JP2004258890A - 重心解析装置および重心解析用プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】位置変化を伴う製品を、傾斜した設置面に設置した場合に、変動する重心から作用する自重作用範囲と、製品の設置面での支持範囲との関係の評価が可簡単に行うことができる重心解析装置を提供する。
【解決手段】各ユニットの形状を簡略化した簡略モデルに質量情報と重心位置とを関係付けた擬似モデル131〜133を生成し、製品の設置面での支持範囲を表す製品支持範囲モデル135を生成し、各可動ユニットが取りうる状態を互いに組み合わせることにより形成される製品全体としての状態の各変化態様を可変情報141として設定し、製品全体としての各状態の重心位置134を算出し、製品を設置する面の設置面傾斜情報142を設定し、製品を傾斜面に設置する場合の自重作用方向を表す自重作用方向モデル136を生成し、製品全体での各状態について重心位置134と自重作用方向モデル136と製品支持範囲モデル135との関係を関連付けて出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】各ユニットの形状を簡略化した簡略モデルに質量情報と重心位置とを関係付けた擬似モデル131〜133を生成し、製品の設置面での支持範囲を表す製品支持範囲モデル135を生成し、各可動ユニットが取りうる状態を互いに組み合わせることにより形成される製品全体としての状態の各変化態様を可変情報141として設定し、製品全体としての各状態の重心位置134を算出し、製品を設置する面の設置面傾斜情報142を設定し、製品を傾斜面に設置する場合の自重作用方向を表す自重作用方向モデル136を生成し、製品全体での各状態について重心位置134と自重作用方向モデル136と製品支持範囲モデル135との関係を関連付けて出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3次元(3D)モデルから製品の重心位置を解析する重心解析装置に関し、さらに詳細にはパラメトリック機能を有するCAD装置にて製品の3Dデータを利用し、製品全体としての形状が変化する据え置き型製品の重心位置情報を抽出し、その製品を傾斜面に設置する場合の製品支持範囲の適性可否を判断する重心解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
据え置き型の製品の設計支援ツールとして、昨今、中実のソリッドモデル又は中空のサーフェスモデルを生成でき、これらのモデルの生成方法や履歴、寸法、比重等のパラメータを記憶し、さらに記憶された履歴または値を修正することによって自動的にモデルを計算、修正することが可能なパラメトリック機能を有した3次元CADシステム(3D−CAD)が多用されている。
【0003】
このようなCADシステムでは、3Dモデル情報から単一あるいは複数の部品(ユニット)からなる製品全体の重心位置を算出する機能を有している。また、3Dモデル情報を有効活用し、一部の部品の重量変化に伴う組立品全体の重心位置変化を3Dモデル上で解析し、グラフ上にプロット出力するシステムも考案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
【特許文献1】
特許2719248号公報(第1頁〜第3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般のCADシステムでは、上述したように単一ないし複数の部品からなる製品全体モデルとしての重心位置の算出は可能である。また、特許文献1のシステムにおいては、その一部の部品の質量変化による全体重心変化も求めることができる。しかしながら、単純に重心位置を算出することだけを目的とする場合は、製品が設置される基台の傾斜状態については何ら意識されることはない。
【0006】
実際の据え置き型製品は必ずしも水平な基台面に設置されるとは限らない。傾斜した面に設置する場合で、しかも製品の可動部の位置変化によって重心位置が変化する時も製品が転倒しないように設計しなければならない。そのような配慮を行うためには、単に製品の重心位置だけでなく、傾斜面に設置する場合に重心位置から作用する自重の作用範囲と、基台面に接する製品側の設置面での支持形状、支持範囲とを対比し、設計が適切であるかを知る必要がある。さらに、製品が転倒しないための条件としては、あらゆる傾斜面の傾斜方向、製品の可動部の可動状態が加味されていなければならない。
【0007】
ところが、製品の設置面での自重作用範囲と支持範囲との関係を可動状態ごとに一覧で確認できたり、モデル化によって可視的に対比評価できたりすることはできなかった。
【0008】
そこで本発明は、据え置き型製品であって製品全体に対する位置関係が変化する可動ユニットを備えた製品を、任意角度傾斜した設置面に設置する場合に、変動する重心から作用する自重作用範囲と製品の設置面での支持範囲との関係を評価することができ、設計を支援することができる重心解析装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、なされた本発明の重心解析装置は、少なくとも位置が変化する可動ユニットが含まれる複数のユニットを組み立てることにより構成される製品の重心解析装置であって、各ユニットの3Dモデルの形状情報、各ユニットの重心位置情報および質量情報を含むマスプロパティ情報に基づいて、各ユニットの形状を簡略化した簡略モデルに質量情報と重心位置とを関係付けた擬似モデルを生成する擬似モデル生成部と、製品の設置面での支持範囲を表す製品支持範囲モデルを前記形状情報に基づいて生成する製品支持範囲モデル生成部と、製品に含まれる各可動ユニットの可動範囲を元に、各可動ユニットが取りうる状態を互いに組み合わせることにより形成される製品全体としての状態の各変化態様を可変情報として設定する可変情報設定部と、擬似モデルと可変情報とに基づいて製品全体としての各状態の重心位置を算出する重心位置計算部と、製品を設置する面の傾斜情報を設定する設置面傾斜情報設定部と、製品全体での各状態の重心位置と設置面傾斜情報とに基づいて製品を傾斜面に設置する場合の自重作用方向を表す自重作用方向モデルを生成する自重作用方向モデル生成部と、製品全体での各状態について重心位置と自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの関係を関連付けて出力する出力部とを備えるようにしている。
【0010】
この発明では、複数のユニットにより構成される製品を扱い、特に各ユニットのうち少なくとも一部のユニットは、製品として組み立てたときに可動状態で組み込まれる可動ユニットを含んでいる製品を扱う。
【0011】
可動ユニットを有する製品としてはFPDテレビの他、液晶モニタ、扇風機、電気スタンドなどの1ないし複数の可動部を備えた据え置き型の製品などがある。
【0012】
製品を構成するユニットの数についての制限はないが、製品をユニット化する際は機能ごとに分割する方が重心解析の上で扱いやすい。
また、製品を構成する各ユニットのうちの可動ユニット数は1つだけであっても複数であってもよい。
【0013】
製品を構成する各ユニットについては、3Dモデルの形状情報と、各ユニットの重心位置情報および質量情報を含むマスプロパティ情報とがデータとして作成されている。これらのデータ作成は、CADシステムによる周知の方法でなされる。
擬似モデル生成部は、3Dモデルの形状情報とマスプロパティ情報とに基づいて、各ユニットの形状を簡略化した簡略モデルに質量情報と重心位置とを関係つけた擬似モデルを生成し記憶する。この擬似モデルは、各ユニット単位で生成される。
製品支持範囲モデル生成部は、製品を基台上に設置するときに製品側の設置面となる部分を含むユニットから、製品を設置したときの支持範囲を抽出(算出)し、製品支持範囲モデルを生成し記憶する。
可変情報設定部は、製品に含まれる各ユニットの可動範囲を元に、各可動ユニットが取りうる状態を互いに組み合わせて形成した製品全体としての状態の各変化態様を可変情報として設定し、記憶する。
重心位置計算部は、擬似モデルと可変情報とに基づいて製品全体としての各状態の重心位置を算出し記憶する。
設置面傾斜情報設定部は、製品設置面の傾斜情報を設定し記憶する。
自重作用方向モデル生成部は、算出された各状態の重心位置と設置面傾斜情報とに基づいて製品を傾斜面に設置する場合の自重作用方向を表す自重作用方向モデルを生成し記憶する。
そして出力部は、製品全体での各状態について重心位置と自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの関係を関連付けて出力する。これにより自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの位置関係が得られ、製品がとる各状態の転倒しやすさなどが把握できる。
【0014】
ここで、可変情報設定部は、製品全体としての各状態の重心位置を算出する計算回数を設定することにより、設定された計算回数に基づいて各可動ユニットの状態の組み合わせを決定するようにしてもよい。
これにより、計算時間を十分にかけて高い精度で重心解析を行うことも、あまり時間をかけずに精度を求めないで重心解析を行うこともでき、しかもそのような設定を計算回数という数値の設定だけで簡単に行うことができる。
【0015】
自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの関係として自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの間のモデル間最短距離を求める距離測定部をさらに有し、出力部は製品全体での各可動状態について重心位置と前記モデル間最短距離との情報を関連付けて出力するようにしてもよい。
すなわち、製品支持範囲モデルの範囲内に自重作用方向モデルがあるときは、製品は転倒しにくく、範囲外になると転倒のおそれが生じる。また、自重作用方向モデルが製品支持範囲モデルの周囲から中央に向かうほど安定することになる。
そこで、これらのモデルのモデル間最短距離を求めることにより、転倒しやすさを数値情報として把握することができる。
【0016】
出力部は、製品全体としての各状態について重心位置と前記モデル間最短距離との情報をテキストデータとして出力するようにしてもよい。
これにより製品全体としての可動状態ごとに重心位置、転倒しやすさの目安となるモデル間最短距離を一覧として確認することができる。
【0017】
選別条件を設定する選別条件設定部と、設定した選別条件に基づいて製品全体としての各状態についての重心位置とモデル間最短距離の情報から所望の情報のみ抽出するデータ処理部とをさらに備えてもよい。
これにより、選別条件により必要な情報のみを抽出して出力することができる。
【0018】
製品の設置面において自重が作用する範囲を示す自重作用範囲モデルを生成する自重作用範囲モデル生成部をさらに備え、出力部のひとつとして製品支持範囲モデルと自重作用範囲モデルとを同時に表示する表示装置を含むようにしてもよい。
これにより、製品の支持範囲と自重作用範囲とがどのような位置関係にあるかを視覚的に把握することができる。
【0019】
また、本発明は別の観点から、少なくとも位置が変化する可動ユニットが含まれる複数のユニットを組み立てることにより構成される製品の重心解析装置としての機能をコンピュータに実行あさせるためのコンピュータ読取り可能な重心解析用プログラムであって、各ユニットの3Dモデルの形状情報、各ユニットの重心位置情報および質量情報を含むマスプロパティ情報に基づいて、各ユニットの形状を簡略化した簡略モデルに質量情報と重心位置とを関係付けた擬似モデルを生成する擬似モデル生成部と、製品の設置面での支持範囲を表す製品支持範囲モデルを前記形状情報に基づいて生成する製品支持範囲モデル生成部と、製品に含まれる各可動ユニットの可動範囲を元に、各可動ユニットが取りうる状態を互いに組み合わせることにより形成される製品全体としての状態の各変化態様を可変情報として設定する可変情報設定部と、擬似モデルと可変情報とに基づいて製品全体としての各状態の重心位置を算出する重心位置計算部と、製品を設置する面の傾斜情報を設定する設置面傾斜情報設定部と、製品全体での各状態の重心位置と設置面傾斜情報とに基づいて製品を傾斜面に設置する場合の自重作用方向を表す自重作用方向モデルを生成する自重作用方向モデル生成部と、製品全体での各状態について重心位置と自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの関係を関連付けて出力する出力部としての機能を実行させるためのコンピュータ読取り可能な重心解析用プログラムとして捉えることもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の重心解析装置の実施形態について説明する。ただし、本発明はここで説明する具体例に限定されるものではない。
まず、重心解析装置のハードウェア構成について説明すると、この装置はコンピュータシステムにより構成される。すなわち、キーボードやマウスなどからなる入力装置、液晶パネルやCRTなどからなる出力装置のひとつとしての表示装置、CPUおよびROMおよびRAMおよびHDDおよびI/Oインタフェースなどからなるコンピュータ本体で構成される。また、必要に応じて、プリンタなど表示装置以外の他の出力装置を備えたり、外部メモリであるCDROM、フロッピディスク、ICカード等の記録媒体読取装置を備えたり、LANなどの通信機能を付設したりするようにしてプログラムや外部データ等の読込が必要な場合にデータの送受信ができるようにするのが望ましい。
【0021】
本発明の具体例として複数の可動部を有する据え置き型製品の重心解析を行う場合について説明する。
具体的な製品としてここではフラットパネルディスプレイテレビ(以下FPDテレビと称す。)を例とする。図2はFPDテレビの3Dモデルを説明する図である。このFPDテレビ200の場合、機能ごとに分割し、固定部201、水平回転部202、垂直回転部203の3つにユニット分割するものとする。
【0022】
固定部201は基台に直接設置する部分であり、FPDテレビ200を支持する支持台部分と、水平回転部202や垂直回転部203を支持するための支持軸部分とを有する。固定部200自身は可動するものではない。水平回転部202は固定部201の支持軸の一端に取り付けられ、水平方向に任意角度範囲内(360度でもよい)で回転できるようになっている。垂直回転部203は水平回転部202により支持されるように組付けられ、水平回転部202上で垂直方向に任意角度範囲内で回転できるようになっている。また、組み付け部分の構造上、水平回転部202が水平方向に回転した場合、垂直回転部203も水平方向に連動して回転する。
【0023】
次に、本発明の一実施形態である重心解析装置の構成を機能ごとに分けて説明する。図1は重心解析装置およびこの装置で扱う3Dモデルの構成を示すブロック図である。
【0024】
まず、3Dモデルについて説明する。3Dモデル100は、重心解析装置130で設計を行おうとする製品(本例ではFPDテレビ200)に関する情報であり、予めCADシステムにより作成したものである。この3Dモデル100には、実際の製品の形状情報110が機能ごとにユニット化された形式で含まれている。すなわち、形状情報110はユニットごとに3つに分けられ、第1形状情報111は固定部201の3Dモデルの情報、第2形状情報112は水平回転部202の3Dモデルの情報、第3形状情報113は垂直回転部203の3Dモデルの情報を有している。
【0025】
3Dモデル100には、形状情報110の他に、少なくともユニットごとの重心位置と質量情報とがマスプロパティ情報120として備えられている。すなわち、第1マスプロパティ情報121は第1形状情報111に対する重心位置と質量情報を、第2マスプロパティ情報122は第2形状情報112に対する重心位置と質量情報を、第3マスプロパティ情報123は第3形状情報113に対する重心位置と質量情報をそれぞれ有している。
なお、形状情報110及びマスプロパティ情報120は、ユニットの数に応じて増減することができる。
【0026】
次に、重心解析装置130について説明する。この装置は、機能的に分けると擬似モデル生成部(第1擬似モデル生成部131、第2擬似モデル生成部132、第3擬似モデル生成部133)と、重心位置計算部134と、製品支持範囲モデル生成部135と、自重作用方向モデル生成部136と、距離測定部137と、データ処理部138と、出力部(テキスト出力部)139と、自重作用範囲モデル生成部140と、可変情報設定部141と、設置面傾斜情報設定部142と、選別条件設定部143とから構成される。
【0027】
可変情報設定部141は、製品の各ユニットの可動範囲(上限、下限)を定義する値と、可動範囲内で幾通りの可動条件に対して重心算出を行うかの計算回数とを設定し、これらの値を可変情報141aとして記憶することで利用できるようにする。
可変情報141aに含まれる数値を具体的に説明すると、水平回転部202の可動範囲、例えば右に20°、左に20°という数値情報、垂直方向部203の可動範囲、例えば前に5°、後ろに15°という数値情報である。
また、計算回数はその可動範囲内での水平回転部202と垂直回転部203の可動状況を、幾通りの組み合わせにおいて重心算出するのかを設定する数値情報である。この数値が多いほど多くの可動状態の組み合わせについての検証が行えるため、高い精度の検証を行う場合はこの数値を大きくする(ただし、数値を大きくすれば精度が高くなる代わりに、処理時間を要することになる)。ここでは500回と設定する。
【0028】
設置面傾斜情報設定部142は、製品の設計条件のひとつである製品を設置する面の傾斜角度を設置面傾斜情報142aとして設定し、記憶することで利用できるようにする。
【0029】
選別条件設定部143は、後述するデータ処理部138においてデータの選別に必要な条件を選別条件値143aとして設定し、記憶することで利用できるようにする。
【0030】
擬似モデル生成部(より詳しくは第1擬似モデル生成部131、第2擬似モデル生成部132、第3擬似モデル生成部133)は、形状情報110(第1形状情報111〜第3形状情報113)ないしはマスプロパティ情報120(第1マスプロパティ情報121〜第3マスプロパティ情報123)に基づいて、各ユニットと同質量で同重心の簡単な形状のソリッドからなる擬似モデル(第1擬似モデル131a、第2擬似モデル132a、第3擬似モデル133a)を生成する。
【0031】
重心位置計算部134は、可変情報141a、第1擬似モデル131a、第2擬似モデル132a、第3擬似モデル133aから各ユニットを組み立てた製品全体としての重心位置を計算し、重心位置モデル134aとして記憶する。製品全体としての重心位置の計算に用いる算術式自体は公知の計算式を用いる。
【0032】
製品支持範囲モデル生成部135は、3Dモデル100の形状情報110から、製品の設置面を有するユニットを抽出し(この抽出は設計者が指示するかまたは各ユニットの位置関係等から自動抽出することによる)、製品が設置面上で製品自体の自重を支持する範囲をモデル化し、製品支持範囲モデル135aを生成する。
【0033】
自重作用方向モデル生成部136は、製品全体の重心位置と設置面傾斜情報142aから製品全体の重心位置134aに作用する自重の作用方向をモデル化し、自重作用方向モデル136aを生成する。
【0034】
距離測定部137は、製品支持範囲モデル135aと自重作用方向モデル136aとの距離を測定し、モデル間最短距離(L)を求める。
【0035】
データ処理部138は、選別条件143aに基づいてデータを選別する。たとえば、モデル間最短距離(L)に関する選別値(モデル間距離(L)は製品の転倒しやすさの目安となる)を設定して、安定なデータのみを抽出したい場合などに用いる。このデータ処理部133での処理は、設計者の必要に応じて任意に実行する。
【0036】
出力部139は、算出された製品全体での各状態の重心位置、モデル間最短距離(L)などの出力情報を出力する。出力形式は出力装置の種類により異なるが、表示装置に出力する場合は自重作用方向モデル136aや製品支持範囲モデル135aを画面表示したり、可動条件ごとに、重心位置、モデル間最短距離をテーブル形式にてテキストデータで出力したりする。
出力装置としてプリンタを接続した場合は、自重作用方向モデル136aや製品支持範囲モデル135aを印刷したり、可動条件ごとの重心位置、モデル間最短距離を印刷したりする。
【0037】
自重作用範囲モデル生成部140は、可動条件ごとの製品全体の重心位置から、設置面上での重心作用範囲をサーフェス或いはソリッドモデル化し、自重作用範囲モデル140aを生成する。
【0038】
次に、この重心解析装置による動作を説明する。図3は重心解析装置130の処理手順を説明するフローチャートである。また、図4は本発明の重心解析装置130による処理を説明する図である。
【0039】
S301では、第1〜第3擬似モデル生成部131〜133が、形状情報110とマスプロパティ情報120を取得し、第1〜第3擬似モデル131a〜133aを生成する。図4に示すように、第1擬似モデル131は第1マスプロパティ情報121から生成された固定部201の擬似モデルである。この擬似モデル131aでは、固定部201自体の外形形状は省略されて表示されておらず、その重心位置に相当するXYZ座標位置に、簡易モデルが表示されている。第2擬似モデル132aは第2マスプロパティ情報122から生成された水平回転部202の擬似モデルである。第3擬似モデル133aは第3マスプロパティ情報123から生成された垂直回転部203の擬似モデルである。これらも同様である。
【0040】
次に、S302で形状情報110(より詳細には設置面を有する第1形状情報111)に基づいて製品支持範囲モデル135aを生成する。この例の場合の製品支持範囲モデル135aは、固定部201の設置面形状が該当する。これは設置面形状より大きなサーフェスやソリッドに設置面形状の穴を空けたモデルとして表現される。
【0041】
S303では、重心位置計算部134は可変情報141aから各ユニットの可動範囲と計算回数とを取得する。重心位置計算部134は水平回転部202と垂直回転部203の可動範囲内で、万遍なく500通りの可動条件を作成し、その内の最初の可動条件で、第1〜第3擬似モデル131a、132a、133aを生成して重心計算を行い、製品全体の重心位置モデル401を作成する。この重心位置モデル401は製品全体として(すなわち各ユニットを組み立てた製品全体として)の重心位置に作成される点情報や座標系情報である。
【0042】
S304では、自重作用方向モデル生成部136が、設置面傾斜情報142aを取得して自重作用方向モデル136aを生成する。図5は自重作用方向モデル136aの説明図である。自重は重心501から重力の作用方向503、つまり水平な設置面504上に設置する場合(図5(a)参照)は、重心501を通り設置面504に垂直な直線a502の方向に作用する。仮に15°傾いた設置面506に製品を設置すれば(図5(b)参照)、重心の作用方向503は重心501から直線aに対して15°傾いた直線b505の方向に作用する。この直線b505の重心501から設置面までの線分を、直線a502を軸に360度回転させた軌跡で作成される円錐形が自重作用方向モデル136aである。これは設置面があらゆる方向に15°傾斜した場合の、自重の作用方向を表すモデルで、サーフェス或いはソリッドモデルである。
【0043】
S305では、距離測定部137が自重作用方向モデル136aと、製品支持範囲モデル135aとのモデル間最短距離(L)402を測定(算出)する。
S306では計算実行回数がカウントされ、可変情報141aで設定された計算回数(n)に満たない場合はS303に戻り、次の可動条件についてS303からS306の処理を繰り返す。この例では500通りの可動条件に対し繰り返し計算を行い、可動条件毎のデータが蓄積される。計算回数に達すればS307に進む。
【0044】
S307では選別値143aに基づき、必要なデータの抽出を行うかを選択する。選別値143aが設定され、抽出を行う場合はS308に進み、抽出を行わない場合はS309に進む。
【0045】
S308では、データ処理部138が選別値143aに基づきデータを選別し抽出を行う。図4の製品の場合、少なくとも自重作用方向モデル136aが製品支持範囲モデル135aの穴の中に収まっていないと転倒の可能性が高い。
つまりS305で測定されたモデル間最短距離402は、値が大きい程重心位置が良好で、小さいほど悪いという意味を持つ。したがって、選別値143aとしてモデル間最短距離402がある数値以下のものだけ抽出するような値を設定することにより、多くのデータの中から転倒危険度の高いデータだけを抽出することが可能となる。このデータ処理を行わない場合はS309へ進む。
【0046】
S309では、出力部139が、少なくとも可動条件、重心位置、モデル間最短距離402を含む解析結果をテキスト出力する。図6は出力形式の一例を示す。この例では、可動条件(水平回転角、垂直回転角)ごとに重心位置、モデル間最短距離が関係付けられて出力されている。
【0047】
最後にS310では、一連の計算結果をモデルとして可視化する。図7はその結果の表示例を示す図である。S310では、出力部139が出力したテキストデータの内、可動条件ごとの重心位置を参照して、可動条件ごとの自重作用範囲モデル140aをS309で出力された可動条件の数だけ作成する。この時作成される自重作用範囲モデル140aは、可動条件ごとの自重作用方向作成モデル136aの円錐の底面形状を、サーフェス或いはソリッドモデル化したものである。
このようにして図7に示す自重作用範囲モデル701(140a)と製品支持範囲モデル135aとが同時に可視化される。
【0048】
設計者は可視化されたモデルから、その製品を15°傾斜した面に設置した場合でかつ、製品の可動部が様々な状態に変化した場合の、製品の支持範囲と自重の作用範囲とがどのような位置関係に有るかを視覚的に容易に対比することができる。また、製品支持範囲モデル135の中に、設計目標範囲702をカーブ等の情報でモデリングしておくことにより、設計目標との可視的な比較を行うことも可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、傾斜面に設置される据え置き型製品について、その製品の3Dモデルに基づいて、製品の形状が様々に変化した状態での重心解析が可能となる。このように3Dデータ、つまり設計時点において重心解析が可能となることにより、設計者は製品の重心を考慮しながら設計することが可能となる。
【0050】
また、可動条件ごとに、重心位置、モデル間最短距離情報をテキスト出力することにより、製品の可動状態ごとの重心位置が一覧で把握できるとともに、モデル間最短距離情報からその作用範囲が設置面形状に対して適切であるかを把握できる。
【0051】
また、製品全体としての各状態の重心位置を算出する計算回数を設定することにより、設定された計算回数に基づいて各可動ユニットの状態の組み合わせを決定するようにすれば、計算回数の数値設定だけで簡単に重心解析の精度と計算時間との調整を図ることができる。
【0052】
また、自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの関係として自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの間のモデル間最短距離を求めて、製品全体での各可動状態について重心位置とモデル間最短距離との情報を関連付けて出力するようにすれば、転倒しやすさを数値情報として把握することができる。
【0053】
また、選別条件に基づいて重要な情報のみ選別することができるようにすれば、実際の重心計算を多くの条件で行い、検証精度を上げ、必要な情報のみ取り出すことが可能となる。
【0054】
また、自重作用範囲と製品支持範囲とをモデル化して同時に表示することにより、可視的に計算結果を評価することが可能となり、感覚的な重心評価が行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である重心解析装置の構成を示すブロック図。
【図2】FPDテレビの3Dモデルを説明する図。
【図3】重心解析装置による処理手順を説明するフローチャート図。
【図4】重心解析装置による処理を説明する図。
【図5】自重作用方向モデルを説明する図。
【図6】テキスト出力の一例を示す図。
【図7】可視化された製品支持範囲モデルと自重作用範囲モデルとを説明する図。
【符号の説明】
100:3Dモデル
110:形状情報
111:第1形状情報
112:第2形状情報
113:第3形状情報
120:マスプロパティ情報
121:第1マスプロパティ情報
122:第2マスプロパティ情報
123:第3マスプロパティ情報
130:重心解析装置
131:第1擬似モデル生成部
131a:第1擬似モデル
132:第2擬似モデル生成部
132a:第2擬似モデル
133:第3擬似モデル生成部
133a:第3擬似モデル
134:重心位置計算部
134a:重心位置
135:製品支持範囲モデル生成部
135a:製品支持範囲モデル
136:自重作用方向モデル生成部
136a:自重作用方向モデル
137:距離測定部
137a:モデル間最短距離
138:データ処理部
139:出力部
140:自重作用範囲モデル生成部
140a:自重作用範囲モデル
141:可変情報設定部
141a:可変情報
142:設置面傾斜情報設定部
142a:設置面傾斜情報
143:選別条件設定部
143a:選別条件
401:重心位置モデル
402:モデル間最短距離
701:自重作用範囲モデル
702:設計目標範囲
【発明の属する技術分野】
本発明は、3次元(3D)モデルから製品の重心位置を解析する重心解析装置に関し、さらに詳細にはパラメトリック機能を有するCAD装置にて製品の3Dデータを利用し、製品全体としての形状が変化する据え置き型製品の重心位置情報を抽出し、その製品を傾斜面に設置する場合の製品支持範囲の適性可否を判断する重心解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
据え置き型の製品の設計支援ツールとして、昨今、中実のソリッドモデル又は中空のサーフェスモデルを生成でき、これらのモデルの生成方法や履歴、寸法、比重等のパラメータを記憶し、さらに記憶された履歴または値を修正することによって自動的にモデルを計算、修正することが可能なパラメトリック機能を有した3次元CADシステム(3D−CAD)が多用されている。
【0003】
このようなCADシステムでは、3Dモデル情報から単一あるいは複数の部品(ユニット)からなる製品全体の重心位置を算出する機能を有している。また、3Dモデル情報を有効活用し、一部の部品の重量変化に伴う組立品全体の重心位置変化を3Dモデル上で解析し、グラフ上にプロット出力するシステムも考案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
【特許文献1】
特許2719248号公報(第1頁〜第3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般のCADシステムでは、上述したように単一ないし複数の部品からなる製品全体モデルとしての重心位置の算出は可能である。また、特許文献1のシステムにおいては、その一部の部品の質量変化による全体重心変化も求めることができる。しかしながら、単純に重心位置を算出することだけを目的とする場合は、製品が設置される基台の傾斜状態については何ら意識されることはない。
【0006】
実際の据え置き型製品は必ずしも水平な基台面に設置されるとは限らない。傾斜した面に設置する場合で、しかも製品の可動部の位置変化によって重心位置が変化する時も製品が転倒しないように設計しなければならない。そのような配慮を行うためには、単に製品の重心位置だけでなく、傾斜面に設置する場合に重心位置から作用する自重の作用範囲と、基台面に接する製品側の設置面での支持形状、支持範囲とを対比し、設計が適切であるかを知る必要がある。さらに、製品が転倒しないための条件としては、あらゆる傾斜面の傾斜方向、製品の可動部の可動状態が加味されていなければならない。
【0007】
ところが、製品の設置面での自重作用範囲と支持範囲との関係を可動状態ごとに一覧で確認できたり、モデル化によって可視的に対比評価できたりすることはできなかった。
【0008】
そこで本発明は、据え置き型製品であって製品全体に対する位置関係が変化する可動ユニットを備えた製品を、任意角度傾斜した設置面に設置する場合に、変動する重心から作用する自重作用範囲と製品の設置面での支持範囲との関係を評価することができ、設計を支援することができる重心解析装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、なされた本発明の重心解析装置は、少なくとも位置が変化する可動ユニットが含まれる複数のユニットを組み立てることにより構成される製品の重心解析装置であって、各ユニットの3Dモデルの形状情報、各ユニットの重心位置情報および質量情報を含むマスプロパティ情報に基づいて、各ユニットの形状を簡略化した簡略モデルに質量情報と重心位置とを関係付けた擬似モデルを生成する擬似モデル生成部と、製品の設置面での支持範囲を表す製品支持範囲モデルを前記形状情報に基づいて生成する製品支持範囲モデル生成部と、製品に含まれる各可動ユニットの可動範囲を元に、各可動ユニットが取りうる状態を互いに組み合わせることにより形成される製品全体としての状態の各変化態様を可変情報として設定する可変情報設定部と、擬似モデルと可変情報とに基づいて製品全体としての各状態の重心位置を算出する重心位置計算部と、製品を設置する面の傾斜情報を設定する設置面傾斜情報設定部と、製品全体での各状態の重心位置と設置面傾斜情報とに基づいて製品を傾斜面に設置する場合の自重作用方向を表す自重作用方向モデルを生成する自重作用方向モデル生成部と、製品全体での各状態について重心位置と自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの関係を関連付けて出力する出力部とを備えるようにしている。
【0010】
この発明では、複数のユニットにより構成される製品を扱い、特に各ユニットのうち少なくとも一部のユニットは、製品として組み立てたときに可動状態で組み込まれる可動ユニットを含んでいる製品を扱う。
【0011】
可動ユニットを有する製品としてはFPDテレビの他、液晶モニタ、扇風機、電気スタンドなどの1ないし複数の可動部を備えた据え置き型の製品などがある。
【0012】
製品を構成するユニットの数についての制限はないが、製品をユニット化する際は機能ごとに分割する方が重心解析の上で扱いやすい。
また、製品を構成する各ユニットのうちの可動ユニット数は1つだけであっても複数であってもよい。
【0013】
製品を構成する各ユニットについては、3Dモデルの形状情報と、各ユニットの重心位置情報および質量情報を含むマスプロパティ情報とがデータとして作成されている。これらのデータ作成は、CADシステムによる周知の方法でなされる。
擬似モデル生成部は、3Dモデルの形状情報とマスプロパティ情報とに基づいて、各ユニットの形状を簡略化した簡略モデルに質量情報と重心位置とを関係つけた擬似モデルを生成し記憶する。この擬似モデルは、各ユニット単位で生成される。
製品支持範囲モデル生成部は、製品を基台上に設置するときに製品側の設置面となる部分を含むユニットから、製品を設置したときの支持範囲を抽出(算出)し、製品支持範囲モデルを生成し記憶する。
可変情報設定部は、製品に含まれる各ユニットの可動範囲を元に、各可動ユニットが取りうる状態を互いに組み合わせて形成した製品全体としての状態の各変化態様を可変情報として設定し、記憶する。
重心位置計算部は、擬似モデルと可変情報とに基づいて製品全体としての各状態の重心位置を算出し記憶する。
設置面傾斜情報設定部は、製品設置面の傾斜情報を設定し記憶する。
自重作用方向モデル生成部は、算出された各状態の重心位置と設置面傾斜情報とに基づいて製品を傾斜面に設置する場合の自重作用方向を表す自重作用方向モデルを生成し記憶する。
そして出力部は、製品全体での各状態について重心位置と自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの関係を関連付けて出力する。これにより自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの位置関係が得られ、製品がとる各状態の転倒しやすさなどが把握できる。
【0014】
ここで、可変情報設定部は、製品全体としての各状態の重心位置を算出する計算回数を設定することにより、設定された計算回数に基づいて各可動ユニットの状態の組み合わせを決定するようにしてもよい。
これにより、計算時間を十分にかけて高い精度で重心解析を行うことも、あまり時間をかけずに精度を求めないで重心解析を行うこともでき、しかもそのような設定を計算回数という数値の設定だけで簡単に行うことができる。
【0015】
自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの関係として自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの間のモデル間最短距離を求める距離測定部をさらに有し、出力部は製品全体での各可動状態について重心位置と前記モデル間最短距離との情報を関連付けて出力するようにしてもよい。
すなわち、製品支持範囲モデルの範囲内に自重作用方向モデルがあるときは、製品は転倒しにくく、範囲外になると転倒のおそれが生じる。また、自重作用方向モデルが製品支持範囲モデルの周囲から中央に向かうほど安定することになる。
そこで、これらのモデルのモデル間最短距離を求めることにより、転倒しやすさを数値情報として把握することができる。
【0016】
出力部は、製品全体としての各状態について重心位置と前記モデル間最短距離との情報をテキストデータとして出力するようにしてもよい。
これにより製品全体としての可動状態ごとに重心位置、転倒しやすさの目安となるモデル間最短距離を一覧として確認することができる。
【0017】
選別条件を設定する選別条件設定部と、設定した選別条件に基づいて製品全体としての各状態についての重心位置とモデル間最短距離の情報から所望の情報のみ抽出するデータ処理部とをさらに備えてもよい。
これにより、選別条件により必要な情報のみを抽出して出力することができる。
【0018】
製品の設置面において自重が作用する範囲を示す自重作用範囲モデルを生成する自重作用範囲モデル生成部をさらに備え、出力部のひとつとして製品支持範囲モデルと自重作用範囲モデルとを同時に表示する表示装置を含むようにしてもよい。
これにより、製品の支持範囲と自重作用範囲とがどのような位置関係にあるかを視覚的に把握することができる。
【0019】
また、本発明は別の観点から、少なくとも位置が変化する可動ユニットが含まれる複数のユニットを組み立てることにより構成される製品の重心解析装置としての機能をコンピュータに実行あさせるためのコンピュータ読取り可能な重心解析用プログラムであって、各ユニットの3Dモデルの形状情報、各ユニットの重心位置情報および質量情報を含むマスプロパティ情報に基づいて、各ユニットの形状を簡略化した簡略モデルに質量情報と重心位置とを関係付けた擬似モデルを生成する擬似モデル生成部と、製品の設置面での支持範囲を表す製品支持範囲モデルを前記形状情報に基づいて生成する製品支持範囲モデル生成部と、製品に含まれる各可動ユニットの可動範囲を元に、各可動ユニットが取りうる状態を互いに組み合わせることにより形成される製品全体としての状態の各変化態様を可変情報として設定する可変情報設定部と、擬似モデルと可変情報とに基づいて製品全体としての各状態の重心位置を算出する重心位置計算部と、製品を設置する面の傾斜情報を設定する設置面傾斜情報設定部と、製品全体での各状態の重心位置と設置面傾斜情報とに基づいて製品を傾斜面に設置する場合の自重作用方向を表す自重作用方向モデルを生成する自重作用方向モデル生成部と、製品全体での各状態について重心位置と自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの関係を関連付けて出力する出力部としての機能を実行させるためのコンピュータ読取り可能な重心解析用プログラムとして捉えることもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の重心解析装置の実施形態について説明する。ただし、本発明はここで説明する具体例に限定されるものではない。
まず、重心解析装置のハードウェア構成について説明すると、この装置はコンピュータシステムにより構成される。すなわち、キーボードやマウスなどからなる入力装置、液晶パネルやCRTなどからなる出力装置のひとつとしての表示装置、CPUおよびROMおよびRAMおよびHDDおよびI/Oインタフェースなどからなるコンピュータ本体で構成される。また、必要に応じて、プリンタなど表示装置以外の他の出力装置を備えたり、外部メモリであるCDROM、フロッピディスク、ICカード等の記録媒体読取装置を備えたり、LANなどの通信機能を付設したりするようにしてプログラムや外部データ等の読込が必要な場合にデータの送受信ができるようにするのが望ましい。
【0021】
本発明の具体例として複数の可動部を有する据え置き型製品の重心解析を行う場合について説明する。
具体的な製品としてここではフラットパネルディスプレイテレビ(以下FPDテレビと称す。)を例とする。図2はFPDテレビの3Dモデルを説明する図である。このFPDテレビ200の場合、機能ごとに分割し、固定部201、水平回転部202、垂直回転部203の3つにユニット分割するものとする。
【0022】
固定部201は基台に直接設置する部分であり、FPDテレビ200を支持する支持台部分と、水平回転部202や垂直回転部203を支持するための支持軸部分とを有する。固定部200自身は可動するものではない。水平回転部202は固定部201の支持軸の一端に取り付けられ、水平方向に任意角度範囲内(360度でもよい)で回転できるようになっている。垂直回転部203は水平回転部202により支持されるように組付けられ、水平回転部202上で垂直方向に任意角度範囲内で回転できるようになっている。また、組み付け部分の構造上、水平回転部202が水平方向に回転した場合、垂直回転部203も水平方向に連動して回転する。
【0023】
次に、本発明の一実施形態である重心解析装置の構成を機能ごとに分けて説明する。図1は重心解析装置およびこの装置で扱う3Dモデルの構成を示すブロック図である。
【0024】
まず、3Dモデルについて説明する。3Dモデル100は、重心解析装置130で設計を行おうとする製品(本例ではFPDテレビ200)に関する情報であり、予めCADシステムにより作成したものである。この3Dモデル100には、実際の製品の形状情報110が機能ごとにユニット化された形式で含まれている。すなわち、形状情報110はユニットごとに3つに分けられ、第1形状情報111は固定部201の3Dモデルの情報、第2形状情報112は水平回転部202の3Dモデルの情報、第3形状情報113は垂直回転部203の3Dモデルの情報を有している。
【0025】
3Dモデル100には、形状情報110の他に、少なくともユニットごとの重心位置と質量情報とがマスプロパティ情報120として備えられている。すなわち、第1マスプロパティ情報121は第1形状情報111に対する重心位置と質量情報を、第2マスプロパティ情報122は第2形状情報112に対する重心位置と質量情報を、第3マスプロパティ情報123は第3形状情報113に対する重心位置と質量情報をそれぞれ有している。
なお、形状情報110及びマスプロパティ情報120は、ユニットの数に応じて増減することができる。
【0026】
次に、重心解析装置130について説明する。この装置は、機能的に分けると擬似モデル生成部(第1擬似モデル生成部131、第2擬似モデル生成部132、第3擬似モデル生成部133)と、重心位置計算部134と、製品支持範囲モデル生成部135と、自重作用方向モデル生成部136と、距離測定部137と、データ処理部138と、出力部(テキスト出力部)139と、自重作用範囲モデル生成部140と、可変情報設定部141と、設置面傾斜情報設定部142と、選別条件設定部143とから構成される。
【0027】
可変情報設定部141は、製品の各ユニットの可動範囲(上限、下限)を定義する値と、可動範囲内で幾通りの可動条件に対して重心算出を行うかの計算回数とを設定し、これらの値を可変情報141aとして記憶することで利用できるようにする。
可変情報141aに含まれる数値を具体的に説明すると、水平回転部202の可動範囲、例えば右に20°、左に20°という数値情報、垂直方向部203の可動範囲、例えば前に5°、後ろに15°という数値情報である。
また、計算回数はその可動範囲内での水平回転部202と垂直回転部203の可動状況を、幾通りの組み合わせにおいて重心算出するのかを設定する数値情報である。この数値が多いほど多くの可動状態の組み合わせについての検証が行えるため、高い精度の検証を行う場合はこの数値を大きくする(ただし、数値を大きくすれば精度が高くなる代わりに、処理時間を要することになる)。ここでは500回と設定する。
【0028】
設置面傾斜情報設定部142は、製品の設計条件のひとつである製品を設置する面の傾斜角度を設置面傾斜情報142aとして設定し、記憶することで利用できるようにする。
【0029】
選別条件設定部143は、後述するデータ処理部138においてデータの選別に必要な条件を選別条件値143aとして設定し、記憶することで利用できるようにする。
【0030】
擬似モデル生成部(より詳しくは第1擬似モデル生成部131、第2擬似モデル生成部132、第3擬似モデル生成部133)は、形状情報110(第1形状情報111〜第3形状情報113)ないしはマスプロパティ情報120(第1マスプロパティ情報121〜第3マスプロパティ情報123)に基づいて、各ユニットと同質量で同重心の簡単な形状のソリッドからなる擬似モデル(第1擬似モデル131a、第2擬似モデル132a、第3擬似モデル133a)を生成する。
【0031】
重心位置計算部134は、可変情報141a、第1擬似モデル131a、第2擬似モデル132a、第3擬似モデル133aから各ユニットを組み立てた製品全体としての重心位置を計算し、重心位置モデル134aとして記憶する。製品全体としての重心位置の計算に用いる算術式自体は公知の計算式を用いる。
【0032】
製品支持範囲モデル生成部135は、3Dモデル100の形状情報110から、製品の設置面を有するユニットを抽出し(この抽出は設計者が指示するかまたは各ユニットの位置関係等から自動抽出することによる)、製品が設置面上で製品自体の自重を支持する範囲をモデル化し、製品支持範囲モデル135aを生成する。
【0033】
自重作用方向モデル生成部136は、製品全体の重心位置と設置面傾斜情報142aから製品全体の重心位置134aに作用する自重の作用方向をモデル化し、自重作用方向モデル136aを生成する。
【0034】
距離測定部137は、製品支持範囲モデル135aと自重作用方向モデル136aとの距離を測定し、モデル間最短距離(L)を求める。
【0035】
データ処理部138は、選別条件143aに基づいてデータを選別する。たとえば、モデル間最短距離(L)に関する選別値(モデル間距離(L)は製品の転倒しやすさの目安となる)を設定して、安定なデータのみを抽出したい場合などに用いる。このデータ処理部133での処理は、設計者の必要に応じて任意に実行する。
【0036】
出力部139は、算出された製品全体での各状態の重心位置、モデル間最短距離(L)などの出力情報を出力する。出力形式は出力装置の種類により異なるが、表示装置に出力する場合は自重作用方向モデル136aや製品支持範囲モデル135aを画面表示したり、可動条件ごとに、重心位置、モデル間最短距離をテーブル形式にてテキストデータで出力したりする。
出力装置としてプリンタを接続した場合は、自重作用方向モデル136aや製品支持範囲モデル135aを印刷したり、可動条件ごとの重心位置、モデル間最短距離を印刷したりする。
【0037】
自重作用範囲モデル生成部140は、可動条件ごとの製品全体の重心位置から、設置面上での重心作用範囲をサーフェス或いはソリッドモデル化し、自重作用範囲モデル140aを生成する。
【0038】
次に、この重心解析装置による動作を説明する。図3は重心解析装置130の処理手順を説明するフローチャートである。また、図4は本発明の重心解析装置130による処理を説明する図である。
【0039】
S301では、第1〜第3擬似モデル生成部131〜133が、形状情報110とマスプロパティ情報120を取得し、第1〜第3擬似モデル131a〜133aを生成する。図4に示すように、第1擬似モデル131は第1マスプロパティ情報121から生成された固定部201の擬似モデルである。この擬似モデル131aでは、固定部201自体の外形形状は省略されて表示されておらず、その重心位置に相当するXYZ座標位置に、簡易モデルが表示されている。第2擬似モデル132aは第2マスプロパティ情報122から生成された水平回転部202の擬似モデルである。第3擬似モデル133aは第3マスプロパティ情報123から生成された垂直回転部203の擬似モデルである。これらも同様である。
【0040】
次に、S302で形状情報110(より詳細には設置面を有する第1形状情報111)に基づいて製品支持範囲モデル135aを生成する。この例の場合の製品支持範囲モデル135aは、固定部201の設置面形状が該当する。これは設置面形状より大きなサーフェスやソリッドに設置面形状の穴を空けたモデルとして表現される。
【0041】
S303では、重心位置計算部134は可変情報141aから各ユニットの可動範囲と計算回数とを取得する。重心位置計算部134は水平回転部202と垂直回転部203の可動範囲内で、万遍なく500通りの可動条件を作成し、その内の最初の可動条件で、第1〜第3擬似モデル131a、132a、133aを生成して重心計算を行い、製品全体の重心位置モデル401を作成する。この重心位置モデル401は製品全体として(すなわち各ユニットを組み立てた製品全体として)の重心位置に作成される点情報や座標系情報である。
【0042】
S304では、自重作用方向モデル生成部136が、設置面傾斜情報142aを取得して自重作用方向モデル136aを生成する。図5は自重作用方向モデル136aの説明図である。自重は重心501から重力の作用方向503、つまり水平な設置面504上に設置する場合(図5(a)参照)は、重心501を通り設置面504に垂直な直線a502の方向に作用する。仮に15°傾いた設置面506に製品を設置すれば(図5(b)参照)、重心の作用方向503は重心501から直線aに対して15°傾いた直線b505の方向に作用する。この直線b505の重心501から設置面までの線分を、直線a502を軸に360度回転させた軌跡で作成される円錐形が自重作用方向モデル136aである。これは設置面があらゆる方向に15°傾斜した場合の、自重の作用方向を表すモデルで、サーフェス或いはソリッドモデルである。
【0043】
S305では、距離測定部137が自重作用方向モデル136aと、製品支持範囲モデル135aとのモデル間最短距離(L)402を測定(算出)する。
S306では計算実行回数がカウントされ、可変情報141aで設定された計算回数(n)に満たない場合はS303に戻り、次の可動条件についてS303からS306の処理を繰り返す。この例では500通りの可動条件に対し繰り返し計算を行い、可動条件毎のデータが蓄積される。計算回数に達すればS307に進む。
【0044】
S307では選別値143aに基づき、必要なデータの抽出を行うかを選択する。選別値143aが設定され、抽出を行う場合はS308に進み、抽出を行わない場合はS309に進む。
【0045】
S308では、データ処理部138が選別値143aに基づきデータを選別し抽出を行う。図4の製品の場合、少なくとも自重作用方向モデル136aが製品支持範囲モデル135aの穴の中に収まっていないと転倒の可能性が高い。
つまりS305で測定されたモデル間最短距離402は、値が大きい程重心位置が良好で、小さいほど悪いという意味を持つ。したがって、選別値143aとしてモデル間最短距離402がある数値以下のものだけ抽出するような値を設定することにより、多くのデータの中から転倒危険度の高いデータだけを抽出することが可能となる。このデータ処理を行わない場合はS309へ進む。
【0046】
S309では、出力部139が、少なくとも可動条件、重心位置、モデル間最短距離402を含む解析結果をテキスト出力する。図6は出力形式の一例を示す。この例では、可動条件(水平回転角、垂直回転角)ごとに重心位置、モデル間最短距離が関係付けられて出力されている。
【0047】
最後にS310では、一連の計算結果をモデルとして可視化する。図7はその結果の表示例を示す図である。S310では、出力部139が出力したテキストデータの内、可動条件ごとの重心位置を参照して、可動条件ごとの自重作用範囲モデル140aをS309で出力された可動条件の数だけ作成する。この時作成される自重作用範囲モデル140aは、可動条件ごとの自重作用方向作成モデル136aの円錐の底面形状を、サーフェス或いはソリッドモデル化したものである。
このようにして図7に示す自重作用範囲モデル701(140a)と製品支持範囲モデル135aとが同時に可視化される。
【0048】
設計者は可視化されたモデルから、その製品を15°傾斜した面に設置した場合でかつ、製品の可動部が様々な状態に変化した場合の、製品の支持範囲と自重の作用範囲とがどのような位置関係に有るかを視覚的に容易に対比することができる。また、製品支持範囲モデル135の中に、設計目標範囲702をカーブ等の情報でモデリングしておくことにより、設計目標との可視的な比較を行うことも可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、傾斜面に設置される据え置き型製品について、その製品の3Dモデルに基づいて、製品の形状が様々に変化した状態での重心解析が可能となる。このように3Dデータ、つまり設計時点において重心解析が可能となることにより、設計者は製品の重心を考慮しながら設計することが可能となる。
【0050】
また、可動条件ごとに、重心位置、モデル間最短距離情報をテキスト出力することにより、製品の可動状態ごとの重心位置が一覧で把握できるとともに、モデル間最短距離情報からその作用範囲が設置面形状に対して適切であるかを把握できる。
【0051】
また、製品全体としての各状態の重心位置を算出する計算回数を設定することにより、設定された計算回数に基づいて各可動ユニットの状態の組み合わせを決定するようにすれば、計算回数の数値設定だけで簡単に重心解析の精度と計算時間との調整を図ることができる。
【0052】
また、自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの関係として自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの間のモデル間最短距離を求めて、製品全体での各可動状態について重心位置とモデル間最短距離との情報を関連付けて出力するようにすれば、転倒しやすさを数値情報として把握することができる。
【0053】
また、選別条件に基づいて重要な情報のみ選別することができるようにすれば、実際の重心計算を多くの条件で行い、検証精度を上げ、必要な情報のみ取り出すことが可能となる。
【0054】
また、自重作用範囲と製品支持範囲とをモデル化して同時に表示することにより、可視的に計算結果を評価することが可能となり、感覚的な重心評価が行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である重心解析装置の構成を示すブロック図。
【図2】FPDテレビの3Dモデルを説明する図。
【図3】重心解析装置による処理手順を説明するフローチャート図。
【図4】重心解析装置による処理を説明する図。
【図5】自重作用方向モデルを説明する図。
【図6】テキスト出力の一例を示す図。
【図7】可視化された製品支持範囲モデルと自重作用範囲モデルとを説明する図。
【符号の説明】
100:3Dモデル
110:形状情報
111:第1形状情報
112:第2形状情報
113:第3形状情報
120:マスプロパティ情報
121:第1マスプロパティ情報
122:第2マスプロパティ情報
123:第3マスプロパティ情報
130:重心解析装置
131:第1擬似モデル生成部
131a:第1擬似モデル
132:第2擬似モデル生成部
132a:第2擬似モデル
133:第3擬似モデル生成部
133a:第3擬似モデル
134:重心位置計算部
134a:重心位置
135:製品支持範囲モデル生成部
135a:製品支持範囲モデル
136:自重作用方向モデル生成部
136a:自重作用方向モデル
137:距離測定部
137a:モデル間最短距離
138:データ処理部
139:出力部
140:自重作用範囲モデル生成部
140a:自重作用範囲モデル
141:可変情報設定部
141a:可変情報
142:設置面傾斜情報設定部
142a:設置面傾斜情報
143:選別条件設定部
143a:選別条件
401:重心位置モデル
402:モデル間最短距離
701:自重作用範囲モデル
702:設計目標範囲
Claims (7)
- 少なくとも位置が変化する可動ユニットが含まれる複数のユニットを組み立てることにより構成される製品の重心解析装置であって、
各ユニットの3Dモデルの形状情報、各ユニットの重心位置情報および質量情報を含むマスプロパティ情報に基づいて、各ユニットの形状を簡略化した簡略モデルに質量情報と重心位置とを関係付けた擬似モデルを生成する擬似モデル生成部と、
製品の設置面での支持範囲を表す製品支持範囲モデルを前記形状情報に基づいて生成する製品支持範囲モデル生成部と、
製品に含まれる各可動ユニットの可動範囲を元に、各可動ユニットが取りうる状態を互いに組み合わせることにより形成される製品全体としての状態の各変化態様を可変情報として設定する可変情報設定部と、
擬似モデルと可変情報とに基づいて製品全体としての各状態の重心位置を算出する重心位置計算部と、
製品を設置する面の傾斜情報を設定する設置面傾斜情報設定部と、
製品全体での各状態の重心位置と設置面傾斜情報とに基づいて製品を傾斜面に設置する場合の自重作用方向を表す自重作用方向モデルを生成する自重作用方向モデル生成部と、
製品全体での各状態について重心位置と自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの関係を関連付けて出力する出力部とを備えたことを特徴とする重心解析装置。 - 可変情報設定部は、製品全体としての各状態の重心位置を算出する計算回数を設定することにより、設定された計算回数に基づいて各可動ユニットの状態の組み合わせを決定することを特徴とする請求項1に記載の重心解析装置。
- 自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの関係として自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの間のモデル間最短距離を求める距離測定部をさらに有し、出力部は製品全体での各状態について重心位置とモデル間最短距離との情報を関連付けて出力することを特徴とする請求項1に記載の重心解析装置。
- 出力部は、製品全体としての各状態について重心位置とモデル間最短距離との情報をテキストデータとして出力することを特徴とする請求項3に記載の重心解析装置。
- 選別条件を設定する選別条件設定部と、設定した選別条件に基づいて製品全体としての各状態についての重心位置とモデル間最短距離の情報から所望の情報のみ抽出するデータ処理部とをさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の重心解析装置。
- 自重作用方向モデルから製品の設置面において自重が作用する範囲を抽出することにより自重作用範囲モデルを生成する自重作用範囲モデル生成部をさらに備え、出力部として製品支持範囲モデルと自重作用範囲モデルとを同時に表示する表示装置を有することを特徴とする請求項1に記載の重心解析装置。
- 少なくとも位置が変化する可動ユニットが含まれる複数のユニットを組み立てることにより構成される製品の重心解析装置としての機能をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読取り可能な重心解析用プログラムであって、
各ユニットの3Dモデルの形状情報、各ユニットの重心位置情報および質量情報を含むマスプロパティ情報に基づいて、各ユニットの形状を簡略化した簡略モデルに質量情報と重心位置とを関係付けた擬似モデルを生成する擬似モデル生成部と、
製品の設置面での支持範囲を表す製品支持範囲モデルを前記形状情報に基づいて生成する製品支持範囲モデル生成部と、
製品に含まれる各可動ユニットの可動範囲を元に、各可動ユニットが取りうる状態を互いに組み合わせることにより形成される製品全体としての状態の各変化態様を可変情報として設定する可変情報設定部と、
擬似モデルと可変情報とに基づいて製品全体としての各状態の重心位置を算出する重心位置計算部と、
製品を設置する面の傾斜情報を設定する設置面傾斜情報設定部と、
製品全体での各状態の重心位置と設置面傾斜情報とに基づいて製品を傾斜面に設置する場合の自重作用方向を表す自重作用方向モデルを生成する自重作用方向モデル生成部と、
製品全体での各状態について重心位置と自重作用方向モデルと製品支持範囲モデルとの関係を関連付けて出力する出力部としての機能を実行させるためのコンピュータ読取り可能な重心解析用プログラム。
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JP2017004574A (ja) * | 2013-09-30 | 2017-01-05 | キヤノンマーケティングジャパン株式会社 | 情報処理装置、その制御方法、及びプログラム |
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2003
- 2003-02-25 JP JP2003047736A patent/JP2004258890A/ja active Pending
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