JP2004251844A - 合成開口レーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーダエコーの受信信号をアンテナ部1の振動の検出の結果に応じて補正することによりレーダ画像の劣化を抑圧する合成開口レーダ装置において、アンテナ部1を防振部材7を介してプラットフォーム6に取り付けるようにする。このようにすることでプラットフォーム6からアンテナ部1に伝わる振動の高周波成分を遮断し、既存の振動補正手段による画像劣化防止効果をさらに高められるようにしてさらに鮮明なレーダ画像を得られるようにする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空機などの移動するプラットフォームに搭載して使用される合成開口レーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)はアンテナを移動させながらレーダ処理を行ない、各位置における受信処理の結果を合成してあたかもアンテナ開口を拡大したのと同様の効果を得るレーダ装置である。このような原理から、合成開口レーダは航空機などの移動するプラットフォームに搭載して使用されることが多い。
【0003】
ところで既存の合成開口レーダにおいては、アンテナをプラットフォームに直接固定するようにしている。このためプラットフォームの振動がアンテナにそのまま伝わり、レーダ画像が劣化する。アンテナの振動をセンサで検出し、信号処理段階において補正を加えることで画像の劣化を抑圧する手法は知られている(例えば特許文献1〜3参照)が、センサで検出できる周波数には限界があり、その能力を超える周波数成分は検出することができない。従って、処理段階において除去しきれない高周波成分はそのままレーダ画像の劣化として残り、レーダ性能に悪影響を及ぼす。
【0004】
なお、合成開口レーダへの適用を意図しないアンテナ装置における防振技術は従来から知られており、例えば下記特許文献4〜6に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−160515号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平9−178845号公報
【0007】
【特許文献3】
特開2000−19248号公報
【0008】
【特許文献4】
特開平6−164226号公報
【0009】
【特許文献5】
特開平10−150311号公報
【0010】
【特許文献6】
特開2002−135019号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように既存の合成開口レーダは、プラットフォームの振動のうち除去しきれない高周波成分の影響によりレーダ画像が劣化する可能性が有る。
【0012】
本発明の目的は、レーダ画像の劣化を抑圧し、より鮮明な画像を得ることのできる合成開口レーダ装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係わる合成開口レーダ装置は、移動するプラットフォームに搭載され目標からのレーダエコーを受信するアンテナ部と、前記アンテナ部の前記目標に対する位置情報を前記プラットフォームの移動に伴って検出する位置検出手段(例えば機体動揺検出部)と、前記アンテナ部の振動を検出する振動検出手段(例えば機体動揺検出部)と、前記アンテナ部により受信された受信信号を前記振動検出手段による検出結果をもとに当該アンテナ部の振動による影響から補正する補正手段(例えば機体動揺補正処理部)と、この補正手段により補正された前記受信信号と前記位置検出手段により検出される位置情報とをもとに合成開口処理を行なうレーダ処理手段(例えばSAR処理部)とを具備し、前記アンテナ部は防振部材(例えばゴム状部材)を介して前記プラットフォームに取り付けられることを特徴とする。
【0014】
このような手段を講じることにより、プラットフォームからアンテナに伝わる振動の高周波成分が防振部材により遮断される。従ってアンテナに伝わる振動の周波数成分をセンサの振動検出能力の範囲内に収めることができ、これによりレーダ画像の劣化を低減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係わる合成開口レーダ装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。この装置は航空機などの移動するプラットフォームに搭載して使用される。
【0017】
図1の合成開口レーダ装置は、送信用および受信用で共用されるアンテナ部1を備える。アンテナ部1はレーダ送信波を送信し、またレーダエコーを受信する。アンテナ部1から放射されたレーダ送信波は、地表面などの目標によりレーダエコーとして反射される。レーダエコーはアンテナ部1により受信され、機体動揺補正処理部2を介してSAR処理部3に入力される。
【0018】
アンテナ部1はプラットフォームの振動とともに振動する。その周波数成分は機体動揺検出部4により検出され、その結果が機体動揺補正処理部2に入力される。機体動揺補正処理部2は、機体動揺検出部4による振動の検出結果をもとに、レーダエコーの受信信号をアンテナ部1の振動による影響から補正する。
【0019】
さらに、機体動揺検出部4は、例えばINS(Inertial Navigation System)やGPS(Global Positioning System)などの測位手段を備え、プラットフォームの移動に伴って移動するアンテナ部1の位置情報を検出する。機体動揺検出部4により検出されたアンテナ部1の位置情報は、SAR処理部3に与えられる。SAR処理部3は、機体動揺補正処理部2により補正された受信信号と、アンテナ部1の位置情報とをもとに合成開口処理を施し、レーダ画像を得る。
【0020】
ところで、機体動揺検出部4によりアンテナ部1の振動の低周波成分を検出することは可能であるが、高周波成分を完全に取り除くことは困難である。そこで本実施形態では、合成開口レーダ装置において、図2に示される手法を新たに提案する。
【0021】
図2は、図1のアンテナ部1の取り付け状態を示す模式図である。このように本実施形態では、アンテナ部1を防振部材(ダンパー)7を介してプラットフォーム6に取り付けるようにする。防振部材7としては、例えばゴム状部材、ばね上部材、ゲル状の材料、あるいは互いに同極が相対して配設される一対の磁石などを用いることができる。磁石を用いる場合には互いの斥力による反発を留めるため、ガイド様の機構を設けるようにする
このようにすることで、プラットフォーム6からアンテナ部1に伝達される振動の周波数成分のうち高周波領域が遮断される。これにより機体動揺検出部4および機体動揺補正処理部2において、その能力の範囲内で信号補正を実施することができ、従って振動により生じるレーダ画像への悪影響をほぼ完全に抑圧することが可能になる。防振部材7の材料および機構は、機体動揺検出部4および機体動揺補正処理部2の能力に応じて適切に決めることができる。
【0022】
以上のことから本実施形態によれば、レーダ画像の劣化を抑圧でき、これにより、より鮮明な画像を得ることのできる合成開口レーダ装置を提供することが可能となる。
【0023】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えばプラットフォーム6としては航空機に限らず、車両などの移動体であればいかなるものでも良い。このほか、防振部材の材質など、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施を行うことができる。
【0024】
【発明の効果】
以上詳しく述べたように本発明によれば、レーダ画像の劣化を抑圧でき、これにより、より鮮明な画像を得ることのできる合成開口レーダ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる合成開口レーダ装置の実施の形態を示す機能ブロック図。
【図2】図1のアンテナ部1の取り付け状態を示す模式図。
【符号の説明】
1…アンテナ部、2…機体動揺補正処理部、3…SAR処理部、4…機体動揺検出部、6…プラットフォーム、7…防振部材
Claims (3)
- 移動するプラットフォームに搭載され目標からのレーダエコーを受信するアンテナ部と、
前記アンテナ部の前記目標に対する位置情報を前記プラットフォームの移動に伴って検出する位置検出手段と、
前記アンテナ部の振動を検出する振動検出手段と、
前記アンテナ部により受信された受信信号を、前記振動検出手段による検出結果をもとに当該アンテナ部の振動による影響から補正する補正手段と、
この補正手段により補正された前記受信信号と前記位置検出手段により検出される位置情報とをもとに合成開口処理を行なうレーダ処理手段とを具備し、
前記アンテナ部は防振部材を介して前記プラットフォームに取り付けられることを特徴とする合成開口レーダ装置。 - 前記防振部材はゴム状部材であることを特徴とする請求項1に記載の合成開口レーダ装置。
- 前記防振部材は磁気の反発力を利用する磁石部材であることを特徴とする請求項1に記載の合成開口レーダ装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2009113343A1 (ja) * | 2008-03-13 | 2009-09-17 | 東芝テック株式会社 | 通信用アンテナ装置 |
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2003
- 2003-02-21 JP JP2003044727A patent/JP2004251844A/ja active Pending
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