JP2004250056A - 閉止可能な開口装置を有する包装容器 - Google Patents
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Abstract
【目的】開口可能域ミネートの層間剥離なく、液体内容物が器壁の断面への浸透を防止することができる閉止可能な開口装置を有する包装容器を提供することを目的とする。
【構成】フレームとキャップと開口形成部とを含む開口装置が取付けられた開口可能域を有する流動食品用包装容器であって、フレームは、フランジ部と注ぎ口部とからなり、開口可能域の周囲にてフレームのフランジ部の底面と開口可能域の周囲面との間に第1接合帯域が形成され、開口可能域の上表面にて開口形成部の底面との間に第2接合帯域が形成され、キャップ開封の際に、第2接合帯域の外周で開口可能域に破断されることを特徴とする。
【選択図】 図1
【構成】フレームとキャップと開口形成部とを含む開口装置が取付けられた開口可能域を有する流動食品用包装容器であって、フレームは、フランジ部と注ぎ口部とからなり、開口可能域の周囲にてフレームのフランジ部の底面と開口可能域の周囲面との間に第1接合帯域が形成され、開口可能域の上表面にて開口形成部の底面との間に第2接合帯域が形成され、キャップ開封の際に、第2接合帯域の外周で開口可能域に破断されることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
本発明は、閉止可能な開口装置が取り付けられた開口可能域を有する流動食品用包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジュース、ミルク、ワイン、ソースなどのような多くの流動食品は無菌パッケージ材料で作られた流動食品用包装容器で包装されて販売されている。
その流動食品用包装容器の典型例は、周知の流動食品用の平行六面体のパッケージ、屋根形の紙容器であり、このパッケージは積層された包装材を折曲げ、シールして形成される。この包装材は、両面を例えばポリエチレンのような熱シール・プラスチック材料で覆われた例えば紙のような繊維材料の層を含む多層構造を有する。また、長期保存用の無菌パッケージの場合、包装材は例えばアルミニウム薄膜などの酸素バリヤ材料の層を含み、また最終的に食品に接触するパッケージ内面を形成する他の熱シール・プラスチック層でさらに覆われる。
【0003】
流動食品用包装容器は、注ぎ出すための閉止可能な開口装置を一般に備えている。その開口装置は、開口を形成する器壁の穴、パンチ抜き、または切離可能部分に取付けられる注ぎ口フレームと、キャップとを実質的に含む。
器壁のパンチ穴にラミネートフィルムが貼付された開口可能域(プレラミネッテドホール、PLHという)に直接に開口装置を取付ける優れた方法およびその開口装置が取り付けられた包装容器が、例えば、特開2001ー72008号に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、キャップをネジに沿って注ぎ口から開けると、開口可能域(プレラミネッテドホール)に溶着されたキヤップ底部が、回転しながら引き上げられ、溶着された開口可能域をねじ切って開口する構造となっている。しかしながら、ラミネートの開口可能域は多層構造となっているため、各層の層間の接着が充分でないと、キャップに溶着された上側の層のみが破り取られ下側の層の一部が容器側に残ることが起こるというの不都合がある。
また、開口可能域をねじ切るため、開口可能域ラミネートを構成する複数のポリオレフィン層が延びて、切断(破断)面に糸状の残渣が残るという不都合が起こることもある。
更に、開口を形成する器壁の穴、パンチ抜きの断面には、空隙(エアーギャップ)が生じやすく、その空隙近傍の開口可能域ラミネートを切断すると、液体内容物が器壁の断面に浸透する危険を低減する必要性がある。
【0005】
本発明は、ラミネートの開口可能域であっても、ラミネートの層間剥離なく、全体が切断され、一部が容器側に残ることなく、または、切断(破断)面に糸状の残渣が残ることなく、液体内容物が器壁の断面への浸透を防止することができる閉止可能な開口装置が取付けられた包装容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために開口装置が取付けられた包装容器の発明は、注ぎ口を形成するフレームと、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップと、前記フレーム内部に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇回転運動若しくは上昇運動する開口形成部とを含む閉止可能な開口装置が取付けられた、開口可能域を有する流動食品用包装容器であって、前記フレームは、フランジ部と、外周面にねじ山が形成された筒状の注ぎ口部とからなり、前記開口可能域の周囲にて前記包装容器に前記フレームを接合するように、前記フレームのフランジ部の底面と前記開口可能域の周囲面との間に第1接合帯域が形成され、前記開口可能域の上表面にて、前記開口形成部の底面と該上表面との間に第2接合帯域が形成され、前記キャップの開封上昇回転運動に連動して前記開口形成部が上昇回転運動若しくは上昇運動する際に、第2接合帯域の外周であって前記開口可能域に破断された開口を形成することを特徴とする。
【0007】
このように構成したことにより、ラミネートの開口可能域であっても、ラミネートの層間剥離なく、全体が切断され、一部が容器側に残ることなく、または、切断(破断)面に糸状の残渣が残ることなく、液体内容物が器壁の断面への浸透を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の包装容器は、注ぎ口を形成するフレームと、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップと、前記フレーム内部に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇回転運動若しくは上昇運動する開口形成部とを含む閉止可能な開口装置が取付けられた、開口可能域を有する流動食品用包装容器であって、
前記フレームは、フランジ部と、外周面にねじ山が形成された筒状の注ぎ口部とからなり、前記開口可能域の周囲にて前記包装容器に前記フレームを接合するように、前記フレームのフランジ部の底面と前記開口可能域の周囲面との間に第1接合帯域が形成され、
前記開口可能域の上表面にて、前記開口形成部の底面と該上表面との間に第2接合帯域が形成され、前記キャップの開封上昇回転運動に連動して前記開口形成部が上昇回転運動若しくは上昇運動する際に、第2接合帯域の外周であって前記開口可能域に破断された開口を形成する
ことを特徴とする。
【0009】
上記構成により、以下の作用を有する。フレームのフランジ部の底面と開口可能域の周囲面との間に第1接合帯域を形成して、開口可能域の周囲にて包装容器にフレームを接合し、開口可能域を有する流動食品用包装容器に対して、閉止可能な開口装置を取付ける。この開口装置は、注ぎ口を形成するフレームと、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップと、前記フレーム内部に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇回転運動若しくは上昇運動する開口形成部とを含む。容器開封時には、容器を開封しようとキャップを開放方向に運動させると、その運動に連動して開口形成部が上昇回転運動若しくは上昇運動する。前記開口可能域の上表面にて、前記開口形成部の底面と該上表面との間に第2接合帯域が形成されているので、第2接合帯域から開口可能域のフィルムが上方に引っ張られる。この引っ張られたフィルムにテンションが強く付加されているその状態で、第2接合帯域の外周であって前記開口可能域で破断を起こすので、容易に切断が開始し、しかも、引き続き切断を円滑に継続させることができ、容易に破断面積を広げることができる。破断した開口可能域の材料は、必要に応じて繋がっているので、容器内に落下することもない。同様に、所望の位置を切断することができるので、器壁の断面の空隙(エアーギャップ)も維持され、開封後に内容物液体がその容器断面に浸透しない。
【0010】
本発明の請求項2に記載の包装容器は、前記開口可能域が、好ましくは、酸素バリヤ材料の少なくとも1つのバリア層を含むラミネートフィルムからなる。
上記構成により、種々の機能を持つフィルムを積層して、開封容易であって、十分な液密、ガスバリア性など多機能の開口可能域を形成することができる作用を有する。
【0011】
本発明の請求項3に記載の包装容器は、前記フレームの注ぎ口部の底面に、前記開口可能域の上表面に向けて、刃部が設けられている。
上記構成により、キャップを回転して上昇させると、開口形成部の底面と該上表面との間に第2接合帯域が形成されているので、第2接合帯域から開口可能域のフィルムが上方に引っ張られる。この引っ張られたフィルムにテンションが強く付加されているその状態で、前記フレームの注ぎ口部の底面に設けられている刃部が前記開口可能域の上表面に向けて押さえ、フィルムが切れ易くなる。刃部が、例えば、鋸刃の様に刃目が立っている場合、効果的にフィルムを切断することができる作用を有する。
【0012】
本発明の請求項4に記載の包装容器は、前記フレームの注ぎ口部の底面が、前記開口可能域の上表面に向けて、延長して、前記注ぎ口部の底面と該上表面との間に接合帯域が形成されている。
上記構成により、注ぎ口部の底面と開口可能域の上表面との間の接合帯域と、開口形成部の底面と開口可能域の上表面との間の第2接合帯域とでフィルムが引き伸ばされ、その間でフィルムの破断切断が生じる。この限られた領域でのみコントロール下でフィルムを破断させることができる作用を有する。また、この構成において、開口可能域の容器器壁端面の、いわゆるエアーギャップがフィルムの破断切断領域の外に位置する様になり、エアーギャップでのフィルムの破断がなく、充填された液がその端面から接触浸透する懸念が解消される。
【0013】
本発明の請求項5に記載の包装容器は、前記フレームの注ぎ口部の内側に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して該キャップと逆方向に下方移動する可動リングが設けられ、該可動リングの下端に刃部が設けられている。
上記構成により、可動リングは開封時に下方移動する。このリングがフレームの注ぎ口部に対して回転しない様にガイドする。可動リングは、例えば、上端がカムとしての斜面を形成し、下端に鋸刃のような刃部が設けられている。キャップを開封旋回すると、キャップ内部に設けられた斜面が可動リング上端の斜面を押して可動リングを下方に押し下げる。可動リング下端の刃部が開口可能域フィルムを切り取る。この態様では、開口可能域フィルムは上方からの機械的力によるので、開口可能域の多層ラミネートフィルムであって層間接着力が不足していても開封に悪影響を及ぼさない。
【0014】
本発明の請求項6に記載の包装容器は、前記フレームの注ぎ口部の内側に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して該キャップと逆方向に下方移動する可動リングが設けられ、該可動リングの下端に刃部が設けられ、開口形成部が前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇運動する。
上記構成により、可動リングは開封時に下方移動する。可動リングは、例えば、上端がカムとしての斜面を形成し、下端に鋸刃のような刃部が設けられている。キャップを開封旋回すると、キャップ内部に設けられた斜面が可動リング上端の斜面を押して可動リングを下方に押し下げる。これに対して、開口形成部によって、開口可能域フィルムが上昇する。下に下がる可動リング下端の刃部が、上に上がる開口可能域フィルムを切り取る。この態様では、開口可能域フィルムは上方からの機械的力によるので、開口可能域の多層ラミネートフィルムであって層間接着力が不足していても開封に悪影響を及ぼさない。
【0015】
本発明の請求項7に記載の包装容器は、前記フレームの注ぎ口部の内側に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して該キャップと逆方向に下方回転移動する可動リングが設けられ、該可動リングの下端に刃部が設けられ、開口形成部が前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇運動する。
【0016】
上記構成により、可動リングは開封時に下方移動するとともに、キャップと逆方向に回転する。これに対して、開口形成部によって、キャップの回転に沿って開口可能域フィルムが上昇する。キャップと逆方向に回転しながら下に下がる可動リング下端の刃部が、キャップと同方向に回転しながら上に上がる開口可能域フィルムを切り取る。この態様では、開口可能域フィルムは上方からの機械的力により、確実に開口可能域の多層ラミネートフィルムを切断する。
【0017】
本発明の請求項8に記載の流動食品用包装容器は、注ぎ口を形成するフレームと、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップとを含む閉止可能な開口装置が取付けらえた、開口可能域を有する包装容器であって、前記フレームは、フランジ部と、外周面にねじ山が形成された筒状の注ぎ口部とからなり、前記開口可能域の周囲にて前記包装容器に前記フレームを接合するように、前記フレームのフランジ部の底面と前記開口可能域の周囲面との間に接合帯域が形成され、前記開口可能域が、酸素バリヤ材料の少なくとも1つのバリア層を含むラミネートフィルムからなり、前記開口可能域の該フィルムを切断する刃部が、機械的強度の強い樹脂の芯部分と容器内容物と接触する可能性のある低密度ポリエチレン表層部分とからなる。
上記構成により、以下の作用を有する。従来、スパウト、キャップ等の開口装置はその機能を発揮させるためにはその部材の剛性が要求される。特に、カッター等の切断部材、刃部が包装材料を破断/切断するためには適切な剛性が必要である。そのために、カッターやフレームが一体成形された開口装置は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレンなど安価であるが比較的剛性のある樹脂が使用されている。しかし、牛乳用の容器に上記樹脂を用いた開口装置を使用する場合、法令上の規制から、牛乳が直接的に接触する層には、無添加の低密度ポリエチレンを使用する必要があるが、このポリエチレンは剛性に劣っている。
前記開口可能域の該フィルムを切断する刃部が、機械的強度の強い樹脂の芯部分と容器内容物と接触する可能性のある低密度ポリエチレン表層部分とからなるので、剛性を維持して切断機能を発揮し、液体内容物に悪影響を及ぼさない直接接触表面層を使用するので、法令上の規制を受けることがない。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
図8は、本発明の一実施形態の開口装置を包装容器に取付け状態を示す外観図である。この形態では、開口可能域(図示せず)を有する流動食品用包装容器2の頂壁に対して、開口装置4が取付けられている。開口装置4は、注ぎ口を形成するフレーム(図示せず)と、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップ13と、前記フレーム内部に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇回転運動若しくは上昇運動する開口形成部(図示せず)とを含む。
なお、この形態では、キャップ13に、イラズラ改竄防止用部材14が配設されている。
【0019】
断面図の図9に、図8で図示されなかった包装容器2の開口可能域3を示す。この態様における開口可能域3は、容器器壁にパンチホールが穿孔され、その穴に表裏からラミネートフィルムが積層されている。器壁端面91には、いわゆるエアーギャップ92が形成されている。
【0020】
本発明による包装容器の一実施形態の部分断面図を図1に示す。この形態では、注ぎ口を形成するフレーム8と、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップ13と、前記フレーム内部に収納されて前記キャップ13の開封上昇回転運動に連動して上昇回転運動する開口形成部9とを含む閉止可能な開口装置4が開口可能域3に取付けられている。
前記フレーム8は、フランジ部10と、外周面にねじ山が形成された筒状の注ぎ口部11とからなり、前記開口可能域の周囲にて前記包装容器に前記フレームを接合するように、前記フレームのフランジ部の底面と前記開口可能域の周囲面との間に第1接合帯域12が形成され、
前記開口可能域3の上表面にて、前記開口形成部9の底面と該上表面との間に第2接合帯域15が形成され、前記キャップの開封上昇回転運動に連動して前記開口形成部9が上昇回転運動若しくは上昇運動する際に、第2接合帯域15の外周であって前記開口可能域に破断された開口を形成する
ことを特徴とする。
【0021】
上記形態では、容器開封時には、容器を開封しようとキャップ13を開放方向に運動させると、その運動に連動して開口形成部9が上昇回転運動する。前記開口可能域3の上表面にて、前記開口形成部9の底面と上表面との間に第2接合帯域15が形成されているので、第2接合帯域15から開口可能域3のフィルムが上方に引っ張られる。この引っ張られたフィルム3にテンションが強く付加されている。第2接合帯域15の外周で、容易に切断が開始し、しかも、引き続き切断する。破断した開口可能域の材料は、必要に応じて繋がっているので、容器内に落下することもない。上記の位置を切断することができるので、器壁の断面の空隙(エアーギャップ92)も維持され、開封後に内容物液体がその容器断面に浸透しない。
【0022】
図1の形態では、前記開口可能域3が、好ましくは、酸素バリヤ材料の少なくとも1つのバリア層を含むラミネートフィルムからなる。
図1の形態では、前記フレーム8注ぎ口部11の底面に、前記開口可能域3の上表面に向けて、刃部16が設けられている。
この形態では、キャップ3を回転して上昇させると、第2接合帯域15から開口可能域のフィルム3が上方に引っ張られる。この引っ張られたフィルム3にテンションが強く付加されているその状態で、フレームの注ぎ口部11の底面に設けられている刃部16が開口可能域の上表面に向けて押さえ、フィルムを切る。
【0023】
図2の形態では、フレーム8の注ぎ口部11の底面が、開口可能域3の上表面に向けて、延長して、注ぎ口部11の底面と上表面との間に接合帯域17が形成されている。
この形態では、注ぎ口部の底面の接合帯域17と、開口形成部の第2接合帯域15とでフィルム3が引き伸ばされ、その間でフィルムの破断切断が生じる。この限られた領域でのみコントロール下でフィルムを破断させる。また、エアーギャップ92がフィルムの破断切断領域の外に位置する様になり、エアーギャップ92でのフィルムの破断がなく、充填された液がその端面91から接触浸透する懸念が解消される。
【0024】
図3の形態では、フレーム8の注ぎ口部11の内側に収納されてキャップ13の開封上昇回転運動に連動してキャップと逆方向に下方移動する可動リング31が設けられ、可動リング31の下端に刃部32が設けられている。
この形態では、可動リング31は開封時に下方移動する。リング31が注ぎ口部11に対して回転しない様にガイドされている。可動リング31は、上端がカムとしての斜面を有し、下端に刃部32が設けられている。キャップ13を開封旋回すると、キャップ内部に設けられた斜面が可動リング上端の斜面を押して可動リング31を下方に押し下げる。可動リング下端の刃部32が開口可能域フィルム3を切り取る。
【0025】
図4の形態では、フレームの注ぎ口部11の内側に収納されて前記キャップ13の開封上昇回転運動に連動してキャップと逆方向に下方移動する可動リング41が設けられ、可動リング41の下端に刃部42が設けられ、開口形成部9がキャップ13の開封上昇回転運動に連動して上昇運動する。
この形態では、可動リング41は開封時に下方移動する。可動リングは、例えば、上端がカムとしての斜面を形成し、下端に鋸刃のような刃部が設けられている。キャップを開封旋回すると、キャップ内部に設けられた斜面が可動リング上端の斜面を押して可動リングを下方に押し下げる。開口形成部9によって、開口可能域フィルム3が上昇する。下に下がる可動リング下端の刃部41が、上に上がる開口可能域フィルム3を切り取る。
【0026】
図4の形態の変形例では、フレームの注ぎ口部の内側に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動してキャップと逆方向に下方回転移動する可動リングが設けられ、可動リングの下端に刃部が設けられ、開口形成部が前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇運動する。
【0027】
可動リングは開封時に下方移動するとともに、キャップと逆方向に回転する。これに対して、開口形成部9によって、キャップの回転に沿って開口可能域フィルムが上昇する。キャップと逆方向に回転しながら下に下がる可動リング下端の刃部が、キャップと同方向に回転しながら上に上がる開口可能域フィルムを切り取る。
図5に、可動リング41の透視斜視図を示す。可動リング41は、上端がカムとしての斜面を有し、下端に刃部42が設けられている。キャップを開封旋回すると、キャップ内部に設けられた斜面が可動リング上端の斜面を押して可動リング41を下方に押し下げる。
この発明に好ましい態様において、可動リング61の下端に刃部62を片刃にすることができる。このような態様において、図6に示す様に、刃部62の斜面で開口可能域フィルムを押し広げることができ、開口装置の位置決めが多少ずれても開口への影響を少なくすることができる。
【0028】
本発明の別の態様の流動食品用包装容器は、注ぎ口を形成するフレームと、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップとを含む閉止可能な開口装置が取付けらえた、開口可能域を有する包装容器であって、前記フレームは、フランジ部と、外周面にねじ山が形成された筒状の注ぎ口部とからなり、前記開口可能域の周囲にて前記包装容器に前記フレームを接合するように、前記フレームのフランジ部の底面と前記開口可能域の周囲面との間に接合帯域が形成され、前記開口可能域が、酸素バリヤ材料の少なくとも1つのバリア層を含むラミネートフィルムからなり、図7に示す様に、開口可能域のフィルムを切断する刃部72が、機械的強度の強い樹脂の芯部分73と容器内容物と接触する可能性のある低密度ポリエチレン表層部分74とからなる。
開口可能域の該フィルムを切断する刃部72が、機械的強度の強い樹脂の芯部分73と容器内容物と接触する可能性のある低密度ポリエチレン表層部分74とからなるので、剛性を維持して切断機能を発揮し、液体内容物に悪影響を及ぼさない直接接触表面層を使用するので、法令上の規制を受けることがない。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のによって、ラミネートの開口可能域であっても、ラミネートの層間剥離なく、全体が切断され、一部が容器側に残ることなく、または、切断(破断)面に糸状の残渣が残ることなく、液体内容物が器壁の断面への浸透を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施形態の開口装置の部分断面図
【図2】本発明による一実施形態の開口装置の部分断面図
【図3】本発明による一実施形態の開口装置の部分断面図
【図4】本発明による一実施形態の開口装置の部分断面図
【図5】本発明の一実施形態の可動リングの透視斜視図
【図6】本発明の一実施形態の開口装置による開口を説明する部分断面図
【図7】本発明による一実施形態の開口装置の刃部の部分断面図
【図8】本発明による一実施形態の包装容器の部分斜視図
【図9】本発明による一実施形態の開口可能域の部分断面図
【符号の説明】
2 ・・・包装容器
3 ・・・開口可能域
4 ・・・開口装置
13 ・・・キャップ
本発明は、閉止可能な開口装置が取り付けられた開口可能域を有する流動食品用包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジュース、ミルク、ワイン、ソースなどのような多くの流動食品は無菌パッケージ材料で作られた流動食品用包装容器で包装されて販売されている。
その流動食品用包装容器の典型例は、周知の流動食品用の平行六面体のパッケージ、屋根形の紙容器であり、このパッケージは積層された包装材を折曲げ、シールして形成される。この包装材は、両面を例えばポリエチレンのような熱シール・プラスチック材料で覆われた例えば紙のような繊維材料の層を含む多層構造を有する。また、長期保存用の無菌パッケージの場合、包装材は例えばアルミニウム薄膜などの酸素バリヤ材料の層を含み、また最終的に食品に接触するパッケージ内面を形成する他の熱シール・プラスチック層でさらに覆われる。
【0003】
流動食品用包装容器は、注ぎ出すための閉止可能な開口装置を一般に備えている。その開口装置は、開口を形成する器壁の穴、パンチ抜き、または切離可能部分に取付けられる注ぎ口フレームと、キャップとを実質的に含む。
器壁のパンチ穴にラミネートフィルムが貼付された開口可能域(プレラミネッテドホール、PLHという)に直接に開口装置を取付ける優れた方法およびその開口装置が取り付けられた包装容器が、例えば、特開2001ー72008号に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、キャップをネジに沿って注ぎ口から開けると、開口可能域(プレラミネッテドホール)に溶着されたキヤップ底部が、回転しながら引き上げられ、溶着された開口可能域をねじ切って開口する構造となっている。しかしながら、ラミネートの開口可能域は多層構造となっているため、各層の層間の接着が充分でないと、キャップに溶着された上側の層のみが破り取られ下側の層の一部が容器側に残ることが起こるというの不都合がある。
また、開口可能域をねじ切るため、開口可能域ラミネートを構成する複数のポリオレフィン層が延びて、切断(破断)面に糸状の残渣が残るという不都合が起こることもある。
更に、開口を形成する器壁の穴、パンチ抜きの断面には、空隙(エアーギャップ)が生じやすく、その空隙近傍の開口可能域ラミネートを切断すると、液体内容物が器壁の断面に浸透する危険を低減する必要性がある。
【0005】
本発明は、ラミネートの開口可能域であっても、ラミネートの層間剥離なく、全体が切断され、一部が容器側に残ることなく、または、切断(破断)面に糸状の残渣が残ることなく、液体内容物が器壁の断面への浸透を防止することができる閉止可能な開口装置が取付けられた包装容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために開口装置が取付けられた包装容器の発明は、注ぎ口を形成するフレームと、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップと、前記フレーム内部に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇回転運動若しくは上昇運動する開口形成部とを含む閉止可能な開口装置が取付けられた、開口可能域を有する流動食品用包装容器であって、前記フレームは、フランジ部と、外周面にねじ山が形成された筒状の注ぎ口部とからなり、前記開口可能域の周囲にて前記包装容器に前記フレームを接合するように、前記フレームのフランジ部の底面と前記開口可能域の周囲面との間に第1接合帯域が形成され、前記開口可能域の上表面にて、前記開口形成部の底面と該上表面との間に第2接合帯域が形成され、前記キャップの開封上昇回転運動に連動して前記開口形成部が上昇回転運動若しくは上昇運動する際に、第2接合帯域の外周であって前記開口可能域に破断された開口を形成することを特徴とする。
【0007】
このように構成したことにより、ラミネートの開口可能域であっても、ラミネートの層間剥離なく、全体が切断され、一部が容器側に残ることなく、または、切断(破断)面に糸状の残渣が残ることなく、液体内容物が器壁の断面への浸透を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の包装容器は、注ぎ口を形成するフレームと、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップと、前記フレーム内部に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇回転運動若しくは上昇運動する開口形成部とを含む閉止可能な開口装置が取付けられた、開口可能域を有する流動食品用包装容器であって、
前記フレームは、フランジ部と、外周面にねじ山が形成された筒状の注ぎ口部とからなり、前記開口可能域の周囲にて前記包装容器に前記フレームを接合するように、前記フレームのフランジ部の底面と前記開口可能域の周囲面との間に第1接合帯域が形成され、
前記開口可能域の上表面にて、前記開口形成部の底面と該上表面との間に第2接合帯域が形成され、前記キャップの開封上昇回転運動に連動して前記開口形成部が上昇回転運動若しくは上昇運動する際に、第2接合帯域の外周であって前記開口可能域に破断された開口を形成する
ことを特徴とする。
【0009】
上記構成により、以下の作用を有する。フレームのフランジ部の底面と開口可能域の周囲面との間に第1接合帯域を形成して、開口可能域の周囲にて包装容器にフレームを接合し、開口可能域を有する流動食品用包装容器に対して、閉止可能な開口装置を取付ける。この開口装置は、注ぎ口を形成するフレームと、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップと、前記フレーム内部に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇回転運動若しくは上昇運動する開口形成部とを含む。容器開封時には、容器を開封しようとキャップを開放方向に運動させると、その運動に連動して開口形成部が上昇回転運動若しくは上昇運動する。前記開口可能域の上表面にて、前記開口形成部の底面と該上表面との間に第2接合帯域が形成されているので、第2接合帯域から開口可能域のフィルムが上方に引っ張られる。この引っ張られたフィルムにテンションが強く付加されているその状態で、第2接合帯域の外周であって前記開口可能域で破断を起こすので、容易に切断が開始し、しかも、引き続き切断を円滑に継続させることができ、容易に破断面積を広げることができる。破断した開口可能域の材料は、必要に応じて繋がっているので、容器内に落下することもない。同様に、所望の位置を切断することができるので、器壁の断面の空隙(エアーギャップ)も維持され、開封後に内容物液体がその容器断面に浸透しない。
【0010】
本発明の請求項2に記載の包装容器は、前記開口可能域が、好ましくは、酸素バリヤ材料の少なくとも1つのバリア層を含むラミネートフィルムからなる。
上記構成により、種々の機能を持つフィルムを積層して、開封容易であって、十分な液密、ガスバリア性など多機能の開口可能域を形成することができる作用を有する。
【0011】
本発明の請求項3に記載の包装容器は、前記フレームの注ぎ口部の底面に、前記開口可能域の上表面に向けて、刃部が設けられている。
上記構成により、キャップを回転して上昇させると、開口形成部の底面と該上表面との間に第2接合帯域が形成されているので、第2接合帯域から開口可能域のフィルムが上方に引っ張られる。この引っ張られたフィルムにテンションが強く付加されているその状態で、前記フレームの注ぎ口部の底面に設けられている刃部が前記開口可能域の上表面に向けて押さえ、フィルムが切れ易くなる。刃部が、例えば、鋸刃の様に刃目が立っている場合、効果的にフィルムを切断することができる作用を有する。
【0012】
本発明の請求項4に記載の包装容器は、前記フレームの注ぎ口部の底面が、前記開口可能域の上表面に向けて、延長して、前記注ぎ口部の底面と該上表面との間に接合帯域が形成されている。
上記構成により、注ぎ口部の底面と開口可能域の上表面との間の接合帯域と、開口形成部の底面と開口可能域の上表面との間の第2接合帯域とでフィルムが引き伸ばされ、その間でフィルムの破断切断が生じる。この限られた領域でのみコントロール下でフィルムを破断させることができる作用を有する。また、この構成において、開口可能域の容器器壁端面の、いわゆるエアーギャップがフィルムの破断切断領域の外に位置する様になり、エアーギャップでのフィルムの破断がなく、充填された液がその端面から接触浸透する懸念が解消される。
【0013】
本発明の請求項5に記載の包装容器は、前記フレームの注ぎ口部の内側に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して該キャップと逆方向に下方移動する可動リングが設けられ、該可動リングの下端に刃部が設けられている。
上記構成により、可動リングは開封時に下方移動する。このリングがフレームの注ぎ口部に対して回転しない様にガイドする。可動リングは、例えば、上端がカムとしての斜面を形成し、下端に鋸刃のような刃部が設けられている。キャップを開封旋回すると、キャップ内部に設けられた斜面が可動リング上端の斜面を押して可動リングを下方に押し下げる。可動リング下端の刃部が開口可能域フィルムを切り取る。この態様では、開口可能域フィルムは上方からの機械的力によるので、開口可能域の多層ラミネートフィルムであって層間接着力が不足していても開封に悪影響を及ぼさない。
【0014】
本発明の請求項6に記載の包装容器は、前記フレームの注ぎ口部の内側に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して該キャップと逆方向に下方移動する可動リングが設けられ、該可動リングの下端に刃部が設けられ、開口形成部が前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇運動する。
上記構成により、可動リングは開封時に下方移動する。可動リングは、例えば、上端がカムとしての斜面を形成し、下端に鋸刃のような刃部が設けられている。キャップを開封旋回すると、キャップ内部に設けられた斜面が可動リング上端の斜面を押して可動リングを下方に押し下げる。これに対して、開口形成部によって、開口可能域フィルムが上昇する。下に下がる可動リング下端の刃部が、上に上がる開口可能域フィルムを切り取る。この態様では、開口可能域フィルムは上方からの機械的力によるので、開口可能域の多層ラミネートフィルムであって層間接着力が不足していても開封に悪影響を及ぼさない。
【0015】
本発明の請求項7に記載の包装容器は、前記フレームの注ぎ口部の内側に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して該キャップと逆方向に下方回転移動する可動リングが設けられ、該可動リングの下端に刃部が設けられ、開口形成部が前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇運動する。
【0016】
上記構成により、可動リングは開封時に下方移動するとともに、キャップと逆方向に回転する。これに対して、開口形成部によって、キャップの回転に沿って開口可能域フィルムが上昇する。キャップと逆方向に回転しながら下に下がる可動リング下端の刃部が、キャップと同方向に回転しながら上に上がる開口可能域フィルムを切り取る。この態様では、開口可能域フィルムは上方からの機械的力により、確実に開口可能域の多層ラミネートフィルムを切断する。
【0017】
本発明の請求項8に記載の流動食品用包装容器は、注ぎ口を形成するフレームと、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップとを含む閉止可能な開口装置が取付けらえた、開口可能域を有する包装容器であって、前記フレームは、フランジ部と、外周面にねじ山が形成された筒状の注ぎ口部とからなり、前記開口可能域の周囲にて前記包装容器に前記フレームを接合するように、前記フレームのフランジ部の底面と前記開口可能域の周囲面との間に接合帯域が形成され、前記開口可能域が、酸素バリヤ材料の少なくとも1つのバリア層を含むラミネートフィルムからなり、前記開口可能域の該フィルムを切断する刃部が、機械的強度の強い樹脂の芯部分と容器内容物と接触する可能性のある低密度ポリエチレン表層部分とからなる。
上記構成により、以下の作用を有する。従来、スパウト、キャップ等の開口装置はその機能を発揮させるためにはその部材の剛性が要求される。特に、カッター等の切断部材、刃部が包装材料を破断/切断するためには適切な剛性が必要である。そのために、カッターやフレームが一体成形された開口装置は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレンなど安価であるが比較的剛性のある樹脂が使用されている。しかし、牛乳用の容器に上記樹脂を用いた開口装置を使用する場合、法令上の規制から、牛乳が直接的に接触する層には、無添加の低密度ポリエチレンを使用する必要があるが、このポリエチレンは剛性に劣っている。
前記開口可能域の該フィルムを切断する刃部が、機械的強度の強い樹脂の芯部分と容器内容物と接触する可能性のある低密度ポリエチレン表層部分とからなるので、剛性を維持して切断機能を発揮し、液体内容物に悪影響を及ぼさない直接接触表面層を使用するので、法令上の規制を受けることがない。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
図8は、本発明の一実施形態の開口装置を包装容器に取付け状態を示す外観図である。この形態では、開口可能域(図示せず)を有する流動食品用包装容器2の頂壁に対して、開口装置4が取付けられている。開口装置4は、注ぎ口を形成するフレーム(図示せず)と、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップ13と、前記フレーム内部に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇回転運動若しくは上昇運動する開口形成部(図示せず)とを含む。
なお、この形態では、キャップ13に、イラズラ改竄防止用部材14が配設されている。
【0019】
断面図の図9に、図8で図示されなかった包装容器2の開口可能域3を示す。この態様における開口可能域3は、容器器壁にパンチホールが穿孔され、その穴に表裏からラミネートフィルムが積層されている。器壁端面91には、いわゆるエアーギャップ92が形成されている。
【0020】
本発明による包装容器の一実施形態の部分断面図を図1に示す。この形態では、注ぎ口を形成するフレーム8と、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップ13と、前記フレーム内部に収納されて前記キャップ13の開封上昇回転運動に連動して上昇回転運動する開口形成部9とを含む閉止可能な開口装置4が開口可能域3に取付けられている。
前記フレーム8は、フランジ部10と、外周面にねじ山が形成された筒状の注ぎ口部11とからなり、前記開口可能域の周囲にて前記包装容器に前記フレームを接合するように、前記フレームのフランジ部の底面と前記開口可能域の周囲面との間に第1接合帯域12が形成され、
前記開口可能域3の上表面にて、前記開口形成部9の底面と該上表面との間に第2接合帯域15が形成され、前記キャップの開封上昇回転運動に連動して前記開口形成部9が上昇回転運動若しくは上昇運動する際に、第2接合帯域15の外周であって前記開口可能域に破断された開口を形成する
ことを特徴とする。
【0021】
上記形態では、容器開封時には、容器を開封しようとキャップ13を開放方向に運動させると、その運動に連動して開口形成部9が上昇回転運動する。前記開口可能域3の上表面にて、前記開口形成部9の底面と上表面との間に第2接合帯域15が形成されているので、第2接合帯域15から開口可能域3のフィルムが上方に引っ張られる。この引っ張られたフィルム3にテンションが強く付加されている。第2接合帯域15の外周で、容易に切断が開始し、しかも、引き続き切断する。破断した開口可能域の材料は、必要に応じて繋がっているので、容器内に落下することもない。上記の位置を切断することができるので、器壁の断面の空隙(エアーギャップ92)も維持され、開封後に内容物液体がその容器断面に浸透しない。
【0022】
図1の形態では、前記開口可能域3が、好ましくは、酸素バリヤ材料の少なくとも1つのバリア層を含むラミネートフィルムからなる。
図1の形態では、前記フレーム8注ぎ口部11の底面に、前記開口可能域3の上表面に向けて、刃部16が設けられている。
この形態では、キャップ3を回転して上昇させると、第2接合帯域15から開口可能域のフィルム3が上方に引っ張られる。この引っ張られたフィルム3にテンションが強く付加されているその状態で、フレームの注ぎ口部11の底面に設けられている刃部16が開口可能域の上表面に向けて押さえ、フィルムを切る。
【0023】
図2の形態では、フレーム8の注ぎ口部11の底面が、開口可能域3の上表面に向けて、延長して、注ぎ口部11の底面と上表面との間に接合帯域17が形成されている。
この形態では、注ぎ口部の底面の接合帯域17と、開口形成部の第2接合帯域15とでフィルム3が引き伸ばされ、その間でフィルムの破断切断が生じる。この限られた領域でのみコントロール下でフィルムを破断させる。また、エアーギャップ92がフィルムの破断切断領域の外に位置する様になり、エアーギャップ92でのフィルムの破断がなく、充填された液がその端面91から接触浸透する懸念が解消される。
【0024】
図3の形態では、フレーム8の注ぎ口部11の内側に収納されてキャップ13の開封上昇回転運動に連動してキャップと逆方向に下方移動する可動リング31が設けられ、可動リング31の下端に刃部32が設けられている。
この形態では、可動リング31は開封時に下方移動する。リング31が注ぎ口部11に対して回転しない様にガイドされている。可動リング31は、上端がカムとしての斜面を有し、下端に刃部32が設けられている。キャップ13を開封旋回すると、キャップ内部に設けられた斜面が可動リング上端の斜面を押して可動リング31を下方に押し下げる。可動リング下端の刃部32が開口可能域フィルム3を切り取る。
【0025】
図4の形態では、フレームの注ぎ口部11の内側に収納されて前記キャップ13の開封上昇回転運動に連動してキャップと逆方向に下方移動する可動リング41が設けられ、可動リング41の下端に刃部42が設けられ、開口形成部9がキャップ13の開封上昇回転運動に連動して上昇運動する。
この形態では、可動リング41は開封時に下方移動する。可動リングは、例えば、上端がカムとしての斜面を形成し、下端に鋸刃のような刃部が設けられている。キャップを開封旋回すると、キャップ内部に設けられた斜面が可動リング上端の斜面を押して可動リングを下方に押し下げる。開口形成部9によって、開口可能域フィルム3が上昇する。下に下がる可動リング下端の刃部41が、上に上がる開口可能域フィルム3を切り取る。
【0026】
図4の形態の変形例では、フレームの注ぎ口部の内側に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動してキャップと逆方向に下方回転移動する可動リングが設けられ、可動リングの下端に刃部が設けられ、開口形成部が前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇運動する。
【0027】
可動リングは開封時に下方移動するとともに、キャップと逆方向に回転する。これに対して、開口形成部9によって、キャップの回転に沿って開口可能域フィルムが上昇する。キャップと逆方向に回転しながら下に下がる可動リング下端の刃部が、キャップと同方向に回転しながら上に上がる開口可能域フィルムを切り取る。
図5に、可動リング41の透視斜視図を示す。可動リング41は、上端がカムとしての斜面を有し、下端に刃部42が設けられている。キャップを開封旋回すると、キャップ内部に設けられた斜面が可動リング上端の斜面を押して可動リング41を下方に押し下げる。
この発明に好ましい態様において、可動リング61の下端に刃部62を片刃にすることができる。このような態様において、図6に示す様に、刃部62の斜面で開口可能域フィルムを押し広げることができ、開口装置の位置決めが多少ずれても開口への影響を少なくすることができる。
【0028】
本発明の別の態様の流動食品用包装容器は、注ぎ口を形成するフレームと、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップとを含む閉止可能な開口装置が取付けらえた、開口可能域を有する包装容器であって、前記フレームは、フランジ部と、外周面にねじ山が形成された筒状の注ぎ口部とからなり、前記開口可能域の周囲にて前記包装容器に前記フレームを接合するように、前記フレームのフランジ部の底面と前記開口可能域の周囲面との間に接合帯域が形成され、前記開口可能域が、酸素バリヤ材料の少なくとも1つのバリア層を含むラミネートフィルムからなり、図7に示す様に、開口可能域のフィルムを切断する刃部72が、機械的強度の強い樹脂の芯部分73と容器内容物と接触する可能性のある低密度ポリエチレン表層部分74とからなる。
開口可能域の該フィルムを切断する刃部72が、機械的強度の強い樹脂の芯部分73と容器内容物と接触する可能性のある低密度ポリエチレン表層部分74とからなるので、剛性を維持して切断機能を発揮し、液体内容物に悪影響を及ぼさない直接接触表面層を使用するので、法令上の規制を受けることがない。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のによって、ラミネートの開口可能域であっても、ラミネートの層間剥離なく、全体が切断され、一部が容器側に残ることなく、または、切断(破断)面に糸状の残渣が残ることなく、液体内容物が器壁の断面への浸透を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施形態の開口装置の部分断面図
【図2】本発明による一実施形態の開口装置の部分断面図
【図3】本発明による一実施形態の開口装置の部分断面図
【図4】本発明による一実施形態の開口装置の部分断面図
【図5】本発明の一実施形態の可動リングの透視斜視図
【図6】本発明の一実施形態の開口装置による開口を説明する部分断面図
【図7】本発明による一実施形態の開口装置の刃部の部分断面図
【図8】本発明による一実施形態の包装容器の部分斜視図
【図9】本発明による一実施形態の開口可能域の部分断面図
【符号の説明】
2 ・・・包装容器
3 ・・・開口可能域
4 ・・・開口装置
13 ・・・キャップ
Claims (8)
- 注ぎ口を形成するフレームと、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップと、前記フレーム内部に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇回転運動若しくは上昇運動する開口形成部とを含む閉止可能な開口装置が取付けられた、開口可能域を有する流動食品用包装容器であって、
前記フレームは、フランジ部と、外周面にねじ山が形成された筒状の注ぎ口部とからなり、前記開口可能域の周囲にて前記包装容器に前記フレームを接合するように、前記フレームのフランジ部の底面と前記開口可能域の周囲面との間に第1接合帯域が形成され、
前記開口可能域の上表面にて、前記開口形成部の底面と該上表面との間に第2接合帯域が形成され、前記キャップの開封上昇回転運動に連動して前記開口形成部が上昇回転運動若しくは上昇運動する際に、第2接合帯域の外周であって前記開口可能域に切断された開口を形成する
ことを特徴とする包装容器。 - 前記開口可能域が、ラミネートフィルムからなる、請求項1に記載された包装容器。
- 前記フレームの注ぎ口部の底面に、前記開口可能域の上表面に向けて、刃部が設けられている、請求項1又は2に記載された包装容器。
- 前記フレームの注ぎ口部の底面が、前記開口可能域の上表面に向けて、延長して、前記注ぎ口部の底面と該上表面との間に接合帯域が形成されている、請求項1又は2に記載された包装容器。
- 前記フレームの注ぎ口部の内側に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して該キャップと逆方向に下方移動する可動リングが設けられ、該可動リングの下端に刃部が設けられている、請求項1又は2に記載された包装容器。
- 前記フレームの注ぎ口部の内側に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して該キャップと逆方向に下方移動する可動リングが設けられ、該可動リングの下端に刃部が設けられ、開口形成部が前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇運動する、請求項1又は2に記載された包装容器。
- 前記フレームの注ぎ口部の内側に収納されて前記キャップの開封上昇回転運動に連動して該キャップと逆方向に下方回転移動する可動リングが設けられ、該可動リングの下端に刃部が設けられ、開口形成部が前記キャップの開封上昇回転運動に連動して上昇運動する、請求項1又は2に記載された包装容器。
- 注ぎ口を形成するフレームと、前記注ぎ口を閉止するために前記フレームに取付けられる取外し可能なキャップとを含む閉止可能な開口装置が取付けらえた、開口可能域を有する流動食品用包装容器であって、
前記フレームは、フランジ部と、外周面にねじ山が形成された筒状の注ぎ口部とからなり、前記開口可能域の周囲にて前記包装容器に前記フレームを接合するように、前記フレームのフランジ部の底面と前記開口可能域の周囲面との間に第1接合帯域が形成され、
前記開口可能域が、酸素バリヤ材料の少なくとも1つのバリア層を含むラミネートフィルムからなり、
前記開口可能域の該フィルムを切断する刃部が、機械的強度の強い樹脂の芯部分と容器内容物と接触する可能性のある低密度ポリエチレン表層部分とからなる
ことを特徴とする包装容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003042514A JP2004250056A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 閉止可能な開口装置を有する包装容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003042514A JP2004250056A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 閉止可能な開口装置を有する包装容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004250056A true JP2004250056A (ja) | 2004-09-09 |
Family
ID=33025774
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003042514A Pending JP2004250056A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 閉止可能な開口装置を有する包装容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004250056A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008007156A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-01-17 | Japan Crown Cork Co Ltd | 容器蓋 |
JP2011140208A (ja) * | 2009-12-11 | 2011-07-21 | Nihon Tetra Pak Kk | 注出口取付装置及び注出口取付方法 |
-
2003
- 2003-02-20 JP JP2003042514A patent/JP2004250056A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008007156A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-01-17 | Japan Crown Cork Co Ltd | 容器蓋 |
JP2011140208A (ja) * | 2009-12-11 | 2011-07-21 | Nihon Tetra Pak Kk | 注出口取付装置及び注出口取付方法 |
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