JP2004256210A - 部品分離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑に絡まった部品のからみを自動で、しかも確実にほぐすことができ、部品のサイズ変更などにフレキシブルに対処することができる部品分離装置を提供する。
【解決手段】部品が収容された容器22を振動させることにより、部品同士の絡みをほぐす部品分離装置であって、容器22の着脱可能な底板25に、絡まっている部品を衝突させる複数の突部27aと、絡みがほぐされた部品をふるい落とす複数の孔部26とを混在して設ける。容器22を水平方向に振り回すことにより、部品を振動させる機構を備える。容器22を振動させるためのアクチュエータ37と、アクチュエータ37の動力により回転する一対の回動部材30,30とを備え、一対の回動部材30,30にはカムをそれぞれ設け、カムには軸受を介して容器22を吊設する。底板25を、容器22に対して着脱可能とする。
【選択図】 図1
【解決手段】部品が収容された容器22を振動させることにより、部品同士の絡みをほぐす部品分離装置であって、容器22の着脱可能な底板25に、絡まっている部品を衝突させる複数の突部27aと、絡みがほぐされた部品をふるい落とす複数の孔部26とを混在して設ける。容器22を水平方向に振り回すことにより、部品を振動させる機構を備える。容器22を振動させるためのアクチュエータ37と、アクチュエータ37の動力により回転する一対の回動部材30,30とを備え、一対の回動部材30,30にはカムをそれぞれ設け、カムには軸受を介して容器22を吊設する。底板25を、容器22に対して着脱可能とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、絡まった部品の絡みをほぐしながら、部品を一つずつふるい落とす部品分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置としての複写機などに使用されるコイルばねは、数10個ずつ袋詰め又は容器詰めされてメーカから供給されるため、コイルばね同士が絡んでいることが多く、作業者は、コイルばねの絡みをほぐして、一つずつ分離しなければならなかった。このため、装置の組み立てに余計な時間が費やされ、また、作業者がコイルばねの先端でけがをしたり、ほぐす際に力を入れ過ぎてコイルばねを変形させたりするという問題があった。
【0003】
そこで、このような問題の解決を図った従来例の一つとして、図8に示す部品分離装置70が知られている(特許文献1)。この部品分離装置70は、絡まったコイルばね80を遠心力で跳ね飛ばしながら絡みをほぐす、いわゆる遠心分離方式の装置であり、図示されるように、駆動源としてのモータ71と、絡まったコイルばね80が投入される円筒状の部品収容器75とから構成されている。
【0004】
部品収容器75は、上端及び下端が開口形成された筒壁76を有し、上端開口にはパネル79などが宛われ、下端開口にはモータ71の回転軸72とともに回転する回転板73が回動自在に取り付けられている。
【0005】
筒壁76の上端には、外側にL字状に折り曲げられた取付部77が4カ所に設けられていて、この取付部77はパネル79に締付ボルト78によって固定されている。筒壁76の下端側には、回転板73と同一高さの位置に、ほぐされたコイルばね80が外側に排出される排出口76aが開口形成されている。
【0006】
排出口76aは、コイルばね80の外径より僅かに大きく形成され、ほぐされたコイルばね80のみを排出し、絡んだコイルばね80を排出しないようになっている。すなわち、上端開口から投入されたコイルばね80は、回転板73によって跳ね返されて筒壁76に衝突し、衝突時の衝撃力によって絡みがほぐされ、排出口76aから排出されるようになっている。一方、依然として絡んだ状態にあるコイルばね80は、排出口76aより大きい寸法であるために筒壁76内に残り、回転板73によって繰り返し跳ね返されるようになっている。
【0007】
【特許文献1】
実開平6−80734号公報(第16頁、第19図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の部品分離装置70には、解決すべき以下の問題点がある。
【0009】
一つには、絡んだコイルばね80を遠心力により撥ね飛ばし、筒壁76に衝突させる方法では、複雑に絡んだコイルばね80の絡みをほぐしにくいという問題がある。殊に、コイルばね80にフックが付いている場合などには、絡みをほぐすことができないことがある。このような場合は、長時間かけて回転板73を回転させたり、跳ね飛ばされたコイルばね80を筒壁76に強く当てるために、回転板73の角速度(遠心力は角速度の2乗に比例する)を高めたりすることが考えられるが、絡みのほぐされたコイルばね80が排出されるまでの待ち時間が長くなったり、モータ71が加熱して焼損するという心配がある。
【0010】
また一つには、排出口76aから排出されるコイルばね80が遠心力により勢いよく四方に飛び、周囲に散乱するという問題がある。殊に、複数の排出口76aが開口形成されている場合は、コイルばね80が広い範囲に散乱して、収集するのが面倒となる。
【0011】
さらには、コイルばね80のサイズや種類が変更されると、排出口76aの大きさが変わるため、筒壁76を別のものに取り替えなければならず、部品分離装置70の分解作業と組立作業に時間が費やされ、部品分離装置10の稼働率が低下するという問題もある。
【0012】
本発明は、上記した点に鑑み、複雑に絡まった部品のからみを自動で、しかも確実にほぐすことができ、ほぐされた部品を周囲に散乱させることなく容易く収集することができ、部品のサイズ変更などにフレキシブルに対処することができる部品分離装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、部品が収容された容器を振動させることにより、該部品同士の絡みをほぐす部品分離装置であって、前記容器の底板に、絡まっている前記部品を衝突させる複数の突部と、絡みがほぐされた該部品をふるい落とす複数の孔部とが混在して設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、絡まっている部品が、強制振動しつつ容器の底板に突設された突部に衝突して不規則に振動し、その運動エネルギーが増大して絡みがほぐされる。ほぐされた部品は、四方に勢いよく飛んで周囲に散乱することなく、自重により孔部から一つずつふるい落ちる。落下した部品は、絡みがほぐされた状態のままトレイなどに収集されて、次工程に運ばれて装置の組立てに供される。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の部品分離装置において、前記容器を水平方向に振り回すことにより、前記部品を振動させる機構を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、部品が底板に対して水平方向に振動し、部品と突部との当たりが強くなり、複雑に絡んでいる部品の絡みが容易くほぐされる。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の部品分離装置において、前記容器を振動させるためのアクチュエータと、該アクチュエータの動力により回転する一対の回動部材とが備わり、該一対の回動部材にはカムがそれぞれ設けられ、該カムには、軸受を介して前記容器が吊設されたことを特徴とする。
上記構成によれば、例えば、ベルト伝動などによりモータの主軸とともに一対の回動部材が同期をとって回転することにより、容器が自転することなく振れ回る(公転する)。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の部品分離装置において、前記容器を振動させるためのアクチュエータと、該アクチュエータの動力により回転する一対の回動部材とが備わり、該一対の回動部材には、クランク腕を介してクランクピンがそれぞれ設けられ、該クランクピンには、軸受を介して前記容器が吊設されたことを特徴とする。
上記構成によれば、請求項3記載の発明の作用に加え、容器をより大きな振れで振り回すことができ、サイズの大きな部品の絡みをほぐすことができる。
【0017】
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の部品分離装置において、前記底板が、前記容器に対して着脱可能に固定されることを特徴とする。
上記構成によれば、突部及び孔部の配列、大きさ、形状、数などが異なる底板を予め複数用意しておくことで、部品のサイズや種類に応じた底板を使い分けることができる。
【0018】
また、請求項6記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1項に記載の部品分離装置において、好ましくは、前記容器の振れ回りの回転数が100〜500rpm、振れが10〜35mmであることを特徴とする。
上記構成によれば、小物で精密なコイルばねの絡みをほぐす場合において、振れ回りの回転数が100rpmより小さい場合や振れが10mmより小さい場合は、絡んでいる部品の振動エネルギーが小さすぎて、絡みをほぐすことができないことがあり、逆に、振れ回りの回転数が500rpmより大きい場合や振れが35mmより大きい場合は、絡んでいる部品の振動エネルギーが大きすぎて、部品が変形したり、孔部から部品がふるい落ちないことがあったりする。このため、振れ回りの回転数が100〜500rpm、振れが10〜35mmの条件下で、部品に変形を生じさせることなく、絡みを確実にほぐすことができ、しかも孔部から部品を一つずつ確実にふるい落とすことができる。
【0019】
また、請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の部品分離装置において、前記部品がフック付きコイルばねであることを特徴とする。
上記構成によれば、引っ掛かりやすく、絡み易いフックとコイルばねとからなる部品であっても、部品が振動しながら突部に衝突することによって、確実に絡みがほぐされる。
【0020】
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の部品分離装置において、前記孔部が、前記フック付きコイルばねの外径又はフックの外径より若干大きい孔径に形成され、該フック付きコイルばねが該孔部から縦向き姿勢で自由落下することを特徴とする。
上記構成によれば、孔部からは、絡みのほぐされたフック付きコイルばねだけが縦向き姿勢で排出され、絡んでいるフック付きコイルばねは排出されない。また、フック付きコイルばねは、自由落下して排出されるから、周囲に散乱することが防止される。
【0021】
また、請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の部品分離装置において、前記容器の下方に、ふるい落とされた前記部品を磁着させる磁気マットが設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、ふるい落とされた部品が、一つずつ磁気マットに磁着されるから、部品をトレイに載せて次工程に運搬する際などに絡みのほぐされた部品が再び絡むことが防止される。
【0022】
また、請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の部品分離装置において、前記容器を断続的に振動させるためのスイッチング機構を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、スイッチング機構により、アクチュエータの電源がON−OFFされ、容器の振れ回りが断続的に生じ、絡んでいる部品が不規則に振動し、絡みがより確実にほぐされる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明に係るパーツセパレータ(部品分離装置)10の第1の実施形態を示すものである。
【0024】
図1に示されるパーツセパレータ10は、絡んでいるフック付きコイルばね(部品)40,41を振動させながら衝突させることで、絡みをほぐしながら、一つずつ排出する部品分離装置である。このフック付きコイルばね40,41は、画像形成装置の組立てに使用される部品である。部品には、図5に示されるような引張荷重を受けるフック付きコイルばね40,41の他に、圧縮コイルばね、ねじりコイルばね、板ばね、皿ばね、渦巻きばね、ジグザグばねや、ばね座金や、Oリングや、フィラメント、各種クリップなどの部品が包含される。殊に、本発明のパーツセパレータ10は、従来の部品分離装置70では絡みをほぐすことができなかった複雑に絡むフック付きコイルばね40,41に好適する。
【0025】
本発明のパーツセパレータ10は、部品箱(容器)22の敷板(底板)25に、絡まっているフック付きコイルばね40,41を衝突させる複数の突部27aと、絡みがほぐされたフック付きコイルばね40,41をふるい落とす複数の孔部26とが規則的又は不規則的に設けられたものであり、部品箱22をプーリーモータ(アクチュエータ)37で振り回すことにより、部品箱22に収容された絡まったフック付きコイルばね40,41を振動させながら、複数の突部27aに衝突させて、強制振動と衝突の相乗効果により絡みをほぐすとともに、絡みがほぐされたフック付きコイルばね40,41を孔部26から一つずつふるい落とすことを第1の特徴とするものである。
【0026】
このパーツセパレータ10によれば、フック付きコイルばね40,41が突部27aに衝突して、フック付きコイルばね40,41の振動が不規則振動に変化するとともに、フック付きコイルばね40,41の運動エネルギーが増大することで、フック付きコイルばね40,41の絡みが確実にほぐされるようになっている。絡みがほぐされたフック付きコイルばね40,41は、自重により孔部26から一つずつふるい落ち、絡みがほぐされた状態のまま収集トレイ42などに収集されるようになっている。
【0027】
フック付きコイルばね40,41のからみを短時間で自動でほぐすことができるから、余計な時間が費やされることがなくなり、画像形成装置の組立作業性が低下するという問題が解消され、装置組立ラインの生産性が向上する。また、作業者がフック付きコイルばね40,41の先端でけがをしたり、ほぐす際にフック付きコイルばね40,41を変形させたりするという問題が解消される。
【0028】
以下に、パーツセパレータ10の主要構成部分及びその作用について詳細に説明する。
パーツセパレータ10は、構造体としてのセパレータ本体12と、フック付きコイルばね40,41が収容される部品箱22と、部品箱22を振り回す回動部材30と、アクチュエータとしてのプーリーモータ37とから構成されている。
【0029】
セパレータ本体12は、逆L字状をなし、プレート状のベース14と、ベース14に立設された胴体部15と、胴体部15に続く頭部18とからなっている。ベース14の前側には、磁気マット42aが敷かれた収集トレイ42が載置され、絡みのほぐされたフック付きコイルばね40,41が衝撃を受けないように収集されるようになっている。また、落下したフック付きコイルばね40,41は、磁力により磁気マット42aに磁着して、周囲に散乱しないようになっているとともに、ほぐされた部品が再び絡むことが防止されている。ベース14の後側には、胴体部15が垂直に立設されるとともに、プーリーモータ37が配設されている。
【0030】
駆動源としてプーリーモータ37は、原動プーリー39を回転軸38の先端側に備えるとともに、図示しない減速機構を内蔵するモータである。原動プーリー39は、タイミングベルト36に噛み合うタイミングプーリーであり、タイミングベルト36が滑ることなく、プーリーモータ37の動力が従動プーリー32に確実に伝わるようになっている。減速機構は、歯車のかみ合わせにより、減速比が決定されて、プーリーモータ37の回転数が調整されるようになっている。
【0031】
プーリーモータ37の回転数は、好ましくは、部品箱22の振れ回りの回転数が100〜500rpmの範囲内になるように調整されている。振れ回りの回転数が100rpmより小さい場合は、絡んでいるフック付きコイルばね40,41の振動エネルギーが小さすぎて、絡みをほぐすことができないことがあり、逆に、振れ回りの回転数が500rpmより大きい場合は、絡んでいるフック付きコイルばね40,41の振動エネルギーが大きすぎて、フック付きコイルばね40,41が変形したり、孔部26からフック付きコイルばね40,41が縦向き姿勢でふるい落ちないことがあったりするためである。
【0032】
また、プーリーモータ37は、スイッチング機構により、図示しないタイマーにより任意の間隔(例えば、5秒間隔)でその電源がスイッチングされ、部品箱22を断続的に振り回すことができるようになっている。プーリーモータ37の電源がON−OFF制御されると、絡んでいるフック付きコイルばね40,41の姿勢が変わり、フック付きコイルばね40,41が不規則に振動して、複雑に絡んだフック付きコイルばね40,41の絡みがほぐしやすくなる。
【0033】
胴体部15は、所定の間隔を開けて前後に相対向する前板16と、後板17とからなっている。左右両側は、開口形成されていて、何れかの開口からプーリーモータ37が組み付けられるようになっている。プーリーモータ37が組み付けられた後は、両側の開口に図示しない当て板などが宛われ、プーリーモータ37が外部干渉から保護されるようになっている。当て板は、網目状に形成されていて、外部に熱が放出されるようになっている。
【0034】
頭部18は、箱状をなしていて、後側には胴体部15の上端が連なり、片持ち梁状に前方に迫り出す前側には部品箱22が吊設されている。頭部18後側で底板19の左右方向の中間位置には、プーリーモータ37の回転軸38を軸通させる軸孔19aが開けられている。軸孔19aには、軸受20が嵌合されており、回転軸38が軸受20に軸支されて、回転軸38の円滑な回転が保証されている。頭部18前側の底板19には、一対の従動軸31,31が軸通される軸孔19bがそれぞれ開けられている。この軸孔19bにも、軸受34が嵌合されて従動軸31が軸支されるようになっている。従動プーリー32と原動プーリー39は、タイミングプーリーであり、歯付けされたタイミングベルト36が張設されることで、従動プーリー32が従動回転されるようになっている。
【0035】
図4に示されるように、一対の回動部材30,30は、従動軸31と、従動プーリー32と、両面に挟み板33bを有する円板カム33とからなっている。従動プーリー32と円板カム33との間には軸受34が設けられている。従動軸31は、従動プーリー32及び軸受34の中心位置を、円板カム33の中心から偏心距離R1だけ偏った位置をそれぞれ軸通し、ベルト伝動により従動回転されるようになっている。
【0036】
回動部材30が一対設けられたのは、部品箱22の姿勢を一定状態に保ったまま、一対の従動軸31,31の回転とともに部品箱22を振り回すためである。この場合、部品箱22自体を自転させずに部品箱22を振り回す(公転させる)には、一対の回動部材30,30を同期させて同方向に回転させる必要がある。一対の従動プーリー32,32はタイミングプーリーであるため、タイミングベルト36と従動プーリー32との間で滑りが生じず、一対の回動部材30,30が同期をとって回転できるようになっている。
【0037】
従動軸31の上側に設けられた従動プーリー32は、円板状をなしていて、中心には従動軸31を軸通させる軸孔32aが形成され、外周には歯付けされたタイミングベルト36に噛み合う歯32bが所定のピッチで形成されている。タイミングベルト36と従動プーリー32とが噛み合うことにより伝動が行われるため、タイミングベルト36と従動プーリー32との滑りが防止されて、動力効率の良い伝動が行われるようになっている。
【0038】
従動軸31の下側に設けられた円板カム33は、上述したように円の中心から偏心距離R1だけ離れた位置に従動軸31に対する軸孔32aを有している。円板カム33は、この軸孔33aを回動中心とし、偏心距離R1の2倍の振れで従動軸31とともに偏心回転する。
【0039】
円板カム33は、好ましくは、部品箱22の振れが10〜35mmとなるように、偏心距離R1が定められている。振れが10mmより小さい場合は、絡んでいるフック付きコイルばね40,41の振動エネルギーを大きくできず、フック付きコイルばね40,41の絡みをほぐすことができないことがあり、逆に、振れが35mmより大きい場合は、絡んでいるフック付きコイルばね40,41の振動エネルギーが大きくなりすぎて、フック付きコイルばね40,41が変形したり、孔部26からフック付きコイルばね40,41が縦向き姿勢でふるい落ちないことがあったりするためである。
【0040】
一対の円板カム33,33は、部品箱22の天板23のカム孔に填め込まれている図示しない軸受にそれぞれ回動自在に嵌合される。すなわち、部品箱22は、円板カム33に吊設され、円板カム33が偏心回転すると、部品箱22がその姿勢を一定に保ったまま従動軸31の周りを振れ回るようになっている。
【0041】
円板カム33の上下両面には、円板カム33より大径の挟み板33b,33bが対向して設けられている。このため、一対の挟み板33b、33bの周辺部は、円板カム33の周辺部の半径方向外側に張り出し、部品箱22が引っかかり、部品箱22が吊設されるようになっている。一対の挟み板33b、33bの相対向する距離は、部品箱22の天板23の板厚寸法と同等の寸法に設定されているため、部品箱22が上下にがたつきを生じることなく、振れ回ることができるようになっている。
【0042】
部品箱22は、箱状をなし、前側及び底側が開口形成されていて、例えば、縦140mm、横180mm、高さ60mmに形成されている。前側開口から、複数の突部27aと孔部26とを有する敷板25が挿入され、底側開口にこの敷板25が宛われるようになっている。敷板25は、ねじなどにより固定されるため、部品箱22が振れ回っても外れないようになっている。図示される敷板25はプレート状に形成されているが、本発明は、敷板25をプレート状とすることに限定するものではなく、敷板25の縁に矩形状の枠が一体的に形成された箱状のものであってもよい。
【0043】
図2に示されるように、敷板25は、部品箱22の底に対応する寸法に形成されている。例えば、縦136mm、横175mm、厚さ2mmに形成されている。また、突部27a及び孔部26の配列、大きさ、形状、数などは、フック付きコイルばね40,41のサイズや種類に応じて任意に定められるものであるが、コイル径(外径)D3(フックの外径D5)がφ10mmのフック付きコイルばね40,41に対しては、一例として、突部27a及び孔部26が規則的に配列され、孔部26の孔径D1がφ11mmに形成され、突部の高さtが6mmに形成され、孔部26が24個、突部27aが9個形成された敷板25が使用される。
【0044】
孔部26は、7列に形成されていて、3つ孔の列と4つ孔の列とが交互に配列されている。突部27aは、3つの孔部26のほぼ中央に突設されている。隣り合う列の間には、突部27aが位置していて、右から1列目と2列目の間には、一つの突部27aが突設され、2列目と3列目との間には、2つの突部27aが突設され、3列目と4列目の間には一つの突部27aが突設されている。以下同様にして、突部27aが規則的に形成されている。
【0045】
この実施形態では、突部27aの外径D3が孔部26の孔径D1より小さい寸法に形成されているが、突部27aの外径D3を孔部26の孔径D1より大きい寸法に形成することも可能である。突部27aの外径D3は、フック付きコイルばね40,41のサイズを配慮して、フック付きコイルばね40,41の動きを拘束しないように設定することが好ましい。
【0046】
また、敷板25は、部品箱22に対して着脱自在に交換可能であることも本発明の特徴である。敷板25を交換することで、フック付きコイルばね40,41のサイズ変更や種類変更にフレキシブルに対処することができ、コイル径D3(フックの外径D5)がφ5〜15mm、ばねの自由長Lが2〜60mm、線径D4が0.2〜1.0mmの各種コイルばねの絡みをほぐすことができるようになっている。
【0047】
孔部26の孔径D1は、フック付きコイルばね40,41のコイル径D3(フックの外径D5)より1mm程度大きい孔径D1に形成されることが望ましい。このようにすれば、絡んでいるフック付きコイルばね40,41は孔部26から排出されず、絡みのほぐされたフック付きコイルばね40,41だけを孔部26から縦向き姿勢で自由落下させることができるからである。
【0048】
図3に示されるように、突部27aは、敷板25の上面から突出した笠状部分であり、雄ねじ部品27に一体的に形成されている。雄ねじ部27bはM3×0.5のメートル並目ねじであり、笠形状は任意であるが、例えば略裁頭円錐形状(図3(a))や略円錐形状(図3(b))、略球形状(図示せず)や略柱形状(図示せず)、テーパ形状などに形成される。図3(a)に示される突部27aの外周面には、複数の縦筋が形成されており、突部27bに当たるフック付きコイルばね40,41の摩擦力が大きくなり、絡みがほぐしやすくなっている。
【0049】
図5(a)に示されるフック付きコイルばね40は、コイル径D3、ばねの自由長L、両端部にセンター起こしの一巻き丸フック40aを有するコイルばねである。フック形状は、図示される一巻き丸フック40aに限定されるものではなく、コイル半巻起こした半丸フックや、コイル一巻をねじりおこした逆丸フックや、コイル一巻を側面に起こした側面丸フックや、端部を角型に起こした角フックや、端部をU字型に起こしたUフックや、端部をV字型に起こしたVフックや、コイル端部のコイル径を順次小さくした絞り丸フックや、コイル端部は特に加工を施さずフックとして別の金具類をねじ込んだねじ込みフックや、コイルの一巻を斜めに傾けて起こした斜め丸フックなどに形成されたものであってもよい。
【0050】
また、フック付きコイルばねは、図5(b)に示されるように、一巻きのフック40aをコイルばね40bの一方の側に起こし、大きさの異なる二つのフック40aをコイルばね40bの他方の側に起こした連続フックを有するフック付きコイルばね41であってもよい。フック40aの外径D5が、コイルばね40bのコイル径D3より大きい場合は、敷板25の孔部26の孔径D1をフックの外径D5より1mm程度大きい寸法に形成することが好ましい。
【0051】
次に、本発明に係るパーツセパレータ10の第2の実施形態について、図6及び図7を参照しながら説明する。第1の実施形態と同一構成部分については、同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0052】
図示されるように、本実施形態のパーツセパレータには、部品箱45を振り回す回動部材47に、円板カム33に代えてクランク腕49とクランクピン50とが設けられており、この点が、第1の実施形態のパーツセパレータ10と相違する点である。クランク腕49は、従動軸48とクランクピン50とを連ねる連結部材であり、部品箱45は、腕の長さR2を回転半径として振れ回ることができるようになっている。すなわち、腕の長さR2の2倍が回転する部品箱45の振れとなっている。このため、部品箱45をより大きな振れで振り回すことができ、比較的サイズの大きなフック付きコイルばね40,41の絡みをほぐすことが可能となる。
【0053】
クランクピン50は、周辺部に環状の段部51aを有する軸受51に回動自在に軸支されて、クランク腕49と一体に回転する。部品箱45の天板46が、軸受51の段部51aに引っかかることで、部品箱45が吊らされた状態に保持されてクランクピン50とともに回動するようになっている。部品箱45の天板46に形成された開口46aからは、フック付きコイルばね40,41が投入されるようになっている。
【0054】
本実施形態の回動部材47も一対設けられていて、回動部材47が同期して同方向に回転することで、部品箱45の姿勢が一定状態に保たれ、部品箱45自体が自転することなく、一対の従動軸48,48の周りを振れ回るようになっている。
【0055】
なお、敷板25に突設された突部27aは、着脱自在に取り付け可能な雄ねじ部品27でなくてもよく、敷板25に一体形成された突部であってもよい。敷板25に形成された孔部26は丸孔であるが、絡みのほぐされた部品と絡みのほぐされていない部品とふるい分けできるものであれば長孔とすることもできる。
【0056】
また、第1の実施形態の円板カム33に代えて楕円形状のカムを設け、楕円形状のカムの周辺部が部品箱22を叩くようにすることもできる。部品箱22の振動は、2次元振動に限定されるものではなく、1次元の単振動や3次元の振動でもよい。部品箱22を振動させるための方法は、ベルト伝動に限るものではなく、振動させるための種々の機構を適宜設定することができる。
【0057】
さらに、上記部品分離装置の構成は、部品分離方法においても有効であり、部品分離装置の構成から把握される請求項記載以外の発明の構成を以下に記載する。
【0058】
部品40,41が収容された容器22,45を振り回すことにより、部品40,41を振動させ、部品40,41同士の絡みをほぐす部品分離方法であって、容器22,45の敷板25に突設された複数の突部27aに、絡まっている部品40,41を振動させながら衝突させ、絡まっている部品の運動エネルギーを増大させて絡みをほぐし、敷板25に孔設された複数の孔部26から絡みがほぐされた部品40,41を一つずつふるい落とすことを特徴とする部品分離方法。
【0059】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、多数の絡まっている部品が収容された容器が振動すると、絡まっている部品が、強制振動しつつ容器の敷板に突設された突部に衝突し、不規則に振動して、その運動エネルギーが増大する。絡みがほぐされた部品は、自重により孔部から一つずつふるい落ちる。したがって、振動と衝突の相乗効果で部品のからみを確実にほぐすことができ、また、ほぐされた部品を四方に散乱させることなく、容易く収集することができる。
【0060】
また、請求項2記載の発明は、部品を振動させる機構を備えることで、部品が底板に対して水平方向に振動し、部品と突部との当たりが強くなる。したがって、複雑に絡んでいる部品の絡みを容易くほぐすことができる。
【0061】
また、請求項3記載の発明によれば、アクチュエータにより、一対の回動部材が同期をとって回転すると、容器が自転することなく、同じ姿勢のまま振れ回り運動をする。したがって、容器内に収容された絡まった部品を2次元振動させながら敷板に突設された突部に衝突させることができ、部品の絡みを自動でほぐすことができる。
【0062】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明の作用に加え、容器をより大きな振れで振り回すことができ、サイズの大きな部品の絡みをほぐすことができる。
【0063】
また、請求項5記載の発明によれば、突部及び孔部の配列、大きさ、形状、数などが異なる敷板を予め複数用意しておくことで、部品のサイズや種類に応じた敷板を使い分けることができる。したがって、部品のサイズ変更や種類の変更にフレキシブルに対処することができ、部品分離装置の取り扱い性・稼働性が向上する。
【0064】
また、請求項6記載の発明によれば、絡んでいる部品の振動エネルギーが小さすぎず、大きすぎず、部品に変形が生じることなく、絡みを確実にほぐすことができ、しかも孔部から部品を一つずつ確実にふるい落とすことができる。
【0065】
また、請求項7記載の発明によれば、フックとコイルばねとからなる引っ掛かりやすく、絡み易い部品であっても、部品を振動させながら突部に衝突させることで、部品の絡みを確実にほぐすことができる。
【0066】
また、請求項8記載の発明によれば、絡みのほぐされたフック付きコイルばねだけを、自由落下により、縦向き姿勢で孔部から一つずつ排出することができる。
【0067】
また、請求項9記載の発明によれば、ふるい落とされた部品が、一つずつ磁気マットに磁着されることで、部品が周囲に散乱することが防止されるとともに、絡みのほぐされた部品が再び絡むことが防止される。
【0068】
また、請求項10記載の発明によれば、スイッチング機構により、アクチュエータの電源がON−OFFされ、容器の振れ回りが断続的に生じる。したがって、絡んでいる部品が不規則に振動し、部品の姿勢が変化して絡みがほぐれやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る部品分離装置の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す部品分離装置の敷板を示したものであり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】図2に示す敷板の突部を形成するねじ部品を示したものであり、(a)は略裁頭円錐形状の頭部を有するねじ部品、(b)は略円錐形状の頭部を有するねじ部品である。
【図4】図1に示す部品分離装置の回転部材を示す斜視図である。
【図5】フック付きコイルばねの平面図を示したものであり、(a)は両側にセンターー起こしの一巻きフックを有するコイルばね、(b)はフックの外径が、コイルばねのコイル径より大きい複雑形状の連続フックを有するコイルばねである。
【図6】本発明に係る部品分離装置の第2の実施形態の回動部材の一部と部品箱を示す斜視図である。
【図7】図6に示す回動部材の作用を説明するための一部断面図である。
【図8】従来の部品分離装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 パーツセパレータ(部品分離装置)
22,45 部品箱(容器)
25 敷板(底板)
26 孔部
27a 突部
30,47 回動部材
33 円板カム(カム)
34,51 軸受
37 プーリーモータ(アクチュエータ)
40,41 フック付きコイルばね(部品)
42a 磁気マット
49 クランク腕
50 クランクピン
D1 孔部の孔径
D3 コイル径(外径)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、絡まった部品の絡みをほぐしながら、部品を一つずつふるい落とす部品分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置としての複写機などに使用されるコイルばねは、数10個ずつ袋詰め又は容器詰めされてメーカから供給されるため、コイルばね同士が絡んでいることが多く、作業者は、コイルばねの絡みをほぐして、一つずつ分離しなければならなかった。このため、装置の組み立てに余計な時間が費やされ、また、作業者がコイルばねの先端でけがをしたり、ほぐす際に力を入れ過ぎてコイルばねを変形させたりするという問題があった。
【0003】
そこで、このような問題の解決を図った従来例の一つとして、図8に示す部品分離装置70が知られている(特許文献1)。この部品分離装置70は、絡まったコイルばね80を遠心力で跳ね飛ばしながら絡みをほぐす、いわゆる遠心分離方式の装置であり、図示されるように、駆動源としてのモータ71と、絡まったコイルばね80が投入される円筒状の部品収容器75とから構成されている。
【0004】
部品収容器75は、上端及び下端が開口形成された筒壁76を有し、上端開口にはパネル79などが宛われ、下端開口にはモータ71の回転軸72とともに回転する回転板73が回動自在に取り付けられている。
【0005】
筒壁76の上端には、外側にL字状に折り曲げられた取付部77が4カ所に設けられていて、この取付部77はパネル79に締付ボルト78によって固定されている。筒壁76の下端側には、回転板73と同一高さの位置に、ほぐされたコイルばね80が外側に排出される排出口76aが開口形成されている。
【0006】
排出口76aは、コイルばね80の外径より僅かに大きく形成され、ほぐされたコイルばね80のみを排出し、絡んだコイルばね80を排出しないようになっている。すなわち、上端開口から投入されたコイルばね80は、回転板73によって跳ね返されて筒壁76に衝突し、衝突時の衝撃力によって絡みがほぐされ、排出口76aから排出されるようになっている。一方、依然として絡んだ状態にあるコイルばね80は、排出口76aより大きい寸法であるために筒壁76内に残り、回転板73によって繰り返し跳ね返されるようになっている。
【0007】
【特許文献1】
実開平6−80734号公報(第16頁、第19図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の部品分離装置70には、解決すべき以下の問題点がある。
【0009】
一つには、絡んだコイルばね80を遠心力により撥ね飛ばし、筒壁76に衝突させる方法では、複雑に絡んだコイルばね80の絡みをほぐしにくいという問題がある。殊に、コイルばね80にフックが付いている場合などには、絡みをほぐすことができないことがある。このような場合は、長時間かけて回転板73を回転させたり、跳ね飛ばされたコイルばね80を筒壁76に強く当てるために、回転板73の角速度(遠心力は角速度の2乗に比例する)を高めたりすることが考えられるが、絡みのほぐされたコイルばね80が排出されるまでの待ち時間が長くなったり、モータ71が加熱して焼損するという心配がある。
【0010】
また一つには、排出口76aから排出されるコイルばね80が遠心力により勢いよく四方に飛び、周囲に散乱するという問題がある。殊に、複数の排出口76aが開口形成されている場合は、コイルばね80が広い範囲に散乱して、収集するのが面倒となる。
【0011】
さらには、コイルばね80のサイズや種類が変更されると、排出口76aの大きさが変わるため、筒壁76を別のものに取り替えなければならず、部品分離装置70の分解作業と組立作業に時間が費やされ、部品分離装置10の稼働率が低下するという問題もある。
【0012】
本発明は、上記した点に鑑み、複雑に絡まった部品のからみを自動で、しかも確実にほぐすことができ、ほぐされた部品を周囲に散乱させることなく容易く収集することができ、部品のサイズ変更などにフレキシブルに対処することができる部品分離装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、部品が収容された容器を振動させることにより、該部品同士の絡みをほぐす部品分離装置であって、前記容器の底板に、絡まっている前記部品を衝突させる複数の突部と、絡みがほぐされた該部品をふるい落とす複数の孔部とが混在して設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、絡まっている部品が、強制振動しつつ容器の底板に突設された突部に衝突して不規則に振動し、その運動エネルギーが増大して絡みがほぐされる。ほぐされた部品は、四方に勢いよく飛んで周囲に散乱することなく、自重により孔部から一つずつふるい落ちる。落下した部品は、絡みがほぐされた状態のままトレイなどに収集されて、次工程に運ばれて装置の組立てに供される。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の部品分離装置において、前記容器を水平方向に振り回すことにより、前記部品を振動させる機構を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、部品が底板に対して水平方向に振動し、部品と突部との当たりが強くなり、複雑に絡んでいる部品の絡みが容易くほぐされる。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の部品分離装置において、前記容器を振動させるためのアクチュエータと、該アクチュエータの動力により回転する一対の回動部材とが備わり、該一対の回動部材にはカムがそれぞれ設けられ、該カムには、軸受を介して前記容器が吊設されたことを特徴とする。
上記構成によれば、例えば、ベルト伝動などによりモータの主軸とともに一対の回動部材が同期をとって回転することにより、容器が自転することなく振れ回る(公転する)。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の部品分離装置において、前記容器を振動させるためのアクチュエータと、該アクチュエータの動力により回転する一対の回動部材とが備わり、該一対の回動部材には、クランク腕を介してクランクピンがそれぞれ設けられ、該クランクピンには、軸受を介して前記容器が吊設されたことを特徴とする。
上記構成によれば、請求項3記載の発明の作用に加え、容器をより大きな振れで振り回すことができ、サイズの大きな部品の絡みをほぐすことができる。
【0017】
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の部品分離装置において、前記底板が、前記容器に対して着脱可能に固定されることを特徴とする。
上記構成によれば、突部及び孔部の配列、大きさ、形状、数などが異なる底板を予め複数用意しておくことで、部品のサイズや種類に応じた底板を使い分けることができる。
【0018】
また、請求項6記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1項に記載の部品分離装置において、好ましくは、前記容器の振れ回りの回転数が100〜500rpm、振れが10〜35mmであることを特徴とする。
上記構成によれば、小物で精密なコイルばねの絡みをほぐす場合において、振れ回りの回転数が100rpmより小さい場合や振れが10mmより小さい場合は、絡んでいる部品の振動エネルギーが小さすぎて、絡みをほぐすことができないことがあり、逆に、振れ回りの回転数が500rpmより大きい場合や振れが35mmより大きい場合は、絡んでいる部品の振動エネルギーが大きすぎて、部品が変形したり、孔部から部品がふるい落ちないことがあったりする。このため、振れ回りの回転数が100〜500rpm、振れが10〜35mmの条件下で、部品に変形を生じさせることなく、絡みを確実にほぐすことができ、しかも孔部から部品を一つずつ確実にふるい落とすことができる。
【0019】
また、請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の部品分離装置において、前記部品がフック付きコイルばねであることを特徴とする。
上記構成によれば、引っ掛かりやすく、絡み易いフックとコイルばねとからなる部品であっても、部品が振動しながら突部に衝突することによって、確実に絡みがほぐされる。
【0020】
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の部品分離装置において、前記孔部が、前記フック付きコイルばねの外径又はフックの外径より若干大きい孔径に形成され、該フック付きコイルばねが該孔部から縦向き姿勢で自由落下することを特徴とする。
上記構成によれば、孔部からは、絡みのほぐされたフック付きコイルばねだけが縦向き姿勢で排出され、絡んでいるフック付きコイルばねは排出されない。また、フック付きコイルばねは、自由落下して排出されるから、周囲に散乱することが防止される。
【0021】
また、請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の部品分離装置において、前記容器の下方に、ふるい落とされた前記部品を磁着させる磁気マットが設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、ふるい落とされた部品が、一つずつ磁気マットに磁着されるから、部品をトレイに載せて次工程に運搬する際などに絡みのほぐされた部品が再び絡むことが防止される。
【0022】
また、請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の部品分離装置において、前記容器を断続的に振動させるためのスイッチング機構を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、スイッチング機構により、アクチュエータの電源がON−OFFされ、容器の振れ回りが断続的に生じ、絡んでいる部品が不規則に振動し、絡みがより確実にほぐされる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明に係るパーツセパレータ(部品分離装置)10の第1の実施形態を示すものである。
【0024】
図1に示されるパーツセパレータ10は、絡んでいるフック付きコイルばね(部品)40,41を振動させながら衝突させることで、絡みをほぐしながら、一つずつ排出する部品分離装置である。このフック付きコイルばね40,41は、画像形成装置の組立てに使用される部品である。部品には、図5に示されるような引張荷重を受けるフック付きコイルばね40,41の他に、圧縮コイルばね、ねじりコイルばね、板ばね、皿ばね、渦巻きばね、ジグザグばねや、ばね座金や、Oリングや、フィラメント、各種クリップなどの部品が包含される。殊に、本発明のパーツセパレータ10は、従来の部品分離装置70では絡みをほぐすことができなかった複雑に絡むフック付きコイルばね40,41に好適する。
【0025】
本発明のパーツセパレータ10は、部品箱(容器)22の敷板(底板)25に、絡まっているフック付きコイルばね40,41を衝突させる複数の突部27aと、絡みがほぐされたフック付きコイルばね40,41をふるい落とす複数の孔部26とが規則的又は不規則的に設けられたものであり、部品箱22をプーリーモータ(アクチュエータ)37で振り回すことにより、部品箱22に収容された絡まったフック付きコイルばね40,41を振動させながら、複数の突部27aに衝突させて、強制振動と衝突の相乗効果により絡みをほぐすとともに、絡みがほぐされたフック付きコイルばね40,41を孔部26から一つずつふるい落とすことを第1の特徴とするものである。
【0026】
このパーツセパレータ10によれば、フック付きコイルばね40,41が突部27aに衝突して、フック付きコイルばね40,41の振動が不規則振動に変化するとともに、フック付きコイルばね40,41の運動エネルギーが増大することで、フック付きコイルばね40,41の絡みが確実にほぐされるようになっている。絡みがほぐされたフック付きコイルばね40,41は、自重により孔部26から一つずつふるい落ち、絡みがほぐされた状態のまま収集トレイ42などに収集されるようになっている。
【0027】
フック付きコイルばね40,41のからみを短時間で自動でほぐすことができるから、余計な時間が費やされることがなくなり、画像形成装置の組立作業性が低下するという問題が解消され、装置組立ラインの生産性が向上する。また、作業者がフック付きコイルばね40,41の先端でけがをしたり、ほぐす際にフック付きコイルばね40,41を変形させたりするという問題が解消される。
【0028】
以下に、パーツセパレータ10の主要構成部分及びその作用について詳細に説明する。
パーツセパレータ10は、構造体としてのセパレータ本体12と、フック付きコイルばね40,41が収容される部品箱22と、部品箱22を振り回す回動部材30と、アクチュエータとしてのプーリーモータ37とから構成されている。
【0029】
セパレータ本体12は、逆L字状をなし、プレート状のベース14と、ベース14に立設された胴体部15と、胴体部15に続く頭部18とからなっている。ベース14の前側には、磁気マット42aが敷かれた収集トレイ42が載置され、絡みのほぐされたフック付きコイルばね40,41が衝撃を受けないように収集されるようになっている。また、落下したフック付きコイルばね40,41は、磁力により磁気マット42aに磁着して、周囲に散乱しないようになっているとともに、ほぐされた部品が再び絡むことが防止されている。ベース14の後側には、胴体部15が垂直に立設されるとともに、プーリーモータ37が配設されている。
【0030】
駆動源としてプーリーモータ37は、原動プーリー39を回転軸38の先端側に備えるとともに、図示しない減速機構を内蔵するモータである。原動プーリー39は、タイミングベルト36に噛み合うタイミングプーリーであり、タイミングベルト36が滑ることなく、プーリーモータ37の動力が従動プーリー32に確実に伝わるようになっている。減速機構は、歯車のかみ合わせにより、減速比が決定されて、プーリーモータ37の回転数が調整されるようになっている。
【0031】
プーリーモータ37の回転数は、好ましくは、部品箱22の振れ回りの回転数が100〜500rpmの範囲内になるように調整されている。振れ回りの回転数が100rpmより小さい場合は、絡んでいるフック付きコイルばね40,41の振動エネルギーが小さすぎて、絡みをほぐすことができないことがあり、逆に、振れ回りの回転数が500rpmより大きい場合は、絡んでいるフック付きコイルばね40,41の振動エネルギーが大きすぎて、フック付きコイルばね40,41が変形したり、孔部26からフック付きコイルばね40,41が縦向き姿勢でふるい落ちないことがあったりするためである。
【0032】
また、プーリーモータ37は、スイッチング機構により、図示しないタイマーにより任意の間隔(例えば、5秒間隔)でその電源がスイッチングされ、部品箱22を断続的に振り回すことができるようになっている。プーリーモータ37の電源がON−OFF制御されると、絡んでいるフック付きコイルばね40,41の姿勢が変わり、フック付きコイルばね40,41が不規則に振動して、複雑に絡んだフック付きコイルばね40,41の絡みがほぐしやすくなる。
【0033】
胴体部15は、所定の間隔を開けて前後に相対向する前板16と、後板17とからなっている。左右両側は、開口形成されていて、何れかの開口からプーリーモータ37が組み付けられるようになっている。プーリーモータ37が組み付けられた後は、両側の開口に図示しない当て板などが宛われ、プーリーモータ37が外部干渉から保護されるようになっている。当て板は、網目状に形成されていて、外部に熱が放出されるようになっている。
【0034】
頭部18は、箱状をなしていて、後側には胴体部15の上端が連なり、片持ち梁状に前方に迫り出す前側には部品箱22が吊設されている。頭部18後側で底板19の左右方向の中間位置には、プーリーモータ37の回転軸38を軸通させる軸孔19aが開けられている。軸孔19aには、軸受20が嵌合されており、回転軸38が軸受20に軸支されて、回転軸38の円滑な回転が保証されている。頭部18前側の底板19には、一対の従動軸31,31が軸通される軸孔19bがそれぞれ開けられている。この軸孔19bにも、軸受34が嵌合されて従動軸31が軸支されるようになっている。従動プーリー32と原動プーリー39は、タイミングプーリーであり、歯付けされたタイミングベルト36が張設されることで、従動プーリー32が従動回転されるようになっている。
【0035】
図4に示されるように、一対の回動部材30,30は、従動軸31と、従動プーリー32と、両面に挟み板33bを有する円板カム33とからなっている。従動プーリー32と円板カム33との間には軸受34が設けられている。従動軸31は、従動プーリー32及び軸受34の中心位置を、円板カム33の中心から偏心距離R1だけ偏った位置をそれぞれ軸通し、ベルト伝動により従動回転されるようになっている。
【0036】
回動部材30が一対設けられたのは、部品箱22の姿勢を一定状態に保ったまま、一対の従動軸31,31の回転とともに部品箱22を振り回すためである。この場合、部品箱22自体を自転させずに部品箱22を振り回す(公転させる)には、一対の回動部材30,30を同期させて同方向に回転させる必要がある。一対の従動プーリー32,32はタイミングプーリーであるため、タイミングベルト36と従動プーリー32との間で滑りが生じず、一対の回動部材30,30が同期をとって回転できるようになっている。
【0037】
従動軸31の上側に設けられた従動プーリー32は、円板状をなしていて、中心には従動軸31を軸通させる軸孔32aが形成され、外周には歯付けされたタイミングベルト36に噛み合う歯32bが所定のピッチで形成されている。タイミングベルト36と従動プーリー32とが噛み合うことにより伝動が行われるため、タイミングベルト36と従動プーリー32との滑りが防止されて、動力効率の良い伝動が行われるようになっている。
【0038】
従動軸31の下側に設けられた円板カム33は、上述したように円の中心から偏心距離R1だけ離れた位置に従動軸31に対する軸孔32aを有している。円板カム33は、この軸孔33aを回動中心とし、偏心距離R1の2倍の振れで従動軸31とともに偏心回転する。
【0039】
円板カム33は、好ましくは、部品箱22の振れが10〜35mmとなるように、偏心距離R1が定められている。振れが10mmより小さい場合は、絡んでいるフック付きコイルばね40,41の振動エネルギーを大きくできず、フック付きコイルばね40,41の絡みをほぐすことができないことがあり、逆に、振れが35mmより大きい場合は、絡んでいるフック付きコイルばね40,41の振動エネルギーが大きくなりすぎて、フック付きコイルばね40,41が変形したり、孔部26からフック付きコイルばね40,41が縦向き姿勢でふるい落ちないことがあったりするためである。
【0040】
一対の円板カム33,33は、部品箱22の天板23のカム孔に填め込まれている図示しない軸受にそれぞれ回動自在に嵌合される。すなわち、部品箱22は、円板カム33に吊設され、円板カム33が偏心回転すると、部品箱22がその姿勢を一定に保ったまま従動軸31の周りを振れ回るようになっている。
【0041】
円板カム33の上下両面には、円板カム33より大径の挟み板33b,33bが対向して設けられている。このため、一対の挟み板33b、33bの周辺部は、円板カム33の周辺部の半径方向外側に張り出し、部品箱22が引っかかり、部品箱22が吊設されるようになっている。一対の挟み板33b、33bの相対向する距離は、部品箱22の天板23の板厚寸法と同等の寸法に設定されているため、部品箱22が上下にがたつきを生じることなく、振れ回ることができるようになっている。
【0042】
部品箱22は、箱状をなし、前側及び底側が開口形成されていて、例えば、縦140mm、横180mm、高さ60mmに形成されている。前側開口から、複数の突部27aと孔部26とを有する敷板25が挿入され、底側開口にこの敷板25が宛われるようになっている。敷板25は、ねじなどにより固定されるため、部品箱22が振れ回っても外れないようになっている。図示される敷板25はプレート状に形成されているが、本発明は、敷板25をプレート状とすることに限定するものではなく、敷板25の縁に矩形状の枠が一体的に形成された箱状のものであってもよい。
【0043】
図2に示されるように、敷板25は、部品箱22の底に対応する寸法に形成されている。例えば、縦136mm、横175mm、厚さ2mmに形成されている。また、突部27a及び孔部26の配列、大きさ、形状、数などは、フック付きコイルばね40,41のサイズや種類に応じて任意に定められるものであるが、コイル径(外径)D3(フックの外径D5)がφ10mmのフック付きコイルばね40,41に対しては、一例として、突部27a及び孔部26が規則的に配列され、孔部26の孔径D1がφ11mmに形成され、突部の高さtが6mmに形成され、孔部26が24個、突部27aが9個形成された敷板25が使用される。
【0044】
孔部26は、7列に形成されていて、3つ孔の列と4つ孔の列とが交互に配列されている。突部27aは、3つの孔部26のほぼ中央に突設されている。隣り合う列の間には、突部27aが位置していて、右から1列目と2列目の間には、一つの突部27aが突設され、2列目と3列目との間には、2つの突部27aが突設され、3列目と4列目の間には一つの突部27aが突設されている。以下同様にして、突部27aが規則的に形成されている。
【0045】
この実施形態では、突部27aの外径D3が孔部26の孔径D1より小さい寸法に形成されているが、突部27aの外径D3を孔部26の孔径D1より大きい寸法に形成することも可能である。突部27aの外径D3は、フック付きコイルばね40,41のサイズを配慮して、フック付きコイルばね40,41の動きを拘束しないように設定することが好ましい。
【0046】
また、敷板25は、部品箱22に対して着脱自在に交換可能であることも本発明の特徴である。敷板25を交換することで、フック付きコイルばね40,41のサイズ変更や種類変更にフレキシブルに対処することができ、コイル径D3(フックの外径D5)がφ5〜15mm、ばねの自由長Lが2〜60mm、線径D4が0.2〜1.0mmの各種コイルばねの絡みをほぐすことができるようになっている。
【0047】
孔部26の孔径D1は、フック付きコイルばね40,41のコイル径D3(フックの外径D5)より1mm程度大きい孔径D1に形成されることが望ましい。このようにすれば、絡んでいるフック付きコイルばね40,41は孔部26から排出されず、絡みのほぐされたフック付きコイルばね40,41だけを孔部26から縦向き姿勢で自由落下させることができるからである。
【0048】
図3に示されるように、突部27aは、敷板25の上面から突出した笠状部分であり、雄ねじ部品27に一体的に形成されている。雄ねじ部27bはM3×0.5のメートル並目ねじであり、笠形状は任意であるが、例えば略裁頭円錐形状(図3(a))や略円錐形状(図3(b))、略球形状(図示せず)や略柱形状(図示せず)、テーパ形状などに形成される。図3(a)に示される突部27aの外周面には、複数の縦筋が形成されており、突部27bに当たるフック付きコイルばね40,41の摩擦力が大きくなり、絡みがほぐしやすくなっている。
【0049】
図5(a)に示されるフック付きコイルばね40は、コイル径D3、ばねの自由長L、両端部にセンター起こしの一巻き丸フック40aを有するコイルばねである。フック形状は、図示される一巻き丸フック40aに限定されるものではなく、コイル半巻起こした半丸フックや、コイル一巻をねじりおこした逆丸フックや、コイル一巻を側面に起こした側面丸フックや、端部を角型に起こした角フックや、端部をU字型に起こしたUフックや、端部をV字型に起こしたVフックや、コイル端部のコイル径を順次小さくした絞り丸フックや、コイル端部は特に加工を施さずフックとして別の金具類をねじ込んだねじ込みフックや、コイルの一巻を斜めに傾けて起こした斜め丸フックなどに形成されたものであってもよい。
【0050】
また、フック付きコイルばねは、図5(b)に示されるように、一巻きのフック40aをコイルばね40bの一方の側に起こし、大きさの異なる二つのフック40aをコイルばね40bの他方の側に起こした連続フックを有するフック付きコイルばね41であってもよい。フック40aの外径D5が、コイルばね40bのコイル径D3より大きい場合は、敷板25の孔部26の孔径D1をフックの外径D5より1mm程度大きい寸法に形成することが好ましい。
【0051】
次に、本発明に係るパーツセパレータ10の第2の実施形態について、図6及び図7を参照しながら説明する。第1の実施形態と同一構成部分については、同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0052】
図示されるように、本実施形態のパーツセパレータには、部品箱45を振り回す回動部材47に、円板カム33に代えてクランク腕49とクランクピン50とが設けられており、この点が、第1の実施形態のパーツセパレータ10と相違する点である。クランク腕49は、従動軸48とクランクピン50とを連ねる連結部材であり、部品箱45は、腕の長さR2を回転半径として振れ回ることができるようになっている。すなわち、腕の長さR2の2倍が回転する部品箱45の振れとなっている。このため、部品箱45をより大きな振れで振り回すことができ、比較的サイズの大きなフック付きコイルばね40,41の絡みをほぐすことが可能となる。
【0053】
クランクピン50は、周辺部に環状の段部51aを有する軸受51に回動自在に軸支されて、クランク腕49と一体に回転する。部品箱45の天板46が、軸受51の段部51aに引っかかることで、部品箱45が吊らされた状態に保持されてクランクピン50とともに回動するようになっている。部品箱45の天板46に形成された開口46aからは、フック付きコイルばね40,41が投入されるようになっている。
【0054】
本実施形態の回動部材47も一対設けられていて、回動部材47が同期して同方向に回転することで、部品箱45の姿勢が一定状態に保たれ、部品箱45自体が自転することなく、一対の従動軸48,48の周りを振れ回るようになっている。
【0055】
なお、敷板25に突設された突部27aは、着脱自在に取り付け可能な雄ねじ部品27でなくてもよく、敷板25に一体形成された突部であってもよい。敷板25に形成された孔部26は丸孔であるが、絡みのほぐされた部品と絡みのほぐされていない部品とふるい分けできるものであれば長孔とすることもできる。
【0056】
また、第1の実施形態の円板カム33に代えて楕円形状のカムを設け、楕円形状のカムの周辺部が部品箱22を叩くようにすることもできる。部品箱22の振動は、2次元振動に限定されるものではなく、1次元の単振動や3次元の振動でもよい。部品箱22を振動させるための方法は、ベルト伝動に限るものではなく、振動させるための種々の機構を適宜設定することができる。
【0057】
さらに、上記部品分離装置の構成は、部品分離方法においても有効であり、部品分離装置の構成から把握される請求項記載以外の発明の構成を以下に記載する。
【0058】
部品40,41が収容された容器22,45を振り回すことにより、部品40,41を振動させ、部品40,41同士の絡みをほぐす部品分離方法であって、容器22,45の敷板25に突設された複数の突部27aに、絡まっている部品40,41を振動させながら衝突させ、絡まっている部品の運動エネルギーを増大させて絡みをほぐし、敷板25に孔設された複数の孔部26から絡みがほぐされた部品40,41を一つずつふるい落とすことを特徴とする部品分離方法。
【0059】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、多数の絡まっている部品が収容された容器が振動すると、絡まっている部品が、強制振動しつつ容器の敷板に突設された突部に衝突し、不規則に振動して、その運動エネルギーが増大する。絡みがほぐされた部品は、自重により孔部から一つずつふるい落ちる。したがって、振動と衝突の相乗効果で部品のからみを確実にほぐすことができ、また、ほぐされた部品を四方に散乱させることなく、容易く収集することができる。
【0060】
また、請求項2記載の発明は、部品を振動させる機構を備えることで、部品が底板に対して水平方向に振動し、部品と突部との当たりが強くなる。したがって、複雑に絡んでいる部品の絡みを容易くほぐすことができる。
【0061】
また、請求項3記載の発明によれば、アクチュエータにより、一対の回動部材が同期をとって回転すると、容器が自転することなく、同じ姿勢のまま振れ回り運動をする。したがって、容器内に収容された絡まった部品を2次元振動させながら敷板に突設された突部に衝突させることができ、部品の絡みを自動でほぐすことができる。
【0062】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明の作用に加え、容器をより大きな振れで振り回すことができ、サイズの大きな部品の絡みをほぐすことができる。
【0063】
また、請求項5記載の発明によれば、突部及び孔部の配列、大きさ、形状、数などが異なる敷板を予め複数用意しておくことで、部品のサイズや種類に応じた敷板を使い分けることができる。したがって、部品のサイズ変更や種類の変更にフレキシブルに対処することができ、部品分離装置の取り扱い性・稼働性が向上する。
【0064】
また、請求項6記載の発明によれば、絡んでいる部品の振動エネルギーが小さすぎず、大きすぎず、部品に変形が生じることなく、絡みを確実にほぐすことができ、しかも孔部から部品を一つずつ確実にふるい落とすことができる。
【0065】
また、請求項7記載の発明によれば、フックとコイルばねとからなる引っ掛かりやすく、絡み易い部品であっても、部品を振動させながら突部に衝突させることで、部品の絡みを確実にほぐすことができる。
【0066】
また、請求項8記載の発明によれば、絡みのほぐされたフック付きコイルばねだけを、自由落下により、縦向き姿勢で孔部から一つずつ排出することができる。
【0067】
また、請求項9記載の発明によれば、ふるい落とされた部品が、一つずつ磁気マットに磁着されることで、部品が周囲に散乱することが防止されるとともに、絡みのほぐされた部品が再び絡むことが防止される。
【0068】
また、請求項10記載の発明によれば、スイッチング機構により、アクチュエータの電源がON−OFFされ、容器の振れ回りが断続的に生じる。したがって、絡んでいる部品が不規則に振動し、部品の姿勢が変化して絡みがほぐれやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る部品分離装置の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す部品分離装置の敷板を示したものであり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】図2に示す敷板の突部を形成するねじ部品を示したものであり、(a)は略裁頭円錐形状の頭部を有するねじ部品、(b)は略円錐形状の頭部を有するねじ部品である。
【図4】図1に示す部品分離装置の回転部材を示す斜視図である。
【図5】フック付きコイルばねの平面図を示したものであり、(a)は両側にセンターー起こしの一巻きフックを有するコイルばね、(b)はフックの外径が、コイルばねのコイル径より大きい複雑形状の連続フックを有するコイルばねである。
【図6】本発明に係る部品分離装置の第2の実施形態の回動部材の一部と部品箱を示す斜視図である。
【図7】図6に示す回動部材の作用を説明するための一部断面図である。
【図8】従来の部品分離装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 パーツセパレータ(部品分離装置)
22,45 部品箱(容器)
25 敷板(底板)
26 孔部
27a 突部
30,47 回動部材
33 円板カム(カム)
34,51 軸受
37 プーリーモータ(アクチュエータ)
40,41 フック付きコイルばね(部品)
42a 磁気マット
49 クランク腕
50 クランクピン
D1 孔部の孔径
D3 コイル径(外径)
Claims (10)
- 部品が収容された容器を振動させることにより、該部品同士の絡みをほぐす部品分離装置であって、
前記容器の底板に、絡まっている前記部品を衝突させる複数の突部と、絡みがほぐされた該部品をふるい落とす複数の孔部とが混在して設けられたことを特徴とする部品分離装置。 - 前記容器を水平方向に振り回すことにより、前記部品を振動させる機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の部品分離装置。
- 前記容器を振動させるためのアクチュエータと、該アクチュエータの動力により回転する一対の回動部材とが備わり、該一対の回動部材にはカムがそれぞれ設けられ、該カムには、軸受を介して前記容器が吊設されたことを特徴とする請求項1又は2記載の部品分離装置。
- 前記容器を振動させるためのアクチュエータと、該アクチュエータの動力により回転する一対の回動部材とが備わり、該一対の回動部材には、クランク腕を介してクランクピンがそれぞれ設けられ、該クランクピンには、軸受を介して前記容器が吊設されたことを特徴とする請求項1又は2記載の部品分離装置。
- 前記底板が、前記容器に対して着脱可能に固定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の部品分離装置。
- 好ましくは、前記容器の振れ回りの回転数が100〜500rpm、振れが10〜35mmであることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の部品分離装置。
- 前記部品がフック付きコイルばねであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の部品分離装置。
- 前記孔部が、前記フック付きコイルばねの外径又はフック40aの外径より若干大きい孔径に形成され、該フック付きコイルばねが該孔部から縦向き姿勢で自由落下することを特徴とする請求項7記載の部品分離装置。
- 前記容器の下方に、ふるい落とされた前記部品を磁着させる磁気マットが設けられたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の部品分離装置。
- 前記容器を断続的に振動させるためのスイッチング機構を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の部品分離装置。
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-
2003
- 2003-02-25 JP JP2003047272A patent/JP2004256210A/ja active Pending
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