JP2004258835A - 在宅介護遠隔支援システム - Google Patents

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Yoshiaki Hanzawa
良明 半沢
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Abstract

【課題】在宅被介護者の使用するパソコンを広域ネットワークに常時接続しておく必要がなく、任意の時間に被介護者の手をわずらわせることなく、介護支援者側より広域ネットワークを介してコミュニケーションを取りながら遠隔介護を可能とするシステムを提供する。
【解決手段】介護支援者が使用するホストパソコン又は移動体端末機器と、被介護者が使用するクライアントパソコンとが、広域ネットワークを介して接続された在宅介護遠隔支援システムにおいて、
前記ホストパソコン又は移動体端末機器は、前記広域ネットワークを介して電源オフ状態の前記クライアントパソコンを起動させる遠隔起動手段と、
起動した前記クライアントパソコンを操作する遠隔操作手段と
を具備する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネットで代表される広域ネットワークを介した在宅介護遠隔支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
在宅介護は、介護支援者が被介護者宅を訪問して身の回りのケアーをする等の行為が一般的であるが、広域ネットワークを使った遠隔介護の現状では、遠隔地間で患者の医療情報を交換するシステムや、常時接続のWeb上で被介護者周辺に各種センサーを設置し、信号やデータを介護支援センターに転送し、そこで各種情報を管理するシステムが実用化されている。
【0003】
更に、介護支援者側から広域ネットワークを介して被介護者宅の端末の電源管理を遠隔操作する技術も開示されている。図3は、特許文献に開示されている在宅介護支援システムの機能ブロック図である。点線のブロック100は介護支援センター者側、点線のブロック200は要介護者側であり、両者はISDN公衆回線を介して広域ネットワーク1で結ばれている。
【0004】
介護支援センター側100において、101は中央制御部、102及び103はこの中央制御部で管理されるビデオカメラ及びマイクである。要介護者側200において、201は端末制御部、202及び203はこの端末制御部で管理されるビデオカメラ及びマイクである。204は同じくこの端末制御部で管理される表示部である。
【0005】
更に、要介護者側200において、205は電源モード切り換え部、206は端末側電源/通信管理部である。電源モード切り換え部205は、端末側制御部201,ビデオカメラ202,マイク203,表示部204の電源を、通常モードと節電モードのいずれかのモードに切り換えることができる。端末側電源/通信管理部206は、介護支援センター100側から広域ネットワーク1を介して受信した制御信号によって前記電源モード切り換え部205を制御し、通信時は各要素の電源をオンにする通常モードとし、非通信時は電源をオフにする節電モードに操作する。
【0006】
【特許文献】
特開平10−224756「在宅介護支援システム」
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
現在の標準的な環境では、介護支援センター側100の中央制御部101及び要介護者側200の端末制御部201はパソコンで実現され、TCP/IPプロトコルで広域ネットワークを介して通信する形態となる。この場合に問題になるのは、要介護者側200の端末制御部201の電源をオフにしても電源モード切り換え部205の機能及び端末側電源/通信管理部206の機能は常に生きている必要があり、通電されている。
【0008】
従って要介護者側200のパソコン電源を完全に切ることができない。使用していない機器に対する通電はできるだけ節電したい、という要介護者側の生活スタイルに対してストレスとなり、介護の質の低下を招く。
【0009】
要介護者側200の全ての機器の電源をオフとした場合には、広域ネットワークを介して介護支援センター側100から被介護者の情報(安否)を得ようとした場合、通常機能を停止した状態のパソコンから任意の時間に被介護者にアクセスすることが出来ない。
【0010】
即ち、被介護者と介護支援者間が広域ネットワークによりコミュニケーションを取ろうとした場合、双方がパソコンの電源を入力する行為から使用可能状態にする必要がある。しかしながら、被介護者側の問題として高齢者が多く、パソコンの操作方法が分からなかったり、不慣れである場合、身体的なハンデーを持っている場合もある。このため、広域ネットワークを使用可能状態にするための操作段階で障害があり、広域ネットワークによるコミュニケーションを利用した介護は普及していない状況にある。
【0011】
本発明の目的は、在宅被介護者の使用するパソコンを広域ネットワークに常時接続しておく必要がなく、任意の時間に被介護者の手をわずらわせることなく、介護支援者側より広域ネットワークを介してコミュニケーションを取りながら遠隔介護を可能とするシステムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するための本発明の構成は次の通りである。
(1)介護支援者が使用するホストパソコン又は移動体端末機器と、被介護者が使用するクライアントパソコンとが、広域ネットワークを介して接続された在宅介護遠隔支援システムにおいて、
前記ホストパソコン又は移動体端末機器は、前記広域ネットワークを介して電源オフ状態の前記クライアントパソコンを起動させる遠隔起動手段と、
起動した前記クライアントパソコンを操作する遠隔操作手段と
を具備することを特徴とする、在宅介護遠隔支援システム。
【0013】
(2)前記遠隔起動手段は、ウェイク・オン・ラン命令により、前記クライアントパソコンのネットワーク接続カードの固有アドレスにアクセスして実行されることを特徴とする、請求項1記載の在宅介護遠隔支援システム。
【0014】
(3)前記遠隔操作手段は、リモートデスクトップ・プログラムにより、前記クライアントパソコンにログオンして実行されることを特徴とする、請求項1記載の在宅介護遠隔支援システム。
【0015】
(4)前記遠隔操作手段は、前記クライアントパソコンを前記広域ネットワークに接続するための操作手順を実行することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の在宅介護遠隔支援システム。
【0016】
(5)前記遠隔操作手段は、前記クライアントパソコンの電源をオフにするための操作手順を実行することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の在宅介護遠隔支援システム。
【0017】
(6)前記遠隔操作手段は、前記クライアントパソコンを、前記広域ネットワークに接続された他の被介護者の使用するクライアントパソコンと通信するための操作手順を実行することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の在宅介護遠隔支援システム。
【0018】
(7)前記移動体端末機器は、動画及び音声データ通信を行なうためのIP電話機能を搭載したことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の在宅介護遠隔支援システム。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明実施態様を、図面を用いて説明する。図1は本発明を適用した在宅介護遠隔支援システムの一例を示す機能ブロック図であり、広域ネットワーク1を利用した在宅介護遠隔支援システムとしての基本構成は、図3の従来システムと同様である。
【0020】
図1において、1は広域ネットワーク、1aはネットワーク上に設けられた無線LANアクセスポイントである。2は介護支援者側施設、3はこの施設において広域ネットワーク1に接続されたホストパソコン、4はこのパソコンに接続された音声入出力部、5はWebカメラ、6はホストパソコン3を使用する介護支援者である。
【0021】
7は在宅被介護者宅、8はこの介護者宅において広域ネットワーク1に接続されたクライアントパソコン、9はこのパソコンに接続された音声入出力部、10はWebカメラ、11はクライアントパソコン8を使用する被介護者である。12は他の在宅被介護者宅、13はこの介護者宅において広域ネットワーク1に接続されたクライアントパソコン、14はこのパソコンに接続された音声入出力部、15はWebカメラ、16はクライアントパソコン13を使用する他の被介護者である。
【0022】
点線のブロック17は、介護支援者が移動するモバイル環境を示す。18は移動する介護支援者であり、前記の介護支援者6と同一人である場合も他の介護支援者である場合もある。19は介護支援者の携帯する移動体端末機器であり、現在実用化されている機器では、無線IP携帯電話、無線LANカード付きPDA、無線LANカード付きノートパソコン等で実現され、無線LANアクセスポイント1aと通信し、広域ネットワーク1に接続されたクライアントパソコン8,13にIP(Internet Protocol)接続する。
【0023】
このようなネットワーク接続構成において、介護支援者側より在宅の被介護者に提供される本発明特有の支援について説明する。支援の第1は、ホストパソコン3又は移動体端末機器19は、広域ネットワーク1を介して電源オフ状態のクライアントパソコンを起動させる遠隔起動支援(A)である。
【0024】
支援の第2は、起動したクライアントパソコンのデスクトップ操作をホスト側から実行する遠隔操作支援(B)である。支援の第3は、起動した複数のクライアントパソコンのデスクトップ操作をホスト側から実行し、クライアントパソコン間の通信を可能とする相互接続支援(C)である。
【0025】
遠隔起動支援を実行する具体的な手段は、フリーソフトとしても入手可能なウェイク・オン・ラン((Wake On Lan 、以下WOL)命令により、クライアントパソコンのネットワーク接続カードの固有アドレス(MACアドレス)にアクセスして実行される。この命令の実行により、電源がオフ状態のパソコンを起動することが可能である。
【0026】
遠隔操作支援及び相互接続支援を具体的に実行する手段は、パソコン標準OSでサポートされているリモートデスクトップ・プログラムにより、クライアントパソコンにログオンして実行される。このプログラムは、遠隔点にあるパソコンのデスクトップを見かけ上自己のデスクトップと同様に操作することが可能である。
【0027】
遠隔操作手段の内容は、クライアントパソコンを前記広域ネットワークに接続するための操作手順を実行すること、及び介護支援の終了時点でクライアントパソコンの電源をオフにするための操作手順を実行することである。相互接続支援では、クライアントパソコンを、広域ネットワークに接続された他の被介護者の使用するクライアントパソコンと通信するための操作手順を実行する。
【0028】
移動体端末機器19は、データ通信機能に加えて動画及び音声データ通信を行なうためのIP電話機能を搭載することにより、ホストパソコン3と同等の機能を持たせることが可能となる。第4世代携帯電話として規格化及び実用化が進められている高速(10MBPS、将来は100MBPS)でオールIP化されたブラウザ搭載の無線IP携帯電話の使用が有効である。
【0029】
移動体端末機器19と通信する無線LANアクセスポイント1aは、飲食店チェーンやホテル、駅等で近年サービスが拡大しているパソコンやPDA向けの無線LANアクセスポイントを利用することが可能である。
【0030】
このような環境において、介護支援者は任意の時間に、在宅被介護者側の機能を停止しているクライアントパソコンに対して、遠隔地の介護支援者側のホストパソコンまたは携帯電話等から遠隔起動(WOL)操作をすることにより、被介護者側のクライアントパソコンを起動する。起動後、クライアントパソコンの画面に対して遠隔操作(リモートディスクトップ)することにより、被介護者の手を介さずにクライアントパソコンを広域ネットワークに接続して使用可能状態にする。この一連の操作により、広域ネットワーク使用可能環境下で、在宅被介護者と介護支援者間とのコミュニケーションによる介護を行う。
【0031】
このような環境下における介護のコンテンツの例としては、次のようなサービスが可能である。
(1)被介護者の健康管理(問診・血圧・脈拍等を収集データーベース化しその活用)。
(2)被介護者の話相手となり、被介護者の精神的安定を得る。
(3)被介護者との対話から被介護者の要求を確認し、訪問介護士や医師に連絡する。
(4)教育・習い事等の遠隔指導。
(5)被介護者間のコミュニケーションの橋渡し。
(6)コミュニケーションの取れない痴呆症などの症状が進んだ被介護者の対応。(7)Webカメラ等の監視機器により、被介護者の存在及び行動などを監視し被介護者の安否を確認し、その結果を被介護者保護者または関係者にインターネットを通じて報告する。
(8)コミュニケーション終了後に、介護支援者側のホストパソコンまたは携帯電話等から、被介護者側のクライアントパソコンに遠隔停止操作を実施し、遠隔在宅介護を終了する。
(9)介護支援者として家庭の主婦・学生等のパートタイマーによる介護支援も可能とし、在宅勤務形態にて在宅介護遠隔支援システムをビジネスとして運用する。
【0032】
図2は、図1の構成要素のうち、介護支援者側施設2並びに在宅介護者宅7及び12における機器構成の具体例を示す機能ブロック図であり、図1と同一要素には同一符号を付し、説明を省略する。
【0033】
介護支援者側施設2のホストパソコン3は、パソコンOS3a上にWOL機能搭載のLAN制御部3b、端末電源管理部3c、リモートデスクトップ機能搭載の端末制御部3dを有する。端末制御部3dは、画面表示部3e及び図1で示した音声入出力部4,Webカメラ5を制御する。3fは端末入力操作部である。
【0034】
在宅介護者宅7のクライアントパソコン8において、8a乃至8fの要素は、ホストパソコン3の3a乃至3fの要素に対応する。同様に在宅介護者宅12のクライアントパソコン13において、13a乃至13fの要素は、ホストパソコン3の3a乃至3fの要素に対応するので、説明を省略する。
【0035】
この実施形態では、ホストパソコン及びクライアントパソコンの広域ネットワーク接続は、ADSLによるブロードバンド接続である。介護支援者側施設2のホストパソコン3は、スプリッタ21及びADSLモデム22を介して広域ネットワーク1に接続されている。23はスプリッタ21で分岐した電話機である。
【0036】
在宅介護者宅7におけるスプリッタ71、ADSLモデム72、電話機73及び在宅介護者宅12におけるスプリッタ121、ADSLモデム122、電話機123の要素は、介護支援者側施設2のスプリッタ21、ADSLモデム22、電話機23の要素に対応するので、説明を省略する。
【0037】
携帯電話のデータ通信速度が格段に向上し、全国をカバーする現在の携帯電話基地局との通信で広域ネットワークに接続された機器にオールIP化接続が可能となれば、介護支援者は、無線LANアクセスポイントを利用せずに全国任意の場所から本発明の在宅介護遠隔支援システムを利用することが可能となる。
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果を期待することができる。
(1)WOLの利用により、クライアントパソコン電源を完全に切っておくことが可能であり、使用していない機器に対する通電はできるだけ節電したい、という要介護者側の生活スタイルにマッチし、介護の質が向上する。
(2)被介護者と介護支援者間及び被介護者同志が広域ネットワークによりコミュニケーションを取ろうとした場合、被介護者側のクライアントパソコンの電源を入力する行為から使用可能状態にする操作を必要とするが、本発明によればこの操作を介護支援者側から一方的に実行することが可能である。従って、被介護者側が高齢者でパソコンの操作方法が分からなかったり、不慣れである場合、身体的なハンデーを持っている場合でも、ネットワークを使用可能状態にするための操作段階での障害が解消し、広域ネットワークを利用した介護及び被介護者相互のコミュニケーションの普及に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明を適用した在宅介護遠隔支援システムの一例を示す機能ブロック図である。
【図2】図1の構成要素のうち、介護支援者側施設及び在宅介護者宅における機器構成の具体例を示す機能ブロック図である。
【図3】特許文献記載の、在宅介護支援システムの機能ブロック図である。図である。
【符号の説明】
1 広域ネットワーク
1a 無線LANアクセスポイント
2 介護支援者側施設
3 ホストパソコン
4、9、14 音声入出力部
5、10、15 Webカメラ
6、18 介護支援者
7、12 在宅介護者宅
8、13 クライアントパソコン
11、16 被介護者
17 モバイル環境
19 移動体端末機器

Claims (7)

  1. 介護支援者が使用するホストパソコン又は移動体端末機器と、被介護者が使用するクライアントパソコンとが、広域ネットワークを介して接続された在宅介護遠隔支援システムにおいて、
    前記ホストパソコン又は移動体端末機器は、前記広域ネットワークを介して電源オフ状態の前記クライアントパソコンを起動させる遠隔起動手段と、
    起動した前記クライアントパソコンを操作する遠隔操作手段と
    を具備することを特徴とする、在宅介護遠隔支援システム。
  2. 前記遠隔起動手段は、ウェイク・オン・ラン命令により、前記クライアントパソコンのネットワーク接続カードの固有アドレスにアクセスして実行されることを特徴とする、請求項1記載の在宅介護遠隔支援システム。
  3. 前記遠隔操作手段は、リモートデスクトップ・プログラムにより、前記クライアントパソコンにログオンして実行されることを特徴とする、請求項1記載の在宅介護遠隔支援システム。
  4. 前記遠隔操作手段は、前記クライアントパソコンを前記広域ネットワークに接続するための操作手順を実行することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の在宅介護遠隔支援システム。
  5. 前記遠隔操作手段は、前記クライアントパソコンの電源をオフにするための操作手順を実行することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の在宅介護遠隔支援システム。
  6. 前記遠隔操作手段は、前記クライアントパソコンを、前記広域ネットワークに接続された他の被介護者の使用するクライアントパソコンと通信するための操作手順を実行することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の在宅介護遠隔支援システム。
  7. 前記移動体端末機器は、動画及び音声データ通信を行なうためのIP電話機能を搭載したことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の在宅介護遠隔支援システム。
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