JP2004255079A - 紙垂 - Google Patents
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Abstract
紙垂を構成する各段の紙幅を上段から下段にかけて拡げて末広型として招福感を醸成するとともに、さまざまな色彩、模様を施すことにより祓え串、注連縄、御幣などを神事に制限されることなく仏教祭具として家庭の仏壇にも供えられるようにしたり、装飾的に優れたインテリアとしたりして使用できるようにする。
【解決手段】祓え串、注連縄、御幣等に使用する紙垂において、紙垂を形成する各段の紙幅を、上段から下段にかけて順次広くなるように構成するとともに、紙垂に各種彩色、模様付けを行うことによる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】祓え串、注連縄、御幣等に使用する紙垂の形状に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとしている課題】主に神前に供えられることの多い祓え串、注連縄、御幣等に使用される紙垂は、その紙垂を形成する各段の紙幅が上段から下段まで等しく、かつその色も白、金、銀、赤、青等のいずれか1色に限られていた。したがって、色彩豊かな旗幟や散華等を伴う仏教行事に紙垂が用いられることは極めて希であり、一般家庭においても紙垂を用いた祓え串、注連縄、御幣、榊も神棚には供えられるが、仏壇に供えることはまずなかった。
上記現状に鑑み、紙垂を構成する各段の紙幅を上段から下段にかけて拡げて末広としての招福感を持たせるとともに、さまざまな色彩、模様を施すことにより祓え串、注連縄、御幣等を仏教祭具として家庭の仏壇にも供えられるようにするとともに、装飾的に優れたインテリアとしても使用できるようにする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を下記の手段によって解決した。
(1)祓え串、注連縄、御幣等に使用する紙垂において、紙垂を形成する各段の紙幅が、上段から下段にかけて順次広くなる末広型状に構成されてなることを特徴とする紙垂。
(2)祓え串、注連縄、御幣等に使用する紙垂において、紙垂を形成する各段の紙幅及び紙長が、上段から下段にかけて順次広く、かつ長くなるように構成されてなることを特徴とする紙垂。
【0004】
(3)前記紙垂が、白又は彩色された紙、布、金属箔、ガラス板、セラミック板又はプラスチック板から選択されるいずれか1種類の素材に紙垂の形体に印刷され、その形体に切り抜かれてなることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の紙垂。
(4)前記紙垂が、白色の紙、布、金属箔、ガラス板、セラミック板又はプラスチック板から選択されるいずれか1種類の素材に紙垂の形体に印刷され、印刷された紙垂の部分に凹凸を付けて素材面から浮き出させてなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の紙垂。
(5)前記紙垂が、均一又は濃淡の彩色を付けてなることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の紙垂。
(6)前記紙垂の表裏が、それぞれ異なった色に彩色されてなることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の紙垂。
(7)前記紙垂が、格段ごとに異なる色に彩色されてなることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の紙垂。
(8)前記紙垂が、蛍光材料あるいは夜光材料を有している素材で構成されてなることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の紙垂。
(9)前記紙垂が、さまざまな地模様あるいは透かし模様が施されてなることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の紙垂。
【0005】
(10)前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の紙垂を備えてなることを特徴とする祓え串。
(11)前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の紙垂を備えてなることを特徴とする注連縄。
(12)前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の紙垂を備えてなることを特徴とする御幣。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例の図面によって説明する。
図1(a)は本発明実施例の外観図、図1(b)は図1(a)に示す実施例の紙垂の製作方法の説明図、図2は本発明の紙幅及び紙長が変化した紙垂の実施例の外観図、図3は紙垂の着色の実施例を示す図、図4は本発明実施例の紙垂を祓え串に応用した例を示す図、図5は本発明実施例の紙垂を注連縄に応用した例を示す図である。
図において1は紙垂、1a、1b、1c、1d、1eは紙垂を構成する各段を示す。また、2は祓え串、3は注連縄である。
図1(a)に示すように本発明実施例の紙垂1は、該紙垂を構成する各段1a、1b、1c、1d、1eがそれぞれ異なる紙幅を有し、かつ上方に位置する段1aから順次その紙幅が広くなるように構成されている。すなわち紙垂の取り付け点から裾に向かって幅広になる末広型状に構成された紙垂であって、祭具として末広がりの招福感を満たす構造になっている。
一般に紙垂は、図1(b)に示すように長方形の素材10を、図に実線で示したように上下から交互に切り込み、図に点線に示した折り線に沿って折り曲げて引き伸ばすことにより稲妻状の長尺の片とする方法で製作されるが、本発明実施例の紙垂は、素材を切り込む際にその切り込み幅を1a、1b、1c、1d、1eと順次拡げることによって達成できる。
また、白色または彩色された素材に紙垂の形体を印刷し、その形体を切り抜くことによっても構成でき、さらに白色の素材に紙垂の形体に印刷され、印刷された紙垂の部分を型押しによりに凹凸を付け、素材面から浮き出させて構成することもできる。
この切り抜きと型押しによる紙垂の製作では、上記実施例のほか、図2に示すように紙垂を構成する各段の紙幅が拡がるとともに各段の紙長が順次長くなる紙垂も製作できる。
【0007】
紙垂1の素材としては、紙、布、金属箔、ガラス板、セラミック板又はプラスチック板が使用できる。なお、紙垂1を一度に複数枚使用する際には前記素材のいずれか1種類または複数種混合して使用することもできる。
また、紙垂への彩色、模様付け等は、切り込みを入れる前の素材に印刷、染め、コーティング、あるいは素材製作時の原料への染料混合、透かし模様の漉き込み等を施すことによって実施できる。もちろん、紙垂の形状に紙片を貼り合わせる等して形成することもできる。
【0008】
図3に紙垂の着色の実施例のいくつかを示す。
(実施例1)図3(a)に示す紙垂は、表裏全面均一な彩色を施したものである。
(実施例2)図3(b)に示す紙垂は、紙垂を構成する各段が同系色の濃淡を有する彩色を施したものである。
(実施例3)図3(c)に示す紙垂は、紙垂を構成する段1a、1c、1eと1b、1dとがそれぞれ異なる色に彩色されたもので、図1(b)に示した紙垂の制作方法では表裏を異なる色に彩色することによって達成できる。また、この場合、表裏のいずれか一面、又は両面が均一又は濃淡を持って彩色されてあってもよい。
【0009】
(実施例4)図3(d)に示す紙垂は、紙垂を構成する各段1a、1b、1c、1d、1eがそれぞれ異なる色で彩色されたものであり、色彩の境界線が明確になるものであっても、あるいはなだらかに変化するものであってもよい。また、1a、1b、1c、1d、1eの各段ごとに異なる複数の色が使用されるものであってもよい。この場合は、あらかじめ裁断された各段を貼り合わすことで紙垂を形成することができる。
【0010】
上記実施例1〜4の紙垂には、発光材料としての蛍光材料、例えば硫化亜鉛、硫化亜鉛カドミニウムに銅、銀、マンガンの活性化剤を加えたものなど、又は夜光(りん光)材料、例えば硫化亜鉛カドミニウムに活性化剤として銅を加えたものや硫化カルシウムに活性化剤としてビスマスを加えたものなどを含ませてもよい。
【0011】
(実施例5)図4(e)に示す紙垂は、地模様又は透かし模様を施したものであり、前記実施例1〜4と組み合わせて使用することを妨げない。
【0012】
図4に本発明実施例の紙垂1を祓え串に応用した例を示した。紙垂を末広がりにしたことで祓え串2の下方が膨出し、ボリューム感が増すなどの効果をもたらしている。
【0013】
図5に本発明実施例の紙垂1を注連縄に応用した例を示した。紙垂を末広がりにしたことで注連縄3に吊着した紙垂の重心が下方に移り、微風に対する紙垂の安定性が向上するなどの効果をもたらしている。
【0014】
【発明の効果】本発明によって下記のような効果が発揮される。
(1)紙垂を末広がりに構成することにより招福感が醸成できる。
(2)従来色彩が白又は、金、銀、赤、青の1色に限られ、また素材も主に和紙であった紙垂を、多様な色彩、模様を持ち、かつ素材も和紙に限らず洋紙、布、金属箔、ガラス板、セラミック板、プラスチック板等に拡げたことにより、従来神前の祭事具とされてきた紙垂を使用した祓え串、注連縄、御幣等を、仏前祭事具やインテリア等にまでその用途を拡げられる。
(3)紙垂に発光材料としての蛍光材料や夜光材料を有する素材を使用することにより、紙垂をより明るく、より色鮮やかに見せたり、夜間に祓え串、注連縄、御幣等の存在を明確にしたりできる。
(4)本発明の紙垂を備えた祓え串は、下方が膨出してボリューム感があり、かつ重心が下方にあるので安定性が維持できる。
(5)本発明の紙垂を備えた注連縄は、紙垂の重心が下方にあるので微風があっても流れず安定性が維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明実施例の外観図
(b)本実施例の紙垂の製作方法の説明図。
【図2】本発明の紙幅及び紙長が変化した紙垂の実施例の外観図。
【図3】紙垂の着色の実施例を示す図。
【図4】本発明実施例の紙垂を祓え串に応用した例を示す図。
【図5】本発明実施例の紙垂を注連縄に応用した例を示す図。
【符号の説明】
1:紙垂
1a、1b、1c、1d、1e:紙垂を構成する段
2:祓え串
3:注連縄
10:素材
Claims (12)
- 祓え串、注連縄、御幣等に使用する紙垂において、紙垂を形成する各段の紙幅が、上段から下段にかけて順次広くなる末広型状に構成されてなることを特徴とする紙垂。
- 祓え串、注連縄、御幣等に使用する紙垂において、紙垂を形成する各段の紙幅及び紙長が、上段から下段にかけて順次広く、かつ長くなるように構成されてなることを特徴とする紙垂。
- 前記紙垂が、白又は彩色された紙、布、金属箔、ガラス板、セラミック板又はプラスチック板から選択されるいずれか1種類の素材に紙垂の形体に印刷され、その形体に切り抜かれてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の紙垂。
- 前記紙垂が、白色の紙、布、金属箔、ガラス板、セラミック板又はプラスチック板から選択されるいずれか1種類の素材に紙垂の形体に印刷され、印刷された紙垂の部分に凹凸を付けて素材面から浮き出させてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の紙垂。
- 前記紙垂が、均一又は濃淡の彩色を付けてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の紙垂。
- 前記紙垂の表裏が、それぞれ異なった色に彩色されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の紙垂。
- 前記紙垂が、格段ごとに異なる色に彩色されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の紙垂。
- 前記紙垂が、蛍光材料あるいは夜光材料を有している素材で構成されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の紙垂。
- 前記紙垂が、さまざまな地模様あるいは透かし模様が施されてなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の紙垂。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の紙垂を備えてなることを特徴とする祓え串。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の紙垂を備えてなることを特徴とする注連縄。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の紙垂を備えてなることを特徴とする御幣。
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JP2003051834A JP2004255079A (ja) | 2003-02-27 | 2003-02-27 | 紙垂 |
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- 2003-02-27 JP JP2003051834A patent/JP2004255079A/ja active Pending
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