JP2004256234A - 産業車両の荷役支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に荷役作業の安全性を確保できるようにすることを目的とし、特に荷役装置の動作設定が変更可能な産業車両に適した、より実用的な荷役支援装置を提供する。
【解決手段】荷物から該荷物の取扱情報を読み取る読取手段と、荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、運転者に対し警告を発する警告手段と、取扱情報と設定情報とに基づき警告手段を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、両情報を比較して荷役装置にて荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、警告手段を作動させる。これにより、運転者は荷物を取扱い不可能であることを容易に認識することができ、作業を中止したり荷役装置の動作設定を変更したりといった処置を行うことができる。
【選択図】 図3
【解決手段】荷物から該荷物の取扱情報を読み取る読取手段と、荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、運転者に対し警告を発する警告手段と、取扱情報と設定情報とに基づき警告手段を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、両情報を比較して荷役装置にて荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、警告手段を作動させる。これにより、運転者は荷物を取扱い不可能であることを容易に認識することができ、作業を中止したり荷役装置の動作設定を変更したりといった処置を行うことができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばクランプ装置などの荷役装置を備える産業車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、荷役装置を備える産業車両は、荷物などを取扱う作業を行うために適した状態で荷役装置が作動するよう設定されており、例えばロール紙やドラム缶などを取扱うためのクランプ装置を備える産業車両では、取扱う荷物に合わせてクランプ圧が設定されている。ここで、荷物の大きさや重さ、材質などによって適したクランプ圧は異なることから、例えば下記文献に示すように、クランプ圧を段階的に手動調節可能とする技術や、荷物の重さに応じて最大クランプ圧を自動的に調整する技術が開発されている。
【0003】
ところで、近年では作業効率の向上を図るために、産業車両に乗車している運転者に対し荷役作業を指示することが行われており、例えば下記文献に示すように、管理機から指示を受けた作業の内容を運転席の前方に設けられたディスプレイに表示するする技術が開発されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−151199号公報
【特許文献2】
特開2000−191294号公報
【特許文献3】
特開平7−112899号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
荷物の重さに応じて自動的に最大クランプ圧が調節される技術によれば、運転者がクランプ圧を調節する手間がかからず作業性がよいという利点はあるが、構成が複雑化し安価に実施できないという問題や、一旦荷物をクランプしなければクランプ圧が調節されないという問題がある。一方、手動でクランプ圧を調節するようにすれば、調節の手間はかかるものの比較的安価に実施でき、又、予め調節を終えておくことができるという利点がある。しかしながら、運転者は取扱う荷物ごとに適したクランプ圧を把握しておかなければならず、誤ったクランプ圧に設定して作業を行ってしまうと荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするおそれがあるという問題がある。もちろん、作業前に調節をし忘れたり、どのようなクランプ圧に設定したかを忘れたりするということも考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、容易に荷役作業の安全性を確保できるようにすることを目的とし、特に荷役装置の動作設定が変更可能な産業車両に適した、より実用的な荷役支援装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本第1の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、荷物から該荷物の取扱情報を読み取る読取手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、運転者に対し警告を発する警告手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記警告手段を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記警告手段を作動させる、という手段を採用する。
【0008】
これによれば、制御手段により取扱い不可能と判断された場合には、警告手段が作動して運転者に対し取扱い不可能である旨の警告が発せられるので、運転者は取扱い不可能であることを認識することができる。従って、運転者は作業を中止したり荷役装置の動作設定を変更したりといった処置を行うことができ、取扱い不可能であるにも拘わらずそのまま作業を続行して荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするといった事態を未然に防止することができる。
【0009】
又、上記の目的を達成するために、本第2の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、荷物から該荷物の取扱情報を読み取る読取手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記荷役装置を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記荷役装置の作動を禁止する、という手段を採用する。
【0010】
これによれば、制御手段により取扱い不可能と判断された場合には、荷役装置の作動が禁止されるので、取扱い不可能であるにも拘わらず運転者がそのまま作業を続行してしまうことを完全に防止することができる。又、荷役装置の作動が禁止されることを以って運転者は取扱い不可能であることを認識することができるので、荷役装置の動作設定を変更するなど作業を行えるようにするための処置を行うことができる。尚、制御手段が、取扱い不可能と判断された場合に、荷役装置の作動を禁止し、且つブザーなどの警告手段を作動させる構成とすれば、運転者はより一層容易に、しかも確実に荷物を取扱い不可能であることを認識することができる。
【0011】
又、上記の目的を達成するために、本第3の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、荷物から該荷物の取扱情報を読み取る読取手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記荷役装置を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記荷役装置の動作設定を前記取扱情報に従って自動的に変更して前記荷物を取扱い可能とする、という手段を採用する。
【0012】
これによれば、制御手段により取扱い不可能と判断された場合には、荷役装置の動作設定が自動的に変更され荷物を取扱い可能な状態とされるので、取扱い不可能なまま作業が行われることを確実に防止することができ、荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするといった事態を完全に防止することができる。又、動作設定が自動的に変更されるので、運転者が一旦運転席から離れて動作設定を変更する作業を行うといった手間がかからず、速やかに荷物を取扱い可能な状態とすることができ、作業性をすこぶる高めることができる。尚、荷役装置の動作設定が変更されている間は、例えば制御手段により荷役装置の作動を禁止するよう制御すれば、荷物を適切に取扱い不可能であるにも拘わらず運転者がそのまま作業を続行してしまうといったことを防止することができる。更に、例えば運転席から視認可能に設けられたディスプレイなどの表示手段に、動作設定が変更されている間、動作設定の変更中である旨の情報を表示させたり、動作設定の変更後、動作設定が終了した旨の情報や荷物を取扱い可能となった旨の情報を表示させたりすることができる。このようにすれば、運転者は産業車両の状態(動作設定の変更中であるかどうか)を正確に把握することができ、動作設定の変更後、速やかに荷物の取扱いを開始することができる。
【0013】
又、上記の目的を達成するために、本第4の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、荷物から該荷物の取扱情報を読み取る読取手段と、該読取手段により読み取られた前記取扱情報に従って前記荷役装置の動作設定を自動的に行う制御手段とを備える、という手段を採用する。
【0014】
これによれば、荷物から読み取られた取扱情報に従って荷役装置の動作設定が自動的になされるので、常に適切に、つまり荷物を取扱い可能に設定された状態で作業を行うことができ、荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするといった事態を完全に防止することができる。又、設定を行うための手間などは必要ないので、運転者には負担がかからない。
【0015】
本発明における読取手段には、荷物に記憶又は付帯されている取扱情報を直接読取るものは勿論のこと、荷物に記憶又は付帯されている識別コード番号などその荷物の識別情報を読取り、この識別情報を用いて他所(例えば、産業車両や管理機に設けられた、識別情報に関連づけて各荷物の取扱情報が登録されている記憶装置)から取扱情報を取得する、いわば間接的に取扱情報を読取るものも含まれる。読取手段の構成は、荷物に記憶又は付帯されている情報の形態に応じたものとすればよく、情報がバーコードとされている場合にはバーコードスキャナとし、情報がIDタグとされている場合にはIDタグリーダとすればよいが、磁気方式、光学方式、又は電波方式など読取手段自体が荷物に接触することなく荷物に記憶又は付帯されている情報を読取ることができることが好ましい。又、読取手段の設置場所も、荷物や情報の形態に応じて適宜設定すればよく、荷役装置に設けたり運転席近傍に設けたりすればよいが、読取手段が手動操作により作動するものである場合には、少なくともその操作具は運転席近傍の操作し易い位置に設けると良い。
【0016】
本発明における検知手段は、例えば産業車両が稼働している間は常に荷役装置を監視してその設定情報を自動的に取得する構成とすることができる他、荷役装置の動作設定がなされた時にその設定情報を記憶手段に自動的に記憶し、この記憶された情報を必要なときに読み出すことで設定情報を取得する構成とすることができ、又、前記読取手段により取扱情報が読取られた後、これに引続いて設定情報を自動的に取得する構成とすることができる。ここでいう設定情報とは、荷役装置が発揮し得るスペック自体、所定のスペックを発揮するために調節される荷役装置の駆動部の動作特性(例えば動作範囲や動作速度など)、駆動部に供給されるエネルギー(例えば電力や油圧、空気圧など)の設定値を含むものであり、検知手段はこれらを直接的または間接的に取得するものとすればよい。尚、具体的な設定情報の取得には、取得対象に応じて公知の各種センサなどを適宜用いればよい。
【0017】
本発明における警告手段は、運転者に対し視覚的、聴覚的、触覚的に警告を発するものを用いることができる。視覚的警告手段としては、例えば運転席に設けられるインジケータランプやディスプレイを挙げることができ、前記制御手段により作動させられて点灯(点滅)したり、荷物を取扱い不可能である旨を絵や文字、記号などにより表示したりするものとすればよい。聴覚的警告手段としては、例えば運転席に向けて警告音(音声を含む)を発するブザーやアラームを挙げることができ、触覚的警告手段としては、例えば荷役装置を操作する手動操作具(ボタンやレバーなど)を所定の周期で振動させる振動発生装置を挙げることができる。もちろん、これらを複数を設けてより確実に運転者への警告を行えるようにしてもよく、警告手段が、運転席から視認可能に設けられたディスプレイなどの表示手段を備える場合には、この表示手段に前記読取手段による前記取扱情報を表示するようにしてもよい。このようにすれば、運転者は荷物を取扱い不可能であることを認識できると共に、荷役装置の設定をどのように変更すれば荷物を取扱い可能とすることができるかも認識できる。
【0018】
又、上記の目的を達成するために、本第5の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、管理機から荷役作業指令と共に荷物の取扱情報を取得する受信手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、管理機へ前記荷役作業指令に対する返信を行う送信手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記送信手段を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記送信手段を作動させて前記荷役作業指令を拒否する旨の情報を管理機へ送信する、という手段を採用する。
【0019】
これによれば、制御手段により取扱い不可能と判断された場合には、荷役作業指令を拒否する旨の情報が送信手段から管理機へ送信されるので、管理機はこれに基づいて同荷役作業指令を他の産業車両に振替えるといった処置を行うことができ、効率良く作業管理を行うことができる。又、荷役作業指令を拒否することにより取扱い不可能であるにも拘わらずそのまま作業を行うといったことがなくなるので、荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするといった事態を未然に防止することができる。尚、上記の手段と合せて、取扱い可能と判断された場合に、前記荷役作業指令を了承する旨の情報を管理機へ送信したり、取扱い可能と判断された場合にのみ、前記荷役作業指令の内容を運転席から視認可能に設けられたディスプレイなどの表示手段に表示させたりする、という手段を採用してもよい。
【0020】
又、上記の目的を達成するために、本第6の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、管理機から荷役作業指令と共に荷物の取扱情報を取得する受信手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、運転席から視認可能に設けられた表示手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記表示手段を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記表示手段に前記取扱情報を表示させる、という手段を採用する。
【0021】
これによれば、制御手段により取扱い不可能と判断された場合には、表示手段に取扱情報が表示されるので、これを以って運転者は取扱い不可能であることを認識することができる。又、作業を行えるようにするために荷役装置の動作設定を変更する際には、表示手段の表示により取扱情報を確認することができ、運転者は簡単、且つ適確に動作設定の変更を実施することができる。尚、より分かりやすくするために、荷役装置の動作設定を変更すべき旨の情報や荷役装置の設定情報、設定変更の手順情報などを、取扱情報と共に表示手段に表示させるようにしてもよい。
【0022】
又、上記の目的を達成するために、本第7の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、管理機から荷役作業指令と共に荷物の取扱情報を取得する受信手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記荷役装置を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記荷役装置の動作設定を前記取扱情報に従って自動的に変更して前記荷物を取扱い可能とする、という手段を採用する。
【0023】
これによれば、制御手段により取扱い不可能と判断された場合には、荷役装置の動作設定が自動的に変更され荷物を取扱い可能な状態とされるので、取扱い不可能なまま作業が行われることを確実に防止することができ、荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするといった事態を完全に防止することができる。又、管理機から荷物の取扱情報を取得すると、必要に応じて動作設定が自動的に変更されるので、運転者が動作設定を変更する手間がかからず、速やかに荷物を取扱い可能な状態とすることができ、作業性をすこぶる高めることができる。
【0024】
又、上記の目的を達成するために、本第8の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、管理機から荷役作業指令と共に荷物の取扱情報を取得する受信手段と、該受信手段により取得された前記取扱情報に従って前記荷役装置の動作設定を自動的に行う制御手段とを備える、という手段を採用する。
【0025】
これによれば、管理機から取得した取扱情報に従って荷役装置の動作設定が自動的になされるので、常に適切に、つまり荷物を取扱い可能に設定された状態で作業を行うことができ、荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするといった事態を完全に防止することができる。又、設定を行うための手間などは必要ないので、運転者には負担がかからない。
【0026】
ところで、上記の本発明における取扱い可能とは、荷物を取扱う際の安全性、安定性、確実性などが確保されるための必要条件を充たしているということであり、取扱い不可能とは、この条件が充たされておらず荷物を取扱う際に何らかの支障や不都合など(例えば、荷物の落下や破損、荷役装置の誤作動や故障)が生じ得るということである。取扱い可能か否かを判断するための条件は、荷役装置の形態や荷物の形態に応じて適宜設定すればよく、安全性、安定性、確実性のそれぞれにつき条件を設定したり、一つの条件で安全性、安定性、及び確実性が確保されるように条件設定したりすることができる。
【0027】
例えば、荷役装置が荷物を把持するクランプ装置である場合には、クランプ圧を取扱い可能か否かの判断に用いることができる。すなわち、前記取扱情報は、荷物をクランプする際のクランプ圧の最適値又は許容値とし、前記設定情報は、クランプ装置のクランプ圧の設定値とすればよい。又、自動的に変更する動作設定としては、クランプ圧を段階的又は無段階的に調節する圧力調整器の設定とすればよい。
【0028】
これによれば、クランプ圧の最適値又は許容値とクランプ圧の設定値とが比較されて、設定値が最適値又は許容値に適合しない場合には取扱い不可能と判断され、適合する場合には取扱い可能と判断される。従って、クランプ圧が高過ぎて荷物を破損させたり、クランプ圧が低過ぎて荷物をしっかりと把持できなかったりといったことが未然に防止され、荷物及びクランプ装置が保護される。尚、本発明を実施するに当たって、クランプ装置は、円柱状又は円筒状の荷物をクランプするものであっても、直方体や立方体など箱体状の荷物をクランプするものであってもよく、板状やその他の特殊形状の荷物をクランプするものであってもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をクランプ装置を備えるフォークリフトに適用した第1の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0030】
第1の実施形態に係るフォークリフトは、図1及び図2に示すように、主に車体10と、該車体10の前部に立設されたマスト20と、該マスト20に沿って昇降可能なクランプ装置30とからなる。車体10の前後略中央部には運転席11が設けられ、その前方位置にはステアリングハンドル12、マスト20やクランプ装置30を操作するための各操作レバー13a〜13dが配置され、運転席11の上方位置には運転者を保護するためのヘッドガード14が設けられている。各操作レバー13a〜13dは前後方向に傾倒可能に支持され、又、車体10の内部には、マスト20やクランプ装置30を作動させるための油圧装置15(図示せず)、及び本発明の制御手段としての制御ユニット16が搭載されており、操作レバー13a〜13dがそれぞれ傾倒操作されることにより、その操作に応じて油圧装置15が作動しマスト20及びクランプ装置30が所定の動作をする。更に、ステアリングハンドル12を支持するハンドルコラムの上部には、本発明の表示手段としてのディスプレイ17が運転席11の運転者から視認可能に設けられ、運転席11の下方位置の車体10内部には、運転者に対して警告音を発するブザー18が設けられている。
【0031】
図2に示すように、クランプ装置30は、一対のクランプアーム31、32と、クランプアーム31に連結されたクランプシリンダ33と、これらを支持するキャリッジ34とからなる。クランプアーム31はキャリッジ34に揺動可能に支持されており、前記油圧装置15から給排される作動油によりクランプシリンダ33が伸縮動作するのに伴って、クランプアーム31は揺動する。そして、両クランプアーム31、32間に荷物Rが位置する状態で、クランプアーム31がクランプアーム32に対し近付く向き(内向き)へ揺動することにより、両クランプアーム31、32で荷物Rが挟持(クランプ)され、逆に、荷物Rが挟持された状態で、クランプアーム31がクランプアーム32に対し遠ざかる向き(外向き)へ揺動することにより、荷物Rの挟持が解除されて荷物Rが解放される。
【0032】
尚、図2に示すように、各クランプアーム31、32は、それぞれの先端部に設けられた挟持部材31a、32aで荷物Rを挟持するようになっており、クランプアーム31の挟持部材31aには、本発明の読取手段としてのバーコードスキャナ35(図示せず)が埋設されている。このバーコードスキャナ35は、内向きに、すなわち挟持しようとする荷物Rに向って走査方向が設定されており、対象となるバーコードから離れた位置からの情報の読取りが可能なものである。又、バーコードスキャナ35は、後述するクランプ操作レバー13dに設けられたスイッチSW1をオン操作することで、走査が行われるようになっている。
【0033】
図3は、第1の実施形態の一実施例に係るフォークリフトの要部を示す機能ブロック図である。前記運転席11の前方位置に設けられた操作レバーのうち、クランプアーム31の揺動動作、すなわちクランプシリンダ33の伸縮動作を操作するためのクランプ操作レバー13dには、図3に示すように、バーコードスキャナ35を作動させるためのスイッチSW1が設けられると共に、このクランプ操作レバー13dが傾倒操作されているか否かを検出するスイッチSW2が付設されている。スイッチSW1がオン操作されると、制御ユニット16はその信号に基づきコードスキャナ35を作動させ、クランプ操作レバー13dが前後いずれかに傾倒操作されスイッチSW2がオンすると、制御ユニット16はその信号に基づき以下に詳述するモータ151を回転駆動させる。
【0034】
前記油圧装置15は、主にモータ151と、油圧ポンプ152と、タンク153と、油圧バルブ154と、で構成されている。モータ151により油圧ポンプ152が駆動されると、油圧ポンプ152はタンク153に貯溜されている作動油を吸込み、加圧して油圧バルブ154へと吐出する。そして、油圧バルブ154を介してクランプシリンダ33へ作動油の給排がなされると、クランプシリンダ33が伸縮してクランプアーム31が揺動する。油圧バルブ154は、クランプ操作レバー13dによりその開度が調節される制御弁155と、これに付設される油圧調整器156とからなり、油圧調整器156に連結される調整レバー157を操作することにより、油圧調整器156が作動し、制御弁155からクランプシリンダ33へ供給される作動油の圧力、すなわちクランプ圧が変更される。ここでは、油圧調整器156は2通りのクランプ圧P1、P2に設定可能であり、クランプ圧P1となるように調整レバー157を操作すると、調整レバー157に付設されたスイッチSW3がオンとなり、クランプ圧P2となるように調整レバー157を操作すると、スイッチSW3がオフするようになっている。このスイッチSW3のオン/オフ信号及びバーコードスキャナ35からの信号も、スイッチSW1及びSW2からの信号と同様に、制御ユニット16へ入力され、制御ユニット16はこれらの信号に基づいてディスプレイ17及びブザー18を作動させる。
【0035】
ところで、このフォークリフトによって荷役・運搬される円柱状の荷物Rの外周面には、予めバーコードシール40が貼付されており、バーコードシール40にこの荷物Rの取扱情報、すなわち最適クランプ圧Pがバーコード化されて印刷されている。そして、図2に示すように、荷物Rに対しある程度の距離までクランプ装置30を接近させた状態で、スイッチSW1をオン操作することによりバーコードシール40に向ってバーコードスキャナ35の走査がなされることで、挟持部材31a、32aが荷物Rに触れることなく、バーコード化された最適クランプ圧Pが読取られる。尚、説明上、本実施形態に係る荷物Rの最適クランプ圧Pは、前記P1、P2のいずれかに等しい値である。
【0036】
制御ユニット16は、図4に示す制御フローに従って制御を行う。先ず、スイッチSW1がオン操作されているかどうかを判断し(S1)、オン操作されていればバーコードスキャナ35を作動させて走査を行う。ここで、走査中に異常が発生するなどして正常な読取信号が制御ユニット16に入力されていなれば(S3のNO)、ブザー18を作動させ(S4)、ディスプレイ17に「スキャニングに失敗しました」と表示させて(S5)、運転者に再度スイッチSW1を操作することを促す。一方、走査が正常に終了し、バーコードスキャナ35からの読取信号が制御ユニット16に入力されていれば(S3のYES)、制御ユニット16はこれを最適クランプ圧Pとして取得する(S6)。
【0037】
最適クランプ圧Pを取得すると、次に制御ユニット16は、スイッチSW3がオンであるかどうかを判断し(S7)、オンであればクランプ圧がP1に設定されていると判断し(S8)、オフであればクランプ圧がP2に設定されていると判断する(S9)。こうして現在設定されているクランプ圧が判断されると、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較が行われ(S10、S11)、クランプ圧の設定値P1(又はP2)と最適クランプ圧Pとが一致すれば、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示させて(S12)、運転者にそのまま作業を続行しても支障が無いことを報知する。逆に、クランプ圧の設定値P1(又はP2)と最適クランプ圧Pとが一致していなければ、そのままの状態ではクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができないと判断され、制御ユニット16は、ブザー18を作動させ(S13)、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行って下さい」と表示させて(S14)、運転者に対し警告を行うと共に、クランプ圧の調整作業を行うことを促す。
【0038】
このようなフォークリフトによれば、クランプ圧がこれから取扱おうとする荷物に対し最適に設定されていれば、「クランプ圧は最適に調整されています」とディスプレイ17に表示されるので、運転者は取扱い可能であることを確認でき、安心して作業を続行することができる。逆に、クランプ圧が最適に設定されていなければ、ブザー18が作動して警告音が発せられ、又、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行って下さい」と表示されるので、運転者は、荷物を取扱い不可能であることを容易に認識することができ、作業を中止したり荷役装置の動作設定を変更したりといった処置を迅速に行うことができる。従って、荷物を取扱い不可能であるにも拘わらず、そのまま作業が続行されるという事態を未然に防止することができ、荷役作業の安全性が確保される。
【0039】
尚、上記の例では、S14において、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行って下さい」と表示させているが、これに代えて、例えば「クランプ圧を○○に調整して下さい」と表示させるようにしてもよい。ここで、○○に当てはまるのは、S6において取得された最適クランプ圧Pであり、このように荷物Rから得られる最適クランプ圧Pを表示するようにすれば、運転者はクランプ圧をどのように変更すれば荷物Rを取扱い可能とすることができるかを容易に認識でき、迅速に、且つ適確にクランプ圧の調整作業を行うことができる。
【0040】
上記の実施例では、ディスプレイ17とブザー18とで運転者に警告や必要な情報を通知するようにしているが、本実施形態では、取扱い不可能と判断された場合に、クランプ装置30の作動を禁止又は停止させる構成とすることができる。このようにする場合、制御ユニット16は、例えば図5及び図6に示す制御フローに従って制御を行う。
【0041】
すなわち、制御ユニット16は、先ずスイッチSW1がオン操作されているかどうかを判断し(S1)、オン操作されていればバーコードスキャナ35を作動させて走査を行う。ここで、走査中に異常が発生するなどして正常な読取信号が制御ユニット16に入力されていなれば(S3のNO)、ブザー18を作動させ(S4)、ディスプレイ17に「スキャニングに失敗しました」と表示させて(S5)、運転者に再度スイッチSW1を操作することを促す。一方、走査が正常に終了し、バーコードスキャナ35からの読取信号が制御ユニット16に入力されていれば(S3のYES)、制御ユニット16はこれを最適クランプ圧Pとして取得する(S6)。
【0042】
最適クランプ圧Pを取得すると、次に制御ユニット16は、スイッチSW3がオンであるかどうかを判断し(S7)、オンであればクランプ圧がP1に設定されていると判断し(S8)、オフであればクランプ圧がP2に設定されていると判断する(S9)。こうして現在設定されているクランプ圧が判断されると、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較が行われ(S10、S11)、クランプ圧の設定値P1(又はP2)と最適クランプ圧Pとが一致すれば、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示させて(S12)、運転者にそのまま作業を続行しても支障が無いことを報知する。
【0043】
逆に、クランプ圧の設定値P1(又はP2)と最適クランプ圧Pとが一致していなければ、そのままの状態ではクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができないと判断され、制御ユニット16は、スイッチSW2がオンであるかどうかを判断する(S13)。ここで、スイッチSW2がオフであればクランプ操作レバー13dは操作されていないので、制御ユニット16は、ブザー18を作動させ(S14)、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行って下さい」と表示させて(S15)、運転者に警告を行うと共に、クランプ圧の調整作業を行うことを促す。スイッチSW2がオンであればクランプ操作レバー13dが操作されており、モータ151が駆動されているので、制御ユニット16は、強制的にモータ151を停止させ(S16)、その後ブザー18を作動させ(S14)、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行って下さい」と表示させる。
【0044】
このようなフォークリフトによれば、上記の実施例と同様の効果が得られる上、更にクランプ圧が最適に設定されていないにも拘わらず、クランプ操作レバー13dを操作して荷物をクランプしようとしてもモータ151が強制的に停止させられるので、クランプアーム31が動作することがなく、荷物を取扱い不可能なまま作業が続行されることが完全に防止される。
【0045】
ところで、上記の本第1の実施形態に係る各実施例では、運転者が調整レバー157を手動操作してクランプ圧を調整する構成としているが、これに代えて、又はこれに加えて、クランプ圧を自動的に調整する構成とすることができる。図7はフォークリフトの要部を示す機能ブロック図であり、図7に示すように、調整レバー157には電動式のアクチュエータ158が連結されており、このアクチュエータ158が制御ユニット16に制御されて作動することにより調整レバー157が動作してクランプ圧がP1からP2へ、又はP2からP1へ変更される。
【0046】
この実施例では、制御ユニット16は例えば図8及び図9に示す制御フローに従って制御を行う。制御ユニット16は、先ずスイッチSW1がオン操作されているかどうかを判断し(S1)、オン操作されていればバーコードスキャナ35を作動させて走査を行う。ここで、走査中に異常が発生するなどして正常な読取信号が制御ユニット16に入力されていなれば(S3のNO)、ブザー18を作動させ(S4)、ディスプレイ17に「スキャニングに失敗しました」と表示させて(S5)、運転者に再度スイッチSW1を操作することを促す。一方、走査が正常に終了し、バーコードスキャナ35からの読取信号が制御ユニット16に入力されていれば(S3のYES)、制御ユニット16はこれを最適クランプ圧Pとして取得する(S6)。
【0047】
最適クランプ圧Pを取得すると、次に制御ユニット16は、スイッチSW3がオンであるかどうかを判断し(S7)、オンであればクランプ圧がP1に設定されていると判断して(S8)、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較を行う(S9)。そして、クランプ圧の設定値P1と最適クランプ圧Pとが一致すれば(S9のYES)、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示して(S10)、運転者にそのまま作業を続行しても支障が無いことを報知する。
【0048】
逆に、クランプ圧の設定値P1と最適クランプ圧Pとが一致しなければ(S9のNO)、上記の通り本実施形態に係る荷物Rの最適クランプ圧Pは、P1又はP2のいずれかに等しいのであるから、当該荷物Rの最適クランプ圧P=P2ということであり、そのままの状態ではクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができないと判断される。そこで、制御ユニット16は、アクチュエータ158を作動させて(S11)クランプ圧の設定値をP1からP2へ自動的に変更させる。設定が変更されている間は、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行っています」と表示され(S12)、スイッチSW3がオフとなるまでアクチュエータ158の作動が継続される。クランプ圧がP2に設定されスイッチSW3がオフとなると(S13のNO)、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、制御ユニット16は、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示させる(S10)。
【0049】
一方、S7においてスイッチSW3がオフであれば、制御ユニット16はクランプ圧がP2に設定されていると判断して(S14)、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較を行う(S15)。クランプ圧の設定値P2と最適クランプ圧Pとが一致すれば(S15のYES)、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示させ(S10)、一致しなければ(S15のNO)、アクチュエータ158を作動させて(S16)クランプ圧の設定値をP2からP1へ自動的に変更させる。設定が変更されている間は、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行っています」と表示させ(S17)、クランプ圧がP1に設定されスイッチSW3がオンとなると(S18のYES)、制御ユニット16は、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示させる(S10)。
【0050】
このようなフォークリフトによれば、上記の実施例と同様の効果が得られる上、更に、クランプ圧の設定が自動的に変更されて荷物を取扱い可能とされるので、荷物を取扱い不可能なまま作業が続行されることが確実に防止される。又、設定を変更する手間がかからないので、作業性をすこぶる高めることができる。しかも、設定の自動変更中には「クランプ圧の調整を行っています」とディスプレイ17に表示されるので、運転者はこれを見てフォークリフトの状態を正確に把握することができ、設定変更の完了後、速やかに荷物の取扱いを開始することができる。
【0051】
尚、図7の機能ブロック図に示される構成において、制御ユニット16は図10に示す制御フローに従って制御を行うようにすることができる。すなわち、制御ユニット16は、先ずスイッチSW1がオン操作されているかどうかを判断し(S1)、オン操作されていればバーコードスキャナ35を作動させて走査を行う。ここで、正常な読取信号が制御ユニット16に入力されていなれば(S3のNO)、ブザー18を作動させ(S4)、ディスプレイ17に「スキャニングに失敗しました」と表示させる(S5)。一方、走査が正常に終了し、バーコードスキャナ35からの読取信号が制御ユニット16に入力されていれば(S3のYES)、制御ユニット16はこれを最適クランプ圧Pとして取得する(S6)。
【0052】
次に制御ユニット16は、、取得した最適クランプ圧PがP1であるかP2であるかを判断する(S7)。最適クランプ圧PがP1である場合は、スイッチSW3がオンであるかどうかを判断し(S8)、オンであればクランプ圧がP1に設定されていることになるので、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示させる(S9)。逆に、スイッチSW3がオフであればクランプ圧がP2に設定されていることになるので、制御ユニット16はスイッチSW3がオンとなるまでアクチュエータ158を作動させ(S10)、クランプ圧の設定値をP2からP1へ自動的に変更させる。
【0053】
一方、最適クランプ圧PがP2であれば、スイッチSW3がオンであるかどうかを判断し(S11)、オフであればクランプ圧がP2に設定されていることになるので、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示させる(S9)。逆に、スイッチSW3がオンであればクランプ圧がP1に設定されていることになるので、制御ユニット16はスイッチSW3がオフとなるまでアクチュエータ158を作動させ(S12)、クランプ圧の設定値をP1からP2へ自動的に変更させる。
【0054】
このようなフォークリフトによれば、荷物Rのバーコードシール40を走査することでクランプ圧が最適クランプ圧Pに自動的に設定されるので、常に最適に設定された状態のクランプ装置30で荷物Rのクランプを行うことができ、荷物を取扱い不可能なまま作業が行われることが確実に防止される。又、運転者が自ら設定を行ったり他の者が設定を行ったりという手間がかからないので、作業性をすこぶる高めることができる。
【0055】
次に、本発明をクランプ装置を備えるフォークリフトに適用した第2の実施形態を、図面を参照して説明する。尚、上記第1の実施形態に係るフォークリフトと同様の構成についての説明には、図1及び図2を参照する。
【0056】
図1及び図2に示すように、第2の実施形態に係るフォークリフトは、上記第1の実施形態と同様に、主に車体10と、該車体10の前部に立設されたマスト20と、該マスト20に沿って昇降可能なクランプ装置30とからなる。車体10には運転席11が設けられ、その前方位置にステアリングハンドル12、各操作レバー13a〜13dが配置され、更に運転席11の上方位置にヘッドガード14が設けられている。又、車体10の内部には、油圧装置15(図示せず)、及び制御ユニット16が搭載されており、ステアリングハンドル12を支持するハンドルコラムの上部には、ディスプレイ17が、運転席11の下方位置には、ブザー18が設けられている。更に、第2の実施形態に係るフォークリフトには、そのヘッドガード14のピラー部に、送受信機である通信機19(図示せず)が内蔵され、この通信機19を介して図1及び図2には図示しない管理機50との双方向通信が可能とされている。
【0057】
クランプ装置30は、図2に示すように、一対のクランプアーム31、32と、クランプアーム31に連結されたクランプシリンダ33と、これらを支持するキャリッジ34とからなる。クランプアーム31はキャリッジ34に揺動可能に支持されており、前記油圧装置15から給排される作動油によりクランプシリンダ33が伸縮動作するのに伴って、クランプアーム31は揺動する。そして、両クランプアーム31、32間に荷物Rが位置する状態で、クランプアーム31がクランプアーム32に対し近付く向き(内向き)へ揺動することにより、両クランプアーム31、32で荷物Rが挟持(クランプ)され、逆に、荷物Rが挟持された状態で、クランプアーム31がクランプアーム32に対し遠ざかる向き(外向き)へ揺動することにより、荷物Rの挟持が解除されて荷物Rが解放される。
【0058】
図11は第2の実施形態の一実施例に係るフォークリフトの要部を示す機能ブロック図であり、前記運転席11の前方位置に設けられた操作レバーのうち、クランプアーム31の揺動動作、すなわちクランプシリンダ33の伸縮動作を操作するためのクランプ操作レバー13dには、図11に示すように、このクランプ操作レバー13dが傾倒操作されているか否かを検出するスイッチSW1が付設されている。クランプ操作レバー13dが前後いずれかに傾倒操作されスイッチSW1がオンすると、制御ユニット16はその信号に基づき以下に詳述するモータ151を回転駆動させる。
【0059】
前記油圧装置15は、主にモータ151と、油圧ポンプ152と、タンク153と、油圧バルブ154と、で構成されている。モータ151により油圧ポンプ152が駆動されると、油圧ポンプ152はタンク153に貯溜されている作動油を吸込み、加圧して油圧バルブ154へと吐出する。そして、油圧バルブ154を介してクランプシリンダ33へ作動油の給排がなされると、クランプシリンダ33が伸縮してクランプアーム31が揺動する。油圧バルブ154は、クランプ操作レバー13dによりその開度が調節される制御弁155と、これに付設される油圧調整器156とからなり、油圧調整器156に連結される調整レバー157を操作することにより、油圧調整器156が作動し、制御弁155からクランプシリンダ33へ供給される作動油の圧力、すなわちクランプ圧が変更される。ここでは、油圧調整器156は2通りのクランプ圧P1、P2に設定可能であり、クランプ圧P1となるように調整レバー157を操作すると、調整レバー157に付設されたスイッチSW2がオンとなり、クランプ圧P2となるように調整レバー157を操作すると、スイッチSW2がオフするようになっている。
【0060】
又、このフォークリフトが用いられる環境(例えば倉庫)には、フォークリフトの作業管理を行うための管理機50が設けられており、図11に示すように、フォークリフトが備える通信機19を介して相互に通信可能とされている。管理機50からは、必要に応じて、荷役作業指令、すなわちフォークリフトに対し所定の荷物Rの搬送を行うことを指示する情報が、例えば荷役対象となる荷物Rの格納場所や搬送先の位置情報など作業内容を表す情報と共にフォークリフトの通信機19へと送信され、このときこれに合せて荷物Rの取扱情報、ここでは最適クランプ圧Pも通信機19へと送信される。このような管理機50から通信機19が受けた信号も、スイッチSW1及びSW2からの信号と同様に、制御ユニット16へ入力され、制御ユニット16はこれらの信号に基づいてディスプレイ17及び通信機19を作動させる。尚、説明上、本実施形態に係る荷物Rの最適クランプ圧Pは、前記P1、P2のいずれかに等しい値である。
【0061】
制御ユニット16は、図12に示す制御フローに従って制御を行う。先ず、管理機50からの通信を通信機19にて受けて、荷役作業指令及び荷物Rの取扱情報としての最適クランプ圧Pを取得する(S1)。次に制御ユニット16は、スイッチSW2がオンであるかどうかを判断し(S2)、オンであればクランプ圧がP1に設定されていると判断し(S3)、オフであればクランプ圧がP2に設定されていると判断する(S4)。こうして現在設定されているクランプ圧が判断されると、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較が行われ(S5、S6)、クランプ圧の設定値P1(又はP2)と最適クランプ圧Pとが一致すれば、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、通信機19から管理機50へ先に取得した荷役作業指令を了承する旨の信号、つまり指令了承信号を送信し(S7)、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容(例えば、荷物Rの格納場所や搬送先の位置情報など)を表示させて(S8)、運転者に作業内容を報知する。逆に、クランプ圧の設定値P1(又はP2)と最適クランプ圧Pとが一致していなければ、そのままの状態ではクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができないと判断され、制御ユニット16は、通信機19から管理機50へ先に取得した荷役作業指令を拒否する旨の信号、つまり指令拒絶信号を送信し(S9)、具体的な作業内容を運転者に報知することなく、その情報を破棄する。
【0062】
このようなフォークリフトによれば、クランプ圧がこれから取扱おうとする荷物に対し最適に設定されていれば、荷役作業指令の具体的な内容がディスプレイ17に表示されるので、運転者はこれを見て作業内容を確認でき、直ちに作業を開始することができる。逆に、クランプ圧が最適に設定されていなければ、荷役作業指令が拒否され、又、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容が表示されることもないので、荷物を取扱い不可能であるにも拘わらず、そのまま作業が行われるという事態を未然に防止することができ、荷役作業の安全性が確保される。更に、管理機50は、フォークリフトからの指令了承信号を受けると、同じ荷役作業指令を他のフォークリフトに対し送信することなく処理を終え、指令拒絶信号を受けると、これに基づいて同じ荷役作業指令を他の産業車両に振替えるといった処理を行うことができるので、荷役作業指令を確実に実行させることができ、効率良く作業管理を行うことができる。
【0063】
上記の実施例では、クランプ装置30で荷物Rを取扱うことができないと判断された場合に、直ちに荷役作業指令を拒否する構成としているが、本実施形態では、荷物Rを取扱うことができるようクランプ圧の設定変更を促すように構成することができる。このようにする場合、制御ユニット16は、例えば図13及び図14に示す制御フローに従って制御を行う。
【0064】
すなわち、制御ユニット16は、先ず管理機50からの通信を通信機19にて受けて、荷役作業指令及び荷物Rの取扱情報としての最適クランプ圧Pを取得し(S1)、次にスイッチSW2がオンであるかどうかを判断する(S2)。オンであればクランプ圧がP1に設定されていると判断し(S3)、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較を行う(S4)。クランプ圧の設定値P1と最適クランプ圧Pとが一致すれば(S4のYES)、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させて(S5)、運転者に作業内容を報知する。
【0065】
逆に、クランプ圧の設定値P1と最適クランプ圧Pとが一致しなければ(S4のNO)、上記の通り本実施形態に係る荷物Rの最適クランプ圧Pは、P1又はP2のいずれかに等しいのであるから、当該荷物Rの最適クランプ圧P=P2ということであり、そのままの状態ではクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができないと判断される。そこで、制御ユニット16は、ディスプレイ17に「クランプ圧の設定をP2に変更して下さい」と表示させ(S6)、運転者にクランプ圧の調整作業を行うことを促す。運転者が調整レバー157を操作してクランプ圧をP2に設定し、スイッチSW2がオフとなると(S7のNO)、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、制御ユニット16は、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させる(S5)。
【0066】
一方、S2においてスイッチSW2がオフであれば、制御ユニット16はクランプ圧がP2に設定されていると判断し(S8)、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較を行う(S9)。クランプ圧の設定値P2と最適クランプ圧Pとが一致すれば(S9のYES)、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させ(S5)、一致しなければ(S9のNO)、ディスプレイ17に「クランプ圧の設定をP1に変更して下さい」と表示させ(S10)、運転者にクランプ圧の調整作業を行うことを促す。クランプ圧がP1に設定されスイッチSW2がオンとなると(S11のYES)、制御ユニット16は、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させ(S5)、運転者に作業内容を報知する。
【0067】
このようなフォークリフトによれば、クランプ圧がこれから取扱おうとする荷物に対し最適に設定されていれば、荷役作業指令の具体的な内容がディスプレイ17に表示されるので、運転者はこれを見て作業内容を確認でき、直ちに作業を開始することができる。逆に、クランプ圧が最適に設定されていなければ、ディスプレイ17に例えば「クランプ圧の設定をP1に変更して下さい」と表示されるので、運転者はこれを見て荷物を取扱い不可能であることを容易に認識することができ、又、クランプ圧をどのように設定すればよいかを確認することができる。従って、クランプ圧を適切に変更することができると共に、荷物を取扱い不可能であるにも拘わらず、そのまま作業が行われるという事態を未然に防止することができ、荷役作業の安全性が確保される。
【0068】
ところで、上記の本第2の実施形態に係る各実施例では、運転者が調整レバー157を手動操作してクランプ圧を調整する構成としているが、これに代えて、又はこれに加えて、クランプ圧を自動的に調整する構成とすることができる。図15はフォークリフトの要部を示す機能ブロック図であり、図15に示すように、調整レバー157には電動式のアクチュエータ158が連結されており、このアクチュエータ158が制御ユニット16に制御されて作動することにより調整レバー157が動作してクランプ圧がP1からP2へ、又はP2からP1へ変更される。
【0069】
この実施例では、制御ユニット16は図16及び図17に示す制御フローに従って制御を行う。制御ユニット16は、先ず管理機50からの通信を通信機19にて受けて、荷役作業指令及び荷物Rの取扱情報としての最適クランプ圧Pを取得し(S1)、次にスイッチSW2がオンであるかどうかを判断する(S2)。オンであればクランプ圧がP1に設定されていると判断し(S3)、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較を行う(S4)。クランプ圧の設定値P1と最適クランプ圧Pとが一致すれば(S4のYES)、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させて(S5)、運転者に作業内容を報知する。
【0070】
逆に、クランプ圧の設定値P1と最適クランプ圧Pとが一致しなければ(S4のNO)、そのままの状態ではクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができないと判断される。そこで、制御ユニット16は、アクチュエータ158を作動させて(S6)クランプ圧の設定値をP1からP2へ自動的に変更させる。設定が変更されている間は、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行っています」と表示させ(S7)、スイッチSW2がオフとなるまでアクチュエータ158の作動が継続される。クランプ圧がP2に設定されスイッチSW2がオフとなると(S8のNO)、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、制御ユニット16は、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させる(S5)。
【0071】
一方、S2においてスイッチSW2がオフであれば、制御ユニット16はクランプ圧がP2に設定されていると判断し(S9)、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較を行う(S10)。クランプ圧の設定値P2と最適クランプ圧Pとが一致すれば(S10のYES)、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させ(S5)、一致しなければ(S10のNO)、アクチュエータ158を作動させて(S11)クランプ圧の設定値をP2からP1へ自動的に変更させる。設定が変更されている間は、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行っています」と表示させ(S12)、クランプ圧がP1に設定されスイッチSW2がオンとなると(S13のYES)、制御ユニット16は、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させ(S5)、運転者に作業内容を報知する。
【0072】
このようなフォークリフトによれば、クランプ圧がこれから取扱おうとする荷物に対し最適に設定されていれば、荷役作業指令の具体的な内容がディスプレイ17に表示されるので、運転者はこれを見て作業内容を確認でき、直ちに作業を開始することができる。逆に、クランプ圧が最適に設定されていなければ、クランプ圧の設定が自動的に変更されて荷物を取扱い可能とされるので、荷物を取扱い不可能なまま作業が続行されることが確実に防止される。又、設定を変更する手間がかからないので、作業性をすこぶる高めることができる。しかも、設定の自動変更中には「クランプ圧の調整を行っています」とディスプレイ17に表示されるので、運転者はこれを見てフォークリフトの状態を正確に把握することができ、設定の変更後、速やかに荷物の取扱いを開始することができる。
【0073】
尚、図15の機能ブロック図に示される構成において、制御ユニット16は図18に示す制御フローに従って制御を行うようにすることができる。すなわち、制御ユニット16は、先ず管理機50からの通信を通信機19にて受けて、荷役作業指令及び荷物Rの取扱情報としての最適クランプ圧Pを取得し(S1)、次に取得した最適クランプ圧PがP1であるかP2であるかを判断する(S2)。最適クランプ圧PがP1である場合は、スイッチSW2がオンであるかどうかを判断し(S3)、オンであればクランプ圧がP1に設定されていることになるので、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させる(S4)。逆に、スイッチSW2がオフであればクランプ圧がP2に設定されていることになるので、制御ユニット16はスイッチSW2がオンとなるまでアクチュエータ158を作動させ(S5)、クランプ圧の設定値をP2からP1へ自動的に変更させる。
【0074】
一方、最適クランプ圧PがP2であれば、スイッチSW2がオンであるかどうかを判断し(S6)、オフであればクランプ圧がP2に設定されていることになるので、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させる(S4)。逆に、スイッチSW2がオンであればクランプ圧がP1に設定されていることになるので、制御ユニット16はスイッチSW2がオフとなるまでアクチュエータ158を作動させ(S7)、クランプ圧の設定値をP1からP2へ自動的に変更させる。
【0075】
このようなフォークリフトによれば、管理機50からの通信を受信することでクランプ圧が最適クランプ圧Pに自動的に設定されるので、常に最適に設定された状態のクランプ装置30で荷物Rのクランプを行うことができ、荷物を取扱い不可能なまま作業が行われることが確実に防止される。又、運転者が自ら設定を行ったり他の者が設定を行ったりという手間がかからないので、作業性をすこぶる高めることができる。
【0076】
尚、上記の第1の実施形態の各実施例では、荷物Rに貼付されたバーコードシール40を走査することによって、上記の第2の実施形態の各実施例では、管理機50からの通信を受けることによって、荷物Rの取扱情報である最適クランプ圧Pを取得している。このように荷物Rとクランプ装置30とが接触することなく取扱情報を得ることにより、取扱情報を得る際に誤って荷物Rを破損させるおそれを排除でき、極めて高い安全性を実現することができる。
【0077】
ところで、上記の各実施形態では、クランプ圧を2通りに設定可能な構成とされているが、本発明はこれに限らず、3通り以上に設定可能なものや、所定の圧力範囲内で連続的に増減されてクランプ圧が設定されるものにも適用することができる。又、上記の各実施形態では、荷役装置としてクランプ装置30を備える場合について説明したが、本発明はこれに限らず、他の形態の荷役装置を備える産業車両にも適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、荷役装置にて荷物を取扱い不可能、つまり荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするおそれがあるにも拘わらず、そのまま作業が行われるという事態を未然に防止することができ、荷役作業の安全性が確保される。
【0079】
特に、本第1の発明によれば、運転者は、警告手段が発する警告により荷物を取扱い不可能であることを容易に認識することができ、作業を中止したり荷役装置の動作設定を変更したりといった処置を迅速に行うことができる。
【0080】
特に、本第2の発明によれば、取扱い不可能であるにも拘わらず運転者がそのまま作業を続行してしまうことを完全に防止することができる。又、運転者は、荷役装置の作動が禁止されることを以って取扱い不可能であることを認識することができるので、動作設定の変更などの処置を迅速に行うことができる。
【0081】
特に、本第3の発明、本第4の発明、本第7の発明、本第8の発明のいずれかによれば、取扱い不可能なまま作業が行われることを確実に防止することができ、又、運転者が自ら動作設定を行ったり変更したりする手間がかからず作業性をすこぶる高めることができる。
【0082】
特に、本第5の発明によれば、管理機はこれに基づいて荷役作業指令を他の産業車両(荷物を取扱い可能なもの)に振替えるといった処置を迅速に行うことができ、効率良く作業管理を行うことができる。
【0083】
特に、本第6の発明によれば、運転者は、表示手段の表示見て取扱情報を確認することができ、取扱い可能とするための荷役装置の動作設定の変更を、適確に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフォークリフトを示す側面図である。
【図2】本発明に係るフォークリフトを示す平面図である。
【図3】本第1の実施形態の一例に係るブロック図である。
【図4】本第1の実施形態の一例に係る制御フロー図である。
【図5】本第1の実施形態の別例に係る制御フロー図である。
【図6】本第1の実施形態の別例に係る制御フロー図である。
【図7】本第1の実施形態の、更に別の例に係るブロック図である。
【図8】本第1の実施形態の、更に別の例に係る制御フロー図である。
【図9】本第1の実施形態の、更に別の例に係る制御フロー図である。
【図10】本第1の実施形態の、また更に別の例に係る制御フロー図である。
【図11】本第2の実施形態の一例に係るブロック図である。
【図12】本第2の実施形態の一例に係る制御フロー図である。
【図13】本第2の実施形態の別例に係る制御フロー図である。
【図14】本第2の実施形態の別例に係る制御フロー図である。
【図15】本第2の実施形態の、更に別の例に係るブロック図である。
【図16】本第2の実施形態の、更に別の例に係る制御フロー図である。
【図17】本第2の実施形態の、更に別の例に係る制御フロー図である。
【図18】本第2の実施形態の、また更に別の例に係る制御フロー図である。
【符号の説明】
10 車体
13d クランプ操作レバー
15 油圧装置
16 制御ユニット
17 ディスプレイ
18 ブザー
19 通信機
20 マスト
30 クランプ装置
31 クランプアーム
33 クランプシリンダ
35 バーコードスキャナ
40 バーコードシール
50 管理機
R 荷物
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばクランプ装置などの荷役装置を備える産業車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、荷役装置を備える産業車両は、荷物などを取扱う作業を行うために適した状態で荷役装置が作動するよう設定されており、例えばロール紙やドラム缶などを取扱うためのクランプ装置を備える産業車両では、取扱う荷物に合わせてクランプ圧が設定されている。ここで、荷物の大きさや重さ、材質などによって適したクランプ圧は異なることから、例えば下記文献に示すように、クランプ圧を段階的に手動調節可能とする技術や、荷物の重さに応じて最大クランプ圧を自動的に調整する技術が開発されている。
【0003】
ところで、近年では作業効率の向上を図るために、産業車両に乗車している運転者に対し荷役作業を指示することが行われており、例えば下記文献に示すように、管理機から指示を受けた作業の内容を運転席の前方に設けられたディスプレイに表示するする技術が開発されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−151199号公報
【特許文献2】
特開2000−191294号公報
【特許文献3】
特開平7−112899号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
荷物の重さに応じて自動的に最大クランプ圧が調節される技術によれば、運転者がクランプ圧を調節する手間がかからず作業性がよいという利点はあるが、構成が複雑化し安価に実施できないという問題や、一旦荷物をクランプしなければクランプ圧が調節されないという問題がある。一方、手動でクランプ圧を調節するようにすれば、調節の手間はかかるものの比較的安価に実施でき、又、予め調節を終えておくことができるという利点がある。しかしながら、運転者は取扱う荷物ごとに適したクランプ圧を把握しておかなければならず、誤ったクランプ圧に設定して作業を行ってしまうと荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするおそれがあるという問題がある。もちろん、作業前に調節をし忘れたり、どのようなクランプ圧に設定したかを忘れたりするということも考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、容易に荷役作業の安全性を確保できるようにすることを目的とし、特に荷役装置の動作設定が変更可能な産業車両に適した、より実用的な荷役支援装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本第1の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、荷物から該荷物の取扱情報を読み取る読取手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、運転者に対し警告を発する警告手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記警告手段を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記警告手段を作動させる、という手段を採用する。
【0008】
これによれば、制御手段により取扱い不可能と判断された場合には、警告手段が作動して運転者に対し取扱い不可能である旨の警告が発せられるので、運転者は取扱い不可能であることを認識することができる。従って、運転者は作業を中止したり荷役装置の動作設定を変更したりといった処置を行うことができ、取扱い不可能であるにも拘わらずそのまま作業を続行して荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするといった事態を未然に防止することができる。
【0009】
又、上記の目的を達成するために、本第2の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、荷物から該荷物の取扱情報を読み取る読取手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記荷役装置を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記荷役装置の作動を禁止する、という手段を採用する。
【0010】
これによれば、制御手段により取扱い不可能と判断された場合には、荷役装置の作動が禁止されるので、取扱い不可能であるにも拘わらず運転者がそのまま作業を続行してしまうことを完全に防止することができる。又、荷役装置の作動が禁止されることを以って運転者は取扱い不可能であることを認識することができるので、荷役装置の動作設定を変更するなど作業を行えるようにするための処置を行うことができる。尚、制御手段が、取扱い不可能と判断された場合に、荷役装置の作動を禁止し、且つブザーなどの警告手段を作動させる構成とすれば、運転者はより一層容易に、しかも確実に荷物を取扱い不可能であることを認識することができる。
【0011】
又、上記の目的を達成するために、本第3の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、荷物から該荷物の取扱情報を読み取る読取手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記荷役装置を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記荷役装置の動作設定を前記取扱情報に従って自動的に変更して前記荷物を取扱い可能とする、という手段を採用する。
【0012】
これによれば、制御手段により取扱い不可能と判断された場合には、荷役装置の動作設定が自動的に変更され荷物を取扱い可能な状態とされるので、取扱い不可能なまま作業が行われることを確実に防止することができ、荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするといった事態を完全に防止することができる。又、動作設定が自動的に変更されるので、運転者が一旦運転席から離れて動作設定を変更する作業を行うといった手間がかからず、速やかに荷物を取扱い可能な状態とすることができ、作業性をすこぶる高めることができる。尚、荷役装置の動作設定が変更されている間は、例えば制御手段により荷役装置の作動を禁止するよう制御すれば、荷物を適切に取扱い不可能であるにも拘わらず運転者がそのまま作業を続行してしまうといったことを防止することができる。更に、例えば運転席から視認可能に設けられたディスプレイなどの表示手段に、動作設定が変更されている間、動作設定の変更中である旨の情報を表示させたり、動作設定の変更後、動作設定が終了した旨の情報や荷物を取扱い可能となった旨の情報を表示させたりすることができる。このようにすれば、運転者は産業車両の状態(動作設定の変更中であるかどうか)を正確に把握することができ、動作設定の変更後、速やかに荷物の取扱いを開始することができる。
【0013】
又、上記の目的を達成するために、本第4の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、荷物から該荷物の取扱情報を読み取る読取手段と、該読取手段により読み取られた前記取扱情報に従って前記荷役装置の動作設定を自動的に行う制御手段とを備える、という手段を採用する。
【0014】
これによれば、荷物から読み取られた取扱情報に従って荷役装置の動作設定が自動的になされるので、常に適切に、つまり荷物を取扱い可能に設定された状態で作業を行うことができ、荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするといった事態を完全に防止することができる。又、設定を行うための手間などは必要ないので、運転者には負担がかからない。
【0015】
本発明における読取手段には、荷物に記憶又は付帯されている取扱情報を直接読取るものは勿論のこと、荷物に記憶又は付帯されている識別コード番号などその荷物の識別情報を読取り、この識別情報を用いて他所(例えば、産業車両や管理機に設けられた、識別情報に関連づけて各荷物の取扱情報が登録されている記憶装置)から取扱情報を取得する、いわば間接的に取扱情報を読取るものも含まれる。読取手段の構成は、荷物に記憶又は付帯されている情報の形態に応じたものとすればよく、情報がバーコードとされている場合にはバーコードスキャナとし、情報がIDタグとされている場合にはIDタグリーダとすればよいが、磁気方式、光学方式、又は電波方式など読取手段自体が荷物に接触することなく荷物に記憶又は付帯されている情報を読取ることができることが好ましい。又、読取手段の設置場所も、荷物や情報の形態に応じて適宜設定すればよく、荷役装置に設けたり運転席近傍に設けたりすればよいが、読取手段が手動操作により作動するものである場合には、少なくともその操作具は運転席近傍の操作し易い位置に設けると良い。
【0016】
本発明における検知手段は、例えば産業車両が稼働している間は常に荷役装置を監視してその設定情報を自動的に取得する構成とすることができる他、荷役装置の動作設定がなされた時にその設定情報を記憶手段に自動的に記憶し、この記憶された情報を必要なときに読み出すことで設定情報を取得する構成とすることができ、又、前記読取手段により取扱情報が読取られた後、これに引続いて設定情報を自動的に取得する構成とすることができる。ここでいう設定情報とは、荷役装置が発揮し得るスペック自体、所定のスペックを発揮するために調節される荷役装置の駆動部の動作特性(例えば動作範囲や動作速度など)、駆動部に供給されるエネルギー(例えば電力や油圧、空気圧など)の設定値を含むものであり、検知手段はこれらを直接的または間接的に取得するものとすればよい。尚、具体的な設定情報の取得には、取得対象に応じて公知の各種センサなどを適宜用いればよい。
【0017】
本発明における警告手段は、運転者に対し視覚的、聴覚的、触覚的に警告を発するものを用いることができる。視覚的警告手段としては、例えば運転席に設けられるインジケータランプやディスプレイを挙げることができ、前記制御手段により作動させられて点灯(点滅)したり、荷物を取扱い不可能である旨を絵や文字、記号などにより表示したりするものとすればよい。聴覚的警告手段としては、例えば運転席に向けて警告音(音声を含む)を発するブザーやアラームを挙げることができ、触覚的警告手段としては、例えば荷役装置を操作する手動操作具(ボタンやレバーなど)を所定の周期で振動させる振動発生装置を挙げることができる。もちろん、これらを複数を設けてより確実に運転者への警告を行えるようにしてもよく、警告手段が、運転席から視認可能に設けられたディスプレイなどの表示手段を備える場合には、この表示手段に前記読取手段による前記取扱情報を表示するようにしてもよい。このようにすれば、運転者は荷物を取扱い不可能であることを認識できると共に、荷役装置の設定をどのように変更すれば荷物を取扱い可能とすることができるかも認識できる。
【0018】
又、上記の目的を達成するために、本第5の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、管理機から荷役作業指令と共に荷物の取扱情報を取得する受信手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、管理機へ前記荷役作業指令に対する返信を行う送信手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記送信手段を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記送信手段を作動させて前記荷役作業指令を拒否する旨の情報を管理機へ送信する、という手段を採用する。
【0019】
これによれば、制御手段により取扱い不可能と判断された場合には、荷役作業指令を拒否する旨の情報が送信手段から管理機へ送信されるので、管理機はこれに基づいて同荷役作業指令を他の産業車両に振替えるといった処置を行うことができ、効率良く作業管理を行うことができる。又、荷役作業指令を拒否することにより取扱い不可能であるにも拘わらずそのまま作業を行うといったことがなくなるので、荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするといった事態を未然に防止することができる。尚、上記の手段と合せて、取扱い可能と判断された場合に、前記荷役作業指令を了承する旨の情報を管理機へ送信したり、取扱い可能と判断された場合にのみ、前記荷役作業指令の内容を運転席から視認可能に設けられたディスプレイなどの表示手段に表示させたりする、という手段を採用してもよい。
【0020】
又、上記の目的を達成するために、本第6の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、管理機から荷役作業指令と共に荷物の取扱情報を取得する受信手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、運転席から視認可能に設けられた表示手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記表示手段を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記表示手段に前記取扱情報を表示させる、という手段を採用する。
【0021】
これによれば、制御手段により取扱い不可能と判断された場合には、表示手段に取扱情報が表示されるので、これを以って運転者は取扱い不可能であることを認識することができる。又、作業を行えるようにするために荷役装置の動作設定を変更する際には、表示手段の表示により取扱情報を確認することができ、運転者は簡単、且つ適確に動作設定の変更を実施することができる。尚、より分かりやすくするために、荷役装置の動作設定を変更すべき旨の情報や荷役装置の設定情報、設定変更の手順情報などを、取扱情報と共に表示手段に表示させるようにしてもよい。
【0022】
又、上記の目的を達成するために、本第7の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、管理機から荷役作業指令と共に荷物の取扱情報を取得する受信手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記荷役装置を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記荷役装置の動作設定を前記取扱情報に従って自動的に変更して前記荷物を取扱い可能とする、という手段を採用する。
【0023】
これによれば、制御手段により取扱い不可能と判断された場合には、荷役装置の動作設定が自動的に変更され荷物を取扱い可能な状態とされるので、取扱い不可能なまま作業が行われることを確実に防止することができ、荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするといった事態を完全に防止することができる。又、管理機から荷物の取扱情報を取得すると、必要に応じて動作設定が自動的に変更されるので、運転者が動作設定を変更する手間がかからず、速やかに荷物を取扱い可能な状態とすることができ、作業性をすこぶる高めることができる。
【0024】
又、上記の目的を達成するために、本第8の発明は、荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、管理機から荷役作業指令と共に荷物の取扱情報を取得する受信手段と、該受信手段により取得された前記取扱情報に従って前記荷役装置の動作設定を自動的に行う制御手段とを備える、という手段を採用する。
【0025】
これによれば、管理機から取得した取扱情報に従って荷役装置の動作設定が自動的になされるので、常に適切に、つまり荷物を取扱い可能に設定された状態で作業を行うことができ、荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするといった事態を完全に防止することができる。又、設定を行うための手間などは必要ないので、運転者には負担がかからない。
【0026】
ところで、上記の本発明における取扱い可能とは、荷物を取扱う際の安全性、安定性、確実性などが確保されるための必要条件を充たしているということであり、取扱い不可能とは、この条件が充たされておらず荷物を取扱う際に何らかの支障や不都合など(例えば、荷物の落下や破損、荷役装置の誤作動や故障)が生じ得るということである。取扱い可能か否かを判断するための条件は、荷役装置の形態や荷物の形態に応じて適宜設定すればよく、安全性、安定性、確実性のそれぞれにつき条件を設定したり、一つの条件で安全性、安定性、及び確実性が確保されるように条件設定したりすることができる。
【0027】
例えば、荷役装置が荷物を把持するクランプ装置である場合には、クランプ圧を取扱い可能か否かの判断に用いることができる。すなわち、前記取扱情報は、荷物をクランプする際のクランプ圧の最適値又は許容値とし、前記設定情報は、クランプ装置のクランプ圧の設定値とすればよい。又、自動的に変更する動作設定としては、クランプ圧を段階的又は無段階的に調節する圧力調整器の設定とすればよい。
【0028】
これによれば、クランプ圧の最適値又は許容値とクランプ圧の設定値とが比較されて、設定値が最適値又は許容値に適合しない場合には取扱い不可能と判断され、適合する場合には取扱い可能と判断される。従って、クランプ圧が高過ぎて荷物を破損させたり、クランプ圧が低過ぎて荷物をしっかりと把持できなかったりといったことが未然に防止され、荷物及びクランプ装置が保護される。尚、本発明を実施するに当たって、クランプ装置は、円柱状又は円筒状の荷物をクランプするものであっても、直方体や立方体など箱体状の荷物をクランプするものであってもよく、板状やその他の特殊形状の荷物をクランプするものであってもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をクランプ装置を備えるフォークリフトに適用した第1の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0030】
第1の実施形態に係るフォークリフトは、図1及び図2に示すように、主に車体10と、該車体10の前部に立設されたマスト20と、該マスト20に沿って昇降可能なクランプ装置30とからなる。車体10の前後略中央部には運転席11が設けられ、その前方位置にはステアリングハンドル12、マスト20やクランプ装置30を操作するための各操作レバー13a〜13dが配置され、運転席11の上方位置には運転者を保護するためのヘッドガード14が設けられている。各操作レバー13a〜13dは前後方向に傾倒可能に支持され、又、車体10の内部には、マスト20やクランプ装置30を作動させるための油圧装置15(図示せず)、及び本発明の制御手段としての制御ユニット16が搭載されており、操作レバー13a〜13dがそれぞれ傾倒操作されることにより、その操作に応じて油圧装置15が作動しマスト20及びクランプ装置30が所定の動作をする。更に、ステアリングハンドル12を支持するハンドルコラムの上部には、本発明の表示手段としてのディスプレイ17が運転席11の運転者から視認可能に設けられ、運転席11の下方位置の車体10内部には、運転者に対して警告音を発するブザー18が設けられている。
【0031】
図2に示すように、クランプ装置30は、一対のクランプアーム31、32と、クランプアーム31に連結されたクランプシリンダ33と、これらを支持するキャリッジ34とからなる。クランプアーム31はキャリッジ34に揺動可能に支持されており、前記油圧装置15から給排される作動油によりクランプシリンダ33が伸縮動作するのに伴って、クランプアーム31は揺動する。そして、両クランプアーム31、32間に荷物Rが位置する状態で、クランプアーム31がクランプアーム32に対し近付く向き(内向き)へ揺動することにより、両クランプアーム31、32で荷物Rが挟持(クランプ)され、逆に、荷物Rが挟持された状態で、クランプアーム31がクランプアーム32に対し遠ざかる向き(外向き)へ揺動することにより、荷物Rの挟持が解除されて荷物Rが解放される。
【0032】
尚、図2に示すように、各クランプアーム31、32は、それぞれの先端部に設けられた挟持部材31a、32aで荷物Rを挟持するようになっており、クランプアーム31の挟持部材31aには、本発明の読取手段としてのバーコードスキャナ35(図示せず)が埋設されている。このバーコードスキャナ35は、内向きに、すなわち挟持しようとする荷物Rに向って走査方向が設定されており、対象となるバーコードから離れた位置からの情報の読取りが可能なものである。又、バーコードスキャナ35は、後述するクランプ操作レバー13dに設けられたスイッチSW1をオン操作することで、走査が行われるようになっている。
【0033】
図3は、第1の実施形態の一実施例に係るフォークリフトの要部を示す機能ブロック図である。前記運転席11の前方位置に設けられた操作レバーのうち、クランプアーム31の揺動動作、すなわちクランプシリンダ33の伸縮動作を操作するためのクランプ操作レバー13dには、図3に示すように、バーコードスキャナ35を作動させるためのスイッチSW1が設けられると共に、このクランプ操作レバー13dが傾倒操作されているか否かを検出するスイッチSW2が付設されている。スイッチSW1がオン操作されると、制御ユニット16はその信号に基づきコードスキャナ35を作動させ、クランプ操作レバー13dが前後いずれかに傾倒操作されスイッチSW2がオンすると、制御ユニット16はその信号に基づき以下に詳述するモータ151を回転駆動させる。
【0034】
前記油圧装置15は、主にモータ151と、油圧ポンプ152と、タンク153と、油圧バルブ154と、で構成されている。モータ151により油圧ポンプ152が駆動されると、油圧ポンプ152はタンク153に貯溜されている作動油を吸込み、加圧して油圧バルブ154へと吐出する。そして、油圧バルブ154を介してクランプシリンダ33へ作動油の給排がなされると、クランプシリンダ33が伸縮してクランプアーム31が揺動する。油圧バルブ154は、クランプ操作レバー13dによりその開度が調節される制御弁155と、これに付設される油圧調整器156とからなり、油圧調整器156に連結される調整レバー157を操作することにより、油圧調整器156が作動し、制御弁155からクランプシリンダ33へ供給される作動油の圧力、すなわちクランプ圧が変更される。ここでは、油圧調整器156は2通りのクランプ圧P1、P2に設定可能であり、クランプ圧P1となるように調整レバー157を操作すると、調整レバー157に付設されたスイッチSW3がオンとなり、クランプ圧P2となるように調整レバー157を操作すると、スイッチSW3がオフするようになっている。このスイッチSW3のオン/オフ信号及びバーコードスキャナ35からの信号も、スイッチSW1及びSW2からの信号と同様に、制御ユニット16へ入力され、制御ユニット16はこれらの信号に基づいてディスプレイ17及びブザー18を作動させる。
【0035】
ところで、このフォークリフトによって荷役・運搬される円柱状の荷物Rの外周面には、予めバーコードシール40が貼付されており、バーコードシール40にこの荷物Rの取扱情報、すなわち最適クランプ圧Pがバーコード化されて印刷されている。そして、図2に示すように、荷物Rに対しある程度の距離までクランプ装置30を接近させた状態で、スイッチSW1をオン操作することによりバーコードシール40に向ってバーコードスキャナ35の走査がなされることで、挟持部材31a、32aが荷物Rに触れることなく、バーコード化された最適クランプ圧Pが読取られる。尚、説明上、本実施形態に係る荷物Rの最適クランプ圧Pは、前記P1、P2のいずれかに等しい値である。
【0036】
制御ユニット16は、図4に示す制御フローに従って制御を行う。先ず、スイッチSW1がオン操作されているかどうかを判断し(S1)、オン操作されていればバーコードスキャナ35を作動させて走査を行う。ここで、走査中に異常が発生するなどして正常な読取信号が制御ユニット16に入力されていなれば(S3のNO)、ブザー18を作動させ(S4)、ディスプレイ17に「スキャニングに失敗しました」と表示させて(S5)、運転者に再度スイッチSW1を操作することを促す。一方、走査が正常に終了し、バーコードスキャナ35からの読取信号が制御ユニット16に入力されていれば(S3のYES)、制御ユニット16はこれを最適クランプ圧Pとして取得する(S6)。
【0037】
最適クランプ圧Pを取得すると、次に制御ユニット16は、スイッチSW3がオンであるかどうかを判断し(S7)、オンであればクランプ圧がP1に設定されていると判断し(S8)、オフであればクランプ圧がP2に設定されていると判断する(S9)。こうして現在設定されているクランプ圧が判断されると、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較が行われ(S10、S11)、クランプ圧の設定値P1(又はP2)と最適クランプ圧Pとが一致すれば、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示させて(S12)、運転者にそのまま作業を続行しても支障が無いことを報知する。逆に、クランプ圧の設定値P1(又はP2)と最適クランプ圧Pとが一致していなければ、そのままの状態ではクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができないと判断され、制御ユニット16は、ブザー18を作動させ(S13)、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行って下さい」と表示させて(S14)、運転者に対し警告を行うと共に、クランプ圧の調整作業を行うことを促す。
【0038】
このようなフォークリフトによれば、クランプ圧がこれから取扱おうとする荷物に対し最適に設定されていれば、「クランプ圧は最適に調整されています」とディスプレイ17に表示されるので、運転者は取扱い可能であることを確認でき、安心して作業を続行することができる。逆に、クランプ圧が最適に設定されていなければ、ブザー18が作動して警告音が発せられ、又、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行って下さい」と表示されるので、運転者は、荷物を取扱い不可能であることを容易に認識することができ、作業を中止したり荷役装置の動作設定を変更したりといった処置を迅速に行うことができる。従って、荷物を取扱い不可能であるにも拘わらず、そのまま作業が続行されるという事態を未然に防止することができ、荷役作業の安全性が確保される。
【0039】
尚、上記の例では、S14において、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行って下さい」と表示させているが、これに代えて、例えば「クランプ圧を○○に調整して下さい」と表示させるようにしてもよい。ここで、○○に当てはまるのは、S6において取得された最適クランプ圧Pであり、このように荷物Rから得られる最適クランプ圧Pを表示するようにすれば、運転者はクランプ圧をどのように変更すれば荷物Rを取扱い可能とすることができるかを容易に認識でき、迅速に、且つ適確にクランプ圧の調整作業を行うことができる。
【0040】
上記の実施例では、ディスプレイ17とブザー18とで運転者に警告や必要な情報を通知するようにしているが、本実施形態では、取扱い不可能と判断された場合に、クランプ装置30の作動を禁止又は停止させる構成とすることができる。このようにする場合、制御ユニット16は、例えば図5及び図6に示す制御フローに従って制御を行う。
【0041】
すなわち、制御ユニット16は、先ずスイッチSW1がオン操作されているかどうかを判断し(S1)、オン操作されていればバーコードスキャナ35を作動させて走査を行う。ここで、走査中に異常が発生するなどして正常な読取信号が制御ユニット16に入力されていなれば(S3のNO)、ブザー18を作動させ(S4)、ディスプレイ17に「スキャニングに失敗しました」と表示させて(S5)、運転者に再度スイッチSW1を操作することを促す。一方、走査が正常に終了し、バーコードスキャナ35からの読取信号が制御ユニット16に入力されていれば(S3のYES)、制御ユニット16はこれを最適クランプ圧Pとして取得する(S6)。
【0042】
最適クランプ圧Pを取得すると、次に制御ユニット16は、スイッチSW3がオンであるかどうかを判断し(S7)、オンであればクランプ圧がP1に設定されていると判断し(S8)、オフであればクランプ圧がP2に設定されていると判断する(S9)。こうして現在設定されているクランプ圧が判断されると、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較が行われ(S10、S11)、クランプ圧の設定値P1(又はP2)と最適クランプ圧Pとが一致すれば、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示させて(S12)、運転者にそのまま作業を続行しても支障が無いことを報知する。
【0043】
逆に、クランプ圧の設定値P1(又はP2)と最適クランプ圧Pとが一致していなければ、そのままの状態ではクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができないと判断され、制御ユニット16は、スイッチSW2がオンであるかどうかを判断する(S13)。ここで、スイッチSW2がオフであればクランプ操作レバー13dは操作されていないので、制御ユニット16は、ブザー18を作動させ(S14)、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行って下さい」と表示させて(S15)、運転者に警告を行うと共に、クランプ圧の調整作業を行うことを促す。スイッチSW2がオンであればクランプ操作レバー13dが操作されており、モータ151が駆動されているので、制御ユニット16は、強制的にモータ151を停止させ(S16)、その後ブザー18を作動させ(S14)、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行って下さい」と表示させる。
【0044】
このようなフォークリフトによれば、上記の実施例と同様の効果が得られる上、更にクランプ圧が最適に設定されていないにも拘わらず、クランプ操作レバー13dを操作して荷物をクランプしようとしてもモータ151が強制的に停止させられるので、クランプアーム31が動作することがなく、荷物を取扱い不可能なまま作業が続行されることが完全に防止される。
【0045】
ところで、上記の本第1の実施形態に係る各実施例では、運転者が調整レバー157を手動操作してクランプ圧を調整する構成としているが、これに代えて、又はこれに加えて、クランプ圧を自動的に調整する構成とすることができる。図7はフォークリフトの要部を示す機能ブロック図であり、図7に示すように、調整レバー157には電動式のアクチュエータ158が連結されており、このアクチュエータ158が制御ユニット16に制御されて作動することにより調整レバー157が動作してクランプ圧がP1からP2へ、又はP2からP1へ変更される。
【0046】
この実施例では、制御ユニット16は例えば図8及び図9に示す制御フローに従って制御を行う。制御ユニット16は、先ずスイッチSW1がオン操作されているかどうかを判断し(S1)、オン操作されていればバーコードスキャナ35を作動させて走査を行う。ここで、走査中に異常が発生するなどして正常な読取信号が制御ユニット16に入力されていなれば(S3のNO)、ブザー18を作動させ(S4)、ディスプレイ17に「スキャニングに失敗しました」と表示させて(S5)、運転者に再度スイッチSW1を操作することを促す。一方、走査が正常に終了し、バーコードスキャナ35からの読取信号が制御ユニット16に入力されていれば(S3のYES)、制御ユニット16はこれを最適クランプ圧Pとして取得する(S6)。
【0047】
最適クランプ圧Pを取得すると、次に制御ユニット16は、スイッチSW3がオンであるかどうかを判断し(S7)、オンであればクランプ圧がP1に設定されていると判断して(S8)、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較を行う(S9)。そして、クランプ圧の設定値P1と最適クランプ圧Pとが一致すれば(S9のYES)、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示して(S10)、運転者にそのまま作業を続行しても支障が無いことを報知する。
【0048】
逆に、クランプ圧の設定値P1と最適クランプ圧Pとが一致しなければ(S9のNO)、上記の通り本実施形態に係る荷物Rの最適クランプ圧Pは、P1又はP2のいずれかに等しいのであるから、当該荷物Rの最適クランプ圧P=P2ということであり、そのままの状態ではクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができないと判断される。そこで、制御ユニット16は、アクチュエータ158を作動させて(S11)クランプ圧の設定値をP1からP2へ自動的に変更させる。設定が変更されている間は、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行っています」と表示され(S12)、スイッチSW3がオフとなるまでアクチュエータ158の作動が継続される。クランプ圧がP2に設定されスイッチSW3がオフとなると(S13のNO)、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、制御ユニット16は、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示させる(S10)。
【0049】
一方、S7においてスイッチSW3がオフであれば、制御ユニット16はクランプ圧がP2に設定されていると判断して(S14)、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較を行う(S15)。クランプ圧の設定値P2と最適クランプ圧Pとが一致すれば(S15のYES)、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示させ(S10)、一致しなければ(S15のNO)、アクチュエータ158を作動させて(S16)クランプ圧の設定値をP2からP1へ自動的に変更させる。設定が変更されている間は、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行っています」と表示させ(S17)、クランプ圧がP1に設定されスイッチSW3がオンとなると(S18のYES)、制御ユニット16は、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示させる(S10)。
【0050】
このようなフォークリフトによれば、上記の実施例と同様の効果が得られる上、更に、クランプ圧の設定が自動的に変更されて荷物を取扱い可能とされるので、荷物を取扱い不可能なまま作業が続行されることが確実に防止される。又、設定を変更する手間がかからないので、作業性をすこぶる高めることができる。しかも、設定の自動変更中には「クランプ圧の調整を行っています」とディスプレイ17に表示されるので、運転者はこれを見てフォークリフトの状態を正確に把握することができ、設定変更の完了後、速やかに荷物の取扱いを開始することができる。
【0051】
尚、図7の機能ブロック図に示される構成において、制御ユニット16は図10に示す制御フローに従って制御を行うようにすることができる。すなわち、制御ユニット16は、先ずスイッチSW1がオン操作されているかどうかを判断し(S1)、オン操作されていればバーコードスキャナ35を作動させて走査を行う。ここで、正常な読取信号が制御ユニット16に入力されていなれば(S3のNO)、ブザー18を作動させ(S4)、ディスプレイ17に「スキャニングに失敗しました」と表示させる(S5)。一方、走査が正常に終了し、バーコードスキャナ35からの読取信号が制御ユニット16に入力されていれば(S3のYES)、制御ユニット16はこれを最適クランプ圧Pとして取得する(S6)。
【0052】
次に制御ユニット16は、、取得した最適クランプ圧PがP1であるかP2であるかを判断する(S7)。最適クランプ圧PがP1である場合は、スイッチSW3がオンであるかどうかを判断し(S8)、オンであればクランプ圧がP1に設定されていることになるので、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示させる(S9)。逆に、スイッチSW3がオフであればクランプ圧がP2に設定されていることになるので、制御ユニット16はスイッチSW3がオンとなるまでアクチュエータ158を作動させ(S10)、クランプ圧の設定値をP2からP1へ自動的に変更させる。
【0053】
一方、最適クランプ圧PがP2であれば、スイッチSW3がオンであるかどうかを判断し(S11)、オフであればクランプ圧がP2に設定されていることになるので、ディスプレイ17に「クランプ圧は最適に調整されています」と表示させる(S9)。逆に、スイッチSW3がオンであればクランプ圧がP1に設定されていることになるので、制御ユニット16はスイッチSW3がオフとなるまでアクチュエータ158を作動させ(S12)、クランプ圧の設定値をP1からP2へ自動的に変更させる。
【0054】
このようなフォークリフトによれば、荷物Rのバーコードシール40を走査することでクランプ圧が最適クランプ圧Pに自動的に設定されるので、常に最適に設定された状態のクランプ装置30で荷物Rのクランプを行うことができ、荷物を取扱い不可能なまま作業が行われることが確実に防止される。又、運転者が自ら設定を行ったり他の者が設定を行ったりという手間がかからないので、作業性をすこぶる高めることができる。
【0055】
次に、本発明をクランプ装置を備えるフォークリフトに適用した第2の実施形態を、図面を参照して説明する。尚、上記第1の実施形態に係るフォークリフトと同様の構成についての説明には、図1及び図2を参照する。
【0056】
図1及び図2に示すように、第2の実施形態に係るフォークリフトは、上記第1の実施形態と同様に、主に車体10と、該車体10の前部に立設されたマスト20と、該マスト20に沿って昇降可能なクランプ装置30とからなる。車体10には運転席11が設けられ、その前方位置にステアリングハンドル12、各操作レバー13a〜13dが配置され、更に運転席11の上方位置にヘッドガード14が設けられている。又、車体10の内部には、油圧装置15(図示せず)、及び制御ユニット16が搭載されており、ステアリングハンドル12を支持するハンドルコラムの上部には、ディスプレイ17が、運転席11の下方位置には、ブザー18が設けられている。更に、第2の実施形態に係るフォークリフトには、そのヘッドガード14のピラー部に、送受信機である通信機19(図示せず)が内蔵され、この通信機19を介して図1及び図2には図示しない管理機50との双方向通信が可能とされている。
【0057】
クランプ装置30は、図2に示すように、一対のクランプアーム31、32と、クランプアーム31に連結されたクランプシリンダ33と、これらを支持するキャリッジ34とからなる。クランプアーム31はキャリッジ34に揺動可能に支持されており、前記油圧装置15から給排される作動油によりクランプシリンダ33が伸縮動作するのに伴って、クランプアーム31は揺動する。そして、両クランプアーム31、32間に荷物Rが位置する状態で、クランプアーム31がクランプアーム32に対し近付く向き(内向き)へ揺動することにより、両クランプアーム31、32で荷物Rが挟持(クランプ)され、逆に、荷物Rが挟持された状態で、クランプアーム31がクランプアーム32に対し遠ざかる向き(外向き)へ揺動することにより、荷物Rの挟持が解除されて荷物Rが解放される。
【0058】
図11は第2の実施形態の一実施例に係るフォークリフトの要部を示す機能ブロック図であり、前記運転席11の前方位置に設けられた操作レバーのうち、クランプアーム31の揺動動作、すなわちクランプシリンダ33の伸縮動作を操作するためのクランプ操作レバー13dには、図11に示すように、このクランプ操作レバー13dが傾倒操作されているか否かを検出するスイッチSW1が付設されている。クランプ操作レバー13dが前後いずれかに傾倒操作されスイッチSW1がオンすると、制御ユニット16はその信号に基づき以下に詳述するモータ151を回転駆動させる。
【0059】
前記油圧装置15は、主にモータ151と、油圧ポンプ152と、タンク153と、油圧バルブ154と、で構成されている。モータ151により油圧ポンプ152が駆動されると、油圧ポンプ152はタンク153に貯溜されている作動油を吸込み、加圧して油圧バルブ154へと吐出する。そして、油圧バルブ154を介してクランプシリンダ33へ作動油の給排がなされると、クランプシリンダ33が伸縮してクランプアーム31が揺動する。油圧バルブ154は、クランプ操作レバー13dによりその開度が調節される制御弁155と、これに付設される油圧調整器156とからなり、油圧調整器156に連結される調整レバー157を操作することにより、油圧調整器156が作動し、制御弁155からクランプシリンダ33へ供給される作動油の圧力、すなわちクランプ圧が変更される。ここでは、油圧調整器156は2通りのクランプ圧P1、P2に設定可能であり、クランプ圧P1となるように調整レバー157を操作すると、調整レバー157に付設されたスイッチSW2がオンとなり、クランプ圧P2となるように調整レバー157を操作すると、スイッチSW2がオフするようになっている。
【0060】
又、このフォークリフトが用いられる環境(例えば倉庫)には、フォークリフトの作業管理を行うための管理機50が設けられており、図11に示すように、フォークリフトが備える通信機19を介して相互に通信可能とされている。管理機50からは、必要に応じて、荷役作業指令、すなわちフォークリフトに対し所定の荷物Rの搬送を行うことを指示する情報が、例えば荷役対象となる荷物Rの格納場所や搬送先の位置情報など作業内容を表す情報と共にフォークリフトの通信機19へと送信され、このときこれに合せて荷物Rの取扱情報、ここでは最適クランプ圧Pも通信機19へと送信される。このような管理機50から通信機19が受けた信号も、スイッチSW1及びSW2からの信号と同様に、制御ユニット16へ入力され、制御ユニット16はこれらの信号に基づいてディスプレイ17及び通信機19を作動させる。尚、説明上、本実施形態に係る荷物Rの最適クランプ圧Pは、前記P1、P2のいずれかに等しい値である。
【0061】
制御ユニット16は、図12に示す制御フローに従って制御を行う。先ず、管理機50からの通信を通信機19にて受けて、荷役作業指令及び荷物Rの取扱情報としての最適クランプ圧Pを取得する(S1)。次に制御ユニット16は、スイッチSW2がオンであるかどうかを判断し(S2)、オンであればクランプ圧がP1に設定されていると判断し(S3)、オフであればクランプ圧がP2に設定されていると判断する(S4)。こうして現在設定されているクランプ圧が判断されると、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較が行われ(S5、S6)、クランプ圧の設定値P1(又はP2)と最適クランプ圧Pとが一致すれば、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、通信機19から管理機50へ先に取得した荷役作業指令を了承する旨の信号、つまり指令了承信号を送信し(S7)、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容(例えば、荷物Rの格納場所や搬送先の位置情報など)を表示させて(S8)、運転者に作業内容を報知する。逆に、クランプ圧の設定値P1(又はP2)と最適クランプ圧Pとが一致していなければ、そのままの状態ではクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができないと判断され、制御ユニット16は、通信機19から管理機50へ先に取得した荷役作業指令を拒否する旨の信号、つまり指令拒絶信号を送信し(S9)、具体的な作業内容を運転者に報知することなく、その情報を破棄する。
【0062】
このようなフォークリフトによれば、クランプ圧がこれから取扱おうとする荷物に対し最適に設定されていれば、荷役作業指令の具体的な内容がディスプレイ17に表示されるので、運転者はこれを見て作業内容を確認でき、直ちに作業を開始することができる。逆に、クランプ圧が最適に設定されていなければ、荷役作業指令が拒否され、又、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容が表示されることもないので、荷物を取扱い不可能であるにも拘わらず、そのまま作業が行われるという事態を未然に防止することができ、荷役作業の安全性が確保される。更に、管理機50は、フォークリフトからの指令了承信号を受けると、同じ荷役作業指令を他のフォークリフトに対し送信することなく処理を終え、指令拒絶信号を受けると、これに基づいて同じ荷役作業指令を他の産業車両に振替えるといった処理を行うことができるので、荷役作業指令を確実に実行させることができ、効率良く作業管理を行うことができる。
【0063】
上記の実施例では、クランプ装置30で荷物Rを取扱うことができないと判断された場合に、直ちに荷役作業指令を拒否する構成としているが、本実施形態では、荷物Rを取扱うことができるようクランプ圧の設定変更を促すように構成することができる。このようにする場合、制御ユニット16は、例えば図13及び図14に示す制御フローに従って制御を行う。
【0064】
すなわち、制御ユニット16は、先ず管理機50からの通信を通信機19にて受けて、荷役作業指令及び荷物Rの取扱情報としての最適クランプ圧Pを取得し(S1)、次にスイッチSW2がオンであるかどうかを判断する(S2)。オンであればクランプ圧がP1に設定されていると判断し(S3)、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較を行う(S4)。クランプ圧の設定値P1と最適クランプ圧Pとが一致すれば(S4のYES)、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させて(S5)、運転者に作業内容を報知する。
【0065】
逆に、クランプ圧の設定値P1と最適クランプ圧Pとが一致しなければ(S4のNO)、上記の通り本実施形態に係る荷物Rの最適クランプ圧Pは、P1又はP2のいずれかに等しいのであるから、当該荷物Rの最適クランプ圧P=P2ということであり、そのままの状態ではクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができないと判断される。そこで、制御ユニット16は、ディスプレイ17に「クランプ圧の設定をP2に変更して下さい」と表示させ(S6)、運転者にクランプ圧の調整作業を行うことを促す。運転者が調整レバー157を操作してクランプ圧をP2に設定し、スイッチSW2がオフとなると(S7のNO)、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、制御ユニット16は、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させる(S5)。
【0066】
一方、S2においてスイッチSW2がオフであれば、制御ユニット16はクランプ圧がP2に設定されていると判断し(S8)、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較を行う(S9)。クランプ圧の設定値P2と最適クランプ圧Pとが一致すれば(S9のYES)、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させ(S5)、一致しなければ(S9のNO)、ディスプレイ17に「クランプ圧の設定をP1に変更して下さい」と表示させ(S10)、運転者にクランプ圧の調整作業を行うことを促す。クランプ圧がP1に設定されスイッチSW2がオンとなると(S11のYES)、制御ユニット16は、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させ(S5)、運転者に作業内容を報知する。
【0067】
このようなフォークリフトによれば、クランプ圧がこれから取扱おうとする荷物に対し最適に設定されていれば、荷役作業指令の具体的な内容がディスプレイ17に表示されるので、運転者はこれを見て作業内容を確認でき、直ちに作業を開始することができる。逆に、クランプ圧が最適に設定されていなければ、ディスプレイ17に例えば「クランプ圧の設定をP1に変更して下さい」と表示されるので、運転者はこれを見て荷物を取扱い不可能であることを容易に認識することができ、又、クランプ圧をどのように設定すればよいかを確認することができる。従って、クランプ圧を適切に変更することができると共に、荷物を取扱い不可能であるにも拘わらず、そのまま作業が行われるという事態を未然に防止することができ、荷役作業の安全性が確保される。
【0068】
ところで、上記の本第2の実施形態に係る各実施例では、運転者が調整レバー157を手動操作してクランプ圧を調整する構成としているが、これに代えて、又はこれに加えて、クランプ圧を自動的に調整する構成とすることができる。図15はフォークリフトの要部を示す機能ブロック図であり、図15に示すように、調整レバー157には電動式のアクチュエータ158が連結されており、このアクチュエータ158が制御ユニット16に制御されて作動することにより調整レバー157が動作してクランプ圧がP1からP2へ、又はP2からP1へ変更される。
【0069】
この実施例では、制御ユニット16は図16及び図17に示す制御フローに従って制御を行う。制御ユニット16は、先ず管理機50からの通信を通信機19にて受けて、荷役作業指令及び荷物Rの取扱情報としての最適クランプ圧Pを取得し(S1)、次にスイッチSW2がオンであるかどうかを判断する(S2)。オンであればクランプ圧がP1に設定されていると判断し(S3)、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較を行う(S4)。クランプ圧の設定値P1と最適クランプ圧Pとが一致すれば(S4のYES)、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させて(S5)、運転者に作業内容を報知する。
【0070】
逆に、クランプ圧の設定値P1と最適クランプ圧Pとが一致しなければ(S4のNO)、そのままの状態ではクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができないと判断される。そこで、制御ユニット16は、アクチュエータ158を作動させて(S6)クランプ圧の設定値をP1からP2へ自動的に変更させる。設定が変更されている間は、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行っています」と表示させ(S7)、スイッチSW2がオフとなるまでアクチュエータ158の作動が継続される。クランプ圧がP2に設定されスイッチSW2がオフとなると(S8のNO)、問題なくクランプ装置30で荷物Rを取扱うことができるので、制御ユニット16は、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させる(S5)。
【0071】
一方、S2においてスイッチSW2がオフであれば、制御ユニット16はクランプ圧がP2に設定されていると判断し(S9)、先に取得した最適クランプ圧Pとの比較を行う(S10)。クランプ圧の設定値P2と最適クランプ圧Pとが一致すれば(S10のYES)、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させ(S5)、一致しなければ(S10のNO)、アクチュエータ158を作動させて(S11)クランプ圧の設定値をP2からP1へ自動的に変更させる。設定が変更されている間は、ディスプレイ17に「クランプ圧の調整を行っています」と表示させ(S12)、クランプ圧がP1に設定されスイッチSW2がオンとなると(S13のYES)、制御ユニット16は、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させ(S5)、運転者に作業内容を報知する。
【0072】
このようなフォークリフトによれば、クランプ圧がこれから取扱おうとする荷物に対し最適に設定されていれば、荷役作業指令の具体的な内容がディスプレイ17に表示されるので、運転者はこれを見て作業内容を確認でき、直ちに作業を開始することができる。逆に、クランプ圧が最適に設定されていなければ、クランプ圧の設定が自動的に変更されて荷物を取扱い可能とされるので、荷物を取扱い不可能なまま作業が続行されることが確実に防止される。又、設定を変更する手間がかからないので、作業性をすこぶる高めることができる。しかも、設定の自動変更中には「クランプ圧の調整を行っています」とディスプレイ17に表示されるので、運転者はこれを見てフォークリフトの状態を正確に把握することができ、設定の変更後、速やかに荷物の取扱いを開始することができる。
【0073】
尚、図15の機能ブロック図に示される構成において、制御ユニット16は図18に示す制御フローに従って制御を行うようにすることができる。すなわち、制御ユニット16は、先ず管理機50からの通信を通信機19にて受けて、荷役作業指令及び荷物Rの取扱情報としての最適クランプ圧Pを取得し(S1)、次に取得した最適クランプ圧PがP1であるかP2であるかを判断する(S2)。最適クランプ圧PがP1である場合は、スイッチSW2がオンであるかどうかを判断し(S3)、オンであればクランプ圧がP1に設定されていることになるので、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させる(S4)。逆に、スイッチSW2がオフであればクランプ圧がP2に設定されていることになるので、制御ユニット16はスイッチSW2がオンとなるまでアクチュエータ158を作動させ(S5)、クランプ圧の設定値をP2からP1へ自動的に変更させる。
【0074】
一方、最適クランプ圧PがP2であれば、スイッチSW2がオンであるかどうかを判断し(S6)、オフであればクランプ圧がP2に設定されていることになるので、ディスプレイ17に荷役作業指令の具体的な内容を表示させる(S4)。逆に、スイッチSW2がオンであればクランプ圧がP1に設定されていることになるので、制御ユニット16はスイッチSW2がオフとなるまでアクチュエータ158を作動させ(S7)、クランプ圧の設定値をP1からP2へ自動的に変更させる。
【0075】
このようなフォークリフトによれば、管理機50からの通信を受信することでクランプ圧が最適クランプ圧Pに自動的に設定されるので、常に最適に設定された状態のクランプ装置30で荷物Rのクランプを行うことができ、荷物を取扱い不可能なまま作業が行われることが確実に防止される。又、運転者が自ら設定を行ったり他の者が設定を行ったりという手間がかからないので、作業性をすこぶる高めることができる。
【0076】
尚、上記の第1の実施形態の各実施例では、荷物Rに貼付されたバーコードシール40を走査することによって、上記の第2の実施形態の各実施例では、管理機50からの通信を受けることによって、荷物Rの取扱情報である最適クランプ圧Pを取得している。このように荷物Rとクランプ装置30とが接触することなく取扱情報を得ることにより、取扱情報を得る際に誤って荷物Rを破損させるおそれを排除でき、極めて高い安全性を実現することができる。
【0077】
ところで、上記の各実施形態では、クランプ圧を2通りに設定可能な構成とされているが、本発明はこれに限らず、3通り以上に設定可能なものや、所定の圧力範囲内で連続的に増減されてクランプ圧が設定されるものにも適用することができる。又、上記の各実施形態では、荷役装置としてクランプ装置30を備える場合について説明したが、本発明はこれに限らず、他の形態の荷役装置を備える産業車両にも適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、荷役装置にて荷物を取扱い不可能、つまり荷物を破損させたり、荷役装置を故障させたりするおそれがあるにも拘わらず、そのまま作業が行われるという事態を未然に防止することができ、荷役作業の安全性が確保される。
【0079】
特に、本第1の発明によれば、運転者は、警告手段が発する警告により荷物を取扱い不可能であることを容易に認識することができ、作業を中止したり荷役装置の動作設定を変更したりといった処置を迅速に行うことができる。
【0080】
特に、本第2の発明によれば、取扱い不可能であるにも拘わらず運転者がそのまま作業を続行してしまうことを完全に防止することができる。又、運転者は、荷役装置の作動が禁止されることを以って取扱い不可能であることを認識することができるので、動作設定の変更などの処置を迅速に行うことができる。
【0081】
特に、本第3の発明、本第4の発明、本第7の発明、本第8の発明のいずれかによれば、取扱い不可能なまま作業が行われることを確実に防止することができ、又、運転者が自ら動作設定を行ったり変更したりする手間がかからず作業性をすこぶる高めることができる。
【0082】
特に、本第5の発明によれば、管理機はこれに基づいて荷役作業指令を他の産業車両(荷物を取扱い可能なもの)に振替えるといった処置を迅速に行うことができ、効率良く作業管理を行うことができる。
【0083】
特に、本第6の発明によれば、運転者は、表示手段の表示見て取扱情報を確認することができ、取扱い可能とするための荷役装置の動作設定の変更を、適確に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフォークリフトを示す側面図である。
【図2】本発明に係るフォークリフトを示す平面図である。
【図3】本第1の実施形態の一例に係るブロック図である。
【図4】本第1の実施形態の一例に係る制御フロー図である。
【図5】本第1の実施形態の別例に係る制御フロー図である。
【図6】本第1の実施形態の別例に係る制御フロー図である。
【図7】本第1の実施形態の、更に別の例に係るブロック図である。
【図8】本第1の実施形態の、更に別の例に係る制御フロー図である。
【図9】本第1の実施形態の、更に別の例に係る制御フロー図である。
【図10】本第1の実施形態の、また更に別の例に係る制御フロー図である。
【図11】本第2の実施形態の一例に係るブロック図である。
【図12】本第2の実施形態の一例に係る制御フロー図である。
【図13】本第2の実施形態の別例に係る制御フロー図である。
【図14】本第2の実施形態の別例に係る制御フロー図である。
【図15】本第2の実施形態の、更に別の例に係るブロック図である。
【図16】本第2の実施形態の、更に別の例に係る制御フロー図である。
【図17】本第2の実施形態の、更に別の例に係る制御フロー図である。
【図18】本第2の実施形態の、また更に別の例に係る制御フロー図である。
【符号の説明】
10 車体
13d クランプ操作レバー
15 油圧装置
16 制御ユニット
17 ディスプレイ
18 ブザー
19 通信機
20 マスト
30 クランプ装置
31 クランプアーム
33 クランプシリンダ
35 バーコードスキャナ
40 バーコードシール
50 管理機
R 荷物
Claims (10)
- 荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、荷物から該荷物の取扱情報を読み取る読取手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、運転者に対し警告を発する警告手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記警告手段を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記警告手段を作動させることを特徴とする産業車両の荷役支援装置。
- 前記警告手段は、運転席から視認可能に設けられた表示手段を備え、前記制御手段により作動させられて、少なくとも前記読取手段による前記取扱情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の産業車両の荷役支援装置。
- 荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、荷物から該荷物の取扱情報を読み取る読取手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記荷役装置を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記荷役装置の作動を禁止することを特徴とする産業車両の荷役支援装置。
- 荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、荷物から該荷物の取扱情報を読み取る読取手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記荷役装置を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記荷役装置の動作設定を前記取扱情報に従って自動的に変更して前記荷物を取扱い可能とすることを特徴とする産業車両の荷役支援装置。
- 荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、荷物から該荷物の取扱情報を読み取る読取手段と、該読取手段により読み取られた前記取扱情報に従って前記荷役装置の動作設定を自動的に行う制御手段とを備えることを特徴とする産業車両の荷役支援装置。
- 荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、管理機から荷役作業指令と共に荷物の取扱情報を取得する受信手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、管理機へ前記荷役作業指令に対する返信を行う送信手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記送信手段を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記送信手段を作動させて前記荷役作業指令を拒否する旨の情報を管理機へ送信することを特徴とする産業車両の荷役支援装置。
- 荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、管理機から荷役作業指令と共に荷物の取扱情報を取得する受信手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、運転席から視認可能に設けられた表示手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記表示手段を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記表示手段に前記取扱情報を表示させることを特徴とする産業車両の荷役支援装置。
- 荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、管理機から荷役作業指令と共に荷物の取扱情報を取得する受信手段と、前記荷役装置の設定情報を取得する検知手段と、前記取扱情報と前記設定情報とに基づき前記荷役装置を制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記両情報を比較して前記荷役装置にて前記荷物を取扱い可能か否かを判断し、取扱い不可能と判断された場合に、前記荷役装置の動作設定を前記取扱情報に従って自動的に変更して前記荷物を取扱い可能とすることを特徴とする産業車両の荷役支援装置。
- 荷役装置を備える産業車両の荷役支援装置であって、管理機から荷役作業指令と共に荷物の取扱情報を取得する受信手段と、該受信手段により取得された前記取扱情報に従って前記荷役装置の動作設定を自動的に行う制御手段とを備えることを特徴とする産業車両の荷役支援装置。
- 前記荷役装置は荷物を把持するクランプ装置であり、前記取扱情報は、前記荷物をクランプする際のクランプ圧の最適値又は許容値であり、前記設定情報は、前記荷役装置のクランプ圧の設定値であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の産業車両の荷役支援装置。
Priority Applications (1)
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JP2003048586A JP2004256234A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | 産業車両の荷役支援装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003048586A JP2004256234A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | 産業車両の荷役支援装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004256234A true JP2004256234A (ja) | 2004-09-16 |
Family
ID=33114508
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004256234A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017149375A (ja) * | 2016-02-26 | 2017-08-31 | ニチユ三菱フォークリフト株式会社 | 荷役車両、荷役車両システム、荷役車両の制御方法、荷役車両システムの制御方法及び荷役車両の制御プログラム |
-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003048586A patent/JP2004256234A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017149375A (ja) * | 2016-02-26 | 2017-08-31 | ニチユ三菱フォークリフト株式会社 | 荷役車両、荷役車両システム、荷役車両の制御方法、荷役車両システムの制御方法及び荷役車両の制御プログラム |
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