JP7094489B2 - 洗浄水タンク装置 - Google Patents
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また、近年においては停電時にも洗浄水タンク装置に給水を行うことができる給水装置が要請されている。特許文献2に記載されているように、停電時にも洗浄動作が行えるように電磁弁装置の弁体により開閉されるパイロット流路と、機械式開閉弁装置の弁体により開閉されるパイロット流路とを備えた給水装置が提案されている。このように停電時にも給水が行える給水装置においては、2つのパイロット流路及び圧力室を備えるために、従来よりも流路が多く形成され、水抜き時に給水装置内の残水がさらに生じやすくなり、凍結により給水装置の故障を発生させる問題がより顕著となっている。
このように構成された本発明においては、第1給水流路及び洗浄水タンクの水抜きを行う場合において、第1開閉弁装置が第1流路を開状態とすることにより、圧力室内の洗浄水を第1流路により下方に流出させることができる。よって、水抜き時に第1給水流路側に洗浄水が抜けにくい圧力室内に残水が生じることを抑制でき、この残水が圧力室内で凍結することにより給水装置を故障させることを抑制することができる。
また、第2流路は、圧力室から上方に延びているので、水抜き時に第2流路内の洗浄水を圧力室に流下させることができ、さらに、圧力室内から第1流路により下方に流出させることができる。よって、水抜き時に第2流路内に残水を生じさせることを抑制でき、この残水が第2流路内で凍結することにより給水装置を故障させることを抑制することができる。
このように構成された本発明においては、圧力室から上方に延びているので残水の凍結を生じにくい第2流路を、第2開閉弁装置のフロートの動作が機械的に伝達される弁体により開閉する。このため、仮に水抜き後に第1流路内に残水が生じ、この残水が第1流路内で凍結してしまった場合にも、水抜き状態からの復帰により第1給水流路に洗浄水を給水する際、第2流路は凍結していないので、第1給水流路から第2給水流路を介して洗浄水タンク内に給水することができると共に洗浄水タンク内の水位が上昇しフロートが上昇する場合には、弁体が第2流路上に設けられた弁座に着座することにより、第2流路を閉止し、ダイヤフラム弁体を閉止させることができる。従って、水抜きからの復帰時に使用者が特別な操作を行う手間を省きながら、洗浄水タンク内にフロートが上昇する満水水位まで給水を実現することができる。
このように構成された本発明においては、電気的に作動される電磁弁機構をヒーターとして機能させることにより、圧力室及び第2流路から流下する洗浄水が通る第1流路の凍結を抑制させることができる。これにより、水抜き時に第1流路内に残水を生じさせ、この残水が第1流路内で凍結することにより給水装置を故障させることを抑制することができる。また、仮に、第1流路内に残水が生じ、この残水が第1流路内で凍結してしまった場合にも、電磁弁機構をヒーターとして機能させることにより、第1流路内の氷を溶かしやすくすることができる。
このように構成された本発明においては、第1流路は、その下流端に下方向きの流出口を形成しているので、水を第1流路から流出させやすくすることができ、第1流路内に残水が生じにくくすることができる。よって、水抜き時に第1流路内に残水を生じさせることをより抑制でき、この残水が第1流路内で凍結することにより給水装置を故障させることをより抑制することができる。
このように構成された本発明においては、第2流路は、その下流端に上方向きの流出口を形成しているので、水を第2流路から圧力室側に流出させやすくすることができ、第2流路内に残水が生じにくくすることができる。よって、水抜き時に第2流路内に残水を生じさせることをより抑制でき、この残水が第2流路内で凍結することにより給水装置を故障させることをより抑制することができる。
まず、図1により、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器の断面図である。
便器本体2のボウル部4の上縁部には、内側にオーバーハングしたリム10と、導水路6から供給される洗浄水を吐水する第1吐水口12が形成され、この第1吐水口12から吐水された洗浄水は、旋回しながら下降してボウル部を洗浄するようになっている。
図2は本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の上面図であり、図3は本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の正面図であり、図4は本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置を第2蓋状部材を外した状態で上方から見た上面図であり、図5は図2のV-V線に沿って見た断面図であり、図6は図2のVI-VI線に沿って見た断面図である。なお、図5においては、洗浄水タンクの満水時の満水水位をWL1で示している。
以下、本発明の一実施形態における説明において、水洗大便器1を使用する使用者側(水洗大便器1を使用するために水洗大便器1の前に立っている使用者側)から見て手前側を前方側(正面側)とし、使用者から見て奥側を後方側とし、洗浄水タンク装置18を前方から見て右側を右側とし、前方から見て左側を左側とし、洗浄水タンク装置18を前方から見て右側又は左側を側方側として説明している。
また、洗浄水タンク20の排水口22の周辺部には、排水弁36の上下動をガイドし且つ高さ位置を規制するガイド部材40が取り付けられている。
回動装置38は、停電時に、使用者が操作レバー(図示せず)を直接回転操作して回転軸42を回転させて排水弁36の開閉ができるような手動式の操作機構を備えている。
図7は本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の給水装置の正面図であり、図8は図7のVIII-VIII線に沿って見た断面図である。
ダイヤフラム弁体58には一次側通水路60と圧力室62とを連通するブリード穴(図示せず)が形成されている。ダイヤフラム弁体58は、圧力室62の内部圧力及び一次側通水路60の水圧力との圧力差により主弁座56に向かって当接する方向又は主弁座56から離間する方向に移動するように設置されている。ダイヤフラム弁体58に形成されたブリード穴により、ダイヤフラム弁体58が閉弁した状態において、一次側通水路60と圧力室62とが連通して、圧力室62に一次側通水路60からの水圧が作用するようになっている。
図8に示すように、給水装置32が洗浄水タンク20内に給水を行う前の状態において、ダイヤフラム弁体58が主弁座56に着座し、一次側通水路60及び圧力室62内が外部水道等からの給水で満たされ、圧力室62内の内部圧力は一次水圧となり、一次側通水路60と二次側通水路64との間がダイヤフラム弁体58により止水された状態になっている。また、電動式流路開閉装置52の第1弁体70は、第1パイロット流路66の第1弁座66aに着座して、第1パイロット流路66を閉止した状態となっている。機械式流路開閉装置54の第2弁体74は、第2パイロット流路68上に設けられた第2弁座68aに着座して、第2パイロット流路68を閉止した状態となっている。このように、給水装置32において第1パイロット流路66及び第2パイロット流路68が共に閉状態とされ、ダイヤフラム弁体58が閉状態とされている。
すなわち、通常の給水動作において、電動式流路開閉装置52及び機械式流路開閉装置54が各々独立して並列的に動作し、共通のダイヤフラム弁体58を作動させるようになっている。従って、第1パイロット流路66及び第2パイロット流路68がともに開放された状態となり、両方から同時に洗浄水が流出する。これらの動作により、一次側通水路60と二次側通水路64との連通を開放し、洗浄水が二次側通水路64から給水口部46を介して洗浄水タンク20内に給水される。
なお、電動式流路開閉装置52及び機械式流路開閉装置54が、停電や故障などの要因により一方が動作しない場合にも、これらの少なくともいずれか一方が一次側通水路60と二次側通水路64との連通を開放するので洗浄水タンク20内の給水口部46からの給水が安定して行われる。
洗浄水タンク20内の水位が機械式流路開閉装置54のフロート76の高さまで達すると、フロート76が上昇を開始し、てこのような動きをする揺動部材78の揺動運動によって、第2弁体74が下降し、第2弁体74が第2弁座68aに着座した状態となる。この場合、第2弁体74が第2パイロット流路68を閉止した状態となっても、電動式流路開閉装置52の第1弁体70が第1弁座66aから離間して、第1パイロット流路66が開放されており、圧力室62内の洗浄水の水圧は下がった状態のままである。よって、ダイヤフラム弁体58が一次側通水路60からの水圧によって主弁座56から離間され、一次側通水路60からの洗浄水が二次側通水路64に直接流入している。
洗浄水タンク20内の水位がさらに上昇して満水水位WL1に達すると、フロートスイッチ28がONとなり、制御部21はこれを検知して、制御部21は電動式流路開閉装置52の電磁弁機構72を作動させ、第1弁体70を閉状態とする向きに移動させる。第1弁体70が第1弁座66aを閉止すると、圧力室62と連通する第1パイロット流路66及び第2パイロット流路68が共に閉止された状態となり、圧力室62内の洗浄水の水圧が一次側通水路60の水圧を受けて上がる。よって、ダイヤフラム弁体58が一次側通水路60からの水圧によって主弁座56に押圧され、ダイヤフラム弁体58が閉止された状態となる。これにより、洗浄水は一次側通水路60から二次側通水路64に流入しなくなり、洗浄水タンク20内の給水口部46への給水が停止され、洗浄水が洗浄水タンク20内に満水に貯水された状態となって、一連の洗浄動作が終了する。
図9は図8の給水装置において第1パイロット流路及び第2パイロット流路が共に開状態とされ、ダイヤフラム弁体が閉状態とされている様子を示す図である。
洗浄水タンク装置18の外気温度が0℃以下となるような寒冷環境が予想される場合、水の凍結による給水装置32の故障を抑制するため水抜き方式の対策が取られる。水抜き方式の対策においては、回動装置38の回動により排水弁36を開状態とし洗浄水タンク20内に貯水されている洗浄水を排出させるような水抜きが実行される。また、水供給管30等に設けられた水抜き栓等により水供給管30及び一次側通水路60の水抜きが実行される。
また、水抜き時において、洗浄水タンク20内の洗浄水が排出されるため、フロートスイッチ28がOFFとなり、電動式流路開閉装置52の電磁弁機構72が作動され、第1弁体70が第1弁座66aから離間する。よって、第1パイロット流路66が開放された状態となる。
上述した本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置18によれば、一次側通水路60及び洗浄水タンク20の水抜きを行う場合において、電動式流路開閉装置52が第1パイロット流路66を開状態とすることにより、圧力室62内の洗浄水を第1パイロット流路66により下方に流出させることができる。よって、水抜き時に一次側通水路60側に洗浄水が抜けにくい圧力室62内に残水が生じることを抑制でき、この残水が圧力室62内で凍結することにより給水装置32を故障させることを抑制することができる。
また、第2パイロット流路68は、圧力室62から上方に延びているので、水抜き時に第2パイロット流路68内の洗浄水を圧力室62に流下させることができ、さらに、圧力室62内から第1パイロット流路66により下方に流出させることができる。よって、水抜き時に第2パイロット流路68内に残水を生じさせることを抑制でき、この残水が第2パイロット流路68内で凍結することにより給水装置32を故障させることを抑制することができる。
2 便器本体
4 ボウル部
6 導水路
8 排水トラップ管路
8a 入口
8b 上昇路
8c 下降路
10 リム
12 第1吐水口
14 溜水部
16 第2吐水口
18 洗浄水タンク装置
19 外装カバー
20 洗浄水タンク
21 制御部
22 排水口
24 第1の開口
25 第2の開口
26 排水弁装置
28 フロートスイッチ
30 水供給管
32 給水装置
33 蓋状部材
34 オーバーフロー管
35 基板
36 排水弁
37 排水弁座
38 回動装置
40 ガイド部材
42 回転軸
44 玉鎖
46 給水口部
48 接続部
50 給水流路
52 電動式流路開閉装置
54 機械式流路開閉装置
56 主弁座
58 ダイヤフラム弁体
60 一次側通水路
62 圧力室
64 二次側通水路
66 第1パイロット流路
66a 第1弁座
66b 流出口
68 第2パイロット流路
68a 第2弁座
68b 流出口
70 第1弁体
72 電磁弁機構
73 取付部
74 第2弁体
76 フロート
78 揺動部材
80 第1蓋状部材
82 第2蓋状部材
A1 仮想線
W0 貯留面
WL1 満水水位
Claims (5)
- 便器を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置であって、
洗浄水を貯水する洗浄水タンクと、
上記洗浄水タンク内に洗浄水を給水する給水装置とを有し、
上記給水装置は、
上記洗浄水タンクの外部の給水源からの洗浄水を供給する第1給水流路と、
上記洗浄水タンクの内部の給水口に洗浄水を供給する第2給水流路と、
上記第1給水流路と上記第2給水流路との間に設けられた主弁座と、
上記主弁座に着座して上記第2給水流路を閉止する止水状態と、上記主弁座から離間して上記第2給水流路を開放する給水状態とを切り替えるダイヤフラム弁体と、
内部の圧力上昇時には上記ダイヤフラム弁体を上記主弁座へ向かって移動させ、且つ内部の圧力低下時には上記ダイヤフラム弁体を上記主弁座から離間するように移動させる圧力室と、
上記圧力室の内部圧力を開放できるように上記圧力室から延びる第1流路と、
上記圧力室の内部圧力を開放できるように上記圧力室から延びる第2流路と、
上記第1流路を開閉させる第1開閉弁装置と、
上記第2流路を開閉させる第2開閉弁装置とを備え、
上記第2流路は、上記圧力室から上方に延び、さらに、
上記第1流路は、上記圧力室の下部に接続され且つ上記圧力室内の洗浄水を下方に流出させる流出路を形成していることを特徴とする洗浄水タンク装置。 - 上記第2開閉弁装置は、洗浄水タンク内の洗浄水の水位の変動に応じて上下動するフロートと、このフロートの動作が機械的に伝達される弁体とを備え、
上記第2流路上に設けられた弁座に上記弁体が着座することにより、上記第2流路を開閉する、請求項1に記載の洗浄水タンク装置。 - 上記第1開閉弁装置は、電気的に作動される電磁弁機構と、電磁弁機構により作動される第1弁体とを備え、
上記第1流路上に設けられた第1弁座に上記第1弁体が着座することにより、上記第1流路を開閉する、請求項1に記載の洗浄水タンク装置。 - 上記第1流路は、その下流端に下方向きの流出口を形成している、請求項1乃至3の何れか1項に記載の洗浄水タンク装置。
- 上記第2流路は、その下流端に上方向きの流出口を形成している、請求項1乃至4の何れか1項に記載の洗浄水タンク装置。
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