JP2004249602A - 液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧力発生室142の1つの面を構成する振動板124と、圧力発生室142に対応して設けられたピエゾ素子144とで、ピエゾアクチュエータ154が構成される。ピエゾ素子144の撓み剛性Dpと、振動板124の撓み剛性Dvとの撓み剛性比r=Dv/Dpが0.2以上とされる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置に関し、さらに詳しくは、液滴を吐出して記録媒体上に文字や画像などを記録したり、基板上に微細パターンや薄膜の形成等を行うための液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧力発生室内に充填された液体に対し、圧電アクチュエータ等の圧力発生手段を用いて圧力波(音響波)を発生させ、その圧力波によって圧力発生室(あるいは圧力室)に連結されたノズルから液滴を吐出する液滴吐出方法は一般によく知られている。一般に圧電アクチュエータは、画像情報に応じて変形する変形素子(たとえばピエゾ素子)と、この変形素子の変形によって振動して、圧力発生室を膨張又は圧縮させる振動板とで構成されているが、変形素子が圧力発生室に対して位置ズレすると、圧電アクチュエータの特性が変化してしまう。
【0003】
このような不都合を解消するために、特許文献1では、駆動信号印加時に振動板と共にたわみ変形する駆動部の中心位置と、圧力室の中心位置との位置ずれ量をδ、駆動部の平面形状の幅をWp、圧力室の平面形状の幅をWcとしたとき、Wpが、Wp≦Wc−2 δまたはW c +2 δ≦Wpの範囲となるように構成されたインクジェット式記録ヘッドが開示されている。このような構成とすることで、位置ずれに対するたわみ変形量のばらつきを小さくし、て高精度化が可能とされている。特に、Wpが、(Wc−2δ)×0.9≦Wp≦Wc−2δの範囲であれば、たわみ変形量を最大にできると同時に、圧電アクチュエータの位置ずれに対するたわみ変形量のばらつきが小さく、高精度化できる旨、記載されている。
【0004】
しかしながら、実際の液滴吐出ヘッド(インクジェット式記録ヘッド)では、上記した位置ズレに対するアクチュエータの特性変化をさらに小さくすることが好ましい場合がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−248765号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述したような問題点を解決すべくなされたものであり、圧力発生室と変形素子との位置ズレが生じても、アクチュエータの特性変化を低く抑えることの可能な液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を得ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明では、液体が充填される圧力発生室と、前記圧力発生室と連通し、液滴を吐出可能なノズルと、前記圧力発生室に対応して設けられ画像情報に応じて変形する変形素子と、前記圧力発生室の壁面の少なくとも一部を構成し前記変形素子の変形によって振動して圧力発生室を膨張又は圧縮させる振動板と、を備えたアクチュエータと、を有する液滴吐出ヘッドであって、前記変形素子の撓み剛性をDp、前記振動板の撓み剛性をDvとしたとき、r=Dv/Dpで定義される撓み剛性比が0.1以上とされていることを特徴とする。
【0008】
なお、ここでいう「撓み剛性」とは、対象となっている部材のヤング率をE、厚さをh、ポアソン比をvとしたとき、
D=Eh3/{12(1−v2)}
で表される。
【0009】
この液滴吐出ヘッドでは、変形素子が画像情報に応じて変形し、振動板が振動して圧力発生室を膨張又は圧縮することで、圧力室内の液体に圧力波(音響波)を発生させ、ノズルから液滴を吐出する。
【0010】
ここで、変形素子の撓み剛性Dpと、振動板の撓み剛性Dvとの比(撓み剛性比)r=Dv/Dpは0.1以上とされている。すなわち、変形素子の撓み剛性に対し、振動板の撓み剛性が相対的に高くなっている。これにより、圧力発生室と変形素子との相対的な位置ズレが発生しても、アクチュエータの特性変化を低く抑えることが可能となる。
【0011】
上記式からも明らかなように、「撓み剛性」は、振動板、変形素子及び圧力発生室の平面形状や寸法には依存していない。したがって、本発明では、上記の撓み剛性比が0.1以上であれば、振動板、変形素子及び圧力発生室の具体的構成は特に限定されず、これらが変化しても、撓み剛性比rという指標で評価可能であるが、例えば、前記振動板の厚さとしては、請求項2に記載のように、5μm〜20μmとすることができる。振動板の厚さを5μm以上とすることで、たとえば他部材との接着時の反りや曲がり、製造時の破断や貫通孔(いわゆるピンホール)の発生を防止することができる。また、20μm以下とすることで、振動板の撓み、すなわちアクチュエータの変位量を確保し、確実に液滴を吐出することが可能となる。
【0012】
また、前記変形素子の厚さとしては、請求項3に記載のように、25μm〜40μmとすることができる。変形素子の厚さを25μm以上とすることで、搬送時の割れや、振動板への接合接着時のクラックの発生を防止することができる。また、40μm以下とすることで、変形素子の電界強度(印加電圧/厚さ)を、印加電圧を過度に上昇させることなく維持し、アクチュエータの変位量を確保して液滴を確実に吐出させることが可能となる。印加電圧を過度に上昇させる必要がないので、電源や駆動電気回路のコスト上昇を招くこともない。
【0013】
圧力発生室としては、請求項4に記載のように、その平面形状が正多角形で、その寸法が580μm〜660μm、とされている構成が挙げられる。圧力発生室の寸法を580μm以上とすることで、液滴を吐出するために必要な体積変化(アクチュエータの変位量)を確実に確保できる。また、660μm以下とすることで、液滴吐出ヘッド全体を小型化することが可能となる。さらに、各部材の接着接合時の熱収縮を抑制し、反りや割れを防止できる。特に、請求項4に記載の構成では、請求項5に記載のように、前記変形素子の平面形状が前記圧力発生室の平面形状と同一とされ、変形素子の寸法が圧力発生室の寸法に対して−30μm〜−50μmとすることが可能である。
【0014】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを有することを特徴とする。
【0015】
すなわち、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを有しているので、圧力発生室と変形素子との相対的な位置ズレが発生しても、アクチュエータの特性変化を低く抑えることが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0017】
図1及び図2には、本発明の第1実施形態の液滴吐出ヘッド112の液滴吐出部が部分的に示されている。また、図3には、この液滴吐出ヘッド112を備えた液滴吐出装置102が示されている。本実施形態の液滴吐出ヘッド112はいわゆるインクジェット記録ヘッドとされており、この液滴吐出ヘッド112を備えた液滴吐出装置102は、インクジェット記録装置とされている。液滴吐出装置102は、記録媒体である記録用紙P上に、液滴吐出ヘッド112のノズル140から着色インクの液滴(インク滴)を吐出し、この液滴によるドットで画像を記録するために使用される。
【0018】
図3に示すように、液滴吐出装置102は、液滴吐出ヘッド112が搭載されるキャリッジ104と、キャリッジ104を記録用紙Pの記録面に沿った所定の主走査方向方向に移動(主走査)させる主走査機構106、および、記録用紙Pを主走査方向と交差(好ましくは直交)する所定の副走査方向に搬送(副走査)させるための副走査機構108を含んで構成されている。なお、図面において主走査方向を矢印Mで、副走査方向を矢印Sでそれぞれ示す。
【0019】
液滴吐出ヘッド112は、後述するノズル140が形成されたノズル面114S(図2参照)が記録用紙Pと対向するようにキャリッジ104上に搭載されており、主走査機構106によって主走査方向に移動されながら記録用紙Pに対して液滴を吐出することにより、一定のバンド領域BEに対して画像の記録を行う。主走査方向への1回の移動が終了すると、副走査機構108によって記録用紙Pが副走査方向に搬送され、再びキャリッジ104を主走査方向に移動させながら次のバンド領域を記録する。こうした動作を複数回繰り返すことにより、記録用紙Pの全面にわたって画像記録を行うことができる。
【0020】
図1及び図2から分かるように、液滴吐出ヘッド112は、積層流路板114を有している。積層流路板114は、ノズルプレート116、流路プレート118、供給路プレート120、圧力発生室プレート122、および振動板124の合計5枚のプレートを位置合わせして積層し、接着剤等の接合手段によって接合することにより形成されている。圧力発生室プレート122、供給路プレート120および流路プレート118には、副走査方向に沿って長孔126、128、130が形成されており、流路プレート118、供給路プレート120および圧力発生室プレート122が積層された状態で、長孔126、128、130によって、共通流路が構成される。
【0021】
振動板124には、共通流路の端部に対応する位置に、インク供給孔134が形成されている。インク供給孔134には、図示しないインク供給装置が接続される。
【0022】
流路プレート118には、長孔130から連続して、且つ主走査方向に沿って複数(図1では12本のみ示す)の流路136が形成されており、供給路プレート120、流路プレート118およびノズルプレート116が積層された状態で、流路136内を液体が流れるようになる。
【0023】
圧力発生室プレート122には、流路136のそれぞれに対応して複数の圧力発生室142を構成する開口が形成されており、この開口と、圧力発生室142及び供給路プレート120とで、圧力発生室142が構成されている。さらに、それぞれの圧力発生室142に対応して、振動板124にはピエゾ素子144が取り付けられており、振動板124とピエゾ素子144とで、圧力発生室142にそれぞれに対応した単板型のピエゾアクチュエータ154(圧電アクチュエータ)が複数構成されている。
【0024】
また、供給路プレート120には、図1から分かるように、圧力発生室142のそれぞれに1つずつ、インク供給路146およびインク排出路148が形成されている。さらに、流路プレート118およびノズルプレート116には、それぞれインク排出路148に対応する位置に、連通路150およびインク吐出口152が形成されている。インク排出路148、連通路150およびインク吐出口152によって、ノズル140が構成されている。さらに、圧力発生室142、ノズル140およびピエゾアクチュエータ154によって、イジェクタ138が構成されている。
【0025】
したがって、図2の断面図からも分かるように、流路136から圧力発生室142、インク排出路148、連通路150およびインク吐出口152へと連続するインクの通路が構成されていることになる。図示しないインク供給装置から送られてきたインクは、インク供給孔134を介して液滴吐出ヘッド112に供給され、共通流路内からそれぞれの流路136を経て、圧力発生室142内に充填される。ここで、ピエゾ素子144に、画像情報に応じた駆動電圧波形を印加すると、ピエゾ素子144が変形して振動板124が振動し、圧力発生室142を膨張または圧縮させる。これによって圧力発生室142に体積変化が生じると、圧力発生室142内に圧力波が発生する。この圧力波の作用によってノズル140(インク排出路148、連通路150およびインク吐出口152)のインクが運動し、インク吐出口152から外部へ排出されることにより液滴が形成される。
【0026】
ここで、本実施形態では、ピエゾ素子144の撓み剛性をDp、振動板124の撓み剛性をDvとしたときに、r=Dv/Dpで定義される撓み剛性比が0.1以上となるように、それぞれの形状、サイズ、材質などが決められている。すなわち、ピエゾ素子144の撓み剛性Dpに対し、振動板124の撓み剛性Dvが相対的に高くなっている。これにより、圧力発生室142とピエゾ素子144との相対的な位置ズレが発生していても、ピエゾアクチュエータ154の特性変化は低く抑えられる。
【0027】
また、このように、ピエゾアクチュエータ154の特性変化を低く抑えることで、イジェクタ138ごとの吐出特性のばらつきも抑制されるので、液滴吐出ヘッド112全体として、高い精度で液滴を吐出することができ、液滴吐出装置102としても高画質の画像を記録することが可能となる。
【0028】
なお、一般に、上記したような構成の液滴吐出ヘッド112の製造過程では、ノズルプレート116、流路プレート118、供給路プレート120、圧力発生室プレート122、および振動板124の合計5枚のプレートを接合したのち、ピエゾ素子144が振動板124に接合されることが多い。本実施形態では、ピエゾ素子144の撓み剛性Dpに対し、振動板124の撓み剛性Dvが相対的に高くなっているので、ピエゾ素子144接合時の振動板124の不用意な撓みが抑制され、ピエゾ素子144の破壊を防止できる。
【0029】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明に好適な実施形態を示したものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。すなわち、本発明の主旨を逸脱することなく、種々の変形、改良、修正、簡略化などを、上記実施形態に加えてもよい。
【0030】
本発明の変形素子としても、上記実施形態では、ピエゾ素子を用いたが、この他に、静電力や磁力を利用した電気機械変換素子、あるいは、熱収縮差を利用した電気機械変換素子(電気信号が入力されると発熱して熱膨張/収縮し、振動板との寸法差によって撓み変形する素子)など、他の変形素子を用いてもかまわない。
【0031】
また、ノズルプレート116としても、上記説明では複数のプレートの積層によって流路を形成しているが、プレートの構成、材質などは上記実施形態に限定されない。例えば、セラミックス、ガラス、樹脂、シリコンなどの材料を用いて、流路を一体成型してもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、記録用紙P上に着色インクの液滴(インク滴)を吐出して文字や画像などの記録を行うインクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置を例に挙げたが、本発明の液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置としては、このようなインクジェット記録、すなわち、記録用紙上への文字や画像の記録に用いられるものに限定されない。また、記録媒体は紙に限定されるわけではなく、吐出する液体も着色インクに限定されるわけではない。「記録媒体」としては、液滴吐出ヘッドによって液滴を吐出する対象物であればよく、同様に、「画像」あるいは「記録画像」としても、液滴が記録媒体上に付着されることで得られる記録媒体上のドットのパターンであれば、すべて含まれる。したがって、「記録媒体」には、記録用紙やOHPシートなどが含まれるのはもちろんであるが、これら以外にも、たとえば基板、ガラス板などが含まれる。また、「画像」あるいは「記録画像」には、一般的な画像(文字、絵、写真など)のみならず、基板上の配線パターンや3次元物体、有機薄膜などが含まれる。例えば、高分子フィルムやガラス上に着色インクを吐出して行うディスプレイ用のカラーフィルターの作製、溶融状態のハンダを基板上に吐出して行う部品実装用のバンプの形成、有機EL溶液を基板上に吐出させて行うELディスプレイパネルの形成、溶融状態のハンダを基板上に吐出して行う電気実装用のバンプの形成など、様々な工業的用途を対象とした液滴噴射装置一般に対して、本発明の液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置を適用することも可能である。
【0033】
また、液滴吐出装置として、上記では液滴吐出ヘッドをキャリッジによって移動させながら液滴吐出を行う形態としたが、インク吐出口152を記録媒体の全幅にわたって配置したライン型の液滴吐出ヘッドを用い、このライン型ヘッドを固定して、記録媒体のみを搬送しながら記録を行う(この場合は主走査のみとなる)など、別の装置形態に本発明を適用することも可能である。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】
本実施例では、まず、本発明の効果を定量的に示す指標として、「位置ズレに対する特性の感度」という概念を用いることとした。これは、圧力発生室142に対するピエゾ素子144の位置ズレが発生したときの、ピエゾアクチュエータ154の特性の変化の度合いを示すものであり、この値が小さいほど、本発明の効果が著しい。
【0036】
なお、ここでいう「位置ズレ」とは、圧力発生室142を基準としたときの、ピエゾ素子144の位置のズレをいう。本来は、このズレは、図4に示すように、X方向(ピエゾ素子144の幅方向)の成分、Y方向(ピエゾ素子144の長手方向の成分)、及び回転角度の3変数で表されるべきであるが、実際は回転角度は僅かであり、且つその影響は小さいので、ここでは、回転は無しと考えた。また、X方向と比較して、Y方向の変位の方が影響は大きい。したがって、ここでは、Y方向での移動量を「位置ズレ」とした。
【0037】
また、ここでいう「特性」とは、ピエゾアクチュエータ154の共振周波数をいう。本来は、液滴吐出ヘッド112が吐出する液滴の体積で表すのが好ましいが、図5に示すように、液滴体積とピエゾアクチュエータ154の共振周波数とは高い相関関係がある。しかも、液滴体積と比較して、共振周波数の方が実測が簡便であり、短時間で可能である。このため、ここでは、「特性」として、ピエゾアクチュエータ154の共振周波数を使用した。したがって、「特性の感度」とは、ピエゾアクチュエータ154の共振周波数の変化の程度を示す。
【0038】
そして、本実施例では、上記の撓み剛性比rとして種々の値をもつ構造を想定して解析モデルを作成し、単位ズレ量(1μm)だけ位置ズレしたときの感度(すなわち特性の変化)を算出した。なお、撓み剛性比rを変化させるために、以下に示すように、各種パラメータを変化させた。各数値の単位は、ピエゾ素子144のヤング率を除き、すべてμmである。
【0039】
・圧力発生室142の寸法:620(基準)、580、660
・圧力発生室142の形状:正方形(基準)、正六角形、真円形
・ピエゾ素子144の厚さ:25、30、35(基準)、40
・ピエゾ素子144の寸法:圧力発生室の寸法に対して−30(基準)、−40、−50
・ピエゾ素子144の形状:正方形(基準)、正六角形、真円形(圧力発生室と同一形状)
・ピエゾ素子144の材質:PZT
・ピエゾ素子144のヤング率(GPa):70(基準)、100、120
・振動板124の厚さ :5、10、15(基準)、20
・振動板124の材質 :SUS(基準)、ニッケル、銅、クロム
実際の計算では、上記において変化させるパラメータを1つ決定し、これ以外のパラメータは、(基準)としたものに固定して、撓み剛性比rの値を得た。得られた撓み剛性比rと感度との関係を図6に示す。
【0040】
このグラフから分かるように、r≧0.1という条件を満たしていれば、ピエゾアクチュエータ154の感度が1%以下となるので、好ましい。このように感度を1%以下とすることで、位置ズレによる液滴吐出ヘッド112内の各イジェクタ138間の吐出特性(インク滴の滴体積や吐出速度)のばらつきが小さくなり、記録画像の高画質化を実現できる。
【0041】
また、ピエゾアクチュエータ154の特性変化を小さく抑えるという観点からは、上記の撓み剛性比rの値に上限はない。但し、あまりにこの値が大きくなると、変形素子(上記の例ではピエゾ素子144)に対して振動板124の剛性が高すぎて撓み変形が発生せず、その結果、液滴を吐出することができないという不都合が生じるおそれがある。このような不都合を解消するためには、rを1.0以下とすることが好ましい。
【0042】
【発明の効果】
本発明は上記構成としたので、圧力発生室と変形素子との位置ズレが生じても、アクチュエータの特性変化を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の液滴吐出ヘッドを部分的に示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の液滴吐出ヘッドを部分的に示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の液滴吐出装置を示す斜視図である。
【図4】圧力発生室とピエゾ素子との位置ズレの方向を示す説明図である。
【図5】アクチュエータの共振周波数と液滴体積との関係を示すグラフである。
【図6】撓み剛性比と感度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
102 液滴吐出装置
104 キャリッジ
112 液滴吐出ヘッド
124 振動板
140 ノズル
142 圧力発生室
144 ピエゾ素子(変形素子)
Claims (6)
- 液体が充填される圧力発生室と、
前記圧力発生室と連通し、液滴を吐出可能なノズルと、
前記圧力発生室に対応して設けられ画像情報に応じて変形する変形素子と、前記圧力発生室の壁面の少なくとも一部を構成し前記変形素子の変形によって振動して圧力発生室を膨張又は圧縮させる振動板と、を備えたアクチュエータと、
を有する液滴吐出ヘッドであって、
前記変形素子の撓み剛性をDp、前記振動板の撓み剛性をDvとしたとき、r=Dv/Dpで定義される撓み剛性比が0.1以上とされていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 前記振動板の厚さが5μm〜20μmとされていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記変形素子の厚さが25μm〜40μmとされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記圧力発生室の平面形状が正多角形で、その寸法が580μm〜660μmとされていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記変形素子の平面形状が前記圧力発生室の平面形状と同一とされ、変形素子の寸法が圧力発生室の寸法に対して−30μm〜−50μmとされていることを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出ヘッド。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを有することを特徴とする液滴吐出装置。
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