JP2004259992A - 回路モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁波ノイズの影響の少ない、電子部品素子を樹脂保護体でポッティング被覆した回路モジュールを提供する。
【解決手段】本発明による回路配線基板12上に、電子部品素子16を配置して、所定配線導体と12aとボンディングワイヤ17で接続するとともに、該電子部品素子16及びボンディングワイヤ17を取り囲むように筒状枠体13を配置し、該枠体13内に樹脂保護体14を充填した回路モジュールであって、枠体にグランド電位に接続するシールド導体を形成して、電子部品素子16を外部からのノイズを遮断する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明による回路配線基板12上に、電子部品素子16を配置して、所定配線導体と12aとボンディングワイヤ17で接続するとともに、該電子部品素子16及びボンディングワイヤ17を取り囲むように筒状枠体13を配置し、該枠体13内に樹脂保護体14を充填した回路モジュールであって、枠体にグランド電位に接続するシールド導体を形成して、電子部品素子16を外部からのノイズを遮断する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の電子部品素子を搭載した回路配線基板を有する回路モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、回路モジュールは、回路配線基板上に搭載した電子部品素子を樹脂性保護体でポッティングする構造があった。例えば、図2に示すような回路配線基板31の表面に所定電子部品素子34の外周を取り囲むような筒状枠体37を取着し、その上面側の開口から筒状枠体内の全体にシリコーン樹脂などの樹脂性保護材料を充填・硬化していた。
【0003】
ここで図2(A)は筒状枠体を取り付けた回路配線基板31の斜視図であり、図2(B)はその断面図である。
【0004】
ここで、樹脂保護体33で被覆される電子部品素子34は、ICチップなどが例示でき、回路配線基板31上の所定配線導体である電極パッド36とをボンディングワイヤ35によって接続されている。そして、電子部品素子34は、樹脂性保護材料を充填・硬化して得られる樹脂保護体33によって気密的に封止されていた。この樹脂保護体33は、柔軟性をもったゲル状材料が望ましい。例えば、エポキシ樹脂などのような硬質な材料により樹脂保護体33を構成すると、温度変化が加わった場合、樹脂保護体33の膨張収縮の応力が直接ボンディングワイヤ35に加わり、ボンディングワイヤ35の断線やボンディング部の剥離が発生する。従って、樹脂保護体33の材料としては、柔軟性を持ったゲル状の樹脂、例えば、シリコーン樹脂などが好ましい。
【0005】
しかしゲル状シルコーン樹脂は低ヤング率特性の為、エンジンのような過酷な振動環境下においては、ケースや前記筒状枠体37内部に満たされたゲル状シリコーン樹脂の振動の共振による大きな振幅により、回路配線基板31に固定された電子部品素子34に振動応力が加わり、ゲル状シリコーン樹脂が内包している電子部品素子34のボンディングワイヤ35を破断してしまう問題があった。 そこで振動時の共振による大きな振幅を抑えるため、回路モジュール30のケースや筒状枠体37内部に充填するゲル状シリコーン樹脂の樹脂保護体33の充填量を低減して、ゲル状シリコーン樹脂の共振による大きな振幅を抑えることができる。しかし、樹脂保護体33が少ないと、外部からの湿気の浸入により経年劣化が発生し、電子部品素子34にまで湿気が浸入し不具合を生じさせる。
【0006】
また、従来の回路モジュール30では、筒状枠体37の開口上面に桟状の蓋体32を配置していた。
【0007】
[特許文献1]
特開平7−231176号公報
[特許文献2]
特開2002−246496号公報
[特許文献3]
特開2002−299521号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の筒状枠体は、樹脂により形成されていた。このため、自動車に搭載される回路モジュールは、モジュール全体をアルミや亜鉛のダイキャスト(鋳造)容器に入れ、密閉していたので振動・排気ガス・ゴミ等から守られていたものの、点火プラグなどから発生するスパークノイズなどの電磁ノイズに対しても遮断するようになっていた。
【0009】
しかし、回路モジュール内の回路配線基板31の機能が複雑化し、大電流の流れるスイッチ回路なども含まれるようになり、例えば、マイコンなどの小電流回路などで構成される電子部品素子34のみを筒状枠体37に取り囲み、樹脂保護体33で被覆しても、大電流の流れるスイッチ回路からのノイズが、筒状枠体37を通じて小電流回路である電子部品素子34に影響し、誤動作させてしまう。
【0010】
本発明は、上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、樹脂保護体によって被覆された電子部品素子にノイズの影響を防止して、安定した動作が可能な回路モジュールを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、所定配線導体が形成された回路配線基板と、
前記回路配線基板上に搭載され、且つ所定配線導体とボンディングワイヤによって接続される電子部品素子と、
前記回路配線基板上に配置され、該電子部品素子及びボンディングワイヤを取り囲む筒状枠体と、
前記筒状枠体の内部に充填され、前記電子部品素子及びボンディングワイヤを被覆する樹脂保護部材とから成る回路モジュールにおいて、
前記筒状枠体は、グランド電位の所定配線導体と電気的に接続するシールド導体を有している回路モジュールである。
【0012】
また、筒状枠体は、その上面に配置され、且つ複数の開口を有するとともに、該筒状枠体の内部に向かって突出するリブ壁を有するシールド導体からなるカバーを備えている。
【0013】
また、筒状枠体は、導電性を有する金属部材で構成されている。
【0014】
【作用】
本発明による回路モジュールは、回路配線基板上に実装された、樹脂保護体によって被覆された電子部品素子は、筒状枠体で取り囲まれており、さらに、柔軟性を持つゲル状の樹脂保護体が充填されている。そして、そして、筒状枠体には、回路配線基板の所定配線導体のうち、グランド電位の所定配線導体と電気的に接続するシールド導体膜が形成されている。例えば、シールド導体とは、筒状枠体を金属部材で形成したり、また、枠体の側壁の表面に、シールド導体膜を被着形成したり、また、枠体上面の開口に、複数の開口を有するとともに、該筒状枠体の内部に向かって突出するリブ壁を有するカバーと一体化して、このリブ壁を含むカバーを金属部材で構成する。
【0015】
尚、カバーを金属部材で構成する場合にも、枠体の側壁を介して回路配線基板のグランド電位に電気的に接続させる。
【0016】
これにより、電子部品素子が実質的にシールドケースに被覆されるようになり、電子部品素子に重畳されるノイズを有効に遮断することができ、電子部品素子を安定して動作させることができる回路モジュールとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回路モジュールを図面に基づいて説明する。
【0018】
図1(A)は、本発明の第1の実施例を示す回路モジュールの平面図であり、図1(B)は、その右半分を断面で示した側面図である。
【0019】
本発明の回路モジュール10は、外部回路と接続するためのコネクタアッシーが取り付けられたアルミダイキャストの筐体11、回路配線基板12、電子部品素子15、16、筒状枠体13、ゲル状またはゴム状の樹脂充填部材の硬化した樹脂保護体14とから主に構成されている。尚、図1(A)、図1(B)に示す枠体13は、上下が開口しており、下面側は電子部品素子16を取り囲むように、回路配線基板12上に取り付けられる。また、上面の開口は、縦横に延びる桟18によって仕切られ、複数の開口を有している。尚、この縦横の桟18が筒状枠体の蓋体となる。
【0020】
回路配線基板12は、セラミック、又はガラス−エポキシ材料から成る基板本体と、該基板本体上に形成された所定配線導体12a、12b、12cが形成されて構成されている。このような回路配線基板12上に電子部品素子15、16が実装され、所定配線導体のうち、電極パッド12aにボンディングワイヤ17を介して電気的に接続されている。
【0021】
この電子部品素子15、16のうち、樹脂保護体14のポッティングを必要としない電子部品素子15は、筒状枠体13の外部に配置され、樹脂保護体14の被覆が必要な電子部品素子16は、筒状枠体13内部の回路配線基板12上に実装され、且つ樹脂保護体14によって被覆されている。
【0022】
例えば、電子部品素子15は、既に耐湿性向上のための容器や外装樹脂などで被覆された電子部品素子であり、例えば、特性調整を行うトリマー部品(可変抵抗器、可変インダクタ部品、トリマーコンデンサ、スタブ導体など)が例示できる。また、電子部品素子16は、ボンディングワイヤ17や各種バンプによって、回路配線基板12の所定配線導体に接続されるICチップなどが例示できる。尚、特性調整を伴わない場合には、容器や外装樹脂が形成された電子部品素子であっても、筒状枠体13内に配置しても構わない。
【0023】
筒状枠体13は、絶縁性硬質樹脂(例えばエポキシ、液晶ポリマー樹脂、ポリカーボーネート、PBT、ポリアミド、ポリイミドなど)、ゴム、プラスチック、セラミック、さらに金属部材などからなる。外観形状は、上下面が開口した角筒状である。その枠体13の内部の上面または上面付近には、格子状に桟18からなるカバーが設けられている。尚、筒状枠体13は、その高さは、電子部品素子16に接続されるボンディングワイヤ17の最高部までの高さを包含するものであり、筒状枠体13としては背の低いものになり回路モジュール10の全体の低背化が図れ、同時に、樹脂保護体14の体積を最小限に抑えて樹脂保護体14の振動による応力を極小化している。
【0024】
図1では、筒状枠体は、例えば金属部材から構成されており、この筒状枠体13は、回路配線基板12に形成されたグランド電位となる配線導体12b上に取着されており、筒状枠体13全体にシールド効果を持たせている。このとき、電極パッド12aと、筒状枠体13の外部に存在する所定配線導体12Cは、回路配線基板の内部に配線導体を形成して、筒状枠体13に短絡しないようにして接続すればよい。
【0025】
また、図示していないが、筒状枠体13の側壁の外表面や内表面に、グランド電位の配線導体に接続するシールド導体膜を形成してもよい。この場合、筒状枠体13を絶縁性材料で構成することができる。さらに、筒状枠体13の下面側に絶縁領域を形成すれば、グランド電位の配線導体上に筒状枠体13を載置する必要はなくなる。この時、シールド導体膜とグランド電位の配線導体との接続は、筒状枠体13の下面絶縁領域の一部に、シールド導体膜と回路配線基板12のグランド電位の配線導体12bとが接続するように接続導体膜を形成し、接続導体膜とグランド電位の配線導体12bとを導電性接続部材で電気的に接続すればよい。
【0026】
樹脂保護体14は、筒状枠体13の内部領域に、樹脂性保護部材を所定量充填し、硬化されて構成されている。樹脂保護体14としては、ゲル状またはゴム状のシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂などの弾性の低い材料が例示できる。樹脂保護体14は、筒状枠体13の内部領域で、回路配線基板12から少なくとも電子部品素子16から延びるボンディングワイヤ17が埋没するに充分な厚みを有し、且つ蓋体である桟18上面まで達する量を最大量とする。
【0027】
具体的には、回路配線基板12の所定位置に各種電子部品素子15、16を配置し、例えば、電子部品素子16をボンディングワイヤ17によって接続した後、この回路配線基板12上の所定位置、例えば、筒状枠体13に形状に対応するリング状のグランド電位となる配線導体12b上に筒状枠体13を導電性接着材を介して取着する。この筒状枠体13の取着により、筒状枠体13によって囲まれた領域内には電子部品素子16が存在することになる。その後、枠体13の上面の開口から、樹脂保護体14となる樹脂充填部材を供給し、枠体13内に所定量の樹脂充填部材を充填する。このようにして、電子部品素子16を埋没させるに充分な樹脂充填部材を供給した後、硬化処理させる。
【0028】
尚、筒状枠体13の下面領域に接続導体膜が形成された筒状枠体13を用いる場合には、グランド電位となる配線導体12b上に取着する必要はなく、例えば、接続導体膜が、回路配線基板12のグランド電位の配線導体12bに接する位置に仮保持し、樹脂保護体14を形成した後、グランド電位の配線導体12bと接続導体膜を導電性接着材で互いに導通させる。
【0029】
このように形成された回路モジュール10によれば、実質的に電子部品素子16のみを樹脂保護体14で被覆することができる。同時に、筒状枠体13内の樹脂保護体14の充填量を簡単に制御でき、しかも、硬化処理や内部の確認も簡単かつ迅速に行えることになる。
【0030】
そして樹脂充填部材を硬化することによって、電子部品素子16を被覆するための所定領域のみに、安定した樹脂保護体14を形成することができる回路モジュール10となる。
【0031】
このようにしてできあがった回路モジュール10は、回路モジュールの外からの機械的振動以外に、電磁ノイズに対しても筐体11により優れている。しかも、筐体11内部の電子部品素子15、16間の電磁ノイズについても、筒状枠体13にシールド効果を持たせることになり、優れたものとなり、電子部品素子15や16の誤動作を低減できる。
【0032】
上述の例では、筒状枠体13自身を金属部材で構成した構造や筒状枠体13の本体を絶縁性硬質樹脂(例えばエポキシ、液晶ポリマー樹脂、ポリカーボーネート、PBT、ポリアミド、ポリイミドなど)、ゴム、プラスチック、セラミックなどで構成し、側壁の表面に電磁波シールド効果を果たすためのシールド導体膜が形成する場合を説明した。具体的には、筒状枠体13の表面には、導電性塗料、無電解メッキ、金属溶射、アルミ蒸着、スパッタリングなどにより形成する。
【0033】
また、筒状枠体13を構成する樹脂に、導電フィラー、金属粉、金属フレークを混入してもよい。
【0034】
尚、蓋体である桟18の下面に、筒状枠体13の内部領域に突出して、樹脂保護体14の一部を区画するリブ壁を設けもよい。このようにすれば、樹脂保護体14が振動による挙動を少なくでき、しかも、電子部品素子16の近傍までシールド導体を配置することができ、ボンディングワイヤ17に加わる樹脂保持体による振動応力を低減でき、さらに電磁ノイズの遮断効果が向上する。
【0035】
【発明の効果】
本発明による回路モジュールは、筒状枠体にはシールド導体が形成されているため、電子部品素子を外部からの電磁ノイズばかりでなく、内部の回路ブロック間の電磁ノイズに対しても安定して動作させることができる回路モジュールとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路モジュールを示す図であり、(A)は平面図、(B)は部分断面状態の側面図である。
【図2】従来の回路モジュールを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は断面図である。
【符号の説明】
10・・ 回路モジュール
11・・筐体
12・・回路配線基板
13・・筒状枠体
14・・樹脂保護体
15、16・・電子部品素子
17・・ボンディングワイヤ
18・・桟(蓋体)
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の電子部品素子を搭載した回路配線基板を有する回路モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、回路モジュールは、回路配線基板上に搭載した電子部品素子を樹脂性保護体でポッティングする構造があった。例えば、図2に示すような回路配線基板31の表面に所定電子部品素子34の外周を取り囲むような筒状枠体37を取着し、その上面側の開口から筒状枠体内の全体にシリコーン樹脂などの樹脂性保護材料を充填・硬化していた。
【0003】
ここで図2(A)は筒状枠体を取り付けた回路配線基板31の斜視図であり、図2(B)はその断面図である。
【0004】
ここで、樹脂保護体33で被覆される電子部品素子34は、ICチップなどが例示でき、回路配線基板31上の所定配線導体である電極パッド36とをボンディングワイヤ35によって接続されている。そして、電子部品素子34は、樹脂性保護材料を充填・硬化して得られる樹脂保護体33によって気密的に封止されていた。この樹脂保護体33は、柔軟性をもったゲル状材料が望ましい。例えば、エポキシ樹脂などのような硬質な材料により樹脂保護体33を構成すると、温度変化が加わった場合、樹脂保護体33の膨張収縮の応力が直接ボンディングワイヤ35に加わり、ボンディングワイヤ35の断線やボンディング部の剥離が発生する。従って、樹脂保護体33の材料としては、柔軟性を持ったゲル状の樹脂、例えば、シリコーン樹脂などが好ましい。
【0005】
しかしゲル状シルコーン樹脂は低ヤング率特性の為、エンジンのような過酷な振動環境下においては、ケースや前記筒状枠体37内部に満たされたゲル状シリコーン樹脂の振動の共振による大きな振幅により、回路配線基板31に固定された電子部品素子34に振動応力が加わり、ゲル状シリコーン樹脂が内包している電子部品素子34のボンディングワイヤ35を破断してしまう問題があった。 そこで振動時の共振による大きな振幅を抑えるため、回路モジュール30のケースや筒状枠体37内部に充填するゲル状シリコーン樹脂の樹脂保護体33の充填量を低減して、ゲル状シリコーン樹脂の共振による大きな振幅を抑えることができる。しかし、樹脂保護体33が少ないと、外部からの湿気の浸入により経年劣化が発生し、電子部品素子34にまで湿気が浸入し不具合を生じさせる。
【0006】
また、従来の回路モジュール30では、筒状枠体37の開口上面に桟状の蓋体32を配置していた。
【0007】
[特許文献1]
特開平7−231176号公報
[特許文献2]
特開2002−246496号公報
[特許文献3]
特開2002−299521号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の筒状枠体は、樹脂により形成されていた。このため、自動車に搭載される回路モジュールは、モジュール全体をアルミや亜鉛のダイキャスト(鋳造)容器に入れ、密閉していたので振動・排気ガス・ゴミ等から守られていたものの、点火プラグなどから発生するスパークノイズなどの電磁ノイズに対しても遮断するようになっていた。
【0009】
しかし、回路モジュール内の回路配線基板31の機能が複雑化し、大電流の流れるスイッチ回路なども含まれるようになり、例えば、マイコンなどの小電流回路などで構成される電子部品素子34のみを筒状枠体37に取り囲み、樹脂保護体33で被覆しても、大電流の流れるスイッチ回路からのノイズが、筒状枠体37を通じて小電流回路である電子部品素子34に影響し、誤動作させてしまう。
【0010】
本発明は、上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、樹脂保護体によって被覆された電子部品素子にノイズの影響を防止して、安定した動作が可能な回路モジュールを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、所定配線導体が形成された回路配線基板と、
前記回路配線基板上に搭載され、且つ所定配線導体とボンディングワイヤによって接続される電子部品素子と、
前記回路配線基板上に配置され、該電子部品素子及びボンディングワイヤを取り囲む筒状枠体と、
前記筒状枠体の内部に充填され、前記電子部品素子及びボンディングワイヤを被覆する樹脂保護部材とから成る回路モジュールにおいて、
前記筒状枠体は、グランド電位の所定配線導体と電気的に接続するシールド導体を有している回路モジュールである。
【0012】
また、筒状枠体は、その上面に配置され、且つ複数の開口を有するとともに、該筒状枠体の内部に向かって突出するリブ壁を有するシールド導体からなるカバーを備えている。
【0013】
また、筒状枠体は、導電性を有する金属部材で構成されている。
【0014】
【作用】
本発明による回路モジュールは、回路配線基板上に実装された、樹脂保護体によって被覆された電子部品素子は、筒状枠体で取り囲まれており、さらに、柔軟性を持つゲル状の樹脂保護体が充填されている。そして、そして、筒状枠体には、回路配線基板の所定配線導体のうち、グランド電位の所定配線導体と電気的に接続するシールド導体膜が形成されている。例えば、シールド導体とは、筒状枠体を金属部材で形成したり、また、枠体の側壁の表面に、シールド導体膜を被着形成したり、また、枠体上面の開口に、複数の開口を有するとともに、該筒状枠体の内部に向かって突出するリブ壁を有するカバーと一体化して、このリブ壁を含むカバーを金属部材で構成する。
【0015】
尚、カバーを金属部材で構成する場合にも、枠体の側壁を介して回路配線基板のグランド電位に電気的に接続させる。
【0016】
これにより、電子部品素子が実質的にシールドケースに被覆されるようになり、電子部品素子に重畳されるノイズを有効に遮断することができ、電子部品素子を安定して動作させることができる回路モジュールとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回路モジュールを図面に基づいて説明する。
【0018】
図1(A)は、本発明の第1の実施例を示す回路モジュールの平面図であり、図1(B)は、その右半分を断面で示した側面図である。
【0019】
本発明の回路モジュール10は、外部回路と接続するためのコネクタアッシーが取り付けられたアルミダイキャストの筐体11、回路配線基板12、電子部品素子15、16、筒状枠体13、ゲル状またはゴム状の樹脂充填部材の硬化した樹脂保護体14とから主に構成されている。尚、図1(A)、図1(B)に示す枠体13は、上下が開口しており、下面側は電子部品素子16を取り囲むように、回路配線基板12上に取り付けられる。また、上面の開口は、縦横に延びる桟18によって仕切られ、複数の開口を有している。尚、この縦横の桟18が筒状枠体の蓋体となる。
【0020】
回路配線基板12は、セラミック、又はガラス−エポキシ材料から成る基板本体と、該基板本体上に形成された所定配線導体12a、12b、12cが形成されて構成されている。このような回路配線基板12上に電子部品素子15、16が実装され、所定配線導体のうち、電極パッド12aにボンディングワイヤ17を介して電気的に接続されている。
【0021】
この電子部品素子15、16のうち、樹脂保護体14のポッティングを必要としない電子部品素子15は、筒状枠体13の外部に配置され、樹脂保護体14の被覆が必要な電子部品素子16は、筒状枠体13内部の回路配線基板12上に実装され、且つ樹脂保護体14によって被覆されている。
【0022】
例えば、電子部品素子15は、既に耐湿性向上のための容器や外装樹脂などで被覆された電子部品素子であり、例えば、特性調整を行うトリマー部品(可変抵抗器、可変インダクタ部品、トリマーコンデンサ、スタブ導体など)が例示できる。また、電子部品素子16は、ボンディングワイヤ17や各種バンプによって、回路配線基板12の所定配線導体に接続されるICチップなどが例示できる。尚、特性調整を伴わない場合には、容器や外装樹脂が形成された電子部品素子であっても、筒状枠体13内に配置しても構わない。
【0023】
筒状枠体13は、絶縁性硬質樹脂(例えばエポキシ、液晶ポリマー樹脂、ポリカーボーネート、PBT、ポリアミド、ポリイミドなど)、ゴム、プラスチック、セラミック、さらに金属部材などからなる。外観形状は、上下面が開口した角筒状である。その枠体13の内部の上面または上面付近には、格子状に桟18からなるカバーが設けられている。尚、筒状枠体13は、その高さは、電子部品素子16に接続されるボンディングワイヤ17の最高部までの高さを包含するものであり、筒状枠体13としては背の低いものになり回路モジュール10の全体の低背化が図れ、同時に、樹脂保護体14の体積を最小限に抑えて樹脂保護体14の振動による応力を極小化している。
【0024】
図1では、筒状枠体は、例えば金属部材から構成されており、この筒状枠体13は、回路配線基板12に形成されたグランド電位となる配線導体12b上に取着されており、筒状枠体13全体にシールド効果を持たせている。このとき、電極パッド12aと、筒状枠体13の外部に存在する所定配線導体12Cは、回路配線基板の内部に配線導体を形成して、筒状枠体13に短絡しないようにして接続すればよい。
【0025】
また、図示していないが、筒状枠体13の側壁の外表面や内表面に、グランド電位の配線導体に接続するシールド導体膜を形成してもよい。この場合、筒状枠体13を絶縁性材料で構成することができる。さらに、筒状枠体13の下面側に絶縁領域を形成すれば、グランド電位の配線導体上に筒状枠体13を載置する必要はなくなる。この時、シールド導体膜とグランド電位の配線導体との接続は、筒状枠体13の下面絶縁領域の一部に、シールド導体膜と回路配線基板12のグランド電位の配線導体12bとが接続するように接続導体膜を形成し、接続導体膜とグランド電位の配線導体12bとを導電性接続部材で電気的に接続すればよい。
【0026】
樹脂保護体14は、筒状枠体13の内部領域に、樹脂性保護部材を所定量充填し、硬化されて構成されている。樹脂保護体14としては、ゲル状またはゴム状のシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂などの弾性の低い材料が例示できる。樹脂保護体14は、筒状枠体13の内部領域で、回路配線基板12から少なくとも電子部品素子16から延びるボンディングワイヤ17が埋没するに充分な厚みを有し、且つ蓋体である桟18上面まで達する量を最大量とする。
【0027】
具体的には、回路配線基板12の所定位置に各種電子部品素子15、16を配置し、例えば、電子部品素子16をボンディングワイヤ17によって接続した後、この回路配線基板12上の所定位置、例えば、筒状枠体13に形状に対応するリング状のグランド電位となる配線導体12b上に筒状枠体13を導電性接着材を介して取着する。この筒状枠体13の取着により、筒状枠体13によって囲まれた領域内には電子部品素子16が存在することになる。その後、枠体13の上面の開口から、樹脂保護体14となる樹脂充填部材を供給し、枠体13内に所定量の樹脂充填部材を充填する。このようにして、電子部品素子16を埋没させるに充分な樹脂充填部材を供給した後、硬化処理させる。
【0028】
尚、筒状枠体13の下面領域に接続導体膜が形成された筒状枠体13を用いる場合には、グランド電位となる配線導体12b上に取着する必要はなく、例えば、接続導体膜が、回路配線基板12のグランド電位の配線導体12bに接する位置に仮保持し、樹脂保護体14を形成した後、グランド電位の配線導体12bと接続導体膜を導電性接着材で互いに導通させる。
【0029】
このように形成された回路モジュール10によれば、実質的に電子部品素子16のみを樹脂保護体14で被覆することができる。同時に、筒状枠体13内の樹脂保護体14の充填量を簡単に制御でき、しかも、硬化処理や内部の確認も簡単かつ迅速に行えることになる。
【0030】
そして樹脂充填部材を硬化することによって、電子部品素子16を被覆するための所定領域のみに、安定した樹脂保護体14を形成することができる回路モジュール10となる。
【0031】
このようにしてできあがった回路モジュール10は、回路モジュールの外からの機械的振動以外に、電磁ノイズに対しても筐体11により優れている。しかも、筐体11内部の電子部品素子15、16間の電磁ノイズについても、筒状枠体13にシールド効果を持たせることになり、優れたものとなり、電子部品素子15や16の誤動作を低減できる。
【0032】
上述の例では、筒状枠体13自身を金属部材で構成した構造や筒状枠体13の本体を絶縁性硬質樹脂(例えばエポキシ、液晶ポリマー樹脂、ポリカーボーネート、PBT、ポリアミド、ポリイミドなど)、ゴム、プラスチック、セラミックなどで構成し、側壁の表面に電磁波シールド効果を果たすためのシールド導体膜が形成する場合を説明した。具体的には、筒状枠体13の表面には、導電性塗料、無電解メッキ、金属溶射、アルミ蒸着、スパッタリングなどにより形成する。
【0033】
また、筒状枠体13を構成する樹脂に、導電フィラー、金属粉、金属フレークを混入してもよい。
【0034】
尚、蓋体である桟18の下面に、筒状枠体13の内部領域に突出して、樹脂保護体14の一部を区画するリブ壁を設けもよい。このようにすれば、樹脂保護体14が振動による挙動を少なくでき、しかも、電子部品素子16の近傍までシールド導体を配置することができ、ボンディングワイヤ17に加わる樹脂保持体による振動応力を低減でき、さらに電磁ノイズの遮断効果が向上する。
【0035】
【発明の効果】
本発明による回路モジュールは、筒状枠体にはシールド導体が形成されているため、電子部品素子を外部からの電磁ノイズばかりでなく、内部の回路ブロック間の電磁ノイズに対しても安定して動作させることができる回路モジュールとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路モジュールを示す図であり、(A)は平面図、(B)は部分断面状態の側面図である。
【図2】従来の回路モジュールを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は断面図である。
【符号の説明】
10・・ 回路モジュール
11・・筐体
12・・回路配線基板
13・・筒状枠体
14・・樹脂保護体
15、16・・電子部品素子
17・・ボンディングワイヤ
18・・桟(蓋体)
Claims (2)
- 所定配線導体が形成された回路配線基板と、
前記回路配線基板上に搭載され、且つ所定配線導体とボンディングワイヤによって接続される電子部品素子と、
前記回路配線基板上に配置され、且つ前記電子部品素子及びボンディングワイヤを取り囲む筒状枠体と、
前記筒状枠体の内部に充填され、且つ前記電子部品素子及びボンディングワイヤを被覆する樹脂保護体とから成る回路モジュールであって、
前記筒状枠体は、グランド電位の所定配線導体と電気的に接続するシールド導体を有することを特徴とする回路モジュール。 - 前記筒状枠体が導電性を有する金属部材で構成されていることを特徴とする請求項1記載の回路モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003049735A JP2004259992A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | 回路モジュール |
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JP (1) | JP2004259992A (ja) |
Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
WO2011117935A1 (ja) | 2010-03-24 | 2011-09-29 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | パワーモジュールとその製造方法 |
-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003049735A patent/JP2004259992A/ja active Pending
Cited By (2)
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WO2011117935A1 (ja) | 2010-03-24 | 2011-09-29 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | パワーモジュールとその製造方法 |
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