JP2004256219A - 荷重制限機能付き巻上機 - Google Patents

荷重制限機能付き巻上機 Download PDF

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Abstract

【課題】巻上機のエアーモータの駆動を遠隔操作自在とし、かつエアー供給源の圧力変動の影響を受けることなく過負荷状態を精度良く検出してエアーモータを停止し得る荷重制限機能付き巻上機を得る。
【解決手段】チェーンブロック内のチェーンホイール4に連結されたエアーモータ6へ、主制御弁ユニット10を介して圧縮エアーを供給源Sから供給し、上記ユニット10を遠隔制御する手動操作弁30、30のうち巻上げ用の操作弁30と主制御弁ユニット10との間に荷重制限弁20を設け、エアーモータ6へのエアー供給圧により過負荷状態を荷重制限弁20へ伝送し、吊上荷重が設定値以上の過負荷状態では主制御弁ユニット10の制限弁13へのパイロット圧力を遮断してエアーモータ6を停止させ、巻上げを停止するように巻上機を構成する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、駆動源の圧縮エアーの圧力変動の影響を受けない制御回路により精度よく制限荷重で停止し、制限荷重を越える物を吊上げないようにした荷重制限機能付き巻上機に関する。
【0002】
【従来の技術】
エアーモータを動力源として本体ケース内に設けられるチェーンホイールを巻回し、チェーンの端のフックにより吊り下げた荷重を昇降させる巻上機(エアーホイスト)は、荷重を簡便に吊上げ、吊下げできるという利点を有するため、種々の作業現場で広く利用されている。この種の巻上機では、引紐によりエアーモータの操作弁を操作する方法、又は遠隔操作手段のエアーシリンダにより操作する方法のいずれか、若しくは両者を併用してエアーモータの回転速度の調整が行われる。引紐による方法は、荷重の真下での操作による危険性があり、遠隔操作では回転速度の微調整が困難である。
【0003】
このため、特許文献1で開示された「エアホイストの制御装置」では、遠隔操作手段に下降用、荷下ろし用、上昇用の3種類のスロットル弁を設け、特に微調整の難しい荷下ろし時の微速下降を荷下ろし用のスロットル弁を介して可能とし、遠隔操作であっても微速下降の調整ができるようにしている。
【0004】
特許文献2の「巻上機」では、巻上機のエアーモータと遠隔操作用の操作ユニット(弁)との間に空気量調整機構の弁と停止機構の弁とを設け、操作ユニットからの指令エアーの量で空気量調整機構の弁の可変絞り開口の面積を変化させてエアーモータへのエアー供給量に応じた回転速度を可能とし、又過負荷時には過負荷作動圧により停止機構の弁の可変絞り通路の流量を減じることによりブレーキ力を増大させて作動を停止させるように構成されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭58−2194号公報
【特許文献2】
特開平9−30782号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1のエアーホイストでは荷下ろし用のスロットル弁の操作により荷下ろし時の微速調整は可能であるが、通常の操作時における過負荷吊上げについて、過負荷状態を検出する機構や操作回路は何ら設けられていない。このため、エアー供給源の圧力が定格荷重の吊上げ可能限界値を越えていても、過負荷荷重を吊上げる可能性が生じる。一般に、この種の巻上機はエアー供給源の圧力が上昇すると吊上げ荷重も比例して大きくなる。
【0007】
特許文献2の巻上機では、遠隔操作によりエアーモータの回転速度を微調整可能とし、かつ過負荷時にはエアーモータへの過負荷作動圧を検出し、その過負荷作動圧によりブレーキ手段を作動させてエアーモータを停止させるようにしている。しかし、エアー供給源の圧力が変動した場合、その圧力変動の影響を受けて過負荷作動圧が変動する。このため、過負荷状態を正確に精度よく検出することができない。
【0008】
この発明は、上記の問題に留意して、巻上機のエアーモータの駆動を遠隔操作自在とし、かつエアーの供給源の圧力変動の影響を受けることなく過負荷状態を精度良く検出して、エアーモータを停止し得る荷重制限機能付き巻上機を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決する手段として、圧縮エアーを動力源とするエアーモータをチェーンブロック内に組込まれたチェーンホイールに連結し、チェーンホイールに巻回されるチェーンにより物体を昇降自在に吊るよう巻上機を構成し、エアーモータの回転方向と回転速度を制御する主制御弁ユニットと遠隔の手動操作弁ユニットとをつなぐ経路に、吊上荷重が設定値より大きくなると主制御弁ユニットがエアーモータへのエアーの供給を停止する状態となるよう制御する荷重制限弁を設けて成る荷重制限機能付き巻上機としたのである。
【0010】
上記の構成とした巻上機では、定格荷重を超える荷重の巻上げ時には過負荷状態が検出され、エアーモータの動作を停止させて巻上げが停止される。この過負荷状態の検出は、エアー供給源に圧力変動があっても、その圧力変動の影響を受けることなく常に所定の定格荷重以上の過負荷状態を検出すると、エアーモータの回転が停止される。
【0011】
過負荷状態の検出は、エアーモータの正転(上昇)側給気口の圧力を荷重制限弁で検出し、その圧力がこの弁内の弁機構による設定圧力以上になったことを検出することにより行われ、これにより主制御弁ユニットへの正転操作信号流路を遮断し、主制御弁ユニットからエアーモータへ送られるエアーの供給を停止して過負荷状態では荷重の吊上げを行わないようにするのである。
【0012】
またエアーモータへの供給圧はエアー供給源の圧力が変動すればそれと相関して変動するが、この荷重制限弁は、巻上機のエアー供給源からエアーモータの正転(上昇)側給気口に至る流路の任意の点の圧力に定数を掛けた値を、エアーモータの正転(上昇)側給気口圧力から減算した値が設定値を超えたときに、主制御弁ユニットへのパイロット圧を遮断し、主制御弁ユニットがエアーモータへのエアーの供給を停止するように構成することができる。このような荷重制限弁とすることによりエアー供給源の圧力が変動しても常に定格以上の荷重を吊り上げたことを検出でき、精度よく制限荷重で巻上げ動作を停止することができる。
【0013】
【実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1、図2に示すように、巻上機(エアーホイスト)Aの本体1にはチェーンブロック2が組込まれ、その上部には本体1を天井フレーム等に吊下げるための吊りフック3a、下方には荷を吊下げるための荷フック3bが設けられている。チェーンブロック2の上部ブロック2aと下部ブロック2bとの間にチェーンホイール4が設けられ、このチェーンホイール4にチェーン5が巻回される。
【0014】
チェーン5は、下部ブロック2bの下方に取付けた吊部材2cに一端が係止され、その下方に吊下げられるもう1つのチェーンブロック2’内のチェーンホイールを経て上方へ向かい、第1のチェーンブロック2内のチェーンホイール4に巻回された後他端は本体1に取付けられた係止部材1に係止され、チェーンホイール4と係止部材1間のチェーン余裕長さは下方へ垂れて設けられている。
【0015】
上記本体1内にはチェーンホイール4に隣接してこのチェーンホイール4を回転駆動するためのエアーモータ6が設けられ、その出力軸6xがチェーンホイール4の中心をチェーンホイール4に対し回転自在に貫通して設けられ、この出力軸6xはエアーモータ6と反対側にチェーンホイール4に隣接して設けられた減速機構7に連結されている。さらに、出力軸6xの延長部6xaにはブレーキ手段8が連結され、ブレーキ手段8は後述するブレーキ解除手段のブレーキカム9により開閉されるようになっている。
【0016】
エアーモータ6へは、動力源としての圧縮エアーをエアーポート11から本体1内へ供給し、エアーの切換をする主制御弁ユニット10と荷重制限弁20を介して送り込むように構成されている。10xは後述する主制御弁ユニット10の作動ロッド、10aはピニオン、10bは部分歯形部、10は操作ロッドである。なお、部分歯形部10bとブレーキカム9は操作ロッド10の両端に連結されてこれらがブレーキ解除手段を形成しており、主制御弁ユニット10の作動によりブレーキカム9を回転させ、ブレーキ手段8を開閉する。又、11aは本体1内のエアー室、12は排気室、12aは排気スクリーン、12bは排気ポートである。
【0017】
図1の矢視III −III から見た詳細断面を図3に示す。図示のように、主制御弁ユニット10は、本体1内の内筒部1内に設けたスリーブ10c内に摺動自在に嵌合する作動ロッド10xと、スリーブ10c内へエアーが流入するのを開閉する弁部材10vと、この作動ロッド10xを左右に駆動するための制御弁13とから成る。制御弁13は作動ロッド10xの左右にそれぞれ一対に設けられており、それぞれに13、13の符号を付しているが、左右対称で、同一構成の部材であり、同一符号を付している。制御弁13は、シリンダ13Aを取付座13aを介して本体1の端に取付け、シリンダ13A内にはピストン13bと押えばね13cとピストンロッド13dを設けて成る。
【0018】
上記ピストンロッド13dは、取付座13aの中心を貫通して摺動自在に設けられ、その突き出し端は、弁部材10v内にわずかに嵌入する位置で、弁部材10v内に挿入された作動ロッド10xの突き出し端10xaと互いに当接するように設定されている。14は給排気用ポート、15は排気口に通じる排気ポートである。なお、シリンダ13A、13Aの左右端には、図示省略しているが、操作用のエアーを導入するための接続口が設けてあり、後述するように操作弁から送られる圧縮エアーにより切換え操作が行われる。13sはシリンダー室であり、室13eは大気に開放されている。
【0019】
上記詳細断面構造から分かるように、主制御弁ユニット10内の切換弁10Aは、スリーブ10c内の左右の空間スペースと弁部材10vとから成り、後述するように、この切換弁10Aは3位置切換弁を構成している。さらに、作動ロッド10xの下面にはラック歯形が形成されており、このラック歯形にピニオン10aが係合し、作動ロッド10xが左右に移動することによりピニオン10aを回転させると、その回転を部分歯形部10bへ伝達し、操作ロッド10を回転することによりブレーキカム9が回転駆動される。
【0020】
図4は上記主制御弁ユニット10を含むエアーモータ6の制御回路の全体系統図を示す。巻上機本体に設けられた圧縮エアーの供給源Eから送られるエアーは、主制御弁ユニット10の切換弁10Aを経てエアーモータ6へ、正転(上昇)時は右側、逆転(下降)時は左側の配管から送られる。図示の状態は切換弁10Aを中立(停止)位置とした場合を示す。又、供給源Eからのエアーは、途中で左右の系路に分岐され、左系路は左側の操作弁30を経て左側の制御弁13へ、右系路は右側の操作弁30を経て荷重制限弁20を介して右側の制御弁13へ接続されている。以上が制御回路の大略であるが、以下さらにその詳細について図4の他に図5を併せて参照しながら説明する。
【0021】
供給源Eからの圧縮エアーは、配管Rを途中配管R、Rに分岐して遠隔位置に設けた操作弁30、30に供給され、さらに配管Rは本体側の直前で2つの配管R12、R13に分岐して切換弁10Aに接続されている。配管Rは操作弁30を経て制御弁13へ接続され、配管Rは操作弁30を経て荷重制限弁20のポートPとPへ接続されている。
【0022】
ポートPは荷重制限弁20内の流路Q、Qを経てポートPから配管Rを経て制御弁13へ接続されている。配管Rは配管Rから分岐されてポートPへ、又配管Rから主制御弁ユニット給気口Tの分岐点で分岐された配管RはポートPへ接続されている。なお、モータ6への経路R02、R03は切換弁10Aと本体1内での内部接続である。さらにエアーモータ6の入口でのエアーモータの正転側給気口Sの分岐点から分岐された配管Rは荷重制限弁20のポートPに接続されている。ポートP、Pは大気へ開放されている。
【0023】
荷重制限弁20は、弁本体21内にスプール22とばね室23a内に設けたばね23とから成る第1スプール弁20Aと、小さいスプール25とばね室内に設けたばね26とから成る第2スプール弁20Bと、オリフィス27とチェック弁28とを備えている。なお、チェック弁28は必ずしも設けなくてもよい。第1スプール弁20Aのスプール22は嵌合されている穴内で軸方向に摺動自在であり、その外周に設けた溝22aを介して流路Qからのエアーを流路Qへ連通している。スプール22の端部の鍔22は大径に形成され、小室22内に嵌合している。ばね23は、ばね受け23b、23b間に挿置され、弁本体21の端に設けたねじロッド24により設定長さを任意に調整自在である。
【0024】
流路Qはスプール22がばね23の方へ移動した際の流路Q内のエアーを大気へ逃がすための開放流路である。又、スプール22の小径部の断面積をA、スプール22の大径部の左端面がシール部材と接触したときのシール部材との接触円で囲まれる面積をA、スプール22の端部の鍔22に流路Qから作用する圧力をP、流路Qから作用する圧力をPとすると、それぞれの有効受圧面積はPに対しA、Pに対しては(A−A)となる。これは、鍔22が小室22内で左側へ押されている際に、シール部材により左側端面と小室22の左端壁との間にわずかに隙間が生じ、このためシール部材の内径まで圧力Pは作用し、又鍔22の外周と小室22との内径との間にもわずかな隙間があり、圧力Pは鍔22の外周からシール部材の外側までかかり、このためAとAの差面積に対応する環状部分に圧力Pが作用するからである。
【0025】
オリフィス27は、ポートPからのエアーを受入れる小室27aと流路Qとの間の流れを制限するために設けられ、流路Qはスプール22の鍔22が嵌合する小室22に連通している。なお、オリフィス27の絞り径は配管Rから流路Q間の流路径に比べて十分小さくなっている。又、チェック弁28は、流路Qを分岐した流路Q内に設けられ、流路Qのエアーを流路Q、Qを経由し、第2スプール弁20Bのばね室を通りポートPから大気へ開放するようになっている。
【0026】
第2スプール弁20Bは、流路Qにエアーが送られるとスプール25がばね26側へ移動し、ポートPからのエアーがスプール25の外周の溝25aを介して流路Qへ送られるようになっている。なお、流路Qは流路QとQに分岐され、流路Qは第1スプール弁20Aのスプール端部の小室22に接続されている。又、経路R02、R03は独立の配管として設けたものではなく、図3の断面に示す内筒部1内に形成されるスリーブ10c、弁部材10v、10vなどで構造上形成される流路である。
【0027】
又、図4に示すように、モータ6に連結されたチェーンホイール4を回転する際、回転軸6xの端のブレーキ手段8は切換弁10Aに連動するピニオン10a、部分歯形部10b、連結ロッド10、カム9のブレーキ開放手段により開放されてチェーンホイール4は回転可能となる。図2に示すように、カム9が回転することによりブレーキ手段8のブレーキドラム8aからこれを押さえるブレーキシュ8bを有するブレーキ板8cをばね板8dの押圧力に逆らって離し、ブレーキ力を開放するのである。但し、図4ではピニオン10aは切換弁10Aに対し少し離して模式図的に示している。
【0028】
以上のように構成した実施形態の荷重制限機能付き巻上機の作用は次の通りである。初期状態では、図4に示すように主制御弁ユニット10の切換弁10Aは中立状態にあり、供給源Eから所定圧のエアーが配管R、R12、R13を介して切換弁10Aに送られて来るが、エアーモータ6へは流れが遮断されているためモータ6は回転しない。所定圧のエアーは、配管R、Rを介して手動操作弁30、30へ、又配管Rを介して荷重制限弁20へも送られて来る。
【0029】
しかし、手動操作弁30、30は遮断位置にあるため、荷重制限弁20側の配管R、主制御弁ユニット10の制御弁13側の配管Rへはエアーは遮断され、又配管Rを経由するエアーは荷重制限弁20の第2スプール弁20BへポートPから送られるが、第2スプール弁25で遮断されている。
【0030】
次に、図6に示すように、巻上げ用の手動操作弁30が操作されると、エアーは操作弁30から配管Rを経て荷重制限弁20のポートPへ送られ、ポートPからのエアーは流路Q、第1スプール弁22の溝22a、流路Q、ポートP、配管Rを経由して主制御弁ユニット10の制御弁13へ供給される。これにより切換弁10Aは巻上げ状態Uとなり、配管R13からエアーが流路R03を経てエアーモータ6へ送られ、エアーモータ6が駆動されて荷重の巻上げが開始される。
【0031】
一方、配管Rから分岐された配管Rを経てポートPから荷重制限弁20の第2スプール弁20Bへエアーが送られると、流路Qを経てスプール25を押圧し、ばね26の押圧力に逆らって移動させる。このため、配管RからポートPを経てスプール25の溝25aへ供給されていたエアーは、流路QからQへと供給され、第1スプール弁20Aのスプール22の大径の鍔22の右側に作用する。このときの流路Qからのエアー圧力をPとする。但し、流路Qから分岐された流路Qは、チェック弁28により遮断されている。
【0032】
他方では、エアーモータ6の巻上げ側流路に接続されている配管Rへもエアーが分岐されて供給されるため、このエアーは荷重制限弁20のポートPから小室27aへ送られ、オリフィス27を通って流路Qからスプール22の大径の鍔22の左側に作用する。このときの流路Qからのエアー圧力をPとする。従って、スプール22の鍔22には流路Q側からP・Aの力、流路Q側からP・(A−A)の力が作用することとなる。このとき、PとPの関係は、エアーモータの正転(上昇)側給気口Sから主制御弁ユニット給気口Tまでの管路抵抗による圧力降下分だけPはPより低くなる。
【0033】
そして、スプール22にはばね23の力fがスプール22を流路Q側へ押す方向に働いている。こうして、スプール22に作用している力は、流路Q側(左側)からP・A、ばね23側(右側)からP・(A−A)+fが働く。よって、左右のエアー押力の差ΔF=P・A−P・(A−A)がfより小さい限り、スプール22は移動せず、図4、図5に示した状態のままである。従って、チェーンで吊上げる荷重wが最大定格荷重までは上記のエアー押力の差ΔFとばねの力fとが上記の関係を保持するように予めfの値を設定しておけば、荷重Wが定格荷重を越えない限りスプール22は移動せずに荷重を吊り上げることができる。荷重の吊上げを停止する場合、巻上げ用の手動操作弁30を遮断状態に戻せば、図4の状態となり、エアーモータ6は直ちに停止し、巻上げ動作が停止される。
【0034】
しかし、荷重wが最大定格荷重を超えた過負荷荷重w’を巻上げる場合、上記押力の差ΔFとばね力fの関係が成立しなくなる。即ち、P・A−P・(A−A)>fになると、図7に示すように、押力の差ΔF−fでスプール22がばね23の方向へ押圧される。このため、配管Rからのエアーはスプール22で遮断され、スプール22の溝22aを介して流路QとQが連通されるため、制御弁13への配管R内のエアーは、ポートPから大気へ開放される。そして、反対側の制御弁13のばねにより切換弁10Aは中立位置Nへ戻され、エアーモータ6へのエアーの供給が遮断されて巻上機は停止する。一方、切換弁10Aが中立位置Nに戻ると前述したブレーキ手段8により巻上機は制動される。
【0035】
この場合、手動の操作弁30を作動側にしたままの状態を続けると、配管R、Rへはエアーが送り続けられる。配管Rからのエアーはスプール22で流路Qと遮断されるが、配管Rからのエアーは流路Qを経てスプール25を押圧し続ける。このため、配管Rからのエアーはスプール25の溝25aを経て流路Qへ送られ、流路Qから小室22を経由して流路Qへ向かう。このとき、切換弁10Aは中立位置Nにあるため配管R内は大気に開放されている。しかしオリフィス27の絞り径は配管Rから流路Q間の流路径に比べて十分小さいために圧力Pが低下することはなくスプール22の図7の状態は変わらず、巻上機の停止状態は維持される。
【0036】
このように、過負荷状態をスプール弁の鍔22に作用するP、Pの圧力とばね力fとのバランスにより検出する上記検出方式は、圧縮エアーの供給源の圧力が変化しても設定された最大定格負荷荷重を超えると、これを精度よく検出してエアーモータ6の回転を停止させ、過負荷巻上げを阻止することができる。その理由は、次のとおりである。図6において、エアーモータの巻上側のエアー入り口である給気口T点の圧力すなわちスプール22の鍔の左側に作用する圧力をP、T点より圧縮エアーの供給源E側の給気口S点の圧力すなわちスプール22の鍔の右側に作用する圧力をPとすれば、通常の使用範囲の供給圧(0.4〜0.7MPa)においては、負荷荷重、供給源の圧力とP、Pの間には次のような関係がある。
【0037】
図10に示すように、圧縮エアーの供給源の圧力が一定のときは、負荷荷重とP、Pは相関関係にあり、負荷荷重が大きくなればP、Pも直線的に大きくなる。一方、図11に示すように、負荷荷重が一定のときは、供給源の圧力が上昇すると、それにともなってP、Pが直線的に上昇し、P、Pの間にはP>Pかつ比例関係P=k・P+Cが成り立つ。このときkはPの上昇がPにおよぼす影響の度合いによる定数であり、Cも定数である。また、圧力PとPの差は管路上のTとS間の管路抵抗による圧力損失によるものである。
【0038】
従って、負荷荷重を吊上げたときの(P−k・P)の値すなわち負荷荷重を吊上げたときのPに、Pの上昇がPにおよぼす影響の度合いによる定数kを掛けた値をPから減算した値が、あらかじめ設定された定格荷重を吊上げたときの(P−k・P)の値以上になったことを検知することで過負荷状態を検出することができる。但し、この場合Pは、スプール22が移動する前に鍔22 に静的に作用する圧力であるから、エアー供給源Eからエアーモータの正転側給気口Sに至る流路の任意の点の圧力に定数kを掛けた値を給気口Sの圧力から減算するようにしてもよいこととなる。
【0039】
又、図4、図5に示す例では、鍔付のスプールの端面に作用する圧力PとPにより発生する力ΔFとばね力fとの釣り合いを利用して、ΔF>fとなったときスプールが移動し過負荷状態を検出するような構成としている。そしてf は図4、図5で示す構造から
Figure 2004256219
となる。このとき、上式の(1−A/A)は、前述のP の上昇がPにおよぼす影響の度合いによる定数kに該当する。
【0040】
よって、スプールの鍔の寸法A 、A をA/A=1−kを満足するように設定し、ばね力fの値を定格荷重を吊上げたときのΔF=P・A−P・(A−A)に等しく設定しておけば、供給圧力の変動にかかわらず過負荷状態を検出することができることとなる。また、前述したようにPとPは比例関係にあることから、最適なA 、A は次の方法で簡単に求めることができる。
【0041】
通常の使用範囲の供給圧において、最低、最高供給圧力における2組のP、Pが既知であるとき、前述のスプール22に発生する力ΔF=P・A−P・(A−A)は共に同じでなければならないので
S1:最低供給圧のときのP
T1:最低供給圧のときのP
S2:最高供給圧のときのP
T2:最高供給圧のときのP
とすると、
S1・A−PT1・(A−A)=PS2・A−PT2・(A−A
の関係が成立する。
【0042】
上式を変形すると
・(PT1−PT2)=A・{(PT1−PT2)−(PS1−PS2)}
となる。よって、
Figure 2004256219
となる。ΔP、ΔPは差圧である。すなわち、圧力P、Pの最高と最低が決まれば上式を満足するようなAとAを求めることができる。
【0043】
前述したように、過負荷状態の検出に、管路上の管路抵抗によって生じる圧力降下を利用したこの実施形態では、PとPの取出位置を図7のT及びSとしたが、PとPの取り出し位置は、巻上機本体のエアーの供給源Eから主制御弁ユニットを介してエアーモータの正転側給気口に至る管路上の任意の、巻上機本体のエアーの供給源Eに近いところからPを、エアーモータの正転側給気口に近いところからPを取り出すのが良い。
【0044】
なお、吊り上げた荷重wを巻下げるときは、手動操作弁30を作動状態にすれば、圧縮エアーが制御弁13へ送られ、これにより切換弁10Aが巻下げの位置へ移動し、エアーがエアーモータ6の巻下げ側入口へ送られて巻下げが行われるが、この状態は図示するまでもないので省略する。
【0045】
図8にスプール22の鍔22と小室22の構造を上記実施形態と異なる他の構成例とした変形例を示す。(a)図では、小室22よりさらに径の小さい側室22’を小室22に接続して設け、鍔22の外径が側室22’に嵌合するようにし、鍔22の外側端に突出部22を設けて隙間δを確保する。この隙間δの側室22’に作用する圧力Pは有効面積Aに作用し、一方鍔22の流路Q側からの圧力Pは有効面積(A−A)に作用する。(b)図では同様に小室22の一側に側室22”を設け、鍔22の径が側室22”の径より大となるようにしている。突出部22は設けられていない。この場合も圧力P、Pの作用する有効面積は第1実施形態の場合と同じである。
【0046】
図9に荷重制限弁20の一部変形例を示す。この変形例は第1スプール弁20Aについてスプール22に固着現象が発生した場合の対策を施した例である。以下、主として第1実施形態と異なる点について説明する。図示のように、第1スプール弁20Aは、固着防止手段として固着防止ピストン30とばね31を備えている。固着防止ピストン30は、スプール22の鍔22が嵌合する小室22を流路Q側へ拡張して形成した拡張室内に微小距離摺動自在に設けられている。
【0047】
ばね31は、拡張室に連通して設けられたばね室内に挿置されており、固着防止ピストン30をばね23の方向へ押圧しているが、その弾性力はばね23より小さく設定されている。ばね31のばね室には流路Qからのエアーを導入する流路Qが流路Qの途中より分岐して設けられている。又、固着防止ピストン30には流路Qからのエアー圧をスプール22の鍔22に作用させるよう断面視T字状の流路Q10が形成されている。流路Q10は初期状態では、図9に示すように、流路Qにつながる周溝32のばね31側寄りで流路Qに接続され、固着防止ピストン30が微小距離だけばね23側へ移動したときは周溝32のばね23側寄りで流路Qに連通するように形成されている。
【0048】
以上の構成としたこの変形例の荷重制限弁20では、長時間にわたり巻上機の運転を休止した後、再度巻上げ動作を開始したときにスプール弁、特に第1スプール弁20Aのようにスプール長さが長い弁では固着現象が生じ動かないことがある。このような場合、動作開始時にスプール22の鍔端面を少し押圧することによりスプール22の固着を解消し、その後のスプール22の円滑な動きを確保するのである。このとき、固着防止ピストン30の断面積Aはスプール弁22の端部の有効断面積Aより大に設定されている。
【0049】
正転(上昇)開始時には瞬時に固着防止ピストン30は流路Qからのエアー圧力で距離Lを移動し、スプール22が固着していても解消される。距離Lを移動した状態になると、過負荷状態を検出するスプール弁20Aの端部の有効面積Aとスプール22の断面積Aによりスプール弁20Aがばね23側へ押圧される力は、スプール22に対する第1実施形態の作用で説明したのと同じ状態で作用する。
【0050】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、この発明の荷重制限機能付き巻上機は、チェーンブロック内のチェーンホイールに連結されるエアーモータを主制御弁ユニットとこれを遠隔操作する手動操作弁で操作自在とし、上記ユニットと手動操作弁間に設けた荷重制限弁で、吊上荷重が設定値より大となったことをエアーモータの正転側供給口の圧力により検出して、エアーモータへのエアーの供給を停止させて定格荷重を越える過負荷荷重を吊上げないようにした。さらにエアー供給圧力源の圧力変動に起因するエアーモータへの供給圧力の変動による設定値への影響をなくすことにより、精度よく制限荷重で巻上げを停止させることができ、無理に過負荷荷重を吊上げることによる危険を回避して安全性を確保できるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の荷重制限機能付き巻上機の主要断面図
【図2】同上のブレーキ手段の断面図
【図3】図1の矢視III −III から見た断面図
【図4】同上巻上機の制御回路の全体概略系統図
【図5】荷重制限弁の部分拡大図
【図6】定格荷重巻上げ作用の説明図
【図7】過負荷荷重巻上げ作用の説明図
【図8】荷重制限弁の部分変形例の要部断面図
【図9】荷重制限弁の他の変形例の要部断面図
【図10】負荷荷重とP、Pの関係の一例のグラフ
【図11】エアー供給圧とP、Pの関係の一例のグラフ
【符号の説明】
4 チェーンホイール
6 エアーモータ
8 ブレーキ手段
10 主制御弁ユニット
10A 切換弁
13、13 制御弁
20 荷重制限弁
20A 第1スプール弁
20B 第2スプール弁
22 スプール
22
22 小室
23 ばね
25 スプール
26 ばね
27 オリフィス
28 チェック弁
〜R 配管
〜Q 流路
S エアーモータの正転側給気口
T 主制御弁の給気口

Claims (5)

  1. 圧縮エアーを動力源とするエアーモータをチェーンブロック内に組込まれたチェーンホイールに連結し、チェーンホイールに巻回されるチェーンにより物体を昇降自在に吊るよう巻上機を構成し、エアーモータの回転方向と回転速度を制御する主制御弁ユニットと遠隔の手動操作弁ユニットとをつなぐ経路に吊上荷重が設定値より大きくなると主制御弁ユニットがエアーモータへのエアーの供給を停止する状態となるように制御する荷重制限弁を設けて成る荷重制限機能付き巻上機。
  2. 前記荷重制限弁が、エアーモータの正転側給気口圧力が設定圧を越えると主制御弁ユニットへのパイロット圧を遮断する弁機構を有することを特徴とする請求項1に記載の荷重制限機能付き巻上機。
  3. 前記荷重制限弁の弁機構を、巻上機のエアー供給源からエアーモータの正転側給気口にいたる流路の任意の点の圧力に定数を掛けた値を、エアーモータの正転側給気口圧力から減算した値が設定値を超えると、主制御弁ユニットへのパイロット圧を遮断し、主制御弁ユニットが停止位置へ移動するように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の荷重制限機能付き巻上機。
  4. 前記荷重制限弁の弁機構を、オリフィス、およびスプリングで復帰する第一のスプール弁と、スプリングで復帰し第一スプール弁へのエアーの送りを開閉する第二のスプール弁とで構成し、第一スプール弁はそのスプールの一端に大径の鍔を設け、このスプールの鍔側端面および鍔のスプール側の面にそれぞれエアーモータの正転側給気口圧力と第二スプール弁を介して主制御弁ユニット給気口圧力を導入し、主制御弁ユニット給気口からの圧力に定数を掛けた値をエアーモータの正転側給気口圧力から減算した値が設定圧を超えると主制御弁ユニットへのパイロット圧を遮断し、主制御弁ユニットが停止位置へ移動するように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の荷重制限機能付き巻上機。
  5. 前記荷重制限弁の弁機構を、弁本体内に設けたスプール弁により構成し、このスプール弁の端に固着防止ピストン及びばねから成る固着防止手段を設け、巻上げ時の手動操作弁からのエアー圧で固着防止ピストンを移動させてスプール固着を解消するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の荷重制限機能付き巻上機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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