JP2004250658A - 非水性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】非水性組成物を含むコーティングを提供する方法及びそのように調製されたコーティングが、提供される。
【解決手段】非水性媒体、該媒体に可溶なポリマー及び1から50ナノメーターの平均直径を有するポリマーナノ粒子の分散液を含み、そのナノ粒子は、重合単位として、少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含み及びある種の態様においては少なくとも一つの極性エチレン性不飽和モノマーを含む非水性組成物が提供される。
【選択図】なし
【解決手段】非水性媒体、該媒体に可溶なポリマー及び1から50ナノメーターの平均直径を有するポリマーナノ粒子の分散液を含み、そのナノ粒子は、重合単位として、少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含み及びある種の態様においては少なくとも一つの極性エチレン性不飽和モノマーを含む非水性組成物が提供される。
【選択図】なし
Description
【0001】
本発明は、非水性組成物に関する。より詳細には、本発明は、非水性媒体、媒体に可溶なポリマー及び1から50ナノメーターの平均直径を有するポリマーナノ粒子(PNP)の分散液を含む非水性組成物に関し、そのナノ粒子は、重合単位として、少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含む。コーティングを提供する方法及びそのように形成されたコーティングが、また、提供される。
【0002】
非水性重合体コーティングの利点としては、流れ及びレベリング等の適用特性、グロス、イメージの明瞭性及び鮮明度等の外観及び機械的応力及び薬剤暴露に対する等の抵抗特性が挙げられる。本明細書において「非水性媒体」とは、媒体の重量を基準として、20重量%未満の水を含有する組成物を意味する。
【0003】
斯かるコーティングに使用されるポリマー(特に熱可塑性ポリマー)は、典型的には使用過程でガラス状態であり(即ち、使用温度より高いガラス転移温度(Tg)を有する)、乾燥されたコーティングに対して硬度、ブロック抵抗性、耐水性及び耐汚れ性を提供する。しかしながら、ポリマーのガラス状態は、しばしば乾燥コーティングの柔軟性を減少させる。コーティング柔軟性は、金属、プラスチック、木材等の非硬質又は水分及び温度鋭敏性基体に対し工場及び現場適用双方にとって重要である。典型的には、コーティングフォーミュレーターは、フィルム柔軟性を付与するためにコーティング配合物の一部として可塑剤(例えば、ジブチルフタレート、安息香酸エステル等)を含有させるであろう。しかしながら可塑剤を含ませることは、しばしばガラス状ポリマーにより提供される上述の利点を低下させる。加えて、可塑剤は外観特性を低下させ(コーティング表面上に油状フィルムを形成することによる)又はコーティング表面に拡散することにより長い間にコーティングから完全に逸出し、これにより柔軟性の損失を生じさせる。
米国特許第5,491,192号(特許文献1)は、より短期の乾燥時間を提供するためにアルキド溶液ポリマーベースコーティングを変性するのに使用される258から438ナノメーターの容積平均粒径を有する非水性分散液を開示する。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,491,192号明細書
【0005】
改良された柔軟性を有するコーティングを提供することができる非水性組成物を提供することは、望ましいことである。本明細書において「改良された柔軟性」とは、PNP不在のコーティングとの比較での改良を意味する。斯かる改良は、1から50nmの直径を有する架橋ポリマーナノ粒子を含む非水性組成物及びその組成物から形成されたコーティングに付与され、そのナノ粒子は重合単位として少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含むものであることが見出された。
【0006】
本発明の第一の態様においては、非水性媒体、該媒体に可溶のポリマー及び1から50ナノメーターの平均直径を有するポリマーナノ粒子の分散液を含む非水性組成物が提供され、該ナノ粒子は重合単位として少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含む。
【0007】
本発明の第二の態様においては、該非水性組成物を形成し;該組成物を基体に塗布し;及び該組成物を乾燥し又は乾燥させることを含むコーティングを形成する方法が提供される。
【0008】
本発明の第三の態様においては、本発明の第二の態様の方法により調製されるコーティングが提供される。
【0009】
本明細書において、用語「分散液」は、第一相が第二相に分布され、第二相が連続している少なくとも二つの別個の相を含む物理的状態物を意味する。
【0010】
本明細書において使用される用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレート双方を含む。同様に、用語「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド及びメタクリルアミド双方を含む。「アルキル」は、直鎖、分岐及び環状アルキル基を含む。
【0011】
本発明の実施には、1から50nmの平均直径を有するポリマーナノ粒子の使用が含まれ、そのナノ粒子は、重合単位として、少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含む。本発明のPNPは、重合単位として少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含有する付加ポリマーである。本発明に有用な好適な多エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルピリジン、ジビニルナフタレン、ジビニルキシレン、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリビニルシクロヘキサン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2,2‐ジメチルプロパン−1,3−ジアクリレート、1,3‐ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4‐ブタンジオールジアクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール200ジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール600ジメタクリレート、ポリ(ブタンジオール)ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリアクリレート、グリセリルプロポキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジビニルシラン、トリビニルシラン、ジメチルジビニルシラン、ジビニルメチルシラン、メチルトリビニルシラン、ジフェニルジビニルシラン、ジビニルフェニルシラン、トリビニルフェニルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、テトラビニルシラン、ジメチルビニルジシロキサン、ポリ(メチルビニルシロキサン)、ポリ(ビニルヒドロシロキサン)、ポリ(フェニルビニルシロキサン)及びこれらの混合物のようなジ‐、トリ‐、テトラ‐又はより高次の多エチレン性不飽和モノマーが挙げられる。
【0012】
典型的には、PNPは、PNPの重量を基準にして少なくとも1重量%の少なくとも一つの重合された多エチレン性不飽和モノマーを含有する。PNPの重量を基準にして100%までの及び100%を含む重合された多エチレン性不飽和モノマーは、本発明の実施に有効に使用される。重合された多エチレン性不飽和モノマーの量は、PNPの重量を基準にして1%から80%が好ましく、より好ましくは1%から60%、最も好ましくは1%から25%である。幾つかの態様においては、PNPは、重合単位として、少なくとも一つの極性エチレン性不飽和モノマーを含有する。重合単位として、PNP中の好適な極性モノマーの量は、PNPの重量を基準にして0重量%から99重量%、好ましくは0.1重量%から50重量%、より好ましくは0.5重量%から20重量%及び最も好ましくは0.5重量%から7重量%である。極性エチレン性不飽和モノマーは、本明細書において、「極性モノマー」と称される。極性モノマーとは、イオン性モノマーを包含し、モノマーが1及び14の間のpHにおいて水に溶解されるとき、イオン電荷を有することを意味する。非イオン性極性モノマーとは、1.10デバイ単位より大の双極子モーメントを有することを意味する。分子の双極子モーメントは、例えば、CRC Handbook of Chemistry and Physics,第83版、デイビッド ライド、編集者、CRCプレス、2002年、9.45から9.51頁に記載が有る。
【0013】
ある種の態様において、極性モノマーは、多エチレン性不飽和である。好適なイオン性モノマーとしては、例えば、酸含有モノマー、塩基含有モノマー、第4級化窒素含有モノマー及びその後イオン性モノマーに形成され得る他の前駆体モノマーが挙げられる。好適な酸基としては、カルボン酸基及びリン含有酸及び硫黄含有酸のような強酸基が挙げられる。好適な塩基には、アミン及びアミドが挙げられる。
【0014】
PNPが重合単位として酸含有モノマーを含む本発明の態様において、好適な酸含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、アクリルオキシプロピオン酸、及びクロトン酸のようなカルボン酸モノマー;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びシトラコン酸のようなジカルボン酸モノマー;及び一つのカルボン酸官能基及び一つのC1〜6エステルを含有するモノマーのようなジカルボン酸基の半エステルを有するモノマー挙げられる。好ましいのは、(メタ)アクリル酸である。好適な強酸モノマーとしては、2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルフィン酸、スチレンスルフィン酸及びビニルスルフィン酸のような硫黄酸モノマー;及び2‐ホスホエチル(メタ)アクリレート、ビニルリン酸、ビニルホスフィン酸のようなリン酸モノマーが挙げられる。リン酸モノマーは、それらがある種の基体(例えば、金属)に対し改良された接着性を提供するので望ましい。
【0015】
PNPが重合単位として塩基含有モノマーを含む本発明の態様において、好適な塩基含有モノマーとしては、例えば、N,N‐ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N‐ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N‐t‐ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N‐ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、p‐アミノスチレン、N,N‐シクロヘキシルアリルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、ジメチルアリルアミン、N‐エチルジメチルアリルアミン、クロチルアミン、及びN‐エチルメチルアリルアミンを含むアミン官能基を有するモノマー;2‐ビニルピリジン及び4‐ビニルピリジンをはじめとするピリジン官能基を有するモノマー;ビニルピペリジンのようなピペリジン官能基を有するモノマー;及びビニルイミダゾールをはじめとするイミダゾール官能基を有するモノマーが挙げられる。他の好適な塩基含有モノマーとしては、オキサゾリジニルエチル(メタ)アクリレート、ビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、置換ジアリルアミン、ウレイドエチルメタクリレート、2‐モルホリノエチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N‐置換(メタ)アクリルアミド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド及び2‐トリメチルアンモニウムエチルメタクリルクロリド等が挙げられる。
【0016】
非イオン性極性モノマーとしては、例えば、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのようなヒドロキシ、グリシジル(メタ)アクリレートのようなエポキシ、ベンゾフェノン、2‐イソシアナトエチルメタクリレートのようなイソシアネート、アセトフェノン、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートのようなアセトアセテート及びシランのような基を含有するモノマーが挙げられる。
【0017】
本発明のある種の態様においては、PNPは、重合単位として、多エチレン性不飽和モノマーでもなく又は極性モノマーでもない1以上の第三モノマーを更に含有する。重合単位として、PNP中で多エチレン性不飽和モノマーでもなく又は極性モノマーでもない好適な第三モノマーの量は、PNP重量を基準として、0%から99%;好ましくは20%から99%;より好ましくは40%から90%;及び最も好ましいのは、PNP重量を基準にして75%から90%である。幾つかの好適な第三モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、及びノナデシル(メタ)アクリレート、及びこれらの混合物のようなC1〜C24アルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。また好適なのは、スチレン、α‐メチルスチレン、ビニルトルエン、p‐メチルスチレン、エチルビニベンゼン、ビニルナフタレン及びビニルキシレンのようなビニル芳香族モノマーである。ビニル芳香族モノマーとしては、また、ハロゲン誘導体、即ち、フッ素、塩素又は臭素のようなハロゲン基の1以上を含有するハロゲン化誘導体;及びニトロ、シアノ、(C1〜C10)アルコキシ、ハロ(C1〜C10)アルキル、(C1〜C10)アルコキシ及びカルボキシ等の相当する置換対応物が挙げられる。また、本発明のPNPの幾つかの態様における重合単位としての含有に好適なのは、例えば、アリルモノマー、酢酸ビニル、ビニルホルムアミド、塩化ビニル、フッ化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン及び臭化ビニリデンを含む置換エチレンモノマーである。
【0018】
本発明のPNPのある種の態様は、また、重合単位として、官能基を含有するモノマーを包含させることにより提供された官能基を含有する;このようにして導入された官能基は、本明細書において「第一官能基」として知られる。他の官能基は、米国特許第5,270,380号において教示されるように第一官能基とPNPとを一緒にし且つこれらの第一官能基と好適な変性化合物とを反応させることによりPNPに結合され得る。好適な変性化合物は、PNPの第一官能基と有用に反応する任意の化合物である;しかし、変性化合物は、それらがPNPの官能基を変化させるのに使用されるとき最も有用であると教示されている。即ち、大部分の変性化合物は少なくとも一つの「結合性」官能基を有し、同一分子上に少なくとも一つの極性基を有する。一般に、結合性反応基は、PNPの第一官能基と反応して変性化合物とPNPとの間に結合を形成させる;このようにして、幾つか又は全てのPNPの第一官能基は極性基に変換される。
【0019】
種々の官能基は、本発明の使用に好適である。任意の好適な官能基は、第一官能基として又は結合性官能基として使用可能である。好適な官能基としては、例えば、アセトアセテート、アルデヒド、アミン又は他の塩基、無水物、イソシアネート、エポキシ、ヒドラジド、カルボキシル又は他の酸、カルボジイミド、ハライド、クロロ‐メチルエステル、クロロメチルアミン、ヒドロキシル、アジリジン、不飽和、チオール及びこれらの混合物が挙げられる。
【0020】
本発明の実施において、一官能基が異なる官能基と反応して有用な結合を形成するときはいつでも、斯かる一対の官能基は、本明細書において「補足的」であると言われる。例えば、第一部位のヒドロキシル官能基は第二部位のカルボキシル官能基と反応させられてその部位間に結合を形成する(この実施例においてはエステル結合)。補足的な一対の官能基としては:例えば、(a)アセトアセテート‐アルデヒド;(b)アセトアセテート‐アミン;(c)アミン‐アルデヒド;(d)アミン‐無水物;(e)アミン‐イソシアネート;(f)アミン‐エポキシ;(g)アルデヒド‐ヒドラジド;(h)酸‐エポキシ;(i)酸‐カルボジイミド;(j)酸‐クロロメチルエステル;(k)酸‐クロロメチルアミン;(l)酸‐アルコール;(m)酸‐無水物;(n)酸‐アジリジン;(o)エポキシ‐チオール;及び(p)イソシアネート‐アルコールが挙げられる。
【0021】
変性化合物を使用する本発明の態様においては、PNPの第一官能基及び変性化合物の結合性官能基との間の反応は、イオン又は共役結合のいずれかを提供する。適当なイオン性結合は、酸‐塩基相互作用及び陰及び陽荷電原子のイオン対結合を含む。共役結合は、PNPについての補足的官能基(即ち、「第一」官能基)及び変性化合物についての補足的官能基(即ち、「結合性」官能基)との間の化学反応を行うことにより提供される。補足的反応基の任意の対において、各対における第一又は第二反応性基はPNP中又は変性化合物中に存在する。
【0022】
本発明の実施において、PNP上の第一官能基としてのエポキシ官能基の例は、重合単位としてPNP中にグリシジル(メタ)アクリレート及び/又はアリルグリシジルエーテルを含むPNPである。第一官能基を提供するのに好適な他のモノマーとしては、例えば、無水マレイン酸のような無水物及びハライド含有官能基モノマーが挙げられる。好適なハライド含有官能基モノマーとしては、例えば、ビニル芳香族ハライド及びハロアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。好適なビニル芳香族ハライドとしては、ビニルベンジルクロリド、ビニルベンジルブロミド、アリルクロリド、およびアリルブロミドが挙げられる。好適なハロ‐アルキル(メタ)アクリレートにはクロロメチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0023】
非水性PNP分散液を調製する好適な重合法は、少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマー、及びある種の態様においては少なくとも一つの極性モノマーのフリーラジカル溶液重合である。本発明において、「溶液重合」とは、ポリマーについての好適な溶媒中でのフリーラジカル付加重合を意味する。本発明において、「ポリマーについての好適な溶媒」とは、PNPに実質的に類似の重合されたモノマー単位を有する線状ランダム(コ)‐ポリマーが溶媒に可溶性であることを意味する。典型的に溶液重合に使用される溶媒は、非水性組成物の非水性媒体の全て又は一部である。好適な溶媒又は溶媒混合物を選択するための一方法は、溶解度パラメーター分析を使用することによる。斯かる分析に従えば、溶媒の溶解度は、デルタd、デルタp、デルタh及びデルタvのファンクレベレン(Van Krevelen)パラメーターのようなPNP及び溶媒についての溶解度パラメーターを実質的に一致させることにより決定される。例えば、ファンクレベレン等による、「ポリマー特性。それらの評価及び化学構造との相関性」、Elsevier Scientific Publishing Co.(1976);オラビシ等の「ポリマー‐ポリマー混和性」、Academic Press,NY(1979);コールマン等の「ポリマーブレンドの比相互作用及び混和性」、Technomic(1991);.A.F.M.バートンによる「溶解パラメーター及び他の粘着パラメーターのCRCハンドブック」、第2版、CRC Press(1991)」にその記載がある。デルタdは、分散相互作用の尺度であり、デルタpは、極性相互作用の尺度であり、デルタhは水素結合相互作用の尺度であり、そしてデルタvは分散及び極性相互作用両者の尺度である。斯かる溶解度パラメーターは、当分野で公知の原子団寄与法等(the group contribution method)により計算されるか又は実験的に測定されるかのどちらかにより決定される。好ましい溶媒は、ポリマー値の1単位(J/CCの平方根)以内のデルタvパラメーターを有する。重合用の好適な溶媒としては、炭化水素;アルカン;ハロ炭化水素;塩素化、フッ素化及び臭素化炭化水素;芳香族炭化水素;エーテル;ケトン;エステル;アルコール;超臨界二酸化炭素及びこれらの混合物等の有機溶媒が挙げられる。PNPの組成に応じて特に好適な溶媒としては、ドデカン、メシチレン、キシレン、アセトン、ジフェニルエーテル、ガンマ‐ブチロラクトン、酢酸エチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カプロラクトン、2‐ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びイソプロパノール、デカノール及びt‐ブタノールのようなアルキルアルコールが挙げられる。
【0024】
非水性分散液を調製する一方法は、最初に溶媒又は代替的に溶媒とモノマーの一部との混合物を反応容器に装填することによる。モノマー装填物は、典型的には、モノマー、開始剤及びある種の場合には連鎖移動剤から構成される。典型的には、開始温度は55℃から125℃の範囲であるが、当分野で公知の好適な低温又は高温開始剤を使用するより低温又はより高温開始温度が可能である。ヒール装填が重合を開始するのに十分な温度に達した後で、モノマー装填物又はモノマー装填物の残りは、反応容器に添加される。モノマー装填時間は、典型的には15分から4時間の範囲である。モノマー装填の過程で、反応温度を変化させることも可能であるが、反応温度は典型的には一定に維持される。モノマー混合物の添加を完了させた後に、溶媒中の追加の開始剤が反応に装填され及び又は反応混合物は一定時間放置されてもよい。
【0025】
PNP粒径及び分布の調節は、溶媒の選択、開始剤の選択、全固形分濃度、開始剤濃度、及び多官能性モノマーの種類と量、及びイオン性モノマーの種類と量、及び連鎖移動剤の種類と量及び反応条件等の1以上の斯かる方法により達成される。
【0026】
本発明のフリーラジカル重合において有用な開始剤としては、例えば、1以上のペルオキシエステル、アルキルヒドロペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、アゾ開始剤、過硫酸塩及びレドックス開始剤等が挙げられる。使用されるフリーラジカル開始剤の量は、典型的には全モノマーの重量を基準にして0.05重量%から10重量%である。連鎖移動剤は、本発明に有用なPNPの重合度を調節するために任意に使用される。好適な連鎖移動剤としては、例えば、ドデシルメルカプタンのようなアルキルメルカプタン;トルエンのような活性水素を有する芳香族炭化水素;及びブロモトリクロロエタンのようなアルキルハライドが挙げられる。
【0027】
ある種の態様において、PNPは媒体に可溶なポリマーの存在下で非水性媒体中において形成される。
【0028】
PNPは、1〜50nmの範囲、好ましくは1〜40nmの範囲、より好ましくは1〜30nm、いっそうより好ましくは1〜25nm、いっそう更に好ましくは1〜20nm及び最も好ましくは1〜10nmの範囲の平均直径を有する。更に典型的には、PNPは少なくとも1.5nm、好ましくは少なくとも2nmの平均粒子直径を有する。PNPの粒径(平均粒子直径)は、相関関数がコンチン(CONTIN)のようなラプラス変換法を使用して流体力学的サイズに変換される標準動的光散乱技術を使用することにより測定される。
【0029】
ある種の態様において、PNPは、モジュール化された示差走査分析(DSC)測定により測定されるように−90℃から170℃のガラス転移温度を有する。PNP重量を基準にして50重量%より大きい量を構成するPNPにおいて、PNPのTgは本明細書においては100℃として見なされる。
【0030】
本発明のPNPは、典型的には5,000から1,000,000の範囲、好ましくは10,000から500,000及びより好ましくは15,000から100,000の範囲の「見掛け重量平均分子量」を有する。本明細書において使用される通り、「見掛け平均分子量」は、例えば40℃においてTHF溶媒、3プルゲル(Plgel、商標)カラム(Polymer Labs)、100オングストローム(10nm)、103オングストローム(100nm)、104オングストローム(1ミクロン)、長さ30cm、内径7.8mm、1ml/分、注入容積100マイクロリットル、Polymer Labsのカリバー(CALIBRE、商標)ソフトウェアを用いて狭ポリスチレン標準に換算された標準ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを使用したPNPの粒径の測定である。PNPのGPC溶出時間は見かけの重量平均分子量の表示を提供し、必ずしも絶対重量平均分子量測定ではない。
【0031】
PNPは、非水性組成物中で独立しており、凝集してないことが望ましい。PNPは、重合溶媒又は異なる溶媒又はこれらの混合物において分散液の形態で利用可能である;代替的に、それらは、例えば、真空蒸留、非溶媒中への沈殿及びスプレー乾燥により分離される。分離されたとき、PNPはその後非水性媒体への組み入れに適当な媒体中で再分散され得ることができる。
【0032】
非水性組成物は、非水性媒体中に可溶なポリマーを含む。斯かる可溶性ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン及びスチレン/アクリル類のようなフーリラジカル付加ポリマー;ウレタン、エポキシ、アルキド及びシリコーンのような縮合ポリマー;フォト重合ポリマー;及びこれらの混合物が挙げられる。典型的に非水性媒体に可溶なポリマーは、3,000から300,000、好ましくは30,000から200,000の重量平均分子量を有する。典型的には、非水性媒体中で可溶なポリマーは、−50℃から150℃、好ましくは−20℃から110℃のTgを有する。幾つかの態様においては、非水性媒体に可溶なポリマーのTgは、ポリマーナノ粒子のTgより低い。他の態様においては、非水性媒体に可溶なポリマーのTgはポリマーナノ粒子のTgと等しいか高い。
【0033】
PNPは、PNP又はPNPの分散液と他の溶解した又は分散したポリマー及び/又は、例えば、顔料、エクステンダー、架橋剤、傷つき性助剤、ブロック助剤、及び消泡剤等の当業者に知られた他のコーティング補助剤と混合することにより非水性媒体中に組み入れられる。PNPに既に含まれている量を超える架橋剤が望まれる態様においては、斯かる架橋は、例えば、PNP内で、可溶性ポリマー内で、組成物に含まれる任意の成分又はそれらの如何なる組み合わせにおいて含まれる官能基に基づきもたらされる。架橋は、触媒を提供し、高温を提供し、ブロッキング基を除去し、エネルギー線を提供する等による、非水性組成物を形成する上で経験されたもの以外の条件下で反応性を提供する官能基の働きを通してもたらされ得ることが構想される。斯かる架橋は、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート、ポリカルボジミド、メチロールアクリルアミド基及びUV又はe‐ビーム線により提供されるような当分野で知られた化学反応を通してもたらされる。PNPは、典型的には総ポリマー重量を基準にして0.01重量%から99.9重量%、好ましくは0.5重量%から50重量%、より好ましくは1重量%から20重量%の量で非水性組成物において存在する。
【0034】
本発明のコーティングを提供する方法において、非水性コーティング組成物は、コーティング分野でよく知られた技術により提供される。最初に、もしコーティング組成物が着色されるならば、少なくとも一つの顔料はカウレス(COWLES、商標)ミキサーにより提供されるような高剪断下で非水性媒体に十分分散される。それから、PNP分散液及び可溶性溶媒は、所望の他のコーティング補助剤と共に低剪断撹拌下で添加される。代替的に、可溶性ポリマーは、顔料分散工程に含まれても良い。非水性コーティング組成物は、典型的には、例えば、粘着付与剤、顔料、架橋剤、増粘剤又はレオロジー改良剤、保湿剤、湿潤剤、殺生物剤、可塑剤、消泡剤、着色剤、ワックス及び酸化防止剤のような1以上の慣用のコーティング補助剤を含有する。
【0035】
非水性コーティング組成物の固形分は、10容積%から85容積%であり得る。水性組成物の粘度は、典型的にはブルックフィールド粘度計を使用して測定されるように0.05から2000パスカル(50cpsから2,000,000cps)である;異なる最終用途及び適用方法に適当な粘度は、かなり変化する。
【0036】
非水性コーティング組成物は、例えば、ブラシ又は塗料ローラー、エア噴霧スプレー、エア補助スプレー、エアレススプレー、高容量低圧スプレー、エア補助エアレススプレー及び静電スプレー等の慣用の適用方法により塗布される。
【0037】
非水性コーティング組成物は、典型的には、例えば、シート及びフィルムを含むプラスチック、木材、金属、予め塗布された表面、風化又は経年変化した基体、セメント基体及びアスファルト基体のような基体に、プライマーのような前基体処理の下で又はその処理無しで塗布される。幾つかの態様においては、非水性コーティング組成物は,ポリマーナノ粒子不在の相当する組成物に比較してより高い固形分を与える。幾つかの態様においては、本発明の方法により調製されたコーティング組成物は、ポリマーナノ粒子不在の相当する組成物に比較して、所定の粘度において増加した柔軟性、より高い耐衝撃性、より大きい傷つき抵抗性、より大きいスリップ性及びより高い硬度の少なくとも一つを提供する。
【0038】
基体上に被覆された非水性組成物は、典型的には20℃から95℃の温度において乾燥し又は乾燥される。
【0039】
本発明の実施例は、次の通りである。
【0040】
実施例1. 非水性コーティング組成物の調製及び評価
90重量%メチルメタクリレート/10重量%トリメチロールプロパントリメタクリレート(Tg=100℃)の組成を有するPNPは、トルエンに溶解されたオールアクリルコポリマー(Tg=50℃、Mw=70,000)の存在下(40%重量固形分)で調製された。非水性コーティング組成物は、溶液ポリマー単独で及び上記のように調製されたPNP/可溶性ポリマー反応混合物(総ポリマー重量を基準にして、23重量%のPNP)により調製された。フィルムは、7ミルバードドローダウンバーを使用してアルミニウムパネル上にキャストされ、室温で乾燥された。データは、表1.1に提示される。
【0041】
【表1】
【0042】
PNPを含有する本発明のコーティングは、PNP非含有対照より改良された柔軟性を発揮し及び同時により硬質であった。硬質(ポリMMA等)非PNP(慣用)溶液ポリマーとのブレンディングがフィルム柔軟性を減少させることを予期されるので、これらの結果は予想外のものである。
本発明は、非水性組成物に関する。より詳細には、本発明は、非水性媒体、媒体に可溶なポリマー及び1から50ナノメーターの平均直径を有するポリマーナノ粒子(PNP)の分散液を含む非水性組成物に関し、そのナノ粒子は、重合単位として、少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含む。コーティングを提供する方法及びそのように形成されたコーティングが、また、提供される。
【0002】
非水性重合体コーティングの利点としては、流れ及びレベリング等の適用特性、グロス、イメージの明瞭性及び鮮明度等の外観及び機械的応力及び薬剤暴露に対する等の抵抗特性が挙げられる。本明細書において「非水性媒体」とは、媒体の重量を基準として、20重量%未満の水を含有する組成物を意味する。
【0003】
斯かるコーティングに使用されるポリマー(特に熱可塑性ポリマー)は、典型的には使用過程でガラス状態であり(即ち、使用温度より高いガラス転移温度(Tg)を有する)、乾燥されたコーティングに対して硬度、ブロック抵抗性、耐水性及び耐汚れ性を提供する。しかしながら、ポリマーのガラス状態は、しばしば乾燥コーティングの柔軟性を減少させる。コーティング柔軟性は、金属、プラスチック、木材等の非硬質又は水分及び温度鋭敏性基体に対し工場及び現場適用双方にとって重要である。典型的には、コーティングフォーミュレーターは、フィルム柔軟性を付与するためにコーティング配合物の一部として可塑剤(例えば、ジブチルフタレート、安息香酸エステル等)を含有させるであろう。しかしながら可塑剤を含ませることは、しばしばガラス状ポリマーにより提供される上述の利点を低下させる。加えて、可塑剤は外観特性を低下させ(コーティング表面上に油状フィルムを形成することによる)又はコーティング表面に拡散することにより長い間にコーティングから完全に逸出し、これにより柔軟性の損失を生じさせる。
米国特許第5,491,192号(特許文献1)は、より短期の乾燥時間を提供するためにアルキド溶液ポリマーベースコーティングを変性するのに使用される258から438ナノメーターの容積平均粒径を有する非水性分散液を開示する。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,491,192号明細書
【0005】
改良された柔軟性を有するコーティングを提供することができる非水性組成物を提供することは、望ましいことである。本明細書において「改良された柔軟性」とは、PNP不在のコーティングとの比較での改良を意味する。斯かる改良は、1から50nmの直径を有する架橋ポリマーナノ粒子を含む非水性組成物及びその組成物から形成されたコーティングに付与され、そのナノ粒子は重合単位として少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含むものであることが見出された。
【0006】
本発明の第一の態様においては、非水性媒体、該媒体に可溶のポリマー及び1から50ナノメーターの平均直径を有するポリマーナノ粒子の分散液を含む非水性組成物が提供され、該ナノ粒子は重合単位として少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含む。
【0007】
本発明の第二の態様においては、該非水性組成物を形成し;該組成物を基体に塗布し;及び該組成物を乾燥し又は乾燥させることを含むコーティングを形成する方法が提供される。
【0008】
本発明の第三の態様においては、本発明の第二の態様の方法により調製されるコーティングが提供される。
【0009】
本明細書において、用語「分散液」は、第一相が第二相に分布され、第二相が連続している少なくとも二つの別個の相を含む物理的状態物を意味する。
【0010】
本明細書において使用される用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレート双方を含む。同様に、用語「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド及びメタクリルアミド双方を含む。「アルキル」は、直鎖、分岐及び環状アルキル基を含む。
【0011】
本発明の実施には、1から50nmの平均直径を有するポリマーナノ粒子の使用が含まれ、そのナノ粒子は、重合単位として、少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含む。本発明のPNPは、重合単位として少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含有する付加ポリマーである。本発明に有用な好適な多エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルピリジン、ジビニルナフタレン、ジビニルキシレン、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリビニルシクロヘキサン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2,2‐ジメチルプロパン−1,3−ジアクリレート、1,3‐ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4‐ブタンジオールジアクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール200ジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール600ジメタクリレート、ポリ(ブタンジオール)ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリアクリレート、グリセリルプロポキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジビニルシラン、トリビニルシラン、ジメチルジビニルシラン、ジビニルメチルシラン、メチルトリビニルシラン、ジフェニルジビニルシラン、ジビニルフェニルシラン、トリビニルフェニルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、テトラビニルシラン、ジメチルビニルジシロキサン、ポリ(メチルビニルシロキサン)、ポリ(ビニルヒドロシロキサン)、ポリ(フェニルビニルシロキサン)及びこれらの混合物のようなジ‐、トリ‐、テトラ‐又はより高次の多エチレン性不飽和モノマーが挙げられる。
【0012】
典型的には、PNPは、PNPの重量を基準にして少なくとも1重量%の少なくとも一つの重合された多エチレン性不飽和モノマーを含有する。PNPの重量を基準にして100%までの及び100%を含む重合された多エチレン性不飽和モノマーは、本発明の実施に有効に使用される。重合された多エチレン性不飽和モノマーの量は、PNPの重量を基準にして1%から80%が好ましく、より好ましくは1%から60%、最も好ましくは1%から25%である。幾つかの態様においては、PNPは、重合単位として、少なくとも一つの極性エチレン性不飽和モノマーを含有する。重合単位として、PNP中の好適な極性モノマーの量は、PNPの重量を基準にして0重量%から99重量%、好ましくは0.1重量%から50重量%、より好ましくは0.5重量%から20重量%及び最も好ましくは0.5重量%から7重量%である。極性エチレン性不飽和モノマーは、本明細書において、「極性モノマー」と称される。極性モノマーとは、イオン性モノマーを包含し、モノマーが1及び14の間のpHにおいて水に溶解されるとき、イオン電荷を有することを意味する。非イオン性極性モノマーとは、1.10デバイ単位より大の双極子モーメントを有することを意味する。分子の双極子モーメントは、例えば、CRC Handbook of Chemistry and Physics,第83版、デイビッド ライド、編集者、CRCプレス、2002年、9.45から9.51頁に記載が有る。
【0013】
ある種の態様において、極性モノマーは、多エチレン性不飽和である。好適なイオン性モノマーとしては、例えば、酸含有モノマー、塩基含有モノマー、第4級化窒素含有モノマー及びその後イオン性モノマーに形成され得る他の前駆体モノマーが挙げられる。好適な酸基としては、カルボン酸基及びリン含有酸及び硫黄含有酸のような強酸基が挙げられる。好適な塩基には、アミン及びアミドが挙げられる。
【0014】
PNPが重合単位として酸含有モノマーを含む本発明の態様において、好適な酸含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、アクリルオキシプロピオン酸、及びクロトン酸のようなカルボン酸モノマー;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びシトラコン酸のようなジカルボン酸モノマー;及び一つのカルボン酸官能基及び一つのC1〜6エステルを含有するモノマーのようなジカルボン酸基の半エステルを有するモノマー挙げられる。好ましいのは、(メタ)アクリル酸である。好適な強酸モノマーとしては、2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルフィン酸、スチレンスルフィン酸及びビニルスルフィン酸のような硫黄酸モノマー;及び2‐ホスホエチル(メタ)アクリレート、ビニルリン酸、ビニルホスフィン酸のようなリン酸モノマーが挙げられる。リン酸モノマーは、それらがある種の基体(例えば、金属)に対し改良された接着性を提供するので望ましい。
【0015】
PNPが重合単位として塩基含有モノマーを含む本発明の態様において、好適な塩基含有モノマーとしては、例えば、N,N‐ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N‐ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N‐t‐ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N‐ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、p‐アミノスチレン、N,N‐シクロヘキシルアリルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、ジメチルアリルアミン、N‐エチルジメチルアリルアミン、クロチルアミン、及びN‐エチルメチルアリルアミンを含むアミン官能基を有するモノマー;2‐ビニルピリジン及び4‐ビニルピリジンをはじめとするピリジン官能基を有するモノマー;ビニルピペリジンのようなピペリジン官能基を有するモノマー;及びビニルイミダゾールをはじめとするイミダゾール官能基を有するモノマーが挙げられる。他の好適な塩基含有モノマーとしては、オキサゾリジニルエチル(メタ)アクリレート、ビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、置換ジアリルアミン、ウレイドエチルメタクリレート、2‐モルホリノエチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N‐置換(メタ)アクリルアミド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド及び2‐トリメチルアンモニウムエチルメタクリルクロリド等が挙げられる。
【0016】
非イオン性極性モノマーとしては、例えば、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのようなヒドロキシ、グリシジル(メタ)アクリレートのようなエポキシ、ベンゾフェノン、2‐イソシアナトエチルメタクリレートのようなイソシアネート、アセトフェノン、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートのようなアセトアセテート及びシランのような基を含有するモノマーが挙げられる。
【0017】
本発明のある種の態様においては、PNPは、重合単位として、多エチレン性不飽和モノマーでもなく又は極性モノマーでもない1以上の第三モノマーを更に含有する。重合単位として、PNP中で多エチレン性不飽和モノマーでもなく又は極性モノマーでもない好適な第三モノマーの量は、PNP重量を基準として、0%から99%;好ましくは20%から99%;より好ましくは40%から90%;及び最も好ましいのは、PNP重量を基準にして75%から90%である。幾つかの好適な第三モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、及びノナデシル(メタ)アクリレート、及びこれらの混合物のようなC1〜C24アルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。また好適なのは、スチレン、α‐メチルスチレン、ビニルトルエン、p‐メチルスチレン、エチルビニベンゼン、ビニルナフタレン及びビニルキシレンのようなビニル芳香族モノマーである。ビニル芳香族モノマーとしては、また、ハロゲン誘導体、即ち、フッ素、塩素又は臭素のようなハロゲン基の1以上を含有するハロゲン化誘導体;及びニトロ、シアノ、(C1〜C10)アルコキシ、ハロ(C1〜C10)アルキル、(C1〜C10)アルコキシ及びカルボキシ等の相当する置換対応物が挙げられる。また、本発明のPNPの幾つかの態様における重合単位としての含有に好適なのは、例えば、アリルモノマー、酢酸ビニル、ビニルホルムアミド、塩化ビニル、フッ化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン及び臭化ビニリデンを含む置換エチレンモノマーである。
【0018】
本発明のPNPのある種の態様は、また、重合単位として、官能基を含有するモノマーを包含させることにより提供された官能基を含有する;このようにして導入された官能基は、本明細書において「第一官能基」として知られる。他の官能基は、米国特許第5,270,380号において教示されるように第一官能基とPNPとを一緒にし且つこれらの第一官能基と好適な変性化合物とを反応させることによりPNPに結合され得る。好適な変性化合物は、PNPの第一官能基と有用に反応する任意の化合物である;しかし、変性化合物は、それらがPNPの官能基を変化させるのに使用されるとき最も有用であると教示されている。即ち、大部分の変性化合物は少なくとも一つの「結合性」官能基を有し、同一分子上に少なくとも一つの極性基を有する。一般に、結合性反応基は、PNPの第一官能基と反応して変性化合物とPNPとの間に結合を形成させる;このようにして、幾つか又は全てのPNPの第一官能基は極性基に変換される。
【0019】
種々の官能基は、本発明の使用に好適である。任意の好適な官能基は、第一官能基として又は結合性官能基として使用可能である。好適な官能基としては、例えば、アセトアセテート、アルデヒド、アミン又は他の塩基、無水物、イソシアネート、エポキシ、ヒドラジド、カルボキシル又は他の酸、カルボジイミド、ハライド、クロロ‐メチルエステル、クロロメチルアミン、ヒドロキシル、アジリジン、不飽和、チオール及びこれらの混合物が挙げられる。
【0020】
本発明の実施において、一官能基が異なる官能基と反応して有用な結合を形成するときはいつでも、斯かる一対の官能基は、本明細書において「補足的」であると言われる。例えば、第一部位のヒドロキシル官能基は第二部位のカルボキシル官能基と反応させられてその部位間に結合を形成する(この実施例においてはエステル結合)。補足的な一対の官能基としては:例えば、(a)アセトアセテート‐アルデヒド;(b)アセトアセテート‐アミン;(c)アミン‐アルデヒド;(d)アミン‐無水物;(e)アミン‐イソシアネート;(f)アミン‐エポキシ;(g)アルデヒド‐ヒドラジド;(h)酸‐エポキシ;(i)酸‐カルボジイミド;(j)酸‐クロロメチルエステル;(k)酸‐クロロメチルアミン;(l)酸‐アルコール;(m)酸‐無水物;(n)酸‐アジリジン;(o)エポキシ‐チオール;及び(p)イソシアネート‐アルコールが挙げられる。
【0021】
変性化合物を使用する本発明の態様においては、PNPの第一官能基及び変性化合物の結合性官能基との間の反応は、イオン又は共役結合のいずれかを提供する。適当なイオン性結合は、酸‐塩基相互作用及び陰及び陽荷電原子のイオン対結合を含む。共役結合は、PNPについての補足的官能基(即ち、「第一」官能基)及び変性化合物についての補足的官能基(即ち、「結合性」官能基)との間の化学反応を行うことにより提供される。補足的反応基の任意の対において、各対における第一又は第二反応性基はPNP中又は変性化合物中に存在する。
【0022】
本発明の実施において、PNP上の第一官能基としてのエポキシ官能基の例は、重合単位としてPNP中にグリシジル(メタ)アクリレート及び/又はアリルグリシジルエーテルを含むPNPである。第一官能基を提供するのに好適な他のモノマーとしては、例えば、無水マレイン酸のような無水物及びハライド含有官能基モノマーが挙げられる。好適なハライド含有官能基モノマーとしては、例えば、ビニル芳香族ハライド及びハロアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。好適なビニル芳香族ハライドとしては、ビニルベンジルクロリド、ビニルベンジルブロミド、アリルクロリド、およびアリルブロミドが挙げられる。好適なハロ‐アルキル(メタ)アクリレートにはクロロメチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0023】
非水性PNP分散液を調製する好適な重合法は、少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマー、及びある種の態様においては少なくとも一つの極性モノマーのフリーラジカル溶液重合である。本発明において、「溶液重合」とは、ポリマーについての好適な溶媒中でのフリーラジカル付加重合を意味する。本発明において、「ポリマーについての好適な溶媒」とは、PNPに実質的に類似の重合されたモノマー単位を有する線状ランダム(コ)‐ポリマーが溶媒に可溶性であることを意味する。典型的に溶液重合に使用される溶媒は、非水性組成物の非水性媒体の全て又は一部である。好適な溶媒又は溶媒混合物を選択するための一方法は、溶解度パラメーター分析を使用することによる。斯かる分析に従えば、溶媒の溶解度は、デルタd、デルタp、デルタh及びデルタvのファンクレベレン(Van Krevelen)パラメーターのようなPNP及び溶媒についての溶解度パラメーターを実質的に一致させることにより決定される。例えば、ファンクレベレン等による、「ポリマー特性。それらの評価及び化学構造との相関性」、Elsevier Scientific Publishing Co.(1976);オラビシ等の「ポリマー‐ポリマー混和性」、Academic Press,NY(1979);コールマン等の「ポリマーブレンドの比相互作用及び混和性」、Technomic(1991);.A.F.M.バートンによる「溶解パラメーター及び他の粘着パラメーターのCRCハンドブック」、第2版、CRC Press(1991)」にその記載がある。デルタdは、分散相互作用の尺度であり、デルタpは、極性相互作用の尺度であり、デルタhは水素結合相互作用の尺度であり、そしてデルタvは分散及び極性相互作用両者の尺度である。斯かる溶解度パラメーターは、当分野で公知の原子団寄与法等(the group contribution method)により計算されるか又は実験的に測定されるかのどちらかにより決定される。好ましい溶媒は、ポリマー値の1単位(J/CCの平方根)以内のデルタvパラメーターを有する。重合用の好適な溶媒としては、炭化水素;アルカン;ハロ炭化水素;塩素化、フッ素化及び臭素化炭化水素;芳香族炭化水素;エーテル;ケトン;エステル;アルコール;超臨界二酸化炭素及びこれらの混合物等の有機溶媒が挙げられる。PNPの組成に応じて特に好適な溶媒としては、ドデカン、メシチレン、キシレン、アセトン、ジフェニルエーテル、ガンマ‐ブチロラクトン、酢酸エチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カプロラクトン、2‐ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びイソプロパノール、デカノール及びt‐ブタノールのようなアルキルアルコールが挙げられる。
【0024】
非水性分散液を調製する一方法は、最初に溶媒又は代替的に溶媒とモノマーの一部との混合物を反応容器に装填することによる。モノマー装填物は、典型的には、モノマー、開始剤及びある種の場合には連鎖移動剤から構成される。典型的には、開始温度は55℃から125℃の範囲であるが、当分野で公知の好適な低温又は高温開始剤を使用するより低温又はより高温開始温度が可能である。ヒール装填が重合を開始するのに十分な温度に達した後で、モノマー装填物又はモノマー装填物の残りは、反応容器に添加される。モノマー装填時間は、典型的には15分から4時間の範囲である。モノマー装填の過程で、反応温度を変化させることも可能であるが、反応温度は典型的には一定に維持される。モノマー混合物の添加を完了させた後に、溶媒中の追加の開始剤が反応に装填され及び又は反応混合物は一定時間放置されてもよい。
【0025】
PNP粒径及び分布の調節は、溶媒の選択、開始剤の選択、全固形分濃度、開始剤濃度、及び多官能性モノマーの種類と量、及びイオン性モノマーの種類と量、及び連鎖移動剤の種類と量及び反応条件等の1以上の斯かる方法により達成される。
【0026】
本発明のフリーラジカル重合において有用な開始剤としては、例えば、1以上のペルオキシエステル、アルキルヒドロペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、アゾ開始剤、過硫酸塩及びレドックス開始剤等が挙げられる。使用されるフリーラジカル開始剤の量は、典型的には全モノマーの重量を基準にして0.05重量%から10重量%である。連鎖移動剤は、本発明に有用なPNPの重合度を調節するために任意に使用される。好適な連鎖移動剤としては、例えば、ドデシルメルカプタンのようなアルキルメルカプタン;トルエンのような活性水素を有する芳香族炭化水素;及びブロモトリクロロエタンのようなアルキルハライドが挙げられる。
【0027】
ある種の態様において、PNPは媒体に可溶なポリマーの存在下で非水性媒体中において形成される。
【0028】
PNPは、1〜50nmの範囲、好ましくは1〜40nmの範囲、より好ましくは1〜30nm、いっそうより好ましくは1〜25nm、いっそう更に好ましくは1〜20nm及び最も好ましくは1〜10nmの範囲の平均直径を有する。更に典型的には、PNPは少なくとも1.5nm、好ましくは少なくとも2nmの平均粒子直径を有する。PNPの粒径(平均粒子直径)は、相関関数がコンチン(CONTIN)のようなラプラス変換法を使用して流体力学的サイズに変換される標準動的光散乱技術を使用することにより測定される。
【0029】
ある種の態様において、PNPは、モジュール化された示差走査分析(DSC)測定により測定されるように−90℃から170℃のガラス転移温度を有する。PNP重量を基準にして50重量%より大きい量を構成するPNPにおいて、PNPのTgは本明細書においては100℃として見なされる。
【0030】
本発明のPNPは、典型的には5,000から1,000,000の範囲、好ましくは10,000から500,000及びより好ましくは15,000から100,000の範囲の「見掛け重量平均分子量」を有する。本明細書において使用される通り、「見掛け平均分子量」は、例えば40℃においてTHF溶媒、3プルゲル(Plgel、商標)カラム(Polymer Labs)、100オングストローム(10nm)、103オングストローム(100nm)、104オングストローム(1ミクロン)、長さ30cm、内径7.8mm、1ml/分、注入容積100マイクロリットル、Polymer Labsのカリバー(CALIBRE、商標)ソフトウェアを用いて狭ポリスチレン標準に換算された標準ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを使用したPNPの粒径の測定である。PNPのGPC溶出時間は見かけの重量平均分子量の表示を提供し、必ずしも絶対重量平均分子量測定ではない。
【0031】
PNPは、非水性組成物中で独立しており、凝集してないことが望ましい。PNPは、重合溶媒又は異なる溶媒又はこれらの混合物において分散液の形態で利用可能である;代替的に、それらは、例えば、真空蒸留、非溶媒中への沈殿及びスプレー乾燥により分離される。分離されたとき、PNPはその後非水性媒体への組み入れに適当な媒体中で再分散され得ることができる。
【0032】
非水性組成物は、非水性媒体中に可溶なポリマーを含む。斯かる可溶性ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン及びスチレン/アクリル類のようなフーリラジカル付加ポリマー;ウレタン、エポキシ、アルキド及びシリコーンのような縮合ポリマー;フォト重合ポリマー;及びこれらの混合物が挙げられる。典型的に非水性媒体に可溶なポリマーは、3,000から300,000、好ましくは30,000から200,000の重量平均分子量を有する。典型的には、非水性媒体中で可溶なポリマーは、−50℃から150℃、好ましくは−20℃から110℃のTgを有する。幾つかの態様においては、非水性媒体に可溶なポリマーのTgは、ポリマーナノ粒子のTgより低い。他の態様においては、非水性媒体に可溶なポリマーのTgはポリマーナノ粒子のTgと等しいか高い。
【0033】
PNPは、PNP又はPNPの分散液と他の溶解した又は分散したポリマー及び/又は、例えば、顔料、エクステンダー、架橋剤、傷つき性助剤、ブロック助剤、及び消泡剤等の当業者に知られた他のコーティング補助剤と混合することにより非水性媒体中に組み入れられる。PNPに既に含まれている量を超える架橋剤が望まれる態様においては、斯かる架橋は、例えば、PNP内で、可溶性ポリマー内で、組成物に含まれる任意の成分又はそれらの如何なる組み合わせにおいて含まれる官能基に基づきもたらされる。架橋は、触媒を提供し、高温を提供し、ブロッキング基を除去し、エネルギー線を提供する等による、非水性組成物を形成する上で経験されたもの以外の条件下で反応性を提供する官能基の働きを通してもたらされ得ることが構想される。斯かる架橋は、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート、ポリカルボジミド、メチロールアクリルアミド基及びUV又はe‐ビーム線により提供されるような当分野で知られた化学反応を通してもたらされる。PNPは、典型的には総ポリマー重量を基準にして0.01重量%から99.9重量%、好ましくは0.5重量%から50重量%、より好ましくは1重量%から20重量%の量で非水性組成物において存在する。
【0034】
本発明のコーティングを提供する方法において、非水性コーティング組成物は、コーティング分野でよく知られた技術により提供される。最初に、もしコーティング組成物が着色されるならば、少なくとも一つの顔料はカウレス(COWLES、商標)ミキサーにより提供されるような高剪断下で非水性媒体に十分分散される。それから、PNP分散液及び可溶性溶媒は、所望の他のコーティング補助剤と共に低剪断撹拌下で添加される。代替的に、可溶性ポリマーは、顔料分散工程に含まれても良い。非水性コーティング組成物は、典型的には、例えば、粘着付与剤、顔料、架橋剤、増粘剤又はレオロジー改良剤、保湿剤、湿潤剤、殺生物剤、可塑剤、消泡剤、着色剤、ワックス及び酸化防止剤のような1以上の慣用のコーティング補助剤を含有する。
【0035】
非水性コーティング組成物の固形分は、10容積%から85容積%であり得る。水性組成物の粘度は、典型的にはブルックフィールド粘度計を使用して測定されるように0.05から2000パスカル(50cpsから2,000,000cps)である;異なる最終用途及び適用方法に適当な粘度は、かなり変化する。
【0036】
非水性コーティング組成物は、例えば、ブラシ又は塗料ローラー、エア噴霧スプレー、エア補助スプレー、エアレススプレー、高容量低圧スプレー、エア補助エアレススプレー及び静電スプレー等の慣用の適用方法により塗布される。
【0037】
非水性コーティング組成物は、典型的には、例えば、シート及びフィルムを含むプラスチック、木材、金属、予め塗布された表面、風化又は経年変化した基体、セメント基体及びアスファルト基体のような基体に、プライマーのような前基体処理の下で又はその処理無しで塗布される。幾つかの態様においては、非水性コーティング組成物は,ポリマーナノ粒子不在の相当する組成物に比較してより高い固形分を与える。幾つかの態様においては、本発明の方法により調製されたコーティング組成物は、ポリマーナノ粒子不在の相当する組成物に比較して、所定の粘度において増加した柔軟性、より高い耐衝撃性、より大きい傷つき抵抗性、より大きいスリップ性及びより高い硬度の少なくとも一つを提供する。
【0038】
基体上に被覆された非水性組成物は、典型的には20℃から95℃の温度において乾燥し又は乾燥される。
【0039】
本発明の実施例は、次の通りである。
【0040】
実施例1. 非水性コーティング組成物の調製及び評価
90重量%メチルメタクリレート/10重量%トリメチロールプロパントリメタクリレート(Tg=100℃)の組成を有するPNPは、トルエンに溶解されたオールアクリルコポリマー(Tg=50℃、Mw=70,000)の存在下(40%重量固形分)で調製された。非水性コーティング組成物は、溶液ポリマー単独で及び上記のように調製されたPNP/可溶性ポリマー反応混合物(総ポリマー重量を基準にして、23重量%のPNP)により調製された。フィルムは、7ミルバードドローダウンバーを使用してアルミニウムパネル上にキャストされ、室温で乾燥された。データは、表1.1に提示される。
【0041】
【表1】
【0042】
PNPを含有する本発明のコーティングは、PNP非含有対照より改良された柔軟性を発揮し及び同時により硬質であった。硬質(ポリMMA等)非PNP(慣用)溶液ポリマーとのブレンディングがフィルム柔軟性を減少させることを予期されるので、これらの結果は予想外のものである。
Claims (7)
- 非水性媒体、該媒体に可溶なポリマー及び1から50ナノメーターの平均直径を有するポリマーナノ粒子の分散液を含み、該ナノ粒子が、重合単位として、少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含む非水性組成物。
- 該ナノ粒子が、重合単位として、少なくとも一つの極性エチレン性不飽和モノマーを更に含む請求項1に記載の非水性組成物。
- 該ナノ粒子が該媒体に可溶な該ポリマーの少なくとも一部の存在下で形成された請求項1又は請求項2に記載の非水性組成物。
- 該可溶性ポリマーのガラス転移温度(Tg)が該ポリマーナノ粒子のTgより低い請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の非水性組成物。
- 該可溶性ポリマーのガラス転移温度(Tg)が該ポリマーナノ粒子のTgと等しいか又はそれより高い請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の非水性組成物。
- 請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の非水性組成物を形成し;該組成物を基体に塗布し;及び該組成物を乾燥し又は乾燥させることを含むコーティングを提供する方法。
- 請求項6に記載の方法により調製されるコーティング。
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