JP2004250420A - 高残留性昆虫成長制御剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、昆虫の変態に関与するホルモン・バランスに影響を与える昆虫成長制御剤が、水中において製剤の表面がバクテリア膜に覆われることなく、対象昆虫の幼虫が棲息する場所に係留されて、長時間にわたり薬効成分を放出することが出来る製剤の組成に関する。
【解決手段】昆虫成長制御剤にポリビニールアルコール、殺菌保存料及び温水を適当比率で混和し、ゲル化剤を加えて所望の形状に成形して乾燥させることを特徴とする。
【解決手段】昆虫成長制御剤にポリビニールアルコール、殺菌保存料及び温水を適当比率で混和し、ゲル化剤を加えて所望の形状に成形して乾燥させることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、水中に棲息する双翅目幼虫に対して、薬剤の曝露時間を長期化することにより、的確な殺虫目的を達成する高残留性昆虫成長制御剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水棲の昆虫の幼虫を対象とする殺虫剤は、一般には水に容易に溶ける水和剤で、これが幼虫棲息水域に素早く混合拡散することにより、幼虫の口器及び表皮から体内に浸透し殺虫力を示すものである。
【0003】
対象とする昆虫の幼虫のうち、水中の粒子体と同様に浮遊している双翅目幼虫は主として力科の幼虫だけである。力科の幼虫を対象に殺虫を行う場合は、水域に対する適正な薬剤濃度を設定すれば、良好な殺虫効果を得ることができる。
【0004】
しかし、水中に棲息する双翅目幼虫のうちハエ類の幼虫は、水域表層のスカム及び壁面に付着した有機物質や底泥の有機物質に潜り込んで棲息している。このため、例えば、対象水域に昆虫成長制御剤の粒剤を投与しても水の滞留時間が短期間であったり、水掛けや水撒きによって薬剤が水と共に流出するなど、虫体に対する薬剤の接触時間が短い場合は、十分な効果が得られないことが多い。
【0005】
このため、必要以上に投薬量を多くすることで殺虫効果を上げる方法や昆虫成長制御剤を流出しにくいようにサランネット等の小袋に封入して、対象水域に係留するなどの方法が採られてきた。
【0006】
しかし、前者の場合は薬効が十分にある薬剤が対象水域外に流出して、周辺の水域に棲息する他の双翅目幼虫に影響を与えるなど生態系に対する問題がある。また、後者の場合は、対象水域に含まれる有機物質により、ネット上にバクテリア膜が形成され薬剤の放出を妨げることが多いなどの欠点があるため、水中において製剤の表面がバクテリア膜に覆われず、水が接触するたびに表面が徐々に溶解して昆虫成長制御剤を長時間にわたり放出し続けることが出来る製剤組成の開発が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、対象水域における水の滞留時間が短期間であっても、薬剤が他に流出することなく、対象とする双翅目幼虫に対して確実な効果を発揮するための課題として次の3点が挙げられる。
(1)どんな状態の水域に於いても、双翅目幼虫の薬剤への曝露時間を長期化すること。
(2)適正な効果濃度内の施工で十分な殺虫効果を挙げ、非対象水域への薬剤の流出を防止しすること。
(3)対象水域の環境条件に適した剤型を用いることにより、目的箇所に係留することが出来ること。
【0008】
【問題を解決するための手段】
昆虫成長制御剤とポリビニールアルコール、ゲル化剤及びカビ、真菌類に対して効果のある保存料等を配合し、球状、ひも状、タブレット状などに成形することにより、水中において製剤の表面がバクテリア膜に覆われず、水が接触するたびに表面が徐々に溶解して昆虫成長制御剤を長時間にわたり放出し続けることが出来ることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の構成について詳細に説明する。
【0010】
本発明に用いられる昆虫成長制御剤としては種々のものがあるが、例えば、ピリプロキシフェン、メトプレン、ジフルベンズロン等が挙げられる。その使用量は昆虫成長制御活性の強さにより異なるが、例えばピリプロキシフェンの場合には、0.005〜0.025%、好ましくは0.015〜0.02%であり、メトプレンの場合は1.0〜5.0%、好ましくは2.0〜4.0%である。
【0011】
本発明に用いられるポリビニールアルコールの使用量は、水に対する溶解性・成形形状によって異なるが、鹸化度96.5±1.0%のもので15〜20%、好ましくは18%である。
【0012】
本発明に用いられるゲル化剤は種々のものがあるが、例えば、ホウ砂、エチルアルコール等が挙げられる。その使用量は成形形状によって異なるが、例えばホウ砂の場合は、純度97.0〜98.0%のもの1.5〜3.0%、好ましくは2.0%である。
【0013】
本発明に用いられる殺菌保存料は種々のものがあるが、例えば、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。その使用量は、例えばソルビン酸ナトリウムの場合、純度98.0%のもの0.1〜0.5%、好ましくは0.25%であり、ソルビン酸カリウムの場合、純度97.0%のもの0.1〜0.5%、好ましくは0.25%である。
【0014】
【作用】
本発明の昆虫成長制御剤の組成物は、用途に応じて適当な公知の方法を用いて、ひも状、球状、タブレット状など種々の剤型に成形することができ、殺虫対象水域において、水の滞留時間が短期間であっても水の掛け流し、水撒きなどによって非対象水域に流出しにくい作用を有する。
【0015】
剤型としては次の4形態とし、昆虫発生源の特徴に応じて使い分けた。
球状に成形したものは、常時水が流れている水域に使用する。
ひも状に成形したものは、食品製造工場内の機械・器具等を定期的に洗浄する箇所を対象に使用する。これらの場所では、機械及び機械類が乗せてある架台の脚と床との接点に小規模な昆虫発生源が多数点在している。床面に散布した薬剤が水の掛け流しによって、これらの発生源に係留されて効果を生じる。
タブレット状のものは、投げ込みやすいため狭い箇所に使用でき、且つ粒剤に比べて重いため、水の掛け流し等で流亡しにくい。
ゲル状に固化させたものは、工場内の側壁の穴や側壁と床面の接点部分の隙間に溜まった有機物や埃などが昆虫の発生源になっている箇所を対象に使用する。
【0016】
本発明による製剤は、製剤表面に接触した流水流量に対して比例的に殺虫成分を溶出するため、水が製剤に接触しない時は殺虫成分の溶出は無い。ひも状に成形した製剤は、流水中を流下する途中で有機物質が滞留している場所に自然と係留し易いため、施工作業員が入れない狭い空間においても上流方向に本製剤をばら撒くだけで、殺虫効果を上げることができるなど、施工方法の簡便化、施工時間の削減等が可能である。
【0017】
【実施例】
以下、試験方法及び実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、昆虫成長制御剤はシントーファイン株式会社製、ポリビニールアルコールは信越化学工業株式会社製、ホウ砂は関東化学株式会社製、ソルビン酸カリウムは上野製薬株式会社製のものを使用した。
【0018】
試験方法1
球状に成形した薬剤を河川(試験条件:流速0.5m/s、流量0.1t/min)中に放置し、7日後、14日後、21日後に回収したものを止水に1時間入れ、この水を10倍に希釈した。
供試昆虫幼虫はトウゴウヤブカ(Aedes togoi)の4令幼虫とし、10個体の幼虫を予め100mlの試験水を入れた500ml容量のビーカーに移し、曝露後3日以降の幼虫の状態を観察した。
効果の評価は、幼虫のままで死亡、蛹の状態で死亡、羽化失敗及び羽化完了後の成虫の形態的奇形を羽化阻止効果とし、供試幼虫に対する羽化阻止個体の数を羽化阻止率として、無処理区(対照区)のものと比較した。
【0019】
試験方法2
ひも状に成形した薬剤をチョウバエが常時発生している食品工場の床面に、1m2当たり10本を均一になるようばら撒き、水を掛け流した後の係留状態を観察した。効果の評価は、工場内に設置した粘着トラップの昆虫捕獲数を処理の前後で比較した。
【0020】
試験方法3
タブレット状に成形した薬剤をチョウバエが常時発生している狭隘な箇所に1m2当たり5個を均一になるようにばら撒いた。
効果の評価は、狭隘な箇所の入り口に設置した羽化トラップ(直径60cmの円を底面とする円錐形コーン部をサランネットで囲ったもの)内の成虫数を処理の前後で比較した。
【0021】
試験方法4
ゲル状の薬剤を食品工場内の側壁と床面の接点部分に塗布した。
効果の評価は、処理箇所(1m3)を取り囲むように周囲を透明なビニールフイルムで覆い密閉し、内部に発生する昆虫数を処理の前後で比較した。
【0022】
実施例1〜3
【表1】に示す組成(重量%)の昆虫成長制御剤を製造し、試験方法1で評価した。
まず、昆虫成長制御剤を水に溶かし、温水で溶解したポリビニールアルコール溶液に混和した。混和後、溶液がまだ温かいうちに球状に成形し、1昼夜乾燥させた。
【0023】
【表1】
試験方法1で評価した結果は
【表2】の通りである。
【0024】
【表2】
【0025】
実施例4
【表3】に示す組成(重量%)の昆虫成長制御剤を製造し、試験方法2で評価した。
まず、昆虫成長制御剤を水に溶かし、温水で溶解したポリビニールアルコール溶液に混和した。混和後、溶液がまだ温かいうちに温水に溶解させたホウ砂溶液を混合させゲル化させた後にひも状に成形した。
【0026】
【表3】
試験方法2で評価した結果は
【表4】の通りである。
【0027】
【表4】
【0028】
実施例5
【表5】に示す組成(重量%)の昆虫成長制御剤を製造し、試験方法3で評価した。
まず、昆虫成長制御剤を水に溶かし、温水で溶解したポリビニールアルコール溶液に混和した。混和後、溶液がまだ温かいうちに温水に溶解させたホウ砂溶液を混合させゲル化させた後にタブレット状に成形した。
【0029】
【表5】
試験方法3で評価した結果は
【表6】の通りである。
【0030】
【表6】
【0031】
実施例6
【表7】に示す組成(重量%)の昆虫成長制御剤を製造し、試験方法4で評価した。
まず、昆虫成長制御剤、殺菌保存料を水に溶かし、温水で溶解したポリビニールアルコール溶液に混和した。混和後、溶液を室温にて冷まし、ジェル状のものを容器に移し、床面と側壁の接点部分の平面に1m2当たり10gの割合で薄く塗布した後、温水に溶解させた3%のホウ砂水溶液を噴霧してゲル化、定着させた。
【0032】
【表7】
試験方法4で評価した結果は
【表8】の通りである。
【0033】
【表8】
【0034】
【発明の効果】
本発明の昆虫成長制御剤組成物は、殺虫対象水域において、水の滞留時間が短期間である場合や水の掛け流し、水撒きなどによって非対象水域に流出しにくく、殺虫対象昆虫の幼虫の羽化を確実に阻止する効果を有するものである。
【産業上の利用分野】
本発明は、水中に棲息する双翅目幼虫に対して、薬剤の曝露時間を長期化することにより、的確な殺虫目的を達成する高残留性昆虫成長制御剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水棲の昆虫の幼虫を対象とする殺虫剤は、一般には水に容易に溶ける水和剤で、これが幼虫棲息水域に素早く混合拡散することにより、幼虫の口器及び表皮から体内に浸透し殺虫力を示すものである。
【0003】
対象とする昆虫の幼虫のうち、水中の粒子体と同様に浮遊している双翅目幼虫は主として力科の幼虫だけである。力科の幼虫を対象に殺虫を行う場合は、水域に対する適正な薬剤濃度を設定すれば、良好な殺虫効果を得ることができる。
【0004】
しかし、水中に棲息する双翅目幼虫のうちハエ類の幼虫は、水域表層のスカム及び壁面に付着した有機物質や底泥の有機物質に潜り込んで棲息している。このため、例えば、対象水域に昆虫成長制御剤の粒剤を投与しても水の滞留時間が短期間であったり、水掛けや水撒きによって薬剤が水と共に流出するなど、虫体に対する薬剤の接触時間が短い場合は、十分な効果が得られないことが多い。
【0005】
このため、必要以上に投薬量を多くすることで殺虫効果を上げる方法や昆虫成長制御剤を流出しにくいようにサランネット等の小袋に封入して、対象水域に係留するなどの方法が採られてきた。
【0006】
しかし、前者の場合は薬効が十分にある薬剤が対象水域外に流出して、周辺の水域に棲息する他の双翅目幼虫に影響を与えるなど生態系に対する問題がある。また、後者の場合は、対象水域に含まれる有機物質により、ネット上にバクテリア膜が形成され薬剤の放出を妨げることが多いなどの欠点があるため、水中において製剤の表面がバクテリア膜に覆われず、水が接触するたびに表面が徐々に溶解して昆虫成長制御剤を長時間にわたり放出し続けることが出来る製剤組成の開発が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、対象水域における水の滞留時間が短期間であっても、薬剤が他に流出することなく、対象とする双翅目幼虫に対して確実な効果を発揮するための課題として次の3点が挙げられる。
(1)どんな状態の水域に於いても、双翅目幼虫の薬剤への曝露時間を長期化すること。
(2)適正な効果濃度内の施工で十分な殺虫効果を挙げ、非対象水域への薬剤の流出を防止しすること。
(3)対象水域の環境条件に適した剤型を用いることにより、目的箇所に係留することが出来ること。
【0008】
【問題を解決するための手段】
昆虫成長制御剤とポリビニールアルコール、ゲル化剤及びカビ、真菌類に対して効果のある保存料等を配合し、球状、ひも状、タブレット状などに成形することにより、水中において製剤の表面がバクテリア膜に覆われず、水が接触するたびに表面が徐々に溶解して昆虫成長制御剤を長時間にわたり放出し続けることが出来ることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の構成について詳細に説明する。
【0010】
本発明に用いられる昆虫成長制御剤としては種々のものがあるが、例えば、ピリプロキシフェン、メトプレン、ジフルベンズロン等が挙げられる。その使用量は昆虫成長制御活性の強さにより異なるが、例えばピリプロキシフェンの場合には、0.005〜0.025%、好ましくは0.015〜0.02%であり、メトプレンの場合は1.0〜5.0%、好ましくは2.0〜4.0%である。
【0011】
本発明に用いられるポリビニールアルコールの使用量は、水に対する溶解性・成形形状によって異なるが、鹸化度96.5±1.0%のもので15〜20%、好ましくは18%である。
【0012】
本発明に用いられるゲル化剤は種々のものがあるが、例えば、ホウ砂、エチルアルコール等が挙げられる。その使用量は成形形状によって異なるが、例えばホウ砂の場合は、純度97.0〜98.0%のもの1.5〜3.0%、好ましくは2.0%である。
【0013】
本発明に用いられる殺菌保存料は種々のものがあるが、例えば、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。その使用量は、例えばソルビン酸ナトリウムの場合、純度98.0%のもの0.1〜0.5%、好ましくは0.25%であり、ソルビン酸カリウムの場合、純度97.0%のもの0.1〜0.5%、好ましくは0.25%である。
【0014】
【作用】
本発明の昆虫成長制御剤の組成物は、用途に応じて適当な公知の方法を用いて、ひも状、球状、タブレット状など種々の剤型に成形することができ、殺虫対象水域において、水の滞留時間が短期間であっても水の掛け流し、水撒きなどによって非対象水域に流出しにくい作用を有する。
【0015】
剤型としては次の4形態とし、昆虫発生源の特徴に応じて使い分けた。
球状に成形したものは、常時水が流れている水域に使用する。
ひも状に成形したものは、食品製造工場内の機械・器具等を定期的に洗浄する箇所を対象に使用する。これらの場所では、機械及び機械類が乗せてある架台の脚と床との接点に小規模な昆虫発生源が多数点在している。床面に散布した薬剤が水の掛け流しによって、これらの発生源に係留されて効果を生じる。
タブレット状のものは、投げ込みやすいため狭い箇所に使用でき、且つ粒剤に比べて重いため、水の掛け流し等で流亡しにくい。
ゲル状に固化させたものは、工場内の側壁の穴や側壁と床面の接点部分の隙間に溜まった有機物や埃などが昆虫の発生源になっている箇所を対象に使用する。
【0016】
本発明による製剤は、製剤表面に接触した流水流量に対して比例的に殺虫成分を溶出するため、水が製剤に接触しない時は殺虫成分の溶出は無い。ひも状に成形した製剤は、流水中を流下する途中で有機物質が滞留している場所に自然と係留し易いため、施工作業員が入れない狭い空間においても上流方向に本製剤をばら撒くだけで、殺虫効果を上げることができるなど、施工方法の簡便化、施工時間の削減等が可能である。
【0017】
【実施例】
以下、試験方法及び実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、昆虫成長制御剤はシントーファイン株式会社製、ポリビニールアルコールは信越化学工業株式会社製、ホウ砂は関東化学株式会社製、ソルビン酸カリウムは上野製薬株式会社製のものを使用した。
【0018】
試験方法1
球状に成形した薬剤を河川(試験条件:流速0.5m/s、流量0.1t/min)中に放置し、7日後、14日後、21日後に回収したものを止水に1時間入れ、この水を10倍に希釈した。
供試昆虫幼虫はトウゴウヤブカ(Aedes togoi)の4令幼虫とし、10個体の幼虫を予め100mlの試験水を入れた500ml容量のビーカーに移し、曝露後3日以降の幼虫の状態を観察した。
効果の評価は、幼虫のままで死亡、蛹の状態で死亡、羽化失敗及び羽化完了後の成虫の形態的奇形を羽化阻止効果とし、供試幼虫に対する羽化阻止個体の数を羽化阻止率として、無処理区(対照区)のものと比較した。
【0019】
試験方法2
ひも状に成形した薬剤をチョウバエが常時発生している食品工場の床面に、1m2当たり10本を均一になるようばら撒き、水を掛け流した後の係留状態を観察した。効果の評価は、工場内に設置した粘着トラップの昆虫捕獲数を処理の前後で比較した。
【0020】
試験方法3
タブレット状に成形した薬剤をチョウバエが常時発生している狭隘な箇所に1m2当たり5個を均一になるようにばら撒いた。
効果の評価は、狭隘な箇所の入り口に設置した羽化トラップ(直径60cmの円を底面とする円錐形コーン部をサランネットで囲ったもの)内の成虫数を処理の前後で比較した。
【0021】
試験方法4
ゲル状の薬剤を食品工場内の側壁と床面の接点部分に塗布した。
効果の評価は、処理箇所(1m3)を取り囲むように周囲を透明なビニールフイルムで覆い密閉し、内部に発生する昆虫数を処理の前後で比較した。
【0022】
実施例1〜3
【表1】に示す組成(重量%)の昆虫成長制御剤を製造し、試験方法1で評価した。
まず、昆虫成長制御剤を水に溶かし、温水で溶解したポリビニールアルコール溶液に混和した。混和後、溶液がまだ温かいうちに球状に成形し、1昼夜乾燥させた。
【0023】
【表1】
試験方法1で評価した結果は
【表2】の通りである。
【0024】
【表2】
【0025】
実施例4
【表3】に示す組成(重量%)の昆虫成長制御剤を製造し、試験方法2で評価した。
まず、昆虫成長制御剤を水に溶かし、温水で溶解したポリビニールアルコール溶液に混和した。混和後、溶液がまだ温かいうちに温水に溶解させたホウ砂溶液を混合させゲル化させた後にひも状に成形した。
【0026】
【表3】
試験方法2で評価した結果は
【表4】の通りである。
【0027】
【表4】
【0028】
実施例5
【表5】に示す組成(重量%)の昆虫成長制御剤を製造し、試験方法3で評価した。
まず、昆虫成長制御剤を水に溶かし、温水で溶解したポリビニールアルコール溶液に混和した。混和後、溶液がまだ温かいうちに温水に溶解させたホウ砂溶液を混合させゲル化させた後にタブレット状に成形した。
【0029】
【表5】
試験方法3で評価した結果は
【表6】の通りである。
【0030】
【表6】
【0031】
実施例6
【表7】に示す組成(重量%)の昆虫成長制御剤を製造し、試験方法4で評価した。
まず、昆虫成長制御剤、殺菌保存料を水に溶かし、温水で溶解したポリビニールアルコール溶液に混和した。混和後、溶液を室温にて冷まし、ジェル状のものを容器に移し、床面と側壁の接点部分の平面に1m2当たり10gの割合で薄く塗布した後、温水に溶解させた3%のホウ砂水溶液を噴霧してゲル化、定着させた。
【0032】
【表7】
試験方法4で評価した結果は
【表8】の通りである。
【0033】
【表8】
【0034】
【発明の効果】
本発明の昆虫成長制御剤組成物は、殺虫対象水域において、水の滞留時間が短期間である場合や水の掛け流し、水撒きなどによって非対象水域に流出しにくく、殺虫対象昆虫の幼虫の羽化を確実に阻止する効果を有するものである。
Claims (1)
- 昆虫の変態に関与するホルモン・バランスに影響を与える昆虫成長制御剤とポリビニールアルコール、殺菌保存料、ゲル化剤を配合することを特徴とする高残留性昆虫成長制御剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003089311A JP2004250420A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 高残留性昆虫成長制御剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003089311A JP2004250420A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 高残留性昆虫成長制御剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004250420A true JP2004250420A (ja) | 2004-09-09 |
Family
ID=33028207
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003089311A Pending JP2004250420A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 高残留性昆虫成長制御剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004250420A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103238602A (zh) * | 2013-05-23 | 2013-08-14 | 北京化工大学 | 一种新型的以聚乙烯醇作为高分子阻滞材料的长效消毒剂的制备方法 |
CN104381233A (zh) * | 2014-12-10 | 2015-03-04 | 甘肃惠森药业发展有限公司 | 一种信息素防治药材仓储害虫的方法 |
-
2003
- 2003-02-20 JP JP2003089311A patent/JP2004250420A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103238602A (zh) * | 2013-05-23 | 2013-08-14 | 北京化工大学 | 一种新型的以聚乙烯醇作为高分子阻滞材料的长效消毒剂的制备方法 |
CN103238602B (zh) * | 2013-05-23 | 2016-01-13 | 北京化工大学 | 一种新型的以聚乙烯醇作为高分子阻滞材料的长效消毒剂的制备方法 |
CN104381233A (zh) * | 2014-12-10 | 2015-03-04 | 甘肃惠森药业发展有限公司 | 一种信息素防治药材仓储害虫的方法 |
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