JP2004253966A - 同軸導波管変換器およびその製法ならびに送受信機 - Google Patents

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Kazunari Suzuki
一成 鈴木
Mamoru Hashimoto
衛 橋本
Takuto Yoshida
卓斗 吉田
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Abstract

【課題】導波管が筐体と一体成形により形成され、筐体内に設けられる回路基板と直接接続した結合ピンがその導波管内に挿入されることにより形成される同軸導波管変換器を高い周波数帯でも高特性が得られるように形成する。
【解決手段】同軸導波管変換器は、回路が形成された回路基板を内蔵する筐体と一体に成形され、同軸導波管変換器を構成する矩形導波管2が幅広面に沿った面で分割されて、ボディ部10とカバー部20とにより構成されている。ボディ部10が前述の筐体1と一体に成形され、カバー部20がボディ部10に蓋をするように固着されている。導波管2と結合する同軸結合部3の結合ピン31は、ボディ部10またはカバー部20のいずれかに、その一端部が導波管2内に一定の長さで挿入されるように固定されると共に、結合ピン31の他端部は筐体1内に設けられる回路基板に形成された回路と接続されている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば衛星通信用の送信機や受信機などの筐体内に回路が形成された回路基板が内蔵されると共に、該回路に電波を送受信するための矩形導波管(以下、単に導波管ともいう)が直接接続される場合などにおける、筐体と一体成形により形成される同軸導波管変換器、その製法およびそれを用いた送受信機に関する。さらに詳しくは、たとえば30GHz帯のように、非常に高周波で、導波管の寸法が小さくなる場合でも、導波管のコーナなどの寸法や結合ピンの挿入長などを正確に形成し、インピーダンス調整ピンなどを挿入することなく簡単に製造することができる構造の同軸導波管変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば衛星通信用送信機は、図5に示されるような構造になっている。すなわち、放熱板11が一体に形成された筐体1の一部に導波管2が形成され、その導波管に結合ピン31の一端部が絶縁体32を介して挿入され、他端部は回路基板33に形成されたマイクロストリップラインなどからなる送信回路と直接接続されている。筐体1内には、送信回路が形成された回路基板33がセットされ、その表面側に図示しない蓋体がゴムパッキングなどを介して密閉されている。この放熱板11や導波管2などが一体の筐体1として成形されて、その内部に回路基板33が密閉されるのは、これら衛星通信用送信機は風雨に晒される外部に取り付けられる場合があり、その場合でも雨水が染み込んで回路基板などに悪影響を及ぼさないようにするためである。
【0003】
この導波管2は、送信回路に設けられるFETやガン発振器などの発振器により発振した電波をこの導波管2に接続される図示しないアンテナから放射するためのもので、発振器による発振出力を効率よくアンテナから放射しないと発振器の出力を必要以上に大きくしなければならないため、送信回路と導波管とを接続する結合ピン31と導波管2とのマッチングは非常に厳しい寸法精度が要求されている。
【0004】
すなわち、通常の同軸導波管変換器では、結合ピン31と導波管2との結合が完全にマッチングされていない場合には、導波管の幅広面などから挿入した3本のピンなどからなるスリースタブなどにより、その挿入長を調整することによりマッチングが図られているが、防水の必要な衛星通信用送信機などにおいては、スリースタブなどの調整ピンを設けると、防水性を満たすためには調整ピンを完全に固着しなければならず、固着の際に特性が変動したりするとさらなる調整をすることができず、調整のための工数を多く要するにも拘らず、歩留りよく高特性の同軸導波管変換器を得ることができないからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、たとえば衛星通信用送信機などに用いられる同軸導波管変換器は、防水性を必要として筐体と一体成形される必要があり、さらにスリースタブなどの特性調整用スタブを設けることなく、同軸から導波管への変換特性を高度に満たす必要がある。そのため、同軸導波管変換器を構成する導波管は、たとえば30GHz帯の導波管では、±0.02mm程度以下の寸法精度で正確に形成される必要があり、しかも結合ピンの導波管内への挿入長も厳密に調整されないとその結合特性が低下し、回路基板側で発生した電波を効率よく導波管を介してアンテナから放射することができない。しかも、前述のように、スリースタブなどの調整ピンを設けることは、防水性および作業効率の点から好ましくないのみならず、調整工数の増大を招きながら、歩留りよく高特性の同軸導波管変換器を得ることができない。
【0006】
また、金型による一体成形では、導波管のコーナ部における完全な直角度が得られなかったり、導波管の平行度が完全に得られず、金型成形のみでは、高特性の同軸導波管変換器を得ることができない。この場合、前述の図5に示されるような構造で、導波管の開口部から加工具を突っ込んで導波管の寸法精度を補正することが行われるが、その作業は非常に困難で、周波数が10GHz程度以下の低い周波数帯であれば、導波管の寸法が大きいため、その許容交差も大きくなり、微調整は可能であるが、前述のように、たとえば30GHz帯のような高周波になると、この導波管の寸法は、7.122mm×3.561mm程度と小さくなり、その寸法に対して±0.02mm程度以下の寸法精度が要求されるため、20GHz以上の周波数の高い小型の導波管では、とくに寸法精度の問題が顕著となる。
【0007】
さらに、結合ピンの導波管内への挿入長が非常に結合特性に大きく影響するが、一体成形された導波管内への結合ピンの挿入長は、放熱板などが形成された筐体の外壁を基準にして行うか、導波管の開口部から治具を挿入してその治具に当る位置という実際の挿入寸法を確認することができない方法に頼らなければならず、導波管内への挿入長を正確に合せることは不可能に近い。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、導波管が筐体と一体成形により形成され、筐体内に設けられる回路基板と直接接続した結合ピンがその導波管内に挿入されることにより形成される構造で、たとえば30GHz以上の高い周波数帯でも結合効率が高く、安定した高い変換特性が得られる同軸導波管変換器およびその製法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的は、筐体と一体成形により形成される同軸導波管変換器においても、その結合ピンの導波管内への挿入長を正確に位置合せすることができる筐体と一体成形型の同軸導波管変換器およびその製法を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、上記高性能な同軸導波管変換特性を有する送受信機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による同軸導波管変換器は、回路が形成された基板を内蔵する筐体と一体に成形される同軸導波管変換器であって、前記同軸導波管変換器を構成する矩形導波管が、該矩形導波管の幅広面に沿った面で分割されたボディ部とカバー部とからなり、該ボディ部が前記筐体と一体に成形され、別部品として別途形成されたカバー部が前記ボディ部に蓋をするように固着されることにより形成され、導波管と結合する結合ピンは、前記ボディ部またはカバー部のいずれかに、その一端部が前記矩形導波管内に一定の長さで挿入されるように固定されると共に、該結合ピンの他端部は前記筐体内に設けられる基板に形成された回路と接続されている。
【0012】
ここに「幅広面に沿った面」とは、矩形導波管の幅広面と平行な面に限らず、幅広面と傾いた面を含み、矩形導波管の対向する幅広面を分割し得る面を意味する。
【0013】
この構造にすることにより、導波管部がボディ部とカバー部とに分割されているので、完全な一体で空洞部を形成する場合より、コーナ部の直角度や幅狭面の平行度を出しやすいと共に、たとえ金型成形により細かい寸法精度が得られない場合でも、分割により導波管空洞の内部が露出する構造であるため、機械加工、放電加工、エッチングなどの加工によりそのコーナ部や平行度を簡単に微調整することができ、その微調整が完了した状態でカバー部を蓋することにより、精度の優れた導波管を形成することができる。たとえば分割面を幅広面の内面に沿った面に設けることにより、一方を平板で、他方を溝付きの板状体とすることができ、たとえ金型成形により、溝付き板状体の溝部の直角度や平行度が所定の値で得られない場合でも、所定の寸法になるように内面の加工により微調整し、平板と重ね合せてネジ止めまたは溶接などにより固定することにより寸法精度の優れた導波管が得られる。
【0014】
さらに、幅広面に沿って導波管が分割されているため、結合ピンの挿入長が導波管の内壁面から正確な寸法に調整した状態で結合ピンを固定することができ、その状態で分割したボディ部とカバー部とを固定することにより、非常に精度よく結合ピンと導波管との結合度を所望の値で得ることができる。
【0015】
前記ボディ部および/またはカバー部に形成される矩形導波管の空洞を構成する溝部のコーナ部が加工により精密寸法に形成されることにより、非常に周波数帯が高い導波管で寸法が小さくなり、±0.02mm程度の小さい寸法精度が要求される場合でも、その寸法精度を正確に得ることができる。ここに加工とは、成形により形成されたままの状態ではなく、形状修正のため、機械加工、放電加工、エッチングなどにより後から施される加工を意味する。
【0016】
前記結合ピンが、該結合ピンの一端部がシェルの基準面に対して正確に位置合せして該シェルに固定され、該結合ピンが固定されたシェルが前記ボディ部またはカバー部に固定されることにより前記矩形導波管内に結合ピンが挿入される構造であれば、結合ピンの他端部が回路基板の配線と直接ハンダ付けなどにより接続される場合でも、位置ずれなどが生じることなく、非常に安定した結合ピンと導波管との結合特性を得ることができる。
【0017】
本発明による送受信機は、請求項1記載の同軸導波管変換器が形成される前記筐体内に、送信回路および/または受信回路が形成された回路基板が内蔵され、該送信回路および/または受信回路の送受信端子が前記結合ピンと接続されている。ここに送受信機とは、送信機および受信機の両方を具備しているものの他、送信機または受信機単独のものも含む意味である。
【0018】
本発明による同軸導波管変換器の製法は、(a)矩形導波管の一壁面を有しまたは矩形導波管の空洞部の一部を構成する溝部を有するボディ部が形成されるように筐体を一体成形し、(b)矩形導波管の一壁面または矩形波管の空洞部の一部を構成する溝部を有し、前記筐体のボディ部に被せることにより導波管を構成するカバー部を形成し、(c)前記ボディ部および/またはカバー部に形成された前記溝部を加工により寸法出しし、(d)前記ボディ部またはカバー部の前記一壁面または前記溝部の幅広面に導波管の内壁となる面から一定の距離に一端部が位置するように結合ピンを前記ボディ部またはカバー部に絶縁体を介して固定し、(e)前記カバー部を前記ボディ部に被せて固定することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
つぎに、図面を参照しながら本発明の同軸導波管変換器およびその製法について説明をする。本発明による同軸導波管変換器は、図1にその一実施形態の構造説明図が示されるように、回路が形成された図示しない回路基板を内蔵する筐体1と一体に成形されている。この同軸導波管変換器を構成する矩形導波管2が、その導波管2の幅広面に沿った面で分割されて、図2に模式化して示されるように、ボディ部10とカバー部20とにより構成されている。そして、ボディ部10が前述の筐体1と一体に成形され、カバー部20が別部品として別途形成され、そのカバー部20がボディ部10に蓋をするように固着されている。そして、導波管2と結合する同軸結合部3の結合ピン31は、ボディ部10またはカバー部20のいずれかに、その一端部が導波管2内に一定の長さで挿入されるように固定されると共に、結合ピン31の他端部は筐体1内に設けられる図示しない回路基板に形成された回路と直接接続されることにより、本発明の同軸導波管変換器が構成されている。
【0020】
図1に示される例は、衛星通信用送受信機の例で、内部で発生する熱を放散するため、放熱板11が多数設けられた筐体1と一体に導波管2のボディ部10が一壁面(平面部)を有するように成形されている。そして、図2にボディ部10とカバー部20の部分が模式化して示されるように、別途成形された導波管2を構成する溝部21を有するカバー部20が、その溝部21が平面部と対向するようにボディ部10に蓋されることにより導波管2を形成する構造になっている。この筐体1およびカバー部20は共に、たとえばアルミニウムなどの軽くて放熱のよい材料が用いられ、このアルミニウムなどの溶融金属を金型に流し込むことによる一体成形で形成されている。しかし、カバー部20は成形により形成する必要はなく、機械加工により形成されていてもよい。とくに、図2に示される例では、カバー部20に溝部21が形成されているが、ボディ部10に溝部21を形成し、カバー部20を平らなプレートで形成することもでき、その場合には、板材を必要な大きさに切断するだけで形成することができる。また、材料もアルミニウムなどには限定されない。
【0021】
ボディ部10は、図2(b)に示されるように、平面部に貫通孔12が形成され、誘電体チューブ32またはギャップを介して結合ピン31の一端部が突出または凹むように形成されている。この結合ピン31の外径および誘電体32の外径は所定のインピーダンスの同軸線路になるように形成されている。この結合ピン31の他端部は、平面部の下側(図1では上面側)で筐体1内に設けられている図示しない回路基板に形成される回路のストリップラインなどと接続され、導波管と回路を構成するストリップラインとが接続されるようになっている。すなわち、この結合ピン31とその周囲の誘電体チューブ32とボディ部10からなる外部導体により同軸線路からなる同軸結合部3が形成され、この結合ピン31の一端部が導波管2内に挿入または接近されることにより、回路基板のストリップラインと導波管とを結合する同軸導波管変換器になっている。
【0022】
この結合ピン31の一端部の導波管2内への挿入長は、ストリップ線路と導波管2との結合度やインピーダンスに非常に大きく影響するため、たとえば±0.1mm程度以内と、非常に厳密に調整される必要がある。とくに前述の30GHz帯のような高周波帯では、導波管2の寸法が非常に小さくなり、その精度が非常に厳しく要求される。本発明では、前述のように、導波管2がボディ部10とカバー部20とに分割され、導波管2の空洞部が開放されており、図2(b)に示されるように、ボディ部10の状態で、導波管の内壁面となる面Aからの結合ピン31の突出長H(引込み、すなわち負の場合もある)を測定しながら、結合ピン31の高さHを調整して固定されている。すなわち、結合ピン31の導波管内壁からの突出長Hが調整された状態で、結合ピン31の他端部が回路基板のストリップ線路とハンダ付けにより固定されており、その上にカバー部20が被せられるだけであるため、後で変動することもなく、非常に精度のよい導波管2内への突出長Hが得られる。
【0023】
この結合ピン31を回路基板に固定する構造で、さらに改良された構造が図3に示されている。すなわち、回路基板には、後述するように、種々の回路が形成され、その大きさも大きくなり、また、筐体1にはネジなどにより固定されるが、発振器や増幅器などの性能チェックや場合によっては、それらの変更をする必要があり、基板を筐体1から外すと結合ピン31の固定が変動する場合が生じ得る。図3に示される構造は、このように回路基板を筐体1から外す必要が生じる場合でも、結合ピン31の位置決めを正確に維持することができる構造である。すなわち、同軸結合部3が、ボディ部10などの導波管の一壁面を構成する金属体に嵌合し得る形状のシェル33に、回路基板の一部であるシェル基板34と共に結合ピン31および誘電体32が固定された構造になっている。
【0024】
この同軸結合部3を形成するには、図3にその製造工程が示されるように、まず、図3(a)に示されるように、誘電体32を被覆した結合ピン31をシェル33の貫通孔33aに嵌め合せて誘電体32との嵌め合いにより保持しておく。シェル33は、たとえば図3(d)および(e)に示されるように、ボディ部10など、導波管2を構成する壁面の一部を切り取る形状に形成され、後からボディ部10などに嵌め込むことにより原状復帰し得る形状に形成されている。そして、その底面Bは、たとえば図3(d)に同軸導波管変換部の断面説明図が示されるように、導波管2の内面Aと合せてもよいし、図3(e)に示されるように、導波管内面より一定の距離Cだけ離れた部分になるように形成されてもよいが、底面の位置が導波管2の内面から一定の距離になるように形成される。
【0025】
一方、図3(b)に示されるように、結合ピン31と接続する部分の回路基板の一部を、シェル33の大きさに合せて分離し、回路基板と同じ基板でストリップライン35が形成されたシェル基板34を形成する。そして、そのシェル基板34の貫通孔34aに結合ピン31の他端部を挿入してシェル33に貼り付ける。
【0026】
この状態で、図3(c)に示されるように、所望の突出長Hに合せた段差を有する治具40に結合ピン31の部分を挿入し、シェル33の底面Bからの結合ピン31の突出長がHになるように調整をして、結合ピン31の他端部をシェル基板34のストリップライン35とハンダ材36などにより接着する。その後、治具40から取り外し、シェル33の底面から突出している結合ピン31の長さHを測定し、所定の寸法からずれている場合には、その先端部を切断して所定の長さに合せるか、再度ハンダ付けをやり直すことにより、シェル33底面からの結合ピン31の突出長Hを正確な寸法にする。なお、図3(e)に示されるように、シェル33の底面Bが、導波管の内壁面と異なる場合は、そのずれ量であるCだけ、結合ピン31の突出長を大きくしてC+Hとする。
【0027】
そして、シェル33をボディ部10に嵌め込み、たとえば図1に示されるように、ネジ39で固定する。また、カバー部20を被せて固着することにより、同軸結合部3の断面図が図3(d)または(e)に示されるように、導波管2内に結合ピン31の一端部が正確な長さHで挿入された同軸導波管変換器が形成される。そして、回路基板を取り付けた後、ストリップライン35を回路基板のストリップラインと接続するだけで、結合ピン31の挿入長に何ら変化を与えることなく、回路基板のストリップラインを結合ピン31と接続することができる。
【0028】
カバー部20は、図2(c)に概念説明図が示されるように、矩形導波管の幅広面の幅で、幅狭面の寸法を高さTに合せた溝部21が形成されるように、別途成形金型により形成されている。この溝部21のコーナ部Cや溝部21の間隔Dは、そのまま導波管の寸法になるため、非常に厳密な寸法精度が要求されるが、筒状ではなく、一面が開放された溝形状であるため、金型成形によっても比較的所望の寸法精度が得られる。しかし、コーナ部Cのアールが大きい場合や、溝部の平行度(間隔D)が得られていない場合は、一面が開放されているため、機械加工、放電加工、エッチングなどの加工を施すことにより容易にその修正をすることができる。
【0029】
このカバー部20を図2(b)に示されるボディ部10上に重ねてネジ、溶接、または接着剤などにより固着することにより、同軸導波管変換器が形成される。なお、ネジで固定する場合には、接合面にオーリングなどを介在させることにより水分の浸入を防止することができ、風雨に晒される外部に取り付ける場合でも、水分の浸入による不具合を防止することができる。
【0030】
回路基板には、たとえば図4に主要部のブロック図が示されるように、FETやガン発振器などの発信機41により発振した出力が、周波数変換部42で入力信号を周波数変換し、増幅器やフィルタからなる増幅部43、サーキュレータなどの送受切替部44、同軸導波管変換器45および導波管2を経てアンテナ46から放射する送信回路、およびアンテナ46により受信した受信信号は逆進し、送受切替部44で分岐されて混合器(MIX)48で局部発振器47の信号と混合され、中間周波信号にされて増幅器およびフィルタからなる増幅部49を経て信号処理回路50に送られ、所望の信号を取り出す受信回路が形成されている。送信機または受信機単独の場合は、この送信回路または受信回路を主体とした回路が形成される。
【0031】
本発明によれば、送受信機などの筐体と一体に形成される同軸導波管変換器の導波管部分が、その幅広面に沿った面で分割して形成されているため、導波管を構成する空洞部のコーナ部や壁面の平行度などを正確に出しやすいと共に、充分な精度で得られない場合でも、機械加工、放電加工、エッチングなどの加工を成形後に施すことによりその寸法精度を向上させることができる。また、同軸との変換部である同軸結合部の結合ピンの導波管内への挿入長を、導波管の内壁となる壁面を基準にして固定されている。この寸法は、固定後にその挿入長をチェックすることができるため、固定の際の熱応力などにより固定後に変化しても、修正することができる。しかも、分割されたボディ部とカバー部とは、それぞれが正確な寸法に形成された状態で、ただ向き合せて固定されるだけで正確な寸法の導波管が形成されるため、同軸結合部の結合ピンの導波管内への挿入長も非常に正確に位置決めされた同軸導波管変換器が形成される。
【0032】
すなわち、防水などの観点から筐体と一体成形する必要があるこの種の同軸導波管変換器において、分割して二体で形成することは通常考えられないことであるが、本発明では、この常識を破っても二体にすることにより、寸法精度の優れた同軸導波管変換器を非常に精度よく、かつ、調整工数をあまり必要としないで歩留りよく安価に得ることができ、却って効率的であることを見出してなされたものである。なお、分割部はオーリングを介した締め付け、溶接、接着剤による接着などにより完全に防水を達成することができる。その結果、インピーダンスや結合度を調整するためのスリースタブなどを設ける必要がなく、防水の問題を生じることもなく、調整の工数を不要とすることができる。
【0033】
前述の例では、ボディ部10を平面状にしてカバー部20に導波管を構成する溝部を形成したが、逆にしてもよく、また、両側に溝部を形成する構造でもよい。さらに、分割部は、幅広面に添った面であれば、幅広面と平行な面でなくてもよい。しかし、溝部は一方にのみ形成する方がコーナ部の加工する箇所が少なくて済むため好ましい。また、筐体と一体のボディ部に溝部を形成するよりも、カバー部に溝部を形成することにより、溝部の寸法精度が充分に得られなくて不良品になる場合でも、ボディ部は放熱板などが形成された筐体の大部分を占めるのに対して、カバー部は溝部が形成された部分だけであるため、材料の無駄がなくなり好ましい。
【0034】
さらに、前述の例では、同軸結合部をボディ部側に形成したが、カバー部に同軸結合部を形成しても同様に導波管内壁を基準にしてその突出長を調整することができる。
【0035】
この同軸導波管変換器を製造するには、上述のように、まず、筐体の一体成形部のうち、矩形導波管を分割した一壁面を有しまたは矩形導波管の空洞部の一部を構成する溝部を有するボディ部が形成されるように筐体を一体成形する。一方、図2(b)に示されるように、前述の分割した矩形導波管の残部である一壁面または矩形波管の空洞部の一部を構成する溝部21を有し、筐体のボディ部10に被せることにより導波管2を構成するカバー部20を形成する。そして、たとえばボディ部10(カバー部20)に形成された溝部21を機械加工などの後加工により寸法出しする。さらに、たとえばボディ部10の一壁面またはカバー部20の溝部21の幅広面に導波管の内壁となる面から一定の長さで一端部が突出するように結合ピン31をボディ部10またはカバー部20に絶縁体32を介して固定する。その後、カバー部20をボディ部10に被せて固定することにより製造することができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、筐体と一体成形により形成する同軸導波管変換器を、非常に精度よく形成することができるため、たとえば30GHzのような高周波で、導波管寸法が小さいものでも、スリースタブなどによる調整機構を設けることなく、高性能な同軸導波管変換器を得ることができる。その結果、防水性の優れた高性能な同軸導波管変換器を有する導波管を一体化した筐体を安価に得ることができ、衛星放送など、高周波通信の発達に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による筐体と一体成形により形成された同軸導波管変換器の一実施形態の部分を示す送受信機の説明図である。
【図2】図1に示される同軸導波管変換器部分の分解説明図である。
【図3】図1に示される同軸導波管変換部の他の構造例を製造工程で示した説明図およびさらに他の構造例を示す断面説明図である。
【図4】図1に示される送受信機の回路基板に形成される回路の要部の一例を示すブロック図である。
【図5】従来の筐体と一体成形により形成される同軸導波管変換部分の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 導波管
3 同軸結合部
10 ボディ部
20 カバー部
21 溝部
31 結合ピン
32 誘電体
33 シェル
34 シェル基板
35 マイクロストリップライン

Claims (5)

  1. 回路が形成された基板を内蔵する筐体と一体に成形される同軸導波管変換器であって、前記同軸導波管変換器を構成する矩形導波管が、該矩形導波管の幅広面に沿った面で分割されたボディ部とカバー部とからなり、該ボディ部が前記筐体と一体に成形され、別部品として別途形成されたカバー部が前記ボディ部に蓋をするように固着されることにより形成され、導波管と結合する結合ピンは、前記ボディ部またはカバー部のいずれかに、その一端部が前記矩形導波管内に一定の長さで挿入されるように固定されると共に、該結合ピンの他端部は前記筐体内に設けられる基板に形成される回路と接続されてなる同軸導波管変換器。
  2. 前記ボディ部および/またはカバー部に形成される矩形導波管の空洞を構成する溝部のコーナ部が加工により精密寸法に形成されてなる請求項1記載の同軸導波管変換器。
  3. 前記結合ピンが、該結合ピンの先端位置がシェルの基準面に対して正確に位置合せして該シェルに固定され、該結合ピンが固定されたシェルが前記ボディ部またはカバー部に固定されることにより前記矩形導波管内に結合ピンが挿入される構造である請求項1または2記載の同軸導波管変換器。
  4. 請求項1記載の同軸導波管変換器が形成される前記筐体内に、送信回路および/または受信回路が形成された回路基板が内蔵され、該送信回路および/または受信回路の送受信端子が前記結合ピンと接続されてなる送受信機。
  5. (a)矩形導波管の一壁面を有し、または矩形導波管の空洞部の一部を構成する溝部を有するボディ部を有するように筐体を一体成形し、
    (b)矩形導波管の一壁面または矩形波管の空洞部の一部を構成する溝部を有し、前記筐体のボディ部に被せることにより導波管を構成するカバー部を形成し、
    (c)前記ボディ部および/またはカバー部に形成された前記溝部を加工により寸法出しし、
    (d)前記ボディ部またはカバー部の前記一壁面または前記溝部の幅広面に導波管の内壁となる面から一定の距離に一端部が位置するように結合ピンを前記ボディ部またはカバー部に絶縁体を介して固定し、
    (e)前記カバー部を前記ボディ部に被せて固定する
    ことを特徴とする同軸導波管変換器の製法。
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