JP2004255710A - 焼成インク画像形成方法および該方法で使用される焼成インク画像形成用シート - Google Patents

焼成インク画像形成方法および該方法で使用される焼成インク画像形成用シート Download PDF

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Tsuneyuki Amano
恒行 天野
Makoto Kai
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Abstract

【課題】無機系部材の表面に、非画線部には違和感がなく、歪みや欠陥のない焼成インク画像を形成できる焼成インク画像形成方法を提供する。
【解決手段】焼成インク画像形成方法は、無機系部材の表面に焼成処理されたインク画像を形成する方法であって、下記工程A〜Cを具備することを特徴とする。工程A:ホットメルト接着層を有する焼成インク画像形成用シートのホットメルト接着層の表面に、耐熱性着色剤を含有するインクによるインク画像を形成する工程;工程B:表面にインク画像が形成されたホットメルト接着層を有する焼成インク画像形成用シートを、無機系部材に、前記ホットメルト接着層のインク画像が形成された表面が接触するように重ね合わせて、ホットメルト接着層を無機系部材に接着させる工程;工程C:ホットメルト接着層が接着された無機系部材を高温加熱処理する工程
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機系部材の表面に焼成インク画像を形成する焼成インク画像形成方法および、該焼成インク画像形成方法で用いられる焼成インク画像形成用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガラス製品(ブラウン管等)や陶磁器などに貼付けて、所定条件で焼成することにより、粘着剤等の有機成分を焼失させ、ガラス成分(セラミック化成分)を含むインクをガラス製品や陶磁器などに強固に焼き付けるパターン形成用シートが知られている(特許文献1〜特許文献6参照)。このようなパターン形成用シートとしては、例えば、基体(グリーンシート)の一方の面に、ガラス成分を含むインクを塗布しパターンを形成して用いることができ、この際、前記基体の他方の面に形成された粘着層により、ガラス製品や陶磁器などの表面に貼り付けることができ、従って、ラベル(焼成用ラベル)としての機能を有している。前記焼成用ラベルにおけるグリーンシートは、無機化合物やガラス成分を含有しており、また、ラベルの基材となっているので、ラベルとしてのハンドリング性を持たせるため、ある程度のバインダー比率と厚みが必要である。
【0003】
具体的には、このような焼成用ラベルでは、熱転写等のインク塗布方法により、グリーンシート上にパターンが形成されており、このグリーンシート上に形成されたパターンは、グリーンシート、粘着剤を介してガラス製品や陶磁器などの被着体上に貼り付け固定された後、高温加熱工程を経ることにより、粘着剤、グリーンシート及びインク中の有機成分が焼失し、さらにインク中及びグリーンシート中のガラス成分(ガラスフリットなど)が焼結し、これにより、被着体上にセラミック化されたパターンが形成されている。
【0004】
【特許文献1】
特公平7−45258号公報
【特許文献2】
特開平8−337042号公報
【特許文献3】
特開平9−330031号公報
【特許文献4】
特開平10−207368号公報
【特許文献5】
特開2000−85251号公報
【特許文献6】
特開2000−98902号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、粘着剤及びグリーンシート中の有機成分は、高温加熱工程を経ることによる焼失の際には、グリーンシートの他方の面に形成されているパターンを通り抜けているため、形成されたパターンに歪みや欠陥が生じやすい。
【0006】
特に、ラベル基体(グリーンシート)自体にもガラス成分が含まれている場合、ラベル基体自体も高温加熱処理により焼成されて被着体に焼き付ついてしまい、この際に、被着体としての透明なガラス板上にパターンのみを形成したい場合、すなわち、焼成処理されたインク画像(「焼成インク画像」と称する場合がある)が形成されていない部分である非画線部に、優れた透明性及び元のガラスに近い風合いが要求される場合、ラベル基体自体がセラミック化するため、十分な透明性や違和感の無い風合いが得られにくい。
【0007】
従って、本発明の目的は、無機系部材の表面に、焼成インク画像を歪みや欠陥を抑制又は防止して形成することができる焼成インク画像形成方法および該焼成インク画像形成方法で使用される焼成インク画像形成用シートを提供することにある。
本発明の他の目的は、無機系部材の表面に、該焼成インク画像が形成されていない非画線部の透明性が高く且つその風合いには違和感がなく、焼成インク画像を形成することができる焼成インク画像形成方法および該焼成インク画像形成方法で使用される焼成インク画像形成用シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、ホットメルト接着層と剥離ライナーとからなる焼成インク画像形成用シートを用いるとともに、インクの主成分が無機顔料とガラスフリットとからなるインクリボンを用い、前記焼成インク画像形成用シートのホットメルト接着層上に、熱転写により、前記インクリボンのインクを転写して、パターンを形成した後、被着体としてのガラス製品にホットメルト層を重ね合わせ、加熱圧着により接着させ、その後、剥離ライナーを剥離し、さらに、高温加熱工程を経て焼成させると、ガラス製品に、歪みや欠陥がない焼成インク画像を形成することができ、しかも、該焼成インク画像が形成されていない非画線部は、透明性が高く且つその風合いにも違和感がないことを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
【0009】
すなわち、本発明は、無機系部材の表面に焼成処理されたインク画像を形成する方法であって、下記工程A〜Cを具備することを特徴とする焼成インク画像形成方法を提供する。
工程A:ホットメルト接着層を有する焼成インク画像形成用シートのホットメルト接着層の表面に、耐熱性着色剤を含有するインクによるインク画像を形成する工程
工程B:表面にインク画像が形成されたホットメルト接着層を有する焼成インク画像形成用シートを、無機系部材に、前記ホットメルト接着層のインク画像が形成された表面が接触するように重ね合わせて、ホットメルト接着層を無機系部材に接着させる工程
工程C:ホットメルト接着層が接着された無機系部材を高温加熱処理する工程
【0010】
前記工程Aにおけるインクとしては、耐熱性着色剤及びガラス成分を含有するインクを用いることができる。また、工程Aにおけるインク画像を、熱転写方法により形成することができる。
【0011】
本発明の焼成インク画像形成方法では、焼成インク画像形成用シートが、ホットメルト接着層のインク画像が形成された面の反対側の面に、剥離ライナーを有していることが好ましく、この際、工程Cが、剥離ライナーを剥離させた後、ホットメルト接着層が接着された無機系部材を高温加熱処理する工程であることが好適である。
【0012】
前記ホットメルト接着層の厚みとしては1〜80μmが好ましい。
【0013】
また、本発明は、ホットメルト接着層を有する焼成インク画像形成用シートであって、前記焼成インク画像形成方法で使用されることを特徴とする焼成インク画像形成用シートを提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の焼成インク画像形成方法は、無機系部材の表面に焼成処理されたインク画像を形成する方法であり、下記工程A〜Cを具備している。
工程A:ホットメルト接着層を有する焼成インク画像形成用シートのホットメルト接着層の表面に、耐熱性着色剤を含有するインクによるインク画像を形成する工程
工程B:工程Aにより得られた、表面にインク画像が形成されたホットメルト接着層を有する焼成インク画像形成用シートを、無機系部材に、前記ホットメルト接着層のインク画像が形成された表面が接触するように重ね合わせて、ホットメルト接着層を無機系部材に接着させる工程
工程C:工程Bにより得られた、ホットメルト接着層が接着された無機系部材を高温加熱処理する工程
【0015】
[工程A]
工程Aでは、ホットメルト接着層を有する焼成インク画像形成用シートのホットメルト接着層の表面に、耐熱性着色剤を含有するインク(「耐熱性インク」と称する場合がある)によるインク画像を形成している。
【0016】
(焼成インク画像形成用シート)
本発明の焼成インク画像形成方法で使用される焼成インク画像形成用シートは、ホットメルト接着層を有している。該ホットメルト接着層はホットメルト接着剤により形成されている。前記ホットメルト接着剤としては、公知のホットメルト接着剤を用いることができる。このようなホットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂やエラストマー(熱可塑性エラストマー等)などをベースポリマーとしている。なお、ベースポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0017】
前記ホットメルト接着剤において、ベースポリマーの熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられ、ポリオレフィン系樹脂や酢酸ビニル系樹脂が好適である。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン系共重合体[例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)などのエチレン−不飽和カルボン酸共重合体;アイオノマー;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン−ビニルアルコール共重合体など]の他、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒法ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、α−オレフィン共重合体(エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体など)などのポリオレフィン;ポリプロピレン変性樹脂などが挙げられる。また、酢酸ビニル系樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−ビニルエステル共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
【0018】
また、ホットメルト接着剤において、ベースポリマーの熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)などのスチレン系熱可塑性エラストマー(スチレン系ブロックコポリマー;例えばスチレン含有量5重量%以上のスチレン系ブロックコポリマー);ポリウレタン系熱可塑性エラストマー;ポリエステル系熱可塑性エラストマー;ポリプロピレンとEPT(三元系エチレン−プロピレンゴム)とのポリマーブレンドなどのブレンド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0019】
ホットメルト接着剤としては、ベースポリマーが熱可塑性樹脂(なかでもポリオレフィン系樹脂、特にエチレン−酢酸ビニル系樹脂)であるホットメルト接着剤を好適に用いることができる。ホットメルト接着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0020】
なお、ホットメルト接着剤には、粘着付与樹脂、ワックス、帯電防止剤、充填剤、酸化防止剤、滑剤、造核剤、保水剤、紫外線吸収剤、防錆剤、軟化剤、界面活性剤、カップリング剤、架橋剤などの添加剤が含まれていてもよい。
【0021】
ホットメルト接着層は、押出ラミネート方法(シングル又はタンデム押出しラミネート方法、共押出ラミネート方法など)や、ホットメルトコーター等のコーターによる塗布方法などの公知の方法を利用して形成することができる。例えば、ホットメルト接着剤の構成成分(ベースポリマーの他、粘着付与樹脂等の各種添加剤など)を所定の配合割合に混錬機でメルトブレンドしてペレット化したもの、又はドライブレンドしたものを公知のシングル又はタンデム押出しラミネート法により、剥離ライナーの剥離面上にラミネートすることにより、ホットメルト接着層を形成することができる。
【0022】
ホットメルト接着層の厚みとしては、特に制限されず、例えば、1〜80μm(好ましくは5〜40μm)である。特に、ホットメルト接着層の少なくとも一方の面が剥離ライナーにより保護されている場合、該ホットメルト接着層は剥離ライナーにより支持することができるので、ホットメルト接着層は、厚みが薄く、剛性を有していなくてもよい。ただし、ホットメルト接着層の厚みは1μm未満では被着体への十分な接着性が得られない場合があり、80μmを超えると、高温加熱工程に必要以上に時間がかかったり、有機残渣物が残って着色したり、焼成するまでにインク画像(パターンなど)が流動して歪んだりする場合がある。
【0023】
なお、ホットメルト接着層は単層、積層のいずれの形態を有していてもよい。
【0024】
ホットメルト接着層の軟化点(ビカット軟化点)としては、例えば、45〜150℃(好ましくは50〜100℃)程度であることが好ましい。ホットメルト接着層の軟化点は、ベースポリマー(熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなど)の種類などを適宜選択することにより調整することができる。
【0025】
本発明では、ホットメルト接着層は有機成分のみから構成されていることが重要である。従って、ホットメルト接着剤が添加剤を含んでいる場合は、添加剤も有機成分であることが重要である。
【0026】
本発明における焼成インク画像形成用シートでは、ホットメルト接着層のインク画像を形成する面の反対側の面には、有機成分のみからなる層(「有機成分層」と称する場合がある)が設けられていてもよく、または、剥離ライナーが設けられていてもよい。一方、ホットメルト接着層のインク画像を形成する面は、インク画像を形成するまでの間、剥離ライナーにより保護されていることが好ましい。
【0027】
なお、前記有機成分層としては、例えば、有機成分のみからなる基材(有機系基材)を用いることができる。該有機系基材としては、例えば、有機系プラスチックフィルム、紙、布、不織布などが挙げられる。
【0028】
従って、焼成インク画像形成用シートのホットメルト接着層は、少なくとも一方の面が剥離ライナーにより保護されていることが好ましい。具体的には、焼成インク画像形成用シートは、ホットメルト接着層の片面に両面が剥離面となっている剥離ライナーが積層された積層体が、ロール状に巻回された形態を有していてもよく、前記積層体(シート状の積層体)が積層された形態を有していてもよい。または、焼成インク画像形成用シートは、ホットメルト接着層の両面のそれぞれの面に、片面のみが剥離面となっている剥離ライナーが積層された形態を有していてもよい。あるいは、焼成インク画像形成用シートは、ホットメルト接着層のインク画像を形成する面の反対側の面に有機系基材が積層され、一方、インク画像を形成する面に片面のみが剥離面となっている剥離ライナーが積層された形態を有する構成であってもよい。
【0029】
なお、剥離ライナーとして、ホットメルト接着層のインク画像を形成する面に積層された剥離ライナーは、工程Aにおけるインク画像の形成前に剥離し、一方、ホットメルト接着層のインク画像を形成する面の反対側の面に積層された剥離ライナーは、工程Cにおける高温加熱処理前に剥離することが重要である。また、ホットメルト接着層のインク画像を形成する面の反対側の面に積層された有機成分層(有機系基材など)は、工程Cにおける高温加熱処理時に焼失させることができる。
【0030】
前記剥離ライナーとしては、特に制限されず、公知の剥離ライナーを用いることができる。なお、ホットメルト接着層のインク画像を形成する面の反対側の面に積層された剥離ライナーとしては、ホットメルト接着層を被着体としての無機系部材に接着させる加熱加圧後に、ホットメルト接着層から剥離することができるものであることが重要である。具体的には、剥離ライナーとしては、剥離処理剤からなる剥離処理剤層が剥離ライナー用の基材の表面に形成された剥離ライナーや、それ自体が剥離性の高いプラスチックフィルム、剥離ライナー用の基材の表面に、前記剥離性の高いプラスチックフィルムの素材による剥離層を形成した構成の剥離ライナーなどが挙げられる。
【0031】
このような剥離ライナーにおいて、剥離処理剤としては、特に制限されず、例えば、長鎖アルキル基含有ポリマー、シリコーンポリマー(シリコーン系剥離剤)、フッ素系ポリマー(フッ素系剥離剤)などの剥離剤が挙げられる。
【0032】
剥離ライナー用の基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムや金属蒸着プラスチックフィルム;和紙、洋紙、グラシン紙などの紙類;不織布、布などの繊維質材料による基材;金属箔などが挙げられる。
【0033】
また、それ自体が剥離性の高いプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等)、ポロプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体(ブロック共重合体またはランダム共重合体)の他、これらの混合物からなるポリオレフィン系樹脂によるポリオレフィン系フィルム;テフロン(登録商標)製フィルムなどを用いることができる。
【0034】
なお、前記剥離ライナー用の基材の表面に形成される剥離層は、前記剥離性の高いプラスチックフィルムの素材を、前記剥離ライナー用の基材上に、ラミネート又はコーティングすることにより形成することができる。
【0035】
剥離ライナーの厚み(全体厚)としては、特に限定するものではないが、10〜150μm(好ましくは20〜100μm)程度である。なお、剥離ライナーの厚みが10μm未満であると、剥離ライナーのハンドリング性が低下し、150μm以上であると、被着体への接着時に余計なエネルギーを必要となり、接着作業効率が低下する。
【0036】
(インク)
ホットメルト接着層の表面に、インク画像を形成する際に用いられるインク(耐熱性インク)としては、耐熱性着色剤を少なくとも含有していることが重要である。このような耐熱性着色剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0037】
前記耐熱性着色剤としては、無機顔料を好適に用いることができる。無機顔料としては、カーボン粒子等の非金属系無機顔料を用いることも出来るが、耐熱性の観点から、金属系無機顔料が好適である。金属系無機顔料としては、例えば、金属化合物(例えば、金属単体、金属酸化物、金属硫化物、金属の炭酸塩、金属の硫酸塩、金属の硝酸塩など)による顔料が挙げられる。このような金属化合物は、2種以上の金属元素を含有する金属化合物(例えば、合金、複合金属酸化物、複合金属硫化物など)であってもよい。
【0038】
無機顔料において、金属化合物(金属単体や合金などを含む)を構成する金属元素としては、例えば、クロム元素(Cr)、コバルト元素(Co)、鉄元素(Fe)、マンガン元素(Mn)、銅元素(Cu)、アルミニウム元素(Al)、チタン元素(Ti)、亜鉛元素(Zn)、カルシウム元素(Ca)、バリウム元素(Ba)、スズ元素(Sn)、金元素(Au)、銀元素(Ag)、白金元素(Pt)、パラジウム元素(Pd)、ニッケル元素(Ni)、バナジウム元素(V)、ジルコニウム元素(Zr)、カドミウム元素(Cd)、ケイ素元素(Si)、タングステン元素(W)、モリブデン元素(Mo)などが挙げられる。
【0039】
具体的には、金属化合物としては、例えば、酸化クロム(Cr)、酸化コバルト(CoO)、酸化鉄(Fe)、酸化マンガン(MnO)や、これらの成分の混合体又は複合体(Cr・CoO・Fe・MnO)等の黒色顔料などが挙げられる。
【0040】
無機顔料としては、セラミック化が可能な粉末(セラミック粉末)を用いることができる。
【0041】
なお、無機顔料等の耐熱性着色剤の色は、特に制限されず、例えば、黒色や白色のみならず、有色(黄色、橙色、赤色、紫色、青色、緑色の他、金色や銀色等の金属光沢色など)であってもよい。また、耐熱性着色剤は、蛍光性や蓄光性を有していてもよい。
【0042】
耐熱性インクには、耐熱性着色剤とともにガラス成分が含有されていてもよい。ガラス成分を併用することにより、工程Cにおける高温加熱処理により焼成処理されたインク画像の、無機系部材の表面への融着性を高めることができる。このようなガラス成分としては、例えば、鉛ガラス系ガラス成分、ホウ珪酸鉛ガラス系ガラス成分、ホウ珪酸ガラス系ガラス成分、ソーダガラス系ガラス成分、珪酸ガラス系ガラス成分、石英ガラス系ガラス成分などが挙げられる。このようなガラス成分では、構成成分として、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属化合物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属化合物;酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等のアルミニウム系化合物;酸化ケイ素等のケイ素化合物;ホウ酸などのホウ素化合物;酸化亜鉛等の亜鉛系化合物;酸化鉛等の鉛系化合物の他、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ビスマスなどの各種成分が用いられており、また、硼砂、長石、カオリン等も用いることができる。
【0043】
前記ガラス成分は、いわゆる「ガラスフリット」として用いることができる。ガラス成分は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0044】
このようなガラス成分の使用量(耐熱性着色剤に対する割合)としては、着色度合いの観点から、耐熱性着色剤(特に、無機顔料)100重量部に対して1000重量部以下(例えば、1〜1000重量部)程度の範囲から適宜選択することができる。また、インクの定着性を確保する観点からは、ガラス成分の使用量としては、耐熱性着色剤(特に、無機顔料)100重量部に対して300重量部以下(例えば、10〜300重量部)程度であることが望ましい。
【0045】
また、前記耐熱性インクでは、バインダー成分が用いられていてもよい。該バインダー成分としては、樹脂系バインダー成分やワックス系バインダー成分等の有機バインダー成分を用いることができる。このような有機系バインダー成分は、工程Cにおける高温加熱処理時に、蒸発や焼却により焼失する。なお、バインダー成分は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。バインダー成分の使用量は特に制限されない。
【0046】
バインダー成分において、樹脂系バインダー成分には、例えば、シリコーン系樹脂、炭化水素系樹脂、石油系樹脂、アミド系樹脂、ポリエステル、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アセチル系樹脂などが含まれる。また、ワックス系バインダー成分には、例えば、パラフィンワックスや、カルナバワックスなどが含まれる。さらにまた、バインダー成分としては、高級脂肪酸類、高級アルコール類、高級ケトン類、高級脂肪酸エステルアミド類、高級脂肪酸アミド類、高級脂肪酸エステル類、ヒマシ油などを用いることもできる。
【0047】
耐熱性インクには、必要に応じて、各種添加剤(例えば、分散剤、柔軟剤、溶剤、発泡剤、界面活性剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、繊維、粘度調整剤、染料など)が含まれていてもよい。
【0048】
従って、耐熱性インクは、耐熱性着色剤と、必要に応じてガラス成分、バインダー成分や添加剤などとを混合して調製することができ、この際、バインダー成分中に耐熱性着色剤等の固形分が均一に又はほぼ均一に分散されていることが好ましい。
【0049】
(インク画像の形成方法)
前記焼成インク画像形成用シートのホットメルト接着層の表面に耐熱性インクによるインク画像を形成する方法としては、特に制限されず、スクリーン印刷方法等の公知の印刷方法が用いることができるが、容易に、可変情報を印刷できることから、転写方法(特に、熱転写方法)を好適に用いることができる。
【0050】
前記熱転写方法としては、前記耐熱性インクを主成分とするインク層を有する熱転写用リボン(熱転写用インクリボン)を用いる方法が好ましい。熱転写用インクリボンは、耐熱性インクを、基材(例えば、ポリエチレンテレフタレート製フィルム等のプラスチックフィルム)上に、公知の塗布装置(例えば、グラビア塗工機など)を用いて、乾燥後の厚みが所定の厚みとなるように塗布し乾燥させてインク層を形成させた後、所定の幅に切断することにより作製することができる。
【0051】
熱転写用インクリボンにおけるインク層の厚さとしては、特に制限されないが、例えば、15μm以下(例えば、1〜15μm)、好ましくは10μm以下(例えば、3〜10μm)程度の範囲から選択することができる。該インク層の厚みが薄すぎると、焼成インク画像の隠蔽性が低下し、一方、厚すぎると熱転写時の印字(インク画像)の解像度が低下する。
【0052】
なお、耐熱性インクによる熱転写用インクリボンを用いた熱転写に際しては、公知の熱転写プリンターを用いることができる。
【0053】
焼成インク画像形成用シートのホットメルト接着層上に形成されたインク画像としては、文字情報、図形情報などの如何なる画像情報を有するインク画像であってもよい。インク画像としては、例えば、食器やタイル等の陶磁器製品又はガラス製品の各種模様や文字;浴槽等のほうろう製品の各種模様や文字;無機系部材を用いた各種製品のバーコード、製造会社名称、製品名称、マーク;IC回路等の回路パターンなどが挙げられる。従って、前記焼成インク画像形成用シートは、ラベルとしての機能を発揮させることができる。
【0054】
なお、焼成インク画像形成用シートのホットメルト接着層上に形成されたインク画像は、通常、無機系部材には、画像情報が表裏反転した焼成インク画像が形成されるので、ホットメルト接着層上には、焼成インク画像の画像情報と表裏反転した画像情報のインク画像を形成させることが重要である。
【0055】
[工程B]
工程Bでは、工程Aにより得られた、表面にインク画像が形成されたホットメルト接着層を有する焼成インク画像形成用シートを、被着体としての無機系部材の表面に、前記ホットメルト接着層のインク画像が形成された表面が接触するように重ね合わせて、加熱圧着により、ホットメルト接着層を無機系部材に接着させている。
【0056】
ホットメルト接着層を無機系部材に重ね合わせる際には、まだ加熱加圧を行っていないので、ホットメルト接着層にはタック性がなく、重ね合わせる位置の位置決めが容易であり、重ね合わせる際の作業性が優れている。
【0057】
また、無機系部材の所定の部位にホットメルト接着層を重ね合わせた後は、加熱加圧により、容易に、ホットメルト接着層を無機系部材に接着させることができる。この加熱加圧手段としては、特に制限されず、例えば、家庭用アイロンを用いる方法、ドライヤーを用いる方法、加熱プレスを用いる方法などを利用することができる。
【0058】
(無機系部材)
無機系部材としては、無機系材による各種部材であれば特に制限されず、例えば、ガラス製部材(ブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイ面の他、ガラス製板、ガラス製食器、ガラスビン、ガラス製花瓶などの各種ガラス製製品)、陶磁器製部材(陶器製食器、陶器製花瓶、陶器製便器等の各種陶磁器製品の他、タイルなど)、ほうろう製部材(浴槽など)の他、陶磁器製部材の焼成前の部材(未焼成の陶磁器等の湿潤体)、金属製部材、半導体セラミック基板などが挙げられる。なお、無機系部材が陶磁器製部材の焼成前の部材である場合、陶磁器製部材の焼成前の部材の焼成処理と、インク画像の焼成処理とを、工程Cにおける高温加熱処理により行うことができる。
【0059】
本発明では、無機系部材の表面(特に、焼成インク画像を形成する面)の形状は、特に制限されず、平面状や凹凸状のいずれであってもよい。また、無機系部材は、板状の形態や容器状の形態などのいずれの形態を有していてもよい。無機系部材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0060】
なお、ホットメルト接着層の無機系部材に対する接着力については、特に制限されず、接着後のハンドリング時にホットメルト接着層が剥がれない程度の接着力を有していればよく、従って、仮接着程度の大きさの接着力であってもよい。なお、ホットメルト接着層の他方の面が剥離ライナーにより保護されている場合は、接着後に剥離させる必要があるので、剥離ライナーの剥離時に、ホットメルト接着層が無機系部材から剥がれず、剥離ライナーを容易に剥離させることができる程度の接着力を少なくとも有していることが好ましい。
【0061】
[工程C]
工程Cでは、工程Bにより得られた、ホットメルト接着層が接着された無機系部材を高温加熱処理している。なお、焼成インク画像形成用シートが、ホットメルト接着層のインク画像が形成された面の反対側の面に、剥離ライナーを有している場合、剥離ライナーを剥離させてから、高温加熱処理を行うことが重要である。すなわち、工程Cでは、剥離ライナーを剥離させた後、ホットメルト接着層が接着された無機系部材を高温加熱処理することができる。
【0062】
この高温加熱処理により、無機系部材の表面に焼成処理されたインク画像が形成される。具体的には、高温加熱時に、インク中およびホットメルト接着層中の有機成分が蒸発や焼却等により消失し、一方、インク中の無機成分(例えば、無機顔料やガラス成分など)が焼結して、無機系部材の表面に焼成処理されたインク画像(焼成インク画像)が形成される。この際、ホットメルト接着層の表面に形成されたインク画像は、被着体としての無機系部材に直接に接しているので、焼成インク画像には、歪みや欠陥が生じ難くなっており、良好な焼成インク画像が得られる。従って、焼成インク画像が、微細な文字や図柄等による画像を有していても、明瞭に視認することができる。
【0063】
また、インク中にガラス成分(ガラスフリットなど)が含まれていると、耐熱性着色剤を包埋した状態でガラス成分が焼結するので、焼成インク画像をより一層強固に焼き付けることができる。そのため、耐熱性、耐水性、耐光性や耐久性等が優れ、保存安定性が極めて良好である。
【0064】
しかも、高温加熱処理による焼成処理後、無機系部材の表面において、焼成インク画像形成用シートが貼付されていたが、焼成インク画像が形成されていない非画線部には、ホットメルト接着層の焼失により何も積層されていないので、該非画線部は、本来の無機系部材の表面そのものとなっている。従って、前記非画線部は、焼成インク画像形成用シートが貼付されていたうちの非画線部、および焼成インク画像形成用シートが貼付されていなかった非画線部ともに、本来の無機系部材の表面そのものであるので、本来の無機系部材の表面そのものの透明性や風合いが得られ、高い透明性および違和感のない風合いが発揮されている。
【0065】
また、無機系部材の表面が、凹凸状や曲面状を有していても、その形状に追従させて、ホットメルト接着層を無機系部材に接着させることができる。従って、無機系部材が容器の形態を有するものであっても、無機系部材の表面に、焼成インク画像を容易に形成することができる。また、無機系部材が少量多品種の製品であっても、低コストで焼成インク画像を形成させることができる。
【0066】
特に、本発明の焼成インク画像形成方法は、前記工程A〜Cによる方法であるので、すなわち、焼成インク画像形成用シートのホットメルト接着層の表面に、耐熱性着色剤を含有するインクによるインク画像を、公知の方法により形成した後、ホットメルト接着層を無機系部材の表面に接着させて、高温加熱処理により焼成処理する方法であるので、無機系部材の表面に、焼結により固着した焼成インク画像を、容易に且つ安定的に形成することができる。しかも、耐熱性着色剤を含有するインクとしては従来と同様のインクを用いることができ、また、高温加熱処理も従来と同様の装置で行うことができる。
【0067】
【発明の効果】
本発明の焼成インク画像形成方法によれば、無機系部材の表面に、焼成インク画像を歪みや欠陥を抑制又は防止して形成することができる。しかも、無機系部材の表面に、該焼成インク画像が形成されていない非画線部の透明性が高く且つその風合いには違和感がなく、焼成インク画像を形成することができる。
【0068】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0069】
(実施例1)
一方の面をシリコーン系剥離処理剤で処理したグラシン紙(厚さ:70μm)からなる剥離ライナー(セパレーター)上に、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)[酢酸ビニルの含有率:約10重量%(モノマー成分全量に対する割合)、メルトフローレート(MFR):約70g/10min(温度:230℃;荷重:2.16kg)、密度:0.93g/cm、融点:約90℃、ビカット軟化点:約55℃]を、押出しラミネート法により積層してホットメルト接着層(厚さ:約20μm)を形成し、焼成インク画像形成用シート(セラミックパターン形成用シート)を得た。
【0070】
また、バインダー成分としての重量平均分子量が約10万のポリジメチルシロキサン:100重量部を含むキシレン溶液に、耐熱性着色剤としての平均粒径が0.5μmの黒色粉末(Cr・CoO・Fe・MnOからなる黒色粉末):100重量部を加えて均一に分散するように混合し、その均一分散液をグラビア塗工機にて、厚さが6μmのポリエチレンテレフタレート製フィルム(PETフィルム)上に均一に塗工した後、乾燥させて、熱転写用インクリボン(パターン形成用インクリボン;インク層の厚み:6μm)を得た。
【0071】
前記焼成インク画像形成用シートと、前記熱転写用インクリボンとを用い、且つ熱転写プリンターを用いて印字を行い、焼成インク画像形成用シートのホットメルト層上にインク画像(パターン)を形成した。
【0072】
前記インク画像が形成された焼成インク画像形成用シートを、ホットメルト層のインク画像が形成された表面がガラス板に接するように重ね合わせた後、剥離ライナーの上から、一般に市販されている家庭用アイロンにて、約160℃で30秒間、加熱加圧し、さらに、室温まで冷却した後、剥離ライナーを剥離した。
【0073】
更に、電気炉を用いて、以下の焼成条件で焼成を行ったところ、ガラス板上に焼結により固着したインク画像(セラミックパターン)が形成された。
(焼成条件)
室温から440℃まで、10℃/分の割合で昇温させた後、440℃で12分間保持し、その後、10℃/分の割合で室温まで冷却する。
【0074】
(比較例1)
メタクリル酸ラウリル:495重量部、アクリル酸:5重量部、酢酸エチル:125重量部、アゾビスイソブチロニトリル:1重量部の混合溶液を60℃で8時間重合(溶液重合)して、重合体を含む溶液を得た。この溶液に、重合体:100重量部に対して多官能性イソシアネート化合物(トリメチロールプロパンへのヘキサメチレンジイソシアネート付加物):2重量部(固形分換算)を添加して、粘着剤溶液を調整した。この粘着剤溶液をドクターブレード法にて、一方の面をシリコーン系剥離処理剤で処理したグラシン紙(厚さ:70μm)からなる剥離ライナー上に、均一に塗工した後、乾燥させて、粘着層(乾燥後の厚み:15μm)を得た。
【0075】
また、重量平均分子量が10万のアクリル系ポリマーを含むバインダー成分:100重量部を含むトルエン溶液に、平均粒径が10μmのガラス粉末(PdO・SiO・B・Alを主成分とするガラス粉末):150重量部を加え、ボールミルを用いて均一に分散するように混合し、その均一分散液をドクターブレード法にて、一方の面をシリコーン系剥離処理剤で処理したグラシン紙(厚さ:70μm)からなる剥離ライナー上に、均一に塗工した後、乾燥させて(乾燥後の厚み:40μm)、焼成インク画像形成用グリーンシート(セラミックグリーンシート)を得た。
【0076】
このセラミックグリーンシート上に、前記粘着層を転写して、粘着層付き焼成インク画像形成用シート(粘着層付きパターン形成用シート)を得た。すなわち、該粘着層付き焼成インク画像形成用シートは、剥離ライナー/セラミックグリーンシート/粘着層/剥離ライナーの層構成を有している。
【0077】
粘着層付き焼成インク画像形成用シートのセラミックグリーンシート上の剥離ライナーを剥離した後、セラミックグリーンシート上に、実施例1と同様の方法(すなわち、熱転写用インクリボンおよび熱転写プリンターを用いる方法)にて印字を行い、インク画像(パターン)を形成した。
【0078】
次に、粘着層上の剥離ライナーを剥離して、露出した粘着層を利用して、粘着層付き焼成インク画像形成用シートをガラス板に圧着して接着させた。
【0079】
更に、実施例1と同様に、電気炉を用いて焼成を行ったところ(焼成条件は実施例1と同様である)、ガラス板上に焼結により固着したインク画像(セラミックパターン)が形成された。
【0080】
(評価)
実施例および比較例において、ガラス板の表面に焼成処理されたインク画像を形成する際のハンドリング性や位置決め性、表面に焼成処理されたインク画像が形成されたガラス板の焼成処理されたインク画像のパターン再現性、および前記焼成処理されたインク画像が形成されていない非画線部の風合い性を、以下の評価方法により評価した。評価結果は表1に示した。
【0081】
(ハンドリング性の評価方法)
ガラス板の表面に、インク画像が形成された焼成インク画像形成用シートを貼り付ける(比較例1の場合、剥離ライナーを剥離した後)際の作業性(ハンドリング性)を、官能評価により評価した。
【0082】
(位置決め性の評価方法)
ガラス板の表面の所定の位置に、インク画像が形成された焼成インク画像形成用シートの貼付けを行い、この際の所定位置への位置決め性について、官能評価により評価した。
【0083】
(パターン再現性の評価方法)
焼成を行った後、ガラス板上の焼成処理されたインク画像を目視で、パターンの歪や欠陥を観察して、官能評価により、パターン再現性を評価した。
【0084】
(非画線部風合い性の評価方法)
焼成を行った後、ガラス板上の焼成処理されたインク画像が形成されていない非画線部と、ガラス板そのものとの風合いについて、官能評価により、非画線部風合い性を評価した。
【0085】
【表1】
Figure 2004255710
【0086】
表1より明らかなように、実施例に係る焼成インク画像形成用シートを用いると、ハンドリング性、位置決め性が良好であり。しかも、パターン再現性が優れ、歪みや欠陥がない焼成処理されたインク画像を形成することができる。さらにまた、ガラス板上の焼成処理されたインク画像が形成されていない非画線部では、焼成インク画像形成用シートが貼付されていたうちの非画線部、および焼成インク画像形成用シートが貼付されていなかった非画線部ともに、ガラス板上に何も形成されていないので、該非画線部の風合い性も優れており、非画線部には全く違和感が生じていない。もちろん、焼成インク画像形成用シートが貼付されていたうちの非画線部と、焼成インク画像形成用シートが貼付されていなかった非画線部との間の境界線も見られない。
【0087】
一方、比較例に係る焼成インク画像形成用シートでは、ハンドリング性や位置決め性が低いだけでなく、パターン再現性、非画線部風合い性も低い。

Claims (6)

  1. 無機系部材の表面に焼成処理されたインク画像を形成する方法であって、下記工程A〜Cを具備することを特徴とする焼成インク画像形成方法。
    工程A:ホットメルト接着層を有する焼成インク画像形成用シートのホットメルト接着層の表面に、耐熱性着色剤を含有するインクによるインク画像を形成する工程
    工程B:表面にインク画像が形成されたホットメルト接着層を有する焼成インク画像形成用シートを、無機系部材に、前記ホットメルト接着層のインク画像が形成された表面が接触するように重ね合わせて、ホットメルト接着層を無機系部材に接着させる工程
    工程C:ホットメルト接着層が接着された無機系部材を高温加熱処理する工程
  2. 工程Aにおけるインクが、耐熱性着色剤及びガラス成分を含有するインクである請求項1記載の焼成インク画像形成方法。
  3. 工程Aにおけるインク画像を、熱転写方法により形成する請求項1又は2記載の焼成インク画像形成方法。
  4. 焼成インク画像形成用シートが、ホットメルト接着層のインク画像が形成された面の反対側の面に、剥離ライナーを有しており、工程Cが、剥離ライナーを剥離させた後、ホットメルト接着層が接着された無機系部材を高温加熱処理する工程である請求項1〜3の何れかの項に記載の焼成インク画像形成方法。
  5. ホットメルト接着層の厚みが、1〜80μmである請求項1〜4の何れかの項に記載の焼成インク画像形成方法。
  6. ホットメルト接着層を有する焼成インク画像形成用シートであって、前記請求項1〜5の何れかの項に記載の焼成インク画像形成方法で使用されることを特徴とする焼成インク画像形成用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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