JP2004256772A - 蓄熱体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、自立性があり、蓄熱効果及び蓄熱効果の持続性に優れる蓄熱体を提供する。
【解決手段】本発明の蓄熱体は、熱伝導率が0.20W/(m・K)以下の熱硬化型樹脂硬化体(a´)が比表面積5〜100m/gであるアグリゲート構造を有する熱硬化型樹脂成形体(a´´)を形成し、この熱硬化型樹脂成形体(a´´)の間隙に蓄熱材(b)が充填されていることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄熱材を含有した蓄熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エネルギー問題がその重要性を増してきており、例えば、エネルギーの大量消費に伴う環境問題や、エネルギーの需要と供給のアンバランスに関する問題等がクローズアップされている。
このようなエネルギー問題を解決する技術の一つとして、熱エネルギーを蓄える技術、即ち蓄熱技術が挙げられる。蓄熱技術は、熱エネルギーを利用するもので、例えば太陽熱、工場熱、河川水、地熱等の未利用エネルギーを有効利用する方法、また、安価な夜間電力を利用して、温水、冷水として熱エネルギーを蓄え、多目的の熱源として使用する方法(電力の平滑化)等がある。
【0003】
このような蓄熱技術に用いられる蓄熱材としては、熱容量と上昇温度の積によって与えられる蓄エネルギーを持つ顕熱蓄熱材、熱の供給、蓄熱によって物質に相変化(固−液変化)を生じさせ、潜熱エネルギーとして蓄える潜熱蓄熱材等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来より用いられている潜熱蓄熱材は、常温付近に融点を持つものが多く、液体として扱う場合が多い。その利用方法としては、液状の蓄熱材を密閉型の袋に封入し、利用する方法があった。しかし、この方法では、蓄熱材を封入した袋に自立性がなく、蓄熱材が袋の底部に偏り、有効に蓄熱材が利用できない問題があった。
【0005】
また、この蓄熱材を自立性のあるケースに封じ込め利用する方法もあるが、その場合には、ケース内で蓄熱材が一つの大きな塊となり、蓄熱材の一部に固−液変化が生じると、液体部分の蓄熱材が固体部分を溶解させるだけでなく、液体部分が熱媒体となり、固体部分への熱の伝達速度が速くなり、蓄熱材の固−液変化が促進されるために、その蓄熱効果の持続性が低下することとなる。
【0006】
また、特許文献1では、蓄熱物質を粉末状の多孔体の細孔内に配置させる方法が記載されている。しかし、この多孔体は粉末状であるため、例えば壁面等に適用し蓄熱効果を機能させるためには、予め何らかの方法で多孔体を成形体中に担持させる必要がある。
例えば、結合剤等を用いてこの多孔体を担持させればよいが、このように担持させる場合、単位体積あたりの多孔体量が減少し、したがって、蓄熱材量も減少することとなり、蓄熱効果が低下する問題があった。
さらに、無機系の結合剤を用いた場合は、熱伝導率が高いため、熱の伝達速度が速くなり、蓄熱効果を持続させることが困難であった。
【0007】
【特許文献1】特開平9−143461号公報
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような問題点に鑑みなされたものであり、特定の熱伝導率を有する熱硬化型樹脂硬化体(a´)が、特定比表面積のアグリゲート構造を有する熱硬化型樹脂成形体(a´´)を形成し、この熱硬化型樹脂成形体(a´´)の間隙に蓄熱材(b)が充填されている蓄熱体が、自立性を有し、かつ、蓄熱効果及び蓄熱効果の持続性に優れることを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明は、以下の各項目を含むものである。
1.熱伝導率が0.20W/(m・K)以下の熱硬化型樹脂硬化体(a´)が比表面積5〜100m/gであるアグリゲート構造を有する熱硬化型樹脂成形体(a´´)を形成し、この熱硬化型樹脂成形体(a´´)の間隙に蓄熱材(b)が充填されていることを特徴とする蓄熱体。
2.熱硬化型樹脂(a)と蓄熱材(b)の混合溶液に、(a)の硬化剤及び/または硬化触媒(c)を加えて混合し、(a)と(c)の硬化反応により得られる蓄熱体であって、熱硬化型樹脂硬化体(a´)と蓄熱材(b)がミクロ相分離構造となっていることを特徴とする1.に記載の蓄熱体。
3.前記(a)、(c)、(b)が、重量比にて(a)+(c):(b)=1:0.1〜7であることを特徴とする2.に記載の蓄熱体。
4.(a)熱硬化型樹脂が、無溶剤熱硬化型樹脂であることを特徴とする2.または3.に記載の蓄熱体。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態とともに詳細に説明する。
【0012】
本発明は、熱伝導率が0.20W/(m・K)以下の熱硬化型樹脂硬化体(a´)(以下「(a´)硬化体」ともいう。)が比表面積5〜100m/gであるアグリゲート構造を有する熱硬化型樹脂成形体(a´´)(以下「(a´´)成形体」ともいう。)を形成し、この熱硬化型樹脂成形体(a´´)の間隙に蓄熱材(b)(以下「(b)成分」ともいう。)が充填されている蓄熱体である。
【0013】
アグリゲート構造とは、微粒子群または繊維状の基本粒子が、全体としては溶融されることなく集合した構造のことである。本発明では、基本粒子の大きさは、通常0.1μm〜100μm程度であればよく、形状も針状、繊維状、板状、球状等特に限定されない。特に、粒子径は1μm〜100μm、長径と短径の比(長径/短径)が0.8から1.2である球状粒子の集合体であることが好ましい。本発明では、基本粒子が(a´)硬化体に相当するものである。
【0014】
(a´´)成形体が、比表面積5〜100m/g(好ましくは、5〜60m/g)であり、アグリゲート構造を有することにより、成形体内に、多数の細分離化された連通状の間隙をつくりだすことができ、多くの蓄熱材を充填することができる。
【0015】
なお比表面積は、BET法(柴田科学機器工業株式会社製、表面積測定装置P−700型)により測定される値である。
【0016】
本発明の蓄熱体は、この多数の細分離化された連通状の間隙に後述する(b)成分が充填されているものである。したがって、(b)成分が細分離化された状態となっており、(b)成分どうしの熱の伝達速度が遅延され、さらに(b)成分の固−液変化が抑えられるため、優れた蓄熱効果を発揮し、さらに優れた蓄熱効果が持続される。
なお、(b)成分は、連通状の間隙に充填されたものであるが、アグリゲート構造を形成する基本粒子内部に一部含まれていてもよい。
【0017】
また本発明では、(a´´)成形体をつくる(a´)硬化体の熱伝導率が、0.20W/(m・K)以下(好ましくは0.15W/(m・K)以下)である。(a´)硬化体の熱伝導率が0.20W/(m・K)以下であることにより、細分離化された(b)成分の熱伝導が遅延され、また(b)成分の固−液変化が抑えられ、優れた蓄熱効果を発揮し、さらに優れた蓄熱効果が持続される。
【0018】
なお、本発明における熱伝導率は、熱伝導率計(京都電子工業株式会社製、Kemtherm.QTM−D3(商品名))を用いて測定した値である。
【0019】
(b)蓄熱材(以下、「(b)成分」ともいう。)としては、顕熱蓄熱材、潜熱蓄熱材等が挙げられる。
【0020】
顕熱蓄熱材は、熱容量と温度変化の積によって与えられる蓄エネルギーを持つ物質であり、例えば、水や、有機系顕熱蓄熱材、無機系顕熱蓄熱材等が挙げられる。
【0021】
潜熱蓄熱材は、熱の供給、蓄熱によって物質に固−液変化を生じさせ、潜熱エネルギーとして蓄える物質であり、例えば、有機系潜熱蓄熱材、無機系潜熱蓄熱材等が挙げられる。
【0022】
有機系潜熱蓄熱材としては、例えば、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族炭化水素類(パラフィン化合物)、オクタン酸、デカン酸、カプリン酸等の長鎖脂肪酸類、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール等の長鎖アルコール類、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル等のエステル化合物類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールジアクリレート、エチルエチレングリコール等のポリエーテル化合物類、その他、芳香族炭化水素類、脂肪酸トリグリセリド類が挙げられる。
【0023】
無機系潜熱蓄熱材としては、例えば、硫酸ナトリウム10水和物、炭酸ナトリウム10水和物、リン酸水素ナトリウム12水和物、チオ硫酸ナトリウム5水和物、塩化カルシウム6水和物等の水和塩等が挙げられる。
【0024】
このような(b)成分は、単独でも良いし、2成分以上を混合して使用することもできる。本発明では、潜熱蓄熱材を用いた場合に、優れた効果を発揮することができ、特に、融点(固−液変化温度)を自由に設計することができる点で、有機系潜熱蓄熱材を用いることが好ましい。
【0025】
本発明の蓄熱体の製造方法としては、特に限定されないが、(a´´)成形体に(b)成分を含浸させる方法、熱硬化型樹脂(a)(以下「(a)成分」ともいう。)と(b)成分の混合溶液から、(a)成分を硬化させる方法等が挙げられる。
【0026】
本発明では、工程が容易であることから、(a)成分と(b)成分の混合溶液から(a)成分を硬化させる方法が好ましい。
具体的には、(a)成分と(b)成分の互いに相溶した混合溶液に、(a)成分の硬化剤及び/または硬化触媒(c)(以下「(c)成分」ともいう。)を加え、(a)成分と(c)成分の硬化反応により、(a)成分を硬化させる方法である。
このような方法では、(a)成分の硬化反応に伴う高分子量化の際に、相溶性の変化に伴うミクロ相分離が起こる。つまり、この混合系において、(a)成分の硬化反応により高分子化がおこり、相溶状態が崩れ、徐々に相分離してくる。その際に、混合系における濃度ゆらぎの波長がしだいに単色化してくる。すなわち、スピノーダル分解により、一定の波長を有する変調構造へと変化していく。
さらに、ミクロ相分離構造を維持したまま、(a´)硬化体が形成され、(a´)硬化体と(b)成分が非相溶なミクロ相分離構造を有する蓄熱体が形成される。
【0027】
ミクロ相分離とは、2種以上の混合系において、互いに非相溶な2種以上の相が、数μm〜数十μmのミクロのレベルで、相に分離した構造のことである。
本発明の蓄熱体が、このようなミクロ相分離構造を有することにより、(b)成分が細分離化され、また(b)成分と(b)成分との熱伝導が遅延し、さらに(b)成分の固−液変化が抑えられるため、優れた蓄熱効果を発揮し、さらに優れた蓄熱効果が持続される。
【0028】
(a)成分としては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂、アクリルシリコン樹脂、シリコン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、蓄熱体製造時の取扱いの容易さや、完成した蓄熱体の耐久性、耐候性を考慮すると、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂、シリコーン樹脂が好適に用いられる。
また、水分散型、水可溶型、弱溶剤型、強溶剤型、NAD型、無溶剤型等特に限定されないが、本発明では無溶剤型を用いることが好ましく、特に、無溶剤型エポキシ樹脂、無溶剤型ポリオール樹脂、)無溶剤型シリコーン樹脂を好適に用いることができる。
【0029】
無溶剤型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリン等の縮合反応により得られるエピ−ビス型のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂が一般的に用いられる。また、その他にフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂等があげられる。その他、特殊なものとして、β−メチルエピクロ型、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、ポリグリコールエーテル型、グリコールエーテル型、ウレタン変性エポキシ樹脂等の各エポキシ樹脂も使用できる。また、稀釈剤としてn−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、ジグリシジルエーテル等のものを適宜使用することができる。
【0030】
無溶剤型ポリオール樹脂としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。
このうちポリエーテルポリオール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、グルコース、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコールの1種又は2種以上にプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の1種又は2種以上を付加して得られるポリオール類、および、前記多価アルコールにテトラヒドロフランを開環重合により付加して得られるポリオキシテトラメチレンポリオール類が例示できる。
【0031】
ポリエステルポリオール類としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパンあるいはその他の低分子ポリオールの1種又は2種以上とグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸あるいはその他の低分子ジカルボン酸やオリゴマー酸の1種又は2種以上との縮合重合体及びプロピオラクトン、カプロラクトン、バレロラクトン等の環状エステル類の開環重合体等のポリオール類が例示できる。また、複数のエポキシ基を含有するエポキシ化合物によって、ポリオールを変性したエポキシ変性ポリオールも使用できる。
【0032】
無溶剤型シリコーン樹脂としては、1官能性シロキサン単位(R SiO1/2)、2官能性シロキサン単位(R SiO2/2)、3官能性シロキサン単位(RSiO3/2)、4官能性シロキサン単位(SiO4/2)の4種類を、その構成比率を変えて組み合わせ加水分解反応させることにより製造した低縮合ポリシロキサンであり、溶剤稀釈しない状態においても液状となるものである。ここで各シロキサン単位のRは、互いに同一または異種の置換または非置換の炭素数1から3の一価炭化水素基を示し、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、フェニル基、およびこれらの基の水素原子がハロゲン原子等で置換されたものが例示される。この液状物を適当な触媒を配合して、さらに加水分解縮合させて、架橋させることにより、成形物を製造することができる。
【0033】
特にシリコーン中間体といわれる直鎖状オルガノシロキサンオリゴマーは、常温における流動性が高く取り扱い易いため好ましい。これは、アルコキシ基を有する3官能性シロキサン単位(RSi(OR)O2/2)単独、または、アルコキシ基を有する3官能性シロキサン単位(RSi(OR)O2/2)と2官能性シロキサン単位(R SiO2/2)を含有するものである。ここで各シロキサン単位のRは、互いに同一または異種の置換または非置換の炭素数1から3の一価炭化水素基を示し、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、フェニル基、およびこれらの基の水素原子がハロゲン原子等で置換されたものが例示される。また、Rはメチル基、エチル基を示す。
【0034】
無溶剤型シリコーン樹脂が、アルコキシ基含有3官能性シロキサン単位(RSi(OR)O2/2)と、アルコキシ基含有2官能性シロキサン単位(R SiO2/2)からなる場合の両者の比率は、特に限定されることがなく、必要とする多孔体の耐久性を考慮して適宜調整すれば良い。
【0035】
無溶剤型シリコーン樹脂は、従来公知の方法によって製造されているメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等の3官能性オルガノアルコキシシランや2官能性オルガノアルコキシシランを適当な触媒の存在下に加水分解縮合させることにより得られる。
【0036】
(a)成分以外に、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂、尿素樹脂、ポリスチレン樹脂、塩素化ポリエチレン等の塩素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、エチレンプロピレンコポリマー等のオレフィン系樹脂、エチルセルロース等のセルロース樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等の熱可塑性樹脂を含有することもできる。
【0037】
(c)成分としては、(a)成分の高分子量化を促すものであれば、特に限定されず、使用することができる。
【0038】
(a)成分として、エポキシ樹脂特に無溶剤型エポキシ樹脂を使用する場合、(c)成分としてはアミン化合物が好適である。アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン(ジプロピレントリアミン)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6,―トリスアミノメチルヘキサン、ポリメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン等の脂肪族アミン類、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、N―アミノエチルピペラジン、メタキシリレンジアミン等の脂環族、ポリアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルベンゼン等の芳香族アミン、ポリアミンエポキシ樹脂アダクト、ポリアミン―エチレンオキシドアダクト、ポリアミン―プロピレンオキシドアダクト、シアノエチル化ポリアミン、ケチミン、芳香族酸無水物、環状脂肪族酸無水物、脂肪族酸無水物、ハロゲン化酸無水物、ダイマー酸とポリアミンの縮合によって生成するポリアミド樹脂が挙げられる。
【0039】
(a)成分として、ポリオール樹脂特に無溶剤型ポリオール樹脂を使用する場合、(c)成分としてはポリイソシアネート化合物が好適である。このようなイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−トルエンジイソシアネート、2,6’−トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等の三量体もしくは四量体以上の多量体およびそれらの混合物、またはこれらポリイソシアネート類とプロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール化合物や水との反応により生成される化合物等で、2個以上のイソシアネート基を有する化合物が使用可能である。
【0040】
(a)成分として、シリコーン樹脂特に無溶剤型シリコーン樹脂を使用する場合、(c)成分としては加水分解縮合用触媒が好適である。このような加水分解縮合用触媒としては、例えば、蟻酸、酢酸、モノクロロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、マレイン酸、蓚酸、クエン酸等の有機酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸等の無機酸、トリエチルアミン等の塩基性化合物類、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、チタン2−エチルヘキシオキシド、チタンジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)、チタンジn−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジn−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、テトライソプロポキシチタン縮合物、テトラn−ブトキシチタン縮合物等のチタンアルコキシドまたはその縮合物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、オクトエ酸第一錫、ナフテン酸第一錫、オレイン酸第一錫、イソ酪酸第一錫、リノール酸第一錫、ステアリン酸第一錫、ベンゾール酸第一錫、ステアリン酸第一錫、ナフトエ酸第一錫、ラウリン酸第一錫、o−チム酸第一錫、β−ベンゾイルプロピオン酸第一錫、クロトン酸第一錫、トロパ酸第一錫、p−ブロモ安息香酸第一錫、パルミトオレイン酸第一錫、桂皮酸第一錫、およびフェニル酢酸第一錫のようなカルボン酸の錫塩等の有機スズ化合物が挙げられる。
【0041】
本発明では上述の(a)〜(c)成分に加え、さらに(d)(a)成分と相溶し、かつ前記(a)成分よりも疎水性が大きい化合物、及び/または、前記(b)成分と相溶し、かつ前記(b)成分よりも親水性が大きい化合物(以下、「変性剤」または「(d)成分」ともいう。)を使用することが望ましい。
一般に、異種の物質を混合したときに得られる相形態は、各成分の比率、混合条件等にもよるが、実質的には各成分間の相溶性に大きく依存し、混合成分の相溶性が高い場合にはミクロな相分離状態となりやすく、逆に混合成分の相溶性が低い場合にはマクロな相分離状態に移行しやすくなる。
本発明では(d)成分を混合することにより、混合成分の相溶性を適度に低下させ、その相形態をミクロな相分離状態からマクロな相分離状態に移行させることができ、マイクロオーダーの球状粒子の集合体をより確実に得ることができる。
【0042】
また、(d)成分を混合するこにより、可とう性を付与することができ、優れた加工性を有する蓄熱体を得ることができる。また、(b)成分の固−液変化に伴う体積変化に対しても、柔軟に追従することができる。
【0043】
このような(d)成分としては、
(d−1)(a)成分と相溶し、かつ(a)成分よりも疎水性が大きい化合物(以下「(d−1)成分」という)、及び/または
(d−2)(b)成分と相溶し、かつ(b)成分よりも親水性が大きい化合物(以下、「(d−2)成分」という。)
が使用可能である。
【0044】
(d−1)成分としては、シリコン化合物が好適である。特に本発明では、(a)成分として無溶剤型エポキシ樹脂、(c)成分として該無溶剤型エポキシ樹脂の硬化剤、(d−1)成分としてエポキシ基含有シリコン化合物を組み合せて使用することが望ましい。
このようなエポキシ基含有シリコン化合物としては、下記式(i)または(ii)で示されるジグリシジルシリコン化合物が好適である。
【0045】
【化1】
Figure 2004256772
【0046】
【化2】
Figure 2004256772
【0047】
(式中、R、R、R、Rは同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、フェニル基、置換芳香族を示す。R、Rは同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜8のアルキレン基、フェニレン基を示す。nは1〜1000の整数を示す。)
【0048】
(d−2)成分としては、水、親水性溶媒等が使用可能である。親水性溶媒としては、例えば、アルコール類、グリコール類等が挙げられる。このうち、本発明では水が好適である。
【0049】
本発明蓄熱体の製造においては、まず、上述の(a)成分、(b)成分、(c)成分、及び必要に応じ(d)成分を混合し、型枠等に流し込んだ後に、該混合物を硬化させる。この工程では、(a)成分及び(c)成分、あるいは、(a)成分、(c)成分及び(d−1)成分(以下、「樹脂成分」という)の反応による高分子量化に伴い、相溶性が変化し、樹脂成分と、(b)成分あるいは(b)成分及び(d−2)成分が相互に相分離したミクロ相分離構造が発生する。混合物を硬化させる際の温度は、特に限定されないが、通常10〜80℃程度である。
【0050】
本発明においては、(a)成分と(c)成分の合計量に対して、(b)成分の重量比率が1:0.1〜7(好ましくは、1:0.5〜6)となるように混合することが好ましい。このような混合比率であれば、(a´)硬化体と(b)成分が最終的に効率よくミクロ相分離構造をとることができる。
(b)成分が0.1より少ない場合は、蓄熱効果を発揮することが困難となる。また、7より多い場合は、蓄熱体の強度が不十分となりやすく実用的でない。
【0051】
(d)成分として(d−1)成分を使用する場合は、(a)成分に対する(d−1)成分の重量比率を、通常、(a):(d−1)=1:(0.05〜20)、好ましくは1:(0.1〜10)に設定する。(d)成分として(d−2)成分を使用する場合は、(b)成分に対する(d−2)成分の重量比率を、通常、(b):(d−2)=1:(0.005〜1)、好ましくは1:(0.01〜0.5)に設定する。
なお、本発明では、系の安定性や混合物の取り扱い易さ等を目的として、本発明の効果を損なわない程度において、上述の成分以外の添加剤、充填剤等を適宜配合することも可能である。
【0052】
本発明の蓄熱体は、自立性があり、蓄熱効果及び蓄熱効果の持続性に優れることから、種々の蓄熱技術に応用可能である。
例えば、太陽熱、工場熱、河川水、地熱、安価な夜間電力を利用した熱エネルギー等の蓄熱を蓄える材料として、または他の蓄熱材を収納するボックス材料として用いることができる。
また、住宅等における床材、壁材、屋根材等や、車両等における内壁材等としても使用でき、冷暖房等による省エネルギー化を図ることができる。
【0053】
本発明の蓄熱体は、自立性があり、蓄熱体のみでも、各種蓄熱材として使用可能であるが、断熱層や熱伝導層等を組み合せることにより、より目的にあった、蓄熱積層体を得ることができる。
断熱層としては、、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム等の発泡系断熱層、グラスウール、ロックウール、スレート板、石膏ボード、ALC板、木毛セメント板、合板等が挙げられる。
また、熱伝導層としては、銅、アルミニウム、鉄、真鍮、亜鉛、マグネシウム、ニッケル等の金属材料からなる鋼板等、あるいはこれらの金属材料を含む塗膜またはシート等が挙げられる。
【0054】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0055】
【表1】
Figure 2004256772
【0056】
【表2】
Figure 2004256772
【0057】
表1に示した原料を使用して、表2に示した比率にて配合し、各混合物を調整した。各混合物をディゾルバーにて、周速1m/sec、1分間の条件にて攪拌し、混合液を作製した。得られた混合液を型枠(L150mm×W150mm×H3mm)に流し込み、雰囲気温度50℃で、12時間加熱硬化させた。その後、型枠より取りだし各蓄熱体を得た。得られた蓄熱体について、以下の試験を行った。
【0058】
(蓄熱試験)
各蓄熱体を、ポリエチレンシートでラミネートした蓄熱板を4枚用意し、ウレタンフォーム(厚さ25mm)で作製した試験ボックス(内寸150mm×150mm×150mm)の内側壁に固定した。さらにボックス内部には、熱電対を設置した。
この試験ボックスを恒温器内に設置し、恒温器内の温度を外気温度、試験ボックス内の温度を室内温度と見たて、次の実験を行った。
あらかじめ、温度18℃に調整した恒温器内に、上部を開放した試験ボックスを一晩設置し、その後、試験ボックスの上部を密閉し、恒温器内の温度を32℃に設定し、試験ボックス内部の温度を測定した。
【0059】
(比表面積測定)
各蓄熱体から、蓄熱材を抽出し、得られた熱硬化型樹脂成形体に対して、真空脱気を2時間行い、その後、BET法(柴田科学機器工業株式会社製、表面積測定装置P−700型)にて、死容積測定ガスはヘリウム、吸着ガスは窒素にて、比表面積を測定した。この測定は、それぞれ3回行いその平均値を採用した。
【0060】
(断面観察)
各蓄熱体から、蓄熱材を抽出し、得られた熱硬化型樹脂成形体の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM JSM5301LV(日本電子株式会社製))を用いて観察した。
【0061】
(熱伝導率測定)
(実施例1、4における熱硬化型樹脂硬化体の熱伝導率)
表1に示す熱硬化型樹脂50重量部、硬化剤17重量部の混合物をディゾルバーにて、周速1m/sec、1分間の条件にて攪拌し、混合液を作製した。
得られた混合液を型枠(L150mm×W150mm×H3mm)に流し込み、雰囲気温度50℃で、12時間加熱硬化させた。その後、型枠より取りだし熱硬化形樹脂硬化体を得た。
熱伝導率測定は、熱伝導率計(京都電子工業株式会社製、Kemtherm.QTM−D3(商品名))を用い、得られた熱硬化型樹脂硬化体を、熱伝導率が既知の標準板(発泡ポリスチレン、珪酸カルシウム、シリコンゴム)に積層し、その積層物の表面に熱線で熱を加え、並置した熱電対で測定する温度上昇から熱伝導率を測定した。
この測定値から、熱硬化型樹脂硬化体の熱伝導率を算出方式で測定を行った。算出方法は、各標準板の測定値とそれぞれの標準板に重ねて測定した積層物の測定値から、下式に従い相関係数を算出する。結果は表2に示す。
A :標準板Aの測定値
AS:標準板A+試験体での測定値
XA:標準板Aと試験体との相関係数
XA=(AS−A)/A
各標準板毎の相関係数を、熱伝導率−相関係数のグラフの各標準板熱伝導率上にプロットし、得られる直線と相関係数=0との交点が試験体の熱伝導率となる。測定はそれぞれ3回行い平均値を求めた。
(実施例2、3における熱硬化型樹脂硬化体の熱伝導率)
表1に示す熱硬化型樹脂15重量部、硬化剤18重量部、変性剤35重量部の混合物をディゾルバーにて、周速1m/sec、1分間の条件にて攪拌し、混合液を作製した。
得られた混合液を型枠(L150mm×W150mm×H3mm)に流し込み、雰囲気温度50℃で、12時間加熱硬化させた。その後、型枠より取りだし熱硬化形樹脂硬化体を得た。
得られた熱硬化形樹脂硬化体について、前述と同様の方法で熱伝導率を測定した。結果は表2示す。
(比較例1における熱硬化型樹脂硬化体の熱伝導率)
表1に示す熱硬化型樹脂117重量部、硬化剤40重量部の混合物をディゾルバーにて、周速1m/sec、1分間の条件にて攪拌し、混合液を作製した。
得られた混合液を型枠(L150mm×W150mm×H3mm)に流し込み、雰囲気温度50℃で、12時間加熱硬化させた。その後、型枠より取りだし熱硬化形樹脂硬化体を得た。
得られた熱硬化形樹脂硬化体について、前述と同様の方法で熱伝導率を測定した。結果は表2示す。
【0062】
(実施例1)
前述の手順によって、蓄熱体を製造した。この蓄熱体を用いて行った蓄熱試験の結果を図1に示す。図1に示すように、試験ボックス内温度が外気温と同じ温度に達するのに、約120分を要し、良好な蓄熱性を示した。
なお、熱硬化型樹脂硬化体の熱伝導率は0.15W/(m・K)、熱硬化型樹脂成形体の比表面積は60m/gであった。また、熱硬化型樹脂成形体の断面観察した結果、0.1μm程度以下の微細な孔を多数有するアグリゲート構造体であることが確認された(図2)。
【0063】
(実施例2)
前述の手順によって、蓄熱体を製造した。この蓄熱体を用いて行った蓄熱試験の結果を図1に示す。図1に示すように、試験ボックス内温度が外気温と同じ温度に達するのに、約140分を要し、良好な蓄熱性を示した。
なお、熱硬化型樹脂硬化体の熱伝導率は0.14W/(m・K)、熱硬化型樹脂成形体の比表面積は14m/gであった。また、熱硬化型樹脂成形体の断面観察した結果、10μm程度以下の微細な孔を多数有するアグリゲート構造体であることが確認された(図3)。
【0064】
(実施例3)
前述の手順によって、蓄熱体を製造した。この蓄熱体を用いて行った蓄熱試験の結果を図1に示す。図1に示すように、試験ボックス内温度が外気温と同じ温度に達するのに、約350分を要し、良好な蓄熱性を示した。
なお、熱硬化型樹脂硬化体の熱伝導率は0.14W/(m・K)、熱硬化型樹脂成形体の比表面積は14m/gであった。また、熱硬化型樹脂成形体の断面観察した結果、10μm程度以下の微細な孔を多数有するアグリゲート構造体であることが確認された(図4)。
【0065】
(実施例4)
実施例1と同様の方法で作製した蓄熱体を温度50℃の温水に浸漬して、蓄熱材1を抽出した後、48時間乾燥養生し、熱硬化型樹脂成形体を得た。さらに、この熱硬化型樹脂成形体を表1に示す蓄熱材2に、温度40℃、48時間浸漬し、熱硬化型樹脂成形体内部へ蓄熱材2を吸蔵させ、蓄熱体を作製した。
この蓄熱体を用いて行った蓄熱試験の結果を図1に示す。図1に示すように、試験ボックス内温度が外気温と同じ温度に達するのに、約350分を要し、良好な蓄熱性を示した。
【0066】
(比較例1)
前述の手順によって、蓄熱体を製造した。この蓄熱体を用いて行った蓄熱試験の結果を図1に示す。図1に示すように、試験ボックス内温度が外気温と同じ温度に約70分で達し、蓄熱効果の持続性は、短いものであった。
なお、熱硬化型樹脂硬化体の熱伝導率は0.15W/(m・K)、熱硬化型樹脂成形体の比表面積は3m/gであった。また、熱硬化型樹脂成形体の断面観察した結果、アグリゲート構造体でないことが確認された(図5)。
【0067】
【発明の効果】
本発明の蓄熱体は、自立性があり、蓄熱材への熱の伝わりを制御し蓄熱効果及び蓄熱効果の持続性に優れるものである。
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜4、比較例1の蓄熱試験結果の図である。
【図2】実施例1で作製した熱硬化型樹脂成形体の走査型顕微鏡写真である。
【図3】実施例2で作製した熱硬化型樹脂成形体の走査型顕微鏡写真である。
【図4】実施例3で作製した熱硬化型樹脂成形体の走査型顕微鏡写真である。
【図5】比較例1で作製した熱硬化型樹脂成形体の走査型顕微鏡写真である。

Claims (4)

  1. 熱伝導率が0.20W/(m・K)以下の熱硬化型樹脂硬化体(a´)が比表面積5〜100m/gであるアグリゲート構造を有する熱硬化型樹脂成形体(a´´)を形成し、この熱硬化型樹脂成形体(a´´)の間隙に蓄熱材(b)が充填されていることを特徴とする蓄熱体。
  2. 熱硬化型樹脂(a)と蓄熱材(b)の混合溶液に、(a)の硬化剤及び/または硬化触媒(c)を加えて混合し、(a)と(c)の硬化反応により得られる蓄熱体であって、熱硬化型樹脂硬化体(a´)と蓄熱材(b)がミクロ相分離構造となっていることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱体。
  3. 前記(a)、(c)、(b)が、重量比にて(a)+(c):(b)=1:0.1〜7であることを特徴とする請求項2に記載の蓄熱体。
  4. (a)熱硬化型樹脂が、無溶剤熱硬化型樹脂であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の蓄熱体。
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