JP2004250543A - キトサン誘導体の製造方法及びキトサン誘導体 - Google Patents

キトサン誘導体の製造方法及びキトサン誘導体 Download PDF

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Yoshifumi Ichinose
佳史 一瀬
Isao Nakamura
勲 中村
Isamu Onishi
勇 大西
Naoki Yamamori
直樹 山盛
Seiichi Aiba
誠一 相羽
Hitoshi Sashiwa
仁之 指輪
Junzo Sunamoto
順三 砂本
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Abstract

【課題】親水性、疎水性等の性質を付与し、幅広い用途に適用することができるキトサン誘導体の製造方法及びそれにより得られるキトサン誘導体を提供する。
【解決手段】下記式(1);
【化1】
Figure 2004250543

[式中、Rは、同一又は異なって、
【化2】
Figure 2004250543

(式中、Rは、水素又はメチル基で表される。jは、1又は2で表される。kは、2〜20の整数で表される。)で表される基である。a及びbは、正数であって、0≦a≦0.7、0.15≦b≦0.85の関係を満たす。]で表されるアルカリ可溶性キトサン誘導体と、単官能アルデヒド化合物、単官能エポキシ化合物及びアクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種とを、pHが6.5〜12の条件下で反応させるキトサン誘導体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キトサン誘導体の製造方法及びキトサン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
キチンは、廃棄物であるエビ殻、カニ殻等に含まれており、キトサンは、その脱アセチル化体である。キトサンは、中性、アルカリ性の水には不溶であるが、希薄な無機酸、有機酸の酸性水溶液には溶解するため、その利用範囲はキチンより広い。
【0003】
キトサンは、D−グルコサミンがβ−1,4結合した直鎖状の多糖であり、遊離のアミノ基の存在によりポリカチオン構造をとることができる。そのため、保水作用、金属吸着作用、抗菌作用等の有用な特性が知られており、排水用の凝集剤等に利用されている。また、キトサンは、天然由来の多糖であるため、生分解性を有しており、環境負荷の極めて少ない材料である。
【0004】
キトサンは、本来、中性、アルカリ性水溶液には、不溶であるが、化学反応を用いてキトサンを化学修飾することによって、中性、アルカリ性水溶液への可溶化が可能となることが提案されている。例えば、キトサンにおけるアミノ基にポリオキシアルキレン基を導入することによって、水溶性、親水性、安定性を改善し、かつ、キトサンの基本的化学構造が大きく損なわれておらず、キトサンが本来有する生理活性、生体親和性等を保持しているキトサン誘導体が開示されている(特許文献1参照。)。
【0005】
1級アミノ基を有する多糖化合物としてのキトサンと、電子吸引基のα位に炭素−炭素原子間の不飽和基を有する化合物とを反応させることによって、水溶性の改善された化合物を得る方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
しかしながら、これらによって得られるキトサン誘導体は、酸条件下で良好に導入することができるような化学修飾しか行うことができないものであり、これらの方法によってキトサンを変性させる方法には、限界があった。このため、幅広い用途に適用できるキトサン誘導体、例えば、親水性、疎水性等の性質を付与したキトサン誘導体及びその製造方法の開発が望まれていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−71406号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開2002−308901号公報(第2頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、親水性、疎水性等の性質を付与し、幅広い用途に適用することができるキトサン誘導体の製造方法及びキトサン誘導体を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記式(1);
【0010】
【化8】
Figure 2004250543
【0011】
[式中、Rは、同一又は異なって、
【0012】
【化9】
Figure 2004250543
【0013】
(式中、Rは、水素又はメチル基で表される。jは、1又は2で表される。kは、2〜20の整数で表される。)で表される基である。a及びbは、正数であって、0≦a≦0.7、0.15≦b≦0.85の関係を満たす。]で表されるアルカリ可溶性キトサン誘導体と、単官能アルデヒド化合物、単官能エポキシ化合物及びアクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種とを、pHが6.5〜12の条件下で反応させることを特徴とするキトサン誘導体の製造方法である。
【0014】
本発明は、上記キトサン誘導体の製造方法により得られることを特徴とするキトサン誘導体である。
【0015】
本発明はまた、下記式(2);
【0016】
【化10】
Figure 2004250543
【0017】
[式中、Rは、同一又は異なって、
【0018】
【化11】
Figure 2004250543
【0019】
(式中、Rは、水素又はメチル基で表される。jは、1又は2で表される。kは、2〜20の整数で表される。)で表される基である。Aは、同一又は異なって、下記式(a1)、下記式(a2)又は下記式(a3);
【0020】
【化12】
Figure 2004250543
【0021】
【化13】
Figure 2004250543
【0022】
【化14】
Figure 2004250543
【0023】
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜20の炭化水素基で表される。)で表される基である。x、y及びzは、正数であって、0≦x≦0.7、0.15≦y≦0.85、0≦z≦0.84、0.5<x+y+z<0.99の関係を満たす。]で表されるものであることを特徴とするキトサン誘導体でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】
本発明のキトサン誘導体の製造方法は、上記式(1)で表されるアルカリ可溶性キトサン誘導体と、単官能アルデヒド化合物、単官能エポキシ化合物及びアクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種とを、pHが6.5〜12の条件下で反応させるものである。この製造方法を用いることにより、親水性、疎水性等の性質を有するキトサン誘導体を得ることができ、より広い用途に好適に使用することができるキトサン誘導体を製造することができる。
【0025】
即ち、従来のキトサン誘導体は、酸条件下で化学修飾する方法により得られる誘導体であるため、親水性、疎水性等の性質を付与されたキトサン誘導体を得ることが困難であったが、本発明のキトサン誘導体の製造方法は、酸条件だけでなく、アルカリ性条件でも可溶である上記式(1)で表されるアルカリ可溶性キトサン誘導体を用いる方法であるため、アルカリ性条件下でも所望の化学修飾を行うことができる。このため、従来では行うことが困難であった化学修飾を行うことができ、親水性、疎水性等の性質を所望により適宜付与することができる。従って、上記製造方法を用いることにより、用途に応じて適用できるキトサン誘導体を好適に製造することができる。
【0026】
上記式(1)で表されるアルカリ可溶性キトサン誘導体において、上記Rは、同一又は異なって、
【0027】
【化15】
Figure 2004250543
【0028】
で表される基である。このような構造を有する基を有する化合物であることにより、上記アルカリ可溶性キトサン誘導体の水溶性を向上させることができる。上記Rは、同一又は異なって、水素又はメチル基である。上記jは、1又は2である。2を超えると、アルカリ水溶液に対する溶解性が不充分である。上記kは、下限2、上限20の整数である。2未満である場合、20を超える場合には、アルカリ水溶液に対する溶解性が不充分である。
【0029】
上記式(1)で表されるアルカリ可溶性キトサン誘導体は、アクリル酸又はその誘導体をキトサンに反応させることによって得ることができる。この場合、用いられるアクリル酸又はその誘導体は、水に溶解するものであれば特に限定されず、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシイソプロピル、アクリル酸ヒドロキシイソブチル、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。なかでも、アクリル酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルが好ましい。
【0030】
上記キトサンは、セルロースに類似した構造を有し、例えば、カニ、エビ等の甲殻類、キノコ、昆虫類等から抽出されるキチンを完全に又は部分的に脱アセチル化することにより得られるものである。従って、このようなキトサンは、アミノ基を有している。キチンの脱アセチル化は、例えば、キチンをアルカリで処理することにより行うことができる。用いられるアルカリとしては特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等を挙げることができる。また、キトサンは、市販品を用いることもできる。
【0031】
上記キトサンは、数平均分子量が、下限2000、上限1000000であることが好ましい。2000未満であると、充分な機械的強度を有する膜を形成するのが困難となるおそれがある。1000000を超えると、均一な膜を形成することが困難となるおそれがある。上記下限は、3000であることがより好ましく、上記上限は、800000であることがより好ましい。
【0032】
上記キトサンの脱アセチル化度としては特に限定されないが、下限30%、上限100%であることが好ましい。30%未満であると、キチンの性質が強くなって酸性溶剤に溶解しなくなるおそれがある。なお、脱アセチル化度は、キチンを脱アセチル化する際に用いるアルカリの濃度、処理温度又は処理時間を適宜調整することにより所望の値に調節できる。
【0033】
上記アクリル酸又はその誘導体と上記キトサンとの反応において、上記キトサンと上記アクリル酸又はその誘導体との量比は、キトサンの目的とするN−アルキル化の度合(即ち、N−アルキル基の置換度)等によって適宜決めればよい。反応温度は、通常、35〜90℃とすればよい。反応終了後、精製し、目的物が得られる。反応生成物の同定はプロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルによって行うことができる。また、反応終了後に精製しなくても構わない。この場合、反応終了後、精製せずに単官能アルデヒド化合物、単官能エポキシ化合物、アクリル酸エステルと反応させ、親水性、疎水性等の性質を有するキトサン誘導体を得ることができる。
【0034】
例えば、上記アルカリ可溶性キトサン誘導体中の化合物1(Rがr1−1である場合)及び化合物2(Rがr1−2である場合)のキトサン誘導体を得るには、キトサンをアクリル酸の水溶液に溶解し、35℃以上にて2日間以上攪拌し、化合物1の場合は反応液をそのまま、化合物2の場合は反応溶液を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、脱イオン水に対して2日間透析によって精製後、凍結乾燥して得られる。得られる化合物1及び化合物2のキトサン誘導体は、pH1〜13におけるすべてのpH範囲で溶解するものである。
【0035】
また、上記アルカリ可溶性キトサン誘導体中の化合物3(Rがr1−3である場合)、化合物4(Rがr1−4である場合)、化合物5(Rがr1−5である場合)のキトサン誘導体を得るには、キトサンを酢酸、ギ酸、乳酸等の水溶液に溶解し、各種のアクリル酸エステルを添加後、35℃以上にて2日間以上攪拌し、反応溶液を炭酸水素ナトリウムで中和し、脱イオン水に対して2日間透析によって精製後、凍結乾燥して得られる。得られる化合物3〜5のキトサン誘導体はpH1〜13におけるすべてのpH範囲で溶解するものである。
【0036】
上記式(1)において、aはキトサンのアセチル化度を表す。上記aは、正数であって、0≦a≦0.7の関係を満たす。0.7を超えるとキチンの性質が強くなって酸性溶剤に溶解しなくなるおそれがある。
【0037】
上記式(1)において、bはN−アルキル基の置換度を表す。上記bは、正数であって、0.15≦b≦0.85の関係を満たす。0.15未満であると、アルカリ水溶液に対する溶解性が不充分である。
【0038】
上記キトサン誘導体は、上述した方法により得られるアルカリ可溶性キトサン誘導体と、単官能アルデヒド化合物、単官能エポキシ化合物及びアクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種とを、pHが下限6.5、上限12の条件下で反応させることによって得ることができる。上記単官能アルデヒド化合物、上記単官能エポキシ化合物、上記アクリル酸エステルを適宜選択することによって、親水性、疎水性等の性質を有するキトサン誘導体を得ることができる。
【0039】
上記アルカリ可溶性キトサン誘導体と、上記単官能アルデヒド化合物、上記単官能エポキシ化合物及び上記アクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種とを反応させる方法としては特に限定されず、例えば、以下の方法で得ることができる。反応温度は、通常、20〜90℃、反応時間は1〜72時間とすればよい。反応終了後、精製し、目的物が得られる。反応生成物の同定はプロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルによって行うことができる。また、反応において、例えば、溶媒としては水の他に、メタノール、エタノール等を添加してもよい。
【0040】
上記反応における反応液のpHは、下限6.5、上限12の範囲内である。6.5未満であると、反応が遅かったり、進行しない。12を超えると、当該官能基が切断される。
【0041】
具体的には、アルカリ可溶性キトサン誘導体を水に溶解し、更に必要に応じてメタノール、エタノール等を添加した後、単官能アルデヒド化合物、単官能エポキシ化合物、アクリル酸エステルと反応させ、次いで、必要に応じて炭酸水素ナトリウムを添加して所定のpHにすることよってキトサン誘導体を得ることができる。
【0042】
また、上述したような方法でのアクリル酸又はその誘導体とキトサンとの反応の終了後に精製せず、更に必要に応じてメタノール、エタノール等を添加した後、単官能アルデヒド化合物、単官能エポキシ化合物、アクリル酸エステルと反応させ、次いで、必要に応じて炭酸水素ナトリウムを添加して所定のpHにすることよってキトサン誘導体を得ることもできる。
【0043】
上記単官能アルデヒド化合物は、アルデヒド基を1個有する化合物であれば特に限定されず、例えば、カプロンアルデヒド、カプリルアルデヒド、カプリンアルデヒド、ラウリンアルデヒド、ステアリンアルデヒド、オレインアルデヒド等の脂肪族アルデヒド;ベンズアルデヒド、p−n−ヘキシルベンズアルデヒド、p−オクチルベンズアルデヒド、p−オレイルベンズアルデヒド、バニリン、ピペロナール等のベンズアルデヒド誘導体;サリチルアルデヒド、桂皮アルデヒド等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0044】
上記単官能エポキシ化合物は、オキシラン環を1個有するエポキシ化合物であれば特に限定されず、例えば、カチオン重合による開環反応によって重合可能なオキシラン環を1個有する脂肪族化合物又は芳香族化合物であって、その形態としてはモノマーからなるものであってもよく、オリゴマーやポリマーからなるものであってもよい。また、上記単官能エポキシ化合物は、窒素、硫黄、リン等の原子を分子内に含有するものであってもよい。
【0045】
上記単官能エポキシ化合物としては、例えば、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アルキルモノグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アルキルフェノールモノグリシジルエーテル、バーサティック酸モノグリシジルエステル、直鎖アルコールモノグリシジルエーテル、グリセロールモノグリシジルエーテル、ポリグリコールグリシジルエーテル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0046】
上記アクリル酸エステルとしては特に限定されず、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸ジシクロペンタジエニル、アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシイソプロピル、アクリル酸ヒドロキシイソブチル、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0047】
上記単官能アルデヒド化合物、上記単官能エポキシ化合物及び上記アクリル酸エステルの配合量としては特に限定されないが、後述する上記式(2)で表されるキトサン誘導体を得ることができるように適宜配合することが好ましい。
【0048】
上記キトサン誘導体の製造方法により得られるキトサン誘導体は、上記単官能アルデヒド化合物、上記単官能エポキシ化合物、上記アクリル酸エステルを適宜選択することよって、親水性、疎水性等の性質を付与された誘導体である。このため、広い用途に適用することができるキトサン誘導体であり、このようなキトサン誘導体も本発明の1つである。また、上記キトサン誘導体は、キトサンの基本的化学構造も維持している化合物であるため、生理活性、生体親和性等にも優れているものである。
【0049】
上記キトサン誘導体は、数平均分子量が、下限2000、上限1000000であることが好ましい。2000未満であると、充分な機械的強度を有する膜を形成するのが困難となるおそれがある。1000000を超えると、均一に溶解することが困難となるおそれがある。上記下限は、3000であることがより好ましく、上記上限は、800000であることがより好ましい。
【0050】
上記式(2)で表されるキトサン誘導体は、親水性、疎水性等の性質を有する化合物であるため、このような性質が付与されたキトサン誘導体が要求される用途に対して、より好適に適用することができる。例えば、上記式(2)で表されるキトサン誘導体を含有する組成物を用いて得られる塗膜は、塗膜と塗膜に接する液体との摩擦抵抗を低減させる等の効果を有するものである。このようなキトサン誘導体も本発明の1つである。上記式(2)で表されるキトサン誘導体は、例えば、上述のキトサン誘導体の製造方法により得ることができる。
【0051】
上記式(2)で表されるキトサン誘導体におけるRは、上述のアルカリ可溶性キトサン誘導体におけるRと同様の基である。
上記式(2)で表されるキトサン誘導体において、上記Aは、同一又は異なって、上記式(a1)、上記式(a2)又は上記式(a3)で表される基である。このような構造で表される基を有することにより、本発明のキトサン誘導体に親水性、疎水性等の性質を更に付与することができる。
【0052】
上記式(a1)、上記式(a2)、上記式(a3)において、上記R、上記R及び上記Rは、同一又は異なって、炭素数が下限1、上限20の炭化水素基で表される。上記R、上記R、上記Rは、下限1、上限20の炭化水素基であれば特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。また、脂肪族、脂環族、芳香族のいずれであってもよい。また、炭化水素基中に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを含んでいてもよい。
【0053】
上記式(2)において、上記xは、正数であって、0≦x≦0.7の関係を満たす。0.7を超えるとキチンの性質が強くなって酸性溶剤に溶解しなくなるおそれがある。
【0054】
上記式(2)において、上記yは、正数であって、0.15≦y≦0.85の関係を満たす。0.15未満であると、アルカリ水溶液に対する溶解性が不充分である。
上記式(2)において、上記zは、正数であって、0≦z≦0.84の関係を満たす。
【0055】
上記式(2)において、0.5<x+y+z<0.99の関係を満たす。0.5未満であると、中性、アルカリ性水溶液に対する溶解性の改善が充分でないおそれがある。
【0056】
本発明のキトサン誘導体の製造方法は、上記式(1)で表されるアルカリ可溶性キトサン誘導体と、単官能アルデヒド化合物、単官能エポキシ化合物及びアクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種とを、pHが6.5〜12の条件下で反応させる方法であることから、親水性、疎水性等の性質を有するキトサン誘導体を製造することができる。即ち、上記単官能アルデヒド化合物、上記単官能エポキシ化合物、上記アクリル酸エステルを適宜選択することによって、キトサンに親水性、疎水性等の所望の性質を付与することができ、より広い用途に用いることができるキトサン誘導体を製造することができる方法である。また、得られるキトサン誘導体は、キトサンの基本化学構造を維持する化合物であるため、キトサンが本来有する生理活性、生体親和性等も保持するものである。従って、上記キトサン誘導体は、塗料、アフィニティークロマトグラフィー担体等の生化学分析用の担体、微生物固定用担体、抗菌剤、保水剤等への適用が期待できる高分子材料である。
【0057】
【実施例】
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味する。
【0058】
製造例1〔N−カルボキシエチルキトサン(1)の合成〕
キトサン2g(甲陽ケミカル、SK−10、数平均分子量4.2万、重量平均分子量8.0万、脱アセチル化度85%、アミノ基10mmol)をアクリル酸0.69mL(アミノ基に対して1当量)を含む蒸留水100mLに溶解し、50℃にて2日間攪拌した。反応物を脱イオン水に対して2日間透析(分画分子量12000の透析膜を使用)し、凍結乾燥により生成物(化合物1)を得た。キトサンからの生成物の回収率は95%、カルボキシエチル基の置換度は0.2であった。
化合物1は、下記式で表されるアルカリ可溶性キトサン誘導体である。
【0059】
【化16】
Figure 2004250543
【0060】
製造例2〔N−カルボキシエチルキトサンナトリウム塩(2)の合成〕
キトサン(SK−10)2gをアクリル酸0.69mL(アミノ基に対して1当量)を含む蒸留水100mLに溶解し、50℃にて2日間攪拌した。反応溶液に1M NaOHを反応溶液のpHが10以上になるまで添加し、脱イオン水に対して2日間透析後、凍結乾燥により生成物(化合物2)を得た。キトサンからの生成物の回収率は92%であった。
生成物の構造、置換度はH NMRにより確認した。生成物の構造はδ=2.06(N−アセチル基,0.45H),2.90(メチレン基b:−CH −COONa,2x),3.31(未置換グルコサミン残基(GlcN)及びN−アルキル基置換(N−GlcN)の2位,0.85H),3.4−4.1(メチレン基a:−NH−CH −、N−アセチルグルコサミン残基(GlcNAc)の2−6位、GlcN,N−GlcNの3−6位),4.87(GlcNの1位),5.00(N−GlcNの1位)。生成物の置換度(x)はδ=2.06ppmにあるN−アセチル基のシグナル(0.45H)に対する2.90ppmのメチレン基bのシグナル(2x)の比より求め、0.18であった。
化合物2は、下記式で表されるアルカリ可溶性キトサン誘導体である。
【0061】
【化17】
Figure 2004250543
【0062】
製造例3〔N−ヒドロキシエトキシカルボニルエチルキトサン(3a)の合成〕キトサン2g(SK−10)を酢酸1.0mLを含む蒸留水100mLに溶解し、アクリル酸ヒドロキシエチルを2.3 mL(アミノ基に対して2当量)添加した。50℃にて2日間攪拌後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を反応溶液のpHが8程度になるまで添加した。脱イオン水に対して2日間透析後、凍結乾燥により生成物(化合物3a)を得た。キトサンからの生成物の回収率は98%であった。また置換度は0.44であった。
化合物3aは、下記式で表されるアルカリ可溶性キトサン誘導体である。
【0063】
【化18】
Figure 2004250543
【0064】
製造例4〔N−ヒドロキシプロポキシカルボニルエチルキトサン(3b)の合成〕
アクリル酸ヒドロキシエチルを2.3mLの代わりに、アクリル酸ヒドロキシプロピルを2.6mL(アミノ基に対して2当量)を用いた以外は製造例3と同様に行い、置換度0.50の生成物(化合物3b)を回収率は97%で得た。
化合物3bは、下記式で表されるアルカリ可溶性キトサン誘導体である。
【0065】
【化19】
Figure 2004250543
【0066】
製造例5〔N−ヘプタエチレングリコールカルボニルエチルキトサン(4a)の合成〕
アクリル酸ヒドロキシエチルを2.3mLの代わりに、ポリエチレングリコールアクリレート(Mn=375)を7.5 g(アミノ基に対して2当量)を用いた以外は製造例3と同様に行い、置換度0.39の生成物(化合物4a)を回収率97%で得た。
化合物4aは、下記式で表されるアルカリ可溶性キトサン誘導体である。
【0067】
【化20】
Figure 2004250543
【0068】
製造例6〔トリメチルアンモニウムエトキシカルボニルエチルキトサンクロリド(5)の合成〕
アクリル酸ヒドロキシエチルを2.3mLの代わりに、2−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80質量%水溶液を0.39g(アミノ基に対して2当量)を用いた以外は製造例3と同様に行い、置換度0.43の生成物(化合物5)を回収率95%で得た。
化合物5は、下記式で表されるアルカリ可溶性キトサン誘導体である。
【0069】
【化21】
Figure 2004250543
【0070】
実施例1〔N−カルボキシエチルキトサン(1)のラウリル化〕
製造例1で得たN−カルボキシエチルキトサン(1)1gを蒸留水20mLに溶解し、更にメタノール20 mLで希釈後、ラウリルアルデヒドをアミノ基に対して0.4当量(0.26g)添加し、室温にて1日間攪拌した。反応物を脱イオン水に対して2日間透析(分画分子量12000の透析膜を使用)し、凍結乾燥により生成物を得た。化合物1からの生成物の回収率は96%であった。ラウリル基の置換度は0.05であった。
【0071】
実施例2〔N−カルボキシエチルキトサンナトリウム塩(2)のラウリル化〕
製造例2で得たN−カルボキシエチルキトサンナトリウム塩(2)1gを蒸留水20mLに溶解し、更にメタノール20 mLで希釈後、ラウリルアルデヒドをアミノ基に対して0.4当量(0.26g)添加し、室温にて1日間攪拌した。反応溶液に飽和炭酸ナトリウム水溶液を反応溶液のpHが9以上になるまで添加した。この混合物を脱イオン水に対して1日透析した後、凍結乾燥した。乾燥物をメタノール50mLで3回洗浄し、真空乾燥して生成物を得た。化合物2からの生成物の回収率は97%であった。生成物の構造、置換度はH NMRにより確認した。
生成物の構造はδ=0.87 (ラウリルのメチル基,3y)、1.27−1.57(ラウリルのメチレン基,18y)、2.06(N−アセチル基,0.45H),2.19−2.32(ラウリルのメチレン基:−N=CH−CH −,2y)、2.90(メチレン基b,2x),3.31(未置換グルコサミン残基(GlcN)及びN−アルキル基置換(N−GlcN)の2位,0.85 H),3.4−4.1(メチレン基a、N−アセチルグルコサミン残基(GlcNAc)の2−6位、GlcN,N−GlcNの3−6位),4.87(GlcNの1位),5.00(N−GlcNの1位)。生成物の置換度(x)はδ=2.06ppmにあるN−アセチル基のシグナル(0.45H)に対する2.90ppmのメチレン基bのシグナル(2x)及びメチル基のシグナル(3y)の比より求めた。ラウリル基の置換度は0.14であった。
【0072】
実施例3〔N−カルボキシエチルキトサンナトリウム塩(2)のラウリル化〕
メタノールで希釈しない以外は実施例2と同様に行い、ラウリル基の置換度0.12の誘導体を95%の回収率で得た。
【0073】
実施例4〔N−カルボキシエチルキトサンナトリウム塩(2)のラウリル化〕
ラウリルアルデヒドの量をアミノ基に対して0.8当量(0.56g)にした以外は実施例2と同様に行い、ラウリル基の置換度0.22の誘導体を95%の回収率で得た。
【0074】
実施例5〔N−カルボキシエチルキトサンナトリウム塩(2)のラウリル化〕
ラウリルアルデヒドの量をアミノ基に対して0.2当量(0.13g)にした以外は実施例2と同様に行い、ラウリル基の置換度0.05の誘導体を95%の回収率で得た。
【0075】
実施例6〔N−ヒドロキシエトキシカルボニルエチルキトサン(3a)のラウリル化〕
製造例3で得たN−ヒドロキシエトキシカルボニルエチルキトサン(3a)を用いた以外は実施例2と同様に行い、ラウリル基の置換度0.13の誘導体を95%の回収率で得た。
【0076】
実施例7〔N−ヒドロキシプロポキシカルボニルエチルキトサン(3b)のラウリル化〕
製造例4で得たN−ヒドロキシプロポキシカルボニルエチルキトサン(3b)を用いた以外は実施例2と同様に行い、ラウリル基の置換度0.23の誘導体を95%の回収率で得た。
【0077】
実施例8〔N−ヘプタエチレングリコールカルボニルエチルキトサン(4a)のラウリル化〕
製造例5で得たN−ヘプタエチレングリコールカルボニルエチルキトサン(4a)を用いた以外は実施例2と同様に行い、ラウリル基の置換度0.23の誘導体を95%の回収率で得た。
【0078】
実施例9〔トリメチルアンモニウムエトキシカルボニルエチルキトサンクロリド(5)のラウリル化〕
製造例6で得たトリメチルアンモニウムエトキシカルボニルエチルキトサンクロリド(5)を用いた以外は実施例2と同様に行い、ラウリル基の置換度0.23の誘導体を95%の回収率で得た。
【0079】
実施例10〔N−カルボキシエチルキトサン(1)のマイケル付加〕
製造例1で得たN−カルボキシエチルキトサン(1)1gを蒸留水20mLに溶解し、ポリエチレングリコールアクリレート(Mn=375)をアミノ基に対して2当量(2.68g)添加し、50℃にて1日間攪拌した。反応物を脱イオン水に対して2日間透析(分画分子量12000の透析膜を使用)し、凍結乾燥により生成物を得た。乾燥物をメタノール50mLで3回洗浄し、真空乾燥して生成物を得た。化合物1からの生成物の回収率は96%であった。置換度は0.16であった。
【0080】
実施例11〔N−カルボキシエチルキトサンナトリウム塩(2)のマイケル付加〕
製造例2で得たN−カルボキシエチルキトサンナトリウム塩(2)1gを蒸留水20mLに溶解し、ポリエチレングリコールアクリレート(Mn=375)をアミノ基に対して2当量(2.68g)添加し、50℃にて1日間攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を反応溶液のpHが8〜9になるまで添加した。この混合物を脱イオン水に対して1日透析した後、凍結乾燥した。乾燥物をメタノール50mLで3回洗浄し、真空乾燥して生成物を得た。化合物2からの生成物の回収率は97%であった。置換度は0.26であった。
【0081】
実施例12〔N−カルボキシエチルキトサン(1)とエポキシとの反応〕
製造例1で得たN−カルボキシエチルキトサン(1)1gを蒸留水20mLに溶解し、フェノキシポリエチレングリコールグリシジルエーテル(Mn=370)をアミノ基に対して1当量(1.32g)添加し、室温にて1日間攪拌した。反応物を脱イオン水に対して2日間透析(分画分子量12000の透析膜を使用)し、凍結乾燥により生成物を得た。乾燥物をメタノール50mLで3回洗浄し、真空乾燥して生成物を得た。化合物1からの生成物の回収率は96%であった。
置換度は0.2であった。
【0082】
実施例13〔N−カルボキシエチルキトサンナトリウム塩(2)エポキシとの反応〕
製造例2で得たN−カルボキシエチルキトサンナトリウム塩(2)1gを蒸留水20mLに溶解し、フェノキシポリエチレングリコールグリシジルエーテル(Mn=370)をアミノ基に対して1当量(1.32g)添加し、室温にて1日間攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を反応溶液のpHが8〜9になるまで添加した。この混合物を脱イオン水に対して1日透析した後、凍結乾燥した。乾燥物をメタノール50mLで3回洗浄し、真空乾燥して生成物を得た。化合物2からの生成物の回収率は97%であった。
【0083】
実施例14
キトサン(SK−10)1gをアクリル酸0.35 mL(アミノ基に対して1当量)を含む蒸留水20mLに溶解し、50℃にて2日間攪拌した。反応液をメタノール20mLで希釈し、ラウリルアルデヒドをキトサンのアミノ基に対して0.4当量(0.38g)添加し、室温にて1日間攪拌した。反応溶液に飽和炭酸ナトリウム水溶液又を反応溶液のpHが10以上になるまで添加した。この混合物を脱イオン水に対して2日透析した後、凍結乾燥した。乾燥物をメタノール50mLで3回洗浄し、真空乾燥して生成物を得た。キトサンからの生成物の回収率は98%であった。生成物の置換度はカルボキシエチル基が0.28、ラウリル基が0.04であった。
【0084】
実施例15
キトサン(SK−10)1gをアクリル酸0.35 mL(アミノ基に対して1当量)を含む蒸留水20mLに溶解し、50℃にて2日間攪拌した。反応液にラウリルアルデヒドをキトサンのアミノ基に対して0.4当量(0.38g)添加し、室温にて1日間攪拌した。反応溶液に飽和炭酸ナトリウム水溶液を反応溶液のpH が10以上になるまで添加した。この混合物を脱イオン水に対して2日透析した後、凍結乾燥した。乾燥物をメタノール50mLで3回洗浄し、真空乾燥して生成物を得た。キトサンからの生成物の回収率は98%であった。生成物の置換度はカルボキシエチル基が0.25、ラウリル基が0.01であった。
【0085】
実施例16
キトサン(SK−10)1gをアクリル酸0.35 mL(アミノ基に対して1当量)を含む蒸留水20mLに溶解し、50℃にて2日間攪拌した。反応液にポリエチレングリコールアクリレート(Mn=375)をアミノ基に対して2当量(3.81g)添加し、50℃にて1日間攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を反応溶液のpHが8〜9になるまで添加した。この混合物を脱イオン水に対して1日透析した後、凍結乾燥した。乾燥物をメタノール50mLで3回洗浄し、真空乾燥して生成物を得た。キトサンからの生成物の回収率は98%であった。生成物の置換度はカルボキシエチル基が0.25、カルボキシポリエチレングリコール基が0.16であった。
【0086】
実施例17
キトサン(SK−10)1gをアクリル酸0.35mL(アミノ基に対して1当量)を含む蒸留水20mLに溶解し、50℃にて2日間攪拌した。反応液にフェノキシポリエチレングリコールグリシジルエーテル(Mn=370)をアミノ基に対して1当量(1.88g)添加し、室温にて1日間攪拌した。反応溶液に飽和炭酸ナトリウム水溶液を反応溶液のpH が9以上になるまで添加した。この混合物を脱イオン水に対して1日透析した後、凍結乾燥した。乾燥物をメタノール50mLで3回洗浄し、真空乾燥して生成物を得た。キトサンからの生成物の回収率は98%であった。生成物の置換度はカルボキシエチル基が0.25、ラウリル基が0.2であった。
【0087】
実施例で得られたキトサン誘導体は、H NMRにより、上記式(2)で表される誘導体であることが明らかとなった。これにより、親水性、疎水性等の性質をキトサンに付与することができることが判り、各種用途に好適に使用することができるものであることが示唆された。
【0088】
【発明の効果】
本発明のキトサン誘導体の製造方法は、上述の構成よりなるので、キトサンに対して親水性、疎水性等の性質を付与することができる。また、キトサンの基本的化学構造を維持する化合物であるため、生理活性、生体親和性等も保持しているものである。従って、得られるキトサン誘導体は、幅広い用途に適用することができるものであると期待される化合物である。

Claims (3)

  1. 下記式(1);
    Figure 2004250543
    [式中、Rは、同一又は異なって、
    Figure 2004250543
    (式中、Rは、水素又はメチル基で表される。jは、1又は2で表される。kは、2〜20の整数で表される。)で表される基である。
    a及びbは、正数であって、0≦a≦0.7、0.15≦b≦0.85の関係を満たす。]
    で表されるアルカリ可溶性キトサン誘導体と、
    単官能アルデヒド化合物、単官能エポキシ化合物及びアクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種とを、pHが6.5〜12の条件下で反応させることを特徴とするキトサン誘導体の製造方法。
  2. 請求項1記載のキトサン誘導体の製造方法により得られることを特徴とするキトサン誘導体。
  3. 下記式(2);
    Figure 2004250543
    [式中、Rは、同一又は異なって、
    Figure 2004250543
    (式中、Rは、水素又はメチル基で表される。jは、1又は2で表される。kは、2〜20の整数で表される。)で表される基である。
    Aは、同一又は異なって、下記式(a1)、下記式(a2)又は下記式(a3);
    Figure 2004250543
    Figure 2004250543
    Figure 2004250543
    (式中、R、R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜20の炭化水素基で表される。)で表される基である。
    x、y及びzは、正数であって、0≦x≦0.7、0.15≦y≦0.85、0≦z≦0.84、0.5<x+y+z<0.99の関係を満たす。]
    で表されるものであることを特徴とするキトサン誘導体。
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