JP2004252137A - 誘導加熱定着装置 - Google Patents

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Miho Toyoda
豊田  美帆
Tetsuko Oomoto
大本  哲子
Naohiko Haniyu
羽生  直彦
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Abstract

【課題】加熱部材と励磁コイルの温度によって、励磁コイルの表面の色を変更し、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減と、熱効率のアップ(up)とを図る誘導加熱定着装置を提供すること。
【解決手段】加熱部材に磁束を供給する励磁コイルを設けると共に、励磁コイルと加熱部材との間に輻射率を変更可能な部材を設け、加熱部材からの熱でニップ部を通過する転写材を加熱することを特徴とする誘導加熱定着装置。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置に用いられる誘導加熱定着装置に関し、特に輻射率を変更可能な部材を有する誘導加熱定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置に用いられる定着装置として、技術的な完成度が高く安定したものとして芯金上にゴム層を有したソフト熱ローラ定着方式が、低速機から高速機までのフルカラー機に幅広く採用されている。
【0003】
しかしながら、従来のソフト熱ローラ定着方式の定着装置では、転写材やトナーを加熱する際に、熱伝導率が悪く、且つ熱容量の大きな定着ローラ(加熱部材)を加熱する必要があるためエネルギー効果が悪く、省エネ面で不利であり、また、プリント時に定着装置を暖めるのに時間がかかりウォーミングアップ時間(WUT)が長くなってしまうという問題がある。
【0004】
これを解決するための定着装置として、加熱部材として励磁コイルを有するローラ状の電磁誘導定着用回転部材(磁性定着ローラ)を用い、瞬時加熱が可能なクイックスタート定着用の誘導加熱定着装置が知られている(特許文献1参照。)。
【0005】
また、誘導加熱定着装置に用いられる励磁コイルの表面の絶縁部材を白色にし、輻射を抑えることで加熱部材(加熱ローラ)のウォーミングアップ時間(WUT)の短縮を図る技術が、東芝プリマージュ355・455(R)などで知られている(特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−49260号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2002−174973号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2で知られている技術は、励磁コイルの自己発熱により、励磁コイルの温度が加熱ローラ(加熱部材)の温度よりも高くなる場合には、逆に励磁コイルから加熱ローラ側に熱が供給されにくくなり、問題となる。
【0009】
本発明は上記の不具合を解消し、加熱部材と励磁コイルの温度によって、励磁コイルの表面の色を変更し、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減と、熱効率のアップ(up)とを図る誘導加熱定着装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記本発明の目的は下記の構成により達成される。
【0011】
(1)誘導電流により発熱する中空回転体からなる加熱部材と、当該加熱部材に対し圧接しニップ部を形成する加圧部材とを有し、転写材上のトナー像を定着する誘導加熱定着装置において、前記加熱部材に磁束を供給する励磁コイルを設けると共に、励磁コイルと加熱部材との間に輻射率を変更可能な部材を設け、前記加熱部材からの熱で前記ニップ部を通過する転写材を加熱することを特徴とする誘導加熱定着装置(第1の発明)。
【0012】
(2)誘導電流により発熱する中空回転体からなる加熱部材と、当該加熱部材に対し圧接しニップ部を形成する加圧部材とを有し、転写材上のトナー像を定着する誘導加熱定着装置において、前記加熱部材に磁束を供給するリッツ線からなる励磁コイルと、当該励磁コイルと加熱部材との間に輻射率を変更可能な部材を設け、前記励磁コイルの表面の輻射率を0〜0.3(白色または銀色)と設定し、前記加熱部材からの熱で前記ニップ部を通過する転写材を加熱する誘導加熱定着装置(第2の発明)。
【0013】
(3)誘導電流により発熱する中空回転体からなる加熱部材と、当該加熱部材に対し圧接しニップ部を形成する加圧部材とを有し、転写材上のトナー像を定着する誘導加熱定着装置において、前記加熱部材に磁束を供給する励磁コイルを設けると共に、前記励磁コイルと前記加熱部材との間に電圧変化によって輻射率を変更可能な機能を持つと共に、励磁コイルの温度または加熱部材の温度に応じて輻射率を変更するエレクトロクロミックガラスを設け、前記加熱部材からの熱で前記ニップ部を通過する転写材を加熱する誘導加熱定着装置(第3の発明)。
【0014】
(4)誘導電流により発熱する中空回転体からなる加熱部材と、当該加熱部材に対し圧接しニップ部を形成する加圧部材とを有し、転写材上のトナー像を定着する誘導加熱定着装置において、前記加熱部材に供給する磁束を発生させる励磁コイルを支持部材の外側に巻つけ、前記励磁コイルの外面に電圧変化によって輻射率を変更可能な部材を設け、エレクトロクロミックガラスの輻射率を励磁コイルと加熱部材の温度差に応じて変更し、前記加熱部材からの熱で前記ニップ部を通過する転写材を加熱する誘導加熱定着装置(第4の発明)。
【0015】
本発明は上記の如き構成をとることにより、加熱部材と励磁コイルの温度によって、励磁コイルの表面の色を変更し、加熱部材(加熱ローラ)から励磁コイルに対して与える輻射熱を抑え、また励磁コイルの自己発熱により、加熱部材よりも励磁コイルの温度が高くなった時に、励磁コイルから加熱部材に熱を与えやすくなるようにし、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減と、熱効率アップ(up)とを図る誘導加熱定着装置の提供を可能とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
【0017】
(1)本発明の誘導加熱定着装置が用いられる画像形成装置について、図1にて以下に述べる。
【0018】
図1において、画像形成装置GSは、画像形成装置本体GHと画像読取装置YSとから構成される。
【0019】
画像形成装置本体GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、ベルト状の中間転写体6と給紙搬送手段及び後述する誘導加熱定着装置17(或いは、誘導加熱定着装置17A、17B、17C)とからなる。
【0020】
画像形成装置本体GHの上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置YSが設置されている。自動原稿送り装置201の原稿台上に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
【0021】
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、画像書き込み部(露光手段)3Y、3M、3C、3Kに信号を送る。
【0022】
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部10Yは、像担持体としての感光体ドラム1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y及びクリーニング手段8Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成部10Mは、像担持体としての感光体ドラム1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M及びクリーニング手段8Mを有する。シアン(C)色の画像を形成する画像形成部10Cは、像担持体としての感光体ドラム1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C及びクリーニング手段8Cを有する。黒(K)色の画像を形成する画像形成部10Kは、像担持体としての感光体ドラム1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K及びクリーニング手段8Kを有する。帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光装置3C及び帯電手段2Kと露光装置3Kとは、潜像形成手段を構成する。
【0023】
4Y、4M、4C、4Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の、小粒径のトナーとキャリアからなる2成分現像剤を内包する現像装置であり、5Y、5M、5C、5Kは、現像装置4Y、4M、4C、4Kにそれぞれ新規のトナーを補給するトナー補給手段である。
【0024】
中間転写体6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
誘導加熱定着装置17(或いは、誘導加熱定着装置17A、17B、17C)はカラートナー像を定着するための上側の加熱部材としての加熱ローラ17a(或いは、加熱ローラ17b、17c、17d)と、上側の加熱ローラ17a(或いは、加熱ローラ17b、17c、17d)を圧接する下側の加圧部材としての加圧ローラ47aとにより構成され、上側の加熱ローラ17a(或いは、加熱ローラ17b、17c、17d)の内部には、誘導電流によって加熱ローラ17a(或いは、加熱ローラ17b、17c、17d)を加熱する励磁コイルLCLaが配設される。
【0025】
画像形成部10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体6上に転写手段7Y、7M、7C及び7Kにより逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材としての記録紙Pは、給紙手段21により給紙され、給紙ローラ22A、22B、22C、レジストローラ23等を経て、転写手段7Aに搬送され、記録紙P上にカラー画像が転写される(2次転写)。カラー画像が転写された記録紙Pは、誘導加熱定着装置17の加熱ローラ17aと加圧ローラ47aとの間で形成されるニップ部Nで記録紙Pが挟持され、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のカラートナー像が定着され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
【0026】
一方、転写手段7Aにより記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを曲率分離した中間転写体6は、クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
【0027】
なお、上記画像形成装置の説明においては、カラー画像形成にて説明したが、モノクロ画像を形成する場合も本発明に含まれるものである。
【0028】
(2)本発明にかかわる輻射率を変更可能な部材を有する誘導加熱定着装置と、当該誘導加熱定着装置に用いられる加熱部材とについて、図2ないし図9を用いて以下に説明する。図2は、本発明にかかわる励磁コイルを有する加熱部材が用いられる誘導加熱定着装置の第1の例の概要断面図であり、図3は、図2の加熱部材の側断面図であり、図4は、本発明にかかわる励磁コイルを有する加熱部材が用いられる誘導加熱定着装置の第2の例の概要断面図であり、図5は、図4の加熱部材の側断面図であり、図6は、本発明にかかわる励磁コイルを有する加熱部材が用いられる誘導加熱定着装置の第3の例の概要断面図であり、図7は、図6の加熱部材の側断面図であり、図8は、本発明にかかわる励磁コイルを有する加熱部材が用いられる誘導加熱定着装置の第4の例の概要断面図であり、図9は、図8の加熱部材の側断面図である。なお、加熱部材の各例において機能、構造を同じくする部材には同一の記号を付した。本発明は下記の励磁コイルと、加熱部材と、励磁コイルと加熱部材との間に設けられる輻射率を変更可能な部材とを用いることにより、加熱部材と励磁コイルの温度によって、励磁コイルの表面の色が変更され、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減と、熱効率のアップ(up)とを図るものである。
【0029】
第1の例の誘導加熱定着装置17は、図2に示すように、転写材としての記録紙P上のトナー像を定着するための上側のリッツ線LPtからなる励磁コイルLCLaを有する加熱部材としての加熱ローラ17aと、上側の加熱ローラ17aに対して圧接する下側のロール状の加圧部材としての加圧ローラ47aとにより構成される。本発明は、リッツ線LPtからなる励磁コイルLCLaと、上側に設けられ記録紙P上のトナー像を定着するための加熱部材としての加熱ローラ17aとの間に輻射率を変更可なサーモクロミックガラスTCgを設けるものである。
【0030】
上側に設けられる加熱ローラ17aは、例えばステンレス材等の金属部材やポリイミドやポリアミド等の樹脂部材からなる円筒状の中空回転体171aと、当該中空回転体171aの外側(外周面側)の耐熱性のPFA(パーフルオロアルコキシ)チューブ171bとからなる外径25〜70mm程度のハードローラとして構成される。
【0031】
加熱ローラ17aと対向して設けられる加圧部材としての加圧ローラ47aは、例えばステンレス材を用いた中実の丸棒からなる芯金471aと、該芯金471aの外周に形成され、例えばゴム硬度が10Hs〜40Hs(JIS、Aゴム硬度)程度のシリコンゴムの発泡体からなるゴムローラ層472bと、該ゴムローラ層472bの表面に設けられるPFA(パーフルオロアルコキシ)チューブを被覆した離型層472cとからなるソフトローラとして形成される。加圧ローラ47aの芯金471aとしては、例えばステンレスのパイプ材を用いた中空(パイプ状)の丸棒を用いてもよい。またゴムローラ層472bとしてはゴム硬度が40Hs〜80Hs(JIS、Aゴム硬度)程度とし、加圧ローラ47aをハードローラとしてもよい。
【0032】
前記加熱ローラ17aの内部には、励磁コイルLCLaを、図に示すように、加熱ローラ17aの内面と間隙を設けて配置する。励磁コイルLCLaは内部にコアCKaを有する支持部材としてのコイルボビンCLBと、その外側(外周面)のコイル線材CLaとにより構成される。励磁コイルLCLaのコイル線材CLaの誘導電流により発せられる磁力線(磁束)により中空回転体171aの内部に交流磁界が形成され、加熱ローラ17aが加熱される。励磁コイルLCLaのコイル線材CLaから発せられる磁力線(磁束)により内部に形成される交流磁界により中空回転体171aが加熱され急速加熱が可能なロール状の加熱部材が形成される。即ち本発明の誘導加熱定着装置17に用いられる加熱部材は、励磁コイルLCLaに電流を流して、コアCKaから発せられる磁力線(磁束)により中空回転体171aの内部に0.5〜50kHz程度の交流磁界を形成し、この交流磁界により生じる中空回転体171a内部の渦電流(誘導電流)により中空回転体171aが加熱されるものである。
【0033】
不図示の駆動モータの回転により、加熱ローラ17a或いは加圧ローラ47aの何れか一方が回転駆動され、他方が従動回転される。
【0034】
上側のハードローラとして構成される加熱ローラ17aと、下側のソフトローラとして構成される加圧ローラ47aとの間で形成される、幅5〜25mm程度の幅広のニップ部Nで記録紙Pを挟持し、熱と圧力とを加えることにより、ニップ部Nで記録紙P上のトナー像(或いはカラートナー像)の良好な定着が行われる。
【0035】
TS1は上側の加熱ローラ17aに取付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタを用いた温度検知手段である温度検知素子であり、TS2は下側の加圧ローラ47aに取付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタを用いた温度検知素子であり、TS3は上側の加熱ローラ17aと励磁コイルLCLaとの間に設けられたサーモクロミックガラスTCgに取付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタを用いた温度検知手段である。温度検知素子TS1、TS2、TS3としては接触タイプの他に、非接触タイプのものを用いることも可能である。
【0036】
また、中空回転体171a内部の磁力線(磁束)により、加熱ローラ17aの内部が均一に加熱されて、加熱ローラ17aの表面の温度むらが抑止される。また特に、加熱ローラ17aの周方向においても磁力線(磁束)の流れにより、加熱ローラ17aが均一に加熱され、加熱ローラ17aの周方向の温度むらが抑止される。
【0037】
上述したように、加熱部材に誘導電流による磁力線(磁束)を発生させる誘導コイルからなる誘導加熱定着装置を設けるもので、加熱部材を中空回転体とすると共に、加熱部材に誘導電流を発生させることにより、加熱部材の周方向の温度むらの少ない誘導加熱定着装置が得られる。
【0038】
上記において、誘導加熱定着装置17は、加熱ローラ17aからの熱でニップ部Nを通過する記録紙Pを加熱する励磁コイルLCLaを備えるものである。
【0039】
上記の如く、後述する誘導コイルを上記説明の誘導加熱定着装置に用いることにより、誘導コイルのコイルボビンの周方向の熱変形が抑止され、また、誘導コイルを加熱部材の内面と間隙を設けて配置することにより、コイルボビンの熱変形による加熱部材との接触がなく、コイルと加熱部材との電気的なショートが防止される誘導加熱定着装置の提供が可能となる。
【0040】
また誘導加熱定着装置17の加熱ローラ17aは、図3に示すように、例えばフェライトコアやパーマロイ等の積層鋼板からなる励磁コイルLCLaを有するもので、励磁コイルLCLaは、磁性を有するコアCKaと、当該コアCKaを収納するための、例えば非磁性絶縁物、特に耐熱性材料を用いるコアボビンCKBと、当該コアボビンCKBを内包し、コイル線材として用い、表層のチューブCBaを被せたリッツ線LPtからなるコイル線材CLaと、当該コイル線材CLaを巻回する中空形状の支持部材としてのコイルボビンCLBとにより構成される。コイルボビンCLBも同様に耐熱性材料が用いられる。コアボビンCKBやコイルボビンCLBに用いられる耐熱性材料としては、250℃程度まで変形が起こらないものとして、ガラス、セラミック等のガラス材料や、PPS、PEEK等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂等の樹脂材料や、その他液晶ポリマー等の液晶材料等が用いられる。
【0041】
励磁コイルLCLaに設けられるコアCKaは、一体(不図示)または、図2に示すように分割して、コアボビンCKBの不図示の開閉蓋を開口した状態でコアボビンCKB内に挿入される。この際、コアボビンCKB内に設けられる不図示のガイド溝にコアCKaが位置決めされて配設される。
【0042】
励磁コイルLCLaの誘導電流により発生される磁力線(磁束)により良好な誘導磁界(交流磁界)が形成される。
【0043】
上記加熱ローラ17aを有する誘導加熱定着装置17において、励磁コイルLCLaとしてはその表面を白色にし、励磁コイルLCLaの温度Tc1が規定温度Taを越えて高い場合(励磁コイルLCLaの温度Tc1が規定温度Taに対しTc1>Taの場合)は、サーモクロミックガラスTCgの輻射率を0.8〜1.0に設定することが、本発明の目的とする加熱ローラ(加熱部材)から励磁コイルに対して与える輻射熱を抑え、また、励磁コイルの自己発熱により、加熱ローラよりも温度が高くなった時に、励磁コイルから加熱ローラに熱を与えやすくなり、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)が図られる誘導加熱定着装置を提供することで好ましい。また、励磁コイルLCLaの温度Tc1が規定温度Ta或いは規定温度Ta未満で低い場合(励磁コイルLCLaの温度Tc1が規定温度Taに対しTc1<=Taの場合)は、輻射率を変更可能なサーモクロミックガラスTCgの輻射率を透過率20%以下に設定することが、本発明の目的とする加熱ローラ(加熱部材)から励磁コイルに対して与える輻射熱を抑え、また、励磁コイルの自己発熱により、加熱ローラよりも温度が高くなった時に、励磁コイルから加熱ローラに熱を与えやすくなり、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)が図られる誘導加熱定着装置を提供することで好ましい。これにより、加熱ローラ17aから励磁コイルLCLaに対して与える輻射熱を抑え、また、励磁コイルLCLaの自己発熱により、加熱ローラ17aよりも温度が高くなった時に、励磁コイルLCLaから加熱ローラ17aに熱を与えやすくなり、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)が図られる。
【0044】
励磁コイルLCLaの温度Tc1が規定温度Taを越えて高い場合、サーモクロミックガラスTCgの輻射率を0.85および0.95に設定し、図1の画像形成装置に図2の誘導加熱定着装置17を適用して5万コピーを行い評価を行ったところ、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)が図られた誘導加熱定着装置が得られることが実証され、本発明の課題の効果を見いだすことができた。さらにサーモクロミックガラスTCgの輻射率を0.90に設定したときには更によい効果が見いだされた。ところが、サーモクロミックガラスTCgの輻射率を0.75および1.05に設定したときでは、本発明の課題を越え本発明の効果を見いだすことができなかった。
【0045】
第2の例の誘導加熱定着装置17Aは、加熱部材として図2または図3にて説明した加熱ローラ17aに代えて、図4または図5示すような加熱ローラ17bを用い、加圧部材としは図2または図3にて説明した加圧ローラ47aと同様な部材を用いるものである。誘導加熱定着装置17Aは、図4または図5示すように、転写材としての記録紙P上のトナー像を定着するための上側のリッツ線LPtからなる励磁コイルLCLaを有する加熱部材としての加熱ローラ17bと、上側の加熱ローラ17bに対して圧接する下側のロール状の加圧部材としての加圧ローラ47aとにより構成される。また、上側に設けられ、記録紙P上のトナー像を定着するための加熱部材としての加熱ローラ17bは、図2または図3にて説明した加熱ローラ17aと同様な機能、構造の部材が用いられる。本発明は、励磁コイルLCLaとしてはその表面を白色にし、その外面に酸化タングステンを含有した調光ガラスCLgを設け、加熱ローラ17bに磁束を供給するリッツ線LPtからなる励磁コイルLCLaと、当該励磁コイルLCLaと加熱ローラ17bとの間に輻射率を変更可能な調光ガラスCLgを設けるものである。
【0046】
TS1は上側の加熱ローラ17bに取付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタを用いた温度検知手段である温度検知素子であり、TS2は下側の加圧ローラ47aに取付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタを用いた温度検知素子であり、TS3は上側の加熱ローラ17bと励磁コイルLCLaとの間に設けられた調光ガラスCLgに取付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタを用いた温度検知手段である。温度検知素子TS1、TS2、TS3としては接触タイプの他に、非接触タイプのものを用いることも可能である。
【0047】
上記加熱ローラ17bを有する誘導加熱定着装置17Aにおいて、励磁コイルLCLaの表面の輻射率を0〜0.3(白色または銀色)と設定することが、本発明の目的とする加熱ローラ(加熱部材)から励磁コイルに対して与える輻射熱を抑え、また、励磁コイルの自己発熱により、加熱ローラよりも温度が高くなった時に、励磁コイルから加熱ローラに熱を与えやすくなり、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)が図られる誘導加熱定着装置を提供することで好ましい。これにより、加熱ローラ17bから励磁コイルLCLaに対して与える輻射熱を抑え、また、励磁コイルLCLaの自己発熱により、加熱ローラ17bよりも温度が高くなった時に、励磁コイルLCLaから加熱ローラ17bに熱を与えやすくなり、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)が図られる。
【0048】
また、励磁コイルLCLaの温度Tc2が加熱ローラ17bの温度Tr1を越えて高い場合(励磁コイルLCLaの温度Tc2と、中空回転体171aである加熱ローラ17bの温度Tr1との関係がTc2>Tr1の場合)は、図5に示すスイッチsw1を接続状態とし、調光ガラスCLgの電圧V1をonとして調光ガラスCLgの輻射率を0.8〜1.0に設定し、調光ガラスCLgの色を透明に設定することが、さらに本発明の目的とする加熱ローラ(加熱部材)から励磁コイルに対して与える輻射熱を抑え、また、励磁コイルの自己発熱により、加熱ローラよりも温度が高くなった時に、励磁コイルから加熱ローラに熱を与えやすくなり、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)が図られる誘導加熱定着装置を提供することで好ましい。また、励磁コイルLCLaの温度Tc2よりも加熱ローラ17bの温度Tr1或いは温度Tr1未満で低い場合(励磁コイルLCLaの温度Tc2と、中空回転体171aである加熱ローラ17bの温度Tr1との関係がTc2<=Tr1の場合)は、図5に示すスイッチsw1を切断状態とし、調光ガラスCLgの電圧V1をoffとし調光ガラスCLgを黒に設定することが、さらに本発明の目的とする加熱ローラ(加熱部材)から励磁コイルに対して与える輻射熱を抑え、また、励磁コイルの自己発熱により、加熱ローラよりも温度が高くなった時に、励磁コイルから加熱ローラに熱を与えやすくなり、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)が図られる誘導加熱定着装置を提供することで好ましい。これにより、加熱ローラ17bから励磁コイルLCLaに対して与える輻射熱を抑え、また、励磁コイルLCLaの自己発熱により、加熱ローラ17bよりも温度が高くなった時に、励磁コイルLCLaから加熱ローラ17bに熱を与えやすくなり、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)がさらに図られる。
【0049】
励磁コイルLCLaの温度Tc2が加熱ローラ17bの温度Tr1を越えて高い場合、調光ガラスCLgの輻射率を0.85および0.95に設定し、図1の画像形成装置に図4の誘導加熱定着装置17Aを適用して5万コピーを行い評価を行ったところ、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)が図られた誘導加熱定着装置が得られることが実証され、本発明の課題の効果を見いだすことができた。さらに調光ガラスCLgの輻射率を0.90に設定したときには更によい効果が見いだされた。ところが、調光ガラスCLgの輻射率を0.75および1.05に設定したときでは、本発明の課題を越え本発明の効果を見いだすことができなかった。
【0050】
第3の例の誘導加熱定着装置17Bは、加熱部材として図2または図3にて説明した加熱ローラ17aに代えて、図6または図7示すような加熱ローラ17cを用い、加圧部材としは図2または図3にて説明した加圧ローラ47aと同様な部材を用いるものである。誘導加熱定着装置17Bは、図6または図7示すように、転写材としての記録紙P上のトナー像を定着するための上側のリッツ線LPtからなる励磁コイルLCLaを有する加熱部材としての加熱ローラ17cと、上側の加熱ローラ17cに対して圧接する下側のロール状の加圧部材としての加圧ローラ47aとにより構成される。また、上側に設けられ、記録紙P上のトナー像を定着するための加熱部材としての加熱ローラ17cは、図2または図3にて説明した加熱ローラ17aと同様な機能、構造の部材が用いられる。本発明は、励磁コイルLCLaとしてはその表面を白色にし、加熱ローラ17cに磁束を供給するリッツ線LPtからなる励磁コイルLCLaを設けると共に、当該励磁コイルLCLaと加熱ローラ17cとの間に電圧変化によって輻射率を変更可能な機能を持つと共に、励磁コイルLCLaの温度または加熱ローラ17cの温度に応じて輻射率を変更するエレクトロクロミックガラスECgを設けるものである。
【0051】
TS1は上側の加熱ローラ17cに取付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタを用いた温度検知手段である温度検知素子であり、TS2は下側の加圧ローラ47aに取付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタを用いた温度検知素子であり、TS3は上側の加熱ローラ17cと励磁コイルLCLaとの間に設けられたエレクトロクロミックガラスECgに取付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタを用いた温度検知手段である。温度検知素子TS1、TS2、TS3としては接触タイプの他に、非接触タイプのものを用いることも可能である。
【0052】
上記加熱ローラ17cを有する誘導加熱定着装置17Bにおいて、励磁コイルLCLaの温度Tc3が加熱ローラ17cの温度Tr2を越えて高い場合(励磁コイルLCLaの温度Tc3と、中空回転体171aである加熱ローラ17cの温度Tr2との関係がTc3>Tr2の場合)は、図7に示すスイッチsw21を接続状態とし、エレクトロクロミックガラスECgの電圧V21をonとしてエレクトロクロミックガラスECgの輻射率を0.8〜1.0に設定し、エレクトロクロミックガラスECgの色を透明に設定することが、さらに本発明の目的とする加熱ローラ(加熱部材)から励磁コイルに対して与える輻射熱を抑え、また、励磁コイルの自己発熱により、加熱ローラよりも温度が高くなった時に、励磁コイルから加熱ローラに熱を与えやすくなり、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)が図られる誘導加熱定着装置を提供することで好ましい。また、励磁コイルLCLaの温度Tc3よりも加熱ローラ17cの温度Tr2或いは温度Tr2未満で低い場合(励磁コイルLCLaの温度Tc3と、中空回転体171aである加熱ローラ17cの温度Tr2との関係がTc3<=Tr2の場合)は、図7に示すスイッチsw21を切断状態とし、エレクトロクロミックガラスECgの電圧V21をoffとしエレクトロクロミックガラスECgの色を黒に設定することが、さらに本発明の目的とする加熱ローラ(加熱部材)から励磁コイルに対して与える輻射熱を抑え、また、励磁コイルの自己発熱により、加熱ローラよりも温度が高くなった時に、励磁コイルから加熱ローラに熱を与えやすくなり、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)が図られる誘導加熱定着装置を提供することで好ましい。これにより、加熱ローラ17cから励磁コイルLCLaに対して与える輻射熱を抑え、また、励磁コイルLCLaの自己発熱により、加熱ローラ17cよりも温度が高くなった時に、励磁コイルLCLaから加熱ローラ17cに熱を与えやすくなり、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)がさらに図られる。
【0053】
励磁コイルLCLaの温度Tc3が加熱ローラ17cの温度Tr2を越えて高い場合、エレクトロクロミックガラスECgの輻射率を0.85および0.95に設定し、図1の画像形成装置に図6の誘導加熱定着装置17Bを適用して5万コピーを行い評価を行ったところ、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)が図られた誘導加熱定着装置が得られることが実証され、本発明の課題の効果を見いだすことができた。さらにエレクトロクロミックガラスECgの輻射率を0.90に設定したときには更によい効果が見いだされた。ところが、エレクトロクロミックガラスECgの輻射率を0.75および1.05に設定したときでは、本発明の課題を越え本発明の効果を見いだすことができなかった。
【0054】
第4の例の誘導加熱定着装置17Cは、加熱部材として図2または図3にて説明した加熱ローラ17aに代えて、図8または図9示すような加熱ローラ17dを用い、加圧部材としは図2または図3にて説明した加圧ローラ47aと同様な部材を用いるものである。誘導加熱定着装置17Cは、図8または図9示すように、転写材としての記録紙P上のトナー像を定着するための上側のリッツ線LPtからなる励磁コイルLCLaを有する加熱部材としての加熱ローラ17dと、上側の加熱ローラ17dに対して圧接する下側のロール状の加圧部材としての加圧ローラ47aとにより構成される。また、上側に設けられ、記録紙P上のトナー像を定着するための加熱部材としての加熱ローラ17dは、図2または図3にて説明した加熱ローラ17aと同様な機能、構造の部材が用いられる。本発明は、励磁コイルLCLaとしてはその表面を白色にし、加熱ローラ17dに供給する磁束を発生させるリッツ線LPtからなる励磁コイルLCLaを支持部材としてのコイルボビンCLBの外側に巻つけ、当該励磁コイルLCLaの外面に電圧変化によって輻射率を変更可能なエレクトロクロミックガラスECgを設け、当該エレクトロクロミックガラスECgの輻射率を励磁コイルLCLaと加熱ローラ17dの温度差に応じて変更するものである。
【0055】
TS1は上側の加熱ローラ17dに取付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタを用いた温度検知手段である温度検知素子であり、TS2は下側の加圧ローラ47aに取付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタを用いた温度検知素子であり、TS3は上側の加熱ローラ17dと励磁コイルLCLaとの間に設けられたエレクトロクロミックガラスECgに取付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタを用いた温度検知手段である。温度検知素子TS1、TS2、TS3としては接触タイプの他に、非接触タイプのものを用いることも可能である。
【0056】
上記加熱ローラ17dを有する誘導加熱定着装置17Cにおいて、励磁コイルLCLaの温度Tc4が加熱ローラ17dの温度Tr3を越えて高い場合(励磁コイルLCLaの温度Tc4と、中空回転体171aである加熱ローラ17dの温度Tr3との関係がTc4>Tr3の場合)は、図9に示すスイッチsw22を接続状態とし、エレクトロクロミックガラスECgの電圧V22をonとしてエレクトロクロミックガラスECgの輻射率を0.8〜1.0に設定し、エレクトロクロミックガラスECgの調光ガラス(不図示)内に挟まれた液晶シート内の液晶分子を整列させ、光を透過させてエレクトロクロミックガラスECgを透明に設定することが、本発明の目的とする加熱ローラ(加熱部材)から励磁コイルに対して与える輻射熱を抑え、また、励磁コイルの自己発熱により、加熱ローラよりも温度が高くなった時に、励磁コイルから加熱ローラに熱を与えやすくなり、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)が図られる誘導加熱定着装置を提供することで好ましい。また、励磁コイルLCLaの温度Tc4よりも加熱ローラ17dの温度Tr3或いは温度Tr3未満で低い場合(励磁コイルLCLaの温度Tc4と、中空回転体171aである加熱ローラ17dの温度Tr3との関係がTc4<=Tr3の場合)は、図9に示すスイッチsw21を切断状態とし、エレクトロクロミックガラスECgの電圧V22をoffとしてエレクトロクロミックガラスECgの調光ガラス(不図示)内に挟まれた液晶シート内の液晶分子を不規則に並ばせ、光を散乱させてエレクトロクロミックガラスECgを不透明或いは曇らせるように設定することが、本発明の目的とする加熱ローラ(加熱部材)から励磁コイルに対して与える輻射熱を抑え、また、励磁コイルの自己発熱により、加熱ローラよりも温度が高くなった時に、励磁コイルから加熱ローラに熱を与えやすくなり、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)が図られる誘導加熱定着装置を提供することで好ましい。これにより、加熱ローラ17dから励磁コイルLCLaに対して与える輻射熱を抑え、また、励磁コイルLCLaの自己発熱により、加熱ローラ17dよりも温度が高くなった時に、励磁コイルLCLaから加熱ローラ17dに熱を与えやすくなり、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)がさらに図られる。
【0057】
励磁コイルLCLaの温度Tc4が加熱ローラ17dの温度Tr3を越えて高い場合、エレクトロクロミックガラスECgの輻射率を0.85および0.95に設定し、図1の画像形成装置に図8の誘導加熱定着装置17Cを適用して5万コピーを行い評価を行ったところ、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減や熱効率のアップ(up)が図られた誘導加熱定着装置が得られることが実証され、本発明の課題の効果を見いだすことができた。さらにエレクトロクロミックガラスECgの輻射率を0.90に設定したときには更によい効果が見いだされた。ところが、エレクトロクロミックガラスECgの輻射率を0.75および1.05に設定したときでは、本発明の課題を越え本発明の効果を見いだすことができなかった。
【0058】
上記の如く、本発明の如き構成をとることにより、加熱部材と励磁コイルの温度によって、励磁コイルの表面の色が変更され、加熱部材から励磁コイルに対して与える輻射熱が抑えられ、また、励磁コイルの自己発熱により、加熱部材よりも励磁コイルの温度が高くなった時に、励磁コイルから加熱部材に熱が与えやすくなるようにされ、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減と、熱効率のアップ(up)とが図られる誘導加熱定着装置が得られる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、加熱部材と励磁コイルの温度によって、励磁コイルの表面の色が変更され、加熱部材から励磁コイルに対して与える輻射熱が抑えられ、また、励磁コイルの自己発熱により、加熱部材よりも励磁コイルの温度が高くなった時に、励磁コイルから加熱部材に熱が与えやすくなるようにされ、ウォーミングアップ時間(WUT)の削減と、熱効率のアップ(up)とが図られる誘導加熱定着装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる誘導コイルを用いる誘導加熱定着装置の概要断面構成図である。
【図2】本発明にかかわる励磁コイルを有する加熱部材が用いられる誘導加熱定着装置の第1の例の概要断面図である。
【図3】図2の加熱部材の側断面図である。
【図4】本発明にかかわる励磁コイルを有する加熱部材が用いられる誘導加熱定着装置の第2の例の概要断面図である。
【図5】図4の加熱部材の側断面図である。
【図6】本発明にかかわる励磁コイルを有する加熱部材が用いられる誘導加熱定着装置の第3の例の概要断面図である。
【図7】図6の加熱部材の側断面図である。
【図8】本発明にかかわる励磁コイルを有する加熱部材が用いられる誘導加熱定着装置の第4の例の概要断面図である。
【図9】図8の加熱部材の側断面図である。
【符号の説明】
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム
2Y,2M,2C,2K 帯電手段
3Y,3M,3C,3K 露光手段
4Y,4M,4C,4K 現像装置
17,,17A,17B,17C 誘導加熱定着装置
17a,17b,17c,17d 加熱ローラ
47a 加圧ローラ
171a 中空回転体
171b PFA(パーフルオロアルコキシ)チューブ
471a 芯金
471b ゴムローラ層
471c 離型層
CKa コア
CLa コイル線材
CLB コイルボビン
CLg 調光ガラス
ECg エレクトロクロミックガラス
LCLa 励磁コイル
LPt リッツ線
N ニップ部
TCg サーモクロミックガラス
P 記録紙

Claims (11)

  1. 誘導電流により発熱する中空回転体からなる加熱部材と、当該加熱部材に対し圧接しニップ部を形成する加圧部材とを有し、転写材上のトナー像を定着する誘導加熱定着装置において、
    前記加熱部材に磁束を供給する励磁コイルを設けると共に、
    励磁コイルと加熱部材との間に輻射率を変更可能な部材を設け、
    前記加熱部材からの熱で前記ニップ部を通過する転写材を加熱することを特徴とする誘導加熱定着装置。
  2. 温度によって前記輻射率を変更可能なサーモクロミックガラスを、前記励磁コイルと加熱部材との間に設けることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱定着装置。
  3. 前記励磁コイルの温度Tc1が規定温度Taに対しTc1>Taの場合、前記輻射率を変更可能なサーモクロミックガラスの輻射率を0.8〜1.0に設定し、また前記励磁コイルの温度Tc1が規定温度Taに対しTc1<=Taの場合、前記輻射率を変更可能なサーモクロミックガラスの輻射率を透過率20%以下に設定することを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱定着装置。
  4. 誘導電流により発熱する中空回転体からなる加熱部材と、当該加熱部材に対し圧接しニップ部を形成する加圧部材とを有し、転写材上のトナー像を定着する誘導加熱定着装置において、
    前記加熱部材に磁束を供給するリッツ線からなる励磁コイルと、当該励磁コイルと加熱部材との間に輻射率を変更可能な部材を設け、
    前記励磁コイルの表面の輻射率を0〜0.3(白色または銀色)と設定し、
    前記加熱部材からの熱で前記ニップ部を通過する転写材を加熱することを特徴とする誘導加熱定着装置。
  5. 前記輻射率を変更可能な部材としては、調光ガラスを用いることを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱定着装置。
  6. 前記調光ガラスとしては、酸化タングステンを含有することを特徴とする請求項5に記載の誘導加熱定着装置。
  7. 前記励磁コイルの温度Tc2と、前記中空回転体である加熱部材の温度Tr1との関係がTc2>Tr1の場合、前記調光ガラスの輻射率を0.8〜1.0に設定し、Tc2<=Tr1の場合、前記調光ガラスを透過率20%以下に設定することを特徴とする請求項5または6に記載の誘導加熱定着装置。
  8. 誘導電流により発熱する中空回転体からなる加熱部材と、当該加熱部材に対し圧接しニップ部を形成する加圧部材とを有し、転写材上のトナー像を定着する誘導加熱定着装置において、
    前記加熱部材に磁束を供給する励磁コイルを設けると共に、
    前記励磁コイルと前記加熱部材との間に電圧変化によって輻射率を変更可能な機能を持つと共に、励磁コイルの温度または加熱部材の温度に応じて輻射率を変更するエレクトロクロミックガラスを設け、
    前記加熱部材からの熱で前記ニップ部を通過する転写材を加熱することを特徴とする誘導加熱定着装置。
  9. 前記励磁コイルの温度Tc3と、前記中空回転体である加熱部材の温度Tr2との関係がTc3>Tr2の場合、前記調光ガラスの輻射率を0.8〜1.0に設定し、Tc3<=Tr2の場合、前記調光ガラスを透過率20%以下に設定することを特徴とする請求項8に記載の誘導加熱定着装置。
  10. 誘導電流により発熱する中空回転体からなる加熱部材と、当該加熱部材に対し圧接しニップ部を形成する加圧部材とを有し、転写材上のトナー像を定着する誘導加熱定着装置において、
    前記加熱部材に供給する磁束を発生させる励磁コイルを支持部材の外側に巻つけ、前記励磁コイルの外面に電圧変化によって輻射率を変更可能な部材を設け、
    エレクトロクロミックガラスの輻射率を励磁コイルと加熱部材の温度差に応じて変更し、前記加熱部材からの熱で前記ニップ部を通過する転写材を加熱することを特徴とする誘導加熱定着装置。
  11. 前記励磁コイルの温度Tc4と、前記加熱部材の温度Tr3との関係がTc4>Tr3の場合、前記エレクトロクロミックガラスの電圧をonとし、前記エレクトロクロミックガラスを透明に設定し、Tc4<=Tr3の場合、前記エレクトロクロミックガラスの電圧をoffとし、前記エレクトロクロミックガラスを不透明或いは曇らせるように設定することを特徴とする請求項10に記載の誘導加熱定着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013195555A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Ricoh Co Ltd 定着装置、画像形成装置及び熱量調整方法
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