JP2004257142A - 発電機能付きの弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水路開閉用の電磁弁と、水流により発電動作する発電機とを備えた発電機能付きの弁装置を用いて、与えられた指令が複数種類の指令の何れの指令であるかを識別するとともに、併せてその指令に対応した制御を実行可能とする。
【解決手段】電磁弁15と、発電機14と、人の操作で開弁して水路12に水流を生ぜしめる起動弁28と、制御部42とを備えた発電機能付きの弁装置10において、制御部42を、起動弁28の開操作時間に対応する発電機14の発電動作時間の長短に応じて大洗浄指令か小洗浄指令かを識別し、識別した指令に対応した時間電磁弁15を開弁させて便器38の大洗浄又は小洗浄を行わせるようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気駆動される水路開閉用の電気駆動弁と、水路の水流により発電動作する発電機とを備えた発電機能付きの弁装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
従来、電磁弁の開閉動作によって水路を開閉するようになした弁装置が便器のフラッシュバルブ装置その他として広く用いられている。
【0003】
しかしながら従来のこの種の弁装置の場合、電磁弁を開弁及び閉弁動作させるための電源を必要とするものであり、而してその電源として商用電源を用いた場合、電源と弁装置との接続のための電気配線工事が必要であって弁装置を設置するための工事が大掛りとなってしまい、ひいては弁装置の設置コストが高いものとなってしまう。
更にまた電源として商用電源を用いた場合、停電時には弁装置が作動不能に陥ってしまう。
【0004】
一方電源として乾電池を用いた場合、予め蓄えておくことのできる電力量に限りがあり、常時乾電池を電源として電磁弁を開閉させるようになしていると乾電池が早く消耗してしまい、電池切れを起し易い問題が生ずる。
而してこの種弁装置にあっても電池切れを起してしまうと弁装置が作動不能に陥ってしまう。
【0005】
この場合、例えば水路を流れる水流で発電動作する発電機を設けておくといったことが考えられる。
このようにしておけば、水流を利用して発電させ、その電力を用いて電磁弁を閉弁動作させるといったことが可能となる。
【0006】
しかしながらこのようにした場合でも当初、即ち水流が生じていない状態において電磁弁を開弁動作させるための電源が依然として必要である。
この場合において、発電機で発生した電力を充電素子に一時的に蓄えておき、弁装置の使用当初においてその充電素子を電源として電磁弁等の電気駆動弁を開弁動作させるといったことも可能である。
【0007】
但しこの場合、例えば弁装置を長期間使用しない場合等に充電素子が充電切れを起し易く、この場合においても弁装置が作動不能となってしまうと不都合であることから、この種充電素子を備えた弁装置においても、乾電池をバックアップ電池として備えておくといったことが一般に行われる。
即ち電磁弁等の電気駆動弁の開閉動作によって水路を開閉する弁装置にあっては、従来これを完全無電源化するといったことは上記の理由によって困難とされていた。
【0008】
そこで本発明者等は、電磁弁等電気的に駆動される電気駆動弁を備え、その電気駆動弁にて水路を開閉する弁装置において、水路を流れる水流により発電する発電機を設けるとともに、電気駆動弁とは別途に人の操作で駆動されて開弁し水路に水流を生ぜしめる起動弁を設けて成る弁装置を案出し、先の特許願(特願2001−335641:未公開)においてこれを開示している。
【0009】
この弁装置によれば、起動弁の開操作により水路に水流を生ぜしめて発電機を発電動作させることができ、そしてその発生した電力を電気駆動弁を開弁動作させるための電力として、更にはその後においてこれを閉弁動作させるための電力として利用することが可能であり、この場合電気駆動弁による水路の開放から水路の遮断までを無電源で行うことが可能となる。
【0010】
ところで、この弁装置を単に水路の開放及び遮断、即ち水路の開け閉めだけでなく、使用者によって与えられた指令が複数種類の指令の何れの指令であるかを識別し、制御部においてこれに対応した制御を行わせるようになし得れば、弁装置の用途が広範に広がって好都合である。
【0011】
尚、このような起動弁を備えた発電機能付きの弁装置については、本出願人の認識する限り従来そのようなものは知られていない。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の発電機能付きの弁装置はこのような事情を背景として案出されたものである。
而して請求項1のものは、電気駆動される水路開閉用の電気駆動弁と、該水路の水流により発電動作する発電機と、該電気駆動弁とは別途に設けられ、人の操作で開弁し且つ操作中開弁状態を保って該水路に水流を生ぜしめ、該発電機を発電動作させる起動弁と、該発電機で発生した電力で駆動される前記電気駆動弁を動作制御する制御部とを備えた発電機能付きの弁装置であって、前記制御部を、前記起動弁の開操作時間に対応する前記発電機の発電動作時間の長短に応じて複数種類の指令の何れの指令かを識別し、該識別した指令に対応した、前記電気駆動弁又は該電気駆動弁及び他の電気駆動機器に対する制御を実行するものとなしてあることを特徴とする。
【0013】
請求項2のものは、請求項1において、前記電気駆動弁が、前記水路を開閉する主弁と、小孔を通じて該水路の該主弁より上流部と連通し、該小孔を通じて該水路から導入された水の圧力により該主弁を閉弁動作させる背圧室と、該背圧室内の水を該水路且つ該主弁より下流部に抜くための第1水抜水路,第2水抜水路と、該第1水抜水路上に設けられて該第1水抜水路を開閉する電気駆動のパイロット弁とを有しており、該電気駆動弁の該第2水抜水路上に前記起動弁が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記制御部が、前記発電機の発電動作時間の長短に応じて便器洗浄における大洗浄指令か小洗浄指令かを識別し、前記水路又は別の水路に設けた洗浄弁の開・閉時間,開度の大小,開・閉順序等該洗浄弁の動作を制御し、大洗浄又は小洗浄を行わせるものとなしてあることを特徴とする。
【0015】
請求項4のものは、請求項3において、前記電気駆動弁が前記洗浄弁を兼ねており、該電気駆動弁の開弁時間の長短によって前記大洗浄又は小洗浄を行わせるようになしてあることを特徴とする。
【0016】
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記発電機の発電動作時間の長短に応じた識別指令を表示する表示手段が設けてあることを特徴とする。
【0017】
請求項6のものは、請求項5において、前記表示手段がLED表示部であることを特徴とする。
【0018】
【作用及び発明の効果】
以上のように本発明は、上記起動弁の開操作時間に対応した発電機の発電動作時間の長短に応じて、与えられた指令が複数種類の指令の何れの指令かを識別し、そして識別した指令に対応した制御を制御部において実行し、上記の電気駆動弁、更には他の電気駆動機器に対する制御を実行するように弁装置を構成したものである。
【0019】
かかる本発明の弁装置は、起動弁の開弁が人の操作で行われること、更に発電機の発電動作時間が起動弁の開操作時間の長さに対応した長さとなることを利用したものである。
即ち発電機は起動弁に対し操作が入力されている間発電動作を行い、この意味において発電機が操作の入力時間を検知する機能を有していることから、つまりは発電機が弁装置を使用する人の意志を検知する機能を有していることから、発電機の発電動作時間の長短に基づいて、与えられた指令が複数種類の指令の何れの指令であるかを識別し、そしてその識別した指令に対応した制御を制御部で実行させるようになしたものである。
【0020】
この場合発電機の発電動作時間を時間計測して、その計測した時間の長短により直接指令を識別するようになしても良いし、或いはまた発電機の回転数をパルスカウントして、そのパルスの大小により間接的に発電機の発電動作時間の長短を検出し、これに基づいて指令を識別するようになすことも可能である。
【0021】
かかる本発明の弁装置によれば、制御部において単一種類の制御だけでなく、複数種類の制御を選択して実行させるようになすことが可能となり、起動弁を備えた発電機能付きの弁装置を各種用途に用い得るようになる。
【0022】
本発明においては上記電気駆動弁を、水路を開閉する主弁と、内部の圧力で主弁を閉弁動作させる背圧室と、背圧室内の水を水路に抜くための第1水抜水路,第2水抜水路と、第1水抜水路を開閉する電気駆動のパイロット弁とを有するように構成し、そしてその第2水抜水路上に上記起動弁を設けておくことができる(請求項2)。
このようになした場合、僅かな力で起動弁、ひいては電気駆動弁を開弁させることが可能となる。
【0023】
尚この場合において、第1水抜水路と第2水抜水路とは全く独立して別々に設けておいても良いし、或いはまた一部を共通に構成しておくこともできる。
本発明においてはまた、上記電気駆動弁を電磁弁にて構成しておくことができる。
【0024】
本発明においては、発電機の発電動作時間の長短に応じて便器洗浄における大洗浄指令か小洗浄指令かを識別し、洗浄弁の開・閉時間,開度の大小,開・閉順序等洗浄弁の動作を制御し、大洗浄又は小洗浄を行わせるようになすことができる(請求項3)。
このようにしておけば、便器の使用者は単一の操作部を操作するだけで簡単に大洗浄と小洗浄とを使い分けすることができ、便器洗浄の際の操作が簡単化する利点が得られる。
【0025】
この場合において上記電気駆動弁を、便器の洗浄装置における洗浄弁を兼用させるようになすことができる(請求項4)。
このようにすれば、便器の洗浄装置の構成をより簡略化することができる。
【0026】
次に請求項5は、発電機の発電動作時間の長短に応じた識別指令を表示する表示手段を設けたもので、このようにしておけば、使用者はその表示に基づいて起動弁の操作部から手を放すことで簡単に複数種類の指令を使い分けて発することができる。
この場合において上記表示手段は、LED表示部となしておくことができる(請求項6)。
【0027】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は本例の発電機能付きの弁装置で、水路12と、水路12上に設けられた発電機14と、電磁弁15とを有している。
発電機14は、水路12で生じた水流により水車を回転させて発電動作を行う。
【0028】
電磁弁15は水路12上に設けられてこれを開閉する、ダイヤフラムから成る主弁体16を有している。
ここで主弁体16は、弁座18に着座することによって水路12を遮断し、また弁座18から図中上向きに離間することによって水路12を開放する。
即ち、主弁体16が弁座18に着座することによって上流側水路12aと下流側水路12bとを遮断し、また主弁体16が弁座18から図中上向きに離間することによって、それら上流側水路12aと下流側水路12bとを連通させる。
【0029】
20は主弁体16の背面に形成された背圧室で、主弁体16は通常時はこの背圧室20内の水圧により弁座18に着座した状態、即ち閉弁状態に保持される。
この背圧室20は主弁体16に形成された小孔21を通じて上流側水路12aと連通した状態にあり、この上流側水路12aの水がこの小孔21を通じて背圧室20に導入されるようになっている。
【0030】
電磁弁15には、背圧室20内の水を下流側水路12bへと抜くための第1水抜水路22と第2水抜水路24とが設けられており、そしてその第1水抜水路22上にこれを開閉するパイロット弁としての電気駆動のプランジャ弁体26が設けられており、更に第2水抜水路24上に、これを開閉する起動弁28がパイロット弁として設けられている。
即ち、この例においては起動弁28を組み込んだ形態で弁装置10が構成されている。
但しこれとは異なって、上流側水路12aと下流側水路12bとを連通させるバイパス通路を設けて、そこに起動弁を開閉可能に設けておくことも可能である。
【0031】
この起動弁28には、開操作を行うための操作を入力する棒状の手動操作部30が外部に突き出す状態で一体に設けられている。
ここで起動弁28は、スプリング32によって常時閉弁方向に付勢された状態にある。
尚、第2水抜水路24はその一部が第1水抜水路22と共通に構成されている。
【0032】
上記プランジャ弁体26は磁性材から成っており、スプリング34によって常時閉弁方向に付勢されているとともに、ソレノイドコイル36の電磁的な吸引力によって、スプリング34の付勢力に抗し開弁動作するようになっている。
【0033】
プランジャ弁体26は、開弁後においてラッチマグネット37の磁気的な吸引力によって開弁状態に保持される。
またその状態においてソレノイドコイル36に対し開弁時とは逆向きの電流が給電されることで、ソレノイドコイル36による電磁的な反発力によりプランジャ弁体26が閉弁動作させられ、そして閉弁動作後においてはスプリング34の付勢力によってその閉弁状態に保持される。
即ちプランジャ弁体26は開弁後において開弁状態を、閉弁後において閉弁状態をそれぞれ保持するものとなっており、開弁動作時と閉弁動作時のみソレノイドコイル36への給電が行われることで開弁動作及び閉弁動作がそれぞれ行われる。
【0034】
第1水抜水路22は、このプランジャ弁体26の開弁及び閉弁動作によって背圧室20と下流側水路12bとを連通させ或いは遮断する。
而して背圧室20と下流側水路12bとが第1水抜水路22を通じて連通すると、背圧室20内の水が第1水抜水路22を通じて下流側水路12bへと流れ込み、ここにおいて主弁体16に対する背圧室20内の水圧が消失して主弁体16が上流側水路12aの給水圧により開弁動作し、水路12に水流が生ぜしめられる。
尚この例において、第2水抜水路24における起動弁28の上流側の部分と、第1水抜水路22におけるプランジャ弁体26の上流側の部分とは常時連通した状態にある。
【0035】
この例では、第2水抜水路24の一部が第1水抜水路22と共通する形態で設けられているが、第2水抜水路24を第1水抜水路22とは全く独立に背圧室20と下流側水路12bとを連通させる状態で設けることも可能である。
【0036】
本例の弁装置10、詳しくは電磁弁15は便器38に対して洗浄用の水(洗浄水)を供給し又は供給遮断する洗浄弁を兼ねており、水路12は便器38への洗浄水の供給用水路を成している。
【0037】
本例の弁装置10は、発電機14で発生した電力を一時的に蓄える充電素子40及び制御部42を有している。
制御部42は、自身が発電機14からの電力で動作するとともに、発電機14からの電力を充電素子40を経由して上記ソレノイドコイル36へと供給し或いは供給遮断する。
これによりプランジャ弁体26の開閉、即ち電磁弁15の開閉を動作制御する。
【0038】
本例において、弁装置10における制御部42は、起動弁28の手動操作部30に対する開操作を通じて与えられた指令が大洗浄指令,小洗浄指令の何れの指令か、即ち便器38に対して大量の洗浄水を供給して大洗浄を行う指令か、または相対的に少量の洗浄水を供給して小洗浄を行う指令かを識別するとともに、その識別した大洗浄指令,小洗浄指令に応じてプランジャ弁体26の開弁動作による主弁体16の開弁時間を動作制御し、以って便器38の大洗浄又は小洗浄を行わせるように構成してある。
【0039】
44は、与えられた指令が大洗浄指令であるか小洗浄指令であるかを識別してこれを表示する表示部で、LEDから成る表示灯46a,46bを備えている。
而して識別指令が大洗浄指令であるときには表示灯46aを点灯させ、小洗浄指令であるときには表示灯46bを点灯させる。
【0040】
本例の弁装置10は、具体的には起動弁28の手動操作部30に加えられた開操作時間が設定時間よりも短いときには小洗浄指令に対応する表示灯46bを点灯させ、更に開操作時間がその設定時間よりも長いときには大洗浄指令に対応する表示灯46aを点灯させる。
【0041】
そして小洗浄指令或いは大洗浄指令の識別指令のそれぞれに応じて、制御部42がプランジャ弁体26の開弁動作による主弁体16の開弁時間を短く或いは長く動作制御し、それぞれ便器38の小洗浄或いは大洗浄を行わせる。
【0042】
図2,図3及び図4にその動作の具体的内容が示してある。
図1は起動弁28,プランジャ弁体26及び主弁体16の何れもが閉じた状態を表しており、この状態で図2(I)に示しているように使用者が手動操作部30を押込操作(開操作)して起動弁28を開弁させると(図4のF10)、ここにおいて背圧室20内の水(洗浄水)が第2水抜水路24を通じて下流側水路12bへと流れ込む。
【0043】
ここにおいて背圧室20内の水圧が消失し、このため主弁体16は上流側水路12aの給水圧により開弁動作し(図4のF12)、水路12を開放する。
即ち上流側水路12aと下流側水路12bとを連通させて、水路12に水流を生ぜしめる。
【0044】
すると発電機14がその水流で水車を回転させて発電を行い(図4のF14)、発生した電力が一旦充電素子40に蓄えられるとともに、併せて制御部42へと電力供給される。ここにおいて制御部42が動作開始する(図4のF16)。
このときの発電機14の発電動作時間は、手動操作部30の開操作時間、即ち手動操作部30を押込操作してから手を放すまでの時間が長ければ長く、また短ければ短くなる。
制御部42は、この間の発電機14の発電動作時間を時間計測により若しくはパルスカウントにより検出し、主弁体16の開弁時間の長短を判断する(図4のF23,F24)。
【0045】
その際表示部44は、発電機14の発電動作開始後、先ず表示灯46bを点灯させ、そして開操作時間が設定時間よりも短く、従って発電機14の発電動作時間が設定時間よりも短ければ、表示灯46aを点灯させることなく表示灯46bを点灯させた状態に保持する。
その表示部44の点灯制御は制御部42によって行われる。
【0046】
尚上記のように、発電機14の発電動作時間を時間計測してその計測した時間の長短により直接判定、即ち指令の識別及び上記表示部44における表示を行うこともできるが、発電機14の回転数をパルスカウントし、そのパルスカウントの大小に応じて間接的に発電機14の発電動作時間の長短を検出し、これに基づいて判定、即ち指令の識別及び表示部44における表示を行うようになすこともできる。
【0047】
さて表示灯46bが点灯している間、即ち表示灯46aが点灯するに到る前に、図2(II)に示しているように使用者が手動操作部30から手を放すと、ここにおいて起動弁28が閉弁するとともに(図4のF18)主弁体16が閉弁動作し(図4のF20)、水路12の水流が停止する。これに伴って発電機14の発電動作も停止する(図4のF22)。
【0048】
このとき制御部42は手動操作部30を通じて与えられた指令が小洗浄指令であると判定し、そして手動操作部30から使用者が手を放すのとほぼ同時に、図3(III)に示しているようにプランジャ弁体26を開いて主弁体16を開弁動作させ(図4のF26)、便器38に対し洗浄水を供給させる。
またその供給時間(開弁時間)を短い時間として、便器38に対し洗浄水を少量で供給させ、便器38の小洗浄を行わせる(図4のF28)。
【0049】
そして小洗浄に対応した短時間だけ主弁体16を開弁状態に維持した後、再びプランジャ弁体26及び主弁体16を閉弁動作させて、便器38への洗浄水の供給を停止させる(図4のF30)。
【0050】
一方、手動操作部30に加えられている開操作時間が設定した時間よりも長いときには、制御部42は表示部44の表示灯46bを消灯させた上で図2(II),図3(III)に示しているように大洗浄に対応する表示灯46aを点灯させ、そしてこれとともに上記と同様にしてプランジャ弁体26の開弁動作及びこれに伴う主弁体16の開弁動作を行わせる。
そしてこの場合には主弁体16の開弁時間を長い時間となして、便器38に対し大量の洗浄水を供給させ、便器38の大洗浄を行わせる(図4のF32)。
【0051】
そして大洗浄に対応した長時間主弁体16を開弁状態に維持した後、再びプランジャ弁体26及び主弁体16を閉弁動作させて、便器38への洗浄水の供給を停止させる(図4のF34)。
【0052】
以上のように本例の弁装置10において発電機14は操作の入力時間を検知する機能を有していることから、本例では発電機14の発電動作時間の長短に基づいて与えられた指令が大洗浄指令か小洗浄指令かを識別し、そしてその識別した指令に対応した制御を実行する。
【0053】
従って便器38の使用者は、単一の手動操作部30を操作するだけで、簡単に大洗浄と小洗浄とを使い分けてこれを行わせることができ、便器洗浄の際の操作が簡単化する利点が得られる。
【0054】
また本例では、電磁弁15を便器38の洗浄装置における洗浄弁を兼用するものとしていることから、便器38の洗浄装置の構成を簡素化することができる。
【0055】
また本例では発電機14の発電動作時間の長短に応じた識別指令を表示する表示部44を設けていることから、使用者はその表示に基づいて手動操作部30の操作入力時間を判断でき、簡単に複数種類の指令を使い分けて発することができる。
【0056】
以上では、弁装置10における電磁弁15をもって便器洗浄のための洗浄弁を兼用させ、且つその電磁弁15の開弁時間の長短によって便器38の大洗浄,小洗浄を実行させるようにしているが、洗浄水を便器38に供給する水路を水路12とは別途に設けてそこに専用の洗浄弁を設け、その洗浄弁の開弁時間を制御部42において動作制御することにより、或いは複数の洗浄弁を設けておいてそれら洗浄弁の開・閉順序を動作制御することにより、大洗浄を実行させたり小洗浄を実行させたりすることも可能である。
【0057】
また本発明はそのような洗浄弁以外の電気駆動弁或いは弁以外の電気駆動機器を動作制御するに際して適用することも可能であるなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である発電機能付きの弁装置を便器とともに示す図である。
【図2】図1の弁装置の作用説明図である。
【図3】図2に続く作用説明図である。
【図4】同実施例の弁装置の作用のフロー図である。
【符号の説明】
10 弁装置
12 水路
12a 上流側水路
12b 下流側水路
14 発電機
15 電磁弁(電気駆動弁)
16 主弁体
20 背圧室
21 小孔
22 第1水抜水路
24 第2水抜水路
26 プランジャ弁体(パイロット弁)
28 起動弁
30 手動操作部
38 便器
42 制御部
44 表示部
46a,46b 表示灯(LED表示部)

Claims (6)

  1. 電気駆動される水路開閉用の電気駆動弁と、該水路の水流により発電動作する発電機と、該電気駆動弁とは別途に設けられ、人の操作で開弁し且つ操作中開弁状態を保って該水路に水流を生ぜしめ、該発電機を発電動作させる起動弁と、該発電機で発生した電力で駆動される前記電気駆動弁を動作制御する制御部とを備えた発電機能付きの弁装置であって、
    前記制御部を、前記起動弁の開操作時間に対応する前記発電機の発電動作時間の長短に応じて複数種類の指令の何れの指令かを識別し、該識別した指令に対応した、前記電気駆動弁又は該電気駆動弁及び他の電気駆動機器に対する制御を実行するものとなしてあることを特徴とする発電機能付きの弁装置。
  2. 請求項1において、前記電気駆動弁が、前記水路を開閉する主弁と、小孔を通じて該水路の該主弁より上流部と連通し、該小孔を通じて該水路から導入された水の圧力により該主弁を閉弁動作させる背圧室と、該背圧室内の水を該水路且つ該主弁より下流部に抜くための第1水抜水路,第2水抜水路と、該第1水抜水路上に設けられて該第1水抜水路を開閉する電気駆動のパイロット弁とを有しており、該電気駆動弁の該第2水抜水路上に前記起動弁が設けられていることを特徴とする発電機能付きの弁装置。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記制御部が、前記発電機の発電動作時間の長短に応じて便器洗浄における大洗浄指令か小洗浄指令かを識別し、前記水路又は別の水路に設けた洗浄弁の開・閉時間,開度の大小,開・閉順序等該洗浄弁の動作を制御し、大洗浄又は小洗浄を行わせるものとなしてあることを特徴とする発電機能付きの弁装置。
  4. 請求項3において、前記電気駆動弁が前記洗浄弁を兼ねており、該電気駆動弁の開弁時間の長短によって前記大洗浄又は小洗浄を行わせるようになしてあることを特徴とする発電機能付きの弁装置。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記発電機の発電動作時間の長短に応じた識別指令を表示する表示手段が設けてあることを特徴とする発電機能付きの弁装置。
  6. 請求項5において、前記表示手段がLED表示部であることを特徴とする発電機能付きの弁装置。
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