JP2004257555A - 回転伝達機構及びズームレンズカメラ - Google Patents

回転伝達機構及びズームレンズカメラ Download PDF

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Abstract

【課題】 回転環の特定の回転位相のみの回転を被駆動部材に連動させる回転伝達機構において、小型化と高精度の駆動を両立させる。
【解決手段】 ギヤ部を有する回転環;及び、回転軸方向に位置を異ならせてギヤ部と断面非円形の回転規制部を備えた回転伝達ギヤ;を備え、回転環と回転伝達ギヤは該回転伝達ギヤの回転軸方向成分を含む方向に相対移動可能で、所定の相対位置では回転環と回転伝達ギヤのギヤ部が互いに噛合し、別の相対位置では、回転環のギヤ部が回転規制部に対向して回転伝達ギヤの回転が規制されることを特徴とする回転伝達機構。
【選択図】 図37

Description

本発明は、ズームレンズカメラなどに搭載される回転伝達機構、及びズームレンズカメラに関する。
撮影光学系の変倍動作に連動するズームファインダやズームストロボを搭載したズームレンズカメラが知られており、この種のカメラでは、撮影光学系を駆動するための回転環からズームファインダやズームストロボの駆動力を得ていることが多い。そして、撮影光学系をズーム領域で駆動するのみならず収納状態にもすることが可能なタイプのカメラでは、撮影光学系が撮影状態(ズーム領域)と収納状態の間にあるときには、ズームファインダやズームストロボに対する上記の連動を断つ必要がある。従来、連動を断つために、撮影光学系側の回転環が回転してもズームファインダやズームストロボが駆動されないような何らかの空走区間を伝動機構中に設けていた。
しかし、伝動機構の小型化と被駆動部材に対する駆動精度を考慮した場合、以上のような空走区間はできるだけ設けない方が好ましい。例えば、伝動機構がカムを含む場合、カムに空走区間を追加すればカム全体が大型化してしまうし、カムの大きさを変えずに空走区間を設定すれば、その他のカム領域の形状に制約が及んで理想的なカム形状が得にくくなる。これはズームレンズカメラに限らず言えることであり、回転環と被駆動部材を、回転環の一部の動作状態では連動させ、それ以外の動作状態では連動させないようにする機構全般では、機構の小型化及び駆動精度確保といった観点から上記のような空走区間はできるだけ少なくすることが望ましい。
したがって、本発明は、回転環のうち特定の回転位相の回転のみを被駆動部材に連動させる回転伝達機構において、小型化と精度の高い駆動を両立させることを目的とする。本発明はまた、撮影状態で撮影光学系を連動光学系に連動させ、収納状態では連動させないズームレンズカメラにおいて、撮影光学系と連動光学系を連動させる機構を駆動精度を損なわずに小型に構成することを目的とする。
本発明の回転伝達機構は、ギヤ部を有する回転環、及び回転軸方向に位置を異ならせてギヤ部と断面非円形の回転規制部を備えた回転伝達ギヤを備え、回転環と回転伝達ギヤを該回転伝達ギヤの回転軸方向成分を含む方向に相対移動可能とし、この回転環と回転伝達ギヤの所定の相対位置では互いのギヤ部が噛合し、別の相対位置では、回転環のギヤ部が回転規制部に対向して回転伝達ギヤの回転が規制されることを特徴としている。
回転環と回転伝達ギヤはいずれを(あるいは両方を)回転軸方向に可動にさせてもよいが、例えば回転環は回転軸方向に移動可能とし、回転伝達ギヤは該回転軸方向には移動させない態様とすることができる。この態様では、回転環は、特定の回転位相では回転しながら回転軸方向に移動し、別の特定の回転位相では回転軸方向に移動しない定位置回転を行うタイプとすることもできる。この場合、回転環が定位置回転を行うときに該回転環側のギヤ部と回転伝達ギヤ側のギヤ部を噛合させ、回転環が回転しながら回転軸方向に移動するときに該回転環側のギヤ部と回転伝達ギヤの回転規制部と環状ギヤを対向させるように使い分けることができる。
回転環のギヤ部は、その周面に形成された環状ギヤとすることが好ましい。この場合、回転環には、環状ギヤと同一周面位置にヘリコイドを設けてもよい。
回転伝達ギヤの回転規制部には、該回転伝達ギヤの回転軸と平行な直線を含む平面状外面部を形成するとよい。
回転伝達ギヤのギヤ部や回転規制部は、回転軸方向位置に位置を異ならせて、複数を備えることもできる。この場合、ギヤ部と回転規制部のいずれか一方を2つ設けて他方をその間に配することも可能であるし、ギヤ部と回転規制部の両方をそれぞれ複数設けることも可能である。ギヤ部と回転規制部をそれぞれ複数設ける場合には、回転軸方向にギヤ部と回転規制部を交互に配置すればよい。
本発明の回転伝達機構では、回転伝達ギヤの回転軸と平行な方向へ可動に直進案内された被駆動部材を備え、回転伝達ギヤから伝達される回転力を該被駆動部材の直進移動に変える駆動方向変換機構を備えていてもよい。この場合の駆動方向変換機構は、例えば、外周面に少なくとも一つのカム面が形成された円筒状カムとすることができる。
回転伝達ギヤと被駆動部材の間には、複数の平ギヤからなるギヤ列を設けてもよい。
被駆動部材の数や動作形態は任意に設定可能であるが、例えば回転環及び回転伝達ギヤの回転軸と平行な方向に移動可能な複数の被駆動部材を設け、回転伝達ギヤの回転により該複数の被駆動部材が相対的に間隔を変化させながら移動するようにさせることができる。
本発明の回転伝達機構では、回転環におけるギヤ部は、回転伝達ギヤの回転規制部に対向する状態からギヤ部に噛合する状態になるとき該ギヤ部に対して最初に噛合するギヤ山が、他のギヤ山よりも径方向の突出量が小さい低ギヤ山として形成されていることが好ましい。
本発明の回転伝達機構はズームレンズカメラに好適であり、上記回転環の回転により、撮影光学系を構成する複数の光学要素を光軸方向に進退させることができる。ズームレンズカメラでは、この撮影光学系に連動する被駆動部材は、ズームファインダやズームストロボの光学要素であるとよい。
本発明はまた、変倍可能な撮影光学系と該撮影光学系の変倍動作に連動する連動光学系を有し、撮影光学系は変倍動作を行う撮影状態と撮影を行わない収納状態とに切換可能なズームレンズカメラに関する。本発明のズームレンズカメラは、撮影光学系の少なくとも一部を構成する光学要素を支持しかつ周面に環状のギヤを有し、回転しながら回転軸に沿う方向へ進退する回転位相を有する撮影光学系駆動環;及び、撮影光学系駆動環の回転軸と平行な回転軸を中心に回転可能で、回転により連動光学系を駆動する連動光学系駆動ギヤ;を備え、連動光学系駆動ギヤは、その回転軸に沿う方向に位置を異ならせて、撮影光学系駆動環の環状ギヤに噛合可能なギヤ部と、該環状ギヤの外縁部との当接により回転規制される回転が規制される断面非円形の回転規制部とを有し、撮影光学系駆動環と連動光学系駆動ギヤは、撮影光学系駆動環が撮影光学系に変倍動作を行わせる回転軸方向位置にあるとき環状ギヤとギヤ部とが噛合する回転軸方向の相対位置関係にあり、撮影光学系駆動環が撮影光学系に撮影状態と収納状態の切換を行わせる回転軸方向位置にあるとき回転規制部と環状ギヤが対向する回転軸方向の相対位置関係にあることを特徴としている。
上記態様の回転伝達機構と同様に、本発明のズームレンズカメラでは、連動光学系駆動ギヤは、回転軸方向位置に位置を異ならせて、複数のギヤ部と該複数のギヤ部の間に位置する回転規制部を備えていてもよい。
また、撮影光学系駆動環は、特定の回転位相では回転進退動作を行い、別の特定の回転位相では回転軸方向に移動しない定位置回転を行うタイプとすることもできる。この場合、撮影光学系駆動環が定位置回転を行うとき環状ギヤとギヤ部を噛合させ、撮影光学系駆動環が回転進退を行うとき回転規制部と環状ギヤを対向させるように使い分けることができる。
本発明のズームレンズカメラでは、撮影光学系駆動環と連動光学系駆動ギヤの回転軸は、撮影光学系の光軸と平行であるとよい。
連動光学系はズームファインダまたはズームストロボであるとよい。
撮影光学系駆動環における環状ギヤは、連動光学系駆動ギヤの回転規制部に対向する状態からギヤ部に噛合する状態になるとき該ギヤ部に対して最初に噛合するギヤ山が、他のギヤ山よりも径方向の突出量が小さい低ギヤ山として形成されていることが好ましい。
以上の本発明によれば、回転環のうち特定の回転位相の回転のみを被駆動部材に連動させる回転伝達機構において、小型化と精度の高い駆動を両立させることができる。また本発明によれば、撮影状態で撮影光学系を連動光学系に連動させ、収納状態では連動させないズームレンズカメラにおいて、撮影光学系と連動光学系を連動させる機構を駆動精度を損なわずに小型に構成することができる。
以下、図示実施形態に基づき本発明を説明する。なお、断面図中には、実際には周方向の異なる位置にあるが、作図上、同一断面上に表している箇所もある。
[ズームレンズ鏡筒の全体の説明]
まず、図1ないし図19について、本実施形態のズームレンズ鏡筒71の全体構造を説明する。図6及び図7に示すように、ズームレンズ鏡筒71はデジタルカメラ70に搭載されており、撮影光学系は、物体側から順に、第1レンズ群LG1、シャッタS及び絞りA、第2レンズ群LG2、第3レンズ群LG3、ローパスフィルタ(フィルタ類)LG4及びCCD(固体撮像素子)60からなっている。撮影光学系の光軸はZ1である。この撮影光軸Z1は、ズームレンズ鏡筒71の外観を構成する各環状部材の回動中心軸(回転環の回転軸、以下、鏡筒中心軸Z0と呼ぶ)と平行であり、かつ該鏡筒中心軸Z0に対して下方に偏心している。ズーミングは、第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2を撮影光軸Z1方向に所定の軌跡で進退させることによって行い、フォーカシングは同方向への第3レンズ群LG3の移動で行う。なお、以下の説明中で「光軸方向」という記載は、特に断りがなければ撮影光軸Z1と平行な方向を意味している。
図6及び図7に示すように、カメラボディ72内に固定環22が固定され、この固定環22の後部にCCDホルダ21が固定されている。CCDホルダ21上にはCCDベース板62を介してCCD60が支持され、CCD60の前部に、フィルタホルダ73とパッキン61を介してローパスフィルタLG4が支持されている。フィルタホルダ73は、CCDホルダ21の一部として一体に形成されている。CCDホルダ21の後部には、画像や撮影情報を表示するLCD20が設けられている。
固定環22内には、第3レンズ群LG3を保持するAFレンズ枠(3群レンズ枠)51が光軸方向に直進移動可能に支持されている。すなわち、固定環22とCCDホルダ21には、撮影光軸Z1と平行な一対のAFガイド軸52、53の前端部と後端部がそれぞれ固定されており、このAFガイド軸52、53に対してそれぞれ、AFレンズ枠51に形成したガイド孔51a、51bが摺動可能に嵌まっている。本実施形態では、AFガイド軸52とガイド孔51aのクリアランスよりもAFガイド軸53とガイド孔51bのクリアランス大きくなっている。すなわち、AFガイド軸52が主たる(厳密な精度を出す)ガイド軸で、AFガイド軸53はサブ(回り止め)のガイド軸である。また、AFモータ160のドライブシャフトに形成した送りねじに対し、AFナット54が螺合している。図1に示すように、AFナット54は回転規制突起54aを有し、AFレンズ枠51は光軸方向へのガイド溝51mを有し、回転規制突起54aがガイド溝51mに対して摺動可能に嵌まっている。AFレンズ枠51はさらに、AFナット54の後方に位置するストッパ突起51nを有する。AFレンズ枠51は、AF枠付勢ばね55によって前方へ付勢されており、ストッパ突起51nがAFナット54に当て付くことによってAFレンズ枠51の前方移動端が決定される。そしてAFナット54が光軸方向後方へ移動したときに、AFレンズ枠51はAFナット54に押圧されて後方へ移動される。以上の構造により、AFモータ160のドライブシャフトを正逆に回転させると、AFレンズ枠51が光軸方向に進退される。なお、AFレンズ枠51を直接に(AFナット54によらずに)押圧して、AF枠付勢ばね55に抗して後方へ移動させることも可能である。
図5に示すように、固定環22の上部には、ズームモータ150と減速ギヤボックス74が支持されている。減速ギヤボックス74は内部に減速ギヤ列を有し、ズームモータ150の駆動力をズームギヤ28に伝える。ズームギヤ28は、撮影光軸Z1と平行なズームギヤ軸29によって固定環22に枢着されている。ズームモータ150とAFモータ160は、固定環22の外周面に配設したレンズ駆動制御FPC(フレキシブルプリント回路)基板75を介して、カメラの制御回路140(図19)により制御される。
固定環22の内周面には、雌ヘリコイド22a、撮影光軸Z1と平行な3本の直進案内溝22b、雌ヘリコイド22aと平行な3本の斜行溝22c、及び各斜行溝22cの前端部に連通する周方向への回転摺動溝22dが形成されている。回転摺動溝22dは固定環22の前端部付近に形成され、この回転摺動溝22dの直後の前方環状領域22zには雌ヘリコイド22aが形成されていない(図8参照)。
ヘリコイド環(回転環)18は、雌ヘリコイド22aに螺合する雄ヘリコイド18aと、斜行溝22c及び回転摺動溝22dに係合する回転摺動突起18bとを外周面に有している(図4、図9)。雄ヘリコイド18a上には、撮影光軸Z1と平行なギヤ歯を有するスパーギヤ部(環状ギヤ)18cが形成されており、スパーギヤ部18cはズームギヤ28に対して螺合する。従って、ズームギヤ28からスパーギヤ部18cへ回転力が与えられたとき、ヘリコイド環18は、雌ヘリコイド22aと雄ヘリコイド18aが螺合関係にある状態では回転しながら光軸方向へ進退し、ある程度前方に移動すると、雄ヘリコイド18aが雌ヘリコイド22aから外れ、回転摺動溝22dと回転摺動突起18bの係合関係によって鏡筒中心軸Z0を中心とする周方向回転のみを行う。
斜行溝22cは、雌ヘリコイド22aと雄ヘリコイド18aが螺合する段階で回転摺動突起18bと固定環22の干渉を避けるために形成された逃げ溝であり、斜行溝22cは雌ヘリコイド22aの底部よりも深くなっている。雌ヘリコイド22aは、各斜行溝22cを挟む一対のヘリコイド山の周方向間隔が他のヘリコイド山の周方向間隔よりも広くなっており、雄ヘリコイド18aは、この周方向間隔の広いヘリコイド山に係合するべく、回転摺動突起18bの後方に位置する3つのヘリコイド山18a-Wが他のヘリコイド山よりも周方向に幅広になっている。
固定環22にはさらに、その外周面と回転摺動溝22dとを貫通するストッパ挿脱孔が形成され、このストッパ挿脱孔22eに対し、撮影領域を越えるヘリコイド環18の回動を規制するための分解ストッパ26が着脱可能となっている。
ヘリコイド環18の前端部内周面に形成した回転伝達凹部18d(図4、図10)に対し、第3外筒15の後端部から後方に突設した回転伝達突起15a(図11)が嵌入されている。回転伝達凹部18dと回転伝達突起15aはそれぞれ、周方向に位置を異ならせて3箇所設けられており、周方向位置が対応するそれぞれの回転伝達突起15aと回転伝達凹部18dは、鏡筒中心軸Z0に沿う方向への相対摺動は可能に結合し、該鏡筒中心軸Z0を中心とする周方向には相対回動不能に結合されている。すなわち、第3外筒15とヘリコイド環18は一体に回転する。また、ヘリコイド環18には、回転摺動突起18bの内径側の一部領域を切り欠いて嵌合凹部18eが形成されており、該嵌合凹部18eに嵌合する嵌合突起15bは、回転摺動突起18bが回転摺動溝22dに係合するとき、同時に回転摺動溝22dに係合する(図6の鏡筒上半断面参照)。
第3外筒15とヘリコイド環18の間には、互いを光軸方向での離間方向へ付勢する3つの離間方向付勢ばね25が設けられている。離間方向付勢ばね25は圧縮コイルばねからなり、その後端部がヘリコイド環18の前端部に開口するばね挿入凹部18fに収納され、前端部が第3外筒15のばね当付凹部15cに当接している。この離間方向付勢ばね25によって、回転摺動溝22dの前側壁面に向けて嵌合突起15bを押圧し、かつ回転摺動溝22dの後側壁面に向けて回転摺動突起18bを押圧することで、固定環22に対する第3外筒15とヘリコイド環18の光軸方向のバックラッシュが除去される。
第3外筒15の内周面には、内径方向に突設された爪状の相対回動案内突起15dと、鏡筒中心軸Z0を中心とする周方向溝15eと、撮影光軸Z1と平行な3本のローラ嵌合溝15fとが形成されている(図4、図11)。相対回動案内突起15dは、周方向に位置を異ならせて複数設けられている。ローラ嵌合溝15fは、回転伝達突起15aに対応する周方向位置に形成されており、その後端部は、回転伝達突起15aを貫通して後方へ向け開口されている。また、ヘリコイド環18の内周面には鏡筒中心軸Z0を中心とする周方向溝18gが形成されている(図4、図10)。この第3外筒15とヘリコイド環18の結合体の内側には直進案内環14が支持される。直進案内環14の外周面には光軸方向の後方から順に、外径方向へ突出する3つの直進案内突起14aと、それぞれ周方向に位置を異ならせて複数設けた爪状の相対回動案内突起14b及び相対回動案内突起14cと、鏡筒中心軸Z0を中心とする周方向溝14dとが形成されている(図4、図12)。直進案内環14は、直進案内突起14aを直進案内溝22bに係合させることで、固定環22に対し光軸方向に直進案内される。また第3外筒15は、周方向溝15eを相対回動案内突起14cに係合させ、相対回動案内突起15dを周方向溝14dに係合させることで、直進案内環14に対して相対回動可能に結合される。周方向溝15eと相対回動案内突起14c、周方向溝14dと相対回動案内突起15dはそれぞれ、光軸方向には若干相対移動可能なように遊嵌している。さらにヘリコイド環18も、周方向溝18gを相対回動案内突起14bに係合させることで、直進案内環14に対して相対回動可能に結合される。周方向溝18gと相対回動案内突起14bは光軸方向には若干相対移動可能なように遊嵌している。
直進案内環14には、内周面と外周面を貫通する3つのローラ案内貫通溝14eが形成されている。各ローラ案内貫通溝14eは、図12に示すように、周方向へ向け形成された平行な前後の周方向溝部14e-1、14e-2と、この両周方向溝部14e-1及び14e-2を接続するリード溝部14e-3とを有する。それぞれのローラ案内貫通溝14eに対し、カム環11の外周面に設けたカム環ローラ32が嵌まっている。カム環ローラ32は、ローラ固定ねじ32aを介してカム環11に固定されており、周方向へ位置を異ならせて3つ設けられている。カム環ローラ32はさらに、ローラ案内貫通溝14eを貫通して第3外筒15内周面のローラ嵌合溝15fに嵌まっている。各ローラ嵌合溝15fの前端部付近には、ローラ付勢ばね17に設けた3つのローラ押圧片17aが嵌っている(図11)。ローラ押圧片17aは、カム環ローラ32が周方向溝部14e-1に係合するときに該カム環ローラ32に当接して後方へ押圧し、カム環ローラ32とローラ案内貫通溝14e(周方向溝部14e-1)との間のバックラッシュを取る。
以上の構造から、固定環22からカム環11までの繰り出しの態様が理解される。すなわち、ズームモータ150によってズームギヤ28を鏡筒繰出方向に回転駆動すると、雌ヘリコイド22aと雄ヘリコイド18aの関係によってヘリコイド環18が回転しながら前方に繰り出される。ヘリコイド環18と第3外筒15はそれぞれ、周方向溝14d、15e及び18gと相対回動案内突起15d、14c及び14bの係合関係によって、直進案内環14に対して相対回動可能かつ回転軸方向(鏡筒中心軸Z0に沿う方向)へは共に移動するように結合されているため、ヘリコイド環18が回転繰出されると、第3外筒15も同方向に回転しながら前方に繰り出され、直進案内環14はヘリコイド環18及び第3外筒15と共に前方へ直進移動する。また、第3外筒15の回転力はローラ嵌合溝15fとカム環ローラ32を介してカム環11に伝達される。カム環ローラ32はローラ案内貫通溝14eにも嵌まっているため、直進案内環14に対してカム環11は、リード溝部14e-3の形状に従って回転しながら前方に繰り出される。前述の通り、直進案内環14自体も第3外筒15及びヘリコイド環18と共に前方に直進移動しているため、結果としてカム環11には、リード溝部14e-3に従う回転繰出分と、直進案内環14の前方への直進移動分とを合わせた光軸方向移動量が与えられる。
以上の繰出動作は雄ヘリコイド18aと雌ヘリコイド22aが螺合している間行われ、このとき回転摺動突起18bは斜行溝22c内を移動している。ヘリコイド環18と第3外筒15が所定量繰り出されると、雄ヘリコイド18aと雌ヘリコイド22aの螺合が解除されて、やがて回転摺動突起18bと嵌合突起15bが斜行溝22cから回転摺動溝22d内へ入る。すると、ヘリコイドによる回転繰出力が作用しなくなるため、ヘリコイド環18及び第3外筒15は、回転摺動突起18b及び嵌合突起15bと回転摺動溝22dとの係合関係によって光軸方向の一定位置で回動のみを行うようになる。また、回転摺動突起18bが斜行溝22cから回転摺動溝22d内へ入るのとほぼ同時に、カム環ローラ32は貫通ガイド溝14eの周方向溝部14e-1に入る。するとカム環11に対しても前方への移動力が与えられなくなり、カム環11は第3外筒15の回転に応じて一定位置で回動のみ行うようになる。
ズームギヤ28を鏡筒収納方向に回転駆動させると、以上と逆の動作が行われる。カム環ローラ32がローラ案内貫通溝14eの周方向溝部14e-2に入るまでヘリコイド環18に回転を与えると、以上の各鏡筒部材が図7に示す位置まで後退する。
続いて、カム環11より先の構造を説明する。直進案内環14の内周面には、撮影光軸Z1と平行な3つの第1直進案内溝14f及び6つの第2直進案内溝14gが、それぞれ周方向に位置を異ならせて形成されている。第1直進案内溝14fは、6つのうち3つの第2直進案内溝14gの両側に位置する一対の溝部からなっており、この3つの第1直進案内溝14fに対し、2群直進案内環10に設けた3つの股状突起10a(図3、図15)が摺動可能に係合している。一方、第2直進案内溝14gに対しては、第2外筒13の後端部外周面に突設した6つの直進案内突起13a(図2、図17)が摺動可能に係合している。したがって、第2外筒13と2群直進案内環10はいずれも、直進案内環14を介して光軸方向に直進案内されている。
2群直進案内環10は、第2レンズ群LG2を支持する2群レンズ移動枠8を直進案内するための部材であり、第2外筒13は、第1レンズ群LG1を支持する第1外筒12を直進案内するための部材である。
まず第2レンズ群LG2の支持構造を説明する。2群直進案内環10は、3つの股状突起10aを接続するリング部10bから前方へ向けて、3つの直進案内キー10cを突出させている(図3、図15)。図6及び図7に示すように、リング部10bの外縁部は、カム環11の後端部内周面に形成した周方向溝11eに対し相対回転は可能で光軸方向の相対移動は不能に係合しており、直進案内キー10cはカム環11の内側に延出されている。各直進案内キー10cは、撮影光軸Z1と平行な一対のガイド面を側面に有しており、このガイド面を、カム環11の内側に支持された2群レンズ移動枠8の直進案内溝8aに係合させることによって、2群レンズ移動枠8を軸方向に直進案内している。直進案内溝8aは、2群レンズ移動枠8の外周面側に形成されている。
なお、2群直進案内環10には周方向に位置を異ならせて直進案内キー10cが3つ設けられているが、そのうちひとつの直進案内キー10c-Wは、後述する露出制御用のFPC(フレキシブルプリント回路)基板77の支持部材を兼ねるために、残る2つの直進案内キー10cよりも周方向に幅広になっている。幅広の直進案内キー10c-Wには、リング部10bとの接続部分近傍を一部切り欠いて径方向へ貫通するFPC通し孔10dが形成されており、図6に示すように、露出制御FPC基板77は、該FPC通し孔10dを通してリング部10bの後方から直進案内キー10c-Wの外周面側へ延出され、直進案内キー10c-Wの先端部で後方に折り曲げられている。これに対応して、3つの直進案内溝8aのうちひとつは、幅広の直進案内キー10c-Wが係合可能な幅広の直進案内溝8a-Wとなっている。該直進案内溝8a-Wの中央部は、露出制御FPC基板77を通すことが可能な貫通部になっており、この貫通部の両側に直進案内キー10c-Wを支持するための有底部が形成されている。これに対し、残る2つの直進案内溝8aはいずれも、2群レンズ移動枠8の外周面側に形成された有底溝となっている。2群レンズ移動枠8と2群直進案内環10は、直進案内キー10c-Wが直進案内溝8a-Wに係合可能な特定の回転位相でのみ組み合わせることができる。
カム環11の内周面には2群案内カム溝11aが形成されている。図14に示すように、2群案内カム溝11aは、光軸方向及び周方向に位置を異ならせた前方カム溝11a-1と後方カム溝11a-2からなっている。前方カム溝11a-1と後方カム溝11a-2はいずれも、同形状の基礎軌跡αをトレースして形成されたカム溝であるが、それぞれが基礎軌跡α全域をカバーしているのではなく、前方カム溝11a-1と後方カム溝11a-2では基礎軌跡α上に占める領域の一部が異なっている。基礎軌跡とは、ズーム領域及び収納用領域を含む全ての鏡筒使用領域(使用領域)と、鏡筒の組立分解用領域とを含む概念上のカム溝形状である。つまり、鏡筒使用領域とはこのカム溝形状によって2群レンズ移動枠8の移動が制御されうる領域のことであり、組立分解領域と区別する意味で用いられている。また、ズーム領域とは、鏡筒使用領域の中でも特にワイド端とテレ端の間の移動を制御するための領域であり、収納用領域と区別する意味で用いられている。カム環11には、一対の前方カム溝11a-1と後方カム溝11a-2を1グループとした場合、周方向に等間隔で3グループの2群案内カム溝11aが形成されている。
2群案内カム溝11aに対して、2群レンズ移動枠8の外周面に設けた2群用カムフォロア8bが係合している。2群案内カム溝11aと同様に2群用カムフォロア8bも、光軸方向及び周方向に位置を異ならせた一対の前方カムフォロア8b-1と後方カムフォロア8b-2を1グループとして周方向に等間隔で3グループが設けられており、各前方カムフォロア8b-1は前方カム溝11a-1に係合し、各後方カムフォロア8b-2は後方カム溝11a-2に係合するように光軸方向及び周方向の間隔が定められている。
2群レンズ移動枠8は2群直進案内環10を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環11が回転すると、2群案内カム溝11aに従って、2群レンズ移動枠8が光軸方向へ所定の軌跡で移動する。
2群レンズ移動枠8の内側には、第2レンズ群LG2を保持する2群レンズ枠6が支持されている。2群レンズ枠6は、一対の2群レンズ枠支持板36、37に対し、2群回動軸33を介して軸支されており、2群枠支持板36、37が支持板固定ビス66によって2群レンズ移動枠8に固定されている。2群回動軸33は撮影光軸Z1と平行でかつ撮影光軸Z1に対して偏心しており、2群レンズ枠6は、2群回動軸33を回動中心として、第2レンズ群LG2の光軸を撮影光軸Z1と一致させる撮影用位置(図6)と、第2レンズ群LG2の光軸を撮影光軸Z1から偏心した退避光軸Z2へと変位させる収納用退避位置(図7)とに回動することができる。2群レンズ移動枠8には、2群レンズ枠6を上記撮影用位置で回動規制する回動規制ピン35が設けられていて、2群レンズ枠6は、2群レンズ枠戻しばね39によって該回動規制ピン35との当接方向へ回動付勢されている。軸方向押圧ばね38は、2群レンズ枠6の光軸方向のバックラッシュ取りを行う。
2群レンズ枠6は、光軸方向には2群レンズ移動枠8と一体に移動する。CCDホルダ21には2群レンズ枠6に係合可能な位置にカム突起21a(図4)が前方に向けて突設されており、図7のように2群レンズ移動枠8が収納方向に移動してCCDホルダ21に接近すると、該カム突起21aの先端部に形成したカム面が、2群レンズ枠6に係合して上記の収納用退避位置に回動させる。
続いて第1レンズ群LG1の支持構造を説明する。直進案内環14を介して光軸方向に直進案内された第2外筒13の内周面には、周方向に位置を異ならせて3つの直進案内溝13bが光軸方向へ形成されており、各直進案内溝13bに対し、第1外筒12の後端部付近の外周面に形成した3つの係合突起12aが摺動可能に嵌合している(図2、図17及び図18参照)。すなわち、第1外筒12は、直進案内環14と第2外筒13を介して光軸方向に直進案内されている。また、第2外筒13は後端部付近の内周面に、周方向へ向かう内径フランジ13cを有し、この内径フランジ13cがカム環11の外周面に設けた周方向溝11cに摺動可能に係合することで、第2外筒13は、カム環11に対して相対回転可能かつ光軸方向の相対移動は不能に結合されている。一方、第1外筒12は、内径方向に突出する3つの1群用ローラ31を有し、それぞれの1群用ローラ31が、カム環11の外周面に3本形成した1群案内カム溝11bに摺動可能に嵌合している。
第1外筒12内には、1群調整環2を介して1群レンズ枠1が支持されている。1群レンズ枠1には第1レンズ群LG1が固定され、その外周面に形成した雄調整ねじ1aが、1群調整環2の内周面に形成した雌調整ねじ2aに螺合している。この調整ねじの螺合位置を調整することよって、1群レンズ枠1は1群調整環2に対して光軸方向に位置調整可能となっている。
1群調整環2は外径方向に突出する一対の(図2には一つのみを図示)ガイド突起2bを有し、この一対のガイド突起2bが、第1外筒12の内周面側に形成した一対の1群調整環ガイド溝12bに摺動可能に係合している。1群調整環ガイド溝12bは撮影光軸Z1と平行に形成されており、該1群調整環ガイド溝12bとガイド突起2bの係合関係によって、1群調整環2と1群レンズ枠1の結合体は、第1外筒12に対して光軸方向の前後移動が可能になっている。第1外筒12にはさらに、ガイド突起2bの前方を塞ぐように、1群抜止環3が抜止環固定ビス64によって固定されている。1群抜止環3のばね受け部3aとガイド突起2bとの間には、圧縮コイルばねからなる1群付勢ばね24が設けられ、該1群付勢ばね24によって1群調整環2は光軸方向後方に付勢されている。1群調整環2は、その前端部付近の外周面に突設した係合爪2cを、1群抜止環3の前面(図2に見えている側の面)に係合させることによって、第1外筒12に対する光軸方向後方への最大移動位置が規制される(図6の上半断面参照)。一方、1群付勢ばね24を圧縮させることによって、1群調整環2は光軸方向前方に若干量移動することができる。
第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間には、シャッタSと絞りAを有するシャッタユニット76が支持されている。シャッタユニット76は、2群レンズ移動枠8の内側に支持されており、シャッタSと絞りAは、第2レンズ群LG2との空気間隔が固定となっている。シャッタユニット76を挟んだ前後位置には、シャッタSと絞りAを駆動する2つのアクチュエータ131、132(図19)が、それぞれ一つずつ配置されており、シャッタユニット76からはこれらアクチュエータをカメラの制御回路140と接続するための露出制御FPC基板77が延出されている。なお、露出制御FPC基板77は、実際には図6における下半断面(ワイド端)の位置には存在しないが、他の部材との位置関係を分かりやすくするために図示している。
第1外筒12の前端部には、シャッタSとは別に、非撮影時に撮影開口を閉じて撮影光学系(第1レンズ群LG1)を保護するためのレンズバリヤ機構が設けられる。レンズバリヤ機構は、鏡筒中心軸Z0に対して偏心した位置に設けた回動軸を中心として回動可能な一対のバリヤ羽根104及び105と、該バリヤ羽根104、105を閉じ方向に付勢する一対のバリヤ付勢ばね106と、鏡筒中心軸Z0を中心として回動可能で所定方向の回動によってバリヤ羽根104、105に係合して開かせるバリヤ駆動環103と、該バリヤ駆動環103をバリヤ開放方向に回動付勢するバリヤ駆動環付勢ばね107と、バリヤ羽根104、105とバリヤ駆動環103の間に位置するバリヤ押さえ板102とを備えている。バリヤ駆動環付勢ばね107の付勢力はバリヤ付勢ばね106の付勢力よりも強く設定されており、ズームレンズ鏡筒71がズーム領域(図6)に繰り出されているときには、バリヤ駆動環付勢ばね107がバリヤ駆動環103をバリヤ開放用の角度位置に保持して、バリヤ付勢ばね106に抗してバリヤ羽根104、105が開かれる。そしてズームレンズ鏡筒71がズーム領域から収納位置(図7)へ移動する途中で、カム環11のバリヤ駆動環押圧面11d(図3、図13)がバリヤ駆動環103をバリヤ開放方向と反対方向に強制回動させ、バリヤ駆動環103がバリヤ羽根104、105に対する係合を解除して、該バリヤ羽根104、105がバリヤ付勢ばね106の付勢力によって閉じられる。レンズバリヤ機構の前部は、バリヤカバー101(化粧板)によって覆われている。
以上の構造のズームレンズ鏡筒71の全体的な繰出及び収納動作を、図6、図7及び図19を参照して説明する。図19は、ズームレンズ鏡筒71の主要な部材の関係を概念的に示したものであり、各部材の符号の後の括弧内の「S」は固定部材、「L」は光軸方向の直線移動のみ行う部材、「R」は回転のみ行う部材、「RL」は回転しながら光軸方向に移動する部材であることをそれぞれ意味している。また、括弧内に二つの記号が併記されている部材は、繰出時及び収納時にその動作態様が切り換わることを意味している。
カム環11が収納位置から定位置回転状態に繰り出される段階までは既に説明しているので簡潔に述べる。図7の鏡筒収納状態では、ズームレンズ鏡筒71はカメラボディ72内に完全に格納されており、カメラ70の前面は、カメラボディ72からズームレンズ鏡筒71が突出しないフラット形状になっている。この鏡筒収納状態からズームモータ150によりズームギヤ28を繰出方向に回転駆動させると、ヘリコイド環18と第3外筒15の結合体がヘリコイド(雄ヘリコイド18a、雌ヘリコイド22a)に従って回転繰出される。直進案内環14は、第3外筒15及びヘリコイド環18と共に前方に直進移動する。このとき、第3外筒15により回転力が付与されるカム環11は、直進案内環14の前方への直進移動分と、該直進案内環14との間に設けたリード構造(カム環ローラ32、リード溝部14e-3)による繰出分との合成移動を行う。ヘリコイド環18とカム環11が前方の所定位置まで繰り出されると、それぞれの回転繰出構造(ヘリコイド、リード)の機能が解除されて、鏡筒中心軸Z0を中心とした周方向回転のみを行うようになる。
カム環11が回転すると、その内側では、2群直進案内環10を介して直進案内された2群レンズ移動枠8が、2群用カムフォロア8bと2群案内カム溝11aの関係によって光軸方向に所定の軌跡で移動される。図7の鏡筒収納状態では、2群レンズ移動枠8内の2群レンズ枠6は、CCDホルダ21に突設したカム突起21aの作用によって、撮影光軸Z1から上方へ偏心した収納用退避位置に保持されており、第2レンズ群LG2が退避光軸Z2位置にあった。そして、2群レンズ枠6は、2群レンズ移動枠8がズーム領域まで繰り出される途中でカム突起21aから離れて、2群レンズ枠戻しばね39の付勢力によって第2レンズ群LG2の光軸を撮影光軸Z1と一致させる撮影用位置(図6)に回動する。以後、ズームレンズ鏡筒71を再び収納位置に移動させるまでは、2群レンズ枠6は撮影用位置に保持される。
また、カム環11が回転すると、該カム環11の外側では、第2外筒13を介して直進案内された第1外筒12が、1群用ローラ31と1群案内カム溝11bの関係によって光軸方向に所定の軌跡で移動される。
すなわち、撮像面(CCD受光面)に対する第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の繰出位置はそれぞれ、前者が、固定環22に対するカム環11の前方移動量と、該カム環11に対する第1外筒12のカム繰出量との合算値として決まり、後者が、固定環22に対するカム環11の前方移動量と、該カム環11に対する2群レンズ移動枠8のカム繰出量との合算値として決まる。ズーミングは、この第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2が互いの空気間隔を変化させながら撮影光軸Z1上を移動することにより行われる。図7の収納位置から鏡筒繰出を行うと、まず図6の下半断面に示すワイド端の繰出状態になり、さらにズームモータ150を鏡筒繰出方向に駆動させると、同図の上半断面に示すテレ端の繰出状態となる。図6から分かるように、本実施形態のズームレンズ鏡筒71は、ワイド端では第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間隔が大きく、テレ端では、第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2が互いの接近方向に移動して間隔が小さくなる。このような第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の空気間隔の変化は、2群案内カム溝11aと1群案内カム溝11bの軌跡によって与えられるものである。このテレ端とワイド端の間のズーム領域(ズーミング使用領域)では、カム環11、第3外筒15及びヘリコイド環18は、前述の定位置回転のみを行い、光軸方向へは進退しない。
ズーム領域では、被写体距離に応じてAFモータ160を駆動することにより、第3レンズ群LG3(AFレンズ枠51)が撮影光軸Z1に沿って移動してフォーカシングがなされる。
ズームモータ150を鏡筒収納方向に駆動させると、ズームレンズ鏡筒71は、前述の繰り出し時とは逆の収納動作を行い、カメラボディ72の内部に完全に格納される収納位置(図7)まで移動される。この収納位置への移動の途中で、2群レンズ枠6がカム突起21aによって収納用退避位置に回動され、2群レンズ移動枠8と共に後退する。ズームレンズ鏡筒71が収納位置まで移動されると、第2レンズ群LG2は、光軸方向において第3レンズ群LG3やローパスフィルタLG4と同位置に格納される(鏡筒の径方向に重なる)。この収納時の第2レンズ群LG2の退避構造によってズームレンズ鏡筒71の収納長が短くなり、図7の左右方向におけるカメラボディ72の厚みを小さくすることが可能となっている。
[ズームファインダの説明]
デジタルカメラ70は、ズームレンズ鏡筒71の上方に、該ズームレンズ鏡筒70に連動するズームファインダを備えている。図7及び図25に示すように、ズームファインダの光学系は、被写体側から順に対物窓81a、第1の可動変倍レンズ(被駆動部材)81b、第2の可動変倍レンズ(被駆動部材)81c、ミラー81d、固定レンズ81e、プリズム81f、接眼レンズ81g、接眼窓81hを有し、このうち対物窓81aと接眼窓81hはカメラボディ72に固定され、他の光学要素はファインダ支持枠82に支持されている。ファインダ支持枠82に支持される光学要素のうち、第1と第2の可動変倍レンズ81b、81cを除くものは、該ファインダ支持枠82の所定位置に固定されている。第1の可動変倍レンズ81bを支持する第1可動枠(被駆動部材)83と、第2の可動変倍レンズ81cを支持する第2可動枠(被駆動部材)84はそれぞれ、撮影光軸Z1及び鏡筒中心軸Z0と平行なガイドシャフト85、86によって移動可能に支持されており、第1と第2の可動変倍レンズ81b、81cの光軸Z3は、互いの相対位置に関わらず常に撮影光軸Z1及び鏡筒中心軸Z0と平行になっている。つまり、第1可動枠83と第1可動枠84は、撮影光軸Z1及及び鏡筒中心軸Z0と平行な方向へ移動可能である。第1可動枠83と第2可動枠84はそれぞれ、圧縮コイルばね87、88によって被写体側(前方)に付勢されている。ファインダ支持枠82にはさらに、光軸Z3(撮影光軸Z1及び鏡筒中心軸Z0)と平行な回転軸89を介して、円筒状のカムギヤ(駆動方向変換機構、円筒状カム)90が支持されている。
カムギヤ90は、軸方向の最前方にギヤ部90aを有し、その後方の外周面に第1カム面90bが形成され、該第1カム面90bの後方の外周面に第2カム面90cが形成されている。カムギヤ90は、圧縮コイルばね90dによって前方に押圧されてバックラッシュが除去されている。第1カム面90bに対しては、第1可動枠83に設けたフォロアピン83aが圧縮コイルばね87の付勢力によって押し付けられており、第2カム面90cに対しては、第2可動枠84に設けたフォロアピン84aが圧縮コイルばね88の付勢力によって押し付けられている。カムギヤ90が回転すると、第1カム面90b及び第2カム面90cの形状に従って第1可動枠83と第2可動枠84、すなわち第1と第2の可動変倍レンズ81b、81cが光軸方向に所定の軌跡で移動し、これにより撮影光学系に連動してファインダ光学系における変倍が行われる。図40は、展開した状態の第1カム面90b及び第2カム面90c上における、収納状態、ワイド端及びテレ端でのフォロアピン83a、84aの位置関係を示している。対物窓81aと接眼窓81hを除く以上のズームファインダの構成要素はファインダユニット80としてサブアッシされ、図26に示すように、固定ビス80aを用いて固定環22の上部に取り付けられる。
ズームファインダのカムギヤ90は、ヘリコイド環18のスパーギヤ部18cに噛合するギヤ部30aを有するファインダギヤ(回転伝達ギヤ、連動光学系駆動ギヤ)30と、該ファインダギヤ30の回転力を伝達する伝達ギヤ列91を介して駆動力を得ている。ファインダギヤ30は、軸線方向に位置を異ならせてギヤ部30aと回転規制筒(回転規制部)30bを有し、ギヤ部30aと回転規制筒30bから前後に回転軸30c、30dが突設されている。前方の回転軸30cは固定環22内の軸孔(不図示)に嵌合し、後方の回転軸30dはCCDホルダ21に形成した軸孔21bに嵌合している。こうして支持されたファインダギヤ30は、ヘリコイド環18の回転中心軸(鏡筒中心軸Z0)と平行な回転中心(回転軸30c、30d)によって回転可能であり、光軸方向には移動しない。伝達ギヤ列91は、複数の平ギヤ91a、91b、91c及び91dからなり、各平ギヤは、固定環22から撮影光軸Z1と平行に突設した複数のギヤ支持軸93によって回転可能に支持され、固定ビス92aを介して固定環22の前面に固定されるギヤ押さえ板92によって保持される。伝達ギヤ列91の各平ギヤ91aないし91dを固定環22の所定位置に取り付けると、図30ないし図32に示すように、各ギヤの噛合関係によってファインダギヤ30からカムギヤ90へと回転力が伝達されるようになる。図27ないし図29は、ファインダギヤ30、ファインダユニット80及び伝達ギヤ列91を全て取り付けた状態のズームレンズ鏡筒71である。
前述の通り、ヘリコイド環18は、収納状態からズーム領域に達するまでは固定環22及び直進移動環14に対して回転しながらその回転軸(鏡筒中心軸Z0)に沿って前方へ繰り出され、ズーム領域に達すると該回転軸(鏡筒中心軸Z0)方向への移動は行わずに定位置で回転のみ行うようになっている。図20ないし図24はこのヘリコイド環18の動作態様を示しており、図20及び図23が収納状態、図21及び図24がワイド端、図22がテレ端である。図23及び図24は、ファインダギヤ30とヘリコイド環18の関係を分かりやすくするために、固定環22を省略したものである。
ファインダギヤ30は、収納状態からワイド端(ズーム領域)の直前までの光軸方向移動を伴うヘリコイド環18の回転時には回転せず、ワイド端からテレ端までのヘリコイド環18の定位置回転時に回転されるようになっている。すなわちファインダギヤ30のうち、スパーギヤ部18cに噛合して回転伝達を行うギヤ部30aは軸方向前端側の一部領域のみを占めており、図20及び図23の収納状態では、スパーギヤ部18cはギヤ部30よりも後方に位置しているので両ギヤ部は噛合していない。そして、図21及び図24のワイド端に達する直前でスパーギヤ部18cがギヤ部30の位置まで達して噛合される。以後は図22のテレ端に至るまで、ヘリコイド環18は光軸方向(図20ないし図24の左右方向)には移動しないので、スパーギヤ部18cとギヤ部30の噛合関係が維持される。
また、図37ないし図39から分かるように、ファインダギヤ30の回転規制筒30bは、ギヤ部30aよりも大径の不完全な円筒状をなす大径円筒部30b1と、該大径円筒部30b1の一部を略直線(平面)状に切り欠いた平面部(平面状外面部)30b2とからなる非円形(D字状)の断面形状を有しており、平面部30b2の形成領域では、回転規制筒30bよりも径方向の外方にギヤ部30aのギヤが突出している。平面部30b2は、ファインダギヤ30の回転軸線(30c、30d)と平行な直線を含む平面として形成されている。収納状態では、ファインダギヤ30は図37の角度位置にあって、直線状の平面部30b2がヘリコイド環18に対向している。この対向状態において平面部30b2はスパーギヤ部18cの歯先(外縁部、歯先円)に近接しており、ファインダギヤ30が回転しようとしても、平面部30b2がスパーギヤ部18cの外縁部に当て付いて回転することができない。
図24のように、ヘリコイド環18がスパーギヤ部18cをファインダギヤ30のギヤ部30aに噛合させるまで前進すると、該ヘリコイド環18は、スパーギヤ部18cを含んだ全体が回転規制筒30bよりも前方に位置する。この状態では、回転規制筒30bがヘリコイド環18のスパーギヤ部18cと重ならなくなるので、ファインダギヤ30はヘリコイド環18と共に回転可能になる。
なお、ヘリコイド環18には、スパーギヤ部18cの前方に該スパーギヤ部18cよりも外径方向への突出量の大きい3つの回転摺動突起18bが設けられているが、図23及び図24から分かるように、収納状態からワイド端までのヘリコイド環18の回転は、回転方向において一対の回転摺動突起18bの間にファインダギヤ30が位置するうちに完了するので、ヘリコイド環18の回転繰出の途中でファインダギヤ30と回転摺動突起18bが干渉することはない。スパーギヤ部18cとギヤ部30aが噛合した状態では、回転摺動突起18bは既にギヤ部30aよりも前方に位置しているので、以後は、ヘリコイド環18の回転量に関わらず、ファインダギヤ30と回転摺動突起18bが干渉することはない。
以上のように本実施形態では、回転しながら回転軸方向にも移動する回転進退と回転軸方向には移動しない定位置回転とを行うヘリコイド環18に対し、定位置回転時にのみスパーギヤ部18cと噛合する領域にファインダギヤ30のギヤ部30aを設け、さらに該ギヤ部30aの後方には断面非円形の回転規制筒30bを設け、ヘリコイド環18の回転進退時には該回転規制筒30bとスパーギヤ部18cとの当接によってファインダギヤ30の回転が規制されるようにした。これにより、撮影光学系が収納状態とズーム領域の間を移行するときはファインダギヤ30が回転せず、撮影光学系がワイド端とテレ端の間のズーム領域で駆動されるときのみファインダギヤ30が回転される。収納状態からズーム領域では、撮影光学系にズームファインダを動作させる必要がないので、換言すれば、ズームファインダを撮影光学系に連動させる必要があるときのみファインダギヤ30が回転するようになっている。
本実施形態との比較例として、ヘリコイド環18の回転時には常にファインダギヤ(30)が回転されるような態様を仮定する。この場合、ズームファインダを駆動する必要のない収納状態からの繰出段階でもファインダギヤ(30)が回転されるので、ファインダギヤ(30)からズームファインダの可動レンズ(81b、81c)までの駆動力伝達系の中で、可動変倍レンズ(81b、81c)をファインダギヤ(30)に連動させない空走区間を設けなければならない。図41は、この種の空走区間を設けたカムギヤ90′(実施形態のカムギヤ90に対応)を示しており、第1カム面90b′と第2カム面90c′はそれぞれ、カムギヤ90′が回転してもフォロアピン83a′、84a′をファインダ対物系の光軸Z3′方向に移動させないための長い周方向直線面90b1′、90c1′を有している。図40における本実施形態のカムギヤ90との比較から分かる通り、カムギヤ90′は第1カム面90b'と第2カム面90c′上に長い周方向直線面90b1′、90c1′を形成した分、残るズーム連動用のカム形成可能領域が短くなり、その影響でズーム用カムの傾斜が大きくなっている。カム面の傾斜が大きくなると、カムギヤ90′の所定回転角あたりの回転軸方向(ファインダ対物系の光軸Z3′方向)へのフォロアピン83a′、84a′の移動量が大きくなるので、該フォロアピン83a′、84a′に対する進退方向への移動精度を出すことが難しくなる。これを嫌ってズーム連動用のカムの傾斜をなだらかにすると、カムギヤ90′の外径サイズが増大して小型化が妨げられてしまう。これはカムギヤ90、90'のような円筒状のカムに限らず、平面状のカム板についても同様のことが言える。
これに対し、ファインダギヤ30に不必要な回転を行わせないようにした本実施形態によれば、カムギヤ90では上記のような空走区間が実質的に不要であるため、第1カム面90b及び第2カム面90cのズーム連動用の有効カム長を十分に確保して無理のない(傾斜の小さい)カム軌跡を得つつ、カムギヤ90の外径サイズを小さく抑えることができる。つまり、ファインダ駆動系の小型化とファインダ光学系の高い精度での動作を両立させることが可能となった。なお、各ギヤ間のバックラッシュなどを考慮して、本実施形態では収納位置からの繰出時において、ズーム領域(ワイド端)に達する若干前のタイミングで敢えてスパーギヤ部18cにギヤ部30aを噛合させているため、各カム面90b及び90cには周方向直線面90b1及び90c1が形成されているが、その長さは図41の比較例におけるカムギヤ90′の周方向直線面90b1′及び90c1′に比べて遙かに短くて済む。
本実施形態ではさらに、ファインダギヤ30のギヤ部30aがヘリコイド環18のスパーギヤ部18cに対して円滑に噛合されるように、スパーギヤ部18cの形状に特徴を有している。すなわち、スパーギヤ部18cには、通常のギヤ山18c2に比べてヘリコイド環18からの突出量が小さい(低い)低ギヤ山18c1が設けられている。
図33ないし図36は、図23の収納状態から図24のワイド端に達する間のギヤ部30aとスパーギヤ部18cの位置関係を時系列順に示したものである。図33は、収納状態からワイド端に向けてヘリコイド環18が回転繰出を行っていき、スパーギヤ部18cがギヤ部30aに接近した状態を示している。
図34は、スパーギヤ部18cがギヤ部30aにさらに接近した状態を示している。同図に示すように、スパーギヤ部18cにおいてはまず低ギヤ山18c1がギヤ部30aに接近する。この状態をファインダギヤ30の前面側から示したものが図37であり、同図から理解されるように、この段階では低ギヤ山18c1はギヤ部30aには接触していない。他の通常ギヤ山18c2は、ギヤ部30aに対して低ギヤ山18c1よりも離間した位置にあり、低ギヤ山18c1と同様にギヤ部30aに噛合していない。また、収納状態からワイド端へのヘリコイド環18の回転進行方向(図34の上方)において、低ギヤ山18c1に隣接する一部領域にはギヤ山が形成されていない。よって、図34及び図37の状態ではギヤ部30aに対してスパーギヤ部18cが噛合しておらず、ファインダギヤ30には回転力が伝達されない。なお、図34の状態では、スパーギヤ部18cの一部が依然として回転規制筒30bの切欠部30b2に対向しているので、仮にファインダギヤ30に回転力が作用しても実際にはファインダギヤ30は回転されない。
ヘリコイド環18が繰出方向への回転を続け、低ギヤ山18c1が図35の位置まで達すると、図38のように低ギヤ山18c1がギヤ部30aの一つのギヤ歯30a1に接触してヘリコイド環18の進行方向へ押し込み、ファインダギヤ30の回転が開始される。
ヘリコイド環18がさらに繰出方向に回転すると、低ギヤ山18c1に隣接する通常ギヤ山18c2が続くギヤ歯30a2を押し込み、ファインダギヤ30の回転が継続される。これ以降、スパーギヤ部18cは、複数の通常ギヤ山18c2が順次ファインダギヤ30のギヤ部30aに噛合して回転を伝え、カムギヤ90へ回転力が伝達される。図24に示すように、ヘリコイド環18がワイド端に達した時点では、低ギヤ山18c1は既にファインダギヤ30のギヤ部30aとの噛合位置を通過しており、ワイド端からテレ端までのズーム領域で低ギヤ山18c1が用いられることはない。
このように、スパーギヤ部18cにおいてファインダギヤ30のギヤ部30aに最初に噛合する部分を、他のギヤ山よりも低い低ギヤ山18c1とすることにより、ギヤの噛合開始時に確実に噛合させることができる。すなわち、高いギヤ山同士であると、ギヤ山の相対角度が離れた状態で互いの歯先が近接して噛合に失敗(空振り)するおそれがある。これに対し、低ギヤ山18c1は、相手側のギヤ山(ファインダギヤ30のギヤ部30a)に対して、相対角度が略一致する状態でなければ係合しないので、噛合に失敗する(空振りする)おそれがない。また、低ギヤ山18c1では、ギヤ噛合開始時の衝撃が抑制される。その結果、ファインダギヤ30を含めたズームファインダ駆動系の動作を円滑に開始させることができ、静音性も向上する。
以上では収納状態からズーム領域への繰出時に関して説明したが、ズーム領域から収納方向への動作においても繰出時と同様の作用効果が得られることは言うまでもない。
以上のように本発明を適用した上記実施形態では、ファインダギヤ30にギヤ部30aと回転規制筒30bを設け、収納状態から撮影状態(ズーム領域)までは、ヘリコイド環18の環状ギヤ18cに回転規制筒30bを対向(接触)させてファインダギヤ30の回転を規制し、撮影状態で環状ギヤ18cとギヤ部30aが噛合するようにしたので、ファインダギヤ30は、ファインダ光学系を撮影光学系に連動させる必要があるとき(撮影状態)でのみ回転される。つまり、ヘリコイド環18の回転をファインダ光学系側に伝達させない空走区間をカムギヤ90に設ける必要がなく、カムギヤ90を小型化することができる。別言すれば、小型なカムギヤ90であっても、第1可動枠83や第2可動枠84を精度よく移動させることが可能なカム面90b、90cが得られる。
図42ないし図47は本発明の第2の実施形態を示す。この実施形態では、撮影状態においてもヘリコイド環218が定位置回転を行わずに、回転しながら軸方向に進退する点が先の実施形態と異なる。すなわち、ヘリコイド環218に形成した雄ヘリコイド218aは、収納状態から撮影状態に繰り出された後も対応する雌ヘリコイド(不図示)との噛合を続けるように構成されている。ファインダギヤ230の回転規制筒230b(大径円筒部230b1、平面部230b2)については、先の実施形態と同様の構成である。
図42及び図45は、第2実施形態において収納状態から撮影状態に切り換わる途中の状態を示しており、ファインダギヤ230の回転規制筒230bの平面部230b2が、ヘリコイド環218のスパーギヤ部218cに対向している。このとき平面部230b2はスパーギヤ部218cの歯先(外縁部、歯先円)に近接しており、ファインダギヤ230が回転しようとしても、平面部230b2がスパーギヤ部218cの外縁部に当て付いて回転することができない。
図43及び図46は、収納状態から撮影状態に切り換わる時点(直前)の状態を示しており、該ヘリコイド環218のスパーギヤ部218cが回転規制筒230bよりも前方に移動されるので、ファインダギヤ230はヘリコイド環218と共に回転可能になる。そして、ギヤ部230aがスパーギヤ部218cに噛合してヘリコイド環218の回転がファインダギヤ230に伝達される。このとき、ギヤ部230aは最初に低ギヤ山218c1に対して噛合し、次に通常のギヤ山218c2に噛合する。低ギヤ山218c1の機能は先の実施形態と同様である。
図44及び図47は、撮影状態(ズーム領域)の途中の状態を示している。図44に示すように、本実施形態では撮影状態になってからもヘリコイド環218は光軸方向前方(図中の左方)に向けて回転進退している(その軌跡を矢印Hで示す)。このヘリコイド環218の前方への移動は、ファインダギヤ230の回転規制筒230bから離れる方向の移動であるから、撮影状態では平面部230b2がスパーギヤ部218cに接触することはなく、ファインダギヤ230がヘリコイド環218に連動して回転される。ファインダギヤ230のギヤ部230aは、ヘリコイド環218が軸方向に進退してもスパーギヤ部218cとの噛合を維持することができるように、先の実施形態のものよりも軸方向に長く形成されている。
撮影状態から収納状態に戻るときは、以上とは逆にズーム領域(ワイド端)を越えた時点で平面部230b2がスパーギヤ部218cに対向し、以降はファインダギヤ230の回転が規制される。
このように、ズーム領域でヘリコイド環が回転しながら回転軸方向に進退するタイプのズームレンズカメラにも適用が可能である。つまり、本発明においては回転環が定位置回転を行わない(回転進退のみを行う)態様とすることも可能である。
図48ないし図53は本発明の第3の実施形態を示す。この実施形態は、ファインダギヤ330が、回転規制筒330bを挟んで回転軸方向の前後に2つのギヤ部330a1、330a2を備えることに特徴がある。回転規制筒330bにおける大径円筒部330b1や平面部330b2は、先の各実施形態と同様の機能を有する。また、ヘリコイド環318における雄ヘリコイド318a、スパーギヤ部318c、低ギヤ山318c1、通常ギヤ山318c2などの形状や機能は、第2実施形態と共通する。
図48ないし図50、及び図51ないし図53は、第2実施形態の図42ないし図44、及び図45ないし図47の同様の時間的推移を表している。重複による煩雑さを避けるため詳細な説明は省略するが、図48及び図51の状態ではファインダギヤ330の回転が規制され、図49及び図52の状態でギヤ部330a1がスパーギヤ部318cに噛合して該回転が可能になり、図50及び図53はヘリコイド環318に連動してファインダギヤ330が所定角度回転された状態を示している。ヘリコイド環318に逆方向の回転を与えると、図48及び図51の状態で再びファインダギヤ330の回転が規制される。本実施形態ではさらに、ヘリコイド環318を図48の位置よりも同図右手方向へ回転進退させたときに、回転規制筒330b(平面部330b2)の軸方向長さを越える移動量が与えられると、スパーギヤ部318cが別のギヤ部330a2に噛合して、ファインダギヤ330が再びヘリコイド環318に連動して回転されるようになる。つまり、ヘリコイド環318の一方向の回転進退において、ファインダギヤ330が連動回転される位相が2度現れることになる。
このように、本発明においては、回転伝達ギヤが回転環に連動して回転する状態と回転規制される状態とを、回転伝達ギヤにおけるギヤ部と回転規制部の数や配置によって任意に変化させることができる。以上の例では2つのギヤ部330a1、330a2が1つの回転規制筒330bを挟むようにしたが、これと反対に回転規制筒(回転規制部)を2つ設けてその間にギヤ部を設けてもよい。この場合、回転が伝達される領域の両側2箇所が回転非伝達領域になるので、例えば撮影状態(ズーム域)を挟んで収納状態と分解状態とに切り換わるタイプのカメラにおいて、収納状態に加えて分解状態でも回転伝達を遮断するように適用することができる。さらに、回転軸方向におけるギヤ部と回転規制部の数をこれよりも増やすことも可能であり、ギヤ部と回転規制部をそれぞれ複数設けてもよい。この場合、回転軸方向においてギヤ部と回転規制部が交互に現れるように配置すればよい。
また、第3の実施形態では、ヘリコイド環318は第2実施形態と同様に定位置回転を行わない(常に回転進退する)ものとしたが、例えば、スパーギヤ部318cがギヤ部330a1または(及び)ギヤ部330a2に噛合するときに、ヘリコイド環318が第1の実施形態と同様に軸方向への移動を行わずに定位置回転を行うように構成することもできる。
以上、図示実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではない。図示実施形態では撮影光学系に連動させる駆動対象はズームファインダであるが、撮影光学系に連動して照射角が変化するズームストロボの駆動系としても本発明は適用可能である。さらに本発明は、回転環の特定の回転位相でのみ回転力を取り出して伝達するような回転伝達機構であれば、実施形態のようなズームレンズカメラに限らず様々な機器に適用することができる。
また、実施形態では回転環であるヘリコイド環18が回転軸方向に可動で、ヘリコイド環18の回転を受けるファインダギヤ30は、回転軸方向に移動しない定位置回転部材であるが、この両部材において、少なくともファインダギヤ30の回転軸方向成分を含む方向の相対移動が生じるのであれば、いずれを可動部材としてもよい。例えば、ヘリコイド環18を定位置回転のみ行う回転環とし、代わりにファインダギヤ30を回転軸方向へ移動させてもよい。あるいは、ヘリコイド環18とファインダギヤ30の両方を回転軸方向へ移動可能としてもよい。
また、実施形態では平面部30b2によってファインダギヤ30の回転規制を行っているが、このような平面に限らない別な形状の回転規制部を採用することも可能である。
また本発明は、回転環と被駆動部材の間に設ける伝動機構に関しても、実施形態とは異なる形態とすることができる。例えば、被駆動部材が直進移動を行う場合、回転環の回転力を直進方向の移動力に変換させるために、上記実施形態で用いた円筒状のカムに代えて、ラックピニオン機構によって平面的に移動するカム板などを用いることもできる。
また、被駆動部材の駆動態様も、実施形態のような直進移動に限定されない。例えば、被駆動部材は回転部材であってもよい。
本発明の回転伝達機構を適用したズームレンズ鏡筒の分解斜視図である。 図1のズームレンズ鏡筒における、第1レンズ群の支持機構に関する要素の分解斜視図である。 図1のズームレンズ鏡筒における、第2レンズ群の支持機構に関する要素の分解斜視図である。 図1のズームレンズ鏡筒における、固定環から第3外筒までの繰出機構に関する要素の分解斜視図である。 図1のズームレンズ鏡筒に、ズームモータとファインダユニットを加えた完成状態の斜視図である。 本発明を適用したズームレンズ鏡筒を搭載したカメラの、ワイド端とテレ端の使用状態を示す縦断面図である 同カメラの鏡筒収納状態の縦断面図である。 固定環の展開平面図である。 ヘリコイド環の展開平面図である。 ヘリコイド環の内周面側の構成要素を透視して示す展開平面図である。 第3外筒の展開平面図である。 直進案内環の展開平面図である。 カム環の展開平面図である。 カム環の内周面側の2群案内カム溝を透視して示す展開平面図である。 直進案内環の展開平面図である。 2群レンズ移動枠の展開平面図である。 第2外筒の展開平面図である。 第1外筒の展開平面図である。 本実施形態のズームレンズ鏡筒の主要な構成要素の動作関係を概念的に示す図である。 鏡筒収納状態におけるヘリコイド環、第3外筒及び固定環の関係を示す展開平面図である。 ワイド端におけるヘリコイド環、第3外筒及び固定環の関係を示す展開平面図である。 テレ端におけるヘリコイド環、第3外筒及び固定環の関係を示す展開平面図である。 図20から固定環を省略した展開平面図である。 図21から固定環を省略した展開平面図である。 ファインダユニットの分解斜視図である。 ファインダユニットと伝達ギヤ列をズームレンズ鏡筒に取り付ける工程を示す前方からの斜視図である。 ファインダユニット及び伝達ギヤ列の取り付け後のズームレンズ鏡筒の前方斜視図である。 同ズームレンズ鏡筒の側面図である。 同ズームレンズ鏡筒の後方斜視図である。 ヘリコイド環からファインダ光学系の可動変倍レンズまでの動力伝達系を取り出して示す前方斜視図である。 同動力伝達系の正面図である。 同動力伝達系の側面図である。 図23の収納状態から図24のワイド端に至る途中のファインダギヤとヘリコイド環の位置関係を示す展開平面図である。 図33に続く状態の同展開平面図である。 図34に続く状態の同展開平面図である。 図35に続く状態の同展開平面図である。 図34の状態をファインダギヤの正面側から見た図である。 図35の状態をファインダギヤの正面側から見た図である。 図36の状態をファインダギヤの正面側から見た図である。 ファインダ光学系のカムギヤの展開平面図である。 本発明と比較するための、空走区間を有する従来のカムギヤの展開平面図である。 本発明の第2の実施形態において、ヘリコイド環に対するファインダギヤの連動回転が規制されている状態の両者の位置関係を示す展開平面図である。 図42に続き、ファインダギヤがヘリコイド環に連動して回転可能になった状態の展開平面図である。 図43に続き、ファインダギヤがヘリコイド環に連動して所定角回転された状態の展開平面図である。 図42の状態をファインダギヤの正面側から見た図である。 図43の状態をファインダギヤの正面側から見た図である。 図44の状態をファインダギヤの正面側から見た図である。 本発明の第3の実施形態において、ヘリコイド環に対するファインダギヤの連動回転が規制されている状態の両者の位置関係を示す展開平面図である。 図48に続き、ファインダギヤがヘリコイド環に連動して回転可能になった状態の展開平面図である。 図49に続き、ファインダギヤがヘリコイド環に連動して所定角回転された状態の展開平面図である。 図48の状態をファインダギヤの正面側から見た図である。 図49の状態をファインダギヤの正面側から見た図である。 図50の状態をファインダギヤの正面側から見た図である。
符号の説明
A 絞り
LG1 第1レンズ群
LG2 第2レンズ群
LG3 第3レンズ群
LG4 ローパスフィルタ
S シャッタ
Z0 鏡筒中心軸(回転環の回転軸)
Z1 撮影光軸
Z2 退避光軸
Z3 ファインダ対物系の光軸
1 1群レンズ枠
1a 雄調整ねじ
2 1群調整環
2a 雌調整ねじ
2b ガイド突起
2c 係合爪
3 1群抜止環
3a ばね受け部
6 2群レンズ枠
8 2群レンズ移動枠
8a 直進案内溝
8b 2群用カムフォロア
8b-1 前方カムフォロア
8b-2 後方カムフォロア
10 2群直進案内環
10a 股状突起
10b リング部
10c 直進案内キー
11 カム環
11a 2群案内カム溝
11a-1 前方カム溝
11a-2 後方カム溝
11b 1群案内カム溝
11c 11e 周方向溝
11d バリヤ駆動環押圧面
12 第1外筒
12a 係合突起
12b 1群調整環ガイド溝
13 第2外筒
13a 直進案内突起
13b 直進案内溝
13c 内径フランジ
14 直進案内環
14a 直進案内突起
14b 14c 相対回動案内突起
14d 周方向溝
14e ローラ案内貫通溝
14e-1 14e-2 周方向溝部
14e-3 リード溝部
14f 第1直進案内溝
14g 第2直進案内溝
15 第3外筒
15a 回転伝達突起
15b 嵌合突起
15c ばね当付凹部
15d 相対回動案内突起
15e 周方向溝
15f ローラ嵌合溝
17 ローラ付勢ばね
17a ローラ押圧片
18 218 318 ヘリコイド環(回転環)
18a 218a 318a 雄ヘリコイド
18b 回転摺動突起
18c 218c 318c スパーギヤ部(環状ギヤ)
18c1 低ギヤ山
18c2 通常ギヤ山
18d 回転伝達凹部
18e 嵌合凹部
18f ばね挿入凹部
18g 周方向溝
21 CCDホルダ
21a カム突起
21b 軸孔
22 固定環
22a 雌ヘリコイド
22b 直進案内溝
22c リード溝
22d 回転摺動溝
22e ストッパ挿脱孔
22z 前方環状領域
24 1群付勢ばね
25 離間方向付勢ばね
26 分解ストッパ
28 ズームギヤ
29 ズームギヤ軸
30 230 330 ファインダギヤ(回転伝達ギヤ、連動光学系駆動ギヤ)
30a 230a 330a1 330a2 ギヤ部
30b 230b 330b 回転規制筒(回転規制部)
30b1 230b1 330b1 大径円筒部
30b2 230b2 330b2 平面部(平面状外面部)
30c 30d 回転軸
31 1群用ローラ
32 カム環ローラ
32a ローラ固定ねじ
33 2群回動軸
35 回動規制ピン
36 37 2群レンズ枠支持板
38 軸方向押圧ばね
39 2群レンズ枠戻しばね
51 AFレンズ枠(3群レンズ枠)
52 53 AFガイド軸
54 AFナット
55 AF枠付勢ばね
60 CCD(固体撮像素子)
61 パッキン
62 CCDベース板
64 抜止環固定ビス
66 支持板固ビス
70 デジタルカメラ
71 ズームレンズ鏡筒
72 カメラボディ
73 フィルタホルダ
74 減速ギヤボックス
75 レンズ駆動制御FPC基板
76 シャッタユニット
77 露出制御FPC基板
80 ファインダユニット
80a 固定ビス
81a 対物窓
81b 81c 可動変倍レンズ(被駆動部材)
81d ミラー
81e 固定レンズ
81f プリズム
81g 接眼レンズ
81h 接眼窓
82 ファインダ支持枠
83 第1可動枠(被駆動部材)
83a フォロアピン
84 第2可動枠(被駆動部材)
84a フォロアピン
85 86 ガイドシャフト
87 88 圧縮コイルばね
89 回転軸
90 カムギヤ(駆動方向変換機構、円筒状カム)
90a ギヤ部
90b 第1カム面
90b1 周方向直線面
90c 第2カム面
90c1 周方向直線面
90d 圧縮コイルばね
91 伝達ギヤ列
91a 91b 91c 91d 平ギヤ
92 ギヤ押さえ板
92a 固定ビス
93 ギヤ支持軸
101 バリヤカバー
102 バリヤ押さえ板
103 バリヤ駆動環
104 105 バリヤ羽根
106 バリヤ付勢ばね
107 バリヤ駆動環付勢ばね
150 ズームモータ
160 AFモータ

Claims (22)

  1. ギヤ部を有する回転環;及び
    回転軸方向に位置を異ならせてギヤ部と断面非円形の回転規制部を備えた回転伝達ギヤ;
    を備え、
    上記回転環と回転伝達ギヤは該回転伝達ギヤの回転軸方向成分を含む方向に相対移動可能で、所定の相対位置では回転環と回転伝達ギヤのギヤ部が互いに噛合し、別の相対位置では、回転環のギヤ部が回転規制部に対向して回転伝達ギヤの回転が規制されることを特徴とする回転伝達機構。
  2. 請求項1記載の回転伝達機構において、上記回転環は回転軸方向に移動可能であり、回転伝達ギヤは該回転軸方向には移動しない回転伝達機構。
  3. 請求項2記載の回転伝達機構において、上記回転環は、特定の回転位相では回転しながら回転軸方向に移動し、別の特定の回転位相では回転軸方向に移動しない定位置回転を行い、回転環と回転伝達ギヤは、回転環が定位置回転を行うとき互いのギヤ部が噛合する回転軸方向の相対位置関係にあり、回転環が回転しながら回転軸方向に移動するとき、上記回転規制部が回転環側のギヤ部に対向する回転軸方向の相対位置関係にある回転伝達機構。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の回転伝達機構において、上記回転環のギヤ部は、該回転環の周面に形成された環状ギヤである回転伝達機構。
  5. 請求項4記載の回転伝達機構において、上記回転環は、上記環状ギヤと同一周面位置にヘリコイドを有している回転伝達機構。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の回転伝達機構において、回転伝達ギヤの回転規制部は、該回転伝達ギヤの回転軸と平行な直線を含む平面状外面部を有する回転伝達機構。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の回転伝達機構において、回転伝達ギヤにおける上記ギヤ部と回転規制部の少なくとも一方を回転軸方向位置に位置を異ならせて複数備えている回転伝達機構。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の回転伝達機構において、上記回転伝達ギヤの回転軸と平行な方向へ可動に直進案内された被駆動部材を備え、回転伝達ギヤから伝達される回転力を該被駆動部材の直進移動に変える駆動方向変換機構を有する回転伝達機構。
  9. 請求項8記載の回転伝達機構において、上記駆動方向変換機構は、上記回転伝達ギヤの回転軸と平行な回転軸を中心として回転可能で、外周面に少なくとも一つのカム面が形成された円筒状カムを有する回転伝達機構。
  10. 請求項8または9記載の回転伝達機構において、上記回転伝達ギヤと被駆動部材の間に、複数の平ギヤからなるギヤ列を有する回転伝達機構。
  11. 請求項8ないし10のいずれか1項記載の回転伝達機構において、それぞれが上記回転伝達ギヤの回転軸と平行な方向に移動可能な複数の上記被駆動部材が設けられ、回転伝達ギヤの回転により該複数の被駆動部材が相対的に間隔を変化させながら移動する回転伝達機構。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の回転伝達機構において、上記回転環のギヤ部は、上記回転伝達ギヤの回転規制部に対向する状態からギヤ部に噛合する状態になるとき該ギヤ部に対して最初に噛合するギヤ山が、他のギヤ山よりも径方向の突出量が小さい低ギヤ山として形成されている回転伝達機構。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項記載の回転伝達機構において、上記回転環はズームレンズカメラに設けられ、該回転環の回転により撮影光学系を構成する複数の光学要素が光軸方向に進退する回転伝達機構。
  14. 請求項13記載の回転伝達機構において、上記被駆動部材は、上記撮影光学系に連動するズームファインダを構成する光学要素である回転伝達機構。
  15. 請求項13記載の回転伝達機構において、上記被駆動部材は、上記撮影光学系に連動するズームストロボを構成する光学要素である回転伝達機構。
  16. 変倍可能な撮影光学系と該撮影光学系の変倍動作に連動する連動光学系を有し、上記撮影光学系は上記変倍動作を行う撮影状態と撮影を行わない収納状態とに切換可能なズームレンズカメラにおいて、
    上記撮影光学系の少なくとも一部を構成する光学要素を支持しかつ周面に環状のギヤを有し、回転しながら回転軸に沿う方向へ進退する回転位相を有する撮影光学系駆動環;及び
    上記撮影光学系駆動環の回転軸と平行な回転軸を中心に回転可能で、回転により上記連動光学系を駆動する連動光学系駆動ギヤ;
    を備え、
    上記連動光学系駆動ギヤは、その回転軸に沿う方向に位置を異ならせて、上記環状ギヤに噛合可能なギヤ部と、該環状ギヤの外縁部との当接により回転が規制される断面非円形の回転規制部とを有し、
    上記撮影光学系駆動環と上記連動光学系駆動ギヤは、該撮影光学系駆動環が撮影光学系に上記変倍動作を行わせる回転軸方向位置にあるとき上記環状ギヤとギヤ部とが噛合する回転軸方向の相対位置関係にあり、該撮影光学系駆動環が撮影光学系に撮影状態と収納状態の切換を行わせる回転軸方向位置にあるとき上記回転規制部と上記環状ギヤが対向する回転軸方向の相対位置関係にあることを特徴とするズームレンズカメラ。
  17. 請求項16記載のズームレンズカメラにおいて、連動光学系駆動ギヤは、回転軸方向位置に位置を異ならせて、複数の上記ギヤ部と該複数のギヤ部の間に位置する上記回転規制部を有しているズームレンズカメラ。
  18. 請求項16または17記載のズームレンズカメラにおいて、上記撮影光学系駆動環は、特定の回転位相では上記回転進退動作を行い、別の特定の回転位相では回転軸方向に移動しない定位置回転を行い、撮影光学系駆動環と連動光学系駆動ギヤは、撮影光学系駆動環が定位置回転を行うとき上記環状ギヤとギヤ部とが噛合する回転軸方向の相対位置関係にあり、撮影光学系駆動環が回転進退を行うとき上記回転規制部と上記環状ギヤが対向する回転軸方向の相対位置関係にあるズームレンズカメラ。
  19. 請求項16ないし18のいずれか1項に記載のズームレンズカメラにおいて、上記撮影光学系駆動環と連動光学系駆動ギヤの回転軸は、撮影光学系の光軸と平行であるズームレンズカメラ。
  20. 請求項16ないし19のいずれか1項に記載のズームレンズカメラにおいて、上記連動光学系はズームファインダであるズームレンズカメラ。
  21. 請求項16ないし19のいずれか1項に記載のズームレンズカメラにおいて、上記連動光学系はズームストロボであるズームレンズカメラ。
  22. 請求項16ないし21のいずれか1項に記載のズームレンズカメラにおいて、上記環状ギヤは、上記連動光学系駆動ギヤの回転規制部に対向する状態からギヤ部に噛合する状態になるとき該ギヤ部に対して最初に噛合するギヤ山が、他のギヤ山よりも径方向の突出量が小さい低ギヤ山として形成されているズームレンズカメラ。

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