対策をしない従来方式では図15に示す状況となり、オーバーリーチ干渉により通信ができない状態が存在してしまう問題があった。
【0009】
さらに、最悪状態は図16のようになり、オーバリーチ干渉により全く通信ができない状態になる可能性があった。さらに、ゾーン#1、ゾーン#2共に同一の周期の無線フレームで構成されているため、図16のような状態になった場合にはどんなに時間が経過しようとも通信が行えない状態が継続してしまう問題があった。
【0010】
従来技術として、この問題を解決するために、図17に示すような無線アクセスポイント装置間同期による干渉回避が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。干渉対策を施さない従来の方式ではゾーン#1およびゾーン#2が各々独立に無線フレームを構築していたが、無線アクセスポイント装置間同期方式では、無線アクセスポイント装置101と201との間で無線フレームの開始時間を同期し、さらに1つの無線フレーム内でゾーン#1の使用時間とゾーン#2の使用時間とを分割することにより干渉を回避する。
【0011】
【非特許文献1】
“省電力データ通信システム/広帯域移動アクセスシステム(HiSWANa)”、ARIB STD−70、(社)電波産業会、P.109
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図17に示した従来方式である無線アクセスポイント装置間同期方式では、1つのゾーンあたりに使用できる時間が半減してしまうため通信速度が遅くなってしまう問題がある。さらに、無線アクセスポイント装置間同期を行うためには、例えば、無線アクセスポイント装置101および201の両方に対して制御を行う同期制御用装置などが必要となり、システム構成や制御方式が複雑になってしまうという問題があった。
【0013】
本発明は、このような背景に行われたものであって、無線アクセスポイント装置間同期方式のような無線アクセスポイント装置間同期に必要な複雑なシステム構成や制御を必要としないにも関わらず、干渉対策を施さないときに発生する通信不能状態を軽減あるいは回避することができる無線アクセスポイント装置および無線アクセスシステムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の観点は、無線アクセスポイント装置と1または複数の無線ターミナル装置との間で、一定周期の無線フレーム内で送受信を時間的に切替える時分割復信方式を使用し、1つの前記無線アクセスポイント装置の通信エリアを1つのゾーンとし、他ゾーンでも同一周波数の電波を繰り返し利用するゾーン構成を有する無線アクセスシステムに適用される前記無線アクセスポイント装置である。
【0015】
ここで、本発明の特徴とするところは、自ゾーンと同一周波数を使用する他ゾーンとの間のオーバーリーチ干渉を検出する手段と、この検出する手段がオーバーリーチ干渉を検出したときには、前記無線フレームの開始位置をランダムに遅延させる手段とを備えたところにある。
【0016】
すなわち、オーバーリーチ干渉を検出したときには、干渉相手とのフレーム同期などを考慮することなく、とにかく無線フレームの開始位置をランダムに遅延させる。これにより、次の無線フレーム以降、同一周波数を使うゾーン間での無線フレームのDownlink/Uplinkの重なり方が変わるので干渉が軽減する可能性がある。もし、このとき干渉が軽減されずに増加した場合には、次無線フレームで再びオーバーリーチ干渉が検出され制御が行われるため、複数無線フレームにわたって見ると、いずれは干渉が軽減する方向に動作する。このように、干渉相手とのフレーム同期を考慮する必要がないので、複雑な制御を必要としないことを特徴とする。
【0017】
前記検出する手段は、例えば、前記無線ターミナル装置から自無線アクセスポイント装置への信号の受信レベルまたはBER(Bit Error Rate)またはFER(Frame Error Rate)のうちいずれかまたは複数を自無線アクセスポイント装置にて検出尺度として測定する手段と、この測定する手段が測定した前記検出尺度が閾値以上である場合にオーバーリーチ干渉が検出されたと判断する手段とを備えることにより実現できる。
【0018】
あるいは、本発明の無線アクセスポイント装置は、周期的に前記無線フレームの開始位置をランダムに遅延させる手段を備えることを特徴とすることもできる。これによれば、オーバーリーチ干渉の測定さえも必要とせず、簡単に、オーバーリーチ干渉を回避することができる。干渉の検出は行っていないため、干渉を軽減する方向への動作になることは保証されないが、図13および図16で説明した最悪の状態を回避できる。
【0019】
本発明の第二の観点は、本発明の無線アクセスポイント装置を備えて構成されたことを特徴とする無線アクセスシステムである。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第一実施例)
第一実施例の無線アクセスポイント装置および無線アクセスシステムを図1ないし図8を参照して説明する。図1は第一実施例の無線アクセスポイント装置のブロック構成図である。図2は第一実施例の無線アクセスポイント装置のオーバーリーチ干渉測定部のブロック構成図である。図3は第一実施例の制御の流れを示すフローチャートである。図4〜図7は無線アクセスポイント間干渉および無線ターミナル装置間干渉を考慮しない第一実施例の動作を説明するための図である。図8は無線アクセスポイント間干渉および無線ターミナル装置間干渉を考慮した複数パスにおける第一実施例の動作を説明するための図である。第一実施例の無線アクセスポイント装置は図11および図14で示した無線アクセスシステムに適用される。
【0021】
第一実施例は、図11または図14に示すように、無線アクセスポイント装置101、201と1または複数の無線ターミナル装置102、202との間で、一定周期の無線フレーム内で送受信を時間的に切替える時分割復信方式を使用し、1つの前記無線アクセスポイント装置の通信エリアを1つのゾーンとし、他ゾーンでも同一周波数の電波を繰り返し利用するゾーン構成を有する無線アクセスシステムに適用される前記無線アクセスポイント装置である。
【0022】
ここで、第一実施例の特徴とするところは、図1に示すように、自ゾーンと同一周波数を使用する他ゾーンとの間のオーバーリーチ干渉を検出するオーバーリーチ干渉測定部1と、このオーバーリーチ干渉測定部1がオーバーリーチ干渉を検出したときには、無線フレーム制御部3を制御して前記無線フレームの開始位置をランダムに遅延させるランダム遅延制御部2とを備えたところにある。
【0023】
オーバーリーチ干渉測定部1は、図2に示すように、前記無線ターミナル装置から自無線アクセスポイント装置への信号の受信レベルまたはBERまたはFERのうちいずれかまたは複数を自無線アクセスポイント装置にて検出尺度として測定する誤り率検出部4と、この誤り率検出部4が測定した前記検出尺度が閾値格納部6に格納されている閾値以上である場合にオーバーリーチ干渉が検出されたと判断するオーバーリーチ干渉判断部5とを備える。
【0024】
次に、第一実施例における制御の流れを図3を参照して説明する。図11に示した各無線アクセスポイント装置101、201では、無線フレーム毎にオーバーリーチ干渉を測定している(ステップ1)。測定方法に関して、ここではUplinkのBER、FERの使用、あるいはこれらの組み合わせ等を用いて無線アクセスポイント装置で干渉検出を行う場合を説明する。オーバーリーチ干渉が発生している場合には、誤り率検出部4により検出されるBER、FERは低下するので干渉を判断できる。このときオーバーリーチ干渉判断部5は、BER、FERが閾値格納部6に格納されている閾値以上になった場合にはオーバーリーチ干渉があると検出する(ステップ2)。オーバーリーチ干渉の測定結果から、オーバーリーチ干渉を検出しないときは、特に制御は行わない。オーバーリーチ干渉を検出したときには、無線フレームの開始時間をランダムに遅延させる(ステップ3)。
【0025】
これにより、次の無線フレーム以降、同一周波数を使うゾーン間での無線フレームのDownlink/Uplinkの重なり方が変わるので干渉が軽減する可能性がある。もし、このとき干渉が軽減されずに増加した場合には、次無線フレームで再びオーバーリーチ干渉が検出され制御が行われるため、複数無線フレームにわたって見ると、いずれは干渉が軽減する方向に動作する。
【0026】
図11の無線アクセスシステムの例に関して、図4〜図7に第一実施例におけるフレーム開始時間遅延処理による無線フレームの状態の変化を示す。まず、図4の状態だったとする。この場合には無線アクセスポイント装置101で干渉が検出され、無線アクセスポイント装置201ではオーバーリーチ干渉は検出されない。したがって、ゾーン#1の無線フレーム開始時間をランダムに遅延することになる。
【0027】
このときランダムに遅延した時間によって、2つのケースが考えられる。1つは図5の状態になった場合で、ゾーン#1のDownlink状態とゾーン#2のDownlink状態が重なるタイミングおよびゾーン#1のUplink状態とゾーン#2のUplink状態が重なるタイミングが短くなるので、図4と比較するとオーバーリーチ干渉による影響が軽減される。
【0028】
一方、もう一つのケースは図6の状態になった場合で、ゾーン#1のDownlink状態とゾーン#2のDownlink状態が重なるタイミングおよびゾーン#1のUplink状態とゾーン#2のUplink状態とが重なるタイミングが長くなるので、図4と比較するとオーバーリーチ干渉による影響が増大してしまう。しかしながら、図6の状態になった場合には、次の無線フレームで再び干渉検出され、再びゾーン#1の無線フレーム開始時間をランダムに遅延する。つまり、第一実施例の制御方式では、オーバーリーチ干渉が検出されなくなるまでゾーン#1の無線フレーム開始時間をランダムに遅延するので、いずれは図7のようにオーバーリーチ干渉の影響が非常に少ない領域に収束する。
【0029】
図14の無線アクセスシステムの例に関しても各無線アクセスポイント装置の動作は図3と同じである。この場合の第一実施例におけるフレーム開始時間遅延処理による無線フレームの状態の変化を図8に示す。この場合には、無線アクセスポイント装置101および201の両方でオーバーリーチ干渉を検出する。したがって、ゾーン#1およびゾーン#2の無線フレーム開始時間をランダムに遅延する。ここで無線アクセスポイント装置101および201共にランダムに無線フレームの開始時間を遅延させるので、その差もまたランダムである。したがって、等価的に図4〜図7と等しく、同様の動作となる。
【0030】
以上のように、第一実施例では、無線アクセスポイント装置間同期方式のような無線アクセスポイント装置間同期に必要な複雑なシステム構成や制御を必要とせず、干渉対策を施さないときに発生する通信不能状態を軽減あるいは回避することができる。
【0031】
(第二実施例)
第二実施例の無線アクセスポイント装置および無線アクセスシステムを図9および図10を参照して説明する。図9は第二実施例の無線アクセスポイント装置のブロック構成図である。図10は第二実施例の制御の流れを示すフローチャートである。
【0032】
第二実施例は、図11または図14に示すように、無線アクセスポイント装置101、201と1または複数の無線ターミナル装置102、202との間で、一定周期の無線フレーム内で送受信を時間的に切替える時分割復信方式を使用し、1つの前記無線アクセスポイント装置の通信エリアを1つのゾーンとし、他ゾーンでも同一周波数の電波を繰り返し利用するゾーン構成を有する無線アクセスシステムに適用される前記無線アクセスポイント装置であって、第二実施例の特徴とするところは、図9に示すように、周期的に前記無線フレームの開始位置をランダムに遅延させるカウンタ7およびランダム遅延制御部2を備えたところにある。
【0033】
第一実施例では干渉検出ができる場合としてきたが、伝搬環境や置局によっては干渉の検出が困難な場合も考えられる。第二実施例では、図13および図16のようなゾーン#1のDownlinkとゾーン#2のDownlinkおよびゾーン#1のUplinkとゾーン#2のUplinkのタイミングが完全に一致し、永久に通信が不能となってしまう条件を回避する。
【0034】
図10に第二実施例における制御の流れを示す。一定周期毎に処理を行うためにカウンタ7を用いる。カウンタ7をインクリメントし(ステップ1)、最後に無線フレームの開始時間をランダムに遅延してからの無線フレーム数を数え、カウンタ値が閾値格納部6に設定された閾値以上になった場合には(ステップ2)、ランダム遅延制御部2が無線フレーム制御部8を制御して無線フレームの開始時間をランダムに遅延させる(ステップ3)。無線フレーム制御部8は、フレーム開始時間をランダムに遅延させると、カウンタ7をリセットする(ステップ4)。カウンタ値が閾値未満であれば、何もせずにこの無線フレームでの処理を終える。
【0035】
このような制御により、フレームの開始時間が一定周期でランダムに変化する。第一実施例のように、干渉の検出は行っていないため、干渉を軽減する方向への動作になることは保証されないが、ゾーン#1のDownlinkとゾーン#2のDownlinkおよびゾーン#1のUplinkとゾーン#2のUplinkのタイミングが完全に一致し、永久に通信が不可能となってしまう図13および図16に示す状態を回避することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、無線アクセスポイント装置間同期方式のような無線アクセスポイント装置間同期に必要な複雑なシステム構成や制御を必要としないにも関わらず、干渉対策を施さないときに発生する通信不能状態を軽減あるいは回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の無線アクセスポイント装置のブロック構成図。
【図2】第一実施例の無線アクセスポイント装置のオーバーリーチ干渉測定部のブロック構成図。
【図3】第一実施例の制御の流れを示すフローチャート。
【図4】無線アクセスポイント間干渉および無線ターミナル装置間干渉を考慮しない第一実施例の動作を説明するための図(初期状態)。
【図5】無線アクセスポイント間干渉および無線ターミナル装置間干渉を考慮しない第一実施例の動作を説明するための図(無線フレーム開始時間遅延処理後(オーバーリーチ干渉軽減))。
【図6】無線アクセスポイント間干渉および無線ターミナル装置間干渉を考慮しない第一実施例の動作を説明するための図(無線フレーム開始時間遅延処理後(オーバーリーチ干渉増大))。
【図7】無線アクセスポイント間干渉および無線ターミナル装置間干渉を考慮しない第一実施例の動作を説明するための図(収束状態)。
【図8】無線アクセスポイント間干渉および無線ターミナル装置間干渉を考慮した第一実施例の動作を説明するための図。
【図9】第二実施例の無線アクセスポイント装置のブロック構成図。
【図10】第二実施例の制御の流れを示すフローチャート。
【図11】第一の無線アクセスシステムの例を示す図。
【図12】第一の無線アクセスシステムの例における干渉状況を示す図。
【図13】第一の無線アクセスシステムの例における最悪な干渉状況を示す図。
【図14】第二の無線アクセスシステムの例を示す図。
【図15】第二の無線アクセスシステムの例における干渉状況を示す図。
【図16】第二の無線システムシステムの例における最悪な干渉状況を示す図。
【図17】従来の干渉回避制御を説明するための図。
【符号の説明】
1 オーバーリーチ干渉測定部
2 ランダム遅延制御部
3、8 無線フレーム制御部
4 誤り率検出部
5 オーバーリーチ干渉判断部
6 閾値格納部
7 カウンタ
101、201 無線アクセスポイント装置
102、202 無線ターミナル装置
Claims (4)
- 無線アクセスポイント装置と1または複数の無線ターミナル装置との間で、一定周期の無線フレーム内で送受信を時間的に切替える時分割復信(TDD:Time Division Duplex)方式を使用し、1つの前記無線アクセスポイント装置の通信エリアを1つのゾーンとし、他ゾーンでも同一周波数の電波を繰り返し利用するゾーン構成を有する無線アクセスシステムに適用される前記無線アクセスポイント装置において、
自ゾーンと同一周波数を使用する他ゾーンとの間のオーバーリーチ干渉を検出する手段と、
この検出する手段がオーバーリーチ干渉を検出したときには、前記無線フレームの開始位置をランダムに遅延させる手段と
を備えたことを特徴とする無線アクセスポイント装置。 - 前記検出する手段は、前記無線ターミナル装置から自無線アクセスポイント装置への信号の受信レベルまたはBER(Bit Error Rate)またはFER(Frame Error Rate)のうちいずれかまたは複数を自無線アクセスポイント装置にて検出尺度として測定する手段と、
この測定する手段が測定した前記検出尺度が閾値以上である場合にオーバーリーチ干渉が検出されたと判断する手段と
を備えた請求項1記載の無線アクセスポイント装置。 - 無線アクセスポイント装置と1または複数の無線ターミナル装置との間で、一定周期の無線フレーム内で送受信を時間的に切替える時分割復信方式を使用し、1つの前記無線アクセスポイント装置の通信エリアを1つのゾーンとし、他ゾーンでも同一周波数の電波を繰り返し利用するゾーン構成を有する無線アクセスシステムに適用される前記無線アクセスポイント装置において、
周期的に前記無線フレームの開始位置をランダムに遅延させる手段を備えた
ことを特徴とする無線アクセスポイント装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の無線アクセスポイント装置を備えて構成されたことを特徴とする無線アクセスシステム。
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- 2003-02-24 JP JP2003046329A patent/JP2004260335A/ja active Pending
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