JP2004250970A - 耐火材支持金具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】耐火材支持金具11は、スラブSに取り付けられる金具本体13と、前記金具本体13に設けられて耐火材12を支持する耐火材支持部Tとより主に構成されている。そして、金具本体13の上部鍔部13aに螺着されたボルトBと、金具本体13の下部に取り付けられた鍔部形成部材15の鍔部形成片15b及び下部鍔部13cとによりスラブSを挟持することにより、耐火材支持部Tが設けられた金具本体13がスラブSに取着される。さらに、耐火材支持部T上に耐火材12を支持させ、耐火材支持部Tと耐火材保持部材16とにより耐火材12を挟持することにより、貫通孔K内に耐火材12が設けられる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、建物のコンクリート製のスラブに設けられた貫通孔内に、同貫通孔の防火構造を形成する耐火材を設けるための耐火材支持金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建物の区画部であるコンクリート製のスラブにケーブル類を貫通させるため、当該スラブには貫通孔が設けられ、その貫通孔内には防火構造が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。この防火構造は、前記貫通孔内に挿入され、さらにスラブに固定された貫通筒体と、同貫通筒体内に設けられた耐火材とより構成されている。前記貫通筒体は、金属材料により四角筒状に形成され、同貫通筒体の外面には、固定片が複数箇所に設けられている。
【0003】
そして、前記貫通筒体は、同貫通筒体の下部側が貫通孔内に挿入された状態で、前記各固定片からアンカーボルトがスラブの上面に打ち込まれることにより、同スラブに固定されている。さらに、貫通筒体内には耐火材支持具が設けられ、その耐火材支持具により、貫通筒体の上部及び下部の内周面に耐火材が支持され、貫通孔内に耐火材が設けられている。そして、貫通孔内において、貫通筒体内にケーブルが挿通され、貫通筒体の内周面とそのケーブルとの間に前記耐火材が設けられている。そのため、万一、スラブの下方において火災が発生した場合には、火災熱により下側の耐火材が発熱膨張して貫通孔内を閉塞し、火災熱が貫通筒体の上部へ及ぶのが防止され、ケーブル類の延焼等が防止されて防火される。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−346897号公報(第4〜第6頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の貫通筒体は、固定片からアンカーピンをスラブに打ち込むことによりスラブに固定されている。即ち、剛体であるスラブにアンカーピンを打ち込むには相当の力を必要とし、貫通筒体の固定作業に非常に多くの労力を要する。その結果、貫通筒体を使用して耐火材を貫通孔内に設ける作業を行うためには非常に労力を要するという問題があった。また、アンカーピンはスラブの上面から奥方にまで打ち込まれるため、そのアンカーピンによりスラブは損傷を受けることとなり、スラブの強度が低下する虞があるという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、区画部の強度を低下させることなく、耐火材を貫通孔内に設ける作業を容易に行うことができる耐火材支持金具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、建物の区画部に管類又はケーブル類を貫通させるための貫通孔内に防火構造を形成すべく、当該貫通孔の内周面と前記管類又はケーブル類との間に耐火材を設けるための耐火材支持金具であって、前記区画部に取り付けられる金具本体と、前記金具本体に設けられ、前記耐火材を支持する耐火材支持部とより構成され、前記金具本体には相対向する一対の鍔部が設けられ、一対の鍔部のうち一方の鍔部に螺着された固定部材と、他方の鍔部とで区画部を挟持することにより金具本体が前記区画部に取着されて前記耐火材支持部が貫通孔内に設けられることを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の耐火材支持金具において、前記金具本体は板状に形成され、前記一対の鍔部はそれぞれ金具本体の折り曲げ及び金具本体に対する鍔部形成部材の取付けのうちの少なくともいずれか一方の手段により形成されることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の耐火材支持金具において、前記金具本体には、鍔部の折り曲げ形成又は鍔部形成部材の金具本体に対する取付けのための透孔が穿設されていることを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の耐火材支持金具において、前記透孔は金具本体に複数箇所に穿設されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の耐火材支持金具において、前記一方の鍔部は金具本体を折り曲げて形成され、他方の鍔部は金具本体を折り曲げた部位と、金具本体に取付けられた前記鍔部形成部材とより形成されることを要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の耐火材支持金具において、前記耐火材支持部は、金具本体とは別体に設けられた支持部材を金具本体に取り付けることにより設けられることを要旨とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の耐火材支持金具において、前記金具本体には、前記耐火材支持部上に支持された耐火材を、当該耐火材支持部との間で保持するための耐火材保持部材が設けられることを要旨とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した耐火材支持金具の一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
【0014】
図1に示すように、耐火材支持金具11は、建物の区画部としてのコンクリート製のスラブSに設けられた貫通孔K内に防火構造を形成するために、当該貫通孔Kの内周面と、同貫通孔Kを貫通するケーブルHとの間に耐火材12を設けるためのものである。なお、前記貫通孔KはスラブSをその厚み方向(上下方向)に貫通して設けられ、平面四角形状に設けられている。また、前記耐火材12は、一定の大きさの直方体状に形成され、120℃以上の熱を受けると体積が加熱前の3〜5倍に膨張し、耐火性能を有するものである。
【0015】
図1及び図2に示すように、耐火材支持金具11は、細長四角板状の金属板を折り曲げて形成された金具本体13と、細長四角板状の金属板を折り曲げて形成された支持部材14と、L字状をなす鍔部形成部材15と、略四角板状をなす耐火材保持部材16とを組み付けて構成されている。そして、前記金具本体13に取り付けられた支持部材14により、耐火材支持金具11には、前記耐火材12を支持する耐火材支持部Tが設けられている。図2に示すように、前記金具本体13の長さ方向における一側部(上側部)には、上部鍔部13aが折り曲げ形成されている。この上部鍔部13aは金具本体13の長さ方向に対して直交するように金具本体13が折り曲げられて形成されている。
【0016】
前記上部鍔部13aには挿通孔13dが上部鍔部13aを貫通して穿設され、その挿通孔13dの内周面には固定部材としてのボルトBが螺合可能なねじ山(図示せず)が螺刻されている。そして、上部鍔部13aにボルトBが螺着されて金具本体13に一方の鍔部が形成されている。なお、図3に示すように、前記ボルトBが挿通孔13dに螺着された状態では、そのボルトBにナットNが螺合されている。金具本体13の長さ方向における下側部には、透孔としての掛止孔13bが金具本体13の幅方向に細長に延びるように複数箇所に穿設されている。前記掛止孔13bは、それぞれ金具本体13の下側部の折り曲げ又は前記鍔部形成部材15の金具本体13に対する取付けのために設けられている。
【0017】
また、金具本体13の下側部には下部鍔部13cが折り曲げ形成され、この下部鍔部13cは同金具本体13の下側部を所望する位置で折り曲げることにより形成可能となっている。そして、この下部鍔部13cは金具本体13における他方の鍔部として形成される。この下部鍔部13cは前記上部鍔部13aと相対向するように金具本体13に設けられ、上部鍔部13a及び下部鍔部13cが形成されると金具本体13は略コ字状に形成される。
【0018】
次に、前記支持部材14について説明する。図2に示すように、支持部材14は細長四角形状の金属板をクランク状に成形して構成され、支持部材14の中央部には、同支持部材14の長さ方向に延びるスライド孔14aが穿設されている。また、支持部材14の一側部(上側部)には介装体としての係止片14bが設けられ、支持部材14の他側部(下側部)には、耐火材12を支持可能な前記耐火材支持部Tが設けられている。
【0019】
この耐火材支持部Tと前記係止片14bとはそれぞれ180度反対方向に延びるように支持部材14に設けられている。また、係止片14bの上面から耐火材支持部Tの下面までの長さは、前記耐火材12の厚みとほぼ同じに設定されている。前記係止片14bには、平面円形状をなす当接凹部14dが凹部として凹設されている。そして、図3に示すように、上記支持部材14のスライド孔14a内に金具本体13を挿入することにより、支持部材14が金具本体13に取り付けられ、支持部材14は金具本体13の長さ方向にスライド移動可能に取り付けられている。
【0020】
次いで、金具本体13の下部に、前記下部鍔部13cとともに金具本体13における他方の鍔部を形成する鍔部形成部材15について説明する。図2に示すように、この鍔部形成部材15は四角形状をなす金属板を略L字状に成形して構成されている。この鍔部形成部材15は一側部(上側部)に形成された四角板状をなす取付片15aと、他側部(下側部)に形成された四角板状をなす鍔部形成片15bとから構成されている。そして、鍔部形成部材15は前記鍔部形成片15bが前記取付片15aに対して直交する方向へ延びるように形成されている。また、前記取付片15aの上端縁の中央部には前記掛止孔13bに挿入可能な掛止片15cが設けられている。この掛止片15cは取付片15aの端縁にL字状に延びるように形成されている。
【0021】
次いで、耐火材支持部T上に支持された前記耐火材12を、前記耐火材支持部Tとの間で保持するための耐火材保持部材16について説明する。図2に示すように、耐火材保持部材16は長方形状をなす金属板を略U字状に成形して構成されている。即ち、耐火材保持部材16には、第1スリット16aが形成され、この第1スリット16aは耐火材保持部材16の一方の短辺側の端縁の中央から、耐火材保持部材16長さ方向に延びるように形成されている。
【0022】
さらに、耐火材保持部材16には、前記第1スリット16aと連通する第2スリット16bが形成され、この第2スリット16bは前記第1スリット16aより幅狭であるとともに、耐火材保持部材16の長さ方向に延びるように形成されている。前記第1スリット16aの幅方向への長さは、前記金具本体13の幅方向への長さより若干長く形成され、第2スリット16bの幅方向への長さは前記ボルトBの直径より若干長く形成されている。図1に示すように、上記構成の耐火材保持部材16は金具本体13に取り付けられると、前記耐火材支持部T上に支持された耐火材12を耐火材支持部Tとの間で保持するために使用される。
【0023】
さて、上記金具本体13、支持部材14、鍔部形成部材15及び耐火材保持部材16を備えた耐火材支持金具11により耐火材12を貫通孔K内に設ける方法について説明する。
【0024】
まず、図3に示すように、金具本体13に支持部材14を取り付け、ボルトBを挿通孔13dに螺着し、さらに、同ボルトBの先端側にナットNを螺着する。次に、掛止片15cを掛止孔13b内に挿入し、同掛止片15cを掛止孔13bの周縁となる金具本体13外面に掛止させて鍔部形成部材15を金具本体13に取り付ける。即ち、掛止孔13bは鍔部形成部材15を金具本体13に取り付けるために用いられる。
【0025】
すると、鍔部形成部材15は、前記取付片15aが金具本体13の長さ方向に沿って延び、鍔部形成片15bが金具本体13に対して直交する方向へ延びるように金具本体13に取り付けられる。上部鍔部13a、係止片14b及び鍔部形成片15bがそれぞれ金具本体13の長さ方向に対し直交するとともに、同一方向へ延びるようになっている。なお、掛止片15cが挿入される掛止孔13bは、ボルトBの先端に当接凹部14dが当接するまで、支持部材14を上方へ移動させた状態で、係止片14bの下面と、鍔部形成片15bの上面との間の距離がスラブSの厚みより若干長くなるように選択される。
【0026】
続いて、金具本体13の下側部を、鍔部形成部材15が取付けられた掛止孔13bの下側に位置する掛止孔13bから折り曲げ、下部鍔部13cを形成する。このとき、掛止孔13bは金具本体13を折り曲げて下部鍔部13cを形成するために用いられる。金具本体13の下側部を折り曲げるとき、掛止孔13bが金具本体13を貫通しているため、その掛止孔13bから金具本体13を折り曲げる作業が容易に行われる。また、このとき、その下部鍔部13cの上面が、鍔部形成片15bの下面に接触するように金具本体13を折り曲げ、上部鍔部13a、係止片14b及び鍔部形成片15bに対して下部鍔部13cが平行に同一方向へ延びるようにする。
【0027】
その結果、金具本体13の下側部には、前記鍔部形成片15b及び下部鍔部13cにより他方の鍔部が形成される。そして、図4に示すように、支持部材14及び鍔部形成部材15が取り付けられた金具本体13を貫通孔K内に挿入し、さらに、係止片14bを、貫通孔Kの平面視における角部となるスラブSの上面に係止させるとともに、上部鍔部13aと鍔部形成片15b及び下部鍔部13cとの間にスラブSが位置するようにする。
【0028】
すると、支持部材14がスラブSに係止されるとともに、当接凹部14d内にボルトBの先端が挿入され、さらに当接凹部14dの内底面に当接する。このとき、ボルトBは挿通孔13dに螺着されているため、係止片14b上に支持されたボルトBを介して金具本体13が支持部材14上に支持され、金具本体13がスラブSに取り付けられる。この金具本体13の取付状態で、スラブSの上面より上側に上部鍔部13aが位置し、スラブSの下面より下側に鍔部形成片15b及び下部鍔部13cが位置している。
【0029】
続けて、ボルトBを周方向へ回転させて挿通孔13dに対して螺進させる。このとき、ボルトBの先端は当接凹部14d内に挿入され、ボルトBの先端の外側には当接凹部14dの内周面が位置している。そのため、ボルトBの先端は当接凹部14d内から外へ移動しにくい状態で螺進方向への回転可能となり、ボルトBが支持部材14に向かって真っ直ぐに螺進されるとともに、係止片14bにおける特定位置がボルトBにより押圧される。
【0030】
すると、支持部材14はスラブS上に支持されているため、係止片14bはそれ以上下方へ移動せず、ボルトBもスラブS方向へ螺進しない。その結果、金具本体13がボルトBの頭部側に引寄せられ、下部鍔部13cがスラブSの下面に向かって引寄せられる。それと同時に、鍔部形成部材15もスラブSの下面に向かって引寄せられ、最後には、鍔部形成片15bの上面がスラブSの下面に当接し、その鍔部形成片15b及び下部鍔部13cと、係止片14bを介したボルトBとよりスラブSが挟持される。従って、ボルトBと鍔部形成片15b及び下部鍔部13cとにより金具本体13がスラブSに取着され、その金具本体13に設けられた耐火材支持部Tが貫通孔K内に設けられる。
【0031】
このとき、ボルトBと下部鍔部13cとによるスラブSを押圧する力が係止片14b及び鍔部形成片15bに分散され、さらにボルトBの先端面及び下部鍔部13cの上面の和より広い面積でスラブSが挟まれる。また、下部鍔部13cと鍔部形成片15bとの2枚板により、金具本体13には他方の鍔部が形成されている。そのため、下部鍔部13cのみで金具本体13に他方の鍔部を形成する場合と比較して、他方の鍔部の厚みを厚くすることができ、剛性が高められる。さらに、金具本体13がスラブSに取着された状態では、耐火材支持部TはスラブSの上面より一定長さ、即ち耐火材12の厚み分だけ下がった位置に配置される。
【0032】
次に、図5に示すように、耐火材支持部Tの上面に耐火材12を載せ、支持させる。このとき、耐火材支持部TはスラブSの上面より一定長さ、即ち耐火材12の厚み分だけ下がった位置に配置されるため、耐火材12の上面と係止片14bの上面とが面一となる。次いで、耐火材保持部材16を、第1スリット16a内にボルトBの軸部が入り込むように金具本体13側へスライド移動させる。さらに、第2スリット16b内にボルトBの軸部が入り込むように耐火材保持部材16を金具本体13側へスライド移動させる。このとき、耐火材保持部材16はナットNの下側に位置するように移動させる。
【0033】
そして、その耐火材保持部材16の先割れ状の一端側を支持部材14上の耐火材12の上面に配置する。続けて、ナットNをボルトBに沿って螺進させ、そのナットNと、係止片14bの上面との間に耐火材保持部材16の他端側を挟持する。すると、耐火材保持部材16が下方へ押さえ付けられ、耐火材保持部材16の一端側の下面と耐火材支持部Tの上面との間に耐火材12が挟持されて、両者の間に耐火材12が保持される。その結果、図1に示すように、耐火材支持金具11を使用して耐火材12が貫通孔K内に設置される。上記作業を繰り返して貫通孔Kの平面視における四箇所のコーナとなる位置に耐火材支持金具11を使用して耐火材12設置する。このとき、隣接する耐火材12同士の間には隙間が形成されている。最後に、その耐火材12が設置された貫通孔K内にケーブルHを挿通すると、貫通孔Kの内周面とケーブルHとの間に耐火材12が設けられ、貫通孔Kの防火構造が構築される。
【0034】
万一、上記貫通孔Kの防火構造が構築された建物において、スラブSの下方で火災が発生した場合には、火災熱により4つの耐火材12が発熱膨張して貫通孔Kの内周面とケーブルHとの間の隙間、さらには隣接する耐火材12間の隙間が閉塞される。その結果、火災熱が耐火材12より上方へ及ぶのが防止され、さらにケーブルHの延焼等が防止されて防火される。
【0035】
上記実施形態の耐火材支持金具11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)係止片14bを介したボルトBと、鍔部形成片15b及び下部鍔部13cとにより金具本体13をスラブSに取着して耐火材支持部Tを貫通孔K内に設け、その耐火材支持部Tにより耐火材12を貫通孔K内に支持させた。そのため、耐火材12を貫通孔K内に設置すべく金具本体13をスラブSに固定する作業は、ボルトBの挿通孔13dに対する螺進作業を行うことにより完了する。従って、耐火材12を貫通孔K内に設けるために貫通筒体を使用し、剛体であるスラブSにアンカーピン打ち込んでいた従来と異なり、耐火材12を貫通孔K内に設ける作業に要する労力を少なくして前記作業を容易に行うことができる。また、貫通筒体をスラブSに埋め込むために、スラブSに孔を設け、貫通筒体を設置した後、コンクリートを貫通筒体の周りに打設する作業を行う必要がなく、耐火材12を貫通孔K内に設ける作業に要する労力を少なくして容易に行うことができる。
【0036】
(2)また、ボルトBは係止片14bを介してスラブSを押圧するため、ボルトBはスラブSに打ち込まれない。従って、耐火材12を貫通孔Kに設置するために、スラブSにアンカーピンを打ち込んでいた従来と異なり、スラブSが損傷を受けることがなくなり、スラブSの強度を低下させることなく、耐火材12を貫通孔K内に設けることができる。
【0037】
(3)ボルトBの挿通孔13dに対する螺進作業時に、当接凹部14dによりボルトBの軸ぶれを防止することができる。従って、ボルトBの螺進作業時に、同ボルトBにより係止片14bの特定位置を押圧し続けることができ、金具本体13をスラブSに挟着する作業を速やかかつ容易に行うことができる。
【0038】
(4)係止片14bと耐火材支持部Tとは一体形成されている。そのため、支持部材14を金具本体13に取り付けることにより、金具本体13に係止片14bと耐火材支持部Tとを同時に設けることができる。従って、耐火材支持部Tと係止片14bとを別々に金具本体13に設ける場合と比較して、耐火材支持金具11を使用して貫通孔K内に耐火材12を設ける作業の簡易化を図ることができる。
【0039】
(5)耐火材支持金具11は金属板を組み合わせて形成されているため、金属板より角筒状に形成された貫通筒体を用いた従来と異なり、耐火材12を貫通孔K内に設けるための道具の小型化を図ることができるとともに、材料費を抑えることができる。
【0040】
(6)スラブSの上下面が凹凸状に形成されていても、その凹凸を係止片14b及び鍔部形成片15bにより吸収して、ボルトBと、鍔部形成片15b及び下部鍔部13cとの間でスラブSを確実に挟持することができる。ボルトBの端面と下部鍔部13cの上面との面積の和が、係止片14bの下面と鍔部形成片15bの上面との面積の和より小さいため、金具本体13をスラブSに安定した状態で取着することができる。
【0041】
(7)金具本体13には掛止孔13bが穿設されているため、金具本体13に鍔部形成部材15を容易に取付けることができ、鍔部形成片15bにより下部鍔部13cとともに他方の鍔部を容易に形成することができる。また、掛止孔13bは金具本体13を貫通して穿設され、さらに掛止孔13bは金具本体13の幅方向に細長に延びるように形成されている。そのため、掛止孔13bが形成されていない金属板を折り曲げる場合と比較して、掛止孔13bから金具本体13を容易に折り曲げることができ、下部鍔部13cを形成する作業を容易に行うことができる。
【0042】
(8)金具本体13には掛止孔13bが複数箇所に設けられているため、掛止孔13bを選択して鍔部形成部材15を取り付けることにより、係止片14bと鍔部形成片15bとの間の長さをスラブSの厚みに対応させることができる。さらに、金具本体13の下側部を折り曲げることにより下部鍔部13cが形成されている。そのため、耐火材12を設けるスラブSの厚みに対応させて下部鍔部13cを形成することができる。従って、一体の耐火材支持金具11により厚みの異なる複数種類のスラブSに対応して金具本体13をスラブSに容易に取着することができる。加えて、金具本体13に掛止孔13bが複数に穿設されているため、それら掛止孔13bにより金具本体13に対する鍔部形成部材15の取付けと、下部鍔部13cの折り曲げの両方の機能を発揮させることができる。従って、他方の鍔部の形成、ひいては耐火材支持金具11の形成をより容易に行うことができる。
【0043】
(9)金具本体13の下側部は折り曲げられているため、スラブSの下面から金具本体13の下部が突出し、スラブSの外観が損なわれたり、後に行われる内装工事の妨げとなる不具合を無くすことができる。また、金具本体13をスラブSに取り付けたとき、係止片14bの下面と鍔部形成片15bの上面との間の長さがスラブSの厚みに近いため、下部鍔部13cをスラブS側に引寄せるためにボルトBを挿通孔13dに対して螺進させる量を少なくすることができる。
【0044】
(10)金具本体13の下部には、鍔部形成片15bと下部鍔部13cとにより他方の鍔部が形成されている。そのため、金具本体13の他方の鍔部の強度を高めることができ、上部鍔部13aと鍔部形成片15b及び下部鍔部13cとによりスラブSを挟持したとき、他方の鍔部の変形を防止して金具本体13をスラブSに強固に取着することができる。
【0045】
(11)係止片14bと耐火材支持部Tとを一体に設けたため、係止片14bをスラブSの上面に係止させることにより、耐火材支持部TをスラブSの上面から一定深さとなる位置に設けることができる。従って、耐火材12の厚みに対応させて係止片14b及び耐火材支持部Tを支持部材14に形成することにより、耐火材12上面と、スラブS上面とを面一とすることができる。その結果、耐火材12の上面とスラブSの上面との間に段差が形成されている場合と比較して耐火材保持部材16により耐火材12の上面を抑えやすくすることができ、耐火材支持部Tと耐火材保持部材16との間で耐火材12を強固に挟持することができる。また、支持部材14における係止片14b及び耐火材支持部Tの位置を調節することにより、耐火材12を貫通孔K内の所望する深さとなる位置に設けることができる。
【0046】
(12)耐火材保持部材16を使用することにより、耐火材支持部T上の耐火材12を強固に保持して貫通孔K内に安定した状態に設けることができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
【0047】
・ 実施形態では、係止片14bに当接凹部14dを形成することにより、ボルトBの挿通孔13dに対する螺進作業におけるボルトBの軸ぶれを防止したが以下のように変更してもよい。例えば、当接凹部14dの代わりに、ボルトBの直径より僅かに大きい直径の孔を凹部として係止片14bに穿設してもよい。又は当接凹部14dを省略するとともに、係止片14bの上面にボルトBの直径より僅かに大きい直径を有する筒状部を凹部として設けてもよい。そして、係止片14bを貫通したボルトBの端面と鍔部形成片15b及び下部鍔部13cとによりスラブSを挟持してもよい。
【0048】
・ 実施形態では、ボルトBの挿通孔13dに対する螺進作業におけるボルトBの軸ぶれを防止するために、係止片14bに当接凹部14dを形成したが以下のように変更してもよい。例えば、上部鍔部13aにおいて、挿通孔13dの周縁にボルトBの軸部の直径よりわずかに大きい直径を有する筒部を形成してもよい。そして、この筒部によりボルトBの軸ぶれを防止してもよい。
【0049】
・ 支持部材14を省略するとともに、耐火材支持部Tを金具本体13に一体形成してもよい。このとき、係止片14bは金具本体13に一体形成されていない。そして、介装体としての係止片14bを介さず、ボルトBと鍔部形成片15b及び下部鍔部13cとによりスラブSを挟持して金具本体13をスラブSに取着してもよい。
【0050】
・ 実施形態では、スラブSの上面とボルトBとの間に係止片14bを介装させたが、耐火材支持部Tを金具本体13に一体に設けた場合、ボルトBの先端に、介装体としての板材を一体形成してもよい。又はボルトBを挿通孔13dに螺進するときに、ボルトBの先端とスラブSの上面との間に介装体としての板材を設けてもよい。
【0051】
・ 実施形態では、耐火材保持部材16を用いたが、耐火材保持部材16を省略してもよい。この場合、接着剤、粘着テープ等を使用して耐火材支持部Tの上面に耐火材12を貼り付ける。又は耐火材支持部Tの上面に突刺体を設け、耐火材12の下面に前記突刺体を刺して耐火材支持部T上に耐火材12を支持固定してもよい。又は耐火材支持部T上に支持させた耐火材12と、同耐火材支持部Tとを紐、結束バンド等を用いて結束して耐火材支持部T上に耐火材12を支持固定してもよい。さらには、耐火材支持部Tを、耐火材12が入り込み可能となるように折り曲げて収容凹部を形成し、その収容凹部に耐火材12をはめ込んでもよい。
【0052】
・ 実施形態では、金具本体13に装着された耐火材保持部材16をボルトBと係止片14bとの間に挟持したが以下のように変更してもよい。例えば、耐火材保持部材16の第1スリット16a及び第2スリット16bを省略し、耐火材保持部材16を四角板状に形成する。次に、耐火材支持部T上に支持された耐火材12の上面に耐火材保持部材16を載せ、その耐火材保持部材16の例えば四隅にボルト体を貫通させ、さらに各ボルト体をそれぞれ耐火材支持部Tの四隅を貫通させた後、各ボルト体にそれぞれナットを螺合する。そして、ナットとボルト体とにより耐火材保持部材16と耐火材支持部Tとを挟持して、それら耐火材保持部材16と耐火材支持部Tとの間に耐火材12を挟持してもよい。なお、ボルト体の個数は、耐火材保持部材16と耐火材支持部Tとにより挟持する耐火材12の大きさ等に対応して任意に変更される。
【0053】
・ 実施形態では、金具本体13に透孔としての掛止孔13bを複数箇所に設けたが、鍔部形成部材15の下側部に掛止孔13bを1箇所だけに設けてもよい。このとき、掛止孔13bは、金具本体13に対する鍔部形成部材15の取付け又は下部鍔部13cを形成するために金具本体13を折り曲げるために使用される。また、実施形態では、金具本体13の下側部のみに透孔としての掛止孔13bを複数箇所に設けたが、金具本体13の上側部のみ、上下両側部又は金具本体13の全体に亘って透孔を複数箇所に設けてもよい。
【0054】
・ 透孔としての掛止孔13bを省略してもよい。
・ 実施形態では、金具本体13の上部を折り曲げた上部鍔部13aにボルトBを螺着して一方の鍔部を形成し、金具本体13の下部を折り曲げて下部鍔部13cを形成するとともに、鍔部形成部材15を取付けて他方の鍔部を形成したが以下のように変更してもよい。例えば、金具本体13の上側部に透孔としての掛止孔13bを一箇所又は複数箇所に穿設し、その掛止孔13bを利用して鍔部形成部材15を金具本体13の上部に取り付ける。さらに、金具本体13の上側部を折り曲げて上部鍔部13aを形成し、その上部鍔部13aにボルトBを螺着して、前記鍔部形成部材15と上部鍔部13aとで一方の鍔部を形成してもよい。このとき、他方の鍔部は鍔部形成片15bと下部鍔部13cとにより形成されていてもよく、鍔部形成部材15を省略して下部鍔部13cのみで形成されていてもよい。又は、他方の鍔部は鍔部形成部材15の鍔部形成片15bのみで形成され、金具本体13の下側部が折り曲げられていなくてもよい。
【0055】
・ 金具本体13の一対の鍔部を以下のように形成してもよい。金具本体13の下側部を折り曲げて形成された下部鍔部13cにボルトBを螺着して一方の鍔部として形成する。さらに、金具本体13の上部を折り曲げて上部鍔部13aを形成し、その上部鍔部13aを他方の鍔部としてもよい。又は、金具本体13の上部に透孔としての掛止孔13bを一箇所又は複数箇所に形成し、その掛止孔13bを利用して鍔部形成部材15を金具本体13の上部に取り付る。そして、上部鍔部13aと鍔部形成片15bとにより他方の鍔部を形成してもよく、上部鍔部13aを形成せずに鍔部形成片15bのみで他方の鍔部を形成してもよい。
【0056】
・ 金具本体13の一対の鍔部を以下のように形成してもよい。例えば、金具本体13の下部を折り曲げて下部鍔部13cを形成するとともに、その下部鍔部13cに形成された挿通孔にボルトBを螺着して一方の鍔部を形成する。さらに、金具本体13の下部に形成された掛止孔13bを利用して鍔部形成部材15を取付けるとともに、ボルトBを鍔部形成片15bを貫通させ、その鍔部形成部材15の鍔部形成片15bと下部鍔部13cとにより一方の鍔部を形成してもよい。このとき、金具本体13の上部を折り曲げて上部鍔部13aを形成し、その上部鍔部13aを他方の鍔部としてもよい。又は、金具本体13の上部に透孔としての掛止孔13bを一箇所又は複数箇所に形成し、その掛止孔13bを利用して鍔部形成部材15を金具本体13の上部に取り付ける。そして、上部鍔部13aと鍔部形成片15bとにより他方の鍔部を形成してもよく、上部鍔部13aを形成せずに鍔部形成片15bのみで他方の鍔部を形成してもよい。
【0057】
・ 実施形態では、鍔部形成部材15を用いたが、鍔部形成部材15を省略し、下部鍔部13cと係止片14bを介したボルトBとにより金具本体13をスラブSに取着してもよい。
【0058】
・ 金具本体13を施工現場で折り曲げて上部鍔部13a及び下部鍔部13cを形成してもよい。
・ 実施形態では、金具本体13に対して鍔部形成部材15を取り付けた後、金具本体13の下部を折り曲げて下部鍔部13cを形成したが以下のように変更してもよい。金具本体13に鍔部形成部材15が予め取り付けられ、さらに下部鍔部13cが形成された耐火材支持金具11を、鍔部形成部材15の取付位置が異なるように複数種類用意する。そして、施工現場において、スラブSの厚みに対応した耐火材支持金具11を選択して使用してもよい。
【0059】
・ 実施形態では、貫通孔K内にケーブル類としてケーブルHを挿通し、スラブSを貫通させたが、ケーブル類としてケーブルHの他に光ファイバー、電話線等を貫通孔K内に挿通させてもよく、管類として電線管、保護管等を挿通してもよい。加えて、貫通孔K内に前記ケーブルH、光ファイバー、電話線等のケーブル類又は電線管、保護管等の管類を保持するためのケーブル類の受け具又は管類の受け具を設け、その受け具に支持されたケーブル類又は管類と、貫通孔Kとの間に耐火材12を設けてもよい。
【0060】
・ 実施形態では、貫通孔Kの四箇所のコーナとなる位置に耐火材支持金具11を用いて耐火材12を設けたが、貫通孔K内面の全体に耐火材12が配設されるように耐火材支持金具11を使用して耐火材12を設けてもよい。
【0061】
・ 貫通孔Kの四箇所のコーナとなる位置にそれぞれ耐火材支持金具11を設け、両側又は一方に隣接する耐火材支持金具11の耐火材支持部T同士に、板材を架け渡して、一対の耐火材支持部T同士又は全ての耐火材支持部T同士を板材により連結してもよい。その結果、板材により耐火材12を支持する面積が大きくなり、耐火材12を安定して支持することができる。
【0062】
・ 実施形態では、耐火材12を膨張するものを使用したが、耐火材12を膨張しないものを使用してもよい。この場合、耐火材12は、ケーブルH又は管類と貫通孔Kの内面との間に隙間無く充填される。
【0063】
・ 実施形態では、固定部材としてボルトBに具体化したが、ボルトBの代わりにビス、木ねじ等に具体化してもよい。
・ 実施形態では、区画部としてコンクリート製のスラブSに具体化したが、区画部として鉄板製の床、コンクリート天井等に耐火材支持金具11を使用して貫通孔K内に耐火材12を設けてもよい。
【0064】
・ 実施形態では、耐火材支持金具11を用いて上下方向に延びる貫通孔K内に耐火材12を設けたが、コンクリート壁、鉄壁等に横方向に延びるように形成された貫通孔内に耐火材支持金具11を使用して耐火材12を設けてもよい。
【0065】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)前記固定部材と区画部との間には介装体が設けられ、同介装体を介した固定部材と、他方の鍔部とにより区画部を挟持して当該区画部に金具本体が取着されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の耐火材支持金具。このように構成した場合、固定部材により区画部を直接的に押圧して同固定部材と他方の鍔部とにより区画部を挟持する場合と比較して、区画部が損傷を受ける虞を無くすことができる。
【0066】
(2)前記固定部材と区画部との間には介装体が設けられるとともに、同介装体は前記支持部材に一体形成され、同介装体を介した固定部材と、他方の鍔部とにより区画部を挟持して金具本体が区画部に取着されることを特徴とする請求項6に記載の耐火材支持金具。このように構成した場合、固定部材により区画部を直接的に押圧して同固定部材と他方の鍔部とにより区画部を挟持する場合と比較して、区画部が損傷を受ける虞を無くすことができる。また、耐火材支持部を金具本体に設けると同時に介装体を設けることができ、耐火材支持部と介装体とを別々に金具本体に設ける場合と比較して、耐火材支持金具を使用して貫通孔内に耐火材を設ける作業の簡易化を図ることができる。
【0067】
(3)前記介装体には、当該介装体の特定位置を前記固定部材により押圧可能とすべく同固定部材の先端が挿入された状態で当該固定部材の螺進方向への回転を可能とする凹部が形成されていることを特徴とする前記技術的思想(1)又は(2)に記載の耐火材支持金具。このように構成した場合、凹部により固定部材の一方の鍔部に対する螺進作業時に、固定部材の先端が凹部内から外へ移動しにくくなる。従って、固定部材により介装体の特定位置を押圧し続けることができ、金具本体を区画部に取着する作業を速やかかつ容易に行うことができる。
【0068】
(4)建物の区画部に管類又はケーブル類を貫通させるための貫通孔内に設けられる防火構造であって、前記区画部に取り付けられる金具本体と、前記金具本体に設けられ、前記耐火材を支持する耐火材支持部とより構成された耐火材支持金具によって、貫通孔の内周面と管類又はケーブル類との間に耐火材が設けられることにより構成され、前記金具本体には相対向する一対の鍔部が設けられ、一対の鍔部のうち一方の鍔部に螺着された固定部材と、他方の鍔部とで区画部を挟持することにより金具本体が前記区画部に取着されて前記耐火材支持部が貫通孔内に設けられ、同耐火材支持部に支持された耐火材が、貫通孔の内周面と管類又はケーブル類との間に設けられていることを特徴とする貫通孔内の防火構造。このように構成した場合、区画部の強度を低下させることなく、耐火材を貫通孔内に設けることができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、区画部の強度を低下させることなく、耐火材を貫通孔内に設ける作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の貫通孔内における防火構造を示す断面図。
【図2】実施形態の耐火材支持金具を構成する部材を示す斜視図。
【図3】金具本体をスラブに取り付ける前の状態を示す斜視図。
【図4】金具本体をスラブに取着した状態を示す断面図。
【図5】耐火材を耐火材支持金具により貫通孔内に設けた状態の断面図。
【符号の説明】
B…固定部材としてのボルト、H…ケーブル類としてのケーブル、K…貫通孔、S…区画部としてのスラブ、T…耐火材支持部、11…耐火材支持金具、12…耐火材、13…金具本体、13a…一方の鍔部としての上部鍔部、13b…透孔としての掛止孔、13c…他方の鍔部としての下部鍔部、14…支持部材、15…鍔部形成部材、16…耐火材保持部材。
Claims (7)
- 建物の区画部に管類又はケーブル類を貫通させるための貫通孔内に防火構造を形成すべく、当該貫通孔の内周面と前記管類又はケーブル類との間に耐火材を設けるための耐火材支持金具であって、
前記区画部に取り付けられる金具本体と、
前記金具本体に設けられ、前記耐火材を支持する耐火材支持部と
より構成され、
前記金具本体には相対向する一対の鍔部が設けられ、一対の鍔部のうち一方の鍔部に螺着された固定部材と、他方の鍔部とで区画部を挟持することにより金具本体が前記区画部に取着されて前記耐火材支持部が貫通孔内に設けられることを特徴とする耐火材支持金具。 - 前記金具本体は板状に形成され、前記一対の鍔部はそれぞれ金具本体の折り曲げ及び金具本体に対する鍔部形成部材の取付けのうちの少なくともいずれか一方の手段により形成されることを特徴とする請求項1に記載の耐火材支持金具。
- 前記金具本体には、鍔部の折り曲げ形成又は鍔部形成部材の金具本体に対する取付けのための透孔が穿設されていることを特徴とする請求項2に記載の耐火材支持金具。
- 前記透孔は金具本体に複数箇所に穿設されていることを特徴とする請求項3に記載の耐火材支持金具。
- 前記一方の鍔部は金具本体を折り曲げて形成され、他方の鍔部は金具本体を折り曲げた部位と、金具本体に取付けられた前記鍔部形成部材とより形成されることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の耐火材支持金具。
- 前記耐火材支持部は、金具本体とは別体に設けられた支持部材を金具本体に取り付けることにより設けられることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の耐火材支持金具。
- 前記金具本体には、前記耐火材支持部上に支持された耐火材を、当該耐火材支持部との間で保持するための耐火材保持部材が設けられることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の耐火材支持金具。
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KR101991090B1 (ko) * | 2019-01-24 | 2019-06-19 | (주)화인종합건축사사무소 | 화재 발생 시 탈출을 용이하게 하는 아파트 바닥 시공방법 |
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