JP2004253974A - 通信手段切替装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザの手を煩わせることなく、最適な通信手段を選択して通信を行う。
【解決手段】各NICのリンク状況を調査し(ステップS1)、次いでリンクを確立したNICが複数か否かを判断し(ステップS2)、複数の場合には各NICのスループットを計測し(ステップS6)、スループットが最も高いNICが現在使用中か否かを判断し(ステップS7)、スループットが最も高い最適なNICが現在使用中でなければそのNICに切り替える(ステップS8)。
【選択図】 図2
【解決手段】各NICのリンク状況を調査し(ステップS1)、次いでリンクを確立したNICが複数か否かを判断し(ステップS2)、複数の場合には各NICのスループットを計測し(ステップS6)、スループットが最も高いNICが現在使用中か否かを判断し(ステップS7)、スループットが最も高い最適なNICが現在使用中でなければそのNICに切り替える(ステップS8)。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノートパソコン(PC:Personal Computer)などの通信機器に装着されて、前記通信機器を有線を通信媒体としてネットワークに接続させるための有線通信手段と、前記通信機器を無線を通信媒体としてネットワークに接続させるための無線通信手段との複数の通信手段から1つを選択して前記通信機器に通信を行わせる通信手段切替装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットに代表される広域ネットワークの普及に伴い、ユーザは不特定多数のサーバやクライアント間で手軽にコミュニケーションが行えるようになってきた。また、特に有線では携帯性や移動性の面で不便さを感じざるを得ないので、移動体端末を利用して通信ネットワークを構築するためのIEEE802.11b やIEEE802.11aに代表される電波無線LANへの期待が高まっている。
【0003】
移動体端末の一例として、ラップトップ型ノートパソコンの場合、lOOBase−Txの安価な有線用ネットワーク部が内蔵され、更にIEEE802.11b用LSIも搭載さ れた移動ネットワーク対応製品が主流になってきており、IP(Internet Protocol)ネットワークへ接続するためのNIC(Network Interface Card)が複数装備されつつある。このような製品において、IPネットワークへの通信を行う場合、現状ではユーザの判断で複数装備されたNIC中から1つを選択し通信が行われる。
【0004】
しかしながら、それらの規格を十分に理解していないユーザにとっては、どのNICを使用すれば最適に動作するか判断できず、通信を開始するのに手間がかかったり、電波強度が弱いにもかかわらず電波無線の使用を継続して試みるなど、製品の利便性を損ねてしまう危倶がある。また、今後、無線LAN規格(電波、赤外線通信問わず)が多種多様化した場合、ユーザは更に混乱を引き起こす可能性もあるなど、ユーザへの利便性が欠如してしまうといった問題がある。
【0005】
ところで、特許文献1によれば、1台の光無線装置のみで異なる複数プロトコルや異なる有線ネットワーク・インターフェースに対応した光無線通信が利用できる「光伝送装置」が提案されている。すなわち、上記「光伝送装置」は、有線信号を光無線伝送に適した符号に変換する有線信号のワイヤレス化に適している。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−224256号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1では、移動性・携帯性に優れた電波無線は考慮されておらず、また、電波無線が内蔵されている機器への使用方法、対処方法は明確にされていない。仮に、電波無線と光無線変換部を上記「光伝送装置」に加えるならば、上記「光伝送装置」も携帯する必要が生じ、ワイヤレス内蔵製品の利便性を向上させる構成となっていない。
【0008】
本発明は上記従来例の問題点に鑑み、有線を通信媒体とする有線通信手段及び無線を通信媒体とする無線通信手段がノートPCなどの通信機器に着脱自在に装着される場合に、ユーザの手を煩わせることなく、最適な通信手段を選択して通信を行うことができる通信手段切替装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、通信機器に装着されている複数の通信手段がリンク中と判断された場合、最もスループットの高い通信手段を選択するようにしたものである。
すなわち本発明によれば、通信機器に装着されて、前記通信機器を有線を通信媒体としてネットワークに接続させるための有線通信手段と、前記通信機器を無線を通信媒体としてネットワークに接続させるための無線通信手段との複数の通信手段から1つを選択して前記通信機器に通信を行わせる通信手段切替装置において、
前記各通信手段が前記ネットワークとリンク中であるか否かを判断するリンク状況判断手段と、
前記リンク状況判断手段により複数の前記通信手段がリンク中であると判断された場合に、前記リンク中と判断された各通信手段のスループットを計測するスループット計測手段と、
前記スループット計測手段により計測されたスループットの値が最大である前記通信手段を選択してその選択された通信手段により通信を行わせる切替手段とを、
有することを特徴とする通信手段切替装置が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。まず、従来の移動端末と本発明による切替方式を搭載した移動端末の利便性の差異を比較するため、先に従来の移動端末の構造及びソフトウェアスタックについて説明する。図8は従来の有線によるNIC1−3と無線によるNIC1−4を搭載したノートPC1の内部構成の概略の例を示したものである。CPU1−1は、メモリ1−2上にプログラム、データを展開し、ハードウェアの制御用演算や、プログラムが要求する演算を行う。さらにCPU1−1は、汎用バス1−15を介して有線NIC1−3、無線NIC1−4と接続され、これらの制御も行う。
【0011】
通常、NICを介した通信を行うソフトウェアアプリケーションは、自プログラムが直接NICを制御してデータを送受することはなく、ソフトウェア階層に従って、最上位の層とデータの授受を行う。最上位の層は、その下の層とデータの授受を行うという作業を繰り返し、最下位の層がNICとデータを授受することにより、ソフトウェアアプリケーションとNIC間でのデータ授受が行われる。
【0012】
データの送受にTCP/IPプロトコルを使用する場合の従来のソフトウェア階層の概要図を図9に示す。図9において、ユーザアプリケーション1−10は送信を行う場合、ソケットインターフェース1−9にそのデータを送付する。ソケットインターフェース1−9は、受信したデータに宛先アドレスなどのへッダを付加し、TCPプロトコルスタック1−8にそのデータを送付する。TCPプロトコルスタック1−8は、受信したデータにTCPヘッダを付加し、IPプロトコルスタック1−7にそのデータを送付する。IPプロトコルスタック1−7は、ルーティング・テーブル1−11の記述内容に従い、無線NICドライバ1−5もしくは有線NICドライバ1−6にそのデータを送付する。
【0013】
ルーティング・テーブル1−11は、外部とのデータのやり取りの経路を記録したデータベースであり、内部で記憶された優先順位に従って経路を決定し、データの送信を行う。ルーティング・テーブル1−11内において、無線NIC1−4が高い優先順位を取得していた場合、上記の送信データは、無線NIC1−4から送信され、他方、無線NIC1−4の優先順位が低い場合には有線NIC1−3から送信される。
【0014】
このルーティング・テーブル1−11を変更すれば、ユーザは任意のNICを用いて通信を行うことが可能であるが、ルーティング・テーブル1−11は内部情報であるため、多くのOSではユーザが一目で判断できることはなく、専用のユーティリティを用いて取得する必要がある。更に変更するには同ツールの使用方法とルーティング・テーブルについての知識をユーザに要求するため、ルーティング・テーブル1−11を変更することは、一般的に困難である。この様子を図10に示す。図中1−12は、ルーティング・テーブル1−11の変更ユーティリティであり、ユーザはこれを操作し、有線NIC1−3、無線NIC1−4の切替を行う。
【0015】
また、使用するNICを切り替える他の手段として、NICハードウェアを物理的に抜き差しすることで切り替える方法(図11の有線NIC1−3)や、OSに指示を与えて片方のNICを使用しないよう通知する方法(図12のハードウエア・ユーティリティ1−13)があり、この方法を用いればユーザに要求する知識は減少するが、ユーザにかける負荷は軽減されない。
【0016】
本発明による切替方式を採用したノートPCでは、こうしたユーザの負荷を軽減することが可能になる。図1は、本発明による切替方式の切替器1−14を搭載したノートPCのソフトウェアスタックを示す図である。切替器1−14は、図2に示す切替アルゴリズムに従い、無線NICドライバ1−5及び有線用ドライバ1−6を操作し、自動的にこれを切り替える。
【0017】
図2は本発明の切替アルゴリズムのフローチャートを示す。まず、各NICのリンク状況を調査し(ステップS1)、次いでリンクを確立したNICが複数か否かを判断し(ステップS2)、複数の場合にはステップS3以下に進み、他方、複数でない場合にはNIC切替を行わず(ステップS10)、次いで終了する。
【0018】
ステップS3以下ではまず、ユーザによるNIC優先指定の有無を判断し(ステップS3)、NIC優先指定があればステップS4に進み、他方、なければステップS6に進む。ステップS4では、ユーザ指定のNICが現在使用中か否かを判断し、使用中であればNIC切替を行わず(ステップS10)、次いで終了する。他方、ステップS4においてユーザ指定のNICが現在使用中でなければステップS5に進み、ユーザ指定のNICがリンク中か否かを判断する。そして、リンク中の場合にはそのリンク中のユーザ指定のNICに切り替え(ステップS9)、次いで終了する。
【0019】
他方、ステップS5においてユーザ指定のNICがリンク中でない場合にはステップS6に進み、ステップS1においてリンク中と判断した各NICのスループットを計測する。そして、スループットが最も高いNICが現在使用中か否かを判断し(ステップS7)、スループットが最も高い最適なNICが現在使用中でなければそのNICに切り替え(ステップS8)、次いで終了する。他方、使用中であればNIC切替を行わず(ステップS10)、次いで終了する。
【0020】
<第1の実施の形態>
図3を用いて第1の実施の形態を説明する。NIC100は、IEEE802.11bで 規定のMACレイヤのNIC102とPHYレイヤのNIC101を備えた電波無線ネットワークカードである。NIC100は、移動体端末に内蔵されない場合、例えばPCMCIAカードやPCIカード、USBバスに接続されるワイヤレスカードである。移動体端末に内蔵される場合は、例えば移動体端末内部に用意されるMINIPCIバスを利用したワイヤレス・ネットワーク・インターフェースである。
【0021】
NIC200は、IEEE802.3uで規定のMACレイヤのNIC202とPHYレイヤのNIC201を備えたl00BASE−TX用有線ネットワークカードである。NIC200はNIC100と同様に、移動体端末に内蔵されない場合、PCMCIAカードやPCIカード、USBバスに接続されるワイヤレスカードである。移動体端末に内蔵される場合は、例えば移動体端末内部のCPUバスに接続される有線インターフェースであったり、MINIPCIバスを利用したネットワーク・インターフェースである。
【0022】
IPプロトコル・スタック303は、TCP/IP階層モデルのIPに相当するIPアドレスの管理や、IPヘッダの付加/削除、I CMPプロトコル管理などから構成される。無線用ドライバ304はNIC100を制御するミドルウエアであり、有線用ドライバ305はNIC200を制御するミドルウエアである。
【0023】
切替判断部400は、スループット計測部401と、ダミー(Dummy)データ 送受信部402とIP経路表修正部403とから構成され、複数接続されたNIC100、200の中からスループットの高いNICを選択するよう制御する。スループット計測部401は、NIC100、200毎のスループットを計算し最適なNICを選択する。
【0024】
スループットを計算する方法には以下の方法がある。
1)システム・スループットを算出する方法
Dummyデータ送受信部402を利用し、図示しないサーバ(DHCPサー バ、デフォルトゲートウェイ、デフォルトルーターなど)へDummyデータを 送信開始してから、そのサーバから応答受信するまでの時間を計測することにより、システム的なスループットを計算する方法。例えばDummyデータとしてIC MP Ping要求/応答などがある。無論、Dummyデータを複数回送受信しシステム・スループットを決定してもよい。また、通信相手の応答を待たず、単純にDummyデータ送受信部402のデータ送信を終了する時間を測定してもよい。
【0025】
2)ドライバに問い合わせる方法
無線用ドライバ304やNIC100などのミドルウェアやハードウェアにてスループットの計算を対応している場合、スループット計測部401は単に無線用ドライバ304へ問い合わせることにより、スループットを入手する方法。また、スループットに限らず、現状のリンクスピードを入手することによって、スループットの代替値として使用してもよい。この場合、“11b”ならば2Mbps、5Mbps、11Mbpsのリンクスピードがある。
【0026】
このようにスループット計測部401はスループットもしくはリンクスピードを入手し、どのNIC100、200によるスループットが高いか判断できる。そのため、NIC100、200を切り替えた方がよい場合には、IP経路表修正部403によりIPルーティング・テーブルを修正する。例えばNIC200のスループットが高い場合、IP経路表修正部403はNIC200での通信が最優先されるようIPルーティング・テーブルの上位にNIC200の経路情報を追加する。なお、NIC100の経路情報が不必要であれば経路情報から削除してもよい。
【0027】
このように、IP経路表修正部403を使用して論理的にIPルーティング・テーブルを変更することでNIC100、200の切替が自動で行えるが、その他にもNIC100、200の電源ON/OFFやNIC100、200の抜き差しを行う機構を用意してNICを使用しない方法も考えられる。しかし、機器のコストが高くなるため、IPルーティング・テーブルを変更するような論理的な切替方式が望ましい。
【0028】
<第2の実施の形態>
次に第2の実施の形態について図4を用いて説明する。図4において、NIC100(NIC101、NIC102)、IPプロトコル・スタック303、IP経路表修正部502の動作は第1の実施の形態の図3と同一のため、説明は省略する。NIC300は、例えばIEEE802.11aで規定のMACレイヤのNIC3 02とPHYレイヤのNIC301を搭載したネットワーク・インターフェース部である。NIC300はNIC100と同様に、IEEE802.11bのワイヤレス・ ネットワーク・インターフェース部であってもよく、その他にもPHSなど電波無線環境内で使用されるNICであればよい。逆にNIC100がNIC300と同様なインターフェースであってもよい。
【0029】
ドライバ700、701はそれぞれ、NIC300、100を制御するためのミドルウェアであり、NIC100、NIC300といったハードウェアが管理している電波無線強度を取得できる。電波無線強度とは図示しないアクセスポイントが発する電波のシグナルレベルである。
【0030】
電波強度監視部501は、ドライバ700、701から各電波無線強度を取得し、一番電波強度が強いネットワークカードを選択する。その結果、NIC100、300を切り替えた方がよい場合には、IP経路表修正部502によりIPルーティング・テーブルを修正し、NIC100、300を切り替える。
【0031】
<第3の実施の形態>
次に図5を参照しながら第3の実施の形態について説明する。図5は、ユーザへウィンドウ(WINDOW)などのGUI(Graphic User Interface)を用いて、所望の優先したいネットワーク・インターフェースを選択させる一例を示している。例えば、図5の上段のように移動体端末中に使用可能な検出されたNICの一覧をアイコンなどにより表示する。この場合では、802.11b、802.11a、光無線、有線インターフェースが検出された様子を示している。中段は、検出されたネットワーク・インターフェースごとのリンク状態や最大データ転送速度(MAX)などを表示し、ユーザが選択しやすいように付加情報を表示している。付加情報として、例えば、光無線は最大データ転送速度が100Mbpsであり、現在のリンク状態は良好と読め 、一方で有線は接続状況によりリンク信号が検出されていないと読める。
【0032】
同図中、下段はラジオボタンにより構成されており、どのNICを優先するかマウスなどで指定可能となっている。この例では、ユーザは光無線のNICを優先して選択したことを示している。
【0033】
このように、あらかじめユーザが使用したいNICの優先度を指定可能とすれば、そのNICのリンクが確立した時点で選択し通信を行うことが可能となる。例えば、無線伝送においては通信リンクが通信途中で遮断・遮蔽されるケースも想定されるため、ユーザが無線伝送を優先すると設定していても、なるべく第1、第2の実施の形態のように最適なNICを選択する方が望ましい。この場合、ユーザ指定のNICのリンク信号を確認し、リンクされていなければ第1もしくは第2の実施の形態を起動することになる。なお、図5による指定だけでなく、初期化ファイルに“切替優先NIC=光無線”などとユーザに編集させてもよい。
【0034】
<第4の実施の形態>
図6を参照して第4の実施の形態について説明する。図6はNICのカード・コンフィグレーション情報から最大データ転送速度を参照するテーブルである。あらかじめ、最大データ転送速度を既存規格から並べた一覧表であるが、図6中に存在しないNICを検出した場合には予備欄に追記するものとする。
【0035】
図6を用いれば、カード情報から最大データ転送速度(MAX値:“11b”なら11Mbps、“11a”なら54Mbps、光無線なら100Mbps)を判断することが可能となるため、一番高速なデータ転送速度のネットワークカードを選択して通信を行える。
【0036】
<第5の実施の形態>
図7を用いて第5の実施の形態について説明する。NIC100(NIC101、NIC102)、IPプロトコル・スタック303、ドライバ701並びにIP経路表修正部502は他の実施の形態と同様なので説明を省略する。NIC800は光無線用MACレイヤのNIC802とPHYレイヤのNIC801を備えたネットワーク・インターフェースであって、例えばNIC802は100Base−Tx有線信号 を光無線に適した符号へ変換したり、図示しないアクセスポイントとのアクセス制御を行う。NIC802は、光送信部として、例えば赤外線通信用LEDやレーザダイオードを、また光受信部にはフォトダイオードやAPDを使用する。なお、NIC801が広指向角による受発光通信を行う場合、NIC800は通信相手との間で光軸を調整する必要はないが、ビーム伝送を用いて光無線通信を行う際には図示しない光軸調整機能が必要となる。一般的に、ビーム伝送の場合、広指向角による伝送よりも高速なデータ転送速度を実現する際に使用される。
【0037】
ドライバ700は、NIC800を制御するミドルウェアである。ただし、図13のように従来の光無線LANにおいては、有線用ドライバ1−6や有線NIC1−3を流用するものもあるため、図7のように光無線部を構築するならば、ドライバ700は有線用ドライバ305を使用すればよい。
【0038】
図7において、リンク信号監視部901は、各NICのリンク信号を監視する。リンク信号とは、光無線伝送路や電波無線伝送路を使用して、通信が可能な状態かを知るための信号である。リンク信号監視部901は、リンク信号が確立されたか否かを監視し、必要に応じてIP経路表修正部502を利用してNICを切り替える。
【0039】
その切替手法として、例えば
1)リンク信号が確立した時点で、無条件にそのNICを選択する。
2)リンク信号が確立した時点で、第1から第4の実施の形態のいずれか1つの方法でNICを選択する。
3)通信中(選択中)のNICのリンク信号が無くなった場合、第1から第4の実施の形態のいずれか1つの方法でNICを選択する。
といった方法がある。
【0040】
図7のように光無線と電波無線のNICが2枚しかない場合、
4)通信中(選択中)のNICのリンク信号が無くなった時点で、別のNICを選択する。
といった方法により、NICを交互に切り替えることも可能である。
【0041】
すなわち本発明によれば、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次のような発明が提供される。
(1)前記通信機器に装着されている無線通信手段が、電波無線を通信媒体とする複数の無線通信手段の場合、前記スループット計測手段は、前記複数の無線通信手段の各アクセスポイントにおける電波強度を観測し、前記切替手段は、前記スループット計測手段により最も電波強度が強い無線通信手段を選択して通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信手段切替装置。
(2)前記スループット計測手段は、前記リンク状況判断手段によりリンク中と判断された複数の通信手段の各最大データ転送速度を判断し、前記切替手段は、前記スループット計測手段により最も最大データ転送速度が早い通信手段を選択して通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信手段切替装置。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、有線を通信媒体とする有線通信手段及び無線を通信媒体とする無線通信手段がノートPCなどの通信機器に着脱自在に装着される場合に、通信機器に装着されている複数の通信手段がリンク中と判断されたときに、最もスループットの高い通信手段を選択するようにしたので、ユーザの手を煩わせることなく、最適な通信手段を選択して通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の移動端末の構造及びソフトウェアスタックを説明するための本発明の切替方式を採用した場合のソフトウェアスタックを示す構成図である。
【図2】本発明の切替処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】第1の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図4】第2の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図5】第3の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図6】第4の実施の形態を説明するための説明図である。
【図7】第5の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図8】複数のNICを搭載したノートパソコンの概要を示すブロック図である。
【図9】図8のノートパソコンの従来のソフトウェアスタックを示す構成図である。
【図10】図9のルーティング・テーブルを変更することによりNICを切り替える切替方法を示す説明図である。
【図11】図9のNICを物理的に挿抜することによりNICを切り替える方法を示す説明図である。
【図12】図9のハードウェアをOSに認識させないよう設定することによりNICを切り替える方法を示す説明図である。
【図13】従来の光無線インターフェースを説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1 ノートPC
1−1 CPU
1−2 メモリ
1−3 有線NIC
1−4 無線NIC
1−5 無線NICドライバ(無線用ドライバ)
1−6 有線NICドライバ(有線用ドライバ)
1−7、303 IPプロトコルスタック
1−8 TCPプロトコルスタック
1−9 ソケットインターフェース
1−10 ユーザアプリケーション
1−11 ルーティング・テーブル
1−12 ルーティングテーブル変更ユーティリティ
1−13 ハードウェア・ユーティリティ
1−14 切替器
1−15 汎用バス
100、101、102、200、201、202、300、301、302、800、801、802 NIC
304 無線用ドライバ
305 有線用ドライバ
400 切替判断部
401 スループット計測部
402 Dummyデータ送受信部
403、502 IP経路表修正部
501 電波強度監視部
700、701 ドライバ
901 リンク信号監視部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノートパソコン(PC:Personal Computer)などの通信機器に装着されて、前記通信機器を有線を通信媒体としてネットワークに接続させるための有線通信手段と、前記通信機器を無線を通信媒体としてネットワークに接続させるための無線通信手段との複数の通信手段から1つを選択して前記通信機器に通信を行わせる通信手段切替装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットに代表される広域ネットワークの普及に伴い、ユーザは不特定多数のサーバやクライアント間で手軽にコミュニケーションが行えるようになってきた。また、特に有線では携帯性や移動性の面で不便さを感じざるを得ないので、移動体端末を利用して通信ネットワークを構築するためのIEEE802.11b やIEEE802.11aに代表される電波無線LANへの期待が高まっている。
【0003】
移動体端末の一例として、ラップトップ型ノートパソコンの場合、lOOBase−Txの安価な有線用ネットワーク部が内蔵され、更にIEEE802.11b用LSIも搭載さ れた移動ネットワーク対応製品が主流になってきており、IP(Internet Protocol)ネットワークへ接続するためのNIC(Network Interface Card)が複数装備されつつある。このような製品において、IPネットワークへの通信を行う場合、現状ではユーザの判断で複数装備されたNIC中から1つを選択し通信が行われる。
【0004】
しかしながら、それらの規格を十分に理解していないユーザにとっては、どのNICを使用すれば最適に動作するか判断できず、通信を開始するのに手間がかかったり、電波強度が弱いにもかかわらず電波無線の使用を継続して試みるなど、製品の利便性を損ねてしまう危倶がある。また、今後、無線LAN規格(電波、赤外線通信問わず)が多種多様化した場合、ユーザは更に混乱を引き起こす可能性もあるなど、ユーザへの利便性が欠如してしまうといった問題がある。
【0005】
ところで、特許文献1によれば、1台の光無線装置のみで異なる複数プロトコルや異なる有線ネットワーク・インターフェースに対応した光無線通信が利用できる「光伝送装置」が提案されている。すなわち、上記「光伝送装置」は、有線信号を光無線伝送に適した符号に変換する有線信号のワイヤレス化に適している。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−224256号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1では、移動性・携帯性に優れた電波無線は考慮されておらず、また、電波無線が内蔵されている機器への使用方法、対処方法は明確にされていない。仮に、電波無線と光無線変換部を上記「光伝送装置」に加えるならば、上記「光伝送装置」も携帯する必要が生じ、ワイヤレス内蔵製品の利便性を向上させる構成となっていない。
【0008】
本発明は上記従来例の問題点に鑑み、有線を通信媒体とする有線通信手段及び無線を通信媒体とする無線通信手段がノートPCなどの通信機器に着脱自在に装着される場合に、ユーザの手を煩わせることなく、最適な通信手段を選択して通信を行うことができる通信手段切替装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、通信機器に装着されている複数の通信手段がリンク中と判断された場合、最もスループットの高い通信手段を選択するようにしたものである。
すなわち本発明によれば、通信機器に装着されて、前記通信機器を有線を通信媒体としてネットワークに接続させるための有線通信手段と、前記通信機器を無線を通信媒体としてネットワークに接続させるための無線通信手段との複数の通信手段から1つを選択して前記通信機器に通信を行わせる通信手段切替装置において、
前記各通信手段が前記ネットワークとリンク中であるか否かを判断するリンク状況判断手段と、
前記リンク状況判断手段により複数の前記通信手段がリンク中であると判断された場合に、前記リンク中と判断された各通信手段のスループットを計測するスループット計測手段と、
前記スループット計測手段により計測されたスループットの値が最大である前記通信手段を選択してその選択された通信手段により通信を行わせる切替手段とを、
有することを特徴とする通信手段切替装置が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。まず、従来の移動端末と本発明による切替方式を搭載した移動端末の利便性の差異を比較するため、先に従来の移動端末の構造及びソフトウェアスタックについて説明する。図8は従来の有線によるNIC1−3と無線によるNIC1−4を搭載したノートPC1の内部構成の概略の例を示したものである。CPU1−1は、メモリ1−2上にプログラム、データを展開し、ハードウェアの制御用演算や、プログラムが要求する演算を行う。さらにCPU1−1は、汎用バス1−15を介して有線NIC1−3、無線NIC1−4と接続され、これらの制御も行う。
【0011】
通常、NICを介した通信を行うソフトウェアアプリケーションは、自プログラムが直接NICを制御してデータを送受することはなく、ソフトウェア階層に従って、最上位の層とデータの授受を行う。最上位の層は、その下の層とデータの授受を行うという作業を繰り返し、最下位の層がNICとデータを授受することにより、ソフトウェアアプリケーションとNIC間でのデータ授受が行われる。
【0012】
データの送受にTCP/IPプロトコルを使用する場合の従来のソフトウェア階層の概要図を図9に示す。図9において、ユーザアプリケーション1−10は送信を行う場合、ソケットインターフェース1−9にそのデータを送付する。ソケットインターフェース1−9は、受信したデータに宛先アドレスなどのへッダを付加し、TCPプロトコルスタック1−8にそのデータを送付する。TCPプロトコルスタック1−8は、受信したデータにTCPヘッダを付加し、IPプロトコルスタック1−7にそのデータを送付する。IPプロトコルスタック1−7は、ルーティング・テーブル1−11の記述内容に従い、無線NICドライバ1−5もしくは有線NICドライバ1−6にそのデータを送付する。
【0013】
ルーティング・テーブル1−11は、外部とのデータのやり取りの経路を記録したデータベースであり、内部で記憶された優先順位に従って経路を決定し、データの送信を行う。ルーティング・テーブル1−11内において、無線NIC1−4が高い優先順位を取得していた場合、上記の送信データは、無線NIC1−4から送信され、他方、無線NIC1−4の優先順位が低い場合には有線NIC1−3から送信される。
【0014】
このルーティング・テーブル1−11を変更すれば、ユーザは任意のNICを用いて通信を行うことが可能であるが、ルーティング・テーブル1−11は内部情報であるため、多くのOSではユーザが一目で判断できることはなく、専用のユーティリティを用いて取得する必要がある。更に変更するには同ツールの使用方法とルーティング・テーブルについての知識をユーザに要求するため、ルーティング・テーブル1−11を変更することは、一般的に困難である。この様子を図10に示す。図中1−12は、ルーティング・テーブル1−11の変更ユーティリティであり、ユーザはこれを操作し、有線NIC1−3、無線NIC1−4の切替を行う。
【0015】
また、使用するNICを切り替える他の手段として、NICハードウェアを物理的に抜き差しすることで切り替える方法(図11の有線NIC1−3)や、OSに指示を与えて片方のNICを使用しないよう通知する方法(図12のハードウエア・ユーティリティ1−13)があり、この方法を用いればユーザに要求する知識は減少するが、ユーザにかける負荷は軽減されない。
【0016】
本発明による切替方式を採用したノートPCでは、こうしたユーザの負荷を軽減することが可能になる。図1は、本発明による切替方式の切替器1−14を搭載したノートPCのソフトウェアスタックを示す図である。切替器1−14は、図2に示す切替アルゴリズムに従い、無線NICドライバ1−5及び有線用ドライバ1−6を操作し、自動的にこれを切り替える。
【0017】
図2は本発明の切替アルゴリズムのフローチャートを示す。まず、各NICのリンク状況を調査し(ステップS1)、次いでリンクを確立したNICが複数か否かを判断し(ステップS2)、複数の場合にはステップS3以下に進み、他方、複数でない場合にはNIC切替を行わず(ステップS10)、次いで終了する。
【0018】
ステップS3以下ではまず、ユーザによるNIC優先指定の有無を判断し(ステップS3)、NIC優先指定があればステップS4に進み、他方、なければステップS6に進む。ステップS4では、ユーザ指定のNICが現在使用中か否かを判断し、使用中であればNIC切替を行わず(ステップS10)、次いで終了する。他方、ステップS4においてユーザ指定のNICが現在使用中でなければステップS5に進み、ユーザ指定のNICがリンク中か否かを判断する。そして、リンク中の場合にはそのリンク中のユーザ指定のNICに切り替え(ステップS9)、次いで終了する。
【0019】
他方、ステップS5においてユーザ指定のNICがリンク中でない場合にはステップS6に進み、ステップS1においてリンク中と判断した各NICのスループットを計測する。そして、スループットが最も高いNICが現在使用中か否かを判断し(ステップS7)、スループットが最も高い最適なNICが現在使用中でなければそのNICに切り替え(ステップS8)、次いで終了する。他方、使用中であればNIC切替を行わず(ステップS10)、次いで終了する。
【0020】
<第1の実施の形態>
図3を用いて第1の実施の形態を説明する。NIC100は、IEEE802.11bで 規定のMACレイヤのNIC102とPHYレイヤのNIC101を備えた電波無線ネットワークカードである。NIC100は、移動体端末に内蔵されない場合、例えばPCMCIAカードやPCIカード、USBバスに接続されるワイヤレスカードである。移動体端末に内蔵される場合は、例えば移動体端末内部に用意されるMINIPCIバスを利用したワイヤレス・ネットワーク・インターフェースである。
【0021】
NIC200は、IEEE802.3uで規定のMACレイヤのNIC202とPHYレイヤのNIC201を備えたl00BASE−TX用有線ネットワークカードである。NIC200はNIC100と同様に、移動体端末に内蔵されない場合、PCMCIAカードやPCIカード、USBバスに接続されるワイヤレスカードである。移動体端末に内蔵される場合は、例えば移動体端末内部のCPUバスに接続される有線インターフェースであったり、MINIPCIバスを利用したネットワーク・インターフェースである。
【0022】
IPプロトコル・スタック303は、TCP/IP階層モデルのIPに相当するIPアドレスの管理や、IPヘッダの付加/削除、I CMPプロトコル管理などから構成される。無線用ドライバ304はNIC100を制御するミドルウエアであり、有線用ドライバ305はNIC200を制御するミドルウエアである。
【0023】
切替判断部400は、スループット計測部401と、ダミー(Dummy)データ 送受信部402とIP経路表修正部403とから構成され、複数接続されたNIC100、200の中からスループットの高いNICを選択するよう制御する。スループット計測部401は、NIC100、200毎のスループットを計算し最適なNICを選択する。
【0024】
スループットを計算する方法には以下の方法がある。
1)システム・スループットを算出する方法
Dummyデータ送受信部402を利用し、図示しないサーバ(DHCPサー バ、デフォルトゲートウェイ、デフォルトルーターなど)へDummyデータを 送信開始してから、そのサーバから応答受信するまでの時間を計測することにより、システム的なスループットを計算する方法。例えばDummyデータとしてIC MP Ping要求/応答などがある。無論、Dummyデータを複数回送受信しシステム・スループットを決定してもよい。また、通信相手の応答を待たず、単純にDummyデータ送受信部402のデータ送信を終了する時間を測定してもよい。
【0025】
2)ドライバに問い合わせる方法
無線用ドライバ304やNIC100などのミドルウェアやハードウェアにてスループットの計算を対応している場合、スループット計測部401は単に無線用ドライバ304へ問い合わせることにより、スループットを入手する方法。また、スループットに限らず、現状のリンクスピードを入手することによって、スループットの代替値として使用してもよい。この場合、“11b”ならば2Mbps、5Mbps、11Mbpsのリンクスピードがある。
【0026】
このようにスループット計測部401はスループットもしくはリンクスピードを入手し、どのNIC100、200によるスループットが高いか判断できる。そのため、NIC100、200を切り替えた方がよい場合には、IP経路表修正部403によりIPルーティング・テーブルを修正する。例えばNIC200のスループットが高い場合、IP経路表修正部403はNIC200での通信が最優先されるようIPルーティング・テーブルの上位にNIC200の経路情報を追加する。なお、NIC100の経路情報が不必要であれば経路情報から削除してもよい。
【0027】
このように、IP経路表修正部403を使用して論理的にIPルーティング・テーブルを変更することでNIC100、200の切替が自動で行えるが、その他にもNIC100、200の電源ON/OFFやNIC100、200の抜き差しを行う機構を用意してNICを使用しない方法も考えられる。しかし、機器のコストが高くなるため、IPルーティング・テーブルを変更するような論理的な切替方式が望ましい。
【0028】
<第2の実施の形態>
次に第2の実施の形態について図4を用いて説明する。図4において、NIC100(NIC101、NIC102)、IPプロトコル・スタック303、IP経路表修正部502の動作は第1の実施の形態の図3と同一のため、説明は省略する。NIC300は、例えばIEEE802.11aで規定のMACレイヤのNIC3 02とPHYレイヤのNIC301を搭載したネットワーク・インターフェース部である。NIC300はNIC100と同様に、IEEE802.11bのワイヤレス・ ネットワーク・インターフェース部であってもよく、その他にもPHSなど電波無線環境内で使用されるNICであればよい。逆にNIC100がNIC300と同様なインターフェースであってもよい。
【0029】
ドライバ700、701はそれぞれ、NIC300、100を制御するためのミドルウェアであり、NIC100、NIC300といったハードウェアが管理している電波無線強度を取得できる。電波無線強度とは図示しないアクセスポイントが発する電波のシグナルレベルである。
【0030】
電波強度監視部501は、ドライバ700、701から各電波無線強度を取得し、一番電波強度が強いネットワークカードを選択する。その結果、NIC100、300を切り替えた方がよい場合には、IP経路表修正部502によりIPルーティング・テーブルを修正し、NIC100、300を切り替える。
【0031】
<第3の実施の形態>
次に図5を参照しながら第3の実施の形態について説明する。図5は、ユーザへウィンドウ(WINDOW)などのGUI(Graphic User Interface)を用いて、所望の優先したいネットワーク・インターフェースを選択させる一例を示している。例えば、図5の上段のように移動体端末中に使用可能な検出されたNICの一覧をアイコンなどにより表示する。この場合では、802.11b、802.11a、光無線、有線インターフェースが検出された様子を示している。中段は、検出されたネットワーク・インターフェースごとのリンク状態や最大データ転送速度(MAX)などを表示し、ユーザが選択しやすいように付加情報を表示している。付加情報として、例えば、光無線は最大データ転送速度が100Mbpsであり、現在のリンク状態は良好と読め 、一方で有線は接続状況によりリンク信号が検出されていないと読める。
【0032】
同図中、下段はラジオボタンにより構成されており、どのNICを優先するかマウスなどで指定可能となっている。この例では、ユーザは光無線のNICを優先して選択したことを示している。
【0033】
このように、あらかじめユーザが使用したいNICの優先度を指定可能とすれば、そのNICのリンクが確立した時点で選択し通信を行うことが可能となる。例えば、無線伝送においては通信リンクが通信途中で遮断・遮蔽されるケースも想定されるため、ユーザが無線伝送を優先すると設定していても、なるべく第1、第2の実施の形態のように最適なNICを選択する方が望ましい。この場合、ユーザ指定のNICのリンク信号を確認し、リンクされていなければ第1もしくは第2の実施の形態を起動することになる。なお、図5による指定だけでなく、初期化ファイルに“切替優先NIC=光無線”などとユーザに編集させてもよい。
【0034】
<第4の実施の形態>
図6を参照して第4の実施の形態について説明する。図6はNICのカード・コンフィグレーション情報から最大データ転送速度を参照するテーブルである。あらかじめ、最大データ転送速度を既存規格から並べた一覧表であるが、図6中に存在しないNICを検出した場合には予備欄に追記するものとする。
【0035】
図6を用いれば、カード情報から最大データ転送速度(MAX値:“11b”なら11Mbps、“11a”なら54Mbps、光無線なら100Mbps)を判断することが可能となるため、一番高速なデータ転送速度のネットワークカードを選択して通信を行える。
【0036】
<第5の実施の形態>
図7を用いて第5の実施の形態について説明する。NIC100(NIC101、NIC102)、IPプロトコル・スタック303、ドライバ701並びにIP経路表修正部502は他の実施の形態と同様なので説明を省略する。NIC800は光無線用MACレイヤのNIC802とPHYレイヤのNIC801を備えたネットワーク・インターフェースであって、例えばNIC802は100Base−Tx有線信号 を光無線に適した符号へ変換したり、図示しないアクセスポイントとのアクセス制御を行う。NIC802は、光送信部として、例えば赤外線通信用LEDやレーザダイオードを、また光受信部にはフォトダイオードやAPDを使用する。なお、NIC801が広指向角による受発光通信を行う場合、NIC800は通信相手との間で光軸を調整する必要はないが、ビーム伝送を用いて光無線通信を行う際には図示しない光軸調整機能が必要となる。一般的に、ビーム伝送の場合、広指向角による伝送よりも高速なデータ転送速度を実現する際に使用される。
【0037】
ドライバ700は、NIC800を制御するミドルウェアである。ただし、図13のように従来の光無線LANにおいては、有線用ドライバ1−6や有線NIC1−3を流用するものもあるため、図7のように光無線部を構築するならば、ドライバ700は有線用ドライバ305を使用すればよい。
【0038】
図7において、リンク信号監視部901は、各NICのリンク信号を監視する。リンク信号とは、光無線伝送路や電波無線伝送路を使用して、通信が可能な状態かを知るための信号である。リンク信号監視部901は、リンク信号が確立されたか否かを監視し、必要に応じてIP経路表修正部502を利用してNICを切り替える。
【0039】
その切替手法として、例えば
1)リンク信号が確立した時点で、無条件にそのNICを選択する。
2)リンク信号が確立した時点で、第1から第4の実施の形態のいずれか1つの方法でNICを選択する。
3)通信中(選択中)のNICのリンク信号が無くなった場合、第1から第4の実施の形態のいずれか1つの方法でNICを選択する。
といった方法がある。
【0040】
図7のように光無線と電波無線のNICが2枚しかない場合、
4)通信中(選択中)のNICのリンク信号が無くなった時点で、別のNICを選択する。
といった方法により、NICを交互に切り替えることも可能である。
【0041】
すなわち本発明によれば、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次のような発明が提供される。
(1)前記通信機器に装着されている無線通信手段が、電波無線を通信媒体とする複数の無線通信手段の場合、前記スループット計測手段は、前記複数の無線通信手段の各アクセスポイントにおける電波強度を観測し、前記切替手段は、前記スループット計測手段により最も電波強度が強い無線通信手段を選択して通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信手段切替装置。
(2)前記スループット計測手段は、前記リンク状況判断手段によりリンク中と判断された複数の通信手段の各最大データ転送速度を判断し、前記切替手段は、前記スループット計測手段により最も最大データ転送速度が早い通信手段を選択して通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信手段切替装置。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、有線を通信媒体とする有線通信手段及び無線を通信媒体とする無線通信手段がノートPCなどの通信機器に着脱自在に装着される場合に、通信機器に装着されている複数の通信手段がリンク中と判断されたときに、最もスループットの高い通信手段を選択するようにしたので、ユーザの手を煩わせることなく、最適な通信手段を選択して通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の移動端末の構造及びソフトウェアスタックを説明するための本発明の切替方式を採用した場合のソフトウェアスタックを示す構成図である。
【図2】本発明の切替処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】第1の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図4】第2の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図5】第3の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図6】第4の実施の形態を説明するための説明図である。
【図7】第5の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図8】複数のNICを搭載したノートパソコンの概要を示すブロック図である。
【図9】図8のノートパソコンの従来のソフトウェアスタックを示す構成図である。
【図10】図9のルーティング・テーブルを変更することによりNICを切り替える切替方法を示す説明図である。
【図11】図9のNICを物理的に挿抜することによりNICを切り替える方法を示す説明図である。
【図12】図9のハードウェアをOSに認識させないよう設定することによりNICを切り替える方法を示す説明図である。
【図13】従来の光無線インターフェースを説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1 ノートPC
1−1 CPU
1−2 メモリ
1−3 有線NIC
1−4 無線NIC
1−5 無線NICドライバ(無線用ドライバ)
1−6 有線NICドライバ(有線用ドライバ)
1−7、303 IPプロトコルスタック
1−8 TCPプロトコルスタック
1−9 ソケットインターフェース
1−10 ユーザアプリケーション
1−11 ルーティング・テーブル
1−12 ルーティングテーブル変更ユーティリティ
1−13 ハードウェア・ユーティリティ
1−14 切替器
1−15 汎用バス
100、101、102、200、201、202、300、301、302、800、801、802 NIC
304 無線用ドライバ
305 有線用ドライバ
400 切替判断部
401 スループット計測部
402 Dummyデータ送受信部
403、502 IP経路表修正部
501 電波強度監視部
700、701 ドライバ
901 リンク信号監視部
Claims (2)
- 通信機器に装着されて、前記通信機器を有線を通信媒体としてネットワークに接続させるための有線通信手段と、前記通信機器を無線を通信媒体としてネットワークに接続させるための無線通信手段との複数の通信手段から1つを選択して前記通信機器に通信を行わせる通信手段切替装置において、
前記各通信手段が前記ネットワークとリンク中であるか否かを判断するリンク状況判断手段と、
前記リンク状況判断手段により複数の前記通信手段がリンク中であると判断された場合に、前記リンク中と判断された各通信手段のスループットを計測するスループット計測手段と、
前記スループット計測手段により計測されたスループットの値が最大である前記通信手段を選択してその選択された通信手段により通信を行わせる切替手段とを、
有することを特徴とする通信手段切替装置。 - 優先的に通信を行う通信手段をあらかじめ選択する優先選択手段を更に備え、前記切替手段は、前記スループット計測手段の計測結果にかかわらず、前記優先選択手段により選択されている通信手段に切り替えて通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信手段切替装置。
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2003
- 2003-02-19 JP JP2003040937A patent/JP2004253974A/ja active Pending
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