JP2004251254A - 内燃機関用バルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関用バルブタイミング制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】VCT(可変バルブタイミング制御機構)の応答性の改善を図ると共に、バルブタイミング制御位置の精度を向上すること。
【解決手段】目標進角値VTTと実進角値VTとのVCT変位角偏差に応じて、カムシャフトを相対回転するためのフィードバック制御量Dvtfbに対して、保持制御量マップにより現在の目標進角値VTT及び機関回転速度NEに基づき設定される保持制御量Dvth と、VCTの定常状態が継続しているときのフィードバック制御量Dvtfbに基づく保持制御補正量Dvthsubとが加算されることで最終的な制御出力値Dvtが算出される。これにより、VCTの応答性の改善が図られると共に、オーバシュート等の発生なく目標進角値VTTに対する実進角値VTの良好な一致によりVCTによるバルブタイミング制御位置の精度を向上することができる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブの少なくとも何れか一方の開閉タイミングまたはリフト量を運転状態に応じて変更自在な内燃機関用バルブタイミング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関用バルブタイミング制御装置に関連する先行技術文献としては、特開平6−299813号公報、特許第3293262号公報にて開示されたものが知られている。これらのもので用いられている周知の可変バルブタイミング制御機構(弁動作タイミング調整装置、弁開閉時期制御装置ともいう)に対して必要な制御量は、バルブタイミングの目標進角値と実進角値との偏差に応じたフィードバック制御量と、バルブタイミングを所定位置に保持するための保持制御量とに基づき設定されている。この保持制御量はバルブタイミング制御位置にかかわらずほぼ一定の値に設定されている。
【0003】
ところで、前述のもののように、バルブタイミングを元の位置に戻す等の目的で、可変バルブタイミング制御機構内部にばね部材が設けられている場合、そのばね部材の付勢力はバルブタイミング制御位置に応じて変化することとなる。すると、ばね部材の付勢力に打勝つため、油圧アクチュエータからの作動油の漏れ量が変化することとなる。したがって、実際にバルブタイミング制御位置を所定位置に保持するのに必要な油圧を確保するための制御量も変化することとなる。
【0004】
また、内燃機関が低回転である運転条件であるときにも、油圧が低いため油圧アクチュエータに流入する油量が少なくなるため、同様に、実際にバルブタイミング制御位置を所定位置に保持するのに必要な油圧を確保するための制御量も変化することとなる。このため、前述した運転条件等で、一定の保持制御量を用いる場合には、バルブタイミング制御位置に応じた適切な制御量が設定できないため、可変バルブタイミング制御機構の応答性の改善には限界があった。
【0005】
これに対処する先行技術文献としては、特開2002−250239号公報にて開示されたものが知られている。このものでは、クランクシャフト(回転伝達部材)に対するカムシャフト(回転部材)の相対位相が進角方向に向かうにつれて変化する可変バルブタイミング制御機構における付勢部の付勢力の変化量に応じてその変化量の影響を軽減する方向に制御量(制御物理量)を補正する技術が示されている。
【特許文献1】特開平6−299813号公報(第5頁)
【特許文献2】特許第3293262号公報(第1頁〜第3頁)
【特許文献3】特開2002−250239号公報(第8頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特開2002−250239号公報では、可変バルブタイミング制御機構における付勢部の付勢力に応じて目標進角値と実進角値との偏差を小さくできるため、可変バルブタイミング制御機構の応答性の改善という初期の目的は達成されている。しかし、小さくなったのちの偏差を完全になくせないため、可変バルブタイミング制御機構によるバルブタイミング制御位置の精度は未だ不十分であった。
【0007】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、適切な制御量によって可変バルブタイミング制御機構の応答性の改善を図ると共に、バルブタイミング制御位置の精度を向上可能な内燃機関用バルブタイミング制御装置の提供を課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の内燃機関用バルブタイミング制御装置によれば、目標進角値演算手段で算出された目標進角値と実進角値演算手段で算出された実進角値との偏差に応じて、吸気バルブまたは排気バルブの開閉タイミングまたはリフト量を変更自在な可変バルブタイミング制御機構により内燃機関の駆動軸または従動軸を相対回転するためのフィードバック制御量演算手段によるフィードバック制御量に対して、保持制御量演算手段で保持制御量マップに基づき現在の目標進角値及び機関回転速度により設定される保持制御量と、保持制御補正量演算手段により可変バルブタイミング制御機構の定常状態が継続しているときのフィードバック制御量に基づく保持制御補正量とが制御出力値演算手段によって加算されることで最終的な制御出力値が算出される。これにより、可変バルブタイミング制御機構における目標進角値に対する実進角値の追従応答性の改善が図られると共に、それらの偏差が、可変バルブタイミング制御機構が定常状態であるにもかかわらず取切れない場合にあっては、フィードバック制御量に基づく保持制御補正量が考慮されることで、オーバシュート等の発生なく目標進角値に対する実進角値を良好に一致させることができ、可変バルブタイミング制御機構によるバルブタイミング制御位置の精度が向上される。
【0009】
請求項2の内燃機関用バルブタイミング制御装置における制御出力値演算手段では、制御出力値の算出に際し、フィードバック制御量に対して保持制御量が制御開始から加えられ、目標進角値の変化量が所定値より小さくなり、かつ実進角値の変化量が所定値より小さくなったとき、または制御開始から所定時間を経過したときに、保持制御補正量が加えられる。このように、フィードバック制御量に加算される保持制御量にて可変バルブタイミング制御機構における目標進角値に対する実進角値の追従応答性の改善を図ることができ、こののちに可変バルブタイミング制御機構が定常状態となっても偏差が存在するときには、更に保持制御補正量が加算されることで可変バルブタイミング制御機構によるバルブタイミング制御位置の精度が向上される。
【0010】
請求項3の内燃機関用バルブタイミング制御装置によれば、保持制御量学習手段によって保持制御量マップの現在の領域における滞在時間及び実進角値の変化量が所定値より小さい状態が共に所定時間以上継続し、可変バルブタイミング制御機構によるバルブタイミング制御位置が安定状態にあるときには、そのときの保持制御補正量が保持制御量マップの現在の領域の保持制御量に加算されることで保持制御量が適切に学習され更新される。この更新された保持制御量によれば、製造公差や経時変化等による保持制御量のずれが補正されることで、可変バルブタイミング制御機構における目標進角値に対する実進角値の追従応答性の更なる改善が達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関用バルブタイミング制御装置が適用されたダブルオーバヘッドカム式内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【0013】
図1において、10は内燃機関であり、内燃機関10の駆動軸としてのクランクシャフト11からチェーン12を介して一対のチェーンスプロケット13,14に駆動力が伝達される。このクランクシャフト11と同期して回転される一対のチェーンスプロケット13,14には従動軸としての一対のカムシャフト15,16が配設され、これらのカムシャフト15,16によって図示しない吸気バルブ及び排気バルブが開閉駆動される。
【0014】
クランクシャフト11にはクランクポジションセンサ21、カムシャフト15にはカムポジションセンサ22がそれぞれ配設されている。このクランクポジションセンサ21から出力されるパルス信号θ1 及びカムポジションセンサ22から出力されるパルス信号θ2 はECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)30に入力される。
【0015】
なお、ECU30は、周知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU、制御プログラムや制御マップ等を格納したROM、各種データ等を格納するRAM、B/U(バックアップ)RAM、入出力回路及びそれらを接続するバスライン等からなる論理演算回路として構成されている。
【0016】
ECU30には、これらの信号の他に内燃機関10の運転状態に対応するエアフローメータ(図示略)からの吸入空気量QA〔g/sec:グラム毎秒〕、スロットル開度センサ(図示略)からのスロットル開度TA〔°〕、水温センサ(図示略)からの冷却水温THW〔℃〕等の各種センサ信号が入力されており、後述のクランクシャフト11に対するカムシャフト15の実進角値VT〔°CA(Crank Angle:クランク角)及び目標進角値VTT〔°CA〕が算出される。また、クランクポジションセンサ21からのパルス信号θ1 に基づき機関回転速度NE〔rpm〕が算出される。
【0017】
そして、ECU30からの駆動信号によりOCV(Oil−flow Control Valve:油圧制御弁)としてのスプールバルブ40のリニアソレノイド41がDuty(デューティ比)駆動され、油タンク45内の油がポンプ46により供給油通路47を通って一方のカムシャフト15に設けられた可変バルブタイミング制御機構(Variable Cam Timing Control Mechanism:以下、『VCT』と記す)50(図1の斜線部)に圧送される。このVCT50に供給される油の油量が調整されることで、カムシャフト15がチェーンスプロケット13、即ち、クランクシャフト11に対し所定の位相差を有して回転自在であり、カムシャフト15の実進角値VTが目標進角値VTTに設定可能である。なお、VCT50からの油は排出油通路48を通って油タンク45内に戻される。
【0018】
ここで、クランクシャフト11が1回転してクランクポジションセンサ21からのパルス数がN個発生するとき、カムシャフト15の1回転でカムポジションセンサ22からのパルス数がN個発生するようにする。また、カムシャフト15のタイミング変換角最大値をθmax 〔°CA〕とすると、N<(360/θmax )となるようにパルス数Nを設定する。これによって、実進角値の算出時、クランクポジションセンサ21のパルス信号θ1 と、このパルス信号θ1 の次に続いて発生するカムポジションセンサ22のパルス信号θ2 とを使用することができる。即ち、クランクポジションセンサ21の出力信号θ1 及びカムポジションセンサ22の出力信号θ2 からクランクシャフト11に対するカムシャフト15の現在の実際の位相差(=θ1 −θ2 )が算出され、最遅角制御状態で学習された位相差を基準としてどれだけ進角〔°CA〕しているかにより実進角値が算出される。
【0019】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関用バルブタイミング制御装置で使用されているECU30におけるVCT制御量演算の処理手順を示す図2のメインルーチンに基づき、図4及び図5を参照して説明する。なお、このVCT制御量演算ルーチンは所定時間毎にECU30にて繰返し実行される。
【0020】
ここで、図4は図2及び後述の図3の処理に対応して目標進角値VTT〔°CA〕が“A”位置から時刻t0 で進角側の“B”位置に変更、こののち、時刻t5 で“A”位置に戻されるのに追従する実進角値VT〔°CA〕、そのときの駆動電流値〔A:アンペア〕及びVTT=B,NE=Xで選ばれる領域の保持制御量マップ値の遷移状態を示すタイムチャートである。なお、図4ではVCT進角値〔°CA〕における目標進角値VTTを太い実線、実進角値VTを細い実線、駆動電流値〔A〕におけるVCT制御量Dvtを太い実線、フィードバック制御量Dvtfbを太い破線、保持制御量Dvth を太い一点鎖線、保持制御補正量Dvthsubを細い実線にてそれぞれ示す。また、図5は図2及び後述の図3の処理に対応して目標進角値VTTと機関回転速度NEとをパラメータとする領域毎に設定されている保持制御量Dvth を示す保持制御量マップであり、VTT=A,NE=Xで選ばれる領域とVTT=B,NE=Xで選ばれる領域との領域切換えを矢印にて示す。
【0021】
図2において、まず、ステップS101で、各種センサ信号としてクランクポジションセンサ21の出力信号θ1 及びカムポジションセンサ22の出力信号θ2 、内燃機関10の運転状態を表す機関回転速度NE、吸入空気量QA、スロットル開度TA及び冷却水温THW等が読込まれる。次にステップS102に移行して、ステップS101で読込まれたクランクポジションセンサ21の出力信号θ1 及びカムポジションセンサ22の出力信号θ2 からクランクシャフト11に対するカムシャフト15の現在の実際の位相差である実進角値VT(=θ1 −θ2 )が算出される。次にステップS103に移行して、ステップS101で読込まれた各種センサ信号のうち吸入空気量QA及び機関回転速度NEとから現在の目標位相差である目標進角値VTTが算出される。
【0022】
次にステップS104に移行して、ステップS102で算出された実進角値VT、ステップS103で算出された目標進角値VTTに基づきVCT変位角偏差VTDが次式(1)にて算出される。
【0023】
【数1】
VTD←|VTT−VT| ・・・(1)
【0024】
次にステップS105に移行して、ステップS104で算出されたVCT変位角偏差VTDが所定値THfbを越えているかが判定される。ステップS105の判定条件が成立、即ち、VCT変位角偏差VTDが所定値THfbを越え大きいときにはステップS106に移行し、VCT変位角偏差VTDと機関回転速度NEとをパラメータとしてフィードバック制御量Dvtfbが算出される(図4に示す時刻t0 〜時刻t3 )。このフィードバック制御量Dvtfbの算出におけるパラメータとしての機関回転速度NEは、低速領域または高速領域で多少異なる程度の補正係数であり、フィードバック制御量DvtfbをVCT変位角偏差VTDのみにて算出するようにしてもよい。一方、ステップS105の判定条件が成立せず、即ち、VCT変位角偏差VTDが所定値THfb以下と小さいときにはステップS107に移行し、フィードバック制御量Dvtfbが「0(零)」とされる(図4に示す時刻t0 以前、時刻t3 以降)。
【0025】
次にステップS108に移行して、保持制御量マップ中で目標進角値VTTと機関回転速度NEとにて設定される領域の値が保持制御量Dvth として算出される。次にステップS109に移行して、前回の目標進角値VTT(i−1) と今回の目標進角値VTT(i) との偏差ΔVTTの絶対値が予め設定された所定値THvtt 未満、かつ前回の実進角値VT(i−1) と今回の実進角値VT(i) との偏差ΔVTの絶対値が予め設定された所定値THvt未満であるかが判定される。
【0026】
ステップS109の判定条件が成立、即ち、目標進角値VTT及び実進角値VT共に安定しているときにはステップS110に移行し、前回の保持制御補正量Dvthsub(i−1) 、ステップS106またはステップS107によるフィードバック制御量Dvtfbに基づき保持制御補正量Dvthsub(今回の保持制御補正量Dvthsub(i) )が次式(2)にて算出される。なお、Cvthsubは定数である。
【0027】
【数2】
Dvthsub(i) ←Dvthsub(i−1) +Dvtfb*Cvthsub ・・・(2)
【0028】
一方、ステップS109の判定条件が成立せず、即ち、目標進角値VTTまたは実進角値VTのうち少なくとも一方が安定していないときにはステップS111に移行し、前回の保持制御補正量Dvthsub(i−1) が今回の保持制御補正量Dvthsub(i) とされる。次にステップS112に移行して、保持制御量マップ領域の切換えが有るかが判定される。ステップS112の判定条件が成立、即ち、図4に示すように、機関回転速度NEが“X”の一定で、目標進角値VTTの“A”位置から“B”位置への変化に伴う、図5に右方向矢印にて示す領域切換えにより、保持制御量マップで選ばれる領域が切換わっているときにはステップS113に移行し、これまでの保持制御補正量Dvthsubが「0」にリセットされる。
【0029】
一方、ステップS112の判定条件が成立せず、即ち、目標進角値VTTや機関回転速度NEが殆ど変化しておらず保持制御量マップ領域が切換わっていないときにはステップS113がスキップされる。
【0030】
次にステップS114に移行して、後述の保持制御量マップ学習処理が実行される。次にステップS115に移行して、ステップS106またはステップS107によるフィードバック制御量Dvtfb、ステップS108による保持制御量Dvth 、ステップS110またはステップS111による保持制御補正量Dvthsubに基づきVCT制御量Dvtが次式(3)にて算出され、本ルーチンを終了する。
【0031】
【数3】
Dvt←Dvtfb+Dvth +Dvthsub ・・・(3)
【0032】
次に、図2のステップS114における保持制御量マップ学習の処理手順を示す図3のサブルーチンに基づき、図4を参照して説明する。
【0033】
図3において、ステップS201では、保持制御量マップの現在の領域で|ΔVT|<THvtとなり(図4に示す時刻t2 )、その領域の滞在時間及び|ΔVT|<THvtの継続時間が共に所定時間Tlrn (図4に示す時刻t2 〜時刻t4 )以上経過した安定状態にあるかが判定される。ステップS201の判定条件が成立しないときには、何もすることなく本ルーチンを終了する。一方、ステップS201の判定条件が成立するときにはステップS202に移行し、保持制御補正量Dvthsubに基づき保持制御量学習値Dvthlrnが次式(4)にて算出される(図4に示す保持制御量マップ値の時刻t4 〜時刻t5 における増加分に相当)。なお、Clrn は定数であり、保持制御量学習値Dvthlrnが保持制御補正量Dvthsubの数パーセント(微量)となるよう予め設定されている。
【0034】
【数4】
Dvthlrn←Dvthsub*Clrn ・・・(4)
【0035】
次にステップS203に移行して、ステップS202で算出された保持制御量学習値Dvthlrnが保持制御量マップの現在の領域の保持制御量Dvth に加算され、保持制御量Dvth が更新される。次にステップS204に移行して、ステップS203における保持制御量マップの保持制御量Dvth の保持制御量学習値Dvthlrnによる更新分が考慮され、保持制御補正量Dvthsubが次式(5)にて算出され、本ルーチンを終了する。この保持制御補正量Dvthsubにより、保持制御量マップの保持制御量Dvth 更新の前後において、VCT制御量Dvtが一定に保持される(図4に示す時刻t4 〜時刻t5 参照)。
【0036】
【数5】
Dvthsub←Dvthsub−Dvthlrn ・・・(5)
【0037】
このように、本実施例の内燃機関用バルブタイミング制御装置は、内燃機関10の駆動軸としてのクランクシャフト11から吸気バルブ(図示略)を開閉する従動軸としてのカムシャフト15に駆動力を伝達するチェーン12、チェーンスプロケット13等からなる駆動力伝達系に設けられ、吸気バルブの開閉タイミングを変更自在なVCT(可変バルブタイミング制御機構)50と、クランクシャフト11の回転角θ1 を検出する駆動軸回転角検出手段としてのクランクポジションセンサ21と、カムシャフト15の回転角θ2 を検出する従動軸回転角検出手段としてのカムポジションセンサと、クランクポジションセンサ21で検出されたクランクシャフト11の回転角θ1 とカムポジションセンサ22で検出されたカムシャフト15の回転角θ2 との実際の位相差である実進角値VTを算出するECU30にて達成される実進角値演算手段と、内燃機関10の運転状態に応じてクランクシャフト11の回転角θ1 とカムシャフト15の回転角θ2 との目標とする位相差である目標進角値VTTを算出するECU30にて達成される目標進角値演算手段と、前記目標進角値演算手段で算出された目標進角値VTTと前記実進角値演算手段で算出された実進角値VTとのVCT変位角偏差VTDに応じて、VCT50によりカムシャフト15を相対回転するためのフィードバック制御量Dvtfbを算出するECU30にて達成されるフィードバック制御量演算手段と、目標進角値VTTとクランクシャフト11の単位時間当たりの回転角に応じた機関回転速度NEとで設定される領域毎にVCT50における進角位置を所定位置に保持するための保持制御量Dvth が設定された保持制御量マップに基づき、現在の目標進角値VTT及び機関回転速度NEにより保持制御量Dvth を算出するECU30にて達成される保持制御量演算手段と、VCT50の定常状態が継続しているときには、フィードバック制御量Dvtfbに基づき保持制御量Dvth の補正量として保持制御補正量Dvthsubを算出するECU30にて達成される保持制御補正量演算手段と、フィードバック制御量Dvtfbに対して保持制御量Dvth 及び保持制御補正量Dvthsubを加え、最終的な制御出力値Dvtを算出するECU30にて達成される制御出力値演算手段とを具備するものである。
【0038】
つまり、目標進角値VTTと実進角値VTとのVCT変位角偏差VTDに応じて、VCT50によりカムシャフト15を相対回転するためのフィードバック制御量Dvtfbに対して、保持制御量マップにより現在の目標進角値VTT及び機関回転速度NEに基づき設定される保持制御量Dvth と、VCT50の定常状態が継続しているときのフィードバック制御量Dvtfbに基づく保持制御補正量Dvthsubとが加算されることで最終的な制御出力値Dvtが算出される。これにより、VCT50における目標進角値VTTに対する実進角値VTの追従応答性の改善が図られると共に、それらのVCT変位角偏差VTDが、VCT50が定常状態であるにもかかわらず取切れない場合にあっては、フィードバック制御量Dvtfbに基づく保持制御補正量Dvthsubが考慮されることで、オーバシュート等の発生なく目標進角値VTTに対する実進角値VTを良好に一致することができ、VCT50によるバルブタイミング制御位置の精度を向上することができる。
【0039】
また、本実施例の内燃機関用バルブタイミング制御装置のECU30にて達成される制御出力値演算手段は、制御出力値Dvtの算出に際し、フィードバック制御量Dvtfbに対して保持制御量Dvth を制御開始から加え、目標進角値VTTの変化量|ΔVTT|が所定値THvtt より小さく及び実進角値VTの変化量|ΔVT|が所定値THvtより小さくなったときに、保持制御補正量Dvthsubを加えるものである。
【0040】
つまり、制御出力値Dvtの算出では、フィードバック制御量Dvtfbに対して保持制御量Dvth を制御開始から加え、目標進角値VTTの変化量|ΔVTT|が所定値THvtt より小さくなり、かつ実進角値VTの変化量|ΔVT|が所定値THvtより小さくなると、保持制御補正量Dvthsubを加算するものである。このように、フィードバック制御量Dvtfbに加算される保持制御量Dvth にてVCT50における目標進角値VTTに対する実進角値VTの追従応答性の改善を図ることができ、こののちにVCT50が定常状態となってもVCT変位角偏差VTDが存在するときには、保持制御補正量Dvthsubが加算されることでVCT50によるバルブタイミング制御位置の精度を向上することができる。
【0041】
そして、本実施例の内燃機関用バルブタイミング制御装置は、更に、保持制御量マップの現在の領域における滞在時間及び実進角値VTの変化量ΔVTが所定値THvtより小さい状態が共に所定時間Tlrn 以上継続しているときには、保持制御補正量Dvthsubを保持制御量マップの現在の領域の保持制御量Dvth に加え、保持制御量Dvth を学習するECU30にて達成される保持制御量学習手段を具備するものである。つまり、保持制御量マップの現在の領域における滞在時間及び実進角値VTの変化量ΔVTが所定値THvtより小さい状態が共に所定時間Tlrn 以上継続し、VCT50によるバルブタイミング制御位置が安定状態にあるときには、そのときの保持制御補正量Dvthsubを保持制御量マップの現在の領域の保持制御量Dvth に加算することで保持制御量Dvth を適切に学習し更新することができる。この更新された保持制御量Dvth によれば、製造公差や経時変化等による保持制御量のずれが補正されることで、VCT50における目標進角値VTTに対する実進角値VTの追従応答性の更なる改善を達成することができる。
【0042】
ところで、上記実施例では、VCT50が内燃機関10の吸気バルブ側のカムシャフト15に配設されているが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、排気バルブ側のカムシャフト16または両方のカムシャフト15,16に配設することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関用バルブタイミング制御装置が適用されたダブルオーバヘッドカム式内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関用バルブタイミング制御装置で使用されているECUにおけるVCT制御量演算の処理手順を示すメインルーチンである。
【図3】図3は図2における保持制御量マップ学習の処理手順を示すサブルーチンである。
【図4】図4は図2及び図3の処理に対応して目標進角値の変更に追従する実進角値、そのときの駆動電流値及び保持制御量マップ値の遷移状態を示すタイムチャートである。
【図5】図5は図2及び図3の処理に対応して目標進角値と機関回転速度とをパラメータとする領域毎に設定されている保持制御量の領域切換えを示す保持制御量マップである。
【符号の説明】
10 内燃機関
11 クランクシャフト(駆動軸)
12 チェーン
13 チェーンスプロケット
15 カムシャフト(従動軸)
21 クランクポジションセンサ
22 カムポジションセンサ
30 ECU(電子制御ユニット)
50 VCT(可変バルブタイミング制御機構)

Claims (3)

  1. 内燃機関の駆動軸から吸気バルブまたは排気バルブの少なくとも何れか一方を開閉する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気バルブまたは前記排気バルブの開閉タイミングまたはリフト量を変更自在な可変バルブタイミング制御機構と、
    前記駆動軸の回転角を検出する駆動軸回転角検出手段と、
    前記従動軸の回転角を検出する従動軸回転角検出手段と、
    前記駆動軸回転角検出手段で検出された前記駆動軸の回転角と前記従動軸回転角検出手段で検出された前記従動軸の回転角との実際の位相差である実進角値を算出する実進角値演算手段と、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記駆動軸の回転角と前記従動軸の回転角との目標とする位相差である目標進角値を算出する目標進角値演算手段と、
    前記目標進角値演算手段で算出された目標進角値と前記実進角値演算手段で算出された実進角値との偏差に応じて、前記可変バルブタイミング制御機構により前記駆動軸または前記従動軸を相対回転するためのフィードバック制御量を算出するフィードバック制御量演算手段と、
    前記目標進角値と前記駆動軸の単位時間当たりの回転角に応じた機関回転速度とで設定される領域毎に前記可変バルブタイミング制御機構における進角位置を所定位置に保持するための保持制御量が設定されたマップに基づき、現在の目標進角値及び機関回転速度により前記保持制御量を算出する保持制御量演算手段と、
    前記可変バルブタイミング制御機構の定常状態が継続しているときには、前記フィードバック制御量に基づき前記保持制御量の補正量として保持制御補正量を算出する保持制御補正量演算手段と、
    前記フィードバック制御量に対して前記保持制御量及び前記保持制御補正量を加え、最終的な制御出力値を算出する制御出力値演算手段と
    を具備することを特徴とする内燃機関用バルブタイミング制御装置。
  2. 前記制御出力値演算手段は、前記制御出力値の算出に際し、前記フィードバック制御量に対して前記保持制御量を制御開始から加え、前記目標進角値の変化量及び前記実進角値の変化量がそれぞれ所定値より小さくなったとき、または制御開始から所定時間を経過したときに、前記保持制御補正量を加えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用バルブタイミング制御装置。
  3. 前記マップの現在の領域における滞在時間及び前記実進角値の変化量の小さい状態が共に所定時間以上継続しているときには、前記保持制御補正量を前記マップの現在の領域の保持制御量に加え、前記保持制御量を学習する保持制御量学習手段を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関用バルブタイミング制御装置。
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