JP2004251902A - 誘導型センサー、およびこの誘導型センサーでもって構成された回転検出器 - Google Patents

Abstract

【課題】 本発明の課題は、外側の影響に対して強靭であり、且つ、極めて小さな構造空間を必要とする、誘導型センサーを提供することである。
【解決手段】 本発明は、少なくとも２つのプリント基板１、２から成る誘導型センサーに関し、この誘導型センサーが、その際、この第１のプリント基板１の上に、受信部パターン導線１．１が載置されている。この第２のプリント基板２の上に、これら受信部パターン導線１．１に起因する信号を評価するための評価電子機器の構造要素２．１が設けられている。その際、これら両方のプリント基板１、２が、サンドイッチ状に組み合わされており、且つ、評価電子機器の少なくとも１つの構造要素２．１が、これら両方のプリント基板１、２の間に格納されている。本発明は、更に、この誘導型センサーでもって構成された回転検出器に関している。
【選択図】 図１

Description

本発明は、請求項１による、相対的位置、特に相対的角度位置を測定するための誘導型センサー、および、請求項９による、この誘導型センサーでもって構成された回転検出器に関する。

誘導型センサーは、例えば、２つの相対的に互いに回転可能な機械部材の角度状態を測定するための回転検出器内において、しかし同様に、２つの相対的に互いに長手方向に摺動可能な機械部材の位置測定のための測定機器においても使用される。

誘導型センサーの場合、しばしば、励磁コイル、および受信部コイルは、プリント基板の様式で、１つの共通のプリント基板上に載置され、このプリント基板が、例えば、回転検出器のステーターと強固に結合されている。このプリント基板に対して、更に別の基板が設けられており、この更に別の基板上に、周期的な間隔において、導電性の面が、目盛り構造（Teilungsstruktur）として載置されており、且つ、この更に別の基板が、この回転検出器のローターと回転不能に結合されている。これら励磁コイルに、電気的な励磁場が賦与された際、これら受信部コイル内において、ローターとステーターとの間の相対的な回転の間、角度状態に依存する信号が形成される。これら信号は、次いで、評価電子機器内において、更に処理される。しばしば、この様式の評価電子機器の構造要素は、更に別のプリント基板上に格納されている。この励磁コイル、および受信部コイルを有するプリント基板、および、この評価電子機器を有するプリント基板は、しばしば、フレキシブル導体、および差込結合部を介して、互いに結合されている。この電気的な結合の様式は、相対的に大きな容積を占める。他方では、しかしながら恒久的に、この様式のセンサー、もしくは回転検出器の小型化のための願望が存在している。

ドイツ連邦共和国特許公開第１０１ １１ ９６６号明細書（特許文献１）において、誘導型センサーのための構造が記載されており、この構造の場合、励磁コイル、および受信部コイル、並びに評価電子機器の構成要素が、多層の構造体内において、ラミネートの様式で構成されている。この構造は、しかしながら、この構造が、外側の影響に対して、比較的に敏感であり、且つ、如何なる最適な空間利用も可能でないという欠点を有している。
ドイツ連邦共和国特許公開第１０１ １１ ９６６号明細書

従って、本発明の根底をなす課題は、外側の影響に対して強靭であり、且つ、極めて小さな構造空間を必要とする、誘導型センサーを提供することである。同様に、本発明により、小さな外側寸法を有する信頼性の高い回転検出器が提供される。

この課題は本発明に従い、請求項１の特徴、もしくは、請求項９の特徴によって解決される。

本発明により、その上に受信部パターン導線が載置されているプリント基板、および、その上に評価電子機器が設けられているプリント基板が、サンドイッチ状に組み合わされており、その際、評価電子機器の敏感な電子式の構造部材が、これらプリント基板の間に、格納されている。このようにして、電子式の構造部材、これらプリント基板によって、外側の影響から保護されている。

構造部材の更なる保護のために、これら構造部材は、本発明の有利な実施形態において、相対して位置しているプリント基板の１つ、または多数の窪み部内に、即ち、受信部パターン導線を有するプリント基板内に格納される。

本発明の有利な実施形態において、これらプリント基板の内の少なくとも1つのプリント基板は、部分的に、または完全に周囲に延在する縁部を有しており、従って、これらサンドイッチ状に組み合わされたプリント基板の間の間隙が、少なくとも部分的に、カバーされ、即ち閉鎖される。有利には、１つの縁部は、（これらサンドイッチ状に組み合わされたプリント基板から成る）プリント基板結合体の外側周囲において、即ち、外套側に設けられている。

サンドイッチ状に組み合わされたプリント基板の間の、その内に評価電子機器の構造部材が格納されている中空空間が、充填物質でもって鋳込まれている場合は、特に有利である。
この構造様式によって、誘導型センサー、およびこの誘導型センサーでもって構成された回転検出器の強靭性、特に耐振動性は増大される。

本発明の有利な実施形態は、従属請求項から見て取れる。

本発明による誘導型センサー、並びにこの誘導型センサーでもって構成された回転検出器の更なる詳細、および利点は、添付の図に基づく実施例の以下の説明から与えられる。

図１に、誘導型センサーの一部分が、組み合わせ前の透視図において示されている。このセンサーは、特に、剛性の、ガラス繊維強化されたエポキシ樹脂をベースとする、環状の第１のプリント基板１から成り、この第１のプリント基板が、受信部パターン導線１．１、および励磁パターン導線１．２（図２参照）を備えている。この第１のプリント基板１は、プリント基板材料からフライス加工された環状の窪み部１．５を有しており、従って、この窪み部１．５の境界部として、２つの周囲に延在する縁部１．６および１．７が設けられている。
第２のプリント基板２でもっての、これら受信部パターン導線１．１（および同様にこれら励磁パターン導線１．２）の間の、電気的な接触を形成するため、および、この第２のプリント基板２との、この第１のプリント基板１の機械的な結合のために、この第１のプリント基板１に、いわゆる半分体スリーブ（Halb-Huelse）１．８が配設されており、これら半分体スリーブは、このセンサーの組み立ての際、一方の第２のプリント基板２のはんだパッド２．３と、はんだ付けされる。組み合わされたプリント基板１、２の、後の鋳込みのために、充填開口部１．９が、穿孔の様式で、この第１のプリント基板１内において設けられている。

同様に基体として剛性の、ガラス繊維強化されたエポキシ樹脂を有する、第２のプリント基板２は、この第２のプリント基板の両方の表面に、評価電子機器の電子式の構造部材２．１、２．２（図２参照）を実装している。この第２のプリント基板２の、第１のプリント基板１の方を向いた表面は、特に、敏感な構造部材２．１、示された実施例において特にケーシングされていないＡＳＩＣを備えており、この構造部材が、チップオンボード技術によって、このプリント基板１上に載置される。ケーシングされていない構造部材２．１の使用によって、更なる空間の節約が可能である。何故ならば、ケーシングのための所要スペースが顧慮される必要がないからである。

図２において、センサー配設の断面図が示されており、その際、両方のプリント基板１、２は、既にサンドイッチ状に、即ち互いに平行の整向状態において組み合わされている。この図の中で、窪み部１．５が、特に敏感な構造部材２．１を収容していることは、認識され得る。この第１のプリント基板１は、いわば、これらカバーされた電子式の構造部材２．１の保護のための蓋部として使用される。その際に、軸線方向においてだけでなく、半径方向においても、カバーが行なわれる。何故ならば、縁部１．６、１．７が、これら構造部材２．１を、同様にこの方向においても保護するからである。このようにして、これら構造部材２．１は、外側の影響に対して、例えば、潤滑剤、または湿気の浸入に対して、並びに、機械的な影響に対して、効果的に守られている。外側の影響に対する、保護の更なる増大のために、第１のプリント基板１と第２のプリント基板２との間の容積部、即ち、窪み部によって形成された中空空間は、充填物質３でもって鋳込みされる。その際、この液状の充填物質３は、これら充填開口部１．９の内の一方の充填開口部を通って、この窪み部１．５内へと押圧され、これに対して、押し退けられた空気が、他方の充填開口部１．９を通って逃れ出る。この鋳込みの後、先ず第一に液状の充填物質３は、固体のかたまりへと硬化する。選択的に、上記の目的のために、同様に、例えばシリコンベースのゲル状の充填物質３も使用される。装入された充填物質３によって、誘導型センサーの耐振動性、および従って、この誘導型センサーでもって構成された回転検出器の強靭性は増大される。

図２から、第２のプリント基板２の両方の表面が、構造部材２．１、２．２を実装するために使用されることが、特に見て取れる。即ち、構造部材２．１、２．２の所定の数における単面状の実装に比して、低減された直径を有するプリント基板２が使用され得、このことは、回転検出器の外側寸法のために、結局は決定的である。

第１のプリント基板１、および第２のプリント基板２と並んで、図２において、更に、基板４が図示されており、この基板上に、目盛り構造が、この基板４上に周期的に載置された伝導性の面４．１の様式で設けられている。センサーの作動状態において、この基板４は、両方のプリント基板１、２のサンドイッチ結合体に対して、回転軸線Ａを中心にして回転する。

図３は、本発明による誘導型センサーが備え付けられている回転検出器を示している。この回転検出器は、定置のケーシング５、および、このケーシングに対して相対的に回転可能な回転軸６を有している。この回転軸６に、目盛り構造４．１を有する基板４が、回転不能に固定されている。それに対して、このケーシング５に、両方のプリント基板１、２から成るサンドイッチ状の結合体が固定されている。更に、この回転検出器は、この回転検出器の多重回転機能性（Multi-Turn-Funktionalitaet）のために必要とされる減速伝動機構７を備えている。この誘導型センサーのコンパクトな構造様式により、ここで、この回転検出器は、著しく縮小された状態で製造され、更に、評価電子機器の構造部材２．１の密閉したカバーによって、極めて信頼性の高い、且つ強靭な回転検出器が形成される。

組み合わせ前の、両方のプリント基板の透視図である。 本発明による誘導型センサーの断面図である。 具体的に説明するために切開されたケーシングを共に示した、回転検出器の透視図である。

符号の説明

１ 第１のプリント基板
１．１ 受信部パターン導線
１．２ 励磁パターン導線
１．５ 窪み部
１．６ 縁部
１．７ 縁部
１．８ 半分体スリーブ
１．９ 充填開口部
２ 第２のプリント基板
２．１ 電子式の構造部材、 構造要素
２．２ 電子式の構造部材、 構造要素
２．３ はんだパッド
３ 充填物質
４ 基板
５ ケーシング
６ 回転軸
７ 減速伝動機構
Ａ 回転軸線

Claims (9)

1. 少なくとも２つのプリント基板（１、２）から成る誘導型センサーであって、この誘導型センサーが、その際、
   − この第１のプリント基板（１）の上に、受信部パターン導線（１．１）が載置されており、および、
   − この第２のプリント基板（２）の上に、これら受信部パターン導線（１．１）に起因する信号を評価するための評価電子機器の電子式の構造要素（２．１）が設けられており、
   その際、これら両方のプリント基板（１、２）が、サンドイッチ状に組み合わされており、且つ、評価電子機器の少なくとも１つの構造要素（２．１）が、これら両方のプリント基板（１、２）の間に格納されていることを特徴とする誘導型センサー。
2. 請求項１による誘導型センサーであって、その際、第２のプリント基板（２）が、両側で、評価電子機器の構造要素（２．１）を実装されていることを特徴とする上記誘導型センサー。
3. 請求項１による誘導型センサーであって、その際、第１のプリント基板（１）が、評価電子機器の少なくとも１つの構造部材（２．１）の収容のために、窪み部（１．５）を有していることを特徴とする上記誘導型センサー。
4. 請求項１による誘導型センサーであって、その際、プリント基板（１、２）の内の少なくとも１つのプリント基板が、特にこのプリント基板の外套側面において、少なくとも部分的に周囲に延在する縁部（１．６、１．７）を有しており、従って、
   サンドイッチ状に組み合わされたプリント基板（１、２）の間の間隙が、少なくとも部分的にカバーされるように構成されていることを特徴とする上記誘導型センサー。
5. 請求項１による誘導型センサーであって、その際、両方のプリント基板（１、２）が、はんだ結合によって、互いに電気的に、及び／または機械的に結合されていることを特徴とする上記誘導型センサー。
6. 請求項１による誘導型センサーであって、その際、両方のプリント基板（１、２）が、粘着結合によって、互いに結合されていることを特徴とする上記誘導型センサー。
7. 請求項１による誘導型センサーであって、その際、両方のプリント基板（１、２）が、溶接結合によって、互いに結合されていることを特徴とする上記誘導型センサー。
8. 請求項１による誘導型センサーであって、その際、両方のプリント基板（１、２）の間の容積部が、充填物質（３）でもって充填されていることを特徴とする上記誘導型センサー。
9. 請求項１による誘導型センサーを有することを特徴とする回転検出器。
   

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