JP2004257314A - 燃料フィルタの目詰まり防止装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サーモバルブ10は、燃料噴射ポンプ2からの戻り燃料流路24と繋がる戻り燃料流入路15と、燃料タンク1への戻り燃料流路25と繋がる戻り燃料流出路16と、燃料フィルタ5と繋がるフィルタ直結路17とを有し、燃料フィルタ5内の燃料の温度が燃料中に固形成分が析出することのない温度として定められた所定温度よりも低いときには、戻り燃料流入路15が戻り燃料流出路16及びフィルタ直結路17の双方と連通する位置にスプール12を位置させ、燃料フィルタ5内の燃料の温度が上記所定温度よりも高いときには、戻り燃料流入路15とフィルタ直結路17との連通が遮断され、戻り燃料流入路15が戻り燃料流出路16のみと連通する位置にスプール12を位置させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力機械を寒冷地で使用した場合に、燃料(主に軽油)中に析出した蝋状の固形成分(ワックス)により燃料フィルタの濾材が目詰まりする不具合を防止する燃料フィルタの目詰まり防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
軽油を燃料として作動する動力機械、及びガソリンを燃料として作動する動力機械の一部のエンジンには、燃料を霧状にしてシリンダ内若しくは吸気ポート中に供給する燃料噴射供給システムが備えられている。この燃料噴射供給システムは燃料タンク、燃料噴射ポンプ及びノズルを備えてなり、燃料タンクと燃料噴射ポンプとの間の流路中には、燃料タンク内の燃料中に含まれるごみや埃等の異物を除去するための燃料フィルタが設けられている。この燃料フィルタ内には濾紙等により構成された濾材を有してなるフィルタエレメントが交換自在に取り付けられており、目詰まりしたときには容易に交換することができるようになっている。
【0003】
また、軽油を燃料として作動する動力機械を寒冷地で使用する場合には、燃料(軽油)中に蝋状の固形成分(ワックス)が析出するため、フィルタエレメントの目詰まりが著しい。このようにフィルタエレメントが目詰まりし易くなると、フィルタエレメントの交換を頻繁に行う必要が出てくるため、不経済であるとともに作業効率を大きく低下させる。このため従来、燃料フィルタの目詰まりを防止する装置が種々考案されており、その一つとして、燃料フィルタの近傍にヒータを設置し、これにより燃料フィルタ全体を暖めてフィルタエレメントに付着したワックスを除去する(溶かす)構成のものが知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭57−102553号公報
【特許文献2】
特開平4−31726号公報
【特許文献3】
特開平3−73754号公報
【特許文献4】
特公平6−65867号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の目詰まり防止装置に用いられるヒータは電気配線が必要であるため取り扱いがしにくいうえ、ヒータに電力を供給する必要もあることからコスト高であるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、従来に比して取り扱いが容易であるとともに、製造コストを安価にすることが可能な構成の燃料フィルタの目詰まり防止装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明に係る燃料フィルタの目詰まり防止装置は、燃料タンクと、燃料噴射ポンプと、燃料タンクと燃料噴射ポンプとの間に設けられ、燃料噴射ポンプにより吸い上げられた燃料タンク内の燃料の濾過を行う燃料フィルタと、燃料噴射ポンプから燃料タンクへの戻り燃料流路中に介装され、戻り燃料流路の上流側と繋がる戻り燃料流入路、戻り燃料流路の下流側と繋がる戻り燃料流出路及び燃料フィルタと繋がるフィルタ直結路を有し、燃料フィルタ内の燃料の温度が燃料中に固形成分(ワックス)が析出することのない温度として定められた所定温度よりも低いときには、戻り燃料流入路が戻り燃料流出路及びフィルタ直結路の双方と連通する位置にスプールを位置させ、燃料フィルタ内の燃料の温度が所定温度よりも高いときには、戻り燃料流入路とフィルタ直結路との連通が遮断され、戻り燃料流入路が戻り燃料流出路のみと連通する位置にスプールを位置させる温度依存形流路切換バルブ(例えば、実施形態におけるサーモバルブ10)とを備える。
【0008】
本発明に係る燃料フィルタの目詰まり防止装置では、燃料フィルタ内の燃料の温度が燃料中に固形成分(ワックス)が析出することのない温度として定められた所定温度よりも低いときには、温度依存形流路切換バルブは、戻り燃料流入路が戻り燃料流出路及びフィルタ直結路の双方と連通する位置にスプールを位置させて、燃料噴射ポンプからの戻り燃料の一部を燃料フィルタ内に流入させるようになっており、燃料フィルタ内の燃料の温度が上記所定温度よりも高いときには、戻り燃料流入路とフィルタ直結路との連通が遮断され、戻り燃料流入路が戻り燃料流出路のみと連通する位置にスプールを位置させて、燃料噴射ポンプからの戻り燃料を全て燃料タンクに戻すようになっている。
【0009】
このように、本発明に係る燃料フィルタの目詰まり防止装置では、燃料フィルタが設置される動力機械のエンジンの始動時に外気温が低く、燃料タンク内の燃料中に析出した固形成分(ワックス)がエンジンの運転とともに燃料フィルタの濾材に堆積していくような場合であっても、燃料フィルタ内の燃料の温度が低い間は、燃料噴射ポンプを経由して或る程度温まった燃料噴射ポンプからの戻り燃料の一部が燃料フィルタ内に送り込まれて、濾材に付着した固形成分が徐々に溶かされることとなるので、濾材が目詰まりして燃料噴射ポンプによる燃料の吸い上げができなくなるような事態が防止される。また、これにより燃料フィルタの濾材の交換を頻繁に行う必要がなくなるので経済的であり、作業効率も向上する。
【0010】
また、エンジンが十分に暖機されて燃料タンク内の燃料の温度も或る程度上がり、燃料フィルタ内の燃料の温度が十分に上昇した後は、燃料噴射ポンプからの戻り燃料は燃料フィルタに送り込まれることなく、全てが燃料タンクに戻される(適度に冷やされる)ので、エンジンの効率よい運転を行うことができるようになる。このような構成の燃料フィルタの目詰まり防止装置では、従来のように電気配線が必要なヒータを用いていないため取り扱いが容易であり、簡単かつ安価に構成できることから製造コストを低く抑えることができる。
【0011】
また、本発明に係る燃料フィルタの目詰まり防止装置では、上記温度依存形流路切換バルブが燃料フィルタと一体に構成されていることが好ましい。このような構成であれば、温度依存形流路切換バルブと燃料フィルタとの間の配管を簡単なものとすることができるので、これら両者の取り扱いが更に容易になり、温度依存形切換バルブの所定位置への設置及び取り外しとメンテナンスに要する作業をより簡単にすることができるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は本発明に係る燃料フィルタの目詰まり防止装置が適用された燃料噴射供給システムの簡略構成図である。ここに示す燃料噴射供給システムは車両用ディーゼルエンジンの燃料噴射装置に用いられるものの一例であり、燃料タンク1内の燃料(軽油)を燃料噴射ポンプ2により吸い上げ、これを噴射ノズル(インジェクター)4よりエンジンのシリンダ室(図示せず)内に噴霧供給させる構成を有する。
【0013】
燃料タンク1は車体(図示せず)内に設置されており、ここにはディーゼルエンジンの燃料である軽油が蓄えられている。燃料噴射ポンプ2と燃料タンク1とは燃料供給路21,22により接続されており、これら両路21,22の間には燃料フィルタ5及び温度依存形流路切換バルブであるサーモバルブ10が介装されている。また、燃料噴射ポンプ2と噴射ノズル4とは燃料供給路23により繋がれている。
【0014】
燃料噴射ポンプ2の戻り流路3には戻り燃料流路24が接続されており、この戻り燃料流路24は戻り燃料流路25を介して燃料タンク1と繋がっている。また、噴射ノズル4からの戻り燃料流路26は上記戻り燃料流路24に合流しており、戻り燃料流路25を介して燃料タンク1に繋がっている。サーモバルブ10は燃料フィルタ5と一体に構成されており(但し、図1では構成を判り易くするため、燃料フィルタ5とサーモバルブ10とは離して描いている)、燃料噴射ポンプ2からの戻り燃料流路24,25の間に位置している。
【0015】
図2は上記サーモバルブ10の構成を断面図により示したものである。このサーモバルブ10は内部に円筒状のバルブ穴11aが形成されたバルブボディ11と、バルブ穴11a内に挿設された円筒状のスプール12と、バルブ穴11a内に縮設されてスプール12をバルブ穴11aの一方側(図2では紙面右側)に付勢するスプリング13と、周囲温度の上昇に伴って下端部が図2の左方に撓み変形し、スプリング13の付勢力に抗してスプール12をバルブ穴11aの他方側(図2では紙面左側)に移動させるバイメタル14とを有して構成されている。
【0016】
バルブボディ11には戻り燃料流入路15、戻り燃料流出路16及びフィルタ直結路17が図2のように設けられている。戻り燃料流入路15には、燃料噴射ポンプ2からの戻り燃料流路24が連結され、戻り燃料流出路16には、燃料タンク1への戻り燃料流路25が連結される。また、フィルタ直結路17には、フィルタ5の燃料流入口5aと繋がる流路27が連結される(図1参照)。また、図2に示すように、バルブボディ11の紙面右側端部には燃料室18が設けられており、バイメタル14はこの燃料室18内に晒された状態でバルブボディ11に取り付けられている。なお、この燃料室18にはフィルタ5と繋がる流路28を介してフィルタ5内の燃料が導かれ、更に燃料室18に導かれた燃料は上述の燃料供給路22を介して燃料噴射ポンプ2へ送られるようになっている。
【0017】
図2に示すように、スプール12の紙面右側端部は燃料室18内に突出しており、変形していない状態のバイメタル14に図の左方から接触している(若干離間していてもよい)。ここで、燃料室18内の燃料の温度が低く(すなわちフィルタ5内の燃料の温度が低く)、バイメタル14が変形していない状態では、スプール12は戻り燃料流入路15が戻り燃料流出路16及びフィルタ直結路17の双方と連通する位置に位置し(図2(A)参照)、燃料室18内の燃料の温度が所定温度よりも高い状態では、バイメタル14の変形(反り)によりスプール12はスプリング13の付勢力に抗して図2の左方へ移動して、戻り燃料流入路15とフィルタ直結路17との連通が遮断され、戻り燃料流入路15が戻り燃料流出路16のみと連通する位置に位置する(図2(B)参照)。
【0018】
図3は、燃料フィルタ5内の温度(すなわちサーモバルブ10の燃料室18内の温度)とサーモバルブ10のスプール12の移動量との関係を示すグラフである。ここで、スプール12の移動量とは、スプール12がバルブボディ11の当接部11bに当接した状態を基準として測るスプール12の移動量であり、図2(B)中に示す距離Δに相当する量である。このようにサーモバルブ10では、燃料フィルタ5内の燃料の温度が上昇するのに伴ってスプール12の移動量が増大する構成となっており、また、この図3のような特性となるように、バイメタル14を構成する2種の材料及びその寸法・形状等が選択される。
【0019】
ここで、図3のグラフ中に示す温度T0は燃料中に蝋状の固形成分(ワックス)が析出する温度範囲の最高値(摂氏0度前後)であり、同じく図3のグラフ中に示す温度Tは上記温度T0よりも高い温度、すなわち燃料中に蝋状の固形成分が析出することのない温度として選択した一つの基準温度(以下、この温度を所定温度Tと称する)である。当然ではあるが、燃料の温度がこの温度Tよりも高い温度のときには少なくともワックスが析出することはない。
【0020】
ここで、サーモバルブ10は、燃料室18内の温度が低温域から上昇して図2の左方に移動してきたスプール12が、初めてフィルタ直結路17を完全に閉塞するときの移動量と、燃料フィルタ5内の燃料の温度が所定温度Tであるときのスプール12の移動量(図3中に示すスプール12の移動量m)とが一致するように種々の条件が設定されている。
【0021】
次に、本実施形態に示された燃料噴射供給システムの動作について説明する。エンジンのクランク軸(又は図示しない動力源)により燃料噴射ポンプ2が回転駆動されると、この燃料噴射ポンプ2は燃料供給路21,22を介して燃料タンク1内より燃料を吸い上げ、これを噴射ノズル4に圧送する。噴射ノズル4は燃料噴射ポンプ2より圧送されてきた燃料を図示しない制御装置(例えば電子制御装置)により制御された噴射タイミングでエンジンのシリンダ室内に燃料を霧状にして噴射する。
【0022】
ここで、燃料噴射ポンプ2が燃料タンク1から吸い上げた燃料は、燃料供給路21から燃料フィルタ5の燃料流入口5aを通って内部に設けられたフィルタエレメント5c(図1参照)を通過した後、流路28よりサーモバルブ10の燃料室18を経由し、燃料供給路22を通って燃料噴射ポンプ2に供給される。フィルタエレメント5cは燃料がここを通過するときに燃料中に含まれるごみや埃等を除去(濾過)するが、低温時には燃料タンク1内の燃料中にワックスが析出するため、このようなワックスも併せて除去する。なお、フィルタエレメント5cは消耗品であり、濾材が目詰まりしたり、定められた所定の期間が経過したりしたときには新品と交換される。
【0023】
燃料噴射ポンプ2及び噴射ノズル4において余った燃料は戻り燃料流路24を通ってサーモバルブ10の戻り燃料流入路15からバルブボディ11のバルブ穴11a内に流入する。ここで、エンジンの始動時(すなわち燃料噴射ポンプ2の始動時)において、燃料フィルタ5内の燃料の温度が、燃料中にワックスが析出することのない温度として定められた図3のグラフ中における所定温度Tよりも低くなっているときには、スプール12の移動量がグラフ中に示す移動量mよりも小さくなるため、戻り燃料流入路15は戻り燃料流出路16及びフィルタ直結路17の双方と連通する(図2(A)参照)。これにより、燃料フィルタ5内には、燃料噴射ポンプ2からの戻り燃料の一部が、フィルタ直結路27を経て流入する。また、戻り燃料の残りの一部はサーモバルブ10の戻り燃料流出路16より戻り燃料流路25を経て燃料タンク1内に戻される。
【0024】
一方、燃料フィルタ5内の燃料の温度が上記所定温度Tよりも高くなっているときには、スプール12の移動量が図3のグラフ中に示す移動量mよりも大きくなるため、戻り燃料流入路15とフィルタ直結路17との連通は遮断され、戻り燃料流入路15は戻り燃料流出路16のみと連通する。これにより、燃料噴射ポンプ2からの戻り燃料の全ては、サーモバルブ10の戻り燃料流出路16から戻り燃料流路25を経て燃料タンク1内に戻され、燃料フィルタ5内には、燃料噴射ポンプ2からの戻り燃料は流入しない。
【0025】
図2(A),(B)は、前述の図3に示すグラフ中の点A及び点Bに対応するサーモバルブ10の状態にそれぞれ対応している。ここで、グラフ中の点Aは、燃料フィルタ5内の燃料の温度が上記所定温度Tよりも低く、燃料噴射ポンプ5からの戻り燃料の一部が燃料フィルタ5内に流入する状態であり、グラフ中の点Bは、燃料フィルタ5内の燃料の温度が上記所定温度Tよりも高く、燃料噴射ポンプ2からの戻り燃料が燃料フィルタ5内に流入しない(戻り燃料の全量が燃料タンク1に戻される)状態である。
【0026】
このように、本発明に係る燃料フィルタの目詰まり防止装置では、燃料フィルタ5内の燃料の温度が燃料中にワックスが析出することのない温度として定められた所定温度Tよりも低いときには、温度依存形流路切換バルブであるサーモバルブ10は、戻り燃料流入路15が戻り燃料流出路16及びフィルタ直結路17の双方と連通する位置にスプール12を位置させて、燃料噴射ポンプ2からの戻り燃料の一部を燃料フィルタ5内に流入させるようになっており、燃料フィルタ5内の燃料の温度が所定温度Tよりも高いときには、戻り燃料流入路15とフィルタ直結路17との連通が遮断され、戻り燃料流入路15が戻り燃料流出路16のみと連通する位置にスプール12を位置させて、燃料噴射ポンプ2からの戻り燃料の全てを燃料タンク1に戻すようになっている。このため、エンジンの始動時に外気温が低く、燃料タンク1内の燃料中に析出したワックスがエンジンの運転とともに燃料フィルタ5の濾材(フィルタエレメント5c)に堆積していくような場合であっても、燃料フィルタ5内の燃料の温度が低い間は、燃料噴射ポンプ2を経由して或る程度温まった燃料噴射ポンプ2からの戻り燃料の一部が燃料フィルタ5内に送り込まれて、濾材に付着したワックスが徐々に溶かされることとなるので、燃料フィルタ5の濾材が目詰まりして燃料噴射ポンプ2による燃料の吸い上げができなくなるような事態が防止される。また、これにより燃料フィルタ5の濾材の交換(フィルタエレメント60の交換)を頻繁に行う必要がなくなるので経済的であり、作業効率も向上する。
【0027】
また、エンジンが十分に暖機されて燃料タンク1内の燃料の温度も或る程度上がり、燃料フィルタ5内の燃料の温度が十分に上昇した後は、燃料噴射ポンプ2からの戻り燃料は燃料フィルタ5に送り込まれることなく、全てが燃料タンク1に戻される(適度に冷やされる)ので、エンジンの効率よい運転を行うことができるようになる。このような構成の燃料フィルタの目詰まり防止装置では、従来のように電気配線が必要なヒータを用いていないため取り扱いが容易であり、簡単かつ安価に構成できることから製造コストを低く抑えることができる。
【0028】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態において示されたものに限定されない。例えば、上述の実施形態においては、温度依存形流路切換バルブであるサーモバルブ10のスプール12はバイメタル14により移動される構成であったが、これは一例であり、他の構成であってもよい。例えば、燃料フィルタ5内の燃料の温度を温度センサ等により検知し、電気力により駆動する手段等を用いてスプール12を移動させる構成とすることもできる。
【0029】
また、上述の実施形態においては、温度依存形流路切換バルブであるサーモバルブ10が燃料フィルタ5と一体に構成されていたが、これは必須の要件ではなく、サーモバルブ10を燃料フィルタ5とは別個の構成部品としてもよい。しかし、上述の実施形態において示したように、サーモバルブ10が燃料フィルタ5と一体に構成されれば、サーモバルブ10と燃料フィルタ5との間の配管を簡単なものとすることができるので、これら両者10,5の取り扱いが更に容易になり、所定位置への設置及び取り外しとメンテナンスに要する作業をより簡単にすることができるようになる。
【0030】
また、上述の実施形態においては、本発明に係る燃料フィルタの目詰まり防止装置が用いられる対象が、軽油を燃料として動作するディーゼルエンジンであるとして説明したが、これは一例であり、本発明に係る燃料フィルタの目詰まり防止装置は、軽油を燃料として動作する他の動力機械にも用いることができる。また、本発明に係る燃料フィルタの目詰まり防止装置は、上述の実施形態に示したような、軽油の濾過を目的として用いる燃料フィルタに対して使用されるものに限定されず、低温時に固形成分が析出する他の燃料の濾過を目的として用いる燃料フィルタにも使用することもできる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る燃料フィルタの目詰まり防止装置では、燃料フィルタが設置される動力機械のエンジンの始動時に外気温が低く、燃料タンク内の燃料中に析出した固形成分(ワックス)がエンジンの運転とともに燃料フィルタの濾材に堆積していくような場合であっても、燃料フィルタ内の燃料の温度が低い間は、燃料噴射ポンプを経由して或る程度温まった燃料噴射ポンプからの戻り燃料の一部が燃料フィルタ内に送り込まれて、濾材に付着した固形成分が徐々に溶かされることとなるので、濾材が目詰まりして燃料噴射ポンプによる燃料の吸い上げができなくなるような事態が防止される。また、これにより燃料フィルタの濾材の交換を頻繁に行う必要がなくなるので経済的であり、作業効率も向上する。また、エンジンが十分に暖機されて燃料タンク内の燃料の温度も或る程度上がり、燃料フィルタ内の燃料の温度が十分に上昇した後は、燃料噴射ポンプからの戻り燃料は燃料フィルタに送り込まれることなく、全てが燃料タンクに戻される(適度に冷やされる)ので、エンジンの効率よい運転を行うことができるようになる。このような構成の燃料フィルタの目詰まり防止装置では、従来のように電気配線が必要なヒータを用いていないため取り扱いが容易であり、簡単かつ安価に構成できることから製造コストを低く抑えることができる。
【0032】
また、本発明に係る燃料フィルタの目詰まり防止装置では、上記温度依存形流路切換バルブが燃料フィルタと一体に構成されていることが好ましく、このような構成であれば、温度依存形流路切換バルブと燃料フィルタとの間の配管を簡単なものとすることができるので、これら両者の取り扱いが更に容易になり、温度依存形切換バルブの所定位置への設置及び取り外しとメンテナンスに要する作業をより簡単にすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料フィルタの目詰まり防止装置を備えた燃料噴射供給システムの簡略構成図である。
【図2】上記目詰まり防止装置を構成する温度依存形流路切換バルブ(サーモバルブ)の構成の一例を示す断面図であり、(A)は燃料室内の燃料の温度が低く、戻り燃料流入路が戻り燃料流出路及びフィルタ直結路の双方と連通した状態を示す図、(B)は燃料室内の燃料の温度が所定温度よりも高く、戻り燃料流入路が戻り燃料流出路のみと連通した状態を示す図である。
【図3】燃料フィルタ内の温度とサーモバルブのスプールの移動量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 燃料タンク
2 燃料噴射ポンプ
4 噴射ノズル
5 燃料フィルタ
10 サーモバルブ
11 バルブボディ
12 スプール
13 スプリング
14 バイメタル
15 戻り燃料流入路
16 戻り燃料流出路
17 フィルタ直結路
18 燃料室
21,22,23 燃料供給路
24,25 戻り燃料流路
Claims (2)
- 燃料タンクと、
燃料噴射ポンプと、
前記燃料タンクと前記燃料噴射ポンプとの間に設けられ、前記燃料噴射ポンプにより吸い上げられた前記燃料タンク内の燃料の濾過を行う燃料フィルタと、
前記燃料噴射ポンプから前記燃料タンクへの戻り燃料流路中に介装され、前記戻り燃料流路の上流側と繋がる戻り燃料流入路、前記戻り燃料流路の下流側と繋がる戻り燃料流出路及び前記燃料フィルタと繋がるフィルタ直結路を有し、前記燃料フィルタ内の燃料の温度が燃料中に固形成分が析出することのない温度として定められた所定温度よりも低いときには、前記戻り燃料流入路が前記戻り燃料流出路及び前記フィルタ直結路の双方と連通する位置にスプールを位置させ、前記燃料フィルタ内の燃料の温度が前記所定温度よりも高いときには、前記戻り燃料流入路と前記フィルタ直結路との連通が遮断され、前記戻り燃料流入路が前記戻り燃料流出路のみと連通する位置に前記スプールを位置させる温度依存形流路切換バルブとを備えたことを特徴とする燃料フィルタの目詰まり防止装置。 - 前記温度依存形流路切換バルブが前記燃料フィルタと一体に構成されていることを特徴とする請求項1記載の燃料フィルタの目詰まり防止装置。
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